JP2009203465A - 顔料分散助剤、顔料分散物及びカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物 - Google Patents

顔料分散助剤、顔料分散物及びカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】濃硫酸や発煙硫酸を使用して効率よく生産することができ、かつ顔料分散剤と併用することにより優れた顔料分散性を発揮する顔料分散助剤を提供する。
【解決手段】フェニル環上にシアノ基を有する特定のジケトピロロピロール系顔料である顔料分散助剤。また、この顔料分散助剤を使用することにより、有機顔料を微細に分散した状態においても、良好な流動性と分散安定性を有する顔料分散物が得られる。この顔料分散物は、明度、彩度に優れるので、各種印刷用インキのほか、インクジェットプリンター用インキにも好適に使用することができる。更に、そのような顔料分散物を液晶カラーフィルター用レジストに使用することにより、高い明度Y値やコントラスト比を有する液晶カラーフィルターを実現することが可能になる。
【選択図】なし

Description

本発明は、顔料分散助剤とその用途に関し、更に詳しくは、微細に分散された有機顔料の流動性と分散安定性の維持に寄与することにより、印刷インキ、塗料、液晶カラーフィルター用顔料分散レジスト組成物(以下、単に「液晶カラーフィルター用レジスト」又は「液晶カラーフィルター用レジスト組成物」ともいう。)、インクジェット用インキ等の広い分野に適した顔料分散物を提供し、特に液晶カラーフィルター用レジストに使用されたときに、明度やコントラスト比をより高いレベルに引き上げることができる顔料分散助剤とその用途に関する。
有機顔料は古くから着色剤として知られ、各種インキや塗料はもとより、最近では液晶カラーフィルターやインクジェット用インクといった高い透明性や高いコントラスト比が求められる分野においても利用されはじめている。これら有機顔料の分散技術は、近年著しい進歩を遂げており、更に製造の合理化の為に顔料濃度を出来るだけ高くして分散する方法も検討されている。しかしながら、基本的に、顔料の濃度を高くすると、流動性、分散安定性が低下するという問題がある。
加えて、液晶カラーフィルターやインクジェット記録の分野では、高堅牢度が要求されるため堅牢な高級顔料を使用し、より鮮明な色相を得るために堅牢な高級有機顔料をより微細な粒子径になるまで分散させることが必要となる。しかし、もともと高級有機顔料は他の顔料と比較して分散安定性が乏しい上に、微細化すればするほど、凝集を起こし易くなり、安定な分散体を得ることは困難である。
そこで、この様な問題を解決するために、従来より顔料自体の処理(表面処理・改質)や、顔料に良好な濡れ性(吸着性)を有する顔料分散剤、界面活性剤の開発等により、有機顔料の分散安定性が検討され、現在でも多くの研究が行われている。
例えば、酸性顔料の分散に塩基性基を有する顔料分散剤を利用して、酸−塩基の親和力によって顔料表面に顔料分散剤を吸着させ、良好な分散安定性を得る方法が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。しかし、このような酸−塩基の親和力による顔料分散性の改善では、液晶カラーフィルターやインクジェット印刷の分野で要求される、更なる高い透過率やコントラストを実現するには、まだ充分ではなかった。
また、液晶カラーフィルターに適した色相や明度を得るという観点からは、前記高級顔料の中でも特に赤色顔料としてジケトピロロピロール系の顔料を使用すると、従来から赤色顔料として使用されてきた4,4′−ジアミノ−1,1′−ビアントラキノン系の顔料に比べて大幅に改善された特性が得られることが知られている。これはジケトピロロピロールの分光透過曲線が、550〜600nm付近で傾きの大きな立ち上がりを示すことに基づくもので、特にその微粒化処理品を用いることにより明度Y値の向上効果が顕著となるので好ましい。しかしながら、ジケトピロロピロール系の顔料は、その対称性の高い分子構造からきわめて強い凝集力を示すので、通常の分散技術でこれを微粒化処理することは不可能である。
そこで、顔料分散剤と併用して顔料分散性を向上させる顔料分散助剤を使用することも検討もされている。例えば、顔料分散剤と、スルホ基を持つジケトピロロピロール化合物を含む顔料分散助剤とを利用して、ジケトピロロピロール顔料の分散性を向上させる方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。このような顔料分散助剤を使用することによって顔料分散性を向上できるため、上記の構成は、液晶カラーフィルター分野で要求される高い透過率やコントラストを実現する一つの手段と考えられている。
ここで、特許文献3に具体的に記載されているようなスルホ基を有するジケトピロロピロール化合物を得るためには、ジケトピロロピロール系の顔料に濃硫酸や発煙硫酸を作用させてスルホン化を行う必要がある。しかしながら、濃硫酸や発煙硫酸は酸化作用が強いので、この工程中にジケトピロロピロール系顔料が分解してしまう場合がある。この場合、目的とするスルホ基を有するジケトピロロピロール化合物の収率が低下するだけでなく、分解により生成した不純物が大量に混入することによって結晶性が低下し、分離操作が困難となってコストが大幅に増大する。より穏やかな薬品を使用してスルホン化を行えばこのような弊害も少なくなろうが、その場合にはスルホン化反応に多くの時間がかかるであろうし、安価な濃硫酸や発煙硫酸に代えて高価な薬品を使用するのは現実的でない。
特開昭54−037082号公報 特開2001−272524号公報 特開2000−160084号公報
そこで本発明は、第一には、濃硫酸や発煙硫酸を使用して効率よく生産することができ、かつ顔料分散剤と併用することにより優れた顔料分散性や分散安定性を発揮する、顔料分散助剤を得ることを課題とする。また、第二には、そのような顔料分散助剤を使用することにより、顔料分散性や分散安定性に優れた顔料分散物を得ることを課題とする。そして、第三には、そのような顔料分散物を使用して、高い明度Y値やコントラスト値を発現するカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を得ることを課題とする。本発明のその他の課題は、本明細書の後の記載から明らかにされるであろう。
本発明者らは鋭意研究の結果、ジケトピロロピロール系の顔料の中でも、特にC.I.ピグメントオレンジ71をスルホン化して得られた顔料分散助剤は、濃硫酸や発煙硫酸を使用して生産されたものであっても、良好な収率で結晶性良く得られることを見出した。本発明はかかる知見に基づき完成されたものであり、上記の課題を解決することができる。
即ち、(1)本発明は、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする顔料分散助剤に関する。
Figure 2009203465
〔式中、Mは、H、Na、K、NH又はNR(R、R、R及びRは、同一若しくは異なって、他の置換基で置換されていてもよい炭素数1〜10の飽和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素基、又は、他の置換基で置換されていてもよい炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。)を表す。mは1以上の整数を表す。〕
また、(2)本発明は、有機顔料、顔料分散剤、上記(1)項記載の顔料分散助剤及び有機溶剤を含有することを特徴とする顔料分散物に関する。
また、(3)本発明は、上記顔料分散剤が、塩基性基を有するものである上記(2)項記載の顔料分散物に関する。
また、(4)本発明は、上記顔料分散剤が、塩基性基を有するアクリル系ブロック共重合体である上記(2)項又は(3)項記載の顔料分散物に関する。
また、(5)本発明は、上記有機顔料が、ジケトピロロピロール系顔料である上記(2)項〜(4)項のいずれかに記載の顔料分散物に関する。
また、(6)本発明は、上記ジケトピロロピロール系顔料が、C.I.ピグメントレッド254である上記(5)項記載の顔料分散物に関する。
また、(7)本発明は、上記有機顔料が、微粒子化処理されているものである上記(2)項〜(6)項のいずれかに記載の顔料分散物に関する。
また、(8)本発明は、上記微粒子化処理が、ソルトミリング処理である上記(7)項記載の顔料分散物に関する。
また、(9)本発明は、上記ソルトミリング処理が、有機顔料、水溶性の無機塩及び上記無機塩を実質的に溶解しない水溶性分散媒体を含む混合物を、3本の撹拌ブレードを自転運動させながら公転運動させる混練装置で混練した後、上記無機塩及び上記水溶性分散媒体を除去する工程により行われる上記(8)項記載の顔料分散物に関する。
また、(10)本発明は、上記(2)項〜(9)項のいずれかに記載の顔料分散物を含有することを特徴とするカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物に関する。
先ず、本発明の顔料分散助剤について具体的に説明する。
本発明の顔料分散助剤は、上記一般式(1)で表される化合物である。式中において、Mは、H、Na、K、NH又はNRを表す。
上記一般式(1)の「NR」(M)に関して、R、R、R及びRは、同一若しくは異なって、他の置換基で置換されていてもよい炭素数1〜10の飽和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素基、又は、他の置換基で置換されていてもよい炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。ここで、上記飽和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、1−ブテニル基等のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基等のアルキニル基等が挙げられる。上記芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。また、上記他の置換基としては、水酸基、ハロゲン、カルボキシル基、アミノ基、低級アルキル基(炭素数1〜5)等が挙げられる。
なお、上記R、R、R及びRは、1個が他の置換基で置換されていても、2個以上が他の置換基で置換されていてもよい。更に、上記一般式(1)の「m」は1以上の整数である。
このような顔料分散助剤は、下記式(2)で表されるC.I.ピグメントオレンジ71を従来公知のスルホン化処理を行うことにより製造することができる。例えば、C.I.ピグメントオレンジ71の顔料粉末を濃硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸又はそれらの混合液に溶解し、室温ないし80〜90℃に加熱し、次いで多量の水で希釈する。この時、スルホン化されたピグメントオレンジ71は結晶化し、懸濁状態となる。得られた懸濁液を濾過後、水洗し、その後フィルターケーキを乾燥、粉砕することにより目的の顔料分散助剤を得ることができる。なお、反応によって得られたスルホン化物を、例えば水酸化ナトリウムやアンモニア水溶液等の無機塩基性化合物や、有機アミン等の有機塩基性化合物で中和することにより、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩又は有機アンモニウム塩等としても良いことはいうまでもない。
なお、このような顔料分散助剤の市販品は存在しない。
Figure 2009203465
C.I.ピグメントオレンジ71は公知のものを使用することができる。スルホン化に使用する薬品の量としては、例えば濃硫酸を使用する場合、顔料と濃硫酸がスラリー状に撹拌可能な程度の量を使用する。
上記式(2)に示す通り、C.I.ピグメントオレンジ71は、ジケトピロロピロール骨格に3−シアノフェニル基が2個結合した構造を有する。別途実施例でも示すが、例えば、ジケトピロロピロール骨格に結合している置換基がフェニル基(下記式(3))やトリル基(下記式(4))等の場合には、スルホン化の過程で分解してしまうので、顔料分散助剤を良好に得ることはできない。
また、例えば、ジケトピロロピロール骨格に水素原子が結合しているC.I.ピグメントレッド264(下記式(5))の場合には、分解することなくスルホン化が終了するが、結晶性はきわめて悪い。これは複数の化学種が生成するためと考えられるが、このように結晶性が悪いために、生成物を濾別したり、水洗したりすることが困難である。つまり、十分な水洗を行うことができないので、得られた顔料分散助剤中に硫酸が残留することとなり、例えばこれを液晶カラーフィルター用レジストに使用すると、コントラスト比が低下するという問題が生じる。
Figure 2009203465
ジケトピロロピロール骨格に2個の3−シアノフェニル基が結合しているC.I.ピグメントオレンジ71の場合(本発明の場合)に、特に、分解の問題と結晶性の問題を解決することができ、これを液晶カラーフィルター用レジストに使用することにより、コントラスト比や明度Y値が良好な液晶用カラーフィルターを得ることができる。
次に、有機顔料、顔料分散剤、上記顔料分散助剤及び有機溶剤を含有する顔料分散物について説明する。
本発明の顔料分散物を構成する顔料分散助剤の使用量は、有機顔料(100質量%)に対して、通常0.1〜100質量%、好ましくは5〜50質量%である。顔料分散助剤の使用量が前記範囲を越えても、顔料分散効果がそれ以上向上されない傾向にある。
本発明の顔料分散物を構成する有機顔料としては、従来から、印刷インキ、塗料、液晶カラーフィルター用レジスト、インクジェット用インキに使用されているジアントラキノニル系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、縮合アゾ系顔料、イソインドリン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ヘテロ環を有するアゾ系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料及びジブロモアンタントロン系顔料からなる群より選択される少なくとも1種の赤色顔料、黄色顔料、橙色顔料及び紫色顔料等が使用できる。更に、具体例としてカラーインデックスのジェネリックネームで示すと、赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド9,19,38,43,48,49,52,53,57,88,97,122,123,144,146,149,155,166,168,177,178,179,180,185,188,190,202,206,207,208,209,216,217,220,221,224,226,238,242,254,255,264等;黄色顔料としては、ピグメントイエロー138,139,150等;橙色顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ38,43,71等;紫色顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット23等が挙げられる。
これらの中でも、液晶カラーフィルター用レジスト用として良好な色相が得られるという観点からは、ジケトピロロピロール系顔料が好ましく、ジケトピロロピロール系顔料の中でも、高い明度Y値を得て高品質な液晶カラーフィルター用レジストが得られるという観点からは、C.I.ピグメントレッド254が特に好ましい。
本発明において、上記有機顔料の配合量は、上記顔料分散物(100質量%)中、1〜40質量%であることが好ましい。
インクジェット印刷の彩度並びに液晶カラーフィルターの明度Y値とコントラスト比を高くするために、有機顔料としては、微粒子化処理されたものが好ましい。また、ニーダーや3本の攪拌ブレードをそれぞれ自転運動させながら公転運動させる混練装置等を用いて、有機顔料を無機塩で摩砕して、有機顔料の一次粒子径を更に微細になるようにソルトミリング処理したものがより好ましい。なかでも、3本の攪拌ブレードをそれぞれ自転運動させながら公転運動させる混練装置を用いソルトミリング処理して得られる有機顔料を用いることが好ましい。この場合、顔料の一次粒子径を更に微細かつ均一になるようにソルトミリング処理できる。3本の撹拌ブレードをそれぞれ自転運動させながら公転運動させる混練装置を用いたソルトミリング処理を、特にトリミックス処理ともいう。
上記トリミックス処理とは、国際公開WO06/098261号公報等に記載されている処理である。
具体的には、上記トリミックス処理は、有機顔料、水溶性の無機塩(塩化ナトリウム等で好ましくは平均粒子径が50μm以下のもの)及び上記無機塩を実質的に溶解しない水溶性分散媒体(アルコキシアルコール類、グリコール類、エーテル類等)を含む混合物を、3本の撹拌ブレードを自転運動させながら公転運動させる混練装置で混練した後、上記無機塩及び上記水溶性分散媒体を除去することにより行われる。なお、本発明の顔料分散物を製造するにあたっては、このようにあらかじめトリミックス処理をした有機顔料に顔料分散剤、顔料分散助剤及び有機溶剤を添加しても構わないし、これらの材料を添加した状態でトリミックス処理を行っても構わない。
本発明の顔料分散物を構成する顔料分散剤としては、例えば、塩基性基を有するものを好適に使用することができる。このような顔料分散剤と上記顔料分散助剤を併用することにより、顔料分散性、分散安定性、流動性を非常に高めることができる。更に、このような特性を有する顔料分散物をレジスト組成物に用いた場合、高い明度やコントラストを発現させることが可能となる。
上記塩基性基を有する顔料分散剤としては、従来から印刷インキ、塗料、液晶カラーフィルター用レジスト、インクジェット印刷用インキ等で使用されている塩基性高分子顔料分散剤が使用でき、例えば、以下のものが挙げられる。顔料分散剤は、使用する有機顔料の種類や後述する有機溶剤の種類等により適宜選択される。
(1)ポリアミン化合物(例えば、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリエチレンポリイミン等のポリ(低級アルキレンアミン)等)のアミノ基及び/又はイミノ基と、遊離のカルボキシル基を有するポリエステル、ポリアミド及びポリエステルアミドからなる群より選択される少なくとも1種との反応生成物(特開2001−59906号公報)、
(2)分子内にポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1種の側鎖と、塩基性窒素含有基とをそれぞれ少なくとも1つ有するカルボジイミド系化合物(国際公開WO04/000950号公報)、
(3)ポリ(低級)アルキレンイミン、メチルイミノビスプロピルアミン等の低分子アミノ化合物と、遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応生成物(特開昭54−37082号公報、特開平01−311177号公報)、
(4)ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に、メトキシポリエチレングリコール等のアルコール類やカプロラクトンポリエステル等の水酸基を1個有するポリエステル類、2〜3個のイソシアネート基反応性官能基を有する化合物、イソシアネート基反応性官能基と第3級アミノ基とを有する脂肪族又は複素環式炭化水素化合物を順次反応させてなる反応生成物(特開平02−612号公報)、
(5)アルコール性水酸基を有するアクリレートの重合物にポリイソシアネート化合物とアミノ基を有する炭化水素化合物とを反応させた反応生成物、
(6)低分子アミノ化合物にポリエーテル鎖を付加させてなる反応生成物、
(7)イソシアネート基を有する化合物にアミノ基を有する化合物を反応させてなる反応生成物(特開平04−210220号公報)、
(8)ポリエポキシ化合物に遊離のカルボキシル基を有する線状ポリマー及び2級アミノ基を1個有する有機アミン化合物を反応させた反応生成物(特開平09−87537号公報)、
(9)片末端にアミノ基と反応し得る官能基を有するポリカーボネート化合物とポリアミン化合物との反応生成物(特開09−194585号公報)、
(10)メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベンジルアクリレート等のメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルから選択される少なくとも1種と、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアミド、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、アミノ基とポリカプロラクトン骨格を有するモノマー等の塩基性基含有重合性モノマーの少なくとも1種と、スチレン、スチレン誘導体、その他の重合性モノマーの少なくとも1種との共重合体(特開平01−164429号公報)、
(11)3級アミノ基、4級アンモニウム塩基等の塩基性基を有するブロックと塩基性官能基を有していないブロックとからなるアクリル系ブロック共重合体等(特開2005−55814号の明細書中に記載のアクリル系ブロック共重合体の説明欄)、
(12)ポリアリルアミンにポリカーボネート化合物をマイケル付加反応させて得られる顔料分散剤(特開平09−194585号公報)、
(13)ポリブタジエン鎖と塩基性窒素含有基とをそれぞれ少なくとも1つ有するカルボジイミド系化合物(特開2006−257243号公報)、
(14)分子内にアミド基を有する側鎖と、塩基性窒素含有基とをそれぞれ少なくとも1つ有するカルボジイミド系化合物(特開2006−176657号公報)、
(15)エチレンオキサイド鎖とプロピレンオキサイド鎖を有する構成単位を有し、且つ四級化剤により四級化されたアミノ基を有するポリウレタン系化合物(特願2008−16404)。
(16)分子内にイソシアヌレート環を有するイソシアネート化合物のイソシアネート基と、分子内に活性水素及びカルバゾール環を有する化合物の活性水素とを反応させて得られる化合物であって、該化合物の分子内の、イソシアヌレート環を有するイソシアネート化合物に由来するイソシアネート基、又は、そのイソシアネート基と活性水素基との反応により生じたウレタン結合及び尿素結合の3つの数の合計に対するカルバゾール環の数が15〜85%である化合物(特願2008−253235号公報)。
本発明の顔料分散物において、上記顔料分散剤の使用量は、使用する全有機顔料100質量部に対して、通常1〜200質量部、好ましくは1〜60質量部である。顔料分散剤の使用量が1質量部未満では、顔料分散性が低下する場合があるので好ましくない。一方、200質量部を超える場合は、現像性が低下する等のおそれがあるので好ましくない。
本発明の顔料分散物を構成する有機溶剤としては、インキ、塗料、液晶カラーフィルターレジスト、インクジェットの分野で好適に利用される有機溶剤が例示される。具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のエーテル系有機溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエーテルエステル系有機溶剤;メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、δ−ブチロラクトン等のケトン系有機溶剤;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、蟻酸n−アミル等のエステル系有機溶剤;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶剤;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の含窒素系有機溶剤等を例示できる。これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
上記有機溶剤は、顔料分散物の用途や所望される物性等により適宜選択される。
以上の構成材料から本発明の顔料分散物を製造するには、従来公知の製法を用いることができ、例えば、以下の製法により製造することができる。
先ず、有機顔料、一般式(1)で表される顔料分散助剤、顔料分散剤、有機溶剤からなる混合物を得る。得られた混合物を、ロールミル、ニーダー、高速撹拌装置、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、高圧分散機等の各種分散機を用いて、混練し、分散処理し、顔料分散物を得る。
尚、本発明の顔料分散物には、予めバインダー樹脂(アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物等)を含有させておくこともできる。
このようにして得られた顔料分散物は、必要に応じて各種バインダー樹脂、界面活性剤、その他の各種添加剤を含有させて、印刷インキ、塗料、液晶カラーフィルター用レジスト、インクジェット用インキ、筆記具用インキ、リボンインキ、液体現像剤等の用途で好適に利用されることになる。
次に、本発明の顔料分散物の好ましい用途の一例であるカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物について更に詳細に説明する。
上記カラーフィルター用顔料分散レジスト組成物は、活性エネルギー線硬化性を有し、アルカリ現像可能なレジスト組成物であり、上記顔料分散物に加えて、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、必要に応じて、有機溶剤、熱重合禁止剤、基板との密着性を向上させるためのシランカップリング剤やチタネートカップリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種添加剤を適宜含有させたものである。
本発明のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を構成する有機顔料の使用量は、カラーフィルター用顔料分散レジスト組成物の全固形分に対して質量分率で、使用する有機顔料の合計量で好ましくは5〜80質量%、より好ましくは20〜50質量%の範囲である。
上記カラーフィルター用顔料分散レジスト組成物において、顔料分散剤の使用量は、有機顔料100質量部に対して、通常1〜100質量部、好ましくは1〜50質量部である。1質量部未満では、顔料分散性が低下する場合がある。一方、100質量部を超える場合は、現像性が低下するおそれがある。
上記カラーフィルター用顔料分散レジスト組成物において、顔料分散助剤の使用量は、着色顔料に対して、通常0.1〜100質量%、好ましくは5〜50質量%である。100質量%を超えても、顔料分散効果がそれ以上向上されない傾向にある。
本発明のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を構成するアルカリ可溶性樹脂としては、カラーフィルターを製造する際に、その現像処理工程において用いられる現像液、特に好ましくはアルカリ現像液に対して可溶性を有するものであれば、特に限定されるものではない。なかでも、カルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹脂が好ましく、特に、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体との共重合体が好ましい。
具体的には、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と共重合可能なスチレン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、グリセロールモノアクリレート、グリセロールメタクリレート、N−フェニルマレイミド、ポリスチレンマクロモノマー及びポリメチルメタクリレートマクロモノマーからなる群より選択される少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体との共重合体を挙げることができる。
上記共重合体の酸価としては、50〜300mgKOH/gが好ましい。この場合、酸価が50mgKOH/g未満では、レジスト組成物のアルカリ現像液に対する溶解性が低下する傾向がある。一方300mgKOH/gを超えると、アルカリ現像液に対する溶解性が過大となり、アルカリ現像液により現像する際に、着色層の基板からの脱落や着色層表面の膜荒れを来たしやすくなる傾向がある。
なお、本発明書においては、酸価は理論酸価であり、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体とその使用量に基づいて算術的に求めた値である。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、通常、1,000〜100,000が好ましい。アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量が1,000未満では、アルカリ現像剤に対する溶解性が上がり現像特性が低下する場合がある。一方100,000を超える場合は、有機溶剤への溶解性が低下し、レジスト組成物の粘度が高くなる場合がある。
なお、本発明において、上記アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、GPCに基づいて得られるポリスチレン換算の重量平均分子量である。本発明において、装置としてはWater 2690(ウオーターズ社製)、カラムとしては PLgel 5μ MIXED−D(Polymer Laboratories社製)を用いる。
本発明のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物において、上記アルカリ可溶性樹脂の使用量は、使用する全有機顔料100質量部に対して、通常、10〜1,000質量部、好ましくは20〜500質量部である。アルカリ可溶性樹脂の使用量が10質量部未満では、例えば、アルカリ現像性が低下したり、未露光部の基板上あるいは遮光層上に地汚れや膜残りが発生するおそれがある。一方1,000質量部を超えると、相対的に有機顔料の濃度が低下するため、薄膜として目的とする色濃度を達成することが困難となるおそれがある。
本発明のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を構成する光重合性化合物について説明する。
上記光重合性化合物としては、光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有する単量体、オリゴマー等を挙げることができる。光重合性不飽和結合とは、後述する光重合開始剤が、紫外線や電子線等の活性エネルギー線により分解した際に発生するラジカルやカチオンの作用により、重合することのできる不飽和結合である。
光重合性不飽和結合を分子内に1個有する単量体としては、メチルメタアクリレート、ブチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルメタクリレート又はアクリレート;ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレート等のアラルキルメタクリレート又はアクリレート;ブトキシエチルメタクリレート、ブトキシエチルアクリレート等のアルコキシアルキルメタクリレート又はアクリレート;N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート等のアミノアルキルメタクリレート又はアクリレート;ジエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル等のポリアルキレングリコールアルキルエーテルのメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル;ヘキサエチレングリコールフェニルエーテル等のポリアルキレングリコールアリールエーテルのメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル;イソボニルメタクリレート又はアクリレート;グリセロールメタクリレート又はアクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート又はアクリレート等が例示できる。
また、光重合性不飽和結合を分子内に2個以上有する単量体としては、ビスフェノールAジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスルトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、グリセロールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスルトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。これらの単量体は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において、上記光重合性化合物の使用量は、上記カラーフィルター用顔料分散レジスト組成物中の全固形分に対して質量分率で、好ましくは3〜50質量%の範囲である。
本発明のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を構成する光重合開始剤としては、紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射されることにより、ラジカルやカチオンを発生することのできるものであれば特に限定されず、例えば、ベンゾフェノン、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、ベンジル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、トリアジン系光重合開始剤等が挙げられる。これらの光重合開始剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
本発明において、上記光重合開始剤の使用量は、上記カラーフィルター用顔料分散レジスト組成物中の全固形分に対して質量分率で、好ましくは1〜20質量%の範囲である。
本発明のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を構成する有機溶剤としては、上記に挙げた顔料分散物と同様のもので、好ましくは、常圧(1.013×10KPa)における沸点が100〜220℃のエステル系有機溶剤、エーテル系有機溶剤、エーテルエステル系有機溶剤、ケトン系有機溶剤、芳香族炭化水素溶剤及び含窒素系有機溶剤等である。
これら有機溶剤として、具体的には、上記の有機溶剤と同様のものが挙げられる。
これらの有機溶剤の中でも、溶解性、分散性、塗布性等より、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、蟻酸n−アミル等が好ましく、更に好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。
更に、これらの有機溶剤は、上記アルカリ可溶性樹脂の溶解性、顔料分散性、塗布性等より、本発明のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物に使用される全有機溶媒中50質量%以上、更には、70質量%以上含有させることが好ましい。
なお、沸点が220℃を超える有機溶剤を多量に含有していると、塗布形成された塗膜をプレベークする際に有機溶剤が充分に蒸発せずに乾燥塗膜内に残存し、乾燥塗膜の耐熱性が低下するおそれがある。また、沸点100℃未満の有機溶剤を多量に含有していると、ムラなく均一に塗布することが困難になり、表面平滑性に優れた塗膜が得られなくなるおそれがある。
本発明のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物には、必要に応じて、他の光重合性化合物、熱重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種添加剤を適宜使用することができる。
以上の構成材料を用いて本発明のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を製造する方法を説明する。
本発明のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を製造する方法は、本発明の好ましい実施形態の一例であり、本発明ではこれに限定されるものではない。
先に記載した構成材料から、本発明のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を製造するためには、上記の方法により得られた顔料分散物に、上記光重合性化合物、光重合開始剤、アルカリ可溶性樹脂、必要に応じて有機溶剤、その他添加剤を加え、撹拌装置等を用いて撹拌混合する方法が利用できる。
上記構成を有する本発明の顔料分散助剤は、濃硫酸や発煙硫酸を使用して効率よく生産され、かつ顔料分散剤と併用することにより優れた顔料分散性を発揮する。また、そのような顔料分散助剤を使用することにより、有機顔料を微細に分散した状態においても、良好な流動性と分散安定性を有する顔料分散物が得られる。この顔料分散物は、明度、彩度に優れるので、各種印刷用インキのほか、インクジェットプリンター用インキにも好適に使用することができる。更に、そのような顔料分散物を液晶カラーフィルター用レジストに使用することにより、高い明度Y値やコントラスト比を有する液晶カラーフィルターを実現することが可能になる。
実施例1又は比較例5の顔料分散助剤を用いて、C.I.ピグメントレッド254の顔料分散物を作成した時の透過スペクトルである。実線が実施例1の顔料分散助剤を使用した場合の透過スペクトルであり、破線が比較例5の顔料分散助剤を使用した場合の透過スペクトルである。 実施例1又は比較例5の顔料分散助剤を用いた液晶カラーフィルターレジストのポストベーク後の塗膜表面状態である。左が実施例1の顔料分散助剤を使用した場合であり、右が比較例5の顔料分散助剤を使用した場合である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。また、本明細書中、「トリミックス」は株式会社井上製作所の、「イルガキュア」はチバ・スペシャリティーケミカルズ社の、「Disperbyk」はビックケミー社の、それぞれ登録商標である。
<顔料分散助剤>
[顔料分散助剤1]
100ml三角フラスコに濃硫酸を30ml仕込み、マグネチックスターラーで撹拌しながらC.I.ピグメントオレンジ71(上記式(2)で表される化合物、商品名 DPP Orange TR、チバ・スペシャリティーケミカルズ社製)を10g投入し、室温で30分撹拌した。1Lビーカーに水50gと氷50gの混合物を入れ、上記反応物をこの氷水中に注ぎ、マグネチックスターラーで30分撹拌した。これを減圧下で濾過・水洗し、得られた固体を乾燥させて、下記化学式(6)で表される顔料分散助剤1を12g得た。
Figure 2009203465
[顔料分散助剤2]
100ml三角フラスコに濃硫酸を30ml仕込み、マグネチックスターラーで撹拌しながらC.I.ピグメントレッド255(上記式(3)で表される化合物)を10g投入し、室温で30分撹拌した。1Lビーカーに水50gと氷50gの混合物を入れ、上記反応物をこの氷水中に注ぎ、マグネチックスターラーで30分撹拌した。これを減圧下で濾過・水洗し、得られた固体を乾燥させて顔料分散助剤2を12g得た。
[顔料分散助剤3]
100ml三角フラスコに濃硫酸を30ml仕込み、マグネチックスターラーで撹拌しながらC.I.ピグメントレッド272(上記式(4)で表される化合物)を10g投入し、室温で30分撹拌した。1Lビーカーに水50gと氷50gの混合物を入れ、上記反応物をこの氷水中に注ぎ、マグネチックスターラーで30分撹拌した。これを減圧下で濾過・水洗し、得られた固体を乾燥させて顔料分散助剤3を12g得た。
[顔料分散助剤4]
100ml三角フラスコに濃硫酸を30ml仕込み、マグネチックスターラーで撹拌しながらC.I.ピグメントレッド264(上記式(5)で表される化合物)を10g投入し、室温で30分撹拌した。1Lビーカーに水50gと氷50gの混合物を入れ、上記反応物をこの氷水中に注ぎ、マグネチックスターラーで30分撹拌した。これを減圧下で濾過・水洗したものの、結晶性が悪く、十分に水洗を行うことが困難であったが、得られた固体を乾燥させて顔料分散助剤4を14g得た。
[顔料分散助剤5]
100ml三角フラスコに濃硫酸を30ml仕込み、マグネチックスターラーで撹拌しながらC.I.ピグメントレッド23を10g投入し、室温で30分撹拌した。1Lビーカーに水50gと氷50gの混合物を入れ、上記反応物をこの氷水中に注ぎ、マグネチックスターラーで30分撹拌した。これを減圧下で濾過・水洗し、得られた固体を乾燥させて、目的物(下記一般式(7)で表される化合物)12gを得た。
Figure 2009203465
<有機顔料>
[調製例1](トリミックス処理ピグメントレッド254)
トリミックスTX−15(株式会社井上製作所製)のタンクにC.I.ピグメントレッド254の750質量部、粒径20μmの塩化ナトリウム7500質量部、ジエチレングリコール1800質量部を投入した。定格電流値9.3Aの70%となる範囲で、且つ45℃で3時間混練し、ソルトミリングを行った。次に得られた混練物1300質量部を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌しスラリー状とした。ろ過、水洗を繰り返し塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、40℃にて一昼夜乾燥し、95質量部のトリミックス処理ピグメントレッド254(トリミックス処理PR254)を得た。
[調製例2](ニーダーを用いたソルトミリング処理ピグメントレッド254)
ニーダー(商品名:KHD−2、株式会社井上製作所製)のタンクに、C.I.ピグメントレッド254の100質量部、粒径20μmの塩化ナトリウム1000質量部、ジエチレングリコール240質量部を投入し、75℃で10時間混練しソルトミリングを行った。次に得られた混練物1300質量部を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌しスラリー状とした。ろ過、水洗を繰り返し塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、40℃にて乾燥し、95質量部のソルトミリング処理ピグメントレッド254(ニーダー処理PR254)を得た。
<塩基性基を有する顔料分散剤>
Disperbyk−2001(以下、DB−2001ともいう。ビックケミー社製、塩基性基を有するアクリル系ブロック共重合体)
アジスパー822(以下、PB−822ともいう。味の素ファインテクノ社製、塩基性官能基含有共重合物)
<アルカリ可溶性樹脂>
BzMA/MAA共重合体(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、理論酸価:120mgKOH/g、重量平均分子量:25,000)
<光重合性化合物>
DPEHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
<光重合開始剤>
イルガキュア907(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン
<有機溶剤>
PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
<顔料分散物>
表1の組成において、ビーズミルで、40〜50℃の温度で3時間混練し、顔料分散物を得た。尚、組成を表す数値の単位は、質量部である。
<カラーフィルター用顔料分散レジスト組成物>
上記顔料分散物と他の材料とを表1の組成になるように高速撹拌機を用いて均一に混合した後、孔径3μmのフィルターでろ過し、カラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を得た。尚、組成を表す数値の単位は、質量部である。
(評価方法)
下記評価を行い、結果を表2に示した。
<粘度>
実施例及び比較例のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物について、それぞれガラス瓶に採り、密栓し室温で1日保存した後、E型粘度計(東機産業株式会社製、R100型粘度計 型式RE100L)を用いて25℃における粘度を測定した。粘度が低いほど流動性が良好で、顔料分散物として優れていることを意味する。表2において「測定不能」と表記したものについては、上記E型粘度計の測定限界を超えるような高い粘度であることを意味する。
<分散安定性>
実施例及び比較例のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物について、それぞれガラス瓶に採り、密栓し室温で1日保存した後の25℃の粘度、40℃において7日保存した後の粘度をE型粘度計を用いて測定した。分散安定性は、(40℃において7日保存した後の粘度)/(室温で1日保存した後の粘度)を求め、評価した。表2において、「ゲル」と表記したものについては、分散安定性が悪く、評価途中でゲル化してしまったことを意味する。
<カラーフィルター用顔料分散レジスト組成物のコントラスト>
実施例及び比較例のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物をスピンコーターを用いて膜厚が1.0μmになるようにガラス基板上に塗布し、100℃で3分間プレベークした後、高圧水銀灯で露光し、更に230℃で30分間ポストベークした。
次いで、レジスト組成物が塗布されたガラス基板を2枚の偏光板(日東電工社製、型番:SEG1224Du)で挟み、蛍光灯(波長範囲380〜780nm)で照射しつつ前面側の偏光板を回転させ、前面側の偏光板と後面側の偏光板の偏光面が平行であるとき及び直角であるときの透過する光強度を色彩輝度計(トプコン社製、BM−5A)で測定した。前面側の偏光板と後面側の偏光板の偏光面が平行であるときの輝度と、前面側の偏光板と後面側の偏光板の偏光面が直角であるときの輝度との比をコントラスト比として評価した。
コントラスト比=(前面側の偏光板と後面側の偏光板の偏光面が平行であるときの輝度/前面側の偏光板と後面側の偏光板の偏光面が直角であるときの輝度)である。なお、レジスト組成物をガラス基板に塗工していない状態のコントラスト比であるBareGlass値は、1000とした。
<カラーフィルター用顔料分散レジスト組成物の色特性の評価>
上記膜厚が1.0μmの実施例及び比較例の各レジストの色特性(x,y,Y)を分光光度計(島津製作所社製、UV−2500PC、C光源2°視野)で測定した。ここで、実施例1〜5及び比較例1〜5では色度x=0.600での色度y、明度Yを求めた。また、実施例1及び比較例5のレジスト組成物による塗膜の透過スペクトルを分光光度計(株式会社島津製作所製、UV−2500PC)にて測定し、図1に示した。
<カラーフィルター用顔料分散レジスト組成物の耐熱性の評価>
実施例及び比較例のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物をスピンコーターを用いて膜厚が1.0μmになるようにガラス基板上に塗布し、100℃で3分間プレベークした後、高圧水銀灯で露光し、更に270℃で60分間ポストベークした。その後、得られたレジスト塗膜の表面をマイクロスコープ(株式会社キーエンス製、VHS−500、倍率500倍)で観察し、ポストベーク中の顔料昇華に伴う表面荒れの程度を観察した。表2において「昇華異物あり」とは、ポストベーク中の顔料の昇華に伴う表面の荒れが多いことを意味し、耐熱性が悪いことを意味する。観察例として、実施例1及び比較例5についてのマイクロスコープ写真を図2に示す。
Figure 2009203465
Figure 2009203465
表2から、本発明の顔料分散助剤を用いた実施例では、これとは異なる顔料分散助剤を用いた比較例に対して優れた流動性及び分散安定性が得られ、コントラスト、色特性、耐熱性にも優れていることが確認される。
ジケトピロロピロール骨格に本発明とは異なる置換基を有する顔料分散助剤を用いた比較例2、3では、顔料分散物作製時の粘度が高いばかりか、経時でゲル化してしまい、全く分散効果を示さないことがわかる。これは、顔料粉末に濃硫酸を作用させてスルホン化を行う工程で、顔料が分解してしまったためと推察される。すなわち、ジケトピロロピロール骨格を有する顔料の中でも、特に、本発明で用いたC.I.ピグメントオレンジ71を原料とすることによって、安定して顔料分散助剤が得られることがわかる。
また、置換基のないジケトピロロピロール骨格にスルホ基を導入した化合物(比較例4)やアゾ化合物にスルホ基を導入した化合物(比較例5)を顔料分散助剤として使用した場合でも一定の分散性は示すが、経時の安定性が悪いばかりか、コントラスト比や明度Y値が実施例よりも低く十分でないことがわかる。とりわけ、アゾ化合物(比較例5)では昇華異物が確認され、耐熱性が悪いことがわかる。
ところで、比較例4は本発明と同じジケトピロロピロール骨格を有するものではあるが、本発明の顔料分散助剤を使用した場合に比べてコントラスト比が低い結果となっている。これは、比較例4で使用した顔料分散助剤の結晶性が悪いために、スルホン化した際の洗浄が十分に行うことができずに硫酸が一部残留し、顔料分散に悪影響を与えたものと推察される。このことから、C.I.ピグメントオレンジ71を原料とする本発明の顔料分散助剤が良好な結晶性を有することも、液晶カラーフィルター用レジスト用途として特に有利であることが示された。
また、実施例1と比較例5の透過スペクトルを比較すると、実施例1の方が、570nm付近の立ち上がりがシャープになっているのに加え、610nm付近の透過率が高く、液晶カラーフィルター用レジストとして好ましいスペクトルであることが分かる(図1)。更に、図2に示された実施例1及び比較例5のレジスト塗膜表面の写真を比較すると、実施例1の方がポストベーク中の顔料昇華に伴う表面荒れが顕著に少ないことが分かる。このことからも、本発明の顔料分散助剤が液晶カラーフィルター用レジスト用途として特に有利であることがわかる。
本発明の顔料分散助剤は、液晶カラーフィルターレジストやインクジェット用インキのほか、各種インキ分野の用途に適用することができる。

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする顔料分散助剤。
    Figure 2009203465
    〔式中、Mは、H、Na、K、NH又はNR(R、R、R及びRは、同一若しくは異なって、他の置換基で置換されていてもよい炭素数1〜10の飽和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素基、又は、他の置換基で置換されていてもよい炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。)を表す。mは1以上の整数を表す。〕
  2. 有機顔料、顔料分散剤、請求項1記載の顔料分散助剤及び有機溶剤を含有することを特徴とする顔料分散物。
  3. 顔料分散剤が、塩基性基を有するものである請求項2記載の顔料分散物。
  4. 顔料分散剤が、塩基性基を有するアクリル系ブロック共重合体である請求項2又は3記載の顔料分散物。
  5. 有機顔料が、ジケトピロロピロール系顔料である請求項2〜4のいずれかに記載の顔料分散物。
  6. ジケトピロロピロール系顔料が、C.I.ピグメントレッド254である請求項5記載の顔料分散物。
  7. 有機顔料が、微粒子化処理されているものである請求項2〜6のいずれかに記載の顔料分散物。
  8. 微粒子化処理が、ソルトミリング処理である請求項7記載の顔料分散物。
  9. ソルトミリング処理が、有機顔料、水溶性の無機塩及び前記無機塩を実質的に溶解しない水溶性分散媒体を含む混合物を、3本の撹拌ブレードを自転運動させながら公転運動させる混練装置で混練した後、前記無機塩及び前記水溶性分散媒体を除去する工程により行われる請求項8記載の顔料分散物。
  10. 請求項2〜9のいずれかに記載の顔料分散物を含有することを特徴とするカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物。

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