JP2009203294A - 封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機基板を使用したパッケージの一括封止法による成形において、成形された封止樹脂内における成形金型のゲート側とベント側でシリカの平均粒子径の相違による偏在が生じることを防止できる封止用エポキシ樹脂組成物とそれを用いた半導体装置を提供する。
【解決手段】エポキシ樹脂と硬化剤を含む樹脂成分、および無機充填材としての平均粒子径の異なる少なくとも2種類のシリカを必須成分とする封止用エポキシ樹脂組成物であって、樹脂成分を分割して平均粒子径の異なるシリカごとに配合した分割樹脂成分を用いて、成形温度における粘度がより高い分割樹脂成分を平均粒子径のより大きいシリカと加熱混練し粉砕した混練粉砕物からなり、平均粒子径の異なるシリカごとに調製した混練粉砕物の各々が均一に混合されていることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】エポキシ樹脂と硬化剤を含む樹脂成分、および無機充填材としての平均粒子径の異なる少なくとも2種類のシリカを必須成分とする封止用エポキシ樹脂組成物であって、樹脂成分を分割して平均粒子径の異なるシリカごとに配合した分割樹脂成分を用いて、成形温度における粘度がより高い分割樹脂成分を平均粒子径のより大きいシリカと加熱混練し粉砕した混練粉砕物からなり、平均粒子径の異なるシリカごとに調製した混練粉砕物の各々が均一に混合されていることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置に関するものである。
従来、IC、LSIなどの半導体チップの封止材としてセラミックや熱硬化性樹脂組成物が一般に用いられている。中でも、エポキシ樹脂組成物は経済性と性能のバランスの点で優れた封止材であり、たとえば、近年の電子機器の小型化、薄型化にともない主流になりつつある表面実装型パッケージの封止材としてエポキシ樹脂組成物が広く用いられている(特許文献1参照)。
そして近年の半導体パッケージはさらに薄型化が進み、先端パッケージでは従来のリード端子パッケージではなく有機基板をインターポーザとして使用したエリアアレイ型パッケージが採用されている。このエリアアレイ型パッケージでは、半導体チップの薄型化にともない封止樹脂の厚みも薄くなってきており、その製造方法としては、個々の半導体チップを別個に封止するのではなく、1枚の有機基板の片面に多数の半導体チップを電気的に接続して格子状に配列し、次いで封止用エポキシ樹脂組成物などの封止材で一括封止した後、個々のパッケージの外周に沿って切断分離して多数個のパッケージを得る一括封止法が用いられている。
一方、エリアアレイ型パッケージでは、特に反りの抑制が要求されており、これに使用する封止用エポキシ樹脂組成物は、他の物性との兼ね合いも考慮しつつ反りが発生しないように配合成分のバランスを取る設計をしており、具体的には、たとえば無機充填材のシリカとして平均粒子径の異なる2種類のものを併用することなどが行われている。
特開2008−7570号公報
しかしながら、複数のパッケージを纏めて成形する上記の一括封止法では、有機基板上における多数の半導体チップの搭載箇所とそれ以外の箇所で封止樹脂の厚みが異なることから、これが成形時における封止用エポキシ樹脂組成物の流動に大きく影響することになる。そして反り抑制などを目的として封止用エポキシ樹脂組成物の無機充填材として平均粒子径の異なる2種類のシリカを併用した場合には、このような一括封止法に特有の流動条件にも起因して、また、平均粒子径の大きなシリカが流れ易くなるために、成形金型における封止用エポキシ樹脂組成物の注入口であるゲート側と、空気の抜け道であるベント側との間で、平均粒子径の大きいシリカがベント側に偏在するという問題があった。
このように封止樹脂内においてシリカの偏在が生じると、ゲート側とベント側のパッケージを封止している封止樹脂の物性が変わってしまい、パッケージの挙動、特に反り挙動に差が出るため作業性に大きく影響してしまうという問題点があった。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、有機基板を使用したパッケージの一括封止法による成形において、成形された封止樹脂内における成形金型のゲート側とベント側でシリカの平均粒子径の相違による偏在が生じることを防止できる封止用エポキシ樹脂組成物とそれを用いた半導体装置を提供することを課題としている。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
第1に、本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と硬化剤を含む樹脂成分、および無機充填材としての平均粒子径の異なる少なくとも2種類のシリカを必須成分とする封止用エポキシ樹脂組成物であって、樹脂成分を分割して平均粒子径の異なるシリカごとに配合した分割樹脂成分を用いて、成形温度における粘度がより高い分割樹脂成分を平均粒子径のより大きいシリカと加熱混練し粉砕した混練粉砕物からなり、平均粒子径の異なるシリカごとに調製した混練粉砕物の各々が均一に混合されていることを特徴とする。
第2に、上記第1の封止用エポキシ樹脂組成物において、分割樹脂成分の成形温度における粘度は、配合によって調整されていることを特徴とする。
第3に、上記第1または第2の封止用エポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂は、基本分子構造が同一であり成形温度における粘度が異なる少なくとも2種類のものであり、成形温度における粘度がより低い分割樹脂成分に対して成形温度における粘度がより低い種類のエポキシ樹脂が配合されていることを特徴とする。
第4に、上記第1ないし第3のいずれかの封止用エポキシ樹脂組成物において、硬化剤は、基本分子構造が同一であり成形温度における粘度が異なる少なくとも2種類のものであり、成形温度における粘度がより低い分割樹脂成分に、成形温度における粘度がより低い種類の硬化剤が配合されていることを特徴とする。
第5に、上記第1ないし第4のいずれかの封止用エポキシ樹脂組成物において、分割樹脂成分の成形温度における粘度は、混練粉砕物の調製時における混練条件によって調整されていることを特徴とする。
第6に、上記第1ないし第5のいずれかの封止用エポキシ樹脂組成物において、平均粒子径の異なるシリカごとに調製された混練粉砕物の各々は、シリカに対するエポキシ樹脂および硬化剤の質量比が同等であることを特徴とする。
第7に、上記第1ないし第5のいずれかの封止用エポキシ樹脂組成物において、平均粒子径の異なるシリカごとに調製された混練粉砕物の各々は、シリカに対するその他全ての配合成分の質量比が同等であることを特徴とする。
第8に、本発明の半導体装置は、上記第1ないし第7のいずれかの封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、有機基板上に配列して搭載された複数個の半導体チップを一括封止して得られたものであることを特徴とする。
上記第1の発明によれば、平均粒子径の大きいシリカを成形温度における粘度が高い分割樹脂成分と予め混練し、平均粒子径の小さいシリカを成形温度における粘度が低い分割樹脂成分と混練し、それぞれの混練粉砕物を均一に混合して封止用エポキシ樹脂組成物を調製するようにしたので、一括封止法による成形時において、より流れ易い平均粒子径の大きいシリカの流動をこれと予め混練した高粘度の分割樹脂成分によって制御することができる。そのため、成形金型のゲート側からベント側へのシリカの流れを平均粒子径に依らずに均一なものとすることができるので、成形された封止樹脂内でのシリカの偏在が防止され、パッケージの反り挙動を適切に制御することができる。
上記第2の発明によれば、分割樹脂成分の成形温度における粘度を配合によって調整するようにしたので、上記第1の発明の効果に加え、成形された封止樹脂内での平均粒子径の相違によるシリカの偏在を簡便な手段で適切に防止することができる。
上記第3の発明によれば、基本分子構造が同一であり成形温度における粘度が異なるエポキシ樹脂を用いて分割樹脂成分の成形温度における粘度を調整するようにしたので、上記第1および第2の発明の効果に加え、成形時の硬化特性や封止樹脂の物性などを適切なものとすることができる。
上記第4の発明によれば、基本分子構造が同一であり成形温度における粘度が異なる硬化剤を用いて分割樹脂成分の成形温度における粘度を調整するようにしたので、上記第1ないし第3の発明の効果に加え、成形時の硬化特性や封止樹脂の物性などを適切なものとすることができる。
上記第5の発明によれば、分割樹脂成分の成形温度における粘度を、混練粉砕物の調製時における混練条件によって調整するようにしたので、上記第1ないし第4の発明の効果に加え、成形された封止樹脂内での平均粒子径の相違によるシリカの偏在を簡便な手段で適切に防止することができる。
上記第6の発明によれば、平均粒子径の異なるシリカごとに調製された混練粉砕物の各々について、シリカに対するエポキシ樹脂および硬化剤の質量比を同等としたので、上記第1ないし第5の発明の効果に加え、成形時の硬化特性や封止樹脂の物性などを適切なものとすることができる。
上記第7の発明によれば、平均粒子径の異なるシリカごとに調製された混練粉砕物の各々について、シリカに対するその他全ての配合成分の質量比を同等としたので、上記第1ないし第6の発明の効果に加え、成形時の硬化特性や封止樹脂の物性などを適切なものとすることができる。
上記第8の発明によれば、上記第1ないし第7の発明の封止用エポキシ樹脂組成物を用いて一括封止するようにしたので、封止樹脂内での平均粒子径の相違によるシリカの偏在が防止されており、反り挙動が適切に制御されており、品質の高い半導体装置とすることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限なく使用することができる。このようなエポキシ樹脂の具体例としては、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ブロム含有エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において、硬化剤としては、フェノール性水酸基を有する硬化剤が好ましく用いられる。フェノール性水酸基を有する硬化剤としては、多価フェノール化合物、多価ナフトール化合物などが挙げられる。多価フェノール化合物の具体例としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂などが挙げられる。多価ナフトール化合物の具体例としては、ナフトールアラルキル樹脂などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フェノール性水酸基を有する硬化剤の配合量は、好ましくは、フェノール性水酸基とエポキシ基との当量比(OH基当量/エポキシ基当量)が0.5〜1.5となる量であり、より好ましくは当量比が0.8〜1.2となる量である。当量比が小さ過ぎると封止用エポキシ樹脂組成物の硬化特性が低下する場合があり、当量比が大き過ぎると耐湿信頼性が不十分になる場合がある。
本発明において、必要に応じて用いられる硬化促進剤の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリメチルホスフィン等の有機ホスフィン類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン等の第三級アミン類などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
硬化促進剤の配合量は、エポキシ樹脂と硬化剤の合計量に対して0.1〜5.0質量%が好ましい。硬化促進剤の配合量が少な過ぎると、封止用エポキシ樹脂組成物の硬化特性が低下する場合があり、硬化促進剤の配合量が多過ぎると、耐湿信頼性が不十分になる場合がある。
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物には、パッケージの反り挙動を他の物性との兼ね合いも考慮しつつ適切に制御するなどの点から、無機充填材として平均粒子径の異なる少なくとも2種類のシリカが配合される。
なお、本発明においてシリカの平均粒子径は、レーザ回折法や遠心沈降法などにより測定することができ、平均粒子径の特に小さいものはドップラー効果を利用した粒度分布測定器などにより測定することができる。ここで、「平均粒子径の異なるシリカ」同士は、単一ピークの粒度分布を有するものとして、あるいは粒子形状などの相違として互いに区別される。
シリカの全配合量は、封止用エポキシ樹脂組成物の全量に対して好ましくは60質量%以上、より好ましくは60〜93質量%である。シリカの全配合量が少な過ぎると、熱膨張などの物性が不十分となる場合があり、シリカの全配合量が多過ぎると、成形時の流動特性が低下する場合がある。
シリカの具体例としては、溶融シリカ、破砕シリカ、微細シリカ、結晶シリカなどが挙げられる。中でも、成形時の流動特性などの点と、反りの防止を両立させる点からは、平均粒子径5〜40μmの溶融シリカに平均粒子径5μm未満、より好ましくは0.3〜1μmの上記各種のシリカを組み合わせることが好ましい。
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内において、さらに他の成分を配合することができる。このような成分の具体例としては、メルカプトシラン、グリシドキシシラン、アミノシラン等のカップリング剤、カルナバワックス、ステアリン酸、モンタン酸、カルボキシル基含有ポリオレフィン等の離型剤、カーボンブラック等の着色剤、シリコーン可とう剤、無機イオントラップ剤などが挙げられる。
なお、本発明において「樹脂成分」は、エポキシ樹脂と硬化剤を含み、これらの樹脂と重合可能な樹脂成分がある場合にはこれを含むものとする。しかし、硬化促進剤と上記に例示したカップリング剤などの他の成分は含まないものとする。
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は、以上の配合成分を用いて次の方法で製造することができる。最初に、エポキシ樹脂と硬化剤を含む樹脂成分を、平均粒子径の異なるシリカごとに分割した分割樹脂成分の配合を決める。このとき、平均粒子径のより大きいシリカと混練する分割樹脂成分の成形温度における粘度がより高くなるように、その他の条件も適切に考慮してそれぞれの分割樹脂成分の配合を決める。
分割樹脂成分の成形温度における粘度は、たとえば配合により、あるいは混練粉砕物の調製時における混練条件により調整することができる。混練条件により粘度を調整する場合、たとえば、混練シェアが掛かるように混練度を上げたり、混練温度を上げたりすることにより一方の分割樹脂成分の成形温度における粘度をより高めることができる。
また、分割樹脂成分の成形温度における粘度を配合により調整する場合、エポキシ樹脂として、基本分子構造が同一であり成形温度における粘度が異なる少なくとも2種類のものを使用し、成形温度における粘度がより低い分割樹脂成分に対して成形温度における粘度がより低い種類のエポキシ樹脂を配合することで粘度調整を行うことができる。
ここで「基本分子構造が同一」とは、同一の基本単位構造を有していることを意味し、たとえばフェノールノボラック型エポキシ樹脂のフェノール骨格、ビフェニル型エポキシ樹脂のビフェニル骨格などが相当する。そして同一の基本単位構造を有するエポキシ樹脂について、置換基、基本単位構造の繰り返し数(分子量)、基本単位構造以外の変性部分の構造などを相違させることによって、成形温度における粘度を変えることができる。硬化剤についても同様である。
上記のような方法で分割樹脂成分の成形時における粘度を調整することで、平均粒子径の異なるシリカごとに調製する混練粉砕物の各々について、シリカに対するエポキシ樹脂および硬化剤の質量比、さらにはその他全ての配合成分の質量比を同等にしても粘度調整が可能となり、成形時の硬化特性や封止樹脂の物性などを適切なものとすることができる。ここで質量比が同等とは、対比すべき成分A、成分Bの質量比A/Bが好ましくは0.8〜1.2、より好ましくは0.95〜1.05の範囲内にあることを意味する。
シリカと分割樹脂成分と他の任意成分を配合し、ミキサー、ブレンダーなどを用いて十分均一になるまで混合した後、熱ロールやニーダーなどの混練機により加熱状態で溶融混合し、これを室温に冷却した後、公知の手段によって粉砕することにより、混練粉砕物を製造することができる。
そして、平均粒子径が異なるシリカごとに調製した混練粉砕物の各々を均一に混合することで、封止用エポキシ樹脂組成物を得ることができる。なお、封止用エポキシ樹脂組成物は、取り扱いを容易にするために、成形条件に合うような寸法と質量を有するタブレットとしてもよい。
本発明の半導体装置は、上記のようにして得られた封止用エポキシ樹脂組成物を用いてICチップ、LSIチップなどの半導体チップを封止することにより製造することができる。本発明の半導体装置の具体例としては、有機基板のインターポーザに半導体チップをワイヤボンディングやフリップチップによって搭載したエリアアレイ型パッケージを挙げることができ、パッケージ形態としては、FBGA(Fine-pitch Ball Grid Array)、FC−BGA(Flip-Chip Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)、MCP(Multi Chip Package)、SiP(System in Package)、PoP(Package on Package)などが挙げられる。
半導体チップの封止は、一括封止法で行うことができる。すなわち、1枚の有機基板の片面に多数の半導体チップを電気的に接続して格子状に配列したものを用意し、これを成形金型のキャビティにセットした後、成形金型のゲート側より、ベント側から空気を排出しながら封止用エポキシ樹脂組成物をキャビティに注入し、封止用エポキシ樹脂組成物で一括封止を行う。次いで、個々のパッケージの外周に沿って切断分離することにより、多数個のパッケージを一括して得ることができる。
一括成形は、トランスファー成形を適用して、たとえば金型温度170〜180℃、成形時間30〜120秒に設定して行うことができる。しかし、金型温度、成形時間およびその他の成形条件は、封止用エポキシ樹脂組成物の配合組成などに応じて適宜に変更すればよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、表1に示す配合量は質量部を表す。
表1に示す配合成分として、以下のものを使用した。
シリカA:溶融シリカ、電気化学工業(株)製、FB940、平均粒子径13μm
シリカB:微細シリカ、(株)アドマテックス製、SO−25R、平均粒子径0.5μm
エポキシ樹脂A:ビフェニル型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製、YX4000H
エポキシ樹脂B:ビスフェノール型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製、YL6810
硬化剤A:ビフェニルアラルキル樹脂、明和化成(株)製、MEH−7851SS
硬化剤B:ビフェニルアラルキル樹脂、明和化成(株)製、MEH−7851M(なお、硬化剤Bは、硬化剤Aに比べて繰り返し単位量の少ないものの比率が高いことにより、成形温度における粘度が低くなっている。)
硬化促進剤:トリフェニルホスフィン、北興化学工業(株)製、TPP
離型剤:天然カルナバワックス、大日化学工業(株)製、F1−100
着色剤:カーボンブラック、三菱化学(株)製、MA600
カップリング剤:γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、信越化学工業(株)製、KBM802
<実施例1>
表1に示す配合で、平均粒子径の大きいシリカAと、平均粒子径の小さいシリカBのそれぞれについて、混練粉砕物Aと混練粉砕物Bを次の方法により調製した。各配合成分をブレンダーで30分間混合して均一化した後、80℃に加熱したニーダーで加熱混練して押し出し、冷却後、粉砕機で粉砕した。さらに、150μm目開きの篩を通過させ、篩に残ったものは再度粉砕機により細かく粉砕して混練粉砕物A、Bを得た。
シリカA:溶融シリカ、電気化学工業(株)製、FB940、平均粒子径13μm
シリカB:微細シリカ、(株)アドマテックス製、SO−25R、平均粒子径0.5μm
エポキシ樹脂A:ビフェニル型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製、YX4000H
エポキシ樹脂B:ビスフェノール型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製、YL6810
硬化剤A:ビフェニルアラルキル樹脂、明和化成(株)製、MEH−7851SS
硬化剤B:ビフェニルアラルキル樹脂、明和化成(株)製、MEH−7851M(なお、硬化剤Bは、硬化剤Aに比べて繰り返し単位量の少ないものの比率が高いことにより、成形温度における粘度が低くなっている。)
硬化促進剤:トリフェニルホスフィン、北興化学工業(株)製、TPP
離型剤:天然カルナバワックス、大日化学工業(株)製、F1−100
着色剤:カーボンブラック、三菱化学(株)製、MA600
カップリング剤:γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、信越化学工業(株)製、KBM802
<実施例1>
表1に示す配合で、平均粒子径の大きいシリカAと、平均粒子径の小さいシリカBのそれぞれについて、混練粉砕物Aと混練粉砕物Bを次の方法により調製した。各配合成分をブレンダーで30分間混合して均一化した後、80℃に加熱したニーダーで加熱混練して押し出し、冷却後、粉砕機で粉砕した。さらに、150μm目開きの篩を通過させ、篩に残ったものは再度粉砕機により細かく粉砕して混練粉砕物A、Bを得た。
なお、エポキシ樹脂Bは150℃におけるICI粘度が0.1以下であり、エポキシ樹脂Aはエポキシ樹脂Bよりも成形時の粘度が2〜3倍程度高く、硬化剤Aは硬化剤Bよりも成形時の粘度が高いものであり、分割樹脂成分としても平均粒子径が大きいシリカAの混練粉砕物Aの方が、平均粒子径が小さいシリカBの混練粉砕物Bよりも成形温度における粘度が高いものとされている。
次いで、72.0質量部の混練粉砕物Aと、13.0質量部の混練粉砕物Bを均一に混合し、タブレット状に打錠して封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
<比較例1>
表1に示す配合で、各配合成分をブレンダーで30分間混合して均一化した後、80℃に加熱したニーダーで加熱混練して押し出し、冷却後、粉砕機で粉砕し、タブレット状に打錠して封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
[評価]
上記の実施例1、比較例1の封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、下記条件にて一括封止法により評価用パッケージを成形した。
<比較例1>
表1に示す配合で、各配合成分をブレンダーで30分間混合して均一化した後、80℃に加熱したニーダーで加熱混練して押し出し、冷却後、粉砕機で粉砕し、タブレット状に打錠して封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
[評価]
上記の実施例1、比較例1の封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、下記条件にて一括封止法により評価用パッケージを成形した。
有機基板:FR5基板
有機基板サイズ:140×50×0.26mm
モールドサイズ:130×38×0.3mm
半導体チップ数:30個
半導体チップサイズ:8×8×0.15mm、3行×10列
成形後のパッケージより、成形金型のゲート側とベント側の封止樹脂を同量切り出し、TGA(熱重量分析)によって灰分量を測定した。切り出した封止樹脂10〜15mgを、20℃/minで昇温して有機物を分解し、750℃における重量減少量より残存する灰分量を算出した。なお、灰分量は切り出した封止樹脂内における無機充填材(シリカ)の充填率(%)に対応している。したがってゲート側とベント側におけるシリカの偏在の有無の目安になる。
有機基板サイズ:140×50×0.26mm
モールドサイズ:130×38×0.3mm
半導体チップ数:30個
半導体チップサイズ:8×8×0.15mm、3行×10列
成形後のパッケージより、成形金型のゲート側とベント側の封止樹脂を同量切り出し、TGA(熱重量分析)によって灰分量を測定した。切り出した封止樹脂10〜15mgを、20℃/minで昇温して有機物を分解し、750℃における重量減少量より残存する灰分量を算出した。なお、灰分量は切り出した封止樹脂内における無機充填材(シリカ)の充填率(%)に対応している。したがってゲート側とベント側におけるシリカの偏在の有無の目安になる。
評価結果を表1に示す。
表1より、平均粒子径が大きいシリカAを高粘度の分割樹脂成分と混練した混練粉砕物Aと、平均粒子径が小さいシリカBを低粘度の分割樹脂成分と混練した混練粉砕物Bとを混合して得た実施例1の封止用エポキシ樹脂組成物では、成形後のパッケージのゲート側とベント側より切り出した封止樹脂の灰分量に有為差は認められず、平均粒子径の相違によるシリカA、Bの偏在はみられなかった。
これに対してシリカA、Bを含む全ての配合成分を混練して得た比較例1の封止用エポキシ樹脂組成物では、配合成分とその比率は実施例1と同じであるにも関わらず、ゲート側よりもベント側の灰分量が高くなっており、ベント側に平均粒子径の大きいシリカAが偏在していた。
Claims (8)
- エポキシ樹脂と硬化剤を含む樹脂成分、および無機充填材としての平均粒子径の異なる少なくとも2種類のシリカを必須成分とする封止用エポキシ樹脂組成物であって、樹脂成分を分割して平均粒子径の異なるシリカごとに配合した分割樹脂成分を用いて、成形温度における粘度がより高い分割樹脂成分を平均粒子径のより大きいシリカと加熱混練し粉砕した混練粉砕物からなり、平均粒子径の異なるシリカごとに調製した混練粉砕物の各々が均一に混合されていることを特徴とする封止用エポキシ樹脂組成物。
- 分割樹脂成分の成形温度における粘度は、配合によって調整されていることを特徴とする請求項1に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
- エポキシ樹脂は、基本分子構造が同一であり成形温度における粘度が異なる少なくとも2種類のものであり、成形温度における粘度がより低い分割樹脂成分に対して成形温度における粘度がより低い種類のエポキシ樹脂が配合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
- 硬化剤は、基本分子構造が同一であり成形温度における粘度が異なる少なくとも2種類のものであり、成形温度における粘度がより低い分割樹脂成分に、成形温度における粘度がより低い種類の硬化剤が配合されていることを特徴とする請求項1ないし3いずれか一項に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
- 分割樹脂成分の成形温度における粘度は、混練粉砕物の調製時における混練条件によって調整されていることを特徴とする請求項1ないし4いずれか一項に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
- 平均粒子径の異なるシリカごとに調製された混練粉砕物の各々は、シリカに対するエポキシ樹脂および硬化剤の質量比が同等であることを特徴とする請求項1ないし5いずれか一項に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
- 平均粒子径の異なるシリカごとに調製された混練粉砕物の各々は、シリカに対するその他全ての配合成分の質量比が同等であることを特徴とする請求項1ないし6いずれか一項に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1ないし7いずれか一項に記載の封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、有機基板上に配列して搭載された複数個の半導体チップを一括封止して得られたものであることを特徴とする半導体装置。
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2008
- 2008-02-26 JP JP2008045171A patent/JP2009203294A/ja active Pending
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