JP2009201065A - 水晶振動子及び水晶振動子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 四角形の水晶片の両主面に励振電極とこれら励振電極から前記水晶片の一方の端部まで延出する2つ一対の引回しパターンとが設けられた水晶振動素子と、凹部が設けられた蓋体及び基体とからなる水晶振動子であって、前記水晶振動素子は、一方の引回しパターンの端部が前記水晶片に設けられた第一貫通孔を介して他方の引回しパターンが設けられた表面側に引回されて構成され、前記基体は、前記一方の引回しパターンと前記他方の引回しパターンの端部と対向する位置に第二貫通孔が設けられ、導電材料と外部端子とで第二貫通孔が塞がれて前記一方の引回しパターンと前記他方の引回しパターンの端部と接続して構成されている。
【選択図】 図1
Description
図8に示すように従来の水晶振動子200は、例えば、励振電極223が形成された振動部222とこれを囲う枠部221とが一体で形成された水晶振動素子220と、ガラスから成り一方の主面に凹部K1を有し他方の主面に外部端子Gを備える基体210と、ガラスから成り凹部K2を有する蓋体230とから主に構成されている。
この構造の水晶振動子200は、基体210及び蓋体230の凹部K1、K2を振動部222の励振電極223側に向けて、枠部221を基体210と蓋体230とで挟むように接合して構成されている(例えば、特許文献1参照)。
このような構造の水晶振動子200は、振動部222を枠部221と2箇所で接続した接続部225を備えた構造となっており、振動エネルギが枠部221側に漏れ出ないように構成されている。
また、このような構造の水晶振動子200の場合、枠部221と基部210の接合、枠部221と蓋部230の接合に陽極接合を用いることもある(例えば、特許文献2参照)。この場合、接合面となる枠部221の両面に金属膜(図示せず)を設けておく必要がある。
また、複数個の水晶振動素子220を配列して形成された水晶ウェハに、複数個の蓋体230を配列して形成された蓋体ウェハ(図示せず)と複数個の基体210を配列して形成された基体ウェハ(図示せず)とを陽極接合により接合を行うと、水晶とガラスとの膨張係数の違いにより、接合後のウェハが反ってしまう場合があった。
また、小型化が進んでいる状況で水晶ウェハの厚さが60μm〜10μmと薄くなっており、枠部221と振動部222とが所定の部分のみで接続した状態では、ハンドリングが悪く、水晶ウェハが割れる場合があった。
また、直接接合を用いて水晶振動素子に蓋体と基体とが接合されているので、反りのない水晶振動子とすることができる。
なお、本発明の実施形態に係る水晶振動子100は、複数個の水晶振動子100が配列集合し一体となっているウェハの状態から個片化されることにより製造される。
この状態で、図3(a)及び(b)に示すように、水晶ウェハW1に保護用第一ウェハWAを貼り付ける(保護用第一ウェハ貼り付け工程)。この保護用第一ウェハWAは、板状となっており、貼り付いている水晶ウェハW1の表面を保護する役割と、水晶ウェハW1を補強する役割を果たす。
また、図2に示すように、2つ一対の引回しパターン23(23A、23B)は、後述する基体10の接合面と重なる位置まで達するように水晶片21に設けられている。
なお、この引回しパターン23(23A、23B)は、基体10、蓋体30との接合面内において、水晶振動素子20の水晶片21に設けられた溝部内に設けられて引回されている。これにより、引回しパターン23が水晶片21の主面より突出することがないので、水晶ウェハW1と基体ウェハW2、水晶ウェハW1と蓋体ウェハW3との直接接合を容易に行うことができるようになっている。
図3(c)及び(d)に示すように、保護用第一ウェハWAがはり付いていない露出する水晶ウェハW1の表面及び第一貫通孔21Aにスパッタ又は蒸着により励振電極22及び引回しパターン23(23B)となる第一金属膜を設ける(第一金属膜形成工程)。つまり、露出する水晶ウェハW1の表面の全てに第一金属膜を設けた後に、フォトリソグラフィ技術やエッチング技術を用いて水晶ウェハW1上の余分な第一金属膜を除去して励振電極22と引回しパターン23(23B)となるように水晶ウェハW1の露出する表面に第一金属膜を残す。
この保護用第二ウェハWBは水晶ウェハW1側に向く主面側に凹部を有し、水晶ウェハW1の縁部と接合するようになっており、水晶ウェハW1に設けられた第一金属膜を保護する役割を果たす。
つまり、露出する水晶ウェハW1の表面の全てに第二金属膜を設けた後に、フォトリソグラフィ技術やエッチング技術を用いて水晶ウェハ上の余分な第二金属膜を除去して励振電極22と引回しパターン23(23A)となるように水晶ウェハW1の露出する表面に第二金属膜を残す。
なお、この時点で、第一貫通孔21Aは、第一金属膜又は第二金属膜で埋められた状態となる。
なお、凹部K2内に励振電極22が位置するように、凹部K2が設けられた主面が水晶振動素子20と接合される。
図7(a)及び(b)に示すように、前記したように、蓋体30は、所定の大きさの水晶ウェハW1に、複数個の蓋体30が設けられた蓋体ウェハW3と複数個の基体10が設けられた基体ウェハW2とが接合された後に個片化されることで形成される。
図7(a)及び(b)に示すように、前記したように、基体10は、所定の大きさの水晶ウェハW1に、複数個の蓋体30が設けられた蓋体ウェハW3と複数個の基体10が設けられた基体ウェハW2とが接合された後に個片化されることで形成される。
なお、基体ウェハW2と蓋体ウェハW3とにおける接合面は、鏡面となっている。
この第二貫通孔Hは、導電材料Bで塞がれて一方の引回しパターン23Bと他方の引回しパターン23Aの端部T(図1参照)とが各々で接続した状態となる(図5(b)参照)。
ここで、図6(a)に示すように、金バンプ(導電材料B)で第二貫通孔Hが塞がれた後に、例えば、図6(b)に示すように、スパッタや蒸着などの手法で外部端子Gとなる金属膜を形成することで第二貫通孔Hを完全に塞ぐことができ、また、引回しパターン23(23A、23B)と外部端子Gとを電気的・機械的に接続することができる。
つまり、各励振電極22から延出するそれぞれの引回しパターン23(23A、23B)は、それぞれの端部T(図1参照)において、導電材料Bとそれぞれの引回しパターン23(23A、23B)と対応する外部端子Gとに第二貫通孔Hを介して電気的かつ機械的に接合した状態となる。
ここで、水晶ウェハW1の引回しパターン23(23A、23B)の端部T(図1参照)に設けられた金バンプ(導電材料B)と基体ウェハW2に設けられた第二貫通孔Hとが向かい合っており、かつ、金バンプ(導電材料B)は第二貫通孔Hの内部に入り込んだ状態となっている。この状態で、例えば、常温かつ常圧の状態で直接接合を行う(基体ウェハ接合工程)。
例えば、この直接接合は、水晶ウェハW1の接合面と基体ウェハW2の接合面とを予め硫酸過酸化水素混合液などの酸化性の液体で洗浄して親水化処理が成されている状態にしておき、これら水晶ウェハW1の接合面と基体ウェハW2の接合面とを重ね合わせることで、水晶ウェハW1と基体ウェハW2との界面で水酸基間の水素結合が起こって接合された状態となる。また、窒素ガス、アルゴンガス等の酸化防止ガスとしての役割を果たす不活性ガスの雰囲気中で直接接合を行うことで、常圧で接合しても、励振電極22や引回しパターン23を構成する金属膜が酸化するのを防ぐことができる。
また、これに代えて、常温状態で直接接合を行っても良い。
例えば、真空チャンバー内に例えばAr(アルゴン)ガスを噴出させた状態の中で、イオンガンによって発生したプラズマによる活性化で、水晶ウェハW1の接合面と基体ウェハW2の接合面とを削った状態にし、その後、水晶ウェハW1の接合面と基体ウェハW2の接合面とを重ね合わせることで、接合された状態となる。
なお、後述する外部端子形成工程を行うことで、水晶ウェハW1と基体ウェハW2とに熱が加えられて接合強度を上げることができる。
この外部端子Gは、前記のとおり、基体10の凹部K1が設けられている主面とは反対側の主面に設けられており、第二貫通孔Hが内部に位置するように設けられる。
この外部端子Gは、蒸着、スパッタ、電解メッキ、無電解メッキなどの手法を用いて形成することができる。
この周波数調整は、保護用第二ウェハWBを剥がすことによって露出する水晶ウェハW1において、それぞれの励振電極22を削る又は金属膜を付けることで行う。たとえば、レーザ、イオンミリングなどの手法で励振電極22の一部を除去することで周波数調整を行え、又は、蒸着などで金属膜を励振電極22の一部に設けることで周波数調整を行うことができる(図示せず)。
例えば、この直接接合は、水晶ウェハW1の接合面と蓋体ウェハW3の接合面とを予め硫酸過酸化水素混合液などの酸化性の液体で洗浄して親水化処理が成されている状態にしておき、これら水晶ウェハW1の接合面と蓋体ウェハW3の接合面とを重ね合わせることで、水晶ウェハW1と蓋体ウェハW3との界面で水酸基間の水素結合が起こって接合された状態となる。このように、常温かつ常圧で直接接合を行うことにより、水晶ウェハW1に高熱を加えることがなくなるため反りの発生を防ぐことができる。また、このような常温かつ常圧での環境で直接接合を行うことで、温度管理や圧力管理が不要となることから、作業性が向上し、水晶振動子の製造を容易にすることができる。
また、これに代えて、常温状態で直接接合を行っても良い。
例えば、真空チャンバー内に例えばAr(アルゴン)ガスを噴出させた状態の中で、イオンガンによって発生したプラズマによる活性化で、水晶ウェハW1の接合面と蓋体ウェハW3の接合面とを削った状態にし、その後、水晶ウェハW1の接合面と蓋体ウェハW3の接合面とを重ね合わせることで、接合された状態となる。
蓋体ウェハW3を水晶ウェハW1に接合する際は、それぞれの蓋体30に設けられた凹部K2を水晶ウェハW1側に向けた状態で、蓋体ウェハW3と水晶ウェハW1とを重ね合わせて直接接合を行う。このように、常温かつ真空雰囲気中で直接接合を行うことにより、水晶ウェハW1に高熱を加えることがなくなるため反りの発生を防ぐことができる。また、このような常温かつ真空雰囲気中での環境で直接接合を行うことで、温度管理が不要となることから、作業性が向上し、水晶振動子の製造を容易にすることができる。
また、このような水晶振動子100は、振動エネルギを閉じ込めることができ、また、水晶振動素子20の4辺を蓋体30及び基体10で接合されているために、落下した場合の耐衝撃性を向上させることができる。
なお、本発明の各実施形態に係る水晶振動子は、例えば、長辺方向の長さが2.5mmで短辺方向の長さが2.0mmの形状、長辺方向の長さが2.0mmで短辺方向の長さが1.6mmの形状、長辺方向の長さが1.6mmで短辺方向の長さが1.2mmの形状、また、これより小さい形状に適用される場合にも効果を奏する。
10 基体
20 水晶振動素子
30 蓋体
21 水晶片
21A 第一貫通孔
22 励振電極
23、23A、23B 引回しパターン
W1 水晶ウェハ
W2 基体ウェハ
W3 蓋体ウェハ
WA 保護用第一ウェハ
WB 保護用第二ウェハ
K1、K2 凹部
H 第二貫通孔
B 導電材料
G 外部端子
T 端部
Claims (4)
- 四角形の水晶片の両主面に励振電極とこれら励振電極から前記水晶片の一方の端部まで延出する2つ一対の引回しパターンとが設けられた水晶振動素子と、凹部が設けられた蓋体及び基体とからなる水晶振動子であって、
前記水晶振動素子は、一方の引回しパターンの端部が前記水晶片に設けられた第一貫通孔を介して他方の引回しパターンが設けられた表面側に引回されて構成され、
前記基体は、前記一方の引回しパターンと前記他方の引回しパターンのそれぞれの端部と対向する位置に第二貫通孔が設けられ、導電材料と外部端子となる金属膜とで前記第二貫通孔が塞がれて前記一方の引回しパターンと前記他方の引回しパターンの端部と接続して構成されていることを特徴とする水晶振動子。 - 前記水晶振動素子と前記蓋体と前記基体とが直接接合により接合されていることを特徴とする請求項1に記載の水晶振動子。
- 四角形の水晶片の両主面に励振電極とこれら励振電極から前記水晶片の一方の端部まで延出する2つ一対の引回しパターンとが設けられた水晶振動素子と、凹部が設けられた蓋体及び基体とからなる水晶振動子の製造方法であって、
引回し用の第一貫通孔が設けられた水晶ウェハに保護用第一ウェハを貼り付ける保護用第一ウェハ貼り付け工程と、
露出する水晶ウェハの表面及び第一貫通孔にスパッタ又は蒸着により励振電極及び引回しパターンとなる第一金属膜を設ける第一金属膜形成工程と、
前記第一金属膜を保護する保護用第二ウェハを水晶ウェハに貼り付けた後に保護用第一ウェハを剥がすウェハ貼り換え工程と、
露出する水晶ウェハの表面にスパッタ又は蒸着により励振電極及び引回しパターンとなる第二金属膜を設ける第二金属膜形成工程と、
前記引回しパターンの端部に導電材料からなるバンプを設けるバンプ形成工程と、
前記引回しパターンの端部と対向する位置に第二貫通孔が設けられた基体ウェハを露出する水晶ウェハに直接接合により接合する基体ウェハ接合工程と、
前記基体ウェハの基体となる部分に外部端子を設ける外部端子形成工程と、
保護用第二ウェハを剥がして周波数調整を行う周波数調整工程と、
蓋体ウェハを露出する水晶ウェハに直接接合により接合する蓋体ウェハ接合工程と、
個々の水晶振動子に個片化する個片化工程と、
から構成されることを特徴とする水晶振動子の製造方法。 - 保護用第一ウェハ貼り付け工程の後に水晶ウェハの表面の研削を行う研削工程を備えることを特徴とする請求項3に記載の水晶振動子の製造方法。
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