JP2008072456A - チップ型圧電振動子、チップ型sawデバイス、及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】大面積のウェハを複数枚積層接合してから個片にダイシングし、所要箇所にコーティングすることにより量産されるチップ型圧電デバイスの非コーティング部分にチッピングが発生することを確実に防止することができるチップ型圧電振動子、チップ型SAWデバイス、及び製造方法を提供する。
【解決手段】環状の圧電枠体部3の内周適所から枠体部内側へ突出形成された圧電基板部4及び該圧電基板部の両主面に夫々形成された励振電極5を有した圧電素子部6と、を備えた圧電素子ユニット2と、圧電枠体部の上面及び下面に夫々接合されることにより、圧電素子部を収容した気密空間Sを形成する上側カバー基板10及び下側カバー基板15と、該下側カバー基板の底部に形成され且つ接続導体を介して各励振電極と導通した複数の実装端子16と、を備えたチップ型圧電振動子であって、下側カバー基板の底面を除いた側面、及び上面を被覆する樹脂層20を備えた。
【選択図】図1
【解決手段】環状の圧電枠体部3の内周適所から枠体部内側へ突出形成された圧電基板部4及び該圧電基板部の両主面に夫々形成された励振電極5を有した圧電素子部6と、を備えた圧電素子ユニット2と、圧電枠体部の上面及び下面に夫々接合されることにより、圧電素子部を収容した気密空間Sを形成する上側カバー基板10及び下側カバー基板15と、該下側カバー基板の底部に形成され且つ接続導体を介して各励振電極と導通した複数の実装端子16と、を備えたチップ型圧電振動子であって、下側カバー基板の底面を除いた側面、及び上面を被覆する樹脂層20を備えた。
【選択図】図1
Description
本発明はマザーボード上に直接実装されるチップ型電子デバイス、及びその製造方法の改良に関し、特に大面積のウェハを複数枚積層接合してから個片にダイシングすることにより量産される電子デバイスの切断面にチッピングが発生することを確実に防止することができるチップ型圧電振動子、チップ型SAWデバイス、及び製造方法に関する。
圧電振動子、SAWデバイス等の圧電デバイスとして、圧電基板上に電極膜を形成した圧電素子部をガラス基板等からなるカバー基板によって気密封止した構造のチップ型圧電デバイスが知られている。この種のチップ型圧電デバイスは、複数の圧電素子部をシート状に連結した圧電ウェハに対して、複数のカバー基板をシート状に連結したカバー基板ウェハを積層接合したウェハ接合体を形成してから、このウェハ接合体を個片に切断するバッチ処理によって製造される。
特許文献1には、複数の水晶基板から成る水晶ウェハの上下面に夫々ガラス基板ウェハを接合したウェハ接合体を個片間の境界線に沿って厚み方向にカットすることによりチップ型電子部品を製造するに際して、ウェハ接合体のカット予定部位にウェハ接合体厚よりも浅いハーフカット溝を形成してから、このハーフカット溝内の底部に所定厚さとなるように樹脂から成るコーティング材を充填塗布し、コーティング材の乾燥固化後に前記カット予定部位を切断するようにしたチップ型部品のコーティング方法が開示されている。この方法では、チップ型部品の厚み方向中央部に位置する水晶基板の切断端面のみにコーティング材が塗布されているに過ぎず切断端部全体を完全に保護することができない。仮に、ハーフカット面全体にコーティング材を塗布したとしてもハーフカットされなかった切断部分と、部品の上面がコーティング材によって保護されない状態となっている。従って、コーティングされていない部分が広い範囲に亘ることとなり、その後の工程において部品同士が接触した時や、ピンセットにより部品を挟んだ際において、非コーティング部分にチッピングが発生し易く、外観不良やリーク不良による歩留まり低下やコストアップをもたらす原因となる。
特開2003−188436公報
上記のように圧電基板をガラス基板によりサンドイッチすると共に要所だけを樹脂被覆した構造を有した従来のチップ型圧電デバイスにあっては、樹脂被覆されていない外面部分にチッピングが発生するという不具合があった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、大面積のウェハを複数枚積層接合してから個片にダイシングし、所要箇所にコーティングすることにより量産されるチップ型圧電デバイスの非コーティング部分にチッピングが発生することを確実に防止することができるチップ型圧電振動子、チップ型SAWデバイス、及び製造方法に関する。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、大面積のウェハを複数枚積層接合してから個片にダイシングし、所要箇所にコーティングすることにより量産されるチップ型圧電デバイスの非コーティング部分にチッピングが発生することを確実に防止することができるチップ型圧電振動子、チップ型SAWデバイス、及び製造方法に関する。
上記目的を達成するため、本願第1の発明に係るチップ型圧電振動子は、圧電枠体部及び前記圧電枠体部に収容された圧電素子部を備えた圧電素子ユニットと、前記圧電枠体部の上面に接合された上側カバーと、前記圧電枠体の下面に接合された下側カバーと、前記下側カバー基板の底部に形成された実装端子と、を備えたチップ型圧電振動子であって、前記圧電素子部は、圧電基板と、前記圧電基板に形成された励振電極とを有し、前記励振電極は、接続導体を介して前記実装端子に接続され、前記チップ型圧電振動子は、前記下側カバー基板の底面を除いた側面、及び上面を被覆する樹脂層を備えたことを特徴とする。
この圧電振動子は、実装端子を形成した底面を除いた側面(四側面)、及び上面全体を樹脂層により連続被覆しているので、ガラス、或いは水晶等からなる露出部がほとんどなく、外面がチッピングする虞がない。
この圧電振動子は、実装端子を形成した底面を除いた側面(四側面)、及び上面全体を樹脂層により連続被覆しているので、ガラス、或いは水晶等からなる露出部がほとんどなく、外面がチッピングする虞がない。
本願第2の発明に係るチップ型圧電振動子は、前記圧電素子部は、音叉型水晶振動素子、又はAT水晶振動素子であることを特徴とする。
本願第3の発明に係るチップ型圧電振動子は、上側カバー基板、及び下側カバー基板はガラス、又は圧電材料から構成されることを特徴とする。
本願第3の発明に係るチップ型圧電振動子は、上側カバー基板、及び下側カバー基板はガラス、又は圧電材料から構成されることを特徴とする。
本願第4の発明に係るチップ型圧電振動子の製造方法は、圧電枠体部及び前記圧電枠体部に収容された圧電素子部を備えた圧電素子ユニットと、前記圧電枠体部の上面に接合された上側カバーと、前記圧電枠体の下面に接合された下側カバーと、前記下側カバー基板の底部に形成された実装端子と、を備えたチップ型圧電振動子の製造方法であって、複数の前記圧電素子ユニットを所定幅の境界線を介してシート状に連結した圧電素子ユニットウェハを準備する工程と、複数の前記上側カバーを前記所定幅の境界線を介してシート状に連結した上側カバー基板ウェハを準備する工程と、前記実装端子を備えた複数の前記下側カバーを前記所定幅の境界線を介してシート状に連結した下側カバー基板ウェハを準備する工程と、前記圧電素子ユニットウェハの上下面に夫々前記上側カバー基板ウェハ及び前記下側カバー基板ウェハを接合することにより、前記各圧電素子ユニットの個片と、各前記上側及び前記下側カバー基板の個片とが対応して接合したウェハ接合体を形成する工程と、前記ウェハ接合体を構成する前記下側カバー基板ウェハの底面をサポート基板面に仮接合する工程と、前記ウェハ接合体を前記各個片間の前記境界線に沿って前記圧電振動子の個片に完全ダイシングする第1のダイシング工程と、前記ダイシングにより形成された前記個片間の空隙、及び前記各個片の上面に樹脂層を形成する工程と、前記空隙に形成された前記樹脂層を前記第1のダイシング工程で使用したダイシングブレードの刃厚よりも薄い刃厚を有したダイシングブレードを用いて分断することにより側面及び上面に樹脂層を備えた圧電振動子を形成する第2のダイシング工程と、から構成されることを特徴とする。
この製造方法により製造された圧電振動子は、実装端子を形成した底面を除いた側面(四側面)、及び上面全体を樹脂層により連続被覆しているので、ガラス、或いは水晶等からなる露出部がほとんどなく、外面がチッピングする虞がない。
この製造方法により製造された圧電振動子は、実装端子を形成した底面を除いた側面(四側面)、及び上面全体を樹脂層により連続被覆しているので、ガラス、或いは水晶等からなる露出部がほとんどなく、外面がチッピングする虞がない。
本願第5の発明に係るチップ型SAWデバイスは、底部に実装端子を備えた圧電基板、及び該圧電基板の上面に形成されたIDT電極を有したSAWチップと、前記IDT電極を収容する気密空間を前記圧電基板上面との間に形成するように前記圧電基板上面に接合されたカバー基板と、を備えたチップ型SAWデバイスであって、前記SAWチップの底面を除いた側面、及び上面を被覆する樹脂層を備えたことを特徴とする。
このSAWデバイスは、実装端子を形成した底面を除いた側面(四側面)、及び上面全体を樹脂層により連続被覆しているので、ガラス、或いは水晶等からなる露出部がほとんどなく、外面がチッピングする虞がない。
このSAWデバイスは、実装端子を形成した底面を除いた側面(四側面)、及び上面全体を樹脂層により連続被覆しているので、ガラス、或いは水晶等からなる露出部がほとんどなく、外面がチッピングする虞がない。
本願第6の発明に係るチップ型SAWデバイスは、前記カバー基板は、ガラス、又は圧電材料から構成されていることを特徴とする。
本願第7の発明に係るチップ型SAWデバイスの製造方法は、複数の前記SAWチップを所定幅の境界線を介してシート状に連結したSAWチップウェハを準備する工程と、複数の前記カバー基板を前記所定幅の境界線を介してシート状に連結したカバー基板ウェハを準備する工程と、前記SAWチップウェハの上面に前記カバー基板ウェハを接合することにより、各SAWチップ個片と各カバー基板個片とが対応して接合したウェハ接合体を形成する工程と、前記ウェハ接合体を構成する前記SAWチップの底面をサポート基板面に仮接合する工程と、前記ウェハ接合体を前記各個片間の前記境界線に沿って前記SAWチップの個片に完全ダイシングする第1のダイシング工程と、前記ダイシングにより形成された前記個片間の空隙、及び前記各個片の上面に樹脂層を形成する工程と、前記空隙に形成された樹脂層を前記第1のダイシング工程で使用したダイシングブレードの刃厚よりも薄い刃厚を有したダイシングブレードを用いて分断することにより該側面及び上面に樹脂層を備えたSAWデバイスを形成する第2のダイシング工程と、から構成されることを特徴とする。
この製造方法により製造されたSAWデバイスは、実装端子を形成した底面を除いた側面(四側面)、及び上面全体を樹脂層により連続被覆しているので、ガラス、或いは水晶等からなる露出部がほとんどなく、外面がチッピングする虞がない。
本願第7の発明に係るチップ型SAWデバイスの製造方法は、複数の前記SAWチップを所定幅の境界線を介してシート状に連結したSAWチップウェハを準備する工程と、複数の前記カバー基板を前記所定幅の境界線を介してシート状に連結したカバー基板ウェハを準備する工程と、前記SAWチップウェハの上面に前記カバー基板ウェハを接合することにより、各SAWチップ個片と各カバー基板個片とが対応して接合したウェハ接合体を形成する工程と、前記ウェハ接合体を構成する前記SAWチップの底面をサポート基板面に仮接合する工程と、前記ウェハ接合体を前記各個片間の前記境界線に沿って前記SAWチップの個片に完全ダイシングする第1のダイシング工程と、前記ダイシングにより形成された前記個片間の空隙、及び前記各個片の上面に樹脂層を形成する工程と、前記空隙に形成された樹脂層を前記第1のダイシング工程で使用したダイシングブレードの刃厚よりも薄い刃厚を有したダイシングブレードを用いて分断することにより該側面及び上面に樹脂層を備えたSAWデバイスを形成する第2のダイシング工程と、から構成されることを特徴とする。
この製造方法により製造されたSAWデバイスは、実装端子を形成した底面を除いた側面(四側面)、及び上面全体を樹脂層により連続被覆しているので、ガラス、或いは水晶等からなる露出部がほとんどなく、外面がチッピングする虞がない。
以下、本発明を図面に示した実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1(a)(b)及び(c)は本発明の一実施形態に係るチップ型圧電振動子の外観構成を示す斜視図、底面図、及びA−A断面図であり、図2は音叉型圧電振動素子を利用したチップ型圧電振動子の分解斜視図、図3はAT水晶振動素子(短冊型水晶振動素子)を利用したチップ型圧電振動子の分解斜視図である。
図1(a)(b)及び(c)は本発明の一実施形態に係るチップ型圧電振動子の外観構成を示す斜視図、底面図、及びA−A断面図であり、図2は音叉型圧電振動素子を利用したチップ型圧電振動子の分解斜視図、図3はAT水晶振動素子(短冊型水晶振動素子)を利用したチップ型圧電振動子の分解斜視図である。
図1及び図2に示した圧電振動子1は、水晶板等の圧電板から成る矩形環状の圧電枠体部3と、圧電枠体部3の内周適所(一方の短辺の内周縁))から枠体部内側へ突出形成された薄肉の圧電基板部4及び圧電基板部4の両主面に夫々形成された励振電極5を有した圧電素子部6と、を備えた圧電素子ユニット2と、圧電素子ユニット2を構成する圧電枠体部3の上面及び下面に夫々接合されることにより圧電素子部6を含む気密空間Sを形成する上側カバー基板10及び下側カバー基板15と、下側カバー基板15の底部に形成され且つ接続導体17を介して各励振電極5と導通した複数の実装端子16と、下側カバー基板15の底面を除いた側面、及び上面を被覆する樹脂層(コーティング層)20と、を備えている。
なお、圧電素子部6は、圧電枠体部3により包囲された構造であれば、図示した以外の構造であってもよい。
なお、圧電素子部6は、圧電枠体部3により包囲された構造であれば、図示した以外の構造であってもよい。
本実施形態における圧電素子ユニット2、上下カバー基板10、15の各縦横寸法は、例えば1.6mm×1.2mmであり、圧電素子ユニット2の圧電枠体部3の厚さは0.1mm、上下カバー基板10、15の各厚さは0.2mmである。
圧電素子部6は、図2の実施形態に示した音叉型振動素子であってもよいし、図3の実施形態に示したAT水晶振動素子であってもよい。気密空間S内では励振電極5を形成した圧電素子部6の主要な振動部分が、各カバー基板10、15の内壁と非接触となるように保持されている。
上下のカバー基板10、15は、例えばガラス基板から構成し、圧電枠体部3の上面及び下面に対して各カバー基板10、15を接着剤、陽極接合、直接接合、プラズマ接合等々の任意の接合方法によって接合することにより気密空間Sを形成する。
なお、少なくとも何れか一方のカバー基板10又は15の材質を、圧電素子ユニット2と同材質の圧電材料によって構成することにより、両者の線膨張係数を一致させることが可能となり、熱応力による歪みが圧電素子部6に発生することによる共振周波数の変動を防止することが可能となる。
この実施形態に係る圧電振動子1は、実装端子16を形成した底面を除いた側面(四側面)、及び上面全体を樹脂層20により連続被覆しているので、ガラス、或いは水晶等からなる露出部がほとんどなく、外面がチッピングする虞がない。
圧電素子部6は、図2の実施形態に示した音叉型振動素子であってもよいし、図3の実施形態に示したAT水晶振動素子であってもよい。気密空間S内では励振電極5を形成した圧電素子部6の主要な振動部分が、各カバー基板10、15の内壁と非接触となるように保持されている。
上下のカバー基板10、15は、例えばガラス基板から構成し、圧電枠体部3の上面及び下面に対して各カバー基板10、15を接着剤、陽極接合、直接接合、プラズマ接合等々の任意の接合方法によって接合することにより気密空間Sを形成する。
なお、少なくとも何れか一方のカバー基板10又は15の材質を、圧電素子ユニット2と同材質の圧電材料によって構成することにより、両者の線膨張係数を一致させることが可能となり、熱応力による歪みが圧電素子部6に発生することによる共振周波数の変動を防止することが可能となる。
この実施形態に係る圧電振動子1は、実装端子16を形成した底面を除いた側面(四側面)、及び上面全体を樹脂層20により連続被覆しているので、ガラス、或いは水晶等からなる露出部がほとんどなく、外面がチッピングする虞がない。
次に、図4(a)乃至(e)は上記チップ型圧電振動子の製造方法を示す工程図である。
この製造方法においては、複数の圧電素子ユニット2を所定幅の境界線L(切断線)を介してシート状に連結した圧電素子ユニットウェハ30と、複数の上側カバー基板10を所定幅の境界線Lを介してシート状に連結した上側カバー基板ウェハ35と、複数の下側カバー15を所定幅の境界線Lを介してシート状に連結した下側カバー基板ウェハ40と、を用いたバッチ処理を実施する。圧電素子ユニット2、各カバー基板10、15の各個片は、各ウェハ30、35、40上において、縦横に交差する境界線Lを介してマトリクス状に配列された状態にある。
なお、圧電素子ユニットウェハ30を構成する個々の圧電素子部6の共振周波数調整は、例えば何れか一方のカバー基板ウェハ35、40を接合した段階で実施する。
この製造方法においては、複数の圧電素子ユニット2を所定幅の境界線L(切断線)を介してシート状に連結した圧電素子ユニットウェハ30と、複数の上側カバー基板10を所定幅の境界線Lを介してシート状に連結した上側カバー基板ウェハ35と、複数の下側カバー15を所定幅の境界線Lを介してシート状に連結した下側カバー基板ウェハ40と、を用いたバッチ処理を実施する。圧電素子ユニット2、各カバー基板10、15の各個片は、各ウェハ30、35、40上において、縦横に交差する境界線Lを介してマトリクス状に配列された状態にある。
なお、圧電素子ユニットウェハ30を構成する個々の圧電素子部6の共振周波数調整は、例えば何れか一方のカバー基板ウェハ35、40を接合した段階で実施する。
まず、図4(a)に示すように圧電素子ユニットウェハ30の上下面に夫々上側カバー基板ウェハ35及び下側カバー基板ウェハ40を任意の手法により接合することにより、各圧電素子ユニット個片と各上・下カバー基板個片とが整合状態で、或いは対応した状態で接合したウェハ接合体45を形成する工程を実施し、次いで、ウェハ接合体45を構成する下側カバー基板ウェハ40の底面を上面が平坦なガラス板等から成るサポート基板50の上面にろう材(接合材)55を用いて仮接合する。なお、ろう材に代えて紫外線硬化型樹脂等を接合材として使用することもできる。
図4(b)では、ウェハ接合体45を各個片間の境界線Lに沿って圧電振動子の個片に完全ダイシングする第1のダイシング工程を実施する。この工程では、境界線Lの全幅に亘って切断するのに適した刃幅を有したダイシングブレードを使用する。ダイシング深さDは、図示のようにサポート基板50の上面に達するようにウェハ接合体45の全厚に亘って切断してもよいし、サポート基板50の上面の一部を僅かに切除することは差し支えない。或いは図5において説明するように下側カバー基板ウェハ40の下部が僅かに残る程度に浅く切断してもよい。
図4(b)では、ウェハ接合体45を各個片間の境界線Lに沿って圧電振動子の個片に完全ダイシングする第1のダイシング工程を実施する。この工程では、境界線Lの全幅に亘って切断するのに適した刃幅を有したダイシングブレードを使用する。ダイシング深さDは、図示のようにサポート基板50の上面に達するようにウェハ接合体45の全厚に亘って切断してもよいし、サポート基板50の上面の一部を僅かに切除することは差し支えない。或いは図5において説明するように下側カバー基板ウェハ40の下部が僅かに残る程度に浅く切断してもよい。
図4(c)では、第1のダイシング工程により形成された個片間の空隙、及び各個片の上面に樹脂層60を充填、塗布するコーティング工程を実施する。
図4(d)では、空隙に充填された樹脂層60を乾燥させた後で、第1のダイシング工程で使用したダイシングブレードの刃厚よりも薄い刃厚を有した他のダイシングブレードを用いて分断することにより樹脂層60を側面及び上面に備えた圧電振動子を完成する第2のダイシング工程を実施する。
なお、上記工程中においては、ダイシングに伴う摩擦熱対策として冷却水を切断箇所等に供給しながらの作業が行われるので、ダイシングに伴って生成された切断屑は常に外部に流出する。
その後、工程(e)において、サポート基板50と圧電振動子を加熱してろう材55を溶融させることにより各圧電振動子をサポート基板面から剥離し、その後付着したろう材を洗浄することにより圧電振動子1を得ることができる。
この製造方法により製造された圧電振動子は、底面を除いた外面の大半を樹脂により被覆しているので、後段のハンドリングにおけるチッピングの発生を防止することができる。
図4(d)では、空隙に充填された樹脂層60を乾燥させた後で、第1のダイシング工程で使用したダイシングブレードの刃厚よりも薄い刃厚を有した他のダイシングブレードを用いて分断することにより樹脂層60を側面及び上面に備えた圧電振動子を完成する第2のダイシング工程を実施する。
なお、上記工程中においては、ダイシングに伴う摩擦熱対策として冷却水を切断箇所等に供給しながらの作業が行われるので、ダイシングに伴って生成された切断屑は常に外部に流出する。
その後、工程(e)において、サポート基板50と圧電振動子を加熱してろう材55を溶融させることにより各圧電振動子をサポート基板面から剥離し、その後付着したろう材を洗浄することにより圧電振動子1を得ることができる。
この製造方法により製造された圧電振動子は、底面を除いた外面の大半を樹脂により被覆しているので、後段のハンドリングにおけるチッピングの発生を防止することができる。
次に、図5(a)乃至(e)は、図4(b)の工程においてウェハ接合体を完全に分断せずに境界線Lの下部に位置する下側カバー基板ウェハ部分を薄層状に残留させた場合の工程を示している。この製造方法によれば、最終的に得られる圧電振動子の裾部には下側カバー基板15の裾部から水平に張り出した薄層部分15aがあり、樹脂層の下部が薄層部分15aの上面で終端しているが、この薄層部分15aは樹脂層60と一体化されるため、圧電振動子の特性上の問題は発生しない。
なお、上記の如き各製造方法によって製造される圧電振動子は底面を除いた外面を樹脂により被覆されているため、その方向性を外観から判断しにくい。そこで、外観から方向性を認識できるような目印を形成しておくことが好ましい。目印としては、例えば上側カバー基板ウェハ35をフォトリソグラフィ技術によって製造する際に個々の個片領域の一つの端縁、或いは一つの角隅部となる箇所に段差部や面取り部を形成することにより、この段差部等の上を樹脂層により被覆した際にその部分の形状が樹脂層上から認識できるようにすればよい。
なお、上記の如き各製造方法によって製造される圧電振動子は底面を除いた外面を樹脂により被覆されているため、その方向性を外観から判断しにくい。そこで、外観から方向性を認識できるような目印を形成しておくことが好ましい。目印としては、例えば上側カバー基板ウェハ35をフォトリソグラフィ技術によって製造する際に個々の個片領域の一つの端縁、或いは一つの角隅部となる箇所に段差部や面取り部を形成することにより、この段差部等の上を樹脂層により被覆した際にその部分の形状が樹脂層上から認識できるようにすればよい。
次に、図6(a)はチップ型SAWチップ上にカバー基板を接合した構成を備えたチップ型SAWデバイスの分解斜視図、(b)はチップ型SAWデバイスの縦断面図であり、図7(a)乃至(e)はこのチップ型SAWデバイスの製造手順の一例を示す工程図である。
このチップ型SAWデバイス70は、底部に実装端子73を備えた圧電基板72、及び圧電基板72の上面に形成されたIDT(インター・ディジタル・トランスジューサ)電極74を有したSAWチップ71と、IDT電極74を含む気密空間Sを圧電基板上面との間に形成するように圧電基板上面に接合されたカバー基板80と、SAWチップ71の底面を除いた側面、及び上面を被覆する樹脂層82を備えている。
この実施形態では、カバー基板80の底面中央部に凹所81を形成することにより、IDT電極74を形成した圧電基板72の上面との間に気密空間Sを形成している。或いは、カバー基板80の底面を平坦な面とし、環状のスペーサを用いて圧電基板72との間に気密空間Sを形成するようにしてもよい。
この実施形態に係るチップ型SAWデバイス70は、実装端子73を形成した底面を除いた側面、及び上面全体を樹脂層82により被覆しているので、ガラス、或いは水晶等からなる部分の外面がチッピングする虞がない。
このチップ型SAWデバイス70は、底部に実装端子73を備えた圧電基板72、及び圧電基板72の上面に形成されたIDT(インター・ディジタル・トランスジューサ)電極74を有したSAWチップ71と、IDT電極74を含む気密空間Sを圧電基板上面との間に形成するように圧電基板上面に接合されたカバー基板80と、SAWチップ71の底面を除いた側面、及び上面を被覆する樹脂層82を備えている。
この実施形態では、カバー基板80の底面中央部に凹所81を形成することにより、IDT電極74を形成した圧電基板72の上面との間に気密空間Sを形成している。或いは、カバー基板80の底面を平坦な面とし、環状のスペーサを用いて圧電基板72との間に気密空間Sを形成するようにしてもよい。
この実施形態に係るチップ型SAWデバイス70は、実装端子73を形成した底面を除いた側面、及び上面全体を樹脂層82により被覆しているので、ガラス、或いは水晶等からなる部分の外面がチッピングする虞がない。
次に、図7(a)乃至(e)はこのチップ型SAWデバイスの製造方法を示す工程図である。
この製造方法においては、複数のSAWチップ71を所定幅の境界線Lを介してシート状に連結したSAWチップウェハ85と、複数のカバー基板80を所定幅の境界線Lを介してシート状に連結したカバー基板ウェハ90と、を用いたバッチ処理を実施する。
なお、SAWチップウェハ85を構成する個々のSAWチップ71の周波数調整は、カバー基板ウェハ90を接合する前に実施する。
まず、図7(a)に示すように、SAWチップウェハ85の上面にカバー基板ウェハ90を接合することにより、各SAWチップ個片と各カバー基板個片とが整合状態で、或いは対応して接合したウェハ接合体95を形成すると共に、このウェハ接合体95を構成するSAWチップ71の底面をサポート基板100の平坦な上面にろう材105、紫外線硬化型接着剤等の接合材を用いて仮接合する。
図7(b)では、ウェハ接合体95を各個片間の境界線Lに沿ってSAWチップの個片に完全ダイシングする第1のダイシング工程を行う。
この製造方法においては、複数のSAWチップ71を所定幅の境界線Lを介してシート状に連結したSAWチップウェハ85と、複数のカバー基板80を所定幅の境界線Lを介してシート状に連結したカバー基板ウェハ90と、を用いたバッチ処理を実施する。
なお、SAWチップウェハ85を構成する個々のSAWチップ71の周波数調整は、カバー基板ウェハ90を接合する前に実施する。
まず、図7(a)に示すように、SAWチップウェハ85の上面にカバー基板ウェハ90を接合することにより、各SAWチップ個片と各カバー基板個片とが整合状態で、或いは対応して接合したウェハ接合体95を形成すると共に、このウェハ接合体95を構成するSAWチップ71の底面をサポート基板100の平坦な上面にろう材105、紫外線硬化型接着剤等の接合材を用いて仮接合する。
図7(b)では、ウェハ接合体95を各個片間の境界線Lに沿ってSAWチップの個片に完全ダイシングする第1のダイシング工程を行う。
図7(c)では第1のダイシング工程により形成された個片間の空隙、及び各個片の上面に樹脂層82を形成する。
図7(d)では、空隙に充填された樹脂層82を第1のダイシング工程で使用したダイシングブレードの刃厚よりも薄い刃厚を有したダイシングブレードを用いて分断することにより樹脂層82を側面及び上面に備えたSAWデバイス70を形成する。
なお、上記工程中においては、ダイシングに伴う摩擦熱対策として冷却水を切断箇所等に供給しながらの作業が行われるので、ダイシングに伴って生成された切断屑は常に外部に流出する。
その後、工程(e)において、サポート基板100とSAWデバイス70を加熱してろう材105を溶融させることにより各SAWデバイス70をサポート基板面から剥離し、その後付着したろう材を洗浄することによりSAWデバイスを得ることができる。
この製造方法により製造されたSAWチップは、底面を除いた外面の大半を樹脂により被覆しているので、後段のハンドリングにおけるチッピングの発生を防止することができる。
図7(d)では、空隙に充填された樹脂層82を第1のダイシング工程で使用したダイシングブレードの刃厚よりも薄い刃厚を有したダイシングブレードを用いて分断することにより樹脂層82を側面及び上面に備えたSAWデバイス70を形成する。
なお、上記工程中においては、ダイシングに伴う摩擦熱対策として冷却水を切断箇所等に供給しながらの作業が行われるので、ダイシングに伴って生成された切断屑は常に外部に流出する。
その後、工程(e)において、サポート基板100とSAWデバイス70を加熱してろう材105を溶融させることにより各SAWデバイス70をサポート基板面から剥離し、その後付着したろう材を洗浄することによりSAWデバイスを得ることができる。
この製造方法により製造されたSAWチップは、底面を除いた外面の大半を樹脂により被覆しているので、後段のハンドリングにおけるチッピングの発生を防止することができる。
なお、図7のSAWデバイスの製造方法においても、図5に示した圧電振動子の製造方法と同様にSAWチップ71の裾部に薄板状の張出し部を残した構成としてもよい。
上記の各実施形態では水晶材料から成る圧電素子を使用した圧電デバイスを例示して説明したが、本発明は、水晶以外の圧電材料、例えばタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等々を使用したチップ型圧電振動子、チップ型SAWデバイスにも適用することができる。
上記の各実施形態では水晶材料から成る圧電素子を使用した圧電デバイスを例示して説明したが、本発明は、水晶以外の圧電材料、例えばタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等々を使用したチップ型圧電振動子、チップ型SAWデバイスにも適用することができる。
1…圧電振動子、2…圧電素子ユニット、3…圧電枠体部、4…圧電基板部、5…励振電極、6…圧電素子部、10…上側カバー基板、15…下側カバー基板、15a…薄層部分、16…実装端子、17…接続導体、20…樹脂層、30…圧電素子ユニットウェハ、35…上側カバー基板ウェハ、40…下側カバー基板ウェハ、45…ウェハ接合体、50…サポート基板、60…樹脂層、70…チップ型SAWデバイス、72…圧電基板、73…実装端子、74…IDT電極、80…カバー基板、81…凹所、82…樹脂層、90…カバー基板ウェハ、95…ウェハ接合体、100…サポート基板
Claims (7)
- 圧電枠体部及び前記圧電枠体部に収容された圧電素子部を備えた圧電素子ユニットと、
前記圧電枠体部の上面に接合された上側カバーと、前記圧電枠体の下面に接合された下側カバーと、
前記下側カバー基板の底部に形成された実装端子と、
を備えたチップ型圧電振動子であって、
前記圧電素子部は、圧電基板と、前記圧電基板に形成された励振電極とを有し、前記励振電極は、接続導体を介して前記実装端子に接続され、
前記チップ型圧電振動子は、前記下側カバー基板の底面を除いた側面、及び上面を被覆する樹脂層を備えたことを特徴とするチップ型圧電振動子。 - 前記圧電素子部は、音叉型水晶振動素子、又はAT水晶振動素子であることを特徴とする請求項1に記載のチップ型圧電振動子。
- 上側カバー基板、及び下側カバー基板はガラス、又は圧電材料から構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のチップ型圧電振動子。
- 圧電枠体部及び前記圧電枠体部に収容された圧電素子部を備えた圧電素子ユニットと、
前記圧電枠体部の上面に接合された上側カバーと、前記圧電枠体の下面に接合された下側カバーと、
前記下側カバー基板の底部に形成された実装端子と、
を備えたチップ型圧電振動子の製造方法であって、
複数の前記圧電素子ユニットを所定幅の境界線を介してシート状に連結した圧電素子ユニットウェハを準備する工程と、
複数の前記上側カバーを前記所定幅の境界線を介してシート状に連結した上側カバー基板ウェハを準備する工程と、
前記実装端子を備えた複数の前記下側カバーを前記所定幅の境界線を介してシート状に連結した下側カバー基板ウェハを準備する工程と、
前記圧電素子ユニットウェハの上下面に夫々前記上側カバー基板ウェハ及び前記下側カバー基板ウェハを接合することにより、前記各圧電素子ユニットの個片と、各前記上側及び前記下側カバー基板の個片とが対応して接合したウェハ接合体を形成する工程と、
前記ウェハ接合体を構成する前記下側カバー基板ウェハの底面をサポート基板面に仮接合する工程と、
前記ウェハ接合体を前記各個片間の前記境界線に沿って前記圧電振動子の個片に完全ダイシングする第1のダイシング工程と、
前記ダイシングにより形成された前記個片間の空隙、及び前記各個片の上面に樹脂層を形成する工程と、
前記空隙に形成された前記樹脂層を前記第1のダイシング工程で使用したダイシングブレードの刃厚よりも薄い刃厚を有したダイシングブレードを用いて分断することにより側面及び上面に樹脂層を備えた圧電振動子を形成する第2のダイシング工程と、
から構成されることを特徴とするチップ型圧電振動子の製造方法。 - 底部に実装端子を備えた圧電基板、及び該圧電基板の上面に形成されたIDT電極を有したSAWチップと、
前記IDT電極を収容する気密空間を前記圧電基板上面との間に形成するように前記圧電基板上面に接合されたカバー基板と、を備えたチップ型SAWデバイスであって、
前記SAWチップの底面を除いた側面、及び上面を被覆する樹脂層を備えたことを特徴とするチップ型SAWデバイス。 - 前記カバー基板は、ガラス、又は圧電材料から構成されていることを特徴とする請求項5に記載のチップ型SAWデバイス。
- 請求項5又は6に記載のチップ型SAWデバイスの製造方法であって、
複数の前記SAWチップを所定幅の境界線を介してシート状に連結したSAWチップウェハを準備する工程と、
複数の前記カバー基板を前記所定幅の境界線を介してシート状に連結したカバー基板ウェハを準備する工程と、
前記SAWチップウェハの上面に前記カバー基板ウェハを接合することにより、各SAWチップ個片と各カバー基板個片とが対応して接合したウェハ接合体を形成する工程と、
前記ウェハ接合体を構成する前記SAWチップの底面をサポート基板面に仮接合する工程と、
前記ウェハ接合体を前記各個片間の前記境界線に沿って前記SAWチップの個片に完全ダイシングする第1のダイシング工程と、
前記ダイシングにより形成された前記個片間の空隙、及び前記各個片の上面に樹脂層を形成する工程と、
前記空隙に形成された樹脂層を前記第1のダイシング工程で使用したダイシングブレードの刃厚よりも薄い刃厚を有したダイシングブレードを用いて分断することにより該側面及び上面に樹脂層を備えたSAWデバイスを形成する第2のダイシング工程と、
から構成されることを特徴とするチップ型SAWデバイスの製造方法。
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JP2006249401A JP2008072456A (ja) | 2006-09-14 | 2006-09-14 | チップ型圧電振動子、チップ型sawデバイス、及び製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009100436A (ja) * | 2007-09-27 | 2009-05-07 | Citizen Finetech Miyota Co Ltd | 圧電デバイスの製造方法 |
JP2009246613A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Kyocera Kinseki Corp | 圧電デバイス |
JP2010147627A (ja) * | 2008-12-17 | 2010-07-01 | Epson Toyocom Corp | 圧電振動子およびその製造方法 |
JP2011087273A (ja) * | 2009-09-16 | 2011-04-28 | Nippon Dempa Kogyo Co Ltd | 圧電デバイス |
JP2013021075A (ja) * | 2011-07-08 | 2013-01-31 | Tdk Corp | 圧電素子及び圧電素子の製造方法 |
-
2006
- 2006-09-14 JP JP2006249401A patent/JP2008072456A/ja not_active Withdrawn
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