JP2009199958A - 照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダウンライトにおいて、発光源としてのLEDの点灯で昇温する本体部分の熱を設置面下の開放空間側に放散する。
【解決手段】一端部が開口され他端部が閉塞された有底筒状の本体ケース11と、この本体ケースの内部に収容され、同一平面上に発光源として複数のLED18が配設された基板12と、前記本体ケースと基板との間に介装され、弾力性を有して前記LEDの発熱を本体ケースに導く熱伝導シート13とを備え、前記熱伝導シートを前記本体ケースと前記基板との間に狭持させて組み立てられる照明装置であって、前記本体ケース11の一端部側の開口部の外周に、その全周にわたって外方に張り出したフランジ17を本体ケースと一体化して形成し、該本体ケースを設置面28の埋込み穴に取り付けた際に、前記フランジ17が設置面28下の開放空間側に露出して前記本体ケース11の熱を放散するようにしたものである。
【選択図】図7

Description

本発明は、LED(発光ダイオード)を発光源とし、設置面に取り付けられて直下等の領域を照明する例えばダウンライト等の照明装置に関し、詳しくは、発光源としての複数のLEDの点灯で昇温する本体部分の熱を放散する技術に係るものである。
従来のダウンライト等の照明装置は、基板と、発光部が前記基板の一面側に配設されリード線端部が前記基板の他面側に露出して配設されて前記基板に実装された発光ダイオードと、前記基板の他面側に配設された点灯回路部品と、前記発光ダイオードのリード線端部及び点灯回路部品を覆い前記リード線端部に接するように設けられた熱伝導性グラファイトと、この熱伝導性グラファイトに直接又は間接的に設けられた放熱体とを具備している(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−100110号公報
しかし、従来のダウンライト等の照明装置においては、器具本体の上面に放熱体又はヒートシンク等が設けられ、この放熱体又はヒートシンク等から、発光ダイオードの点灯で昇温した本体部分の熱を放散していた。この場合、上記放熱体又はヒートシンク等は、設置面である例えば天井面の裏側に位置しており、天井面の裏側の限られた空間に放熱していた。これでは、放熱効果が高いとは言えず、照明装置としての発光効率が低下する虞があった。
また、ダウンライト等の照明装置を設置面である例えば天井面に取り付けるのに、該天井面に開けられた埋込み穴に本体部分を挿入し、この本体部分とは別体のリング状の化粧板を用いて上記本体部分の下端周縁部を支持して取り付けていた。この場合、上記本体部分の下端周縁部が天井面下の室内空間に直接露出していないことと、天井面下に露出したリング状の化粧板は本体部分とは別体であることとから、熱伝導のロスがあり、発光ダイオードの点灯で昇温した本体部分の熱を効率よく放散できないことがある。このことから、照明装置としての発光効率が低下する虞があった。また、特に、LED光源は周囲温度により寿命が大きく変化し、僅か数℃の周囲温度の上昇で寿命が大幅に変化する。例えば、温度が1℃高くなると数千時間の単位で寿命が短くなることがある。
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、発光源としての複数のLEDの点灯で昇温する本体部分の熱を設置面下の開放空間側に放散して、LED光源の寿命を延ばすことができる照明装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による照明装置は、一端部が開口され他端部が閉塞された有底筒状の本体ケースと、該本体ケースの内部に収容され、同一平面上に発光源として複数のLEDが配設された基板と、前記本体ケースと前記基板との間に介装され、弾力性を有して前記LEDの発熱を前記本体ケースに導く熱伝導シートと、を備え、前記熱伝導シートを前記本体ケースと前記基板との間に狭持させて組み立てられる照明装置であって、前記本体ケースの一端部側の開口部の外周に、その全周にわたって外方に張り出したフランジを前記本体ケースと一体化して形成し、該本体ケースを設置面の埋込み穴に取り付けた際に、前記フランジが設置面下の開放空間側に露出して前記本体ケースの熱を放散するようにしたものである。
このような構成により、前記本体ケースの一端部側の開口部の外周に、その全周にわたって外方に張り出したフランジを前記本体ケースと一体化して形成し、該本体ケースを設置面の埋込み穴に取り付けた際に、前記フランジが設置面下の開放空間側に露出して前記本体ケースの熱を放散する。これにより、本体ケースと一体化して形成され、設置面下の開放空間側に露出されるフランジを介して本体ケースの熱を放散し、発光効率を向上する。また、LED光源の寿命を延ばすことが出来る。
また、上記本体ケースの収容部内にて、基板に配設された複数のLEDの点灯により光が出射される側には、各LEDの出射光を被照明領域に向けて反射する反射鏡部材を備えている。これにより、基板に配設された複数のLEDの点灯により光が出射される側に備えられた反射鏡部材により、各LEDの出射光を被照明領域に向けて反射する。
さらに、上記本体ケースの一端部側の開口部には、該開口部を覆う透光性のカバープレートを備えている。これにより、本体ケースの一端部側の開口部に備えられた透光性のカバープレートにより、上記開口部を覆うことができる。
さらにまた、上記本体ケースの収容部内にて、該本体ケースの内周面と、反射鏡部材及びカバープレートの連接外周面との間には、本体ケースの外部へ空気が流通する隙間を形成している。これにより、本体ケースの内周面と、反射鏡部材及びカバープレートの連接外周面との間に形成された隙間により、本体ケースの外部へ空気が流通する。
請求項1に係る発明によれば、前記本体ケースの一端部側の開口部の外周に、その全周にわたって外方に張り出したフランジを前記本体ケースと一体化して形成し、該本体ケースを設置面の埋込み穴に取り付けた際に、前記フランジが設置面下の開放空間側に露出して前記本体ケースの熱を放散することができる。これにより、本体ケースと一体化して形成され、設置面下の開放空間側に露出されるフランジを介して本体ケースの熱を放散できる。したがって、放熱効果を改善して、照明装置としての発光効率を向上することができる。また、LED光源の寿命を延ばすことが出来る。
また、請求項2に係る発明によれば、基板に配設された複数のLEDの点灯により光が出射される側に備えられた反射鏡部材により、各LEDの出射光を被照明領域に向けて反射することができる。したがって、被照明領域に対して各LEDの出射光を高強度で照射することができる。
さらに、請求項3に係る発明によれば、本体ケースの一端部側の開口部に備えられた透光性のカバープレートにより、上記開口部を覆うことができる。したがって、本体ケース内に塵や埃が入らないようにすると共に、各LEDの出射光を被照明領域に対して拡散して照射することができる。
さらにまた、請求項4に係る発明によれば、本体ケースの内周面と、反射鏡部材及びカバープレートの連接外周面との間に形成された隙間により、本体ケースの外部へ空気を流通させることができる。したがって、本体ケースの収容部内に位置する基板や熱伝導シートの熱の放熱効果を向上することが出来る。また、上記の隙間により本体ケースが解放空間側の外気に接触する面積が増えて、熱交換の効率が向上する。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明による照明装置の実施形態を示す底面側から見た斜視図、図2は上記照明装置を底面側から見た平面図、図3は図2のA−A線断面図である。この照明装置は、LED(発光ダイオード)を発光源とし、設置面に取り付けられて直下等の領域を照明する例えばダウンライト等である。以下では、例えば室内の天井面等に埋め込まれるダウンライトである場合を例として説明する。そして、このダウンライト10は、図4において装置を底面側から見た分解斜視図に示すように、本体ケース11と、基板12と、熱伝導シート13と、反射鏡部材14a,14bと、カバープレート15とを備えて成る。
上記本体ケース11は、図3に示すように、ダウンライト10を構成する部品を内部に収容するもので、一端部(下端部)が開口され他端部(上端部)が閉塞された有底筒状に形成されている。この有底筒状は直径に比して高さが低い偏平状に形成されており、この有底筒状の内部が部品の収容部となる。なお、図3において、本体ケース11の外部上面の全面には放熱用のフィン16が形成されている。
なお、上記本体ケース11は、熱伝導性の高いアルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、ダイキャスト成形により一体化されている。アルミニウムの他にも、例えば、チタン、マグネシウムなどの金属材料や、高熱伝導充填材料を配合した樹脂材料などを用いることができる。また、上記本体ケース11は、有底筒状に限られず、方形などの任意の筒状形状であってもよい。
図3及び図4において、上記本体ケース11の収容部内には、基板12が収容される。この基板12は、発光源としての複数のLED18を点灯させる回路基板となるもので、略円板状に形成されており、その同一平面上、例えば下面側には複数のLED18が実装され、図2に示すように中心から外方に向けて同心円状に複数の環状列に沿って例えば36個配設されている。
ここで、上記LED18は、青色発光ダイオードと、この青色発光ダイオードからの青色光を黄色光に変換する蛍光体とで構成されている。これにより、このLED18では、青色発光ダイオードから出射された青色光が蛍光体に吸収されると、蛍光体が黄色光を発し、この黄色光と吸収されなかった青色光とにより出射光が白色光となる。上記構成の他にも、紫外線発光ダイオードからの紫外光を受けて赤色、緑色、青色発光する蛍光体を有する構成であってもよい。紫外線発光ダイオードは、青色発光ダイオードと比較して約2倍の発光効率であり、経済的に優れ、より高輝度の照明装置を構築できる。
図3及び図4において、上記本体ケース11の収容部内にて、本体ケース11と基板12との間には熱伝導シート13が介装される。この熱伝導シート13は、上記LED18の点灯により温度上昇した基板12の熱を本体ケース11に伝導するもので、弾力性を有する材質で略円板状に形成されており、熱伝導率の良いシリコーンポリマーにフィラー添加物及び顔料を添加して作製されている。
図3及び図4において、上記本体ケース11の収容部内にて、基板12に配設された複数のLED18の点灯により光が出射される側には、反射鏡部材14が備えられる。この反射鏡部材14は、各LED18の出射光を下方の被照明領域に向けて反射するもので、大径のリング状に形成された第1の反射鏡部材14aと、この第1の反射鏡部材14aの内側に位置するように小径のリング状に形成された第2の反射鏡部材14bとから成る。
第1の反射鏡部材14aは、図2に示すように、本体ケース11の収容部内にてそのケース内底面の近傍に位置するように大径のリング状に形成されている。その円周方向には、上述のように同心円状に複数の環状列に沿って配設された複数のLED18のうち、外側の環状列に並んだLED18を1個ずつ内方に位置させる凹曲面鏡19が複数個形成されている。この凹曲面鏡19は、光出射方向に平行な断面が放物線からなる放物面(パラボラ面)で形成されている。この実施形態では、上記凹曲面鏡19がパラボラ面で形成され、各LED18がパラボラ面の焦点位置に配置されることで、外側に位置する第1の反射鏡部材14aから平行光が出射されて、被照明領域の明暗境界が鮮明に形成されるようになっている。
また、第2の反射鏡部材14bは、上記第1の反射鏡部材14aの内側に位置するように小径のリング状に形成されている。その円周方向には、上述のように同心円状に複数の環状列に沿って配設された複数のLED18のうち、中間位置の環状列に並んだLED18を1個ずつ内方に位置させる凹曲面鏡20が複数個形成されている。この凹曲面鏡20は、光出射方向に平行な断面が放物線からなる放物面(パラボラ面)で形成されている。この実施形態では、上記凹曲面鏡20がパラボラ面で形成され、各LED18がパラボラ面の焦点位置に配置されることで、中間位置に位置する第2の反射鏡部材14bから平行光が出射されて、被照明領域の明暗境界が鮮明に形成されるようになっている。
なお、上記第1及び第2の反射鏡部材14a,14bの凹曲面鏡19,20は、パラボラ面に代えて、回転楕円曲面としてもよく、パラボラ面と回転楕円曲面とを混在配置した構成としてもよい。回転楕円曲面では、その焦点位置を被照明領域(例えば床面)の手前側または奥側に設定することで、照射光の集光度合いを変化させ、目的に即した照明パターンを得ることができる。
なお、上記複数のLED18は、図2に示すように、ダウンライト10の中心から外方に向けて同心円状に複数の環状列に沿って配列されており、これに伴って第1及び第2の反射鏡部材14a,14bも2重の環状配列となっているが、中心部には反射鏡部材が備えられていない(図4参照)。しかし、上記中心部にも、光を照射する場所や目的に応じて、その外側の第1及び第2の反射鏡部材14a,14bと同様の、或いは適宜のパラボラ面を有する反射鏡部材を配置してもよい。
上記中心部に配置されたLED18は、拡散光となって、ダウンライト10の設置場所に近い領域を広く照明する。例えば、壁面に近い天井面に設置した場合には、壁面に拡散光が照射されて間接照明光となり、かつ、凹曲面鏡により床面が必要十分な照度で照明される。このような近傍照明用と、遠方照明用との2種類の照明機能を備えている。
上記本体ケース11の下端部側の開口部には、図3及び図4に示すように、カバープレート15が取り付けられる。このカバープレート15は、上記本体ケース11の開口部を覆うもので、透光性の部材、例えばプラスチック等から成る。このカバープレート15の存在により、上記開口部を覆うことができ、本体ケース11内に塵や埃が入らないようにすると共に、各LED18の出射光を被照明領域に対して拡散して照射することができる。
そして、上記本体ケース11と、熱伝導シート13と、基板12と、第1及び第2の反射鏡部材14a,14bとは、図4及び図5に示すように、複数本例えば3本の同心円状に位置決めされた止めネジ(締結用部材の一例)21a,21b,21cを、それぞれの構成要素の対応する箇所に形成された貫通孔22a,22b,22c;22a’,22b’,22c’;ネジ穴22a”,22b”,22c”に差し通して組み立てられるようになっている。なお、図5に示すように、基板12と第1及び第2の反射鏡部材14a,14bとは、別の組付けネジで予め組み合わされて発光体モジュールとされる。この場合、発光体モジュールの内部は密閉される。これにより、LED18の発熱がカバープレート15側からは放散されにくく、本体ケース11側から放散する必要がある。
なお、上記締結用部材は上記のような止めネジに限られず、クランプ機構やピン止め、基板12から突出した棒体を利用する等、部材と部材とを締結できるものであれば何でもよい。
この状態で、図4に示すように、上記本体ケース11の収容部内に熱伝導シート13と、基板12と第1及び第2の反射鏡部材14a,14bとを組み合せた発光体モジュールを位置合わせして収容し、図5に示すように、上記本体ケース11の上面側から3本の止めネジ21a,21b,21cを、各構成要素の対応する箇所に形成された貫通孔22a,22b,22c;22a’,22b’,22c’;ネジ穴22a”,22b”,22c”に差し通して締め付け、最後に本体ケース11の開口部にカバープレート15を取り付けることにより、図3に示すように、ダウンライト10が構成される。
なお、図1〜図5において、符号23a,23b,23cは、上記本体ケース11の上面にビス等で取り付けられた固定用板バネを示している。また、図3において、符号24は、本体ケース11の上面に配設された電源供給用のワイヤーハーネスを示している。
このように構成されたダウンライト10は、室内の天井面等の設置面(図示省略)に穿設された埋込み穴(例えば直径145〜150mm程度)内に固定される。この場合、図示しない筒状治具を埋め込み穴に固定したのち、この筒状治具に本体ケース11に取り付けた固定用板バネ23a,23b,23cを係止することで固定する。なお、設置面は、壁面、或いは棚下等の狭領域であってもよい。
ここで、本発明においては、図3、図4及び図7に示すように、上記本体ケース11の下端部側の開口部の外周に、その全周にわたって外方に張り出したフランジ17が本体ケース11と一体化して形成されている。すなわち、図7に示すように、本体ケース11を設置面としての天井面28の埋込み穴に取り付けた際に、上記フランジ17が天井面28下の開放空間側に露出するように形成されている。なお、上記外方に張り出したフランジ17の外側約1/2の部分には、外側に向って傾斜して厚さが薄くなるテーパー部分17aが形成されている。これは、天井面28の下面に対してフランジ17の段差が少なくなるようにしたものである。
上記フランジ17は、本体ケース11と一体化して形成され、且つ天井面28下の開放空間側に露出しているので、LED18の点灯で昇温した基板12の熱が熱伝導シート13を介して上記本体ケース11に伝導された熱を、効率よく放散することが出来る。したがって、ダウンライト10の放熱効果を改善して、照明装置としての発光効率を向上することができる。
また、本発明においては、図7に示すように、上記本体ケース11の収容部内にて、該本体ケース11の内周面と、第1の反射鏡部材14a及びカバープレート15の連接外周面との間には、本体ケース11の外部へ空気が流通する隙間29が形成されている。したがって、この隙間29を介して本体ケース11の外部へ空気を流通させることができ、本体ケース11の収容部内に位置する基板12や熱伝導シート13の熱の放熱効果を向上することが出来る。
なお、本発明においては、図4に示すように、上記本体ケース11内の上端部側の閉塞部の内壁面にて、上記複数本の止めネジ21a,21b,21c用の貫通孔22a,22b,22cよりも内方側及び外方側に位置するように複数本のリング状の突条25a,25bが設けられている。
すなわち、図6に示すように、本体ケース11内の上端部側の閉塞部の内壁面にて、同心円状に位置決めして穿設された貫通孔22a,22b,22cの外方側に位置してリング状に連続して盛り上がった一の突条25aが設けられている。また、上記貫通孔22a,22b,22cの内方側に位置してリング状に連続して盛り上がった他の突条25bが設けられている。なお、上記本体ケース11内の上端部側の閉塞部の内壁面には、上記以外にも、一の突条25aの外方側に更に大径の第3の突条25cを設け、他の突条25bの内方側にそれよりも小径の第4の突条25dを設けてもよい。この突条25の本数は、適宜選択すればよい。
なお、上記突条25a等は、図6に示すような本体ケース11のケース内底面の中心を中心とする同心円状に複数本形成されたものに限られず、例えば、個々の貫通孔22a,22b,22cの周りに、各貫通孔22a,22b,22cを中心とする1本のリング状に形成してもよい。この場合も、上記貫通孔22a,22b,22cが上記リング状の突条に包囲された閉塞領域内に配置される。
このような状態で、図4に示すように、上記本体ケース11の収容部内に熱伝導シート13と、基板12と、第1及び第2の反射鏡部材14a,14bとを位置合わせして収容し、図5に示すように、本体ケース11の上面側から3本の止めネジ21a,21b,21cを差し通して締め付け、上記本体ケース11と熱伝導シート13とを組み立てた際に、図7に示すように、上記熱伝導シート13に突条25a,25bが食い込んだ状態で該熱伝導シート13が固定されるようになっている。
このとき、図7に示すように、熱伝導シート13に突条25a,25bが食い込んだ状態で該熱伝導シート13が固定されることにより、図5に示す本体ケース11の上面に形成された貫通孔22a,22b,22c及び電源供給用のワイヤーハーネス24(図3参照)を配線する穴部26等から水や塵埃等が入っても、上記熱伝導シート13に突条25a,25bが食い込んだ状態のシール効果により、本体ケース11内の基板12側に水や塵埃等が侵入するのを防止できる。したがって、水や塵埃等により、本体内部が汚れたり、装置の動作不良又は故障が発生するのを防止できる。
また、本発明においては、図8(a)に示すように、上記本体ケース11に開けられた止めネジ21a,21b,21c用の貫通孔22a,22b,22cの内径は、熱伝導シート13に開けられた止めネジ用の貫通孔22a’,22b’,22c’の内径よりも大きくされている。このことから、図8(b)に示すように、止めネジ21aで本体ケース11の収容部内に熱伝導シート13と基板12とを締め付けて固定したときに、その締め付け圧力によって止めネジ21aの周りの熱伝導シート13の一部13tが、太径の貫通孔22a内に盛り上がって入り込み、パッキンの役目をして該貫通孔22aから水や塵埃等が内部に侵入するのを防止することができる。したがって、本体内部に水や塵埃等が侵入することにより発生する不具合を防止することができる。
さらに、本発明においては、図7に示すように、上記本体ケース11の収容部内にて、熱伝導シート13の外周端縁に、前記第1の反射鏡部材14aの外周端縁を当接密着させている。このとき、図5に示すように、止めネジ21a,21b,21cで本体ケース11の収容部内に、熱伝導シート13と、基板12と第1及び第2の反射鏡部材14a,14bとを組み合わせた発光体モジュールを締め付けて固定するので、上記熱伝導シート13の外周端縁と第1の反射鏡部材14aの外周端縁との密着箇所27には、隙間は形成されない。したがって、上記密着箇所27から水や塵埃等が内部に侵入するのを防止することができる。
図9は、本発明の他の実施形態を示す、図2のA−A線断面図に相当する要部拡大断面図である。この実施形態は、図7に示す実施形態において、第1及び第2の反射鏡部材14a,14bを省略したものであり、その他の構成は図7に示すものと同様である。なお、カバープレート15の取り付けは、例えば、基板12の外周端縁を外方に延長し、この延長された基板12の外周端縁にカバープレート15の立上がり縁部の上端部を弾性的に嵌め込めばよい。
このように構成されたダウンライト10は、第1及び第2の反射鏡部材14a,14bが無い分だけ装置の厚さを薄くすることができる。この実施形態によるダウンライト10は、例えば商品棚の下面側に取り付けて、その下方の棚に陳列された商品等を照明するのに好適に用いることができる。この場合、商品棚のような限られたスペースであっても、設置面から大きく突出することなく照明できる。また、反射鏡部材のない拡散光で照明するので、広い範囲にわたって均一な照度で照明できる。
通常では、放熱効果を高めるためには、本体ケース11上面のヒートシンクを大きくすることが常套手段であるが、ダウンライト10の高さが増し、設置スペースが限られる場合に不利となる。本発明では、高さ方向ではなく、設置面に沿うフランジ17を一体化して形成し、このフランジ17から積極的に室内側に放熱することで、放熱効果を高めている。しかも、フランジ17が形成される本体ケース11の内周面にも反射鏡部材14aとの隙間29を設け、この隙間29によって放熱面積を稼ぐことで、放熱効果をより高めている。なお、上記フランジ17の表面は、図示例では平面とされているが、これに限らず、凹凸面として表面積を稼ぐ構成としてもよい。
次に、このように構成されたダウンライト10の実施例について説明する。ここでは、上記のように構成されたダウンライト10について、複数のLED18を点灯した状態でのフランジ17による放熱効果を確認するための温度測定を行った。
まず、測定の条件としては、直径119mmの基板12に、図2に示すように36個のLED18を同心円状の環状列に沿って実装し、図3に示すように第1及び第2の反射鏡部材14a,14b並びにカバープレート15を取り付けたダウンライト10を用いた。そして、上記LED18の電源ユニットには交流電源100Vを供給し、電流値実測は30.1mAとし、測定雰囲気温度を20℃とした。この状態で通電し、1時間後の温度を測定した。
温度の測定箇所は、図10に示すように、基板12の同心円状の環状列の最外周に配置された第1のLED(符号L1)及び第5のLED(符号L5)と、2周目に配置された第26のLED(符号L26)及び第36のLED(符号L36)と、3周目に配置された第29のLED(符号L29)と、中央に配置された第35のLED(符号L35)とである。具体的には、基板12において各LED18のカソード半田部分を熱電対にて測定した。なお、図10における基板12は、真円形ではなく、正方形の板の四隅部を円弧状に切り欠いて略円板状に形成した形状とされている。
第1の温度測定結果を、図11の第1表に示す。この測定においては、条件Aとして、図7においてフランジ17を有し、隙間29が有る場合である。また、条件Bとして、フランジ17を有し、隙間29が無い場合である。さらに、条件Cとして、フランジ17を有さず、隙間29も無い場合である。この測定結果によれば、条件Aにおいて各測定箇所について温度測定した平均温度は、29.7℃である。また、条件Bにおいて各測定箇所について温度測定した平均温度は、30.4℃である。さらに、条件Cにおいて各測定箇所について温度測定した平均温度は、31.1℃である。このことから、条件Cに比べて、条件A,Bの方が温度が低くなっており、フランジ17を本体ケース11と一体化して形成したことにより放熱効果が向上したことが分る。特に、上記フランジ17を設けると共に、本体ケース11の内周面と反射鏡部材14a,14b及びカバープレート15の連接外周面との間に隙間29を形成した条件Aの場合が、最も放熱効果が高いことが分る。
次に、第2の温度測定結果を、図12の第2表に示す。この測定は、図7に示すように、フランジ17を有すると共に隙間29が有る場合において、本体ケース11と熱伝導シート13と基板12とに、複数本の止めネジ21a,21b,21c(図5参照)を差し通して組み立てる際に、上記止めネジ21a〜21cの締め付け具合により、熱伝導シート13の押付け量を変化させて温度測定をしたものである。
この場合の上記熱伝導シート13の押付け量の変化は、図13に示すように、ダウンライト10を上下反転させた状態で、フランジ17の面に第1のダイヤルピンゲージ30aを押し当ててこの位置をゼロ点とし、反射鏡部材14a,14bの面に第2のダイヤルピンゲージ30bを押し当ててこの位置を変化点として、上記ゼロ点と変化点との差を押付け量dとして計測している。
第2の温度測定においては、第2表に示すように、条件Dとして、図7において熱伝導シート13が無い場合である。また、条件Eとして、熱伝導シート13を備えると共に該熱伝導シート13を押付け量d=2.18mmで押し付けた場合である。さらに、条件Fとして、熱伝導シート13を備えると共に該熱伝導シート13を押付け量d=2.32mmで押し付けた場合である。なお、上記熱伝導シート13としては、ポリマテック株式会社製の「FEATHER-S3S」(製品名)を用いた。
第2の温度測定結果によれば、条件Dにおいて熱伝導シート13が無い場合に比べて、熱伝導シート13を備えた条件E及びFの方が温度が低くなっている。また、条件EとFにおいては、押付け量dが大きい条件Fの方が温度が高く、押付け量dが小さい条件Eの方が温度が低くなっている。このことから、熱伝導シート13の押付け量dはあまり大きくない方が放熱効果が向上することが分る。したがって、熱伝導シート13の押付け量dについては、ダウンライト10の使用状況に応じて適宜調整する必要がある。
以上のような第1及び第2の温度測定結果によれば、本体ケース11にフランジ17を設けると共に、本体ケース11の内周面と反射鏡部材14a,14b及びカバープレート15の連接外周面との間に隙間29を形成し、且つ熱伝導シート13の押付け量dはあまり大きくない状態が、最も放熱効果が高いことが分る。
本発明による照明装置の実施形態を示す底面側から見た斜視図である。 上記照明装置を底面側から見た平面図である。 図2のA−A線断面図である。 上記照明装置を底面側から見た状態の分解斜視図である。 上記照明装置を上面側から見た状態の分解斜視図である。 本体ケース内の上端部側のケース内底面に設けられた複数本のリング状の突条を示す底面側から見た平面図である。 図3に示す断面図の要部を拡大して示す断面図である。 本体ケースに開けられた止めネジ用の貫通孔の細部構造を示す要部拡大断面図である。 本発明の他の実施形態を示す、図2のA−A線断面図に相当する要部拡大断面図である。 実施例としてのダウンライトの放熱効果を確認するための基板上の温度測定箇所を示す平面図である。 上記基板上の温度測定箇所における第1の温度測定結果を示す表である。 上記基板上の温度測定箇所における第2の温度測定結果を示す表である。 第2の温度測定において、熱伝導シートの押付け量の変化を計測する状態を示す断面説明図である。
符号の説明
10…ダウンライト(照明装置)
11…本体ケース
12…基板
13…熱伝導シート
14,14a,14b…反射鏡部材
15…カバープレート
17…フランジ
18…LED
19,20…凹曲面鏡
21a〜21c…止めネジ(締結用部材)
22a〜22c…本体ケースの貫通孔
22a’〜22c’…熱伝導シートの貫通孔
22a”〜22c”…基板のネジ穴
24…ワイヤーハーネス
25a,25b…突条
28…天井面(設置面)
29…隙間

Claims (4)

  1. 一端部が開口され他端部が閉塞された有底筒状の本体ケースと、
    該本体ケースの内部に収容され、同一平面上に発光源として複数のLEDが配設された基板と、
    前記本体ケースと前記基板との間に介装され、弾力性を有して前記LEDの発熱を前記本体ケースに導く熱伝導シートと、を備え、
    前記熱伝導シートを前記本体ケースと前記基板との間に狭持させて組み立てられる照明装置であって、
    前記本体ケースの一端部側の開口部の外周に、その全周にわたって外方に張り出したフランジを前記本体ケースと一体化して形成し、該本体ケースを設置面の埋込み穴に取り付けた際に、前記フランジが設置面下の開放空間側に露出して前記本体ケースの熱を放散するようにしたことを特徴とする照明装置。
  2. 前記本体ケースの収容部内にて、基板に配設された複数のLEDの点灯により光が出射される側には、各LEDの出射光を被照明領域に向けて反射する反射鏡部材を備えたことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
  3. 前記本体ケースの一端部側の開口部には、該開口部を覆う透光性のカバープレートを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の照明装置。
  4. 前記本体ケースの収容部内にて、該本体ケースの内周面と、反射鏡部材及びカバープレートの連接外周面との間には、本体ケースの外部へ空気が流通する隙間を形成したことを特徴とする請求項3記載の照明装置。
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