JP2009199923A - 燃料電池及び燃料電池製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池でのドライアップ現象やフラッディング現象の発生を抑制することが可能な技術を提供する。
【解決手段】燃料電池は、触媒粒子と電解質とを含む複合粉体を用いて形成された触媒層を備え、触媒層において前記複合粉体間の空隙として形成された気孔は、複数のピークを有する気孔径分布を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池における水管理技術に関する。
固体高分子型燃料電池では、電解質膜と、電解質膜上に形成された触媒層と、触媒層上に形成されたガス拡散層とを有する膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly、以下MEAと呼ぶ。)が用いられる。触媒層における電気化学反応によって水が生成される。この生成水が触媒層やガス拡散層に溜まると、反応ガスの拡散が妨げられて発電性能が劣化する現象(フラッディング現象)が発生し得る。そこで、ガス拡散層として、カーボンペーパーやカーボンクロス等の導電性基材に撥水性部材を含むペーストを塗布した構成が提案されている(下記特許文献1参照)。
特開2003−203646号公報
しかしながら、ガス拡散層や触媒層における撥水性が高いと電解質膜が乾燥してしまい、発電性能が劣化する現象(ドライアップ現象)が発生し得るという問題があった。このように、従来では、これらドライアップ現象やフラッディング現象の発生を抑制するための十分な工夫がなされていないのが実情であった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池でのドライアップ現象やフラッディング現象の発生を抑制することが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]燃料電池であって、触媒粒子と電解質とを含む複合粉体を用いて形成された触媒層を備え、前記触媒層において前記複合粉体間の空隙として形成された気孔は、複数のピークを有する気孔径分布を有する、燃料電池。
適用例1の燃料電池は、触媒層において複数のピークを有する気孔径分布を有するので、触媒層には比較的小さい気孔径の気孔と比較的大きな気孔径の気孔とが混在し、比較的小さい気孔径の気孔で生成水を溜めることで保湿性を高めてドライアップ現象の発生を抑制することができると共に、比較的大きい気孔径の気孔で排水性を高めてフラッディング現象の発生を抑制することができる。
[適用例2]適用例1に記載の燃料電池において、前記触媒層のうち、前記触媒層で用いられる反応ガスの入口側領域における前記気孔径分布は、第1のピークの気孔数が前記第1のピークよりも大きな気孔径における第2のピークの気孔数よりも多く、前記触媒層のうち、前記反応ガスの出口側領域における前記気孔径分布は、前記第2のピークの気孔数が前記第1のピークの気孔数よりも多い、燃料電池。
適用例2の燃料電池では、乾燥し易い反応ガスの入口側において比較的小さい気孔径の気孔の数を多くすることができるので、保湿性を高めてドライアップ現象の発生を抑制することができる。また、湿度の高い反応ガスの出口側において比較的大きい気孔径の気孔の数を多くすることができるので、排水性を高めてフラッディング現象の発生を抑制することができる。
[適用例3]触媒層を備える燃料電池の製造方法であって、(a)触媒粒子と電解質とを含む第1の触媒層用複合粉体と、前記触媒粒子と前記電解質とを含み前記第1の触媒層用粉体よりも粒子径の大きい第2の触媒層用複合粉体と、を混合して粉体混合物を生成する工程と、(b)前記粉体混合物を用いて前記触媒層を形成する工程と、を備える燃料電池製造方法。
適用例3の燃料電池製造方法では、互いに粒子径の異なる2種類の複合粉体(第1の触媒層用複合粉体及び第2の触媒層用複合粉体)が混合された粉体混合物を用いて触媒層を形成するので、第1の触媒層用複合粉体間の空隙として比較的小さい気孔径の気孔を触媒層に存在させ、また、第2の触媒層用複合粉体間の空隙として比較的大きい気孔径の気孔を触媒層に存在させることができる。したがって、比較的小さい気孔径の気孔によって生成水を溜めて保湿性を高めてドライアップ現象の発生を抑制することができると共に、比較的大きい気孔径の気孔によって排水性を高めてフラッディング現象の発生を抑制可能な燃料電池を製造することができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、MEAや、MEA製造方法としての形態で実現することもできる。また、ガス拡散層も含む積層体であるMEGA(Membrane-Electrode&Gas. Diffusion Layer Assembly)や、MEGA製造方法としての形態でも実現することもできる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.実施形態:
B.実施例:
C.変形例:
A.実施形態:
A1.燃料電池の構成:
図1は、本発明の一実施例としての燃料電池の概略構成を示す説明図である。燃料電池100は、膜電極接合体(以下、「MEA」(Membrane-Electrode Assembly)とも呼ぶ)20と、カソード側セパレータ16と、アノード側セパレータ17と、を備えている。カソード側セパレータ16とアノード側セパレータ17とは、MEA20を挟み込むように配置されている。
MEA20は、電解質膜50と、カソード側触媒層62と、カソード側拡散層72と、アノード側触媒層63と、アノード側拡散層73と、を備えている。カソード側触媒層62は、電解質膜50上に形成されている。カソード側拡散層72は、カソード側触媒層62の外側に形成されている。同様にして、アノード側触媒層63は電解質膜50上に、アノード側拡散層73はアノード側触媒層63の外側に、それぞれ形成されている。
電解質膜50は、スルホン酸基を含むフッ素樹脂系イオン交換膜であり、デュポン社のナフィオン(登録商標)や、旭化成(株)のアシプレックス(登録商標)や、旭硝子(株)のフレミオン(登録商標)等を用いることができる。なお、電解質膜50としては、スルホン酸基に限らず、リン酸基やカルボン酸基など、他のイオン交換基を含む膜を用いることができる。
カソード側拡散層72とアノード側拡散層73とは、いずれも多孔質の拡散層用基材で構成されている。このような拡散層用基材としては、例えば、カーボンペーパーやカーボンクロスやガラス状カーボン等のカーボン多孔質体や、金属メッシュや発泡金属等の金属多孔質体を用いることができる。また、撥水性を得るために、拡散層用基材を、撥水ペーストでコーティング(撥水処理)したものを用いることができる。なお、撥水ペーストとしては、例えば、カーボン粉末と撥水性樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等)との混合溶液を用いることができる。
カソード側セパレータ16は、ガス不透過の伝導性部材、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カーボンや、プレス成型した金属板によって構成することができる。カソード側セパレータ16の表面は凸凹形状となっており、カソード側拡散層72とカソード側セパレータ16との間には、酸化ガスが流れる酸化ガス流路18が形成されている。同様にして、アノード側拡散層73とアノード側セパレータ17との間には、燃料ガスが流れる燃料ガス流路19が形成されている。なお、図1の例では、カソード側セパレータ16は、互いに平行な複数の溝から成る凸凹形状を有しているが、これに限らず、カソード側セパレータ16とカソード側拡散層72との間に酸化ガスの流路を形成可能な任意の形状とすることができる。また、アノード側セパレータ17についても同様に、アノード側セパレータ17とアノード側拡散層73との間に燃料ガスの流路を形成可能な任意の形状とすることができる。
図2は、図1のカソード側触媒層62に含まれる領域Xを模式的に示す拡大図である。カソード側触媒層62は、2種類の複合粉体が混ざり合った構成を有している。具体的には、粒子径の比較的小さい第1触媒層用粉体300と、粒子径の比較的大きい第2触媒層用粉体600とが混ざり合っている。そして、この粒子径の異なる2種類の複合粉体が混ざり合うことで、領域X(カソード側触媒層62)には、径の異なる2種類の気孔が形成されている。具体的には、径の比較的小さい気孔P30と、径の比較的大きい気孔P60とが形成されている。気孔P30は、複数の第1触媒層用粉体300間の空隙として形成されている。また、気孔P60は、複数の第2触媒層用粉体600間の空隙として形成されている。なお、アノード側触媒層63においても同様な構成となっている。
2つの触媒層62,63がこのような構成を有することで、燃料電池100では、適切な水管理ができ、ドライアップ現象やフラッディング現象の発生を抑制することができる。すなわち、径の比較的小さい気孔P30を利用して生成水を留めることができるので、保湿性を保って電解質膜50の乾燥を抑えドライアップ現象の発生を抑制することができる。また、径の比較的大きい気孔P60を利用して生成水の排出を促進することができるので、2つの触媒層62,63に過剰な量の水が留まることを抑えフラッディング現象の発生を抑制することができる。
A2.燃料電池の製造方法:
図3は、図1に示す燃料電池100の製造手順を示すフローチャートである。ステップS105では、第1触媒層用粉体300と第2触媒層用粉体600とを生成する。
図4は、図3に示すステップS105の詳細手順を模式的に示す説明図である。まず、触媒担持粒子としての白金担持カーボン45(白金担持50wt%)と、電解質35としてのナフィオン(登録商標)とを、水とエタノールとの混合溶媒に加えて混合及び分散させて触媒層用スラリー500を得る。そして、触媒層用スラリー500を、スプレードライヤ410を用いたスプレードライ法によって噴霧乾燥させて触媒層用粉体300又は第2触媒層用粉体600を生成する。なお、第1触媒層用粉体300の生成に用いるスラリーと、第2触媒層用粉体600の生成に用いるスラリーは、いずれも触媒層用スラリー500で共通している。
スプレードライ法は、具体的には、まず、スプレードライヤ410の有するアトマイザ414によって触媒層用スラリー500をチャンバー412内に噴霧し、乾燥空気と接触させることによってミストを瞬間的に乾燥させて粉体を生成する。そして、この粉体をサイクロン(集じん器)418に送り、サイクロン418において、所定の大きさの粒子を選別して集めることで、第1触媒層用粉体300又は第2触媒層用粉体600を得る。なお、所定の大きさ以外の粒子や粉体化されなかった触媒層用スラリー500は、アスピレータ416によってサイクロン418の外部へと排出される。ここで、第1触媒層用粉体300と第2触媒層用粉体600との作り分けは、スプレードライにおける条件やサイクロン径を変えることで実現することができる。
図5は、2つの触媒層用粉体300,600の製造時におけるスプレー条件及びサイクロン径の差異を示す説明図である。第1触媒層用粉体300と第2触媒層用粉体600とは、いずれも白金担持カーボン10と電解質35とが複合化された粉体である。なお、白金担持カーボン10に含まれる白金粒子は、請求項における触媒粒子に相当する。また、電解質35は、請求項における電解質35に相当する。図5において「噴霧圧」とは、アトマイザ414(図4)によってチャンバー412内に触媒層用スラリー500を噴霧する際の圧力を意味する。また、「インク供給量」(図5)とは、触媒層用スラリー500(図4)を噴霧する際にアトマイザ414に送り込む単位時間当たりの触媒層用スラリー500の量を意味する。また、「サイクロン径」(図5)とは、サイクロン418(図4)における気流の渦の径を意味する。
各スプレー条件(噴霧圧及びインク供給量)と、サイクロン径とのうち、少なくとも1つの条件を変えることで、第1触媒層用粉体300と第2触媒層用粉体600とを作り分けることができる。例えば、噴霧圧を比較的大きくすることで第1触媒層用粉体300を生成し、噴霧圧を比較的小さくすることで第2触媒層用粉体600を生成することができる。また、インク供給量を比較的少なくすることで第1触媒層用粉体300を生成し、インク供給量を比較的多くすることで第2触媒層用粉体600を生成することができる。また、サイクロン径を比較的小さくすることで第1触媒層用粉体300を得ることができ、サイクロン径を比較的大きくすることで第2触媒層用粉体600を得ることができる。また、例えば、噴霧圧を比較的大きくすると共にインク供給量を比較的少なくして第1触媒層用粉体300を生成するように、複数の条件を組み合わせることもできる。
なお、サイクロン径の変更は以下にして行うことができる。すなわち、予めサイクロン418(図4)として、大きさ(径)の異なる2種類のサイクロンを用意しておく。そして、径の小さいサイクロンを用いることでサイクロン径を比較的小さくし、径の大きいサイクロンを用いることでサイクロン径を比較的大きくすることができる。
ステップS110(図3)では、ステップS105で生成した第1触媒層用粉体300と第2触媒層用粉体600とをミキサーで混合して粉体混合物を得る。なお、第1触媒層用粉体300と第2触媒層用粉体600との混合比は任意に設定することができる。
ステップS115cでは、ステップS110で得た粉体混合物を電解質膜50上に堆積させてカソード側触媒層62を形成する。
図6は、ステップS115cにおいて粉体混合物を堆積させる方法を模式的に示す説明図である。スクリーンS1は、第1触媒層用粉体300と第2触媒層用粉体600との粉体混合物900が透過することができる大きさの開口を透過面全体に有するシート状部材である。スクリーンS1としては、ナイロン等の合成繊維や、ステンレス等の金属製の針金を織ったもの等を利用することができる。本実施例では、粉体混合物900を堆積させるのにスクリーンS1を用いた静電スクリーン方式を採用している。具体的には、電解質膜50から離れて配置したスクリーンS1に高電圧を印加してスクリーンS1と電解質膜50との間に静電界を設け、粉体混合物900をスクリーンS1を介して落下させる。そうすると、粉体混合物900(第1触媒層用粉体300と第2触媒層用粉体600)は、対電極である電解質膜50に向かって落下する。このようにして、電解質膜50上にほぼ均一な厚みのカソード側触媒層62が形成される。
ステップS120c(図3)では、カソード側触媒層62上に拡散層用基材を配置して、カソード側拡散層72を形成する。ステップS125cでは、カソード側に形成された各層を合わせてホットプレスする。
続いて、アノード側について、ステップS115a〜S125aを実行する。ここで、ステップS115aは前述のステップS115cに対応する。同様に、ステップS120aは前述のステップS120cに、ステップS125aは前述のステップS125cに、それぞれ対応する。以上の手順を実行することにより、MEA20(図1)が完成する。
ステップS130(図3)では、完成したMEA20をカソード側セパレータ16及びアノード側セパレータ17で挟み込み所定の荷重を加えることで燃料電池100を完成させる。
B.実施例:
図3に示した工程に従って燃料電池100を製造した。ステップS105(図3)では、混合容器401(図4)に白金担持カーボン(白金担持50wt%)と、電解質としてのナフィオン(登録商標)と、水とエタノールとから成る混合溶媒に加えて攪拌して触媒層用スラリー500を生成した。このとき、触媒層用スラリー500の組成が以下となるように各部材を混合した。すなわち、白金担持カーボンは2.0wt%であり、電解質は1.0wt%,水は48.5wt%,エタノールは48.5wt%であった。なお、スプレードライヤ410における噴霧温度(入口部)は80℃であり、乾燥空気量は0.5m3/minであった。そして、上述したようにスプレー条件とサイクロン径とを変えて触媒層用スラリー500をスプレーすることで、第1触媒層用粉体300と第2触媒層用粉体600とを得た。得られた第1触媒層用粉体300の平均粒子径はおよそ1μmであった。また、第2触媒層用粉体600の平均粒子径はおよそ3μmであった。
ステップS110(図3)では、第1触媒層用粉体300と第2触媒層用粉体600とを、互いに粉体数がほぼ同じとなるように混ぜ合わせた。具体的には、第1触媒層用粉体300と第2触媒層用粉体600とを、重量比がおよそ1:27となるようにミキサーを用いて混合して、粉体混合物900(図6)を得た。この場合、粉体混合物900全体としての平均粒子径は2μmとなる。
ステップS115c(図3)では、スクリーンS1(図6)を用いて、白金含有密度が0.5mg/cm2となるように粉体混合物900を電解質膜50上に堆積させた。
図7は、図6に示すカソード側触媒層62における粒度分布を模式的に示す説明図である。図7において、横軸は粒子径を示し縦軸は粉体の個数を示す。なお、比較例として、平均粒子径が2μmである1種類の粉体を用いて触媒層を構成した場合における粒度分布を1点鎖線で示す。前述のように、粉体混合物900は、第1触媒層用粉体300と第2触媒層用粉体600とを粉体個数が同程度となるように混合したものである。したがって、カソード側触媒層62における粒度分布は、第1触媒層用粉体300の平均粒子径である1μmにおいて第1のピークPk1を有し、また、第2触媒層用粉体600の平均粒子径である3μmにおいて第2のピークPk2を有していた。なお、アノード側触媒層63における粒度分布も同様となっていた。
なお、比較例のように、粉体混合物900の平均粒子径(2μm)と同じ粒子径を有する一種類の粉体で触媒層を構成した場合には、図7に示すように、粒度分布は、2μmにおいて1つのピークのみを有することとなる。
ステップS125c(図3)では、面プレス機(図示省略)を用いて、以下の条件でホットプレスを行った。すなわち、温度を140℃とした。また、圧力を4MPaとし、加圧期間を4minとした。アノード側についても同じ条件でステップS115a〜S125aを実行した。
図8は、本実施例において製造した燃料電池100のカソード側触媒層62における気孔の気孔径分布を模式的に示す説明図である。図8において、横軸は気孔径を示し縦軸は気孔の個数を示す。なお、図7と同様に、比較例として、平均粒子径が2μmである1種類の粉体を用いて触媒層を構成した場合における気孔径の分布を1点鎖線で示す。前述のように、カソード側触媒層62においては、比較的小さな気孔P30(図2)と、比較的大きな気孔P60とが形成される。したがって、カソード側触媒層62に形成された気孔の気孔径分布は、比較的小さな0.23μmにおいて第1のピークPk11を有し、比較的大きな0.85μmにおいて第2のピークPk12を有していた。なお、気孔径の分布は、例えば、水銀注入法を用いた細孔分布測定装置を利用することができる。このような測定装置としては、例えば、QUANTA CHROME社のPoreMaster60(登録商標)を用いることができる。
なお、比較例のように、粉体混合物900の平均粒子径(2μm)と同じ粒子径を有する一種類の粉体で触媒層を構成した場合には、図8に示すように、気孔径分布は、0.52μmに1つのピークのみを有することとなる。
図9は、本実施例において生成した燃料電池100のI(電流密度)−V(電圧)特性と、比較例で生成した燃料電池のI−V特性と、を示す説明図である。比較例の燃料電池(図示省略)は、燃料電池100と比べてMEAの構成が異なり、他の構成は燃料電池100と同じであった。具体的には、比較例の燃料電池では、平均粒子径が2μmである1種類の粉体を用いて触媒層を形成した。
図9の例では、上述した実施例及び比較例において製造したそれぞれの燃料電池を、以下の条件下で運転したI−V特性を得た。すなわち、アノード側の燃料ガス(水素ガス)の流量を500ncc/minとし、カソード側の酸化ガス(空気)の流量を1000ncc/minとした。また、セル温度を80℃とし、バブラ温度をアノード側及びカソード側のいずれも60℃とし、背圧をアノード側及びカソード側のいずれも0.05MPaとした。図9に示すように、同じ電流密度では、実施例の電圧値は、比較例における電圧値に比べて高い値を示していた。これは、以下の理由によるものと考えられる。すなわち、比較例における燃料電池では触媒層を1種類の粉体で形成しているので、触媒層に形成される気孔は、1種類の気孔(径がおよそ0.52μmの気孔)のみとなる。したがって、かかる気孔の気孔径が水を排出するのには小さ過ぎ、また、保水性を確保するには大き過ぎるために、ドライアップ現象やフラッディング現象が高い頻度で起こり得る。これに対して、実施例の燃料電池100では、触媒層を粒子径の異なる2種類の粉体で形成しているので、触媒層に形成される気孔も2種類となる。そして、気孔径の比較的小さい気孔P30(径がおよそ0.23μmの気孔)によって電解質膜50の保湿性が保たれ、ドライアップ現象の発生が抑制されて発電効率が向上したものと考えられる。また、気孔径の比較的大きい気孔P60(径がおよそ0.85μmの気孔)によって生成水の排出が促進され、フラッディング現象の発生を抑制されたものと考えられる。その結果、高電流密度領域で生じる濃度過電圧の増加が低減して、発電効率が向上したものと考えられる。
C.変形例:
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C1.変形例1:
上述した実施形態では、2つの触媒層62,63における気孔径分布は、各触媒層62,63のいずれの領域においても図8に示す分布となっているが、各触媒層62,63において、領域によって気孔径分布が異なる構成とすることもできる。
図10は、変形例1の燃料電池100のカソード側触媒層62における断面図を示す説明図である。変形例1における燃料電池100は、2つの触媒層62,63における気孔径分布が異なる点において上述した実施形態の燃料電池100(図1)と異なり、他の構成は第1の実施例と同じである。なお、図10では、図1に示すA−A断面を示している。また、対応する位置に配置される酸化ガス流路18(図1)を破線で示している。
変形例1の燃料電池100では、カソード側触媒層62において、空気の入口側領域AR1の気孔径分布と、出口側領域AR2の気孔径分布とが互いに異なっている。具体的には、入口側領域AR1においては、気孔P30(図2)が比較的多く気孔P60が比較的少ない。一方、出口側領域AR2においては、気孔P30が比較的少なく気孔P60が比較的多い。
図11は、変形例1におけるカソード側触媒層62の気孔径分布を模式的に示す説明図である。図11における横軸及び縦軸は、図8と同じである。図11において上段は、入口側領域AR1の気孔径分布を示し、下段は出口側領域AR2の気孔径分布を示す。
入口側領域AR1と出口側領域AR2とのいずれにおいても、気孔径分布は、上述した実施形態と同様に2つのピークを有する気孔径分布となっている。しかしながら、各ピークにおける気孔数が入口側領域AR1と出口側領域AR2とで異なっている。具体的には、入口側領域AR1における気孔径分布では、気孔径が0.23μmの第1のピークPk21の気孔数は、気孔径が0.85μmの第2のピークPk22の気孔数よりも多くなっている。一方、出口側領域AR2における気孔径分布では、気孔径が0.85μmの第2のピークPk32の気孔数は、気孔径が0.23μmの第1のピークPk31の気孔数よりも多くなっている。
このように、入口側領域AR1と出口側領域AR2とで気孔径分布を異なるようにするには、例えば、以下のようにして実現することができる。すなわち、ステップS110(図3)において、粉体混合物を得る際の第1触媒層用粉体300と第2触媒層用粉体600との混合比を調整することで実現することができる。具体的には、入口側領域AR1に用いる粉体混合物については、第1触媒層用粉体300の粉体数が第2触媒層用粉体600の粉体数よりも多くなるように混合し、出口側領域AR2に用いる粉体混合物については、第2触媒層用粉体600の粉体数が第1触媒層用粉体300の粉体数よりも多くなるように混合する。
以上のような構成を有することで、乾燥し易い空気の入口側において気孔径の小さい気孔P30の数を多くすることができるので、保湿性を高めてドライアップ現象の発生を抑制することができる。また、比較的湿度の高い空気の出口側において気孔径の大きい気孔P60の数を多くすることができるので、排水性を高めてフラッディング現象の発生を抑制することができる。なお、アノード側についても、カソード側と同様な構成とすることもできる。
C2.変形例2:
上述した実施形態では、粉体混合物900は、互いに粒子径の異なる2種類の粉体を混合したものであったが、互いに粒子径の異なる2以上の任意数の種類の粉体を混合したものを用いることもできる。また、粉体混合物900における第1触媒層用粉体300の粉体数と第2触媒層用粉体600の粉体数の割合(混合比)は、各粉体の数が1:1に限らず、2:1や1:3など任意の割合とすることもできる。
C3.変形例3:
上述した実施形態では、両方の触媒層62,63において粒子径の異なる複数種類の粉体を用いて形成するようにしていたが、いずれか一方の触媒層についてのみ、このような構成とすることもできる。また、2つの触媒層62,63に代えて、又は、2つの触媒層62,63と共に、2つのガス拡散層72,73についても粒子径の異なる複数種類の粉体を用いて形成することもできる。このようにしても、2つのガス拡散層72,73における水管理を適切に行うことができ、ドライアップ現象やフラッディング現象の発生を抑制することができる。
C4.変形例4:
上述した実施形態では、粉体混合物900を堆積させるのに静電スクリーン方式を用いていたが、これに代えて、他の任意の堆積方式を採用することができる。例えば、スプレーにより粉体を吹き付けるスプレー方式や、帯電した粉体を所定パターンに帯電した感光ドラム上に静電付着させ、この感光ドラム上の粉体を転写する電子写真方式などを採用することもできる。すなわち、一般には、粉体を堆積させることが可能な任意の堆積方式を、本発明の燃料電池の製造において採用することができる。
C5.変形例5:
上述した実施形態では、2つの触媒層用粉体300,600を生成するのに、スプレードライ法を用いていたが、これに代えて、他の方法を用いることができる。例えば、メカノケミカル法を採用することができる。メカノケミカル法では、導電性部材に機械的エネルギーを与えることで導電性部材同士を圧密結着させてガス拡散層用粉体を生成する。このようなメカノケミカル法を利用した粉体製造装置としては、例えば、ホソカワミクロン(株)のメカノフュージョンシステム(登録商標)や、(株)奈良機械製作所のメカノマイクロス(登録商標)等を用いることができる。
C6.変形例6:
上述した実施形態では、2つの触媒層62,63における触媒は、白金(触媒粒子)をカーボンで担持して構成されていたが、他の任意の構成とすることができる。例えば、触媒粒子として白金に代えてパラジウムやイリジウム等の貴金属をはじめ、種々の金属、合金、酸化物を用いることができる。また、担持体として、カーボンに代えて、微粉末状で導電性を有し触媒に侵されない任意の物質(例えば、グラファイト、フラーレン、各種金属粉末等)を用いることができる。また、触媒粒子を担持体で担持せずに用いる構成とすることもできる。すなわち、一般には、触媒粒子と電解質とを有する触媒層を本発明の燃料電池において用いることができる。
C7.変形例7:
上述した実施形態では、MEA20は、2つのガス拡散層72,73を含むいわゆるMEGA(Membrane-Electrode&Gas. Diffusion Layer Assembly)であったが、これら2つのガス拡散層72,73を含まない積層体(本来のMEA)としても構成することができる。
本発明の一実施例としての燃料電池の概略構成を示す説明図。 図1のカソード側触媒層62に含まれる領域Xを模式的に示す拡大図。 図1に示す燃料電池100の製造手順を示すフローチャート。 図3に示すステップS105の詳細手順を模式的に示す説明図。 2つの触媒層用粉体300,600の製造時におけるスプレー条件及びサイクロン径の差異を示す説明図。 ステップS115cにおいて粉体混合物を堆積させる方法を模式的に示す説明図。 図6に示すカソード側触媒層62における粒度分布を模式的に示す説明図。 本実施例において製造した燃料電池100のカソード側触媒層62における気孔の気孔径分布を模式的に示す説明図。 本実施例において生成した燃料電池100のI(電流密度)−V(電圧)特性と比較例で生成した燃料電池のI−V特性とを示す説明図。 変形例1の燃料電池100のカソード側触媒層62における断面図を示す説明図。 変形例1におけるカソード側触媒層62の気孔径分布を模式的に示す説明図。
符号の説明
10…白金担持カーボン
15…電解質
16…カソード側セパレータ
17…アノード側セパレータ
18…酸化ガス流路
19…燃料ガス流路
20…MEA
35…電解質
45…白金担持カーボン
50…電解質膜
62…カソード側触媒層
63…アノード側触媒層
72…カソード側拡散層
73…アノード側拡散層
100…燃料電池
300…第1触媒層用粉体
600…第2触媒層用粉体
500…触媒層用スラリー
401…混合容器
410…スプレードライヤ
412…チャンバー
414…アトマイザ
416…アスピレータ
418…サイクロン
900…粉体混合物
X…領域
Pk1,Pk11,Pk21,Pk31…第1のピーク
Pk2,Pk12,Pk22,Pk32…第2のピーク
P30…気孔
P60…気孔
AR1…入口側領域
AR2…出口側領域

Claims (3)

  1. 燃料電池であって、
    触媒粒子と電解質とを含む複合粉体を用いて形成された触媒層を備え、
    前記触媒層において前記複合粉体間の空隙として形成された気孔は、複数のピークを有する気孔径分布を有する、燃料電池。
  2. 請求項1に記載の燃料電池において、
    前記触媒層のうち、前記触媒層で用いられる反応ガスの入口側領域における前記気孔径分布は、第1のピークの気孔数が前記第1のピークよりも大きな気孔径における第2のピークの気孔数よりも多く、
    前記触媒層のうち、前記反応ガスの出口側領域における前記気孔径分布は、前記第2のピークの気孔数が前記第1のピークの気孔数よりも多い、燃料電池。
  3. 触媒層を備える燃料電池の製造方法であって、
    (a)触媒粒子と電解質とを含む第1の触媒層用複合粉体と、前記触媒粒子と前記電解質とを含み前記第1の触媒層用粉体よりも粒子径の大きい第2の触媒層用複合粉体と、を混合して粉体混合物を生成する工程と、
    (b)前記粉体混合物を用いて前記触媒層を形成する工程と、
    を備える燃料電池製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019096624A (ja) * 2019-03-08 2019-06-20 国立大学法人九州大学 電極材料
JP2019186192A (ja) * 2018-11-20 2019-10-24 凸版印刷株式会社 電極触媒層、膜電極接合体、および、固体高分子形燃料電池

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