JP2009199737A - 電極・高分子電解質膜接合体およびその製造方法 - Google Patents

電極・高分子電解質膜接合体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】固体高分子電解質膜体が複数膜による積層構造のものでも、固体高分子電解質膜体が湿潤サイクルを受けた際に損傷等することによって劣化してしまう虞がない電極・高分子電解質膜接合体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】固体高分子電解質膜体4と、この固体高分子電解質膜体4を挟持する燃料極6及び酸化剤極8とを備えたもので、固体高分子電解質膜体4が、導電性のない多孔質体で形成された補強部材によって機械的強度が補強された高分子電解質膜2と補強されていない高分子電解質膜3との積層構造である。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体高分子電解質膜形燃料電池等に用いられる電極・高分子電解質膜接合体およびその製造方法に関する。
周知の通り、燃料電池は、燃料極側に導入される燃料ガス中の水素と、酸化剤極側に導入される酸化剤ガス中の酸素の化学反応から電気エネルギーを得るもので、燃料極と酸化剤極の両極部分では、白金あるいは白金と他元素との合金等でなる微粒子を炭素粒子上に担持させた触媒を存在させて反応が進められ、電気エネルギーと熱エネルギーが得られ、酸化剤極では水が生成される。そして、各極での反応の反応式は、
燃料極では、 H→2H+e
酸化剤極では、 4H+O+e→2H
となる。
そして、燃料電池のうち、燃料極と酸化剤極との間に固体高分子電解質膜を設けて両極の気体を分離するよう構成した固体高分子電解質膜形燃料電池は、比較的低温度で運転でき、起動時間が短く、大きな出力密度が得られることから、定置電源用、車載電源用等として大きな注目を浴びている。こうした固体高分子電解質膜形燃料電池の単位セルの構成は、イオン導電性を有する固体高分子電解質膜の両主面を燃料極と酸化剤極とで挟持するよう構成した電極・高分子電解質膜接合体を、さらに平板状の導電性を有する一対の燃料側セパレータと酸化剤側セパレータとで挟持したものとなっている。なお、燃料側セパレータと酸化剤側セパレータは、それぞれ電極・高分子電解質膜接合体側の面に燃料ガスあるいは酸化剤ガスの流路を形成する溝が形成されており、燃料ガスあるいは酸化剤ガスを電極・高分子電解質膜接合体に供給するようになっている。
また、固体高分子電解質膜には、燃料ガスと酸化剤ガスとを分離する反応ガス分離機能と、燃料極で生成された水素イオンを酸化剤極に運ぶ水素イオン導電性とに優れている、10μm〜100μm程度の厚さのパーフルオロカーボンスルフォン酸膜、例えば、デュポン(DuPont)社製のナフィオン(Nafion)(登録商標)等が用いられている。もっとも、この固体高分子電解質膜には、水分を含んでいる場合に良好な水素イオン導電性を示すものの、乾燥していると水素イオン導電性を著しく低下させる属性を持っている。
このため、固体高分子電解質膜を湿潤な状態に保つ必要がある。しかし、固体高分子電解質膜を湿潤な状態にした場合、湿潤度が高く、膜が含む水分が多くなってくると、反応ガスが固体高分子電解質膜を透過し易くなり、微量であるが対極への反応ガスの透過量が多くなってくる傾向がある。この微量の反応ガス透過(クロスリーク)は、固体高分子電解質膜形燃料電池の運転時における単位セルの電圧低下を招くことになり、反応ガス透過を防止することが非常に重要な課題となってくる。
こうした反応ガス透過を抑制する技術としては、固体高分子電解質膜を複数積層することによって、各固体高分子電解質膜にピンホールが存在してもその位置が膜間で相互にずれることになり、反応ガスのクロスリークを低減することができるとしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、複数の固体高分子電解質膜を張り合わせて積層したものでは、張り合わせた固体高分子電解質膜が湿潤サイクルを受けた際に張り合わせ部分で収縮度に差ができ、固体高分子電解質膜が損傷する虞がある。
特開平6−84528号公報
上記のような状況に鑑みて本発明はなされたもので、その目的とするところは固体高分子電解質膜体が複数膜による積層構造のものでも、固体高分子電解質膜体が湿潤サイクルを受けた際に損傷等することによって劣化してしまう虞がなく、固体高分子電解質膜形燃料電池に用いた場合には、安定した電圧を維持し出力することができる電極・高分子電解質膜接合体およびその製造方法を提供することにある。
本発明の電極・高分子電解質膜接合体は、
固体高分子電解質膜体と、この固体高分子電解質膜体を挟持する燃料極及び酸化剤極とを備えた電極・高分子電解質膜接合体であって、前記固体高分子電解質膜体が、複数膜による積層構造であると共に、前記複数膜の少なくとも1つの膜が、補強部材によって機械的強度の補強が行なわれていることを特徴とするものであり、
さらに、前記補強部材が、導電性のない多孔質体で形成されていることを特徴とするものであり、
さらに、前記補強部材が、導電性のない繊維で形成されていることを特徴とするものであり、
さらに、前記補強部材により補強された膜が、触媒金属を保持していることを特徴とするものであり、
さらに、前記触媒金属が、カーボンに担持されていることを特徴とするものであり、
さらに、前記補強部材により補強された膜に、金属酸化物が分散されていることを特徴とするものであり、
さらに、前記触媒金属が、前記金属酸化物に担持されていることを特徴とするものであり、
さらに、前記触媒金属が、白金、パラジウム、金、イリジウム、ロジウム、コバルトの少なくとも1つを含むものであることを特徴とするものである。
また、本発明の電極・高分子電解質膜接合体の製造方法は、
固体高分子電解質膜体と、この固体高分子電解質膜体を挟持する燃料極及び酸化剤極とを備え、かつ前記固体高分子電解質膜体が、補強部材により補強された膜と補強されていない膜とで形成された複数膜による積層構造である電極・高分子電解質膜接合体の製造方法であって、前記補強された膜と前記補強されていない膜とを熱圧着して前記固体高分子電解質膜体を形成した後に、該固体高分子電解質膜体の両面に前記燃料極と前記酸化剤極を熱圧着することを特徴とする方法であり、
また、固体高分子電解質膜体と、この固体高分子電解質膜体を挟持する燃料極及び酸化剤極とを備え、かつ前記固体高分子電解質膜体が、補強部材により補強された膜と補強されていない膜とで形成された複数膜による積層構造である電極・高分子電解質膜接合体の製造方法であって、前記燃料極と前記酸化剤極との間に位置するように前記補強された膜と前記補強されていない膜の複数膜を並べた後に、各極、各層の熱圧着を同時に行い、前記固体高分子電解質膜体を前記燃料極と前記酸化剤極で挟持することを特徴とする方法である。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、
固体高分子電解質膜体が複数膜による積層構造のものでも、固体高分子電解質膜体が湿潤サイクルを受けた際に損傷等することによって劣化してしまうことがなく、固体高分子電解質膜形燃料電池に用いた場合には、安定した電圧を維持し出力することができる等の効果を奏する。
以下本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
先ず第1の実施形態を図1及び図2により説明する。図1は模式的に示す断面図であり、図2は熱サイクル耐久試験結果を示す図である。
図1において、固体高分子電解質膜形燃料電池を構成する電極・高分子電解質膜接合体1は、補強部材により機械的強度が補強された高分子電解質膜2と補強されていない高分子電解質膜3とで形成された積層構造の固体高分子電解質膜体4と、この固体高分子電解質膜体4の燃料側に燃料極触媒層5を備えた燃料極6と、固体高分子電解質膜体4の酸化剤側に酸化剤極触媒層7を備えた酸化剤極8とを設けて構成されている。また、電極・高分子電解質膜接合体1は、固体高分子電解質膜体4を挟持するよう燃料極6と酸化剤極8とを配置し、熱圧着することにより一体化した構成となっている。
そして、固体高分子電解質膜体4は、例えば所定寸法に成形した方形状のもので、その補強部材により機械的強度が補強された高分子電解質膜2と、補強されていない高分子電解質膜3とは、補強されていない高分子電解質膜3が、パーフルオロカーボンスルフォン酸膜、例えばデュポン(DuPont)社製の厚さが25μmのナフィオン(Nafion)(登録商標)の膜等、市販の高分子電解質膜により形成されている。また補強された高分子電解質膜2は、次のようにして作成したものである。
すなわち、先ずポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂2gを、水10gと2−プロパノール20gに分散させて縣濁液を得る。得られた縣濁液をバーコーターにて基板としたポリイミド樹脂フィルムに塗布し、60℃にて減圧乾燥して厚さ100μmのPTFEシートを製作し、さらにPTFEシートを圧延ローラーにかけて引き伸ばし、厚さ10μmの多孔質のPTFEシートとする。さらに、多孔質のPTFEシートを350℃で10分間焼成して多孔質PTFEシートを得る。その後、得られた多孔質PTFEシートを導電性のない多孔質体で形成した補強部材とし、この多孔質PTFEシートに、例えばデュポン(DuPont)社製の5wt%のイオン交換樹脂溶液を減圧含浸することで、導電性のない多孔質体の補強部材で機械的強度の補強がなされた厚さが10μmの高分子電解質膜2とする。
このようにして得られた多孔質PTFEシートの補強部材により補強された高分子電解質膜2と補強されていない高分子電解質膜3とを、温度140℃、圧力50kgf/cm、保持時間5分のホットプレス法による熱圧着によって一体化する。このようにして、固体高分子電解質膜体4が形成される。
また、燃料極6と酸化剤極8は、それぞれ極基材6a,8aが所定寸法に成形した方形状のガス拡散性、透過性、導電性を有するカーボンペーパーをPTFE樹脂によって撥水処理したもの、例えば東レ(株)製のTGP−H−90により形成されている。さらに各極基材6a,8aに設けられた各触媒層5,7は、先ず、白金(Pt)微粒子40wt%を炭素粒子上に担持させた白金担持炭素粒子を触媒とするもので、白金担持炭素粒子をふっ素系スルホン酸高分子樹脂溶液に加え混合し、ペースト状にして触媒ペーストを得る。その後、触媒ペーストをそれぞれ燃料極6、酸化剤極8の極基材6a,8aの固体高分子電解質膜体4に対向する面に、白金塗布量が0.4mg/cmとなるよう塗布し、70℃で乾燥して溶剤を除去することによって各触媒層5,7が形成される。
そして、以上のように構成された固体高分子電解質膜体4と、燃料極6、酸化剤極8とによる電極・高分子電解質膜接合体1の製作は、以下の通りとなる。
先ず、図示しないホットプレス機の上下2枚の熱圧着板間に、補強された高分子電解質膜2と補強されていない高分子電解質膜3を一体化した固体高分子電解質膜体4の両面に対し、例えば補強された高分子電解質膜2側の面に燃料極触媒層5が対向するよう燃料極6を位置させ、また補強されていない高分子電解質膜3の面に酸化剤極触媒層7が対向するよう酸化剤極8を位置させ、固体高分子電解質膜体4を挟持するように配置する。
次に、ホットプレス機の2枚の熱圧着板により、温度140℃、圧力50kgf/cm、保持時間5分の熱圧着を行って一体化し、膜・電極接合体1を得る。
さらに、形成された電極・高分子電解質膜接合体1については、図示しないが、燃料極6と酸化剤極8の外側に燃料側セパレータ及び酸化剤側セパレータをそれぞれ設けることで単位セルを構成し、さらに、複数の単位セルを積層し、各セパレータに所定のガスが供給されるようガスマニホールドを設けることにより固体高分子電解質膜形燃料電池スタックが構成される。
また、上記のように構成された電極・高分子電解質膜接合体1について、熱サイクル耐久試験を行い、熱サイクル回数に対するガスリーク量を測定した。なお、従来技術との比較のため、比較例として、補強部材による補強のない厚さが10μmの高分子電解質膜を作成し、これと本実施形態の高分子電解質膜3とを熱圧着して固体高分子電解質膜体を構成し、その他の構成や熱圧着条件も本実施形態と同じにして比較例の電極・高分子電解質膜接合体を形成した。
そして、試験は、燃料電池動作温度である80℃の温度と室温を、交互に繰り返して加える熱サイクル下でのガスリーク量の増加を電気化学的に測定するもので、燃料極6には水素を供給し、酸化剤極8には窒素ガスを供給して行った。
その結果、図2に、横軸に熱サイクル回数、縦軸にガスリーク量の相対値をとって示すように、比較例の電極・高分子電解質膜接合体の結果は、熱サイクル回数が1000回を超えると急激にガスリーク量が増加した(線X)。それに対し、本実施形態のものでは、熱サイクル回数が2000回を超えてもガスリーク量は増加しなかった(線A)。このように本実施形態においてガスリーク量が増加しなかったのは、固体高分子電解質膜体4に補強部材により機械的強度の補強がなされている高分子電解質膜2を用いているので、熱サイクルによる伸縮に対して強度が強くなったためと考えられる。また、ガスリーク量の増加がないため、これにより固体高分子電解質膜形燃料電池として運転した時に、単位セルの電圧が低下してしまう虞がなく、安定した電力供給が可能となる。
また、上記のように構成された電極・高分子電解質膜接合体1においては、補強部材で補強された高分子電解質膜2と補強されていない高分子電解質膜3とを一体化して固体高分子電解質膜体4を構成するものであるから、電極・高分子電解質膜接合体1の製造過程でのハンドリング性が向上して、組立が容易なものとなる。さらに、補強部材に導電性のない多孔質PTFEシートを用いているので、高分子電解質膜2,3の一体化により固体高分子電解質膜体4を形成した時、固体高分子電解質膜体4と燃料極6、酸化剤極8の一体化によって電極・高分子電解質膜接合体1を製作した時に、固体高分子電解質膜体4を補強部材が貫通するようなことがあったとしても、電極・高分子電解質膜接合体1が短絡するのを防止することができる。
次に第2の実施形態を図2及び図3により説明する。図3は模式的に示す断面図である。なお、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と異なる本実施形態の構成について説明する。
図3において、固体高分子電解質膜形燃料電池を構成する電極・高分子電解質膜接合体11は、補強部材により機械的強度が補強された高分子電解質膜12と補強されていない高分子電解質膜3とで形成された積層構造の固体高分子電解質膜体13と、この固体高分子電解質膜体13の燃料側に燃料極触媒層5を備えた燃料極6と、固体高分子電解質膜体13の酸化剤側に酸化剤極触媒層7を備えた酸化剤極8とを設けて構成されている。また、電極・高分子電解質膜接合体11は、固体高分子電解質膜体13を挟持するよう燃料極6と酸化剤極8とを配置し、熱圧着することにより一体化した構成となっている。
そして、固体高分子電解質膜体13は、例えば所定寸法に成形した方形状の補強部材により機械的強度が補強された高分子電解質膜12と、同じく所定寸法に成形した方形状の補強されていない高分子電解質膜3とで構成されており、補強された高分子電解質膜12は、次のようにして作成したものである。
すなわち、先ず、PTFE樹脂粉末をケミカル粉砕機にて混合して繊維化したPTFE樹脂粉末を得る。続いて繊維化したPTFE樹脂粉末を、例えばデュポン(DuPont)社製の5wt%のイオン交換樹脂溶液にイオン交換樹脂の固形分比が10%となるように添加して、超音波混合器を用いて混合し、PTFE分散イオン交換樹脂溶液を得る。その後、得られたPTFE分散イオン交換樹脂溶液をバーコーターにて基板としたポリイミド樹脂フィルムに所定厚さに成膜して減圧乾燥し、PTFE樹脂繊維14を導電性のない補強部材として機械的強度の補強がなされた厚さ10μmの高分子電解質膜12とする。
そして、以上のように構成された補強された高分子電解質膜12と補強されていない高分子電解質膜3を備える固体高分子電解質膜体13を用いた電極・高分子電解質膜接合体11の製作は、以下の通りとなる。
先ず、図示しないホットプレス機の上下2枚の熱圧着板間に、補強された高分子電解質膜12と補強されていない高分子電解質膜3を配置すると共に、第1の実施形態と同様に形成された燃料極6、酸化剤極8を、例えば補強された高分子電解質膜12側に燃料極6を、燃料極触媒層5が補強された高分子電解質膜12に対向するよう位置させ、また補強されていない高分子電解質膜3側に酸化剤極8を、酸化剤極触媒層7が補強されていない高分子電解質膜3に対向するよう位置させ、燃料極6と酸化剤極8とで両高分子電解質膜12,3を挟持するように配置する。
次に、ホットプレス機の2枚の熱圧着板により、温度140℃、圧力50kgf/cm、保持時間5分の熱圧着を行って、燃料極6、補強された高分子電解質膜12、補強されていない高分子電解質膜3、酸化剤極8を一体化し、電極・高分子電解質膜接合体11を得る。なお、この時の熱圧着によって、補強された高分子電解質膜12と補強されていない高分子電解質膜3とが一体化され、固体高分子電解質膜体13が構成される。
さらに、形成された電極・高分子電解質膜接合体11については、図示しないが、燃料極6と酸化剤極8の外側に燃料側セパレータ及び酸化剤側セパレータをそれぞれ設けることで単位セルを構成し、さらに、複数の単位セルを積層し、各セパレータに所定のガスが供給されるようガスマニホールドを設けることにより固体高分子電解質膜形燃料電池スタックが構成される。
また、上記のように構成された電極・高分子電解質膜接合体11について、第1の実施形態と同様の熱サイクル耐久試験を行った。
その結果、横軸に熱サイクル回数、縦軸にガスリーク量の相対値をとった図2に、第1の実施形態の結果と共に示すように、熱サイクル回数が2000回を超えてもガスリーク量は増加しなかった(線B)。このように本実施形態においてもガスリーク量が増加しなかったのは、第1の実施形態と同様に、固体高分子電解質膜体13にPTFE樹脂繊維14を補強部材として機械的強度の補強がなされている高分子電解質膜12を用いているので、熱サイクルによる伸縮に対して強度が強くなったためと考えられ、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記のように構成された電極・高分子電解質膜接合体11においては、補強部材にPTFE樹脂繊維14を用いているので、組成比を容易に変えることができ、強度、電池性能の調整を容易に行うことができる。さらに、電極・高分子電解質膜接合体11の製作時に、補強された高分子電解質膜12と補強されていない高分子電解質膜3とが一体化されるので、第1の実施形態のように、予め補強された高分子電解質膜12と補強されていない高分子電解質膜3とを一体化して固体高分子電解質膜体13を形成しておく場合に比べ、製作工程を削減したものとすることができる。
次に第3の実施形態を図4及び図5により説明する。図4は模式的に示す断面図であり、図5はOCV試験結果を示す図である。なお、第1の実施形態及び第2の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる本実施形態の構成について説明する。
図4において、固体高分子電解質膜形燃料電池を構成する電極・高分子電解質膜接合体21は、補強部材により機械的強度が補強された高分子電解質膜22と補強されていない高分子電解質膜3とで形成された積層構造の固体高分子電解質膜体23と、この固体高分子電解質膜体23の燃料側に燃料極触媒層5を備えた燃料極6と、固体高分子電解質膜体23の酸化剤側に酸化剤極触媒層7を備えた酸化剤極8とを設けて構成されており、さらに、補強された高分子電解質膜22には、触媒金属の白金微粒子がカーボン粒子上に担持され白金担持カーボン粒子24として分散、保持されている。また、電極・高分子電解質膜接合体21は、固体高分子電解質膜体23を挟持するよう燃料極6と酸化剤極8とを配置し、熱圧着することにより一体化した構成となっている。
そして、固体高分子電解質膜体23は、例えば所定寸法に成形した方形状の補強部材により機械的強度が補強された高分子電解質膜22と、同じく所定寸法に成形した方形状の補強されていない高分子電解質膜3とで構成されており、補強部材により補強され、白金担持カーボン粒子24が分散された高分子電解質膜22は、次のようにして作成したものである。
すなわち、先ず、PTFE樹脂粉末をケミカル粉砕機にて混合して繊維化したPTFE樹脂粉末を得る。続いて繊維化したPTFE樹脂粉末を、例えばデュポン(DuPont)社製の5wt%のイオン交換樹脂溶液にイオン交換樹脂の固形分比が10%となるように添加して、超音波混合器を用いて混合し、PTFE分散イオン交換樹脂溶液を得る。
次に、得られたPTFE分散イオン交換樹脂溶液に白金担持カーボン粉末をイオン交換樹脂との重量比が5%となるように加え、再び超音波混合器を用いて混合し、白金担持カーボン粒子24が分散する白金・PTFE分散イオン交換樹脂混合液を得る。その後、白金・PTFE分散イオン交換樹脂混合液をバーコーターにて基板としたポリイミド樹脂フィルムに所定厚さに成膜して減圧乾燥し、PTFE樹脂繊維14を導電性のない補強部材として機械的強度の補強がなされると共に、白金担持カーボン粒子24が分散された厚さ10μmの高分子電解質膜22とする。
そして、以上のように構成された補強され、白金担持カーボン粒子24が分散された高分子電解質膜22と、補強されていない高分子電解質膜3を備える固体高分子電解質膜体23を用いた電極・高分子電解質膜接合体21の製作は、以下の通りとなる。
先ず、図示しないホットプレス機の上下2枚の熱圧着板間に、補強され、白金担持カーボン粒子24が分散された高分子電解質膜22と、補強されていない高分子電解質膜3を配置すると共に、第1の実施形態と同様に形成された燃料極6、酸化剤極8を、例えば補強された高分子電解質膜22側に燃料極6を、燃料極触媒層5が補強された高分子電解質膜22に対向するよう位置させ、また補強されていない高分子電解質膜3側に酸化剤極8を、酸化剤極触媒層7が補強されていない高分子電解質膜3に対向するよう位置させ、燃料極6と酸化剤極8とで両高分子電解質膜22,3を挟持するように配置する。
次に、ホットプレス機の2枚の熱圧着板により、温度140℃、圧力50kgf/cm、保持時間5分の熱圧着を行って、燃料極6、補強された高分子電解質膜22、補強されていない高分子電解質膜3、酸化剤極8を一体化し、電極・高分子電解質膜接合体21を得る。なお、この時の熱圧着によって、補強された高分子電解質膜22と補強されていない高分子電解質膜3とが一体化され、固体高分子電解質膜体23が構成される。
さらに、形成された電極・高分子電解質膜接合体21については、図示しないが、燃料極6と酸化剤極8の外側に燃料側セパレータ及び酸化剤側セパレータをそれぞれ設けることで単位セルを構成し、さらに、複数の単位セルを積層し、各セパレータに所定のガスが供給されるようガスマニホールドを設けることにより固体高分子電解質膜形燃料電池スタックが構成される。
そして、上記のように構成された電極・高分子電解質膜接合体21について、固体高分子電解質膜体23の開回路電圧(OCV:Open Circuit Voltage)保持試験を行い、OCV保持時間に対する反応ガスのリーク量を測定した。なお、比較のため、補強された高分子電解質膜12には白金担持カーボン粒子24の分散がない第2の実施形態の電極・高分子電解質膜接合体11についても、同条件の開回路電圧保持試験を行った。
その結果は図5に、横軸にOCV保持時間、縦軸にガスリーク量の相対値をとって示すように、比較のため同条件で試験を行った第2の実施形態の電極・高分子電解質膜接合体11では、OCV保持時間が500時間を超えると徐々にガスリーク量が増加しはじめ、800時間で急激に増える状況となった(線C)。それに対し、本実施形態のものでは、OCV保持時間が2000時間経過してもガスリーク量は増加しなかった(線D)。このように本実施形態においてガスリーク量が増加しなかったのは、固体高分子電解質膜体23の補強された高分子電解質膜22内に分散されている白金担持カーボン粒子24によって反応ガスの透過が抑えられ、過酸化水素の生成が抑えられたためと考えられる。
以上の結果から、本実施形態によれば、第2の実施形態と同様の効果が得られると共に、固体高分子電解質膜体13のPTFE樹脂繊維14を補強部材として補強がなされた高分子電解質膜22内に、白金担持カーボン粒子24を分散させることにより、第2の実施形態よりもさらに化学的安定性を高めることが可能となる。
また、本実施形態では、補強された高分子電解質膜22が、触媒金属の白金をカーボン粒子に担持させて膜内に保持するよう形成したが、触媒金属の担持材料としては、例えば酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化シリコン等の金属酸化物でもよい。
なお、上記の各実施形態においては、固体高分子電解質膜体を、1つの補強された高分子電解質膜と1つの補強されていない高分子電解質膜との2つの膜による積層構造としたが、さらに膜数の多い積層構造でも、また補強された高分子電解質膜も1つに限らず複数膜としてもよい。また、上記の各実施形態においては、触媒金属として白金を用いたが、白金合金やパラジウム、金、イリジウム、ロジウム、コバルトの少なくとも1つ、またはその合金でもよい。
本発明の第1の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る熱サイクル耐久試験結果を示す図である。 本発明の第2の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の第3の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るOCV保持試験結果を示す図である。
符号の説明
2,3,12,22…高分子電解質膜
4,13,23…固体高分子電解質膜体
6…燃料極
6a,8a…極基材
8…酸化剤極
14…PTFE樹脂繊維
24…白金担持カーボン粒子

Claims (10)

  1. 固体高分子電解質膜体と、この固体高分子電解質膜体を挟持する燃料極及び酸化剤極とを備えた電極・高分子電解質膜接合体であって、
    前記固体高分子電解質膜体が、複数膜による積層構造であると共に、前記複数膜の少なくとも1つの膜が、補強部材によって機械的強度の補強が行なわれていることを特徴とする電極・高分子電解質膜接合体。
  2. 前記補強部材が、導電性のない多孔質体で形成されていることを特徴とする請求項1記載の電極・高分子電解質膜接合体。
  3. 前記補強部材が、導電性のない繊維で形成されていることを特徴とする請求項1記載の電極・高分子電解質膜接合体。
  4. 前記補強部材により補強された膜が、触媒金属を保持していることを特徴とする請求項1記載の電極・高分子電解質膜接合体。
  5. 前記触媒金属が、カーボンに担持されていることを特徴とする請求項4記載の電極・高分子電解質膜接合体。
  6. 前記補強部材により補強された膜に、金属酸化物が分散されていることを特徴とする請求項1記載の電極・高分子電解質膜接合体。
  7. 前記触媒金属が、前記金属酸化物に担持されていることを特徴とする請求項4、請求項6記載の電極・高分子電解質膜接合体。
  8. 前記触媒金属が、白金、パラジウム、金、イリジウム、ロジウム、コバルトの少なくとも1つであることを特徴とする請求項4記載の電極・高分子電解質膜接合体。
  9. 固体高分子電解質膜体と、この固体高分子電解質膜体を挟持する燃料極及び酸化剤極とを備え、かつ前記固体高分子電解質膜体が、補強部材により補強された膜と補強されていない膜とで形成された複数膜による積層構造である電極・高分子電解質膜接合体の製造方法であって、
    前記補強された膜と前記補強されていない膜とを熱圧着して前記固体高分子電解質膜体を形成した後に、該固体高分子電解質膜体の両面に前記燃料極と前記酸化剤極を熱圧着することを特徴とする電極・高分子電解質膜接合体の製造方法。
  10. 固体高分子電解質膜体と、この固体高分子電解質膜体を挟持する燃料極及び酸化剤極とを備え、かつ前記固体高分子電解質膜体が、補強部材により補強された膜と補強されていない膜とで形成された複数膜による積層構造である電極・高分子電解質膜接合体の製造方法であって、
    前記燃料極と前記酸化剤極との間に位置するように前記補強された膜と前記補強されていない膜の複数膜を並べた後に、各極、各層の熱圧着を同時に行い、前記固体高分子電解質膜体を前記燃料極と前記酸化剤極で挟持することを特徴とする電極・高分子電解質膜接合体の製造方法。
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