JP2009199734A - 希ガス蛍光ランプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の希ガス蛍光ランプは、誘電体バリア放電によってエキシマ分子を生成する希ガスが充填された発光管1の内面に蛍光体層2を有し、希ガスに放電現象を誘起せしめるための両極の電極3を有し、両極の電極3のうち少なくとも一方と希ガスの間に誘電体が介在し、両極の電極3の間であって管軸方向に伸びる領域が光出射部4となっている希ガス蛍光ランプにおいて、蛍光体層2は、発光管1の内面に全周に亘って形成されており、光出射部4に位置する蛍光体層2の膜厚が、光出射部4以外に位置する蛍光体層2の膜厚より薄くなっていることを特徴とする。さらに、光出射部4以外に位置する発光管1の内面には、第1の蛍光体層20が形成されており、第1の蛍光体層20の表面上と光出射部4に位置する発光管1の内面上には、第2の蛍光体層21が形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
このような希ガス蛍光ランプは、水銀を用いることがないので環境負荷が小さく、さらに、立ち上がり早いという利点がある。
希ガス蛍光ランプは、直管状の発光管1の内面に蛍光体層2が形成されており、発光管1の外面に管軸方向に伸びる一対の帯状の外部電極3を有している。
発光管1内には、例えば希ガスとしてキセノンが封入されており、外部電極3間に高周波高電圧を印加することにより、発光管1内に放電を起こし紫外線を発生させ、紫外線で蛍光体を励起して可視光を放射するものである。
さらに、外部電極3間の絶縁を確保するために、外電電極3を覆うように発光管1の外面には、透光性の絶縁膜5が被覆されている。
最近では、原稿面の読み取り速度が早くなり、その結果、単位時間当たりにCCDで受光する光量が減少する傾向にある。
さらに、原稿照明装置は小型化の要求が一層強まり、CCDの収納スペースも狭小化してきており、より小型のCCDを利用しなければならなく、このような要求からも単位時間当たりにCCDで受光する光量が減少する傾向にある。
しかしながら、入力電力を上げると発光管の温度が上昇し、蛍光体層が早期に劣化する問題や、点灯回路の構成を変える必要があり、単に、入力電力を上げことでは対応できないものである。
さらに、光出射部に位置する蛍光体層の膜厚が、光出射部以外に位置する蛍光体層の膜厚より薄くなっているので、光出射部に位置する蛍光体層自体から放射される可視光は、この膜厚が薄くなっている蛍光体層を透過して外部に照射されると共に、光出射部以外に位置する蛍光体層は膜厚が厚くなっているので、この膜厚が厚くなっている蛍光体層から放射される可視光は、この膜厚が厚くなっている蛍光体層を透過せず発光管の内部空間へ放射され、光出射部に位置する膜厚が薄い蛍光体層を透過して外部に放射されるものであり、入力電力を上げることなく、希ガス蛍光ランプからの光出力を高めることができる。
図1は、本願発明の希ガス蛍光ランプの概略斜視図であり、図2は、図1に示す希ガス蛍光ランプのA−A断面図である。
蛍光体は、赤色蛍光体がユーロピウム付活酸化イットリウム蛍光体(Y2O3:Eu)、緑色蛍光体がセリウム・テルビウム付活リン酸ランタン蛍光体(LaPO4:Ce,Tb)、青色の蛍光体がユーロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム蛍光体(BaMgAl10O17:Eu)である。
絶縁膜5は、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂よりなる熱収縮性チューブであり、外部電極3が形成された発光管1に、この熱収縮性チューブを被せ、150℃程度で加熱して、収縮させることにより絶縁膜5となる。
外部電極3に不図示の点灯電源より高周波電圧が印加されると、外部電極3の間に誘電体である発光管1を介在させた誘電体バリア放電が発生し、この放電によりキセノンによるエキシマ分子発光(紫外線)が発生する。
この希ガス蛍光ランプでは、一対の外部電極3の間であって管軸方向に伸びる領域が光出射部4となっており、図2で示す光出射部4に位置する領域aに形成された蛍光体層2では、紫外線によって蛍光体が励起され、可視光が放射されるが、その放射された可視光は、発光管1の内部空間に向けて放射されるものと、蛍光体層2を透過して発光管1の外部に放射されるものがある。
また、光出射部4以外に位置する領域bに形成された蛍光体層2では、紫外線によって蛍光体が励起され、可視光が放射されるが、その放射された可視光は、領域bの蛍光体層2をほとんど透過せず、発光管1の内部空間に向けて放射され、蛍光体層2で反射を繰り返しながら、最終的には領域aに形成された蛍光体層2を透過して発光管1の外部に放射される。
この領域aに蛍光体層2を形成することにより、従来では、この領域aに照射された紫外線が蛍光体の励起に利用されていなかった分を、本願発明では蛍光体の励起に利用することができ、可視光の発生量を増大させることができ、さらに、可視光が領域aに形成された蛍光体層2を透過するようにしたので、入力電力を上げることなく、希ガス蛍光ランプからの光出力を高めることができるものである。
図3は、図1に示す希ガス蛍光ランプにおいて、蛍光体層を説明するために、管軸と直交する方向の断面図であり、蛍光体層の厚みは説明のために誇張して表現している。
蛍光体層2は、光出射部4以外に位置する発光管1の内面には、第1の蛍光体層20が形成されており、この第1の蛍光体層20の表面上と光出射部4に位置する発光管1の内面上には、第2の蛍光体層21が形成されている。
蛍光体層2は、先ず初めに、発光管の内面全周に所定の蛍光体を含む懸濁液を塗布し、乾燥焼成して蛍光体層20を形成する。
その後、光出射部4に対向する部分に形成された蛍光体層20を削ぎ落として、蛍光体層20を取り除き、発光管1の内面を露出させる。
さらに、発光管1の内面の一部に蛍光体層20が形成された状態の発光管1の内面に、全周に所定の蛍光体を含む懸濁液を塗布し、乾燥焼成して蛍光体層21を形成する。
この結果、光出射部4に位置する発光管1の内面には、第2の蛍光体層21だけが形成された状態になり、光出射部4以外に位置する発光管1の内面には、第1の蛍光体層20と第2の蛍光体層21が積層された状態になり、光出射部4に位置する蛍光体層2の膜厚を光出射部4以外に位置する蛍光体層2の膜厚より薄くすることができる。
また、光出射部4以外に位置する蛍光体層2は、第1の蛍光体層20と第2の蛍光体層21からなり膜厚が厚くなり、この積層された蛍光体層2から可視光が透過すること抑制し、可視光を発光管に反射させることができる。
光出射部4に位置する蛍光体層21の膜厚は、その蛍光体層21自身によって光出射部4以外からの光が減衰する光量よりも、光出射部4の蛍光体層21から得られる光量の方が大きくなるような膜厚である。
光出射部4以外に位置する蛍光体層20と蛍光体層21の合計の膜厚は、その蛍光体層20と蛍光体層21によって得られる光量が飽和する程度に厚く、しかも、可視光が蛍光体層20と蛍光体層21をほぼ透過せず、さらに、蛍光体層21より厚くなるような膜厚である。
さらに、光出射部4に位置する蛍光体層2の膜厚が、光出射部4以外に位置する蛍光体層2の膜厚より薄くなっているので、光出射部4に位置する蛍光体層2自体から放射される可視光は、この膜厚が薄くなっている蛍光体層2を透過して外部に照射されると共に、光出射部4以外に位置する蛍光体層2は膜厚が厚くなっているので、この膜厚が厚くなっている蛍光体層2から放射される可視光は、この膜厚が厚くなっている蛍光体層2をほとんど透過せず発光管1の内部空間へ放射され、光出射部4に位置する膜厚が薄い蛍光体層2を透過して外部に放射されるものであり、入力電力を上げることなく、希ガス蛍光ランプからの光出力を高めることができる。
或いは、どちらか一方の電極が発光管の外部に形成され、他の電極が発光管の内面に形成され誘電体であるガラスで被覆された構造であってもよい。
実験結果を図4に示す。
この実験では、光出射部4以外に位置する第1の蛍光体層20の厚みは48μmで一定であり、光出射部4に位置する第2の蛍光体層21の厚みを0〜16μmの範囲で変えた場合の光出射部4の前方8mmの位置における管軸方向の照度を光出力として評価したものである。
なお、第2の蛍光体層21の厚みを0〜16μmの範囲で変えることにより、光出射部4以外に位置する蛍光体層2の厚みは48〜64μmの範囲で変わるものである。
図4の横軸上段は光出射部4に位置する蛍光体層の厚みを示し、横軸下段は光出射部4以外に位置する蛍光体層の厚みを示す。
<希ガス蛍光ランプ>
発光管・・・・・・・・バリウムガラス、外径8mm、内径7.2mm、全長700mm
封入物・・・・・・・・キセノン30%、ネオン70%、40kPa
蛍光体層の構成・・・・緑色蛍光体(La,Ce,Tb)PO4
平均粒径;:2.1μm
図4中、グラフbは、比較のために、光出射部4に位置する発光管1の内面に第2の蛍光体層21を作り、その後、出来上がった第2の蛍光体層21を光出射部4に位置する部分のみ削り取り、光出射部4に蛍光体層が存在せず、光出射部4以外に位置する蛍光体層2の膜厚が48〜64μmの範囲で変わった場合の希ガス蛍光ランプの光出力の変化を示すものである。
しかしながら、グラフaに示すように、光出射部4に位置する発光管1の内面に第2の蛍光体層21を設けることにより、グラフbで示すような光出射部4以外の蛍光体層2の厚みを厚くしただけのランプに比べて、さらに光出力が増加していることがわかる。
つまり、この実験において、光出射部4に蛍光体層21を設けず、光出射部4以外に位置する蛍光体層2の膜厚を48〜64μmの範囲で変えただけでは、光出力の増加は小さく、光出射部4に蛍光体層21を設け、この光出射部4に蛍光体層21を設ける製造方法を採用することにより、必然的に、光出射部4以外に位置する蛍光体層2の膜厚が48〜64μmの範囲で変化し、光出射部4に蛍光体層21を設けたランプの方が光出力の増加は大きくなるものである。
さらには、小型化された原稿照明装置に、本願発明の希ガス蛍光ランプを用いることにより、小型化されたCCDであっても、単位時間当たりにCCDで受光する光量が増加させることができ、最適な画像を得ることができる。
2 蛍光体層
3 外部電極
4 光出射部
5 絶縁膜
Claims (2)
- 誘電体バリア放電によってエキシマ分子を生成する希ガスが充填された発光管の内面に蛍光体層を有し、前記希ガスに放電現象を誘起せしめるための両極の電極を有し、前記両極の電極のうち少なくとも一方と前記希ガスの間に誘電体が介在し、前記両極の電極の間であって管軸方向に伸びる領域が光出射部となっている希ガス蛍光ランプにおいて、
前記蛍光体層は、前記発光管の内面に全周に亘って形成されており、
前記光出射部に位置する蛍光体層の膜厚が、前記光出射部以外に位置する蛍光体層の膜厚より薄くなっていることを特徴とする希ガス蛍光ランプ。 - 前記光出射部以外に位置する前記発光管の内面には、第1の蛍光体層が形成されており、
前記第1の蛍光体層の表面上と前記光出射部に位置する発光管の内面上には、第2の蛍光体層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の希ガス蛍光ランプ。
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JP2008036861A JP2009199734A (ja) | 2008-02-19 | 2008-02-19 | 希ガス蛍光ランプ |
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US8400207B2 (en) | 2009-08-26 | 2013-03-19 | Renesas Electronics Corporation | Level shift circuit, and driver and display device using the same |
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2008
- 2008-02-19 JP JP2008036861A patent/JP2009199734A/ja active Pending
-
2009
- 2009-01-20 CN CNA2009100059288A patent/CN101515535A/zh active Pending
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