以下、本発明の実施形態に係る情報提供装置について、ITS(Intelligent Transport Systems)における車載器を例にして説明する。
(実施形態1)
図1に示すように、ITSは、道路、駐車場などの車両が通行する場所の近傍に配置された路側無線装置100と、交通情報や広告などの種々の内容のディジタルデータ150を生成して路側無線装置100に供給する配信サーバ300と、車両に搭載され、路側無線装置100との間で通信してユーザ(車両の乗車者)に交通情報や広告等を提供する車載器200と、を備える。車載器200と路側無線装置100との間の通信方法は、例えば、プッシュ配信において一般的に用いられるDSRC(Dedicated Short Range Communication)である。
図2に示すように、配信サーバ300は、入力部301、出力部302、第1の通信制御部303、第2の通信制御部304、記憶装置305、制御部306、ROM(Read Only Memory)307、RAM(Random Access Memory)308、システムバス309を備える。
入力部301は、キーボード、マウス、入力インタフェース等を備え、サーバ管理者からの指示入力や種々のデータの入力等を受け付けて制御部306に入力する。
出力部302は、表示装置などから構成され、画像データやメッセージデータなどを表示する。
第1の通信制御部303は、電話回線、インターネット等の一般通信網NW1を介して外部装置と交信し、種々の情報を送受信する。
第2の通信制御部304は、ITS通信網NW2を介して各路側無線装置100に接続され、路側無線装置100に交通情報や広告などのディジタルデータ150を送信する。また、第2の通信制御部304は、各路側無線装置100が車載器200との交信などにより得た情報を、ITS通信網NW2を介して受信する。例えば、第2の通信制御部304が車載器200から受信した情報は、交通情報等を生成するために用いられる。
記憶装置305は、ハードディスク装置等を備え、受信した交通情報や広告などを示す画像データ、音声データ、テキストデータ等を格納する。また、記憶装置305は、各路側無線装置100の位置やアドレスの他、各路側無線装置100の近傍の地理情報を記憶する。
制御部306は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、配信サーバ300全体の動作を制御する。また、制御部306は、記憶装置305に格納されている各種情報に基づいて、各路側無線装置100に配信するディジタルデータ150を作成し、第2の通信制御部304を制御してITS通信網NW2を介して各路側無線装置100に配信する。なお、制御部306が配信するディジタルデータ150の構成の詳細については後述する。
ROM307は、配信サーバ300全体の動作制御に必要なオペレーティングシステム(OS)やプログラム等を記憶する。
RAM308は、制御部306のワークエリアとして機能する。
システムバス309は、上記各部の間で命令やデータを転送するための伝送経路である。
次に、路側無線装置100の構成について説明する。路側無線装置100は、典型的には道路上や駐車場等に設置されるDSRCの電波ビーコン、光ビーコン等の送受信機を備える。路側無線装置100は、DSRC方式を用いて交通情報や広告などのディジタルデータ150を周囲に発信する。路側無線装置100は、ユーザが情報を引き出す(プル)のではなく、ユーザが操作しなくてもコンテンツ提供側から自動的に情報をクライアントに送る、いわゆるプッシュ配信によって情報を配信する。路側無線装置100は、配信対象のディジタルデータ150を配信サーバ300から受信して記憶し、無線送信する。路側無線装置100の近くを通過する車両の車載器200は、路側無線装置100からこのディジタルデータ150を受信する。
配信されるディジタルデータ150には、例えば交通情報や広告などのほか、ディジタルデータ150を再生するための条件(例えばディジタルデータの再生を開始する地理的な位置)を指示するためのデータなどを含めることができる。詳細は後述する。
図3に示すように、路側無線装置100は、無線通信部101、通信制御部102、記憶装置103、制御部104、ROM105、RAM106、システムバス107を備える。
無線通信部101は、電波信号、光信号等の無線信号により路側無線装置100の近傍を通過する車両に設置された車載器200との間で情報を交信する。例えば、無線通信部101は、配信サーバ300から提供された交通情報や広告などのディジタルデータ150を車載器200に送信する。また、無線通信部101は、車載器200から送信されてくる車両ID等の情報を受信する。
通信制御部102は、ITS通信網NW2を介して配信サーバ300に接続され、配信サーバ300から送信される交通情報や広告などのディジタルデータ150を受信して記憶装置103に格納する。また、車載器200から取得した情報を配信サーバ300に送信する。
記憶装置103は、配信サーバ300から受信した交通情報や広告などのディジタルデータ150を格納する。
制御部104は、CPU等から構成され、路側無線装置100全体の動作を制御する。例えば、制御部104は、記憶装置103に格納されているディジタルデータ150を、無線通信部101を制御して車載器200にプッシュ配信する。制御部104は、無線通信部101により車載器200から取得した情報を記憶装置103に格納する。また、制御部104は、トラフィックカウンター(図示せず)などを用いて路側無線装置100周辺の交通情報を生成して記憶装置103に格納し、ITS通信網NW2を介して配信サーバ300に送信することもできる。
ROM105は、路側無線装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステム(OS)、プログラム、各種のデータを記憶する。
RAM106は、制御部104のワークエリアとして機能する。
システムバス107は、上記各部の間で命令やデータを転送するための伝送経路である。
次に、車載器200の構成について説明する。車載器200は典型的には自動車の中に設置される。本実施形態では、車載器200は、一般的なカーナビゲーション装置と一体に構成され、カーナビゲーションの機能と、路側無線装置100からプッシュ配信されたディジタルデータ150を再生する機能とを備える。ただし、カーナビゲーションの機能を備えない実施形態を採用することもできる。
車載器200は、自己の位置を判別し、また、路側無線装置100からプッシュ配信されるディジタルデータ150を受信する。例えば、車載器200は、測定された自己の位置と、受信したディジタルデータ150毎に指定される地理的な位置(再生開始位置)とが一致すると、ディジタルデータ150を再生することができるが、詳細は後述する。なお、ここで言う一致とは、位置の誤差が所定範囲内に収まっている状態も含む。
図4に示すように、車載器200は、通信部201、音声処理部202、出力部203、操作部204、I/O(Input/Output)装置205、記憶装置206、制御部207、ROM208、RAM209、システムバス210を備える。
通信部201は、GPS(Global Positioning System)モジュール201a、DSRC(Dedicated Short Range Communication)モジュール201bを含む。
GPSモジュール201aは、複数のGPS衛星からのGPS電波を受信し、制御部207に供給する。制御部207は、GPSモジュール201aを制御して、車載器200の現在位置を取得できる。位置は、例えば緯度と経度を用いて表現される。
DSRCモジュール201bは、DSRC方式により路側無線装置100と通信する。路側無線装置100を介して配信サーバ300から車載器200にデータを送信することを“ダウンリンク”と呼び、路側無線装置100を介して車載器200から配信サーバ300にデータを送信することを“アップリンク”と呼ぶ。
音声処理部202は、制御部207から入力されたディジタルオーディオ信号をD/Aコンバータ(図示せず)でアナログオーディオ信号に変換して、スピーカ222に出力する。また、音声処理部202は、マイクロフォン223から入力された音声をA/Dコンバータ(図示せず)でディジタルオーディオ信号に変換して、制御部207に入力する。制御部207に入力されたディジタルオーディオ信号は公知の音声認識技術により音声認識処理が行われる。これにより、ユーザはナビゲーション音声を聞いたり、ナビゲーションに対し音声を入力することにより所定の指示を行なったりすることができる。
出力部203は、LCD(Liquid Crystal Display)等のモニタを備え、通信部201により取得されたディジタルデータ150の再生画像、ナビゲーション画像、テレビ画像、記憶装置206等に予め記憶されたマップ画像などを表示する。
操作部204は、タッチパネル式入力装置などから構成され、ユーザによる指示入力に基づいて指示入力信号を生成して、制御部207に入力する。
I/O装置205は、DVD−ROM(Digital Versatile Disk-Read Only Memory)ドライブを含み、所定の地図情報(マップデータ)などを納めたDVD−ROMやCD−ROMからデータを読み出して制御部207に入力する。また、I/O装置205は、速度センサ、走行距離センサ、方向センサ、ブレーキセンサ等のセンサ群225の検出信号を取得し、制御部207に供給する。
記憶装置206は、ハードディスクドライブ(HDD)を備え、所定の地図情報、各種設定情報、受信したディジタルデータ150などを記憶する。なお、記憶装置206は、メモリカードなどの他のメモリを備えていてもよい。制御部207は、地図情報を記憶したDVD−ROM等の記憶媒体から随時この地図情報を読み出してもよいし、記録媒体から予めこの地図情報を読み出して記憶装置206に書き込んでおいてもよい。
制御部207は、CPU等から構成され、車載器200全体の動作を制御する。例えば、制御部207は、GPSモジュール201aを介して受信したGPS信号に基づいて、車載器200(自車)の現在位置を判別する。また、制御部207は、センサ群225に含まれている方向センサの出力をI/O装置205を介して取り込み、現在の自車の進行方向を判別する。また、制御部207は、距離センサの出力から、自車の走行距離を求める。また、制御部207は、DSRCモジュール201bを介して路側無線装置100から交通情報や広告などのディジタルデータ150を受信し、受信したディジタルデータ150に含まれている再生開始条件を指定するデータに基づいて当該ディジタルデータ150を再生する。なお、制御部207は、コプロセッサ等を備えても良い。
ROM208は、車載器200全体の動作制御に必要なオペレーティングシステム(OS)、プログラム、各種のデータを記録する。
RAM209は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、通信部201が受信したディジタルデータ150、DVD−ROMから読み出したデータ等が保持される。また、制御部207は、RAM209をワークメモリとして使用する。
システムバス210は、上記各部を相互に接続し、命令やデータを転送するための伝送経路である。
次に、路側無線装置100を介して配信サーバ300から車載器200に配信されるディジタルデータ150の構成の詳細について説明する。
図5は、配信されるディジタルデータ150の全体の概要を表す図である。ディジタルデータ150は、図6に示す事業者情報501、図7に示すコンテンツ情報502、図8に示す再生条件情報503、図9に示す有効期限情報504、図10に示す提供時間情報505、図11に示す対象地点情報506、図12に示す情報提供地点情報507、図13に示す遷移情報508、図14に示す詳細情報509、図15に示す駐車場情報510、図16に示す運転支援情報511、図17に示す嗜好情報512、図18に示す構成ID情報500、及び、拡張用予備領域513、の各項目を含む。各項目には固有のIDが予め割り当てられている。1つのディジタルデータ150は、これらの情報の一部又は全部を格納する1つの“情報グループ”とも言える。
1つのディジタルデータ150には上記各項目の全部又は一部が含まれる。つまり、配信されるディジタルデータ150は必ずしも上記各項目の全てを含まなくてもよく、ディジタルデータ150の使用目的に応じて上記各項目のうちいずれかを含むように構成すればよい。例えば、ディジタルデータ150の内容が店舗の広告であって、その店舗が駐車場を有しているかあるいは付近に利用可能な駐車場があるのであれば、駐車場情報510を含んでいることが望ましい。しかし、店舗とは無関係の駐車場内速度案内などであれば、駐車場情報510を含む必要はない。ディジタルデータ150の提供側(作成者側)は、ディジタルデータ150の使用目的に応じて、どの項目にどのような情報を格納すべきかを考慮してディジタルデータ150を作成すればよい。
次に、上記項目のそれぞれに格納される情報内容について詳しく説明する。
先ず、事業者情報501について説明する。図6は、事業者情報501に格納される情報の詳細を示す図である。
サービス事業者コード601は、当該ディジタルデータに係るサービス事業者を特定するための情報であり、必ず格納しなければならない情報である。典型的には、DSRCの運用を管理する機関が、サービス事業者毎にユニークに割り当てている。ここで言うサービス事業者とは、広告主等から受託し制作したディジタルコンテンツを、契約したユーザにDSRCにより配信する一連のサービスを行う業者のことである。
車載器200側は、サービス事業者コード601を、いわゆるスパム対策のために用いることもできる。具体的には、不正なサービス事業者コード601が付与されたディジタルデータ150や、サービス事業者コード601が付与されていないディジタルデータ150、あるいは、ユーザが契約していないサービス事業者に対応するサービス事業者コード601が付与されているディジタルデータ150などを通信部201が受信した場合、制御部207は、受信したディジタルデータ150を破棄したり、記憶装置206内の所定の迷惑データ保存領域(図示せず)に保存したりしてもよい。
また、車載器200側は、受信したディジタルデータ150に所定のサービス事業者コード601が付与されているか否かによって、受信したディジタルデータ150に対する応答を送信する(あるいは送信しない)ようにしてもよい。具体的には、車載器200の記憶装置206には、ユーザが予め契約を交わしたサービス事業者に割り当てられたサービス事業者コード601を示す情報が格納され、この格納された情報が示すサービス事業者コード601と同じサービス事業者コード601が付与されたディジタルデータ150を通信部201が受信すると、制御部207は、正常に受信したことを示す応答として、通信部201に所定のアップリンク情報を路側無線装置100へ送信させてもよい。
サービス事業者表示用文字列602は、サービス事業者名をモニタに表示してユーザに通知するために用いられるテキストデータである。文字数は、モニタに表示する際、改行せず1行で表示できる程度(例えば全角20文字程度)までであることが望ましい。
サービス事業者発話用表音文字列603は、サービス事業者名あるいはサービス名等、サービス事業者を特定できる情報を音声でスピーカに出力してユーザに通知するために用いられる音声データである。サービス事業者発話用表音文字列603は、公知のTTS(Text-to-Speech)システムを用いて音声合成するための所定のフォーマットで作成され、例えば母音、子音、発音記号、イントネーション、抑揚などを指定する情報を含む。
次に、コンテンツ情報502の詳細について、図7を用いて説明する。
情報提供企業コード701は、1つ以上のディジタルデータ150から構成されるディジタルコンテンツの提供元(スポンサー)を示すコードである。典型的には、情報提供企業コード701は、サービス事業者によって、広告主等の情報提供企業毎に予め割り当てられる。例えば車載器200の制御部207は、受信したディジタルデータ150に含まれる情報提供企業コード701を用いて、受信したディジタルデータ150の検索や削除、あるいはリスト表示した際の並び替え等を行うことができる。情報提供企業コード701を割り当てる単位は「企業」に限られず、ディジタルコンテンツを提供する任意の団体、法人、個人を単位にしてもよい。
情報提供企業表示用文字列702は、ディジタルコンテンツの提供元をモニタに表示してユーザに通知するために用いられるテキストデータである。文字数は、モニタに表示する際、改行せず1行で表示できる程度(例えば全角20文字程度)までであることが望ましい。
情報提供企業発話用表音文字列703は、ディジタルコンテンツの提供元を音声でスピーカに出力してユーザに通知するために用いられる音声データである。情報提供企業発話用表音文字列703は、サービス事業者発話用表音文字列603と同様に、TTSシステムを用いて音声合成するための所定のフォーマットで作成される。
情報コード704は、サービス事業者によって、配信するディジタルデータ150毎にユニークに割り当てられる識別符号である。識別符号は、例えば数字、文字、記号などを用いて表される。情報内容について、同一視できる範囲で更新した場合には、更新前と更新後のディジタルデータ150には、同じ識別符号が割り当てられることが望ましい。この場合、例えば、拡張用予備領域513あるいは詳細情報509にディジタルデータ150のバージョン情報を格納することとし、更新前後で同じ情報コード704を付与し、更新前後で異なるバージョン番号を付与するようにしてもよい。
車載器200の制御部207は、受信したディジタルデータ150の情報コード704(識別符号)に基づいて、当該ディジタルデータ150を保存するメモリ領域を決定する。具体的には、制御部207は、受信したディジタルデータ150からサービス事業者コード601と、情報コード704(識別符号)とを読み出し、これらと一致するディジタルデータ150が記憶装置206に保存されている否かをチェックする。その結果、該当するディジタルデータ150が保存されている場合(即ち、同じサービス事業者によって同じ識別符号が割り当てられたディジタルデータ150が存在する場合)、制御部207は、同じメモリ領域に新たに受信したディジタルデータ150を格納する(つまり、データを上書きする)。一方、該当するディジタルデータ150が保存されていない場合、制御部207は、記憶装置206の別のメモリ領域に新たに受信したディジタルデータ150を格納する。
情報表示テキスト705は、ディジタルコンテンツ名をモニタに表示してユーザに通知するために用いられるテキストデータである。テキストの文字数は、モニタに表示する際、改行せず1行で表示できる程度(例えば全角20文字程度)までであることが望ましい。典型的には、情報表示テキスト705は、ディジタルデータ150の表題(タイトル)である。ユーザは、モニタに表示される情報表示テキスト705を見て、受信したディジタルデータ150の検索や削除、あるいはリスト表示した際の並び替え等を車載器200に指示することができる。
情報表音文字列706は、ディジタルコンテンツ名を音声でスピーカに出力してユーザに通知するために用いられる音声データである。情報表音文字列706は、情報提供企業発話用表音文字列703と同様に、TTSシステムを用いて音声合成するための所定のフォーマットで作成される。
嗜好データカテゴリ707は、ディジタルデータ150を所定の分類方法でカテゴリ分けするために用いられる情報である。本実施形態では、1つのディジタルデータ150を複数のカテゴリに分類することができる。例えば、ディジタルコンテンツが“持ち帰り可能な和食レストラン”の広告である場合、そのディジタルコンテンツを構成するディジタルデータ150を、第1のカテゴリ“レストラン”、及び、第2のカテゴリ“テイクアウト”、といったように複数のカテゴリに分類してもよい。また、上位の主カテゴリ“レストラン”、及び、下位の副カテゴリ“和食”、といったようにツリー構造をもつ分類の仕方でもよい。本実施形態では、嗜好データカテゴリ707は96ビットのデータ領域から構成され、1つのカテゴリにつき1ビットが対応し、各ビットのON/OFFを設定することにより96種類のカテゴリ分けを行うことができる。ただし、このカテゴリ数は例示に過ぎず、任意の種類に分けてもよいことは言うまでもない。
例えば、車載器200の制御部207は、受信したディジタルデータ150に含まれる嗜好データカテゴリ707を用いて、受信したディジタルデータ150の検索や削除、あるいはリスト表示した際の並び替え等を行うことができる。例えば、制御部207は、記憶装置206に記憶されたディジタルデータ150の嗜好データカテゴリ707と、ユーザが予め設定した嗜好データ(ユーザの嗜好を示すデータ)とを比較して、ユーザの嗜好に適合しないカテゴリに分類されるディジタルデータ150を記憶装置206から削除することができる。
次に、再生条件情報503の詳細について、図8を用いて説明する。
表示/保存コード801は、受信したディジタルデータ150を、車載器200が下記パターンA又はパターンBのどちらの手法で扱うべきかを示す情報である。
(パターンA)ディジタルデータ150を、DSRC通信エリア外でもユーザが利用可能なディジタルコンテンツとして、記憶装置206に記憶する。
(パターンB)ディジタルデータ150を、受信後、直ちに再生する。
制御部207は、上記パターンAを採用する場合、受信したディジタルデータ150を再生しないで記憶装置206に保存しておき、ユーザから再生を開始する指示があると再生する。ただし、上記パターンBを採用する場合にも、再生後、ディジタルデータ150を記憶装置206に記憶するようにしてもよい。
再生条件コード802は、受信したディジタルデータ150の情報提供地点情報507で指定される情報提供エリア内において、車載器200がカーナビゲーションシステムによる道案内等を行っている最中であるためディジタルデータ150を再生できない(あるいは再生するに相応しくない)場合の挙動を規定する情報である。例えば、ディジタルデータ150を受信したとき、カーナビゲーションシステムによる道案内画面と音声の再生中であったり、交差点のすぐ近くを走行中であるためディジタルデータ150を再生するに相応しくないタイミングであると推定されたりした場合の挙動を示すフラグが格納される。再生条件コード802は、情報提供地点情報507で中心と半径が指定される情報提供エリア内でカーナビゲーションシステムによる道案内等を行っている等の理由でディジタルデータ150を再生できなかったとき、すなわちその道案内が終了した時点ではすでに情報提供エリアから出てしまっていたときに、そのディジタルデータ150の再生を行うか否かを指定する。
次に、有効期限情報504の詳細について、図9を用いて説明する。
ここで言う有効期限とは、車載器200がディジタルデータ150を再生することが許可される期間を指す。例えば、制御部207は、有効期限が過ぎたディジタルデータ150が記憶装置206に格納されていても再生しないようにすることができる。ただし、制御部207は、設定された有効期限に関わらず、ディジタルデータ150を再生してもよい。
開始日時901は、ディジタルデータ150の有効期限の開始日時である。終了日時902は、ディジタルデータ150の有効期限の終了日時である。
例えば開始日時901と終了日時902は、年、月、日、時、分、秒を単位として設定される。
開始日時901で指定される日時から終了日時902で指定される日時までが、ディジタルデータ150の有効期間である。つまり、ユーザは、ディジタルコンテンツを、この有効期間内においてのみ、視聴することが可能である。制御部207は、現在日時が有効期間内であればディジタルデータ150を再生してもよいが、有効期間外であれば再生しない。なお、後述するように、制御部207は、現在日時がディジタルデータ150の有効期間内であって、且つ、予め決められた再生開始条件を満たす場合に、ディジタルデータ150を再生する。
ただし、ディジタルコンテンツの中には、一旦車載器200が受信すると特に有効期限を定めずにユーザによる視聴を可能とするものがあってもよい。この場合には、開始日時901と終了日時902のデータ領域にNULL値を予め設定したり、有効期限が定められていないことを示す所定値を予め設定したりすればよい。
制御部207は、記憶装置206に記憶されたディジタルデータ150の有効期限情報504をチェックする。そして、制御部207は、現在日時が有効期間を過ぎている場合、言い換えれば、現在日時が有効期間外であって終了日時より後である場合には、このディジタルデータ150を削除することが望ましい。一方、現在日時が開始日時より前である場合には、このディジタルデータ150を削除しないことが望ましい。
次に、提供時間情報505の詳細について、図10を用いて説明する。
営業時間1001は、情報提供企業コード701で示される提供元が、予め営業時間を定めている店舗等である場合、その店舗等が営業しておりユーザにサービスを提供可能な時間帯を示す情報である。
本実施形態では、営業時間1001は、各曜日について、1時間単位で管理される。例えば、曜日毎に、0:00〜0:59、1:00〜1:59、…等の時間帯にそれぞれ1ビットを割り当て、ビットのON/OFFで営業時間内か営業時間外かを表現する。各時間帯の決め方は任意であり、15分毎、30分毎などに時間帯を区切ってそれぞれビットを割り当てるようにしてもよい。
なお、営業時間1001は、上述の有効期限情報504における開始日時901と終了日時902と同様に、営業開始時間と営業終了時間を、例えば時、分、秒を単位として記述する形式であってもよい。
制御部207は、ディジタルデータ150ごとに予め定義される再生開始条件を満たすと判別した場合であって、現在日時が営業時間1001で指定される日時に含まれる場合に、例えば後述する情報提供地点情報507に格納されるポップアップ用画像データ1205を再生してポップアップ表示させ、そうでない場合に再生しない(ポップアップ表示しない)。なお、ユーザから再生する旨の指示があった場合であって、現在日時が営業時間1001で指定される日時に含まれる場合に、例えば後述する対象地点情報506に格納されるメイン画像データ1104を再生して表示させ、そうでない場合に再生しない(表示しない)ようにすることもできる。なお、メイン画像データ1104については、現在日時が営業時間1001で指定される日時に含まれない場合でも再生してもよい。
情報提供時間1002は、ディジタルデータ150を再生してもよい時間帯を示す情報である。情報提供時間1002は、ディジタルコンテンツが、例えば提供元が午前中にのみ提供したいと希望する情報や、ランチタイムにのみ提供したいと希望する情報を含む場合などに設定される。
本実施形態では、情報提供時間1002は、営業時間1001と同様に、各曜日について、1時間単位で管理され、各時間帯にそれぞれ1ビットを割り当ててビットのON/OFFで提供時間内か提供時間外かを表現する。
例えば、広告主は、第1の時間帯(ランチタイムなど)を情報提供時間1002に設定した第1のディジタルデータと、第2の時間帯(ディナータイムなど)を情報提供時間1002に設定した第2のディジタルデータと、から構成されるディジタルコンテンツをサービス事業者に配信してもらう。このディジタルコンテンツを受信した車載器200の制御部207は、現在時刻が第1の時間帯に含まれれば第1のディジタルデータの情報提供地点情報507に含まれるデータを再生し、現在時刻が第2の時間帯に含まれれば第2のディジタルデータの情報提供地点情報507に含まれるデータを再生する。このようにすれば、車載器200は、現在時刻に相応しい情報がどれかを逐次推測してユーザに提供することができる。
次に、対象地点情報506の詳細について、図11を用いて説明する。
対象地点とは、典型的には、ユーザに商品・役務を提供する者であって、事業者情報501に規定されるサービス事業者以外の者(以下「ショップ」と呼ぶ)が、ユーザに商品・役務を提供する所定の場所のことである。ショップが店舗を構えている場合、店舗の場所を指す。ただし、対象地点として任意の地点を設定することができる。
対象地点情報506には、文字データ、画像データ、音声データが含まれる。文字データには、対象地点表示テキスト1102と表示用文字データ1103がある。画像データには、静止画像データとしてメイン画像データ1104とアイコン画像データ1111が、動画像としてビデオデータ1108がある。音声データには、TTS言語データ1105と圧縮音声データ1106がある。
対象地点情報506に含めることができる静止画像には、ユーザによる再生開始の指示があった場合に再生されるメイン画像と、ユーザによる再生開始の指示に関わらず地図などと共にナビゲーション画面に簡易表示されるアイコン画像とがある。
対象地点座標1101は、ショップの場所を緯度・経度で表した情報である。対象地点座標1101には、緯度・経度を日本測地系と世界測地系のどちらで表現するかを指定する測地系識別フラグも含まれる。車載器200の制御部207は、対象地点座標1101に緯度・経度が設定されたディジタルデータ150を再生するとき、対象地点座標1101が示す位置をカーナビゲーションによる目的地や経由地に設定するためのボタン等を出力部203にモニタへ表示させ、この位置をユーザからの指示入力に応じて目的地や経由地に設定することができる。
例えば、対象地点座標1101で指定される地図上の位置には、上述のアイコン画像が表示される。
対象地点表示テキスト1102は、ショップ名をモニタに表示してユーザに通知するために用いられるテキストデータである。テキストの文字数は、モニタに表示する際、改行せず1行で表示できる程度(例えば全角20文字程度)までであることが望ましい。
表示用文字データ1103は、ショップについての補足説明等をモニタに表示してユーザに通知するために用いられるテキストデータである。テキストの文字数は、最大でも全角1000文字程度とする。ただし、モニタに表示する文字数は、最大120文字(15文字×8行)程度までにするのが望ましいため、これを超える文字数の場合は、ページ送りやスクロール等により表示を行う。
メイン画像データ1104は、所定の画像形式、所定の画像サイズ、所定の色数で作成されたメイン画像のデータ本体である。画像形式には、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、GIF(Graphics Interchange Format)、PNG(Portable Network Graphics)、ビットマップ、などがある。操作部204がユーザから再生開始の指示を受け付けると、制御部207は、メイン画像データ1104を読み出して出力部203にモニタへ表示させる。メイン画像の表示位置は任意である。
このメイン画像データ1104には、メイン画像のフォーマットを指定する情報である画像形式識別フラグが含まれる。
TTS言語データ1105は、TTS形式で作成される発話用の音声のデータ本体である。
このTTS言語データ1105には、言語識別フラグと音声形式識別フラグが含まれる。言語識別フラグは、日本語、英語などを区別するためのフラグである。音声形式識別フラグは、日本語表音文字列、外国語表音文字列などを区別するためのフラグである。
圧縮音声データ1106は、所定の圧縮形式で作成された音声のデータ本体である。圧縮形式には、IMA−ADPCM(Interactive Multimedia Association - Adaptive Differential Pulse Code Modulation)、MP3(Moving Picture Experts Group Audio Layer-3)、AAC(Advanced Audio Coding)、CELP(Code Excited Linear Prediction)、PCM(Pulse Code Modulation)などがある。
この圧縮音声データ1106には、圧縮音声データ1106のフォーマットを指定する情報である圧縮音声形式識別フラグが含まれる。
音声再生順1107は、対象地点情報506に音声データとしてTTS言語データ1105と圧縮音声データ1106の両方が含まれている場合、どの順番で再生するかを指定する情報である。例えば、音声再生順1107には、先に圧縮音声データ1106を再生してその後TTS言語データ1105を再生することを示すフラグ値「0」、又は、先にTTS言語データ1105を再生してその後圧縮音声データ1106を再生することを示すフラグ値「1」が設定される。
例えば、TTS言語データ1105にセリフの音声を、圧縮音声データ1106にいわゆるサウンドロゴの音声を、それぞれ格納しておき、音声再生順1107にフラグ値「0」をセットしておくと、先ずサウンドロゴが再生され、その後セリフが流れる。
ビデオデータ1108は、所定の圧縮形式で作成された動画像のデータ本体である。圧縮形式には、MPEG4(Moving Picture Experts Group Layer-4)などがある。
このビデオデータ1108には、ビデオデータ1108のフォーマットを指定する情報であるビデオ形式識別フラグが含まれる。
表示用文字データ1103、メイン画像データ1104、TTS言語データ1105、圧縮音声データ1106、ビデオデータ1108を総称して「メインコンテンツデータ」と呼ぶことがある。
URL(Uniform Resource Locator)1109は、インターネット上のウェブページを指定する記述子を格納する。典型的には、ショップが開設しているウェブページを指定する記述子であるが、記述子による指定先(リンク先)は限定されない。URL1109が設定されているディジタルデータ150を再生する場合、制御部207は、URL1109に設定されたリンク先にページをジャンプするためのボタンを表示させ、ユーザの要求に応じてページをジャンプさせることができる。
提携駐車場情報1110は、ショップが提携している駐車場に関する情報であり、後述する駐車場情報510の駐車場ID1501を用いて表される。例えば、ショップが提携している駐車場がある場合、その駐車場の固有の駐車場ID1501を提携駐車場情報1110に格納する。
アイコン画像データ1111は、所定の画像形式、所定の画像サイズ、所定の色数で作成されたアイコン画像のデータ本体である。車載器200の記憶装置206には、地図記号、道路標識などを表す画像を予め記憶しているが、ショップが独自のアイコン画像をナビゲーション画面等に表示させたい場合には、アイコン画像データ1111をディジタルデータ150に格納して配信することもできる。
なお、対象地点情報506に、対象地点表示テキスト1102、メイン画像データ1104、TTS言語データ1105(又は圧縮音声データ1106)、ビデオデータ1108のうち2つ以上が含まれている場合、制御部207は、それらのデータの再生を同じタイミングで開始することが望ましい。
次に、情報提供地点情報507の詳細について、図12を用いて説明する。
情報提供地点情報507には、対象地点情報506と同様に、再生用の画像データと音声データが含まれる。対象地点情報506に格納される画像データと音声データは、主にユーザによる再生開始の指示があったときに再生される。これに対し、情報提供地点情報507に格納される画像データと音声データは、主に車載器200が再生地点に到達したときに再生される。
再生地点は、情報提供地点情報507に格納された音声データ、画像データの再生を開始する場所のことである。例えば、車載器200が静止画像データを格納したディジタルデータ150を受信し、この車載器200を搭載した車両が再生地点に到達すると、車載器200のモニタには静止画像データがポップアップ表示される。言い換えれば、車両が再生地点に到達しないと静止画像データはポップアップ表示されない。ただし、後述するように、車両が再生地点に到達したにも関わらず、何らかの理由により再生できなかった場合には、ユーザから再生する指示があったときに再生することができる。
本実施形態では、再生地点として最大5箇所の場所を指定することができる。ただし、4箇所以下、あるいは、6箇所以上の場所を指定できる実施形態を採用することもできることは言うまでもない。
再生地点は、緯度・経度で表される。再生地点は、1つの緯度・経度に対応する点を、いわばピンポイントで指定することができるだけでなく、ある程度の広さをもつ領域(以下「情報提供エリア」と呼ぶ)として指定することもできる。本実施形態では、緯度・経度で指定される地点を中心とし、所定距離を半径とする円で含まれる情報提供エリア内を、再生地点とすることができる。つまり、車載器200を搭載した車両がこの情報提供エリア内のどこかに入れば、ディジタルデータ150が再生される。
なお、情報提供エリアの形状は円に限られず、楕円、四角形など、任意の図形で囲まれる領域であってもよい。
情報提供中心座標1201は、情報提供エリアの中心座標であり、緯度・経度を用いて表される。情報提供中心座標1201には、対象地点座標1101と同様に、緯度・経度を日本測地系と世界測地系のどちらで表現するかを指定する測地系識別フラグも含まれる。
情報提供半径1202は、情報提供エリアを定める円の半径であり、メートルを単位として表される。
1組の情報提供中心座標1201と情報提供半径1202によって、1つの情報提供エリアが定まる。
ディジタルデータ150に情報提供中心座標1201が含まれ且つ情報提供半径1202が含まれない場合、再生地点は、情報提供中心座標1201で指定される地点である。車載器200を搭載した車両がこの地点を通過すれば、ディジタルデータ150が再生される。
情報提供方向1203は、緯度や経度などを用いて、あるいは、例えば東西南北や16方位程度のおおまかな方向を用いて表される。情報提供方向1203が設定されているディジタルデータ150は、車載器200が再生地点を情報提供方向1203が示す方向に移動している場合に再生される。つまり、車載器200が再生地点を情報提供方向1203が示す方向ではない方向に移動している場合には再生されない。
ただし、左右22.5度程度の反応角度を設定し、自車の進行方向と情報提供方向1203が示す方向との差が反応角度以内であれば、両者は一致するとみなして、ディジタルデータ150を再生することが望ましい。
なお、制御部207は、センサ群225が備える方向センサを用いて自車の進行方向を判別することができる。また、方向センサを備えなくても、制御部207は、ある時刻T1における自車の位置と、別の時刻T2における自車の位置とを結ぶ方向ベクトルから自車の進行方向を判別することもできる。
情報提供道路種別1204は、一般道路、高速道路、一方通行など、道路の種別を表す情報である。情報提供道路種別1204が設定されているディジタルデータ150は、車載器200が情報提供道路種別1204の示す道路を通過する場合に再生される。つまり、車載器200が再生地点に到達しても、情報提供道路種別1204の示す道路ではない道路を通過する場合には再生されない。
上記の情報提供中心座標1201、情報提供半径1202、情報提供方向1203、情報提供道路種別1204のうちいずれか1つ、もしくは、これらのうち2つ以上の組み合わせによって、ディジタルデータ150の再生開始条件が設定される。ショップ(又はサービス事業者)は、自由に再生開始条件を設定することができる。例えば、情報提供中心座標1201と情報提供半径1202と情報提供方向1203が設定されている場合、これら3つの条件を全て満たすこと(論理積;AND)が再生開始条件となる。例えば、情報提供中心座標1201と情報提供半径1202が設定され情報提供方向1203が設定されていない場合、情報提供中心座標1201と情報提供半径1202の2つの条件を満たすこと(AND)が再生開始条件となる。つまり、制御部207は、情報提供中心座標1201、情報提供半径1202、情報提供方向1203、情報提供道路種別1204のうち設定されているもの同士の論理積をとって、再生開始条件とする。
ポップアップ用画像データ1205は、所定の画像形式、所定の画像サイズ、所定の色数で作成された画像データ本体である。画像形式には、JPEG、GIF、PNG、ビットマップ、などがある。画像サイズは、典型的にはメイン画像データ1104よりも小さいサイズである。制御部207は、所定の再生開始条件が満たされたと判別すると、ポップアップ用画像データ1205を読み出して出力部203にモニタへ表示させる。画像の表示位置は任意であるが、典型的には画面の中央付近である。ポップアップ用画像データ1205には、メイン画像データ1104と同様に、画像のフォーマットを指定する情報である画像形式識別フラグが含まれる。
ポップアップ用TTS言語データ1206は、TTS形式で作成される発話用の音声のデータ本体である。ポップアップ用TTS言語データ1206には、TTS言語データ1105と同様に、言語識別フラグと音声形式識別フラグが含まれる。
ポップアップ用圧縮音声データ1207は、所定の圧縮形式で作成された音声のデータ本体である。圧縮形式には、IMA−ADPCM、MP3、AAC、CELP、PCMなどがある。ポップアップ用圧縮音声データ1207には、圧縮音声データ1106と同様に、ポップアップ用圧縮音声データ1207のフォーマットを指定する情報である圧縮音声形式識別フラグが含まれる。
ポップアップ用画像データ1205、ポップアップ用TTS言語データ1206、ポップアップ用圧縮音声データ1207を総称して「ポップアップ用コンテンツデータ」と呼ぶことがある。
音声再生順1208は、音声再生順1107と同様に、情報提供地点情報507に音声データとしてポップアップ用TTS言語データ1206とポップアップ用圧縮音声データ1207の両方が含まれている場合、どの順番で再生するかを指定する情報である。
1つの再生地点には、1組の情報提供中心座標1201と情報提供半径1202と情報提供方向1203と情報提供道路種別1204とポップアップ用画像データ1205とポップアップ用TTS言語データ1206とポップアップ用圧縮音声データ1207と音声再生順1208の組み合わせ(再生地点データ)が対応付けられる。上述のように、本実施形態では、1つのディジタルデータ150につき、最大で5つの再生地点を設定することができ、それぞれの再生地点ごとに再生地点データを格納できる。
例えば、ショップのある場所に上り車線を通って接近する場合と下り車線を通って接近する場合とで、上り車線用の駐車場案内と下り車線用の駐車場案内といったように異なるディジタルコンテンツをユーザの手を煩わすことなく視聴してもらうことが可能である。
情報提供地点情報507に、ポップアップ用画像データ1205とポップアップ用TTS言語データ1206(又はポップアップ用圧縮音声データ1207)の両方が含まれている場合、制御部207は、これらのデータの再生を同じタイミングで開始することが望ましい。
図19(a)は、ポップアップ表示される画面の構成例である。制御部207は、情報提供地点情報507が格納されているディジタルデータ150を受信し、再生開始条件が満たされたと判別すると、ポップアップ用画像データ1205とポップアップ用TTS言語データ1206とポップアップ用圧縮音声データ1207とを再生する。モニタにはポップアップ画像1901が表示され、スピーカからは再生音が出力される。例えば、ポップアップ用圧縮音声データ1207にショップのジングルが格納され、ポップアップ用TTS言語データ1206にショップの名前等を発音する音声が格納され、音声再生順1208にはポップアップ用圧縮音声データ1207、ポップアップ用TTS言語データ1206の順に再生する旨の情報が格納されているとする。この場合、制御部207は、先ずショップのジングルを再生し、その後、ショップの名前を発音する音声を再生する。
上述の説明では、ポップアップ用コンテンツデータとしてポップアップ用画像データ1205、ポップアップ用TTS言語データ1206、ポップアップ用圧縮音声データ1207の全てがディジタルデータ150に格納されていることを前提にしているが、ポップアップ用画像データ1205のみ、あるいはポップアップ用TTS言語データ1206のみ等、これら全てを有していない場合もある。
制御部207は、図19(b)に示すように、ポップアップで表示された情報より更に詳しい情報を再生する旨の指示入力をユーザから受け付けるボタン1902と、ポップアップ画像1901に対応するディジタルデータ150をお気に入りグループに追加する旨の指示入力をユーザから受け付けるボタン1903と、ポップアップで表示された画像に対応するショップをカーナビゲーションシステムによる目的地あるいは経由地に設定する旨の指示入力をユーザから受け付けるボタン1904と、を表示させてもよい。
以下の説明では、ボタンが表示されている画像領域に相当するタッチパネル部分がユーザにより押下されることを、単に「ボタンが押下される」と表現する。
ボタン1902が押下された場合、制御部207は、ポップアップで再生したディジタルデータ150の対象地点情報506に格納されているメインコンテンツデータ(つまりメイン画像データ1104、TTS言語データ1105、圧縮音声データ1106、ビデオデータ1108)を再生する。ただし、制御部207は、車載器200を搭載している車両が走行中でなければ再生を許可し、走行中である場合には再生を許可しないこととする。制御部207は、速度センサ、走行距離センサ、方向センサ、ブレーキセンサ等のセンサ群225からの検出信号から、車両が走行中か否かを判断すればよい。制御部207は、車両が走行中の場合、ボタン1902を表示させないか、あるいはボタン1902をグレーで表示し、ユーザによる押下を受け付けないようにする。なお、メインコンテンツデータは、メイン画像データ1104、TTS言語データ1105、圧縮音声データ1106、ビデオデータ1108のすべてを有する場合もあるが、これらのうちの1つのみを有する場合や、これらのうち2つ以上を有する場合もある。
また、ボタン1903が押下された場合、制御部207は、ボタン1903が押下されたときにポップアップ表示していたディジタルデータ150からサービス事業者コード601と、情報コード704(識別符号)とを読み出し、読み出したこれらの情報を、お気に入りグループに追加するディジタルデータ150のインデックス(以下、インデックス情報という。)として、記憶装置206に記憶させる。詳細は後述するが、制御部207は、このように記憶したインデックス情報に基づいて、お気に入りグループに属するディジタルデータ150のリストを表示させることができる。そして、ユーザにより所望のディジタルデータ150が選択されると、制御部207は、選択されたディジタルデータ150の再生を開始する。
また、ボタン1904が押下された場合、制御部207は、ポップアップで再生したディジタルデータ150に格納されている対象地点座標1101で示される位置を、カーナビゲーションシステムによる目的地あるいは経由地に設定する。ただし、ディジタルデータ150に対象地点座標1101が格納されていない場合、制御部207は、ボタン1904を表示させないか、あるいはボタン1904をグレーで表示し、ユーザによる押下を受け付けないようにする。
次に、遷移情報508の詳細について、図13等を用いて説明する。
次再生情報コード1301は、車載器200が対象地点情報506に格納される画像データ等を再生しているとき、ユーザが次に再生を指示することができるディジタルデータ150を指定する情報であり、コンテンツ情報502の情報コード704に用いられる識別符号で表現される。本実施形態では、1つのディジタルデータ150は、最大で8個の次再生情報コード1301を格納することができる。ただし、7個以下、あるいは、9個以上の次再生コード1301を指定できる実施形態を採用することもできることは言うまでもない。
図20(a)〜(c)、図21(a),(b)、及び、図22(a),(b)は、記憶装置206に予め格納された画像データに基づいて制御部207が生成した画像データや、ディジタルデータ150に格納されている画像データを、制御部207が再生してモニタに表示したときの画面の構成例である。本例は、あるレストランが提供するディジタルコンテンツを再生したときの画面遷移を表している。例えばディジタルコンテンツは、N個のディジタルデータ150(第1ディジタルデータ、第2ディジタルデータ、第3ディジタルデータ、…、第Nディジタルデータ)から構成される。これらの図を使って、画面遷移について説明する。
ユーザによるディジタルコンテンツの再生開始の指示があると、制御部207は、先ず、最初に再生することが予め指定されている画像データ等を再生する。例えば図20(a)に示すように、制御部207は、カーナビゲーションシステムを起動するか、あるいは、DSRCを使った情報提供システム(以下、単に「DSRCシステム」と呼ぶ)を起動するか、の選択を受け付ける車載器トップ画面を表示させる。車載器トップ画面用の画像データや音声データ等は、記憶装置206に予め記憶されている。なお、車載器200がカーナビゲーションシステムを備えていない実施形態を採用するのであれば、車載器トップ画面をスキップし、後述する図20(b)の画面を最初に表示してもよい。
図20(a)において、DSRCシステムを起動する旨の指示入力をユーザから受け付けた場合、制御部207は、図20(b)に示すように、DSRCシステムのメインメニューに画面を遷移させる。ここで再生される画像データや音声データ等は記憶装置206に予め記憶されている。この画面からは、例えば、DSRCシステムの初期設定等を行うためのセットアップ画面、リアルタイムで路側無線装置100から配信される交通情報を取得する画面、ショップから提供されるディジタルコンテンツを視聴する画面(エンターテイメント)、などに遷移できる。なお、カーナビゲーションシステムを起動する旨の指示入力を受け付けた場合、制御部207は、カーナビゲーション用の画面に遷移させるが、これ以降の画面遷移の詳細については省略する。
図20(b)において、“エンターテイメント”が選択されると、制御部207は、図20(c)に示すように、サービス事業者の選択をユーザから受け付ける画面に遷移させる。ここで再生される画像データや音声データ等は記憶装置206に予め記憶されている。例えば、ユーザが予め契約したサービス事業者の一覧が表示される。なお、制御部207は、ユーザが未契約のサービス事業者を、契約済みのサービス事業者との区別を明瞭にした上で合わせて表示させ、未契約のサービス事業者が選択された場合、契約手続き画面に遷移させるようにしてもよい。
図20(c)において、いずれかのサービス事業者が選択されると、制御部207は、図21(a)に示すように、選択されたサービス事業者のトップメニューの画面データをメイン画像データ1104に格納している第1ディジタルデータを再生する。例えば、トップメニューからは、サービス事業者Aと提携しているショップのページに遷移可能である。第1ディジタルデータの次再生情報コード1301には、例えばそれぞれのショップのトップページを構成するディジタルデータ150を指定する識別符号など、最大で8個の遷移先のディジタルデータ150を指定する識別符号が格納される。
制御部207は、それぞれのページに画面を遷移させるためのボタン2101,2102,2103を出力部203に表示させる。例えば、ボタン2101,2102,2103のいずれかが押下されると、制御部207は、押下されたボタンに対応付けられたディジタルデータ150を再生し、画面遷移させる。また、制御部207は、ディジタルコンテンツの再生を終了する旨の指示入力を受け付けるボタン2109を表示させる。ボタン2109が押下されると、制御部207は、ディジタルデータ150の再生を終了する。
また、制御部207は、上述したように、ディジタルデータ150に対象地点情報506の対象地点座標1101が格納されている場合、対象地点座標1101をカーナビゲーションシステムによる道案内の目的地あるいは経由地に設定することができる。例えば、対象地点座標1101で示される位置をカーナビゲーションシステムによる道案内の目的地あるいは経由地に設定するためのボタン2110が押下された場合、制御部207は、対象地点座標1101で示される位置を目的地あるいは経由地に設定する。
また、制御部207は、再生中の画面を後でユーザがすぐに再生できるように、お気に入りグループに追加するためのボタン2111を表示させてもよい。
すなわち、制御部207は、ボタン2111が押下されたときに再生していたディジタルデータ150からサービス事業者コード601と、情報コード704(識別符号)とを読み出し、読み出したこれらの情報をインデックス情報として、記憶装置206に記憶させる。後述するように、制御部207は、このように記憶したインデックス情報に基づいて、お気に入りグループに属するディジタルデータ150のリストを表示させることができる。そして、ユーザにより所望のディジタルデータ150が選択されると、制御部207は、選択されたディジタルデータ150の再生を開始する。このようにお気に入りグループに追加することで、ユーザは、所望のディジタルデータ150の内容を後で容易に視聴することができる。
図21(a)において、例えばボタン2102が押下されると、制御部207は、“ショップ××”ページのディジタルデータ150(第2ディジタルデータ)を再生して、図21(b)に示すような“ショップ××”ページに画面を遷移させる。
第2ディジタルデータの次再生情報コード1301には、例えば“本日のおすすめ”ページのディジタルデータ150を指定する識別符号、“麺類”ページのディジタルデータ150を指定する識別符号、(以下同様)など、最大で8個の遷移先のディジタルデータ150を指定する識別符号が格納される。ボタン2101乃至2108には、“本日のおすすめ”ページのディジタルデータ150を指定する識別符号、“麺類”ページのディジタルデータ150を指定する識別符号、(以下同様)など、次再生情報コード1301に指定された識別符号がそれぞれ新しく対応付けられる。
図21(a)の画面から図21(b)の画面に遷移させる際、選択されたショップのディジタルコンテンツを構成するディジタルデータ150の中に、TTS言語データ1105と圧縮音声データ1106と音声再生順1107とが格納されているディジタルデータ150(典型的には選択されたショップのトップ画面に対応するディジタルデータ150)が存在する場合、制御部207は、画面を遷移させるとともに、音声をスピーカから出力させる。例えば、圧縮音声データ1106にショップのジングルが格納され、TTS言語データ1105にショップの名前等を発音する音声が格納され、音声再生順1107には圧縮音声データ1106、TTS言語データ1105の順に再生する旨の情報が格納されているとする。この場合、制御部207は、先ずショップのジングルを再生し、その後、ショップの名前を発音する音声を再生する。なお、制御部207は、図21(a)や図21(b)の画面のディジタルデータ150に限らず、任意のディジタルデータ150について、画面の遷移とともに音声を再生することができる。
図21(b)において、例えばボタン2103が押下されると、制御部207は、“定食”ページのディジタルデータ150(第3ディジタルデータ)を再生して、図22(a)に示すような“定食”ページに画面を遷移する。
第3ディジタルデータには、例えば“○○定食”ページのディジタルデータ150を指定する識別符号、“××定食”ページのディジタルデータ150を指定する識別符号、…(以下同様)、など5個の識別符号が格納されている。そして、ボタン2101乃至2105には、“○○定食”ページのディジタルデータ150を指定する識別符号、“××定食”ページのディジタルデータ150を指定する識別符号、(以下同様)が新しく対応付けられる。
図22(a)において、例えばボタン2105が押下されると、制御部207は、“サラダ・ドリンク付き”ページのディジタルデータ150(第4ディジタルデータ)を再生して、図22(b)に示すような“サラダ・ドリンク付き”ページに画面を遷移する。
第4ディジタルデータには、例えば“○○定食”ページのディジタルデータ150を指定する識別符号など、4個の識別符号が格納されている。そして、ボタン2101乃至2104には、“○○定食”ページのディジタルデータ150を指定する識別符号などが新しく対応付けられる。つまり、“○○定食”ページには、図22(a)に示す画面からたどり着くこともできるし、図22(b)に示す画面からたどり着くこともできる。
なお、図21(a)に示すようなサービス事業者のトップページは、各ショップのトップ画面にリンクするページに限定されない。例えば、ショップ毎に分類せず、図22(b)に示すようなショップ内の任意のディジタルデータ150に直接リンクするページであってもよい。また、各ショップのトップページへのリンクと、個別のディジタルデータ150のページへのリンクとが混在する画面でもよい。
例えば、サービス事業者が、ショップ(テナント)が入っていないデパートである場合、図21(a)に示すショップの選択画面を省略し、図20(c)に示すサービス事業者選択ページから図21(b)に示すようなページに遷移させればよい。この場合、図21(b)において、“ショップ”のトップページを、“サービス事業者”のトップページに置き換えればよい。
例えば、サービス事業者が、ショップが入っていて且つ自らも商品・役務を提供するようなショッピングセンターである場合、図21(a)に示すサービス事業者のトップページには、サービス事業者自らが提供するページのディジタルデータ150へのリンクと、ショップが提供するディジタルデータ150へのリンクの両方を含めることができる。
このように、次再生情報コード1301を用いれば、ディジタルコンテンツを構成する複数のディジタルデータ150の間で複雑に入り組んだ関連性を保ちつつ、ユーザが視聴したいページに簡単にたどり着けるように構成することができる。
本実施形態では、遷移先のディジタルデータ150を指定する識別符号が対応付けられていないボタンは表示されない。ただし、遷移先のディジタルデータ150を指定する識別符号が対応付けられている他のボタンとの視覚的な区別が容易な程度に、例えばグレーや影付きで表示することとしてもよい。
遷移情報508を設定することによって、複数のディジタルデータ150から構成されるディジタルコンテンツにおいて、ショップの意図通りに画面を遷移させることができる。また、ユーザは自分の見たいページまで簡単にたどり着けるようになり好都合である。遷移情報508は、分岐型の画面遷移を実現するために好適である。
次に、詳細情報509の詳細について、図14を用いて説明する。
詳細情報509は、ディジタルコンテンツが複数のディジタルデータ150から構成される場合、もしくは、記憶装置206に複数のディジタルデータ150が記憶されている場合、ユーザがいち早く所望のページを探し出せるように、検索を容易にするための情報である。本実施形態では、最大で8個の詳細情報509を設定することができる。ただし、7個以下、あるいは、9個以上の詳細情報509を指定できる実施形態を採用することもできることは言うまでもない。
詳細情報データ1401は、ディジタルデータ150の内容を端的に表現するキーワードを格納する。キーワードは、任意の文字、数字、記号等を用いて設定される。1つのキーワードは、長くても全角20文字程度に収めることが望ましい。
詳細情報表示用文字列1402は、上記キーワードをモニタに表示するときに用いる文字列データである。
詳細情報発話用表音文字列1403は、上記キーワードを音声で出力するときに用いる発話用TTSデータである。
詳細情報509を設定することによって、ユーザは自分の見たいページを簡単に探し出せるようになり好都合である。詳細情報509は、いわゆる串刺し検索を実現するために好適である。例えば、車載器200の電源を投入したときのトップページ等に検索ボタンを設け、ユーザから任意の文字列等の入力を受け付ける。車載器200は、受け付けた文字列等と一致するキーワードが詳細情報509に格納されているディジタルデータ150を検索してリスト表示する。リスト表示されたページの中からいずれかがユーザにより選択されると、車載器200は、選択されたページにジャンプする。
本実施形態では1つのディジタルデータ150につき8個の詳細情報509を格納できるので、8個のキーワードを設定することが可能である。しかし、詳細情報データ1401の記載形式を工夫することで、更に多くのキーワードを設定することもできる。
例えば、詳細情報データ1401に、キーワードの区切りを表す所定の記号(例えば“_”)を挟んで、「和食_わしょく_わしよく」のような形式でキーワードを設定する。制御部207は、所定の記号が含まれる場合、その記号の位置がキーワードの切れ目であると判断し、複数のキーワードが設定されているものとみなす。この例では、制御部207は、“和食”と“わしょく”と“わしよく”のすべてがキーワードとなる。このように、いわゆるあいまい検索も可能である。
例えば、詳細情報データ1401にキーワード“クーポン”を設定したディジタルデータ150と、設定していないディジタルデータ150とを配信する。車載器200の制御部207は、ユーザの指示により、キーワード“クーポン”が設定されているディジタルデータ150のみを抽出してモニターに表示させることができる。
なお、詳細情報データ1401のデータ領域として、所定のnビット(nは1以上の整数)を確保し、それぞれのビットに所定のキーワードを予め対応付けておき、それぞれのビットのON/OFFでキーワードを設定するようにしてもよい。例えば、「クーポン」と「新着」と「更新」の3つのキーワードに1ビットずつ割り当てておき、それぞれのビットを1又は0にセットする。ビットの値が"101"であれば、キーワード「クーポン」と「更新」が設定されていることと実質的に同じになる。
次に、駐車場情報510の詳細について、図15を用いて説明する。
駐車場情報510は、ショップの近くに存在する駐車場を案内するための駐車場データを格納する。本実施形態の情報提供装置(車載器200)は自動車等の車両に搭載されるため、ユーザがショップに立ち寄る(ユーザにショップへ立ち寄ってもらう)ためには駐車場に関する情報が重要である。
駐車場ID1501は、駐車場ごとにユニークに割り当てられた記号、番号である。
駐車場詳細情報1502は、駐車場ID1501が示す駐車場に関する詳しい情報を格納する。駐車場の名称や座標等の静的情報は、駐車場ID1501と共に、車載器200の記憶装置206に地図データベースとして保存されている。一方、満空情報や料金の割引情報、予約の可否、営業時間等の動的情報が、駐車場詳細情報1502として格納されている。
駐車場特記事項1503は、駐車場詳細情報1502のほかに追加すべき情報がある場合に設定される。駐車場特記事項1503には、「本日お祭り開催のため混雑が予想されます」などといったような駐車場詳細情報1502で表現できない内容を記載できる。
駐車場情報発話用表音文字列1504は、駐車場詳細情報1502及び/又は駐車場特記事項1503を音声で出力するときに用いる発話用TTSデータである。
1組の駐車場ID1501、駐車場詳細情報1502、駐車場特記事項1503、駐車場情報発話用表音文字列1504が、1つの駐車場に割り当てられる。本実施形態では、最大で127箇所の駐車場情報を提供できる。ただし、126箇所以下、あるいは、128箇所以上の駐車場情報を指定できる実施形態を採用することもできることは言うまでもない。
記憶装置206は、駐車場IDと、駐車場の場所(緯度・経度)を示す情報とを対応付けて予め記憶する。制御部207は、この記憶装置206に記憶された情報から、駐車場ID1501が示す駐車場の位置を取得できる。制御部207は、取得した駐車場の位置を、ユーザの指示により、カーナビゲーションにおける目的地あるいは経由地に設定することができる。
次に、運転支援情報511の詳細について、図16を用いて説明する。
駐車場の位置は緯度・経度を用いて表現されるため、2次元マップを用いてナビゲーションを行うと、モニタには駐車場のある場所が平面的に表示される。しかし、地下駐車場や立体駐車場の場合には、緯度・経度だけでは充分に場所を案内できない可能性がある。運転支援情報511は、駐車場付近を運転する際の補助となる情報である。運転支援情報511が格納されるディジタルデータ150は、駐車場付近に設置された路側無線装置100から、表示/保存コード801で「表示する」(上述のパターンB)と指定されたディジタルデータ150として送信され、制御部207は、このディジタルデータ150を受信すると、直ちに再生する。
例えば、駐車場P1の近くに設置されている路側無線装置100は、駐車場P1内の道案内や、駐車場P1周辺の交通案内(例えば細い路地など視界が良くない場所等における「駐車場はこの先まっすぐ行ったところにあります」といった案内)を運転支援情報511に格納しているディジタルデータ150を配信する。このディジタルデータ150を受信した車載器200の制御部207は、運転支援情報511を用いて直ちに注意を促す画像や音声を出力させる。
運転支援画像データ1601は、所定の画像形式、所定の画像サイズ、所定の色数で作成された画像データ本体である。画像形式には、JPEG、GIF、PNG、ビットマップ、などがある。制御部207は、運転支援情報511を格納しているディジタルデータ150を受信すると、運転支援画像データ1601を読み出して出力部203にモニタへ表示させる。運転支援画像データ1601には、メイン画像データ1104と同様に、画像のフォーマットを指定する情報である画像形式識別フラグが含まれる。
運転支援発話用表音文字列1602は、TTS形式で作成される発話用の音声のデータ本体である。運転支援発話用表音文字列1602には、TTS言語データ1105と同様に、言語識別フラグと音声形式識別フラグが含まれる。
運転支援圧縮音声データ1603は、所定の圧縮形式で作成された音声のデータ本体である。圧縮形式には、IMA−ADPCM、MP3、AAC、CELP、PCMなどがある。運転支援圧縮音声データ1603には、圧縮音声データ1106と同様に、運転支援圧縮音声データ1603のフォーマットを指定する情報である圧縮音声形式識別フラグが含まれる。
音声再生順1604は、音声再生順1107と同様に、運転支援情報511に音声データとして運転支援発話用表音文字列1602と運転支援圧縮音声データ1603の両方が含まれている場合、どの順番で再生するかを指定する情報である。
1組の運転支援画像データ1601、運転支援発話用表音文字列1602、運転支援圧縮音声データ1603、音声再生順1604が、1つの運転支援情報となる。
次に、嗜好情報512の詳細について、図17を用いて説明する。
嗜好情報512は、サービス事業者(配信サーバ300)がユーザの嗜好する情報を選択して配信するために利用される。嗜好情報512は、サービス事業者が配信する情報(ディジタルデータ150)を複数項目(例えば、最大128項目)に分類して示すデータテーブル(嗜好データテーブル)であり、サービス事業者によって予め決められる。嗜好データテーブルは、サービス事業者によって随時更新可能である。
配信サーバ300は、例えば、契約したユーザの車載器200から初めてアップリンク情報が送信された場合や、初回ではないものの車載器200からのアップリンク情報に含まれる嗜好情報512のバージョン(嗜好情報バージョン1701)が異なる(古い)場合等に、嗜好情報512を格納しているディジタルデータ150を車載器200に送信する。
嗜好情報バージョン1701は、嗜好情報512(即ち、嗜好データテーブル)のバージョンである。サービス事業者は、嗜好データテーブルを更新する際には、嗜好情報バージョン1701も更新する。
嗜好情報表示用文字列1702は、分類項目に対応する所定の文字列をモニタに表示するときに用いる文字列データである。
嗜好情報発話用表音文字列1703は、分類項目に対応する所定の文字列を音声で出力するときに用いる発話用TTSデータである。
嗜好情報表示用ネスト1704は、嗜好情報表示用文字列1702に格納される文字列を表示する際のネストの深さを示す数値である。
図23は、嗜好情報512の内容をモニタに表示した際の画面の一例である。例えば、分類項目「暮らし」は、更に「病院」と「ロードサービス」の2つの項目に分類される。この場合、分類項目「病院」のネストは、「暮らし」の2階層目である。仮に、分類項目「暮らし」の嗜好情報表示用ネスト1704が“0”であると、分類項目「病院」の嗜好情報表示用ネスト1704は“1”となる。
それぞれの分類項目には、所定の分類コードが予め割り当てられている。例えば、「暮らし」に分類コード=1、「病院」に分類コード=2、「小児科」に分類コード=3、といった具合である。本実施形態では、ディジタルデータ150を最大で128種類に分類できる。ただし、127種類以下、あるいは、129種類以上に分類する実施形態を採用することもできることは言うまでもない。
例えば、ユーザは、図23に示す画面において、所望の分類項目にチェックマークをつける等して、サービス事業者に配信して欲しい情報を選択することができる。制御部207は、その選択結果を嗜好データとして、記憶装置206に保存する。また、制御部207は、アップリンク情報に更新された嗜好データを格納して、配信サーバ300に送信する。配信サーバ300は、受信した嗜好データに基づいて、ディジタルデータ150を構築し、当該ユーザ(車載器200)に配信する。
また、路側無線装置100は、車載器200からアップリンクされた嗜好データを用いて、嗜好データに合致する内容のディジタルデータ150のみ抽出して車載器200に配信してもよい。
なお、嗜好情報バージョン1701に指定されるバージョンが変わった場合、すなわち、嗜好データテーブルのバージョンが変わった場合、制御部207は、現在記憶装置206に記憶している嗜好データを一時待避させ、新しい嗜好データテーブルを初期値で記憶装置206に記憶させた後、一時待避させた嗜好データを上書きして反映させることが望ましい。これにより、ユーザに再び嗜好データを設定し直させるような手間をかけずに済む。
次に、構成ID情報500の詳細について、図18を用いて説明する。
構成ID情報500は、ディジタルデータ150に、上述の事業者情報501、コンテンツ情報502、再生条件情報503、有効期限情報504、提供時間情報505、対象地点情報506、情報提供地点情報507、遷移情報508、詳細情報509、駐車場情報510、運転支援情報511、及び、嗜好情報512の各項目が、それぞれ格納されているか否かを示す情報である。
本実施形態では、各項目に予め割り当てられているIDは2バイトの数値で表現される。構成ID情報500には、ディジタルデータ150に含まれている項目に対応するIDを、数値の小さい順に羅列して格納されている。
例えば、構成ID情報500に、“010203040510”が格納されている場合、このディジタルデータ150には、事業者情報501(ID=01)、コンテンツ情報502(ID=02)、再生条件情報503(ID=03)、有効期限情報504(ID=04)、提供時間情報505(ID=05)、及び、対象地点情報506(ID=10)が格納されていることを意味する。
なお、構成ID情報500に格納するデータの形式は、この手法に限定されない。例えば、上記14項目のそれぞれに1ビットずつ割り当て、格納されているのであれば対応するビットを"1"に、格納されていないのであれば対応するビットを"0"にする、といった形式でもよい。
以上のように構成されたディジタルデータ150を受信し、再生することでユーザに情報を提供する本実施形態の車載器200は、再生中のディジタルデータ150をお気に入りグループに追加し、後ですぐに再生できるようにする機能(お気に入り追加・再生機能)を有する点に特徴を有する。以下、かかる特徴について詳細に説明する。
先ず、お気に入り追加機能について説明する。図24は、車載器200の制御部207が実行するお気に入り追加処理を説明するためのフローチャートである。例えば、受信したディジタルデータ150の再生において、図25に示すクーポン画像がモニタに表示されているとする。このとき、ユーザによりボタン2111が押下されると(ステップS2401でYES)、制御部207は、当該ディジタルデータ150からインデックス情報として、サービス事業者コード601と、情報コード704(識別符号)とを取得する(ステップS2402)。
制御部207は、取得したインデックス情報をお気に入りグループテーブルに格納する(ステップS2403)。お気に入りグループテーブルは、インデックス情報を格納するためのデータテーブルであり、記憶装置206に保存されている。
続いて、お気に入り再生機能について説明する。図26は、制御部207が実行するお気に入り再生処理を説明するためのフローチャートである。先ず、制御部207は、記憶装置206に記憶されているお気に入りグループテーブルを参照して、お気に入りグループに属するディジタルデータ150のリスト(お気に入りコンテンツのリスト)を出力部203にモニタへ表示させる(ステップS2601)。
例えば、図27(a)に示すように、制御部207は、記憶装置206に記憶されているお気に入りグループテーブルの内容を基に、お気に入りコンテンツのリストを作成して、出力部203にモニタへ表示させる。具体的には、制御部207は、お気に入りグループテーブルに格納されている各インデックス情報に対応するディジタルデータ150の情報表示テキスト705を用いて、お気に入りコンテンツのリストを作成する。なお、情報提供企業表示用文字列702を用いてお気に入りコンテンツのリストを作成してもよい。
あるいは、例えば、図27(b)に示すように、制御部207は、お気に入りグループに属するディジタルデータ150の画像をサムネイル(サイズを縮小した簡易画像)にしてモニタに表示させてもよい。このようにすれば、ユーザは、お気に入りグループに追加したディジタルデータ150の概要を一目で認識することができる。ディジタルデータ150に画像データが含まれず、音声データのみあるいはテキストデータのみの場合、制御部207は、サムネイルの代わりに、音声のみあるいはテキストのみである旨を表示する。
次に、制御部207は、表示されたお気に入りコンテンツのリストの中の何れかのディジタルデータ150について、ユーザにより再生指示されたか否かを判別する(ステップS2602)。
例えば、図27(a)においては、各タイトルを表示している行の項目(番号項目、タイトル項目)が、各ディジタルデータ150の選択を受け付けるボタンになっている。ユーザは、再生したいディジタルデータ150を番号項目あるいはタイトル項目の何れかのボタンを押下することで選択し、そして、再生を指示するボタン2701を押下する。
あるいは、図27(b)においては、各タイトルのサムネイル画像が各ディジタルデータ150の選択を受け付けるボタンになっている。ユーザは、何れかのボタン(サムネイル画像)を押下し、それから、再生を指示するボタン2701を押下する。
なお、ディジタルデータ150の選択を行わずに、ボタン2701が押下された場合、制御部207は、“タイトルを選択して下さい”等のメッセージを出力部203にモニタへ表示させる。
ユーザによる再生指示があった場合(ステップS2602でYES)、制御部207は、再生指示されたディジタルデータ150の再生を許可するか否かを判別する(ステップS2603)。
例えば、現在日時が、有効期限情報504又は提供時間情報505で指定された日時範囲に含まれない場合、制御部207は、ディジタルデータ150の再生を許可しない。そうでない場合、制御部207は、ディジタルデータ150の再生を許可する。なお、再生を許可するか否かの判別(ステップS2603)は、必須の処理ではなく、制御部207は、設定された有効期限等に関わらず、再生を許可してもよい。
再生を許可する場合(ステップS2603でYES)、制御部207は、ディジタルデータ150を再生する(ステップS2604)。一方、再生を許可しない場合(ステップS2603でNO)、制御部207は、その理由を示すエラーメッセージ(例えば、“有効期限が切れています”等)を出力部203にモニタへ表示させる(ステップS2605)。
なお、お気に入りコンテンツのリスト表示画面(図27(a)あるいは図27(b))において、ユーザにより何れかのディジタルデータ150が選択され、削除を指示するボタン2702が押下されると、制御部207は、お気に入りグループテーブルから当該ディジタルデータ150に対応するインデックス情報を削除する。このようにして、ユーザは、指定したディジタルデータ150をお気に入りグループから外すことができる。
続いて、お気に入りにグループに追加したディジタルデータ150とその情報内容について同一視できるディジタルデータ150を後日受信した場合について説明する。例えば、図25に示すクーポン画像を含むディジタルデータ150(以下の説明において、更新前ディジタルデータ150という。)の受信後、後日、有効期限を更新した(例えば、3月1日までにした)同種のディジタルデータ150(以下の説明において、更新後ディジタルデータ150という。)を受信したとする。
この場合、更新後ディジタルデータ150の情報内容は、更新前ディジタルデータ150の情報内容とほぼ似通っているため、通常、更新後ディジタルデータ150には、サービス事業者によって更新前ディジタルデータ150と同じ情報コード704(識別符号)が割り当てられている。そうすると、上述したように、受信された更新後ディジタルデータ150は、更新前ディジタルデータ150の保存領域(記憶装置206のメモリ領域)に上書きされるようにして保存される。
この場合、更新後ディジタルデータ150が受信された後のお気に入り再生処理において、ユーザにより更新前ディジタルデータ150の再生指示が行われると、制御部207は、更新後ディジタルデータ150を再生する。この更新後ディジタルデータ150の再生により、例えば、図28に示すような、有効期限が3月1日のクーポン画像が表示される。つまり、ユーザは、識別符号が一致する類似のディジタルデータ150について、再度、お気に入りグループに追加する必要がない。したがって、無用な手間が省け、利便的である。
以上のように、本実施形態の車載器200によれば、ユーザは、再生中のディジタルデータ150をお気に入りグループに簡単な操作で追加でき、そして、後に再生させる場合も簡単な操作で直ちに再生させることが可能となる。したがって、従来のこの種の車載器(情報提供装置)に比べ、ユーザの利便性が著しく向上する。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係る車載器200について説明する。本実施形態の車載器200が有するお気に入り追加・再生機能では、お気に入りグループに追加したディジタルデータ150とサービス事業者コード601及び情報コード704が一致するディジタルデータ150を後で受信した場合、お気に入り再生処理において、何れのディジタルデータ150を再生させるのかをユーザに選択させることができる。
先ず、本実施形態のお気に入り追加処理について、図29のフローチャートに沿って説明する。例えば、図25に示すクーポン画像がモニタに表示されているとき、ユーザによりボタン2111が押下されると(ステップS2901でYES)、制御部207は、当該ディジタルデータ150からインデックス情報として、サービス事業者コード601と、情報コード704(識別符号)とを取得する(ステップS2902)。
また、制御部207は、当該ディジタルデータ150からお気に入り用再生データを抽出する(ステップS2903)。お気に入り用再生データは、お気に入り再生の際に必須となるデータであり、例えば、対象地点情報506がこれに該当する。本実施形態では、対象地点情報506と、有効期限情報504とが、お気に入り用再生データに含まれる。
制御部207は、抽出したお気に入り用再生データを記憶装置206のお気に入り用領域にコピーする(ステップS2904)。お気に入り用領域は、受信されたディジタルデータ150を保存する通常の領域とは別にして設けられたメモリ領域である。なお、当該ディジタルデータ150全体をお気に入り用再生データとして、お気に入り用領域にコピーしてもよい。
制御部207は、取得したインデックス情報と、お気に入り用再生データ情報(例えば、コピー先の先頭アドレスと、お気に入り用再生データのサイズとを含む情報)とを対応付けて、お気に入りグループテーブルに格納する(ステップS2905)。
なお、制御部207は、お気に入りグループテーブルから当該ディジタルデータ150に対応するインデックス情報を削除する際、お気に入り用領域に保存している対応するお気に入り用再生データも削除する。
続いて、本実施形態のお気に入り再生処理について、図30のフローチャートに沿って説明する。先ず、制御部207は、実施形態1と同様、記憶装置206に記憶されているお気に入りグループテーブルを参照して、図27(a)あるいは図27(b)に示すような、お気に入りコンテンツのリストを出力部203にモニタへ表示させる(ステップS3001)。
次に、制御部207は、表示されたお気に入りコンテンツのリストの中の何れかのディジタルデータ150について、ユーザにより再生指示されたか否かを判別する(ステップS3002)。
ユーザによる再生指示があった場合(ステップS3002でYES)、制御部207は、図31に示すような選択問い合せ画面を出力部203にモニタへ表示させる(ステップS3003)。ここで、ユーザは、お気に入りグループ追加時のディジタルデータ150を再生したい場合、ボタン3101を押下する。一方、そうでない場合、ユーザは、ボタン3102を押下する。
ユーザにより、ボタン3101又はボタン3102が押下された場合(ステップS3004でYES)、選択されたディジタルデータ150について、その再生を許可するか否かを判別する(ステップS3005)。例えば、現在日時が、有効期限情報504で指定された日時範囲に含まれない場合、制御部207は、再生を許可しない。なお、再生を許可するか否かの判別(ステップS3005)は、必須の処理ではなく、制御部207は、設定された有効期限等に関わらず、再生を許可してもよい。
再生を許可する場合(ステップS3005でYES)であって、ユーザによりお気に入りグループ追加時のディジタルデータ150が選択された場合(ステップS3006でYES)、制御部207は、記憶装置206のお気に入り用領域から対応するお気に入り用再生データを読み出して再生する(ステップS3007)。一方、お気に入りグループ追加時のディジタルデータ150が選択されなかった場合(ステップS3006でNO)、制御部207は、記憶装置206の通常保存領域から対応するディジタルデータ150を読み出して再生する(ステップS3008)。
再生を許可しない場合(ステップS3005でNO)、制御部207は、その理由を示すエラーメッセージ(例えば、“有効期限が切れています”等)を出力部203にモニタへ表示させる(ステップS3009)。
以上のように本実施形態の車載器200によれば、お気に入りグループ追加時のディジタルデータ150とサービス事業者コード601及び情報コード704が一致するディジタルデータ150を後で受信した場合、お気に入り再生処理において、ユーザは、両者の内、何れか所望する方のディジタルデータ150を選択して再生させることができる。
例えば、図25に示すクーポン画像が表示されているときに、当該ディジタルデータ150をお気に入りグループに追加し、その後、図28に示すようなクーポン画像を含む同種のディジタルデータ150を受信した場合、上記お気に入り再生処理において、ユーザにより、お気に入り追加時のディジタルデータ150が選択されると、図25に示すクーポン画像が表示される。一方、お気に入り追加時でないディジタルデータ150が選択されると、図28に示すクーポン画像が表示される。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3に係る車載器200について説明する。本実施形態のお気に入り追加・再生機能には、上記実施形態2のお気に入り再生処理において、通常保存されているディジタルデータ150のデータ更新有無を判別する処理(データ更新判別処理)が追加されている。
データ更新判別処理は、ユーザによる再生指示があった場合(図30のステップS3002でYES)に実行される。制御部207は、再生が指示されたタイトルに対応するお気に入り用再生データと、通常保存領域に保存しているディジタルデータ150とを読み出す。制御部207は、所定の情報について、双方の内容を比較することで、データ更新の有無を判別する。本実施形態では、対象地点情報506の同一ID内情報量に含まれる対象地点情報506のデータ量(データサイズ)を比較する。同一ID内情報量は、対象地点情報506の図示しないヘッダ部に格納されている。
双方の対象地点情報506のデータ量が異なる場合、制御部207は、通常保存領域のディジタルデータ150は、更新されたものであると判別する。そして、通常保存領域のディジタルデータ150が更新されている場合に限り、制御部207は、図31に示すような選択問い合せ画面を出力部203にモニタへ表示させる(図30のステップS3003)。なお、上記同一ID内情報量の他、双方の有効期限情報504を比較することで更新有無を判別してもよい。また、上述したバージョン番号が格納された拡張用予備領域513あるいは詳細情報509が、お気に入り用再生データに含まれている場合では、双方のバージョン番号を比較することで更新有無を判別することができる。
以上のように本実施形態の車載器200は、お気に入り再生処理において、お気に入りグループに追加したディジタルデータ150が、その後に更新された場合のみ、ユーザに対して、お気に入りグループ追加時のディジタルデータ150を再生したいか否かを問い合せる。したがって、ユーザは、更新の有無を認識することができ、また、両者が同一である場合において、無用な選択操作をする必要がない。
なお、本発明は、上記何れの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、車載器200を装置の全部又は一部として動作させるためのコンピュータプログラムを、メモリカード、CD−ROM、DVD、MO(Magneto Optical Disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、車載器200として動作させ、あるいは、車載器200が行う工程を実行させてもよい。さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。