以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、本明細書の全体構成は以下の通りである。
〔1〕用語の説明
〔2〕本発明の一実施形態にかかる情報提供システムの概要
〔3〕本発明の第1の実施形態の説明
(目的地に関連する広告情報の提供)
〔3−1〕従来技術の課題および本実施形態による効果
〔3−2〕本発明の第1の実施形態の構成および動作の詳細な説明
〔3−3〕本発明の第1の実施形態の補足事項の説明
〔4〕本発明の第2の実施形態の説明
(通常走行中の広告情報の提供)
〔4−1〕本発明の第2の実施形態の目的
〔4−2〕本発明の第2の実施形態の動作の詳細な説明
〔5〕本発明の第3の実施形態の説明
(嗜好情報または車両状態に応じた表示用情報の提供)
〔5−1〕従来技術の課題および本実施形態による効果
〔5−2〕本発明の第3の実施形態の構成および動作の詳細な説明
〔5−3〕本発明の第3の実施形態の補足事項の説明
〔6〕本発明の実施形態に適用可能な表示画面の流れの説明
〔7〕まとめ
〔7−1〕本発明の各実施形態による効果のまとめ
〔7−2〕本発明の実施形態の変更例の説明
以下、上記項目の流れに従って本発明の実施形態について説明する。
〔1〕用語の説明
まず、本実施形態の説明において用いる特有な用語を説明する。
(地図情報)
河川、地形などを示す地図に関する情報である。建物、商店、駐車場、鉄道網などの人為的に設備された施設の情報は含まれず、地名および道路に関する情報が含まれる場合がある。
(地図付加情報)
地域情報、観光地、銀行、郵便局、ガソリンスタンド、コンビニエンスストア、駅、バス停、駐車場、など地図情報の該当する位置に付加される情報である。
(広告情報)
商店、商品、施設などある対象を宣伝するための情報である。本明細書においては、特に車両の利用者に提供する情報を指して用いる場合が多い。個別広告と称することもできる。
(広告情報群)
1または2以上の広告情報、および1または2以上の広告情報に対応付けられているメーカー情報を含む情報である。また、地図付加情報に対応付けられている情報である。単に広告情報と示す場合もある。
(表示用情報)
地図付加情報、または広告情報の少なくともいずれかを含む概念である。地図付加情報、および広告情報の車載器における出力形式は通常「表示」であるため本明細書においては表示用情報と称するが、例えば「音声」による出力形式も考えられるため、出力用情報と称することも適切である。
(施設情報)
観光地、銀行、郵便局、ガソリンスタンド、コンビニエンスストア、駅、バス停、駐車場、などの施設を示す情報である。地図付加情報と一致してもよい。また、施設情報は位置情報であってもよく、この場合、施設情報が示す施設は、位置情報が示す位置に存在する施設であってもよい。
(嗜好情報)
車両の利用者の好みを表す情報。本明細書においては、特に、車両の利用者が赴いたことのある場所や施設が蓄積された情報を示す場合が多い。
(車両状態)
ある車両の現在の走行速度、ワイパーのオン・オフなどの動作状態や、ガソリンの残量や外気温度などの環境状態などを含む概念である。
以上、本実施形態の説明において用いられる特有な用語について説明した。なお、必要に応じ、上記用語のさらに詳細な内容を以下の明細書中に示している。また、上記用語の説明においては各用語の意味の一例を示したに過ぎず、本願においては、上記用語の説明に示した内容と異なる意味で各用語を用いる場合もある。
〔2〕本発明の一実施形態にかかる情報提供システムの概要
次に、本発明の一実施形態にかかる情報提供システム1の概要を、図1〜図15を参照して説明する。具体的には、情報提供システム1の構成、情報提供システム1によるサービス提供の概要、情報処理ステム1を構成する各装置の構成、情報提供システム1を構成する車載器20において表示される画面の一例、情報提供システム1において送受信される情報の一例などを説明する。
〔2−1〕情報提供システム1の構成
図1は、情報提供システム1の構成を示した説明図である。情報提供システム1は、情報提供サーバ10と、通信網12と、広告業者装置14と、車両22に搭載される車載器20と、を備える。
情報提供サーバ10は、記憶部108に地図付加情報、広告情報、および車両22あるいは車両22の利用者ごとの嗜好情報を記憶している。また、情報提供サーバ10は、通信網12を介して地図付加情報および広告情報を含む表示用情報を車載器20に送信する。また、情報提供サーバ10は、車載器20から車両22または車両22の利用者ごとの嗜好情報を取得し、該嗜好情報を車両22または車両22の利用者ごとに記憶する。
なお通信網12は、銅線または光ファイバーなどの有線ケーブルや、無線電波などのデータの伝送路、またはルータや通信を制御する基地局などのデータの中継機などを含んでもよい。特に、本実施形態においては、通信網12はDSRC(Dedicated Short Range Communication)機能を実装した路側機30を含んでもよい。
広告業者装置14は、広告情報の提供元の広告業者が利用する装置であって、地図付加情報に対する広告情報の対応付け、あるいは対応付けの要求を行なう。なお、広告業者は、ある広告情報のスポンサーであっても、該スポンサーの代理人であってもよい。図1においては、広告業者装置14として、広告業者装置14A、広告業者装置14B、および広告業者装置14Cを示しているが、実際にはより多数の広告業者装置14が情報提供システム1に含まれることが想定される。
車両22は、人間や貨物を乗せて移動可能な乗り物である。図1においては車両の一例として四輪車を示しているが、車両22は、二輪車や三輪車などの自動車であっても、自転車、バス、電車、新幹線、路面電車、飛行機、船、ボートなどの乗り物であってもよい。また、車両22は車載器20を搭載し、車両22の利用者は車載器20から多様な情報を得ることができる。なお、図1においては、車両22として車両22Aおよび車両22Bを、車載器20として車載器20Aおよび車載器20Bを示しているが、実際にはより多数の車両22および車載器20が情報提供システム1に含まれることが想定される。
〔2−2〕情報提供システム1によるサービス提供の概念
図2は、情報提供システム1によるサービス提供の概念を示した説明図である。まず、情報提供サーバ10は地図付加情報の登録および管理を行なう。そして、情報提供サーバ10は、登録した地図付加情報に対応付ける広告情報を決定するためのオークションの機会を広告業者に対して与える。
広告業者は、オークションにおいて、広告業者装置14を介して地図付加情報に広告情報を付加する権利を取得すると、地図付加情報に広告情報を対応付ける。当該地図付加情報と広告情報を対応付ける処理は、広告業者装置14が行なっても、情報提供サーバ10が行なってもよい。
このように地図付加情報に広告情報が対応付けられると、情報提供サーバ10は、地図付加情報と、地図付加情報に対応付けられている広告情報と、を含む表示用情報の提供サービスを行なう。具体的には、情報提供サーバ10は、各路側機30に送信させる表示用情報を登録および更新して指定し、路側機30は、情報提供サーバ10により指定されている表示用情報を送信する。路側機30は、FM(Frequency Modulation)多重放送、光ビーコン、電波ビーコンなどの通信メディアを用いて上記送信を行なうことができる。
そして、車載器20は、路側機30を介して情報提供サーバ10から送信された表示用情報を受信し、地図付加情報が重畳された地図画面、および広告情報を閲覧することが可能となる。なお、車載器20は、地図画面を生成する際に用いられる地図情報を記憶しており、車載器20において該地図情報の各種設定を行うことができる。また、車載器20は、路側機30から渋滞情報や交通規制情報などの情報を受信し、受信した情報に基づいて地図画面上に現在の交通状況を表示することもできる。
なお、上記では情報提供サーバ10がオークションにより広告情報を付加する権利を広告業者に与える例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、情報提供サーバ10は広告業者に対して広告情報を付加する権利を小売してもよい。
〔2−3〕車載器20が表示する表示画面
図3は、車載器20の表示部24に表示される表示画面の一例を示した説明図である。車載器20は、情報提供サーバ10から受信した表示用情報に基づいた表示画面を生成し、表示部24に表示させることができる。車載器20の表示部24が表示する表示画面は、例えば図3に示したように、地図画面42と、広告画面(広告情報)52を含む。地図画面42は、地図情報に基づく地図画面に、「ロースン」、「ドッグカメラ」、「森林公園」および路線などの情報提供サーバ10から受信した地図付加情報が重畳された画面である。車両22の利用者は、かかる地図画面42を見て自車位置43や目的地を確認しながら運転することができる。
広告画面52は、情報提供サーバ10から受信した表示用情報に含まれる広告情報を表示する画面である。すなわち、情報提供サーバ10は、広告画面52を介して広告情報を車両22の利用者に提供することができる。また、図3に示した例では、広告画面52は、大型液晶テレビジョンの写真と「ドッグカメラ 大セール中」というテキストを含む広告画面52Aと、オムライスの写真および「レストランアリッシュ 品川ビルディング内」というテキストを含む広告画面52Bと、アルバムのジャケット写真および「ミスターズ「五次元」好評発売中」というテキストを含む広告画面52Cを含む。
かかる広告画面52は、車両22の利用者の広告対象商品に対する購買意欲の喚起や、広告対象の印象付け、あるいはイメージアップを図り得る。ただし、同一の広告情報を同一の方法により車両22の利用者に提供しても、広告対象の訴求効果は利用者ごとに異なる。そこで、詳細については「〔3〕本発明の第1の実施形態の説明」や「〔5〕本発明の第3の実施形態の説明」において説明するが、車両22の利用者に、特定の位置で、該利用者に適切と判断される広告情報を提供することにより、広告情報の提供による訴求効果の向上を図ることができる。
なお、上記では広告情報を広告画面52を介して車両22の利用者に提供する場合を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば車載器20は、「ドッグカメラ 大セール中」という音声を出力したり、ミスターズのアルバム「5次元」に収録されている曲の音声を出力することにより広告情報を車両22の利用者に提供してもよい。車両22の利用者は、運転中に表示部24を見ることは困難であるが、音声により広告情報を出力すれば運転中の利用者も広告情報の内容を聞いて把握することができるため、音声を介して広告情報を提供することも効果的である。また、オークションにおいてより高値をつけた広告業者の広告画面が優先的に、あるいは上方に表示されるようにしてもよい。
〔2−4〕情報提供サーバ10の構成
図4は、情報提供サーバ10の構成を示した機能ブロック図である。情報提供サーバ10は、GUI部102(102A〜102C)と、登録部104(104A〜104C)と、解析部106(106A〜106C)と、記憶部108(108A〜108C)と、参照部110(110Bおよび110C)と、表示用情報処理部114と、路側機情報参照部118と、表示用情報送信部120と、を備える。
GUI(Graphical User Interface)部102Aは、情報提供サーバ10の管理者と情報提供サーバ10と間で地図情報の入出力を行なうインターフェースである。すなわち、情報提供サーバ10の管理者は、GUI部102Aを介して新たな地図情報の入力操作を行なったり、地図情報の更新操作を行なうことができる。
地図情報登録部104Aは、GUI部102Aに対する操作を検出し、検出した操作に基づく情報を地図情報解析部106Aに出力する。例えば、地図情報登録部104Aは、GUI部102Aに対する新たな地図情報の入力操作を検出し、該新たな地図情報を地図情報解析部106Aに出力する。
地図情報解析部106Aは、地図情報登録部104Aから入力された地図情報を解析し、地図情報記憶部108Aに記録する。地図情報記憶部108Aは、地図情報解析部106Aにより記録された地図情報を記憶する。
GUI部102Bは、情報提供サーバ10の管理者と情報提供サーバ10と間で地図付加情報の入出力を行なうインターフェースである。すなわち、情報提供サーバ10の管理者は、GUI部102Bを介して新たな地図付加情報の入力操作を行なったり、地図付加情報の更新操作を行なうことができる。
地図付加情報登録部104Bは、GUI部102Bに対する操作を検出し、検出した操作に基づく情報を地図付加情報解析部106Bに出力する。例えば、地図付加情報登録部104Bは、GUI部102Bに対する新たな地図付加情報の入力操作を検出し、該新たな地図付加情報を地図付加情報解析部106Bに出力する。
地図付加情報解析部106Bは、地図付加情報参照部110Bにより参照される地図情報と、地図付加情報登録部104Bから入力された地図付加情報を解析し、地図付加情報を地図付加情報記憶部108Bに記録する。例えば、地図付加情報解析部106Bは、地図付加情報のIDと、タイトルと、地図情報上の地図付加情報が付加される位置と、記録日時などを含む地図付加情報を地図付加情報記憶部108Bに記録する。
GUI部102Cは、情報提供サーバ10の管理者と情報提供サーバ10と間で広告情報の入出力を行なうインターフェースである。すなわち、情報提供サーバ10の管理者は、GUI部102Cを介して新たな広告情報の入力操作を行なったり、広告情報の更新操作を行なうことができる。
広告情報登録部104Cは、GUI部102Cに対する操作を検出し、検出した操作に基づく情報を広告情報解析部106Cに出力する。例えば、広告情報登録部104Cは、GUI部102Cに対する新たな広告情報の入力操作を検出し、該新たな広告情報を広告情報解析部106Cに出力する。
広告情報解析部106Cは、地図付加情報参照部110Cにより参照される地図付加情報と、広告情報登録部104Cから入力された広告情報を解析し、広告情報を地図付加情報に対応付けて広告情報記憶部108Cに記録する。例えば、広告情報解析部106Cは、入力された広告情報を、指定された地図付加情報のIDと対応付けて広告情報記憶部108Cに記録する。
表示用情報処理部114は、路側機情報参照部118により参照される各路側機30の位置および対応範囲などに基づき、各路側機30に送信させる表示用情報の設定処理を行う。例えば、表示用情報処理部114は、ある路側機30に、該路側機30の対応範囲に含まれる地図付加情報、および該地図付加情報に対応付けられている広告情報を送信させる設定処理を行う。表示用情報送信部120は、表示用情報処理部114により設定された表示用情報を、各路側機30に送信し、各路側機30からさらに車載器20に送信させる送信部としての機能を有する。
なお、図4においては情報提供サーバ10の構成を機能ごとのブロック分けて示しているが、各ブロックはより詳細に分けられても、複数のブロックと統合されてもよい。例えば、地図情報記憶部108A、地図付加情報108B、および広告情報記憶部108Cを、記憶部108として構成してもよい。
また、記憶部108は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリや、ハードディスクおよび円盤型磁性体ディスクなどの磁気ディスクや、CD−R(Compact Disc Recordable)/RW(ReWritable)、DVD−R(Digital Versatile Disc Recordable)/RW/+R/+RW/RAM(Ramdam Access Memory)およびBD(Blu−Ray Disc(登録商標))―R/BD−REなどの光ディスクや、MO(Magneto Optical)ディスクなどの記憶媒体であってもよい。
〔2−5〕表示用情報、地図付加情報、および広告情報の具体例
次に、図5〜図7を参照して、表示用情報の構成例、地図付加情報のデータ構造例、および広告情報のデータ構造例を説明する。
図5は、路側機30を介して車載器20に送信される表示用情報の構成例を示した説明図である。表示用情報は、地図付加情報と広告情報群を含む。また、地図付加情報は、タイトルと、属性と、広告表示位置情報とを含む。
図5に示した地図付加情報のタイトルは「品川ビルディング」であり、品川ビルディングに関する地図付加情報であることを示している。また、属性は品川ビルディングの位置や当該地図付加情報の更新日の情報を含み、図5では、品川ビルディングが「北緯34°45’45.65145、東経135°30’02.18532、楕円体高43.096」に位置し、当該地図付加情報の更新日が「2007/3/10 10:05:00」であることを示している。
広告表示位置情報は、緯度、経度、方向、開始距離、道路種別などの情報を含み、車載器20に広告情報を表示させる広告表示位置(広告出力位置)を示す位置情報である。当該広告表示位置は、例えば、道路種別により示される種別の道路上であって、緯度、経度により示される位置を中心にした開始距離により示される距離の範囲内の位置を示す。さらに、方向により示される方向に車両22が走行している場合に車載器20において広告情報が表示されるようにしてもよい。
また、図5に示した例では、表示用情報に、ドッグカメラ、レストランアリッシュ、マスターレコードおよび紀伊堂本屋などスポンサー(メーカー)を示すメーカー情報および複数の広告情報を含む広告情報群が含まれる。図5においては、ドッグカメラの広告情報に1−1〜1−6を付して示しており、レストランアリッシュの広告情報に2−1および2−2を付して示しており、マスターレコードの広告情報に3−1〜3−3を付して示しており、紀伊堂本屋の広告情報に4−1〜4−5を付して示している。
なお、図5においては広告表示位置情報を5つ示しているが、地図付加情報に含まれる広告表示位置情報の数は5つに限定されず、より多数の広告表示位置情報が含まれても、単一の広告表示位置情報が含まれてもよい。
図6は、地図付加情報のデータ構造例を示した説明図である。図6には、地図付加情報のID「location id」が「location100100」であり、タイトル「title」が「品川ビルディング」であり、更新日「create date」が「20070130」であり、「copyright」が「品川ビルディング」にあり、地図情報上に付加される位置「position date」が「xxx.yyy.hhh」である地図付加情報のデータ構造を示している。
図7は、広告情報のデータ構造例を示した説明図である。図7には、メーカーID「maker id」が「mk10005」であり、広告情報ID「advertisement id」が「ad101」であり、タイトル「title」が「ドッグカメラ」であり、開始日時「start date」が「2007/3/1」であり、終了日時「end date」が「2007/3/30」である広告情報のデータ構造を示している。ここで、開始日時は該広告情報の提供を開始する日時を示し、終了日時は該広告情報の提供を終了する日時を示している。
また、図7に示した広告情報は、「map addition information reftitle=品川ビルディング」、「id ref=location100100」というデータに示されているように、IDが「location100100」でありタイトルが「品川ビルディング」である図6に示した地図付加情報に対応付けられている。また、「comment=北700m」というデータは、広告情報の広告対象であるドックカメラが、対応付けられている地図付加情報である品川ビルディングから北50mの位置に存在することを示している。かかる「北700m」というコメントは、車載器20においてドッグカメラの広告情報と併せて表示されるようにしてもよい。
〔2−6〕路車間通信
次に図8〜図11を参照して路側機30と車載器20の間で行なわれる路車間通信について説明する。図8は、路車間通信が可能な路側機30と車載器20を搭載する車両22との位置関係の一例を示した説明図であり、図9は、路車間通信を行なう際に用いられ得る通信メディアを示した説明図であり、図10は、各路側機30の対応範囲を示した説明図であり、図11は、路側機30と車載器20との間で送受信される情報の一例を示した説明図である。
図8に示したように、道路を走行する車両22に搭載されている車載器20は、道路沿いに設けられた路側機30を中心とした約70mの範囲内にあるとき、電波ビーコンを用いて車載器20と通信することができる。このように、路側機30と車載器20とが通信し、車載器20に所定の情報を提供する方式はVICS(Vehicle Information And Communication System)と呼ばれる場合もある。
VICSは、車両22の利用者のニーズに即し、利便性を向上させるとともに、輸送時間の短縮によるコストの削減、的確な状況把握による安全性の向上、交通の円滑化による環境の保全等を可能とし、ひいてはゆとりある国民生活の実現と社会経済の発展に寄与することを目的としている。高速道路や一般道路での渋滞をなくし、交通事故を減らし、道路環境を改善することは、今や世界各国が抱える共通テーマと言える。
こうした道路交通事情の中、車両22の利用者の適切なルート選択を促し、快適でスムーズなドライブをサポートするVICSは、交通流を適切に分散させ、道路交通の安全性や円滑性を向上し、さらには道路環境を改善するシステムとして展開している。VICSは、路側機30から車載器20に対して指示情報を通知、車載器20が応答する機能、路側機30が車載器20を同定し、車載器20が応答する機能、多様な情報をパッケージして路側機30から車載器20へ提供する機能、ICカードへの決済情報を送受信する機能、などを有する。
また、かかるVICSにおいて用いられる通信メディアとしては、図9に示したように、上述の電波ビーコン、光ビーコンおよびFM多重放送などがあげられる。電波ビーコンは、準マイクロ波であって、図8に示したように路側機30の前後約35mの範囲内で受信することができる。光ビーコンは、赤外線であって、路側機30の直下の約3.5mの範囲内で受信することができる。また、光ビーコンは、車載器20と路側機30の双方向通信を行うこともできる。FM多重放送は、FM放送波を用いており、電波ビーコンや光ビーコンと比べて広い範囲で受信することができる。
その他、路側機30は、必要に応じて地上デジタル放送(12セグ)、地上デジタル放送(1セグ)、および無線LAN(Local Area Network)など機能を実装していてもよい。
また、路側機30は、所定の対応範囲内の事項に関するエリア情報を送信する。例えば、図10に示したように路側機30A〜路側機30E、路側機30T、路側機30U、路側機30V、路側機30Xが配されていた場合、路側機30Aは路側機30Aの対応範囲であるエリア32Aに含まれる施設や渋滞状態などを示すエリア情報を送信する。
同様に、路側機30Bはエリア32Bに関するエリア情報を送信し、路側機30Cはエリア32Cに関するエリア情報を送信し、路側機30Dはエリア32Dに関するエリア情報を送信し、路側機30Eはエリア32Eに関するエリア情報を送信し、路側機30Tはエリア32Tに関するエリア情報を送信し、路側機30Uはエリア32Uに関するエリア情報を送信し、路側機30Vはエリア32Vに関するエリア情報を送信し、路側機30Xはエリア32Xに関するエリア情報を送信する。
図10に示した例では、車両22が路側機30Aの近隣を走行しているため、車両22に搭載されている車載器20は、路側機30Aからエリア32Aに含まれる施設を示す地図付加情報、および該地図付加情報に対応付けられている広告情報群などを含むエリア情報を受信することができる。
続いて、車両22が走行予定経路に従って走行した場合、車両22に搭載されている車載器20は、エリア32Bのエリア情報を路側機30Bから受信し、エリア32Cのエリア情報を路側機30Cから受信し、エリア32Dのエリア情報を路側機30Dから受信し、エリア32Eのエリア情報を路側機30Eから受信することができる。なお、車載器20は、各路側機30からエリア情報を受信すると共に、車両22の走行状態や目的地などを路側機30に送信することも可能である。
なお、車載器20から路側機30に送信(アップリンク)される情報としては、図11に示したように、車両22の目的地、車両22の経由地、車両22または車両22の利用者の嗜好情報、車両22が過去に立ち寄った過去立寄地、広告情報視聴履歴、走行距離、および車両状態などがあげられる。
また、路側機30から車載器20に送信(ダウンリンク)される情報としては、図11に示したように、情報の提供時間、保持情報、提供事業者、再生条件、地図付加情報(広告表示位置情報を含む)、広告情報、地点アイコン情報などのエリア情報と、その他各路側機30のエリアに依存しない情報があげられる。
〔2−7〕路側機30の構成
図12は、路側機30の構成の一例を示した機能ブロック図である。路側機30は、DSRCプロトコル部302と、拡張通信制御プロトコル部304と、IP系通信部306と、非IP系通信部308と、基本API310と、道の駅など情報接続部312と、道路上における情報提供部316と、公共駐車場決済部320と、を備える。
DSRCプロトコル部302は、路側機30と車載器20との間で専用狭域通信を行なう。拡張通信制御プロトコル部304(ELCP:Extended
Link Control Protocol)は、DSRC通信により受信した情報をアプリケーションに正確に届けるためのインターフェースである。
IP系通信部306は、車載器20と、提供情報生成・編集・蓄積装置314との間のイントラネット接続に対応する処理を行う。また、提供情報生成・編集・蓄積装置314がファイヤーウォール/インターネット接続機能を有する場合、インターネット接続に対応する処理を行う。非IP系通信部308は、車載器20のイントラネット初期接続時のURL(Uniform Resource Locator)の送信を行なう。
基本API310(Application Programing Interface)は、各アプリケーションで共通のオブジェクトに関する機能を実現する。例えば、基本API310は、共有オブジェクトの作成、共有オブジェクトへの登録、共有オブジェクトの参照、共有オブジェクトの削除などを行なう。また、基本API310は、通信に関して、次送信許可/禁止、送信要求、受信データ取得、ack送信要求、などを行なってもよい。
道の駅など情報接続部312は、車載器20に、道の駅周辺の交通情報、施設情報、地域情報などの情報を提供する。なお、道の駅としては、一般国道沿いや高速道路上のSA(Service Area)やPA(Parking Area)などの駐車スペースや、休憩施設などがあげられる。上記道の駅周辺の交通情報、施設情報、地域情報などの情報は、提供情報生成・編集・蓄積装置314が生成、編集、記憶しており、道の駅など情報接続部312が提供情報生成・編集・蓄積装置314から該情報を受信し、受信した情報を車載器20に送信するための処理を行う。
道路上における情報提供部316は、車載器20に、地図付加情報、広告情報などの表示用情報の提供を行なう。上述のように、地図付加情報、広告情報などの表示用情報は情報提供サーバ10が生成、編集、記憶しており、道路上における情報提供部316が情報提供サーバ10から該表示用情報を受信し、受信した表示用情報を車載器20に送信するための処理を行う。
公共駐車場決済部320は、公共駐車場を利用する車両22に設けられている車載器20と通信し、決済処理装置322、駐車場管理装置324および料金など表示装置326と協働して公共駐車場の利用料金の決済を行なう。例えば、車両22の公共駐車場への入庫時刻および公共駐車場からの出庫時刻を駐車場管理装置324が管理し、車両22が公共駐車場に入庫されていた時間に基づく利用料金を料金など表示装置326が表示し、該利用料金の決済を決済処理装置322が行なう。なお、公共駐車場決済部320は、車両22に搭載されている車載器20から送信される車両IDを受信し、決済処理部322は該車両IDに基づいて特定される銀行口座から利用料金の引き落とし処理を行ってもよい。
〔2−8〕車載器20の構成
図13は、車載器20の構成を示した機能ブロック図である。車載器20は、DSRCプロトコル部222と、拡張通信制御プロトコル部224と、IP系通信部226と、非IP系通信部228と、基本API230と、ETC処理部232と、表示用情報取得部240と、表示用情報記憶部242と、表示用情報処理部244と、地図情報記憶部246と、地図情報処理部248と、表示用情報表示・操作部250と、表示用情報環境設定部252と、プローブ情報処理部254と、アップリンク部256と、を備える。
DSRCプロトコル部222は、路側機30と車載器20との間で専用狭域通信を行なう。拡張通信制御プロトコル部224(ELCP:Extended
Link Control Protocol)は、DSRC通信により受信した情報をアプリケーションに正確に届けるためのインターフェースである。
IP系通信部226は、車載器20と、路側機30との間のイントラネット接続またはインターネット接続に対応する処理を行う。非IP系通信部228は、車載器20のイントラネット初期接続時のURLの送信を行なう。
基本API230は、各アプリケーションで共通のオブジェクトに関する機能を実現する。例えば、基本API230は、共有オブジェクトの作成、共有オブジェクトへの登録、共有オブジェクトの参照、共有オブジェクトの削除などを行なう。また、基本API230は、通信に関して、次送信許可/禁止、送信要求、受信データ取得、ack送信要求、などを行なってもよい。
ETC(Electronic Toll Collection)処理部232は、有料道路の利用料金などの自動決済のための処理を行う。ETC処理部232は、例えば、車載器20に挿入されているIDカードの情報をDSRC通信により路側機30に送信し、路側機30においてIDカードの情報により特定される該IDカードの所有者を利用料金の支払者とすることができる。かかるETCシステムは、駐車チケットの発行、駐車チケットの受け取りのための車両22の一時駐車、駐車チケットの保持などの過程を排除できる点などで有効である。なお、路側機30と車載器20との路車間通信は、上述したように光ビーコン234、FM多重放送236、および電波ビーコンなどの他の通信メディアを用いて行なうことができる。
表示用情報取得部240は、DSRC通信により、情報提供サーバ10から地図付加情報および地図付加情報に対応付けられた広告情報を含む表示用情報を取得する。表示用情報記憶部242は、表示用情報取得部240が取得した表示用情報を記憶しておく。表示用情報処理部244は、表示用情報記憶部242が記憶している表示用情報に基づき、地図画面または広告画面を生成する。
地図情報記憶部246は地図情報を記憶しており、地図情報処理部248は、地図情報記憶部246が記憶している地図情報に基づいて地図画面を生成する。
表示用情報表示・操作部250は、車両22の利用者と車載器20とのインターフェースであって、地図画面または広告画面を表示したり、車両22の利用者による目的地の設定操作、画面の切替操作などを検出する。表示用情報環境設定部252は、表示用情報に関する各種環境設定を行う。
プローブ情報処理部254は車両22のプローブ情報の更新、管理を行い、アップリンク部256が該プローブ情報を路側機30に送信するための処理を行う。以下、プローブ情報について簡単に説明する。
図14は、プローブ情報の構成例を示した説明図である。プローブ情報は、車両22の固有情報、動作状態または環境状態を含む車両状態などを示す情報である。具体的には、プローブ情報は、車両22の現在位置、車両22の車両ID、車両22の車種、車両22の目的地、車両22の進行方向、車両22の走行速度、車両22または車両22の利用者の嗜好情報、車両22のワイパー、ウインカー、ブレーキなどの車両状態を示す情報を含む。情報提供サーバ10は、かかるプローブ情報を車載器20から受信し、該プローブ情報を、例えば「〔5〕本発明の第3の実施形態の説明」で説明するように、車載器20に送信する表示用情報の抽出のために用いることができる。
以上車載器20の構成を説明した。図13においては車載器20の構成を機能ごとのブロック分けて示しているが、各ブロックはより詳細に分けられても、複数のブロックと統合されてもよい。例えば、表示用情報記憶部242および地図情報記憶部246を、単一の記憶部272として構成してもよい。
〔2−9〕車載器20のハードウェア構成
図15は、車載器20のハードウェア構成を示した説明図である。車載器20は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、ホストバス204と、ブリッジ205と、外部バス206と、インタフェース207と、入力装置208と、出力装置210と、ストレージ装置(HDD)211と、ドライブ212と、通信装置215とを備える。
CPU201は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って車載器20内の動作全般を制御する。また、CPU201は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM202は、CPU201が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM203は、CPU201の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス204により相互に接続されている。
ホストバス204は、ブリッジ205を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス206に接続されている。なお、必ずしもホストバス204、ブリッジ205および外部バス206を分離構成する必要はなく、一のバスにこれらの機能を実装してもよい。
入力装置208は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイク、スイッチおよびレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU201に出力する入力制御回路などから構成されている。車載器20のユーザは、該入力装置208を操作することにより、車載器20に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
出力装置210は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置およびランプなどの表示装置と、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置で構成される。出力装置210は、例えば、情報提供サーバ10から受信した表示用情報に基づいて生成されたテキストまたはイメージを含む表示画面を出力する。
ストレージ装置211は、本実施形態にかかる車載器20の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置であり、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含むことができる。ストレージ装置211は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)で構成される。このストレージ装置211は、ハードディスクを駆動し、CPU201が実行するプログラムや各種データを格納する。また、このストレージ装置211には、地図情報、地図付加情報、広告情報、嗜好情報などが記憶される。
ドライブ212は、記憶媒体用リーダライタであり、車載器20に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ212は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体24に記録されている情報を読み出して、RAM203に出力する。
通信装置215は、例えば、路側機30と通信するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。また、通信装置215は、無線LAN(Local Area Network)対応通信装置であっても、ワイヤレスUSB対応通信装置であっても、有線による通信を行うワイヤー通信装置であっても、DSRC対応通信装置であってもよい。この通信装置215は、情報提供サーバ10との間で、路側機30を介して、表示用情報、嗜好情報、プローブ情報などの各種データを送受信する。すなわち、かかる通信装置215は、図13に示したDSRCプロトコル部222と、拡張通信制御プロトコル部224と、IP系通信部226と、非IP系通信部228などの機能を有してもよい。
なお、詳細な説明は省略するが、情報提供サーバ10および路側機30も、車載器20のハードウェア構成と実質的に同一に構成することができる。
〔3〕本発明の第1の実施形態の説明
(目的地に関連する広告情報の提供)
続いて、本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態の説明においては、従来技術の課題および本実施形態による効果を概略的に説明した後、本実施形態にかかる車載器20や情報提供サーバ10の構成および動作を詳細に説明する。
〔3−1〕従来技術の課題および本実施形態による効果
従来、ある商店の所在する地域の近隣を通過する車両に搭載された車載器に該商店の広告情報を送信し、車載器において該商店の広告情報を表示させるカーナビゲーションシステムが提案されていた。
しかし、従来のカーナビゲーションシステムを構成する車載器においては、車両がある目的地に向かって走行している際、該目的地に拘らず、ある場所を通過した不特定多数の車両に送信された広告情報が表示されてしまう。したがって、従来のカーナビゲーションシステムでは、各車両の利用者に、該利用者と関連性の低い広告情報ばかりが提供されてしまう場合があった。
また、従来のカーナビゲーションシステムを構成する車載器においては、車両がある広告表示位置を通過すると、該広告表示位置に応じた特定の広告情報が表示される。すなわち、従来のカーナビゲーションシステムにおいては、広告表示位置と、該広告表示位置を通過する車両の車載器に表示させる広告情報とが一対一に定められていた。したがって、複数の車両が同一の広告表示位置群を通過しても、各車両の車載器において表示される広告情報の順序は、各車両が各広告表示位置を通過した順序に依存して異なる。すなわち、従来のカーナビゲーションシステムでは、複数の広告情報を所定の順序で車両の利用者に提供することができないという問題があった。
そこで、上記のような問題点を一着眼点にし、本発明の第1の実施形態にかかる情報提供サーバ10および車載器20を創作するに至った。本実施形態にかかる情報提供サーバ10および車載器20によれば、車両22の利用者に、該利用者の目的地に関連する広告情報を提供することができる。また、本実施形態にかかる情報提供サーバ10および車載器20によれば、車両22の利用者に、複数の広告情報を該車両の走行経路に依存しない順序で提供することができる。以下、このような訴求効果の高い広告情報を車両22の利用者に提供することが可能な本実施形態にかかる情報提供サーバ10および車載器20の詳細な構成および動作を説明する。
〔3−2〕本発明の第1の実施形態の構成および動作の詳細な説明
図16は、本実施形態にかかる車載器20の構成を示した機能ブロック図である。車載器20は、路側機30およびGPS衛星36と通信可能であり、通信部262と、操作部264と、目的地設定部266と、情報取得部268と、記録部270と、記憶部272と、位置判断部274と、出力制御部276と、選択部278と、表示部24と、を備える。
通信部262は、車載器20と路側機30、および車載器20とGPS衛星36とのインターフェースである。具体的には、通信部262は、DSRC通信に基づき、路側機30から送信される地図付加情報および広告情報群を含む表示用情報などを受信する。また、通信部262は、複数のGPS(Global Positioning System)衛星36から位置測位用電波を受信する。かかる通信部262は、図15に示した通信装置215、または通信装置215を機能させるプログラムに対応する構成であってもよい。
操作部264は、車両22の利用者による車載器20または車両22に対する各種操作を検出する。例えば、操作部264は、利用者によるエンジンの停止操作、ワイパー作動操作、窓の開閉操作、ギア切替操作、ウインカー点灯操作、および車両22の目的地の設定操作などを検出する。
目的地設定部266は、操作部264により検出された車両22の目的地の設定操作に基づき、車両22の目的地を設定する。また、目的地設定部266は、設定した車両22の目的地を路側機30を介して情報提供サーバ10に送信してもよい。
情報取得部268は、目的地設定部266により設定された目的地を示す地図付加情報、および該地図付加情報に対応付けられている広告情報群を、情報提供サーバ10から路側機30を介して取得する。設定された目的地が緯度、経度などの位置情報であった場合、該目的地を示す地図付加情報は、該位置情報の示す位置に付加される地図付加情報であってもよい。また、設定された目的地が、公園や博物館などの施設であった場合、該目的地を示す地図付加情報は、該施設を示す地図付加情報であってもよい。
なお、情報取得部268が、目的地設定部266により設定された目的地に関する表示用情報を取得するには、車載器20が通信可能な路側機30が目的地設定部266により設定された目的地に基づく表示情報を送信している必要がある。しかし、各路側機30に、車両22においてあらゆる目的地が設定される可能性を考慮し、あらゆる目的地に関する表示用情報を送信させるとすれば、各路側機30における通信負荷が膨大となってしまう。
そこで、目的地設定部266は、設定された目的地と併せて車両22の現在位置を情報提供サーバ10に送信し、情報提供サーバ10が、車両22と通信可能な路側機30に対してのみ、該設定された目的地に関する表示用情報を送信させてもよい。かかる構成により、路側機30に、必要なときに、必要な表示用情報のみを送信させることができるため、路側機30における通信量を抑制することができる。また、車載器20は、設定した目的地に関する表示用情報を迅速に受信することができる。また、情報提供サーバ10は、情報提供サーバ10における表示用情報の内容が更新された場合でも、更新後の表示内容をリアルタイムで車載器20に送信することができる。
記録部270は、情報取得部268が取得した表示用情報を記憶部272に記録する。記憶部272は、地図情報と、情報取得部268が取得した表示用情報、すなわち地図付加情報および広告情報群を記憶する。かかる記憶部272は、情報提供サーバ10の記憶部108と同様に、EEPROM、EPROMなどの不揮発性メモリや、ハードディスクおよび円盤型磁性体ディスクなどの磁気ディスクや、CD−R/RW、DVD−R/RW/+R/+RW/RAMおよびBD(Blu−Ray Disc(登録商標))―R/BD−REなどの光ディスクや、MOディスクなどの記憶媒体であってもよい。
また、図16においては単一の記憶部272を示しているが、地図情報を記憶する地図情報記憶部、地図付加情報を記憶する地図付加情報記憶部、広告情報群を記憶する広告情報記憶部、というように記憶する対象に応じて概念的、あるいは物理的に異なる記憶部を設けてもよい。
位置判断部274は、車両22の現在位置が広告出力位置に到達したか否かを判断する。より詳細に説明すると、位置判断部274は、複数のGPS衛星36から通信部262を介して受信した位置測位用電波に基づき、車両22の現在位置を推定する。また、記憶部272に記憶されている地図付加情報に対応付けられている広告表示位置情報を取得する。そして、位置判断部274は、取得した広告表示位置情報により示される広告表示位置に車両22が到達した、あるいは含まれるか否かを判断する。ここで、図17を参照して広告表示位置の具体例を説明する。
図17は、広告表示位置の具体例を示した説明図である。図17において、地図付加情報「品川ビルディング」に対応付けられている広告表示位置情報により示される位置を広告表示位置44と示し、地図付加情報「東禅寺」に対応付けられている広告表示位置情報により示される位置を広告表示位置46と示している。したがって、位置判断部274は、品川ビルディングが目的地として設定されている場合、広告表示位置44に車両22が到達したか否かを判断する。
同様に、位置判断部274は、東禅寺が目的地として設定されている場合、広告表示位置46に車両22が到達したか否かを判断する。なお、目的地設定部266は複数の目的地を設定可能であり、目的地設定部266が品川ビルディングおよび東禅寺の双方を目的地として設定した場合、位置判断部274は、広告表示位置44または広告表示位置46のいずれかに車両22が到達したか否かを判断する。
なお、「〔2〕本発明の一実施形態にかかる情報提供システムの概要」で説明したように、広告表示位置情報には道路種別(一般道、高速道路など)や走行方向(上り、下りなど)の条件が含まれる場合がある。この場合、位置判断部274は、車両22が走行している道路種別および走行方向が上記条件を満たすか否かの判断も行なう。
図16を参照して車載器20の構成の説明に戻ると、出力制御部276は、位置判断部274により車両22が広告表示位置に到達したと判断されると、選択部278により選択されている広告情報を表示部24に表示させる。具体的には、出力制御部276は、位置判断部274により車両22が広告表示位置に到達したと判断されると、選択部278に広告情報の選択を指示し、選択部278が選択した広告情報を表示部24に供給させて表示させてもよい。
または、選択部278はあらかじめ表示部24に供給するための広告情報を選択しており、出力制御部276は、位置判断部274により車両22が広告表示位置に到達したと判断されると、選択部278にあらかじめ選択されている広告情報を表示部24に供給させてもよい。
また、出力制御部276は、車両22が広告表示位置の範囲内に含まれている期間にわたって広告情報を表示部24に表示させても、車両22が次の広告表示位置に到達するまで同一の広告情報を表示部24に表示させておいても、車両22が広告表示位置に到達に到達してから所定時間にわたって広告情報を表示部24に表示させてもよい。
選択部278は、記憶部272に記憶されている広告情報群のうちで、表示部24に表示させる広告情報を選択する。すなわち、選択部278は、設定されている目的地を示す地図付加情報に対応付けられている広告情報群のうちで、表示部24に表示させる広告情報を選択する。また、本実施形態にかかる選択部278は、表示部24に以前に表示させた広告情報に基づいて次の広告情報を選択することを特徴とする。
例えば、あるメーカーの広告情報が相互に順序付けられた一連の広告情報からなる場合、選択部278は、表示部24に直近に表示させた広告情報の次に順序付けられている広告情報を次の広告情報として選択してもよい。かかる構成により、車両22の走行経路に拘らず、所定の順序で複数の広告情報を表示部24に表示させることができる。
表示部24は、選択部278により選択された広告情報を、出力制御部276の制御に基づいて車両22の利用者に提供する出力部としての機能を有する。図16においては、出力部の一例として表示部24を示しているに過ぎず、出力部は、スピーカ、ヘッドホン、イヤホンなどの音声出力部であってもよい。また、表示部24は車載器20に外付けすることができるため、車載器20は、必ずしも表示部24のような出力部を含む概念ではない。
以上、本実施形態にかかる車載器20の構成を説明した。続いて、広告表示位置と、該広告表示位置において表示される広告情報の具体例を図18および図19を参照して説明する。
図18は、広告表示位置と、該広告表示位置において表示される広告情報の具体例を示した説明図である。詳細には、図18は、経路1を走行して目的地へ向かい、目的地から戻る車両22において表示される広告情報と、経路2を走行して目的地へ向かい、目的地から戻る車両22において表示される広告情報の内容を示している。
経路1を走行する車両22は、広告表示位置1、広告表示位置5、広告表示位置4、を順に経て目的地へ到達し、広告表示位置4、広告表示位置5、広告表示位置1、を順に経て目的地から戻る。また、経路1を走行する車両22は、事前に「maker id=mk10005」で表されるA社の広告情報1(ad101)、広告情報2(ad102)、広告情報3(ad103)、広告情報4(ad104)、広告情報5(ad105)、を受信し、記憶部272に記憶しているものとする。なお、かかる広告情報群は、目的地を示す地図付加情報に対応付けられている広告情報である。
このとき、経路1を走行する車両22が広告表示位置1に到達すると、車載器20は、A社の広告情報1(ad101)を表示する。続いて、経路1を走行する車両22が広告表示位置5に到達すると、直近に表示した広告情報1(ad101)の次に順序付けられているA社の広告情報2(ad102)を表示する。さらに、経路1を走行する車両22が広告表示位置4に到達すると、直近に表示した広告情報2(ad102)の次に順序付けられているA社の広告情報3(ad103)を表示する。
次いで、経路1を走行する車両22が目的地に到達した後、広告表示位置4に到達すると、直近に表示した広告情報3(ad103)の次に順序付けられているA社の広告情報4(ad104)を表示する。続いて、経路1を走行する車両22が広告表示位置5に到達すると、直近に表示した広告情報4(ad104)の次に順序付けられているA社の広告情報5(ad105)を表示する。さらに、経路1を走行する車両22が広告表示位置1に到達すると、直近に表示した広告情報5(ad105)が最後に順序付けられている広告情報であるため、最初に順序付けられているA社の広告情報1(ad101)を表示する。
また、経路2を走行する車両22は、広告表示位置2、広告表示位置3、を順に経て目的地へ到達し、広告表示位置3、広告表示位置2、を順に経て目的地から戻る。また、経路2を走行する車両22は、事前に「maker id=mk10005」で表されるA社の広告情報1(ad101)、広告情報2(ad102)、広告情報3(ad103)、広告情報4(ad104)、広告情報5(ad105)、を受信し、記憶部272に記憶しているものとする。
このとき、経路2を走行する車両22が広告表示位置2に到達すると、車載器20は、A社の広告情報1(ad101)を表示する。続いて、経路2を走行する車両22が広告表示位置3に到達すると、直近に表示した広告情報1(ad101)の次に順序付けられているA社の広告情報2(ad102)を表示する。
次いで、経路2を走行する車両22が目的地に到達した後、広告表示位置3に到達すると、直近に表示した広告情報2(ad102)の次に順序付けられているA社の広告情報3(ad103)を表示する。続いて、経路2を走行する車両22が広告表示位置2に到達すると、直近に表示した広告情報3(ad103)の次に順序付けられているA社の広告情報4(ad104)を表示する。
このように、本実施形態にかかる車載器20は、目的地に関連する地図付加情報に対応付けられている広告情報を表示することができる。したがって、車両22の利用者には該利用者が向かおうとしている目的地に関する広告情報が提供されるため、該利用者が、提供された広告情報に興味がある、または提供された広告情報を有効に活用できるなどといった場合が多い。また、広告情報の提供元である広告業者の側から見ると、車両22の利用者に対する訴求効果が高いと判断される広告情報を利用者に提供することができる。すなわち、当該車載器20は、車両22の利用者に該利用者の目的地に関連する広告情報を提供するため、車両22の利用者にとっての広告情報の有用性の向上、および広告業者による広告提供の効果向上を図ることができる。
さらに、本実施形態にかかる車載器20は、図18に示したように、同一の目的地を設定している車両22が、異なる経路で走行しても、所定の順序で広告情報を利用者に提供することができる。このため、複数の広告情報が一連の流れを有していた場合、車両22の利用者に該一連の流れに沿った順序で広告情報を提供し、各広告情報を単発、あるいは独立して提供する場合に比べて高い訴求力を発揮することができる。
なお、図18においては1社の広告情報を提供する場合を説明したが、本実施形態にかかる車載器20は、図19に示すように、複数の広告情報を、広告表示位置において順次提供することができる。
図19は、広告表示位置と、該広告表示位置において表示される複数の広告情報の具体例を示した説明図である。より詳細には、図19は、広告表示位置1、広告表示位置2、広告表示位置3、広告表示位置4、目的地、広告表示位置5、広告表示位置1、の順で走行する車両22に搭載されている車載器20において表示される広告情報の変化の様子を示している。
まず、車両22が広告表示位置1に到達すると、車載器20は、ドッグカメラの広告情報1−1、レストランアリッシュの広告情報2−1、マスターレコードの広告情報3−1、紀伊堂本屋の広告情報4−1、を表示し、車両22の利用者に提供する。続いて、車両22が広告表示位置2に到達すると、車載器20は、ドッグカメラの直近に表示された広告情報1−1の次に順序付けられている広告情報1−2、レストランアリッシュの直近に表示された広告情報2−1の次に順序付けられている広告情報2−2、マスターレコードの直近に表示された広告情報3−1の次に順序付けられている広告情報3−2、および紀伊堂本屋の直近に表示された広告情報4−1の次に順序付けられている広告情報4−2を表示する。
次いで、車両22が広告表示位置3に到達すると、車載器20は、ドッグカメラの直近に表示された広告情報1−2の次に順序付けられている広告情報1−3、マスターレコードの直近に表示された広告情報3−2の次に順序付けられている広告情報3−3、および紀伊堂本屋の直近に表示された広告情報4−2の次に順序付けられている広告情報4−3を表示する。また、車載器20は、レストランアリッシュの直近に表示された広告情報2−2が最後に順序付けられている広告情報であるため、最初に順序付けられている広告情報2−1を表示する。
さらに、車両22が広告表示位置4に到達すると、車載器20は、ドッグカメラの直近に表示された広告情報1−3の次に順序付けられている広告情報1−4、レストランアリッシュの直近に表示された広告情報2−1の次に順序付けられている広告情報2−2、および紀伊堂本屋の直近に表示された広告情報4−3の次に順序付けられている広告情報4−4を表示する。また、車載器20は、マスターレコードの直近に表示された広告情報3−3が最後に順序付けられている広告情報であるため、最初に順序付けられている広告情報3−1を表示する。
続いて、車両22が広告表示位置5に到達すると、車載器20は、ドッグカメラの直近に表示された広告情報1−4の次に順序付けられている広告情報1−5、マスターレコードの直近に表示された広告情報3−1の次に順序付けられている広告情報3−2、および紀伊堂本屋の直近に表示された広告情報4−4の次に順序付けられている広告情報4−5を表示する。また、車載器20は、レストランアリッシュの直近に表示された広告情報2−2が最後に順序付けられている広告情報であるため、最初に順序付けられている広告情報2−1を表示する。
そして、車両22が広告表示位置1に到達すると、車載器20は、ドッグカメラの直近に表示された広告情報1−5の次に順序付けられている広告情報1−6、レストランアリッシュの直近に表示された広告情報2−1の次に順序付けられている広告情報2−2、およびマスターレコードの直近に表示された広告情報3−2の次に順序付けられている広告情報3−3を表示する。また、車載器20は、紀伊堂本屋の直近に表示された広告情報4−5が最後に順序付けられている広告情報であるため、最初に順序付けられている広告情報4−1を表示する。
続いて、図20〜図22を参照し、本実施形態にかかる情報提供システム1、および車載器20において実行される情報処理方法について説明する。
図20は、本実施形態にかかる情報提供システム1の動作の流れを示したシーケンス図である。まず、情報提供サーバ10の登録部104は、地図付加情報を記憶部108に出力し(S402)、記憶部108は登録部104から入力された地図付加情報を記憶する(S404)。続いて、情報提供サーバ10は記憶部108に記憶している地図付加情報を広告業者装置14に公開し、地図付加情報に対する広告情報の付加を所望する広告業者を募る(S406)。
そして、地図付加情報に広告情報を付加する権利を得た広告業者の広告業者装置14は、記憶部108に広告情報を送信し(S408)、記憶部108は受信した広告情報を該当する地図付加情報と対応付けて記憶する(S410)。一方、車載器20のデータ処理部280が車両22の目的地を設定すると(S412)、設定した目的地を情報提供サーバ10に送信する(S414)。なお、車載器20のデータ処理部280は、車載器20の操作部264と、目的地設定部266と、情報取得部268と、記録部270と、位置判断部274と、出力制御部276と、選択部278と、を総称する概念である。
その後、情報提供サーバ10は、設定された目的地に関する表示用情報を車載器20に送信する(S416)。そして、データ処理部280は情報提供サーバ10から受信した表示用情報を記憶部272に出力し(S418)、記憶部272はかかる表示用情報を記憶する(S420)。
次いで、データ処理部280は、車載器20を搭載する車両22が広告表示位置に入ったと判断すると(S422)、記憶部272に対して該当する広告情報を要求し(S424)、記憶部272から該当する広告情報を受け取り(S428)、かかる広告情報を表示する(S428)。
図21は、車載器20が表示用情報を取得する際の詳細な流れを示したフローチャートである。まず、車載器20は、車載器20が搭載されている車両22の目的地を設定する(S430)。その後、車載器20は、情報提供サーバ10に接続し、目的地に関する表示用情報を検索し、広告表示位置情報などの属性地および広告情報などを含む表示用情報を取得する(S432)。
より詳細に説明すると、車載器20が設定した目的地を示す情報を情報提供サーバ10に送信し、情報提供サーバ10において車載器20が設定した目的地に関する表示用情報を検索させ、検索された表示用情報を取得することができる。ここで、実際の情報提供サーバ10と車載器20との通信は路側機30を介して行なわれる。したがって、上記のような構成により、路側機30に、必要なときに、必要な表示用情報のみを送信させることができるため、路側機30における通信量を抑制することができる。
図22は、車載器20における広告情報の表示の流れを示したフローチャートである。まず、車載器20の位置判断部274は、車載器20を搭載する車両22が広告表示位置に入ったか否かを判断する(S440)。そして、選択部278は、進入した広告表示位置を示す広告位置情報に対応付けられている広告情報群を取得する(S441)。なお、進入した広告表示位置を示す広告位置情報に対応付けられている広告情報群は通常一つである。進入した広告表示位置を示す広告位置情報に対応付けられている広告情報群が複数存在する場合も考えられるが、この場合、各広告情報群を独立して処理する。
続いて、選択部278は、S441において取得した広告情報群にメーカー情報が含まれる場合には(S442)、広告情報群に含まれるあるメーカー情報を取得する(S444)。ここで、メーカ情報は、メーカー名やメーカーIDなどメーカーを識別可能な情報と、以前に表示部24に表示された該メーカーの広告情報を示す広告表示カウントを含む情報である。広告表示カウントは、例えば、図18に示した「ad101」や「ad102」などの広告情報IDであってもよい。
その後、選択部278は、S444において取得したメーカー情報から広告表示カウントを取得し、広告表示カウントをインクリメント(1を足す)し、広告表示カウントにより示される広告情報を選択し、出力制御部276の制御に基づいて選択した広告情報を表示する(S446)。例えば、選択部278は、広告表示カウントが「ad101」であった場合には、次の広告情報を示す「ad102」に広告表示カウントをインクリメントし、広告情報IDが「ad102」である広告情報を選択し、出力制御部276の制御に基づいて選択した広告情報を表示する。
広告表示カウントが、最後に順序付けられている広告情報を示す場合、選択部278は広告表示カウントを初期化(1番目に戻す)し、広告表示カウントにより示される広告情報を選択し、出力制御部276の制御に基づいて選択した広告情報を表示する(S446)。続いて、選択部278は、S441において取得した広告情報群に未処理のメーカー情報が存在するか否かを判断し(S448)、広告情報群に未処理のメーカー情報が存在する場合には未処理のメーカー情報を取得する(S444)。一方、広告情報群に未処理のメーカー情報が存在しない場合は、S440の処理にもどる。なお、広告表示カウントは選択部278が保持していても、記憶部272に記憶させておいてもよい。
以上説明したように、本発明の第1の実施形態にかかる車載器20は、目的地設定部266により設定された目的地を示す地図付加情報に対応付けられている広告情報および位置情報を情報提供サーバ10から取得する。また、位置判断部274が情報取得部268により取得された位置情報により示される広告表示位置に車両22が到達したか否かを判断し、位置判断部274により車両22が広告出力位置に到達したと判断されると、出力制御部276が情報取得部268により取得された広告情報を表示部24に表示させる。したがって、当該車載器20は、車両22の利用者に該利用者の目的地に関連する広告情報を提供するため、車両22の利用者にとっての広告情報の有用性の向上、および広告業者による広告提供の効果向上を図ることができる。
さらに、本実施形態にかかる車載器20は、表示部24が以前に表示した広告情報に基づいて次に表示部24に表示させる次の広告情報を選択部278が選択する。したがって、本実施形態にかかる車載器20は、車両22の走行経路に拘らず、所定の順序で広告情報を利用者に提供することができる。このため、複数の広告情報が一連の流れを有していた場合、車両22の利用者に該一連の流れに沿った順序で広告情報を提供し、各広告情報を単発、あるいは独立して提供する場合に比べて高い訴求力を発揮することができる。
〔3−3〕本発明の第1の実施形態の補足事項の説明
なお、添付図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について説明したが、本実施形態はかかる例に限定されない。例えば、上記では、車載器20が目的地を情報提供サーバ10に送信し、情報提供サーバ10が受信した目的地に基づいて車載器20に表示用情報を送信するという、いわゆるオンデマンド形式を説明したが、本実施形態はかかる例に限定されない。
例えば、情報提供サーバ10は、各路側機30に、各路側機30の対応範囲に含まれる広告表示位置を示す広告表示情報が対応付けられている地図付加情報、および該地図付加情報に対応付けられている広告情報群を送信させるようにしてもよい。具体例を、図23を参照して説明する。
図23は、本実施形態の変更例を説明するための説明図である。ある目的地47を示す地図付加情報に対応付けられている広告表示位置情報の示す広告表示位置48が、図23のように配されていた場合を考える。具体的には、広告表示位置48は、路側機30A、路側機30B、路側機30C、路側機30E、路側機30U、の対応範囲に含まれず、路側機30D、路側機30T、路側機30V、路側機30X、の対応範囲に含まれる位置に配されている。
この場合、広告表示位置48を対応範囲に含む路側機30D、路側機30T、路側機30V、路側機30Xに目的地47を示す地図付加情報および該地図付加情報に対応付けられている広告情報を送信させ、広告表示位置48を対応範囲に含まない路側機30A、路側機30B、路側機30C、路側機30E、路側機30Uには目的地47を示す地図付加情報および該地図付加情報に対応付けられている広告情報群を送信させないようにしてもよい。
仮に、目的地47を示す地図付加情報に対応付けられている広告出力位置を対応範囲に含まない路側機30に目的地47に基づく広告情報群を送信させても、送信された広告情報が直ちに車載器20により表示されることはないため、データの通信量の観点から効果的でない場合がある。そこで、各路側機30に、各路側機30の対応範囲に含まれる広告表示位置を示す広告表示情報が対応付けられている地図付加情報、および該地図付加情報に対応付けられている広告情報群を送信させることにより、路側機30における通信量およびハードウェア規模を抑制することができる。
また、車載器20において表示される広告情報を、時間帯ごとに変更してもよい。図24を参照して具体例を説明する。
図24は、本実施形態の変更例を説明するための説明図である。図24は、データ462〜データ474を含むある広告情報のデータ構造を示している。該広告情報は、データ462に示されているように、メーカーID「maker id」が「mk10006」であり、広告情報ID「advertisement id」が「ad101」であり、タイトル「title」が「レストランアリッシュ」であり、開始時刻「start time」が「8:00:00」であり、終了時刻「end time」が「20:00:00」であり、開始日時「start date」が「2007/3/1」であり、終了日時「end date」が「2007/3/30」である。なお、開始時刻は一日のうちで該広告情報の提供を開始する時刻を示し、終了日時は一日のうちで該広告情報の提供を終了する時刻を示している。
また、図24に示した広告情報は、データ464に示したように、参照地図付加情報タイトル「map addition information reftitle」が「品川ビルディング」であり、参照地図付加情報のID「id ref」が「location100100」である。また、「comment=品川ビルディング内」というデータは、広告情報の広告対象であるレストランアリッシュが、対応付けられている地図付加情報である品川ビルディング内に存在することを示している。かかる「品川ビルディング内」というコメントは、車載器20においてレストランアリッシュの広告情報と併せて表示されるようにしてもよい。
また、データ466〜474は、時間帯ごとにことなる内容の広告情報を表示するためのデータである。データ466は、「お得なモーニングメニューはいかが!!!レストランアリッシュ」というテキストを、「content start time=8:00:00 end time=10:00:00」で示されるように、8時から10時の間提供することを示している。
同様に、データ468は、「お得なランチメニューはいかが!!!レストランアリッシュ」というテキストを、「content start time=10:00:00 end time=13:00:00」で示されるように、10時から13時の間提供することを示している。また、データ470は、「豊富なコースメニューを準備してお待ちしています!!!レストランアリッシュ」というテキストを、「content start time=13:00:00 end time=20:00:00」で示されるように、13時から20時の間提供することを示している。
また、データ472は、「ちょっと休憩、ケーキセットはいかがでしょう!!!レストランアリッシュ」というテキストを、「content start time=13:00:00 end time=20:00:00」で示されるように、13時から20時の間提供することを示している。また、データ474は、「朝8時からモーニングメニューあります!!!レストランアリッシュ」というテキストを、「content start time=13:00:00 end time=20:00:00」で示されるように、13時から20時の間提供することを示している。
ここで、車両22の利用者が有効活用できる広告情報は時間帯によって異なる場合がある。そこで、上記のように時間の変化に追従した広告情報を提供することにより、車両22の利用者に現在訴求効果が高い広告情報を提供することができる。
なお、上記時間の変化に追従した広告情報の提供を実現するために、情報提供サーバ10が送信時刻に応じた広告情報のみを送信するようにしても、記憶部272に記憶されている広告情報のうちから現在時刻に応じた広告情報を抽出する抽出部を設けてもよい。
〔4〕本発明の第2の実施形態の説明
(通常走行中の広告情報の提供)
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態の説明においては、本実施形態にかかる車載器20の目的を説明した後、本実施形態にかかる車載器20の動作を詳細に説明する。なお、本実施形態にかかる車載器20および情報提供サーバ10などの構成は、第1の実施形態で説明した内容と共通する部分が多いため、相違点に重きをおいて説明する。
〔4−1〕本発明の第2の実施形態の目的
本発明の第1の実施形態においては、車両22の目的地が設定された場合、設定された目的地に関連する広告情報を車両22の利用者に提供するシステムを説明した。しかし、車両22の利用者は、必ず目的地を設定して走行するわけではない。したがって、本発明の第1の実施形態においては、車両22の目的地が設定されていない場合、広告情報が提供されない場合があった。
そこで、上記のような事情に鑑みて本発明の第2の実施形態を提案するに至った。本発明の第2の実施形態は、目的地の設定の有無に拘らず広告情報を車両22の利用者に提供することを目的とする。さらに、本発明の第2の実施形態は、複数の広告情報を所定の順序で車両22の利用者に提供することを目的とする。以下、このような本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
〔4−2〕本発明の第2の実施形態の動作の詳細な説明
本発明の第2の実施形態にかかる情報提供システム1、情報提供サーバ10、車載器20および路側機30の構成は、第1の実施形態で説明した内容と共通する部分が多いため機能ブロック図を用いた説明を省略する。なお、地図付加情報、広告情報群の構成も、第1の実施形態で説明した内容と実質的に同一にすることができる。
本実施形態において、各路側機30は、各路側機30の対応範囲であるエリア32に関するエリア情報と、周囲の路側機30の対応範囲である周囲のエリア32に関するエリア情報を併せて送信する。例えば、図10に示したように路側機30A〜路側機30E、路側機30T、路側機30U、路側機30V、路側機30Xが配されていた場合、路側機30Aは、路側機30Aの対応範囲であるエリア32Aに含まれる施設や渋滞状態などを示すエリア情報と、路側機30Aの周囲の路側機30B、路側機30T、路側機30U、路側機30V、路側機30Xの対応範囲であるエリア32B、エリア32T、エリア32U、エリア32V、エリア32X、のエリア情報を併せて送信してもよい。
または、各路側機30は、路側機30Aを中心とした半径10km内のエリアに関するエリア情報は詳細レベル3で、半径10km〜20kmの範囲内のエリアに関するエリア情報を詳細レベル2で、半径20km〜半径30kmの範囲内のエリアに関するエリア情報は詳細レベル1で、半径30km以上のエリアに関するエリア情報は概要レベルで送信してもよい。
ここでエリア情報の詳細レベルは、高い値が付されているほどエリア情報が詳細であり、低い値が付されているほどエリア情報が間引かれていることを示す。例えば、詳細レベル3は、対象のエリアに関する全ての地図付加情報および該地図付加情報に対応付けられている広告情報群であって、詳細レベル2は、対象のエリアに含まれる規模が大きな施設を示す地図付加情報および該地図付加情報に対応付けられている広告情報群であって、詳細レベル3は、対象のエリアに含まれる著名な施設を示す地図付加情報および該地図付加情報に対応付けられている広告情報群であってもよい。
したがって、本実施形態にかかる車載器20の情報取得部268は、車両22がある施設の近辺を通過する事前に該施設を示す地図付加情報および該地図付加情報に対応付けられている広告情報群を取得し、記録部270が情報取得部268により取得された地図付加情報および広告情報群を記憶部272に記録しておくことができる。
本実施形態にかかる車載器20は、このようにして記憶部272に記録された地図付加情報および広告情報群に基づき、位置判断部274が、目的地に拘らず、例えば車両22が走行している近辺を示す地図付加情報に対応付けられている広告表示位置に車両22が到達したか否かを判断する点、および選択部278が、目的地に拘らず、例えば車両22が走行している近辺を示す地図付加情報に対応付けられている広告情報を選択する点で主に第1の実施形態と異なる。以下、詳細に説明する。
位置判断部274は、GPS衛星から受信した位置測位用電波に基づいて車両22の位置を推定すると、推定した位置が、記憶部272に記録されているいずれかの広告表示位置情報により示される広告表示位置に到達したか否かを判断する。そして、位置判断部274は、推定した位置が記憶部272に記録されているある広告表示位置情報により示される広告表示位置に到達したと判断すると、該広告表示位置情報が対応付けられている地図付加情報を選択部278に通知する。
選択部278は、位置判断部274により通知された地図付加情報に対応付けられている広告情報群から、以前に表示部24により表示されたあるメーカーの広告情報に基づいて該メーカの次の広告情報を選択する。例えば、選択部278は、以前に表示部24により表示されたあるメーカーの広告情報を示す広告表示カウントを保持しており、該広告表示カウントをインクリメントした広告表示カウントにより示される該メーカの広告情報を次の広告情報として選択してもよい。
また、位置判断部274により車両22の推定位置が記憶部272に記録されているある広告表示位置情報により示される広告表示位置に到達したと判断されると、出力制御部276は、選択部278により選択された次の広告情報を表示部24に表示させる制御を行なう。
かかる構成により、車載器20は、目的地の設定の有無に拘らず、ある地図付加情報に対応付けられている一連の広告情報を所定の順序で提供することができる。なお、地図付加情報に対応付けられている一連の広告情報は、ある広告対象が段階的に広告されるように順序付けられていてもよい。
例えば、一連の広告情報は、ある商品についての概要を示す広告情報/該商品の詳細(1)を示す広告情報/該商品の詳細(2)を示す広告情報/該商品の詳細(3)を示す広告情報、や、ある商品についての概要を示す広告情報/該商品の部分(1)を示す広告情報/該商品の部分(2)を示す広告情報/該商品の部分(3)を示す広告情報、といった概要から徐々に詳細に移行するように順序付けられていてもよい。
あるいは、一連の広告情報は、ストーリー性を有するように順序付けられていてもよい。例えば、一連の広告情報は、
ある商品の概要/該商品の目的/該商品の用途/該商品の効果(ある商品を宣伝する一連の広告情報)
ある建造物の時代背景/該建造物の建築逸話/該建造物に関する事件/該建造物の現在/(建造物、例えば金閣寺を宣伝する一連の広告情報)
あるアルバムの概要/該アルバムに含まれる曲紹介1/該アルバムに含まれる曲紹介2/該アルバムに含まれる曲紹介3/(あるアルバムを宣伝する一連の広告情報)
ある映画の企画構想/該映画の撮影/該映画の感想/該映画の受賞/(ある映画を宣伝する一連の広告情報)
ある属性(例えば虫歯予防)を有する商品1(歯磨き粉)/該属性を有する商品2(歯ブラシ)/該属性を有する商品3(歯間ブラシ)/該属性を有する商品4(口臭防止)/(共通の目的の商品を順次に宣伝する一連の広告情報)
あるメーカー(例えば家電メーカー)が扱う商品1(テレビジョン)/該メーカーが扱う商品2(PC:Personal Computer)/該メーカーが扱う商品3(デジタルカメラ)/該メーカーが扱う商品4(携帯型音声再生装置)/(あるメーカーが扱う商品を順次宣伝する一連の広告情報)
のように順序付けられた複数の広告情報を含んでもよい。
また、上記では、位置判断部274が、GPS衛星から受信した位置測位用電波に基づいて推定した車両位置が、記憶部272に記録されているいずれかの広告表示位置情報により示される広告表示位置に到達したか否かを判断する場合を説明したが、本実施形態はかかる例に限定されない。例えば、位置判断部274は、GPS衛星から受信した位置測位用電波に基づいて推定した車両22の位置の近辺の施設を示す地図付加情報を記憶部272から抽出する。そして、位置判断部274は、記憶部272から抽出した地図付加情報に対応付けられている広告表示位置情報の示す広告表示位置に車両22が到達したか否かを判断してもよい。
また、選択部278は、位置判断部274が記憶部272から抽出した地図付加情報に対応付けられている広告情報群のうちから次の広告情報を選択し、出力制御部276は、位置判断部274により車両22の推定位置が上記広告表示位置に到達したと判断されると、選択部278により選択された次の広告情報を表示部24に表示させる制御を行なってもよい。かかる構成によれば、車載器20は、車載器20を搭載している車両22の近辺に存在する施設を示す地図付加情報に対応付けられている広告情報を所定の順序で利用者に提供することができる。
以上説明した本実施形態にかかる情報提供システム1や車載器20の動作を、図25〜図27を参照して整理する。
図25は、本実施形態にかかる情報提供システム1において実行される情報処理方法の概略的な流れを示したシーケンス図である。まず、情報提供サーバ10の登録部104は、地図付加情報を記憶部108に出力し(S450)、記憶部108は登録部104から入力された地図付加情報を記憶する(S452)。続いて、情報提供サーバ10は記憶部108に記憶している地図付加情報を広告業者装置14に公開し、地図付加情報に対する広告情報の付加を所望する広告業者を募る(S454)。
そして、地図付加情報に広告情報を付加する権利を得た広告業者の広告業者装置14は、記憶部108に広告情報を送信し(S456)、記憶部108は受信した広告情報を該当する地図付加情報と対応付けて記憶する(S458)。その後、情報提供サーバ10は、各路側機30に送信させる表示用情報の登録、更新を行なう(S460)。そして、路側機30は、情報提供サーバ10により登録、更新された表示用情報を車載器20に送信する(S462)。
続いて、車載器20のデータ処理部280は、路側機30を介して情報提供サーバ10から受信した表示用情報を記憶部272に出力し(S464)、記憶部272はかかる表示用情報を記憶する(S466)。
次いで、データ処理部280は、車載器20を搭載する車両22が広告表示位置に入ったと判断すると(S468)、記憶部272に対して該当する広告情報を要求し(S470)、記憶部272から該当する広告情報を受け取り(S472)、かかる広告情報を表示する(S474)。
図26は、路側機30から送信されたエリア情報(表示用情報を含む)の車載器20における取得、記録の流れを示したフローチャートである。まず、情報取得部268は、通信可能な路側機30から送信されているエリア情報(上述したように、複数のエリア32に関する複数のエリア情報)を取得する(S476)。続いて、情報取得部268は、取得したうちの一のエリア情報が、車両22の進行方向を考慮し、これから車両22が移動するエリアに関するエリア情報であるか否かを判断する(S477)。
情報取得部268は、取得したうちの一のエリア情報が、これから車両22が移動するエリアに関するエリア情報であると判断すると、該エリア情報が記録済みのエリア情報であるか否かを判断する(S478)。そして、該エリア情報が記録済みのエリア情報でないと判断すると、記録部270に該エリア情報を記憶部272に記録させる(S479)。
一方、S478において該エリア情報が記録済みのエリア情報であると判断した場合、情報取得部268は、該エリア情報の更新日付が記録済みのエリア情報の更新日付より新しいか否かを判断する(S480)。該エリア情報の更新日付が記録済みのエリア情報の更新日付より新しいと判断すると、記録部270に更新部分を記憶部272に記録させ、併せて更新日付を更新させる(S481)。
S477において該エリア情報がこれから車両22が移動するエリアに関するエリア情報でないと判断された場合、S479の処理の後、S481の処理の後、またはS480において該エリア情報の更新日付が記録済みのエリア情報の更新日付より新しくないと判断された場合、情報取得部268は取得したエリア情報のうちで未処理のエリア情報の有無を判断する(S482)。未処理のエリア情報が有ると判断された場合にはS477の処理に戻り、未処理のエリア情報が無いと判断された場合には当該処理を終了する。
図27は、車載器20における広告情報の表示の流れを示したフローチャートである。まず、位置判断部274は、車両22が記憶部272に記録されているいずれかの広告表示位置情報により示される広告表示位置に到達したか否かを判断する(S484)。そして、位置判断部274は、車両22が記憶部272に記録されているある広告表示位置情報により示される広告表示位置に到達したと判断すると、該広告表示位置情報が対応付けられている地図付加情報を取得し、選択部278に通知する(S485)。
続いて、選択部278は、位置判断部274から通知された地図付加情報に対応付けられている広告情報群が存在するか否かを判断する(S486)。そして、選択部278は、位置判断部274から通知された地図付加情報に対応付けられている広告情報群が存在すると判断すると、広告情報群に含まれるいずれかのメーカーの広告情報を取得する(S487)。その後、選択部278は、取得した広告情報が複数であるか否かを判断し(S488)、単一の広告情報であれば当該広告情報を出力制御部276の制御に基づいて表示部24に表示させる(S489)。
一方、S487において取得した広告情報が複数であると判断された場合、選択部278は、取得したうちのいずれかの広告情報がすでに提供済みであるか否かを判断する(S490)。取得したうちのいずれの広告情報も未提供であると判断されると、選択部278は最初に順序付けられている広告情報を選択し、該会社の広告情報カウント値をインクリメントする(S491)。最初に順序付けられている広告情報は、例えば、最も小さい値の広告情報IDが付されているものであってもよい。また、広告情報カウント値は、広告情報IDであってもよい。
一方、取得したうちのいずれかの広告情報がすでに提供済みであると判断された場合、選択部278は、該会社の広告情報カウント値に該当する広告情報を選択し、広告情報カウント値をインクリメントする(S492)。なお、広告情報カウント値は、直近に表示された広告情報を示しても、直近に表示された広告情報の次に順序付けられている広告情報を示してもよい。また、本実施形態においても、図22を参照して説明した流れと実質的に同一の処理を行ってもよい。
以上説明したように、本発明の第2の実施形態にかかる情報提供サーバ10または車載器20は、位置判断部274が、目的地に拘らず、例えば車両22が走行している近辺を示す地図付加情報に対応付けられている広告表示位置に車両22が到達したか否かを判断し、選択部278が、目的地に拘らず、例えば車両22が走行している近辺を示す地図付加情報に対応付けられている広告情報を選択する。したがって、本実施形態によれば、車載器20を搭載している車両22の近辺に存在する施設を示す地図付加情報に対応付けられている広告情報を、目的地の有無に拘らず、所定の順序で車両22の利用者に提供することができる。
〔5〕本発明の第3の実施形態の説明
(嗜好情報または車両状態に応じた表示用情報の提供)
続いて、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態の説明においては、従来技術の課題および本実施形態による効果を概略的に説明した後、本実施形態にかかる車載器20や情報提供サーバ10の構成および動作を詳細に説明する。
〔5−1〕従来技術の課題および本実施形態による効果
従来、ある商店の所在する地域の近隣を通過する車両に搭載された車載器に該商店の広告情報を送信し、車載器において該商店の広告情報を表示させるカーナビゲーションシステムが提案されている。
しかし、従来のカーナビゲーションシステムを構成する車載器においては、情報提供サーバから不特定多数の車載器に向けて送信された地図付加情報または広告情報などの表示用情報が表示されてしまう。したがって、従来のカーナビゲーションシステムでは、各車両の利用者に、該利用者にとって不要な表示用情報ばかりが提供されてしまう場合があった。
図28は、従来のシステムにおける車載器に表示される地図画面の一例を示した説明図である。図28に示したように、従来、地図画面上に、ミニマート62A、ミニマート62B、ロースン63A、ロースン63B、セブンテン64A、セブンテン64B、などのコンビニエンスストアを示す地図付加情報が多数付加される。しかし、車両22の利用者がセブンテンを好み、その他のコンビニエンスストアを利用しない場合、ミニマート62A、ミニマート62B、ロースン63A、ロースン63B、などの地図付加情報は不要である。さらに、車両22の利用者が多数のコンビニエンスストアを示す地図付加情報からセブンテンを示す地図付加情報を抽出する必要があり、当該抽出作業は車両22の利用者にとって煩雑である。
このような問題を回避するために、車両22の個々の利用者に、必要な地図付加情報または広告情報などの嗜好情報の入力を促し、入力された嗜好情報に基づいて車両22の利用者の嗜好に沿った地図付加情報または広告情報を提供する方法も考えられる。しかし、かかる嗜好情報の入力作業は車両22の利用者にとって大きな手間である。さらに、車両22の利用者の嗜好は時間の経過と共に遷移する可能性があり、その度に嗜好情報の再入力を促すことは現実的でない。
そこで、上記事情に鑑みて本発明の第3の実施形態を提案するに至った。本発明の第3の実施形態によれば、車両22の利用者に、該車両22の以前の走行履歴または現在状態に応じて表示用情報を提供することができる。以下、本実施形態にかかる情報提供サーバ10および車載器26の詳細な構成および動作について説明する。
〔5−2〕本発明の第3の実施形態の構成および動作の詳細な説明
本発明の第3の実施形態は、上述したように、車両22の以前の走行履歴に応じた表示用情報を提供すること、および車両22の現在状態に応じた表示用情報を提供することが可能である。そこで、本実施形態の説明においては、まず、車両22の以前の走行履歴(嗜好情報)に応じた表示用情報を提供する構成および動作を説明した後に、車両22の現在状態に応じた表示用情報を提供する構成および動作を説明する。なお、本実施形態にかかる車載器26および情報提供サーバ10などの構成は、第1の実施形態および第2の実施形態で説明した内容と共通する部分が多いため、相違点に重きをおいて説明する。
(嗜好情報に基づく表示用情報の提供)
図29は、本実施形態にかかる車載器26の構成を示した機能ブロック図である。車載器26は、通信部262と、操作部264と、目的地設定部266と、記録部270と、位置判断部274と、出力制御部276と、検出部282と、情報取得部284と、記憶部286と、管理部287と、抽出部288と、選択部290と、表示部24と、を備える。
検出部282は、車両22において行われた所定の処理、および車両22の動作状態または環境状態を含む車両状態を検出する。車両22において行われる所定の処理としては、例えば、エンジンの停止処理、ワイパー作動処理、窓の開閉処理、ギア切替処理、ウインカー点灯処理、自動決済処理、および車両22の目的地の設定処理などがあげられる。
また車両22の動作状態としては、車両22の運転速度、ワイパーの動作状態、ブレーキの使用状態、クラクションの使用状態、パワーウィンドウの使用状態、リアウィンドウの使用状態、車内灯の使用状態などがあげられる。また、車両22の環境状態としては、車両22のガソリン残量、現在時刻、外気温度、外気湿度などがあげられる。
情報取得部284は、情報提供サーバ10から路側機30を介して地図付加情報および広告情報を含む表示用情報を取得する。また、本実施形態にかかる情報取得部284は、検出部282が所定の処理を検出すると、所定の処理と、該所定の処理が実行された位置を示す位置情報と、該所定の処理が実行された日時と、が対応付けられた運転操作情報を取得する。なお、該所定の処理が実行された位置を示す位置情報は、GPS衛星36から位置測位用電波を受信して推定することができる。
記録部270は、情報取得部284により取得された表示用情報および運転操作情報を記憶部286に記録する。また、記録部270は、情報取得部284により取得される後述の嗜好情報も記憶媒体に記録する。
また、情報取得部284は、記憶部286に記録された運転操作情報から、定期的に嗜好情報を取得する。具体的には、情報取得部284は、運転操作情報に含まれる位置情報の示す位置に付加される地図付加情報を、情報提供サーバ10から検索、あるいは記憶部286に記録されている地図付加情報から検索し、検索された地図付加情報のタイトルを嗜好情報として取得してもよい。なお、運転操作情報および嗜好情報のいずれも、所定の処理が実行された位置に存在する施設を特定できるため、施設情報と表現すること、および運転操作情報を取得する情報取得部284を施設情報取得部と表現することも適切である。
図30は、運転操作情報および嗜好情報の取得の流れを示した説明図である。車両22がエンジンを停止して停車すると、検出部282がエンジンの停止処理を検出し、情報取得部284はエンジンが停止された位置情報および日時を運転操作情報として取得する。図30には、一例として、エンジンが停止された日時が「2007/3/10 10:00:00」であり、エンジンが停止された位置が「北緯34°45’45.65145 東経135°30’02.18532 楕円体高43.096」であることを示す運転操作情報を示している。
そして、情報取得部284は、運転操作情報に含まれる位置情報に基づいて、例えば「セブンテン大崎店 2007/3/10 10:00:00」という嗜好情報を取得する。車両22の利用者は、利用する施設の前でエンジンを停止する場合が多いと考えられる。したがって、エンジンが停止された施設を示す当該嗜好情報を、車両22の利用者の好みを示す情報として扱うことは適切である。
図31は、記憶部286に記録される運転操作情報の内容を模式的に示した説明図である。図31は、車両22が、セブンテン64Aにおいて「2007/1/19 16:00」にエンジンを停止し、セブンテン64Bにおいて「2007/1/11 91:00」、「2007/1/22 8:00」、「2007/1/23 9:00」にエンジンを停止し、シャル66Aにおいて「2007/1/15 11:00」、「2007/1/20 11:00」、「2007/1/25 11:00」にエンジンを停止したことを示す運転操作情報を記憶していることを示している。
図31を参照すると、車両22は、セブンテン付近で頻繁にエンジンを停止する一方、ロースンやミニマートなど他のコンビニエンスストア付近ではエンジンを停止していない。また、車両22は、シャル付近でエンジンを停止しているものの、エネルス、キングなど他のガソリンスタンド付近ではエンジンを停止していない。かかる事情から、車両22の利用者は、コンビニエンスストアのうちでセブンテンを好み、ガソリンスタンドのうちでシャルを好んでいると推認される。
図32は、記憶部286に記録される嗜好情報を模式的に示した説明図である。図32に示したように、嗜好情報は、カテゴリーごとに、施設名と、日時と、が対応付けられている情報である。具体的には、図32は、コンビニエンスストアに関する嗜好情報を示しており、「セブンテン 2007/1/23 9:00」、「ロースン 2007/1/22 18:00」、「セブンテン 2007/1/22 8:00」、「セブンテン 2007/1/19 16:00」、「セブンテン 2007/1/13 11:00」、「セブンテン 2007/1/11 9:00」、「セブンテン 2006/12/30 11:00」、「セブンテン 2006/12/25 11:00」、「ミニマート 2006/12/20 11:00」、という情報を含む。
図33は、嗜好情報のデータ構造例を示した説明図である。図33には、「category type=コンビニエンスストア」というデータが表すようにコンビニエンスストアをカテゴリーとする嗜好情報を示している。また、図33の「content name=セブンイレブン point=15」というデータは、セブンテンにおいて以前に所定の処理が15回行われていることを示している。
また、図33の「event date=20061225 time=11:00:00」というデータは、所定の処理がセブンテンにおいて2006年12月25日11時0分0秒に行なわれたことを示している。同様に、図33の「event date=20061230 time=11:00:00」というデータは、所定の処理がセブンテンにおいて2006年12月30日11時0分0秒に行なわれたことを示しており、「event date=20070111 time=09:00:00」というデータは、所定の処理がセブンテンにおいて2007年1月11日9時0分0秒に行なわれたことを示している。
図34は、嗜好情報の他のデータ構造例を示した説明図である。図34の「preference id=car00100 car model=BMV」というデータは、当該嗜好情報が「car00100」というIDを有する、車種が「BMV」である車両22の嗜好情報であることを示している。
また、図34の「category type=コンビニエンスストア」というデータは、以下にカテゴリーがコンビニエンスストアに関する嗜好情報が記述されていることを示している。また、図34の「content name=セブンイレブン point=15」というデータは、セブンテンにおいて以前に所定の処理が15回行われていることを示している。同様に、図34の「content name=ロースン point=3」というデータは、ロースンにおいて以前に所定の処理が3回行われていることを示している。
また、図34の「category type=ガソリンスタンド」というデータは、以下にカテゴリーがガソリンスタンドに関する嗜好情報が記述されていることを示している。また、図34の「content name=シャル point=8」というデータは、シャルにおいて以前に所定の処理が8回行われていることを示している。同様に、図34の「content name=エネルス point=1」というデータは、エネルスにおいて以前に所定の処理が1回行われていることを示している。
したがって、図34を参照すると、車両22の利用者が、コンビニエンスストアであったらセブンテンを多用しており、ガソリンスタンドであったらシャルを多用していることから、車両22の利用者が、コンビニエンスストアのうちでセブンテンを好み、ガソリンスタンドのうちでシャルを好んでいると推認される。
なお、図32〜図34においては、例えば「セブンテン 大崎店」も「セブンテン 品川店」も、同一の「セブンテン」として管理している場合を示しているが、各々独立して管理してもよい。
ここで、図29を参照して車載器26の構成の説明に戻ると、記憶部286は、地図情報、地図付加情報、広告情報、および上述の運転操作情報、嗜好情報を記憶する。かかる記憶部286は、情報提供サーバ10の記憶部108と同様に、EEPROM、EPROMなどの不揮発性メモリや、ハードディスクおよび円盤型磁性体ディスクなどの磁気ディスクや、CD−R/RW、DVD−R/RW/+R/+RW/RAMおよびBD(Blu−Ray Disc(登録商標))―R/BD−REなどの光ディスクや、MOディスクなどの記憶媒体であってもよい。
また、図29においては単一の記憶部286を示しているが、地図情報を記憶する地図情報記憶部、地図付加情報を記憶する地図付加情報記憶部、広告情報を記憶する広告情報記憶部、運転操作情報を記憶する運転操作情報記憶部、および嗜好情報を記憶する嗜好情報記憶部、というように記憶する対象に応じて概念的、あるいは物理的に異なる記憶部を設けてもよい。
管理部287は、記憶部286に記憶されている嗜好情報の更新処理を行う。例えば、管理部287は、記憶部286において現在から設定時間の範囲外の日付が対応付けられている嗜好情報を削除してもよい。かかる構成においては、車両22の利用者の嗜好は時間または季節などの変遷により変化しえるため、当該車載器26によれば、車両22の利用者の嗜好の変化に追従した嗜好情報を記憶部286に記憶しておくことができる。
なお、上記設定時間は、1ヶ月であっても、半年であっても、一年であってもよい。または、管理部287は、記憶部286に記憶されているある施設を示す嗜好情報に対応付けられている日付のうちで最新の日付が現在から所定期間の範囲外の日付であった場合、該施設を示す嗜好情報を削除してもよい。すなわち、車両22の利用者が所定期間以上訪れていない施設は、車両22の利用者が以前好んでいたものの現在は好んでいないものと判断できるため、管理部287は該施設を示す施設情報を削除して利用者の嗜好の変化に追従することができる。
図35は、このような管理部287の処理の具体例を示した説明図である。記憶部286が図32に示した嗜好情報を記憶しており、現在日時が2007年2月1日であった場合、管理部287は、図35に示したように例えば1ヶ月前の2007年1月1日以前の処理に基づいて記録された嗜好情報を記憶部286から削除する。
具体的には、図35に示した例では、「2006/12/30 11:00」が対応付けられているセブンテンを示す嗜好情報と、「2006/12/25 11:00」が対応付けられているセブンテンを示す嗜好情報と、「2006/12/20 11:00」が対応付けられているミニマートを示す嗜好情報と、が管理部287により記憶部286から削除される。
その結果、記憶部286には、直近1ヶ月に行なわれたエンジン停止や自動決済などの処理に基づく嗜好情報が記憶されるため、車両22の利用者の嗜好が時間や季節の遷移に伴って変化した場合でも該変化に追従することができる。
図36は、以上説明した嗜好情報が記憶部286に記憶され、管理される流れを模式的に示した説明図である。まず、運転操作イベント(所定の処理)が発生すると、検出部282が該運転操作イベントを検出し、情報取得部284が該該運転操作イベントに関する運転操作情報を取得する。かかる運転操作情報は、「エンジンを切る」などどのようなイベントがあったかを示す情報と、該イベントがあった日時(日付)と、該イベントが起きた位置を示す位置情報と、を含み、運転操作情報記憶部292に記録される。
また、運転操作情報記憶部292に記憶されている運転操作情報に基づき、例えば定期的に嗜好情報が取得され、嗜好情報記憶部294に記録される。かかる嗜好情報は、「セブンテン」などの施設名と、該嗜好情報が取得されるきっかけとなったイベントがあった日時(日付)と、「コンビニエンスストア」などのカテゴリ情報とが対応付けられている。
また、嗜好情報記憶部294に記録されている嗜好情報は、定期的に管理部287により自動削除される。
なお、車両22の利用者は、表示部24を介して記憶部286に記録されている嗜好情報の内容を確認することができる。図37に、表示部24に表示される嗜好情報の内容を示す表示画面の一例を示す。
図37は、表示部24に表示される嗜好情報の内容を示す表示画面の一例を示した説明図である。図37には、コンビニエンスストアをカテゴリーとする嗜好情報の蓄積状況を示す表示画面を示している。なお、図37における色付けの正方形は、嗜好情報の蓄積と共に増加する指標である。
かかる表示画面を参照すると、セブンテンを示す嗜好情報が蓄積されており、ロースンおよびサークルCを示す嗜好情報が少量蓄積されており、ミニマートを示す嗜好情報が蓄積されていないことが確認される。なお、表示画面の表示形式は図37に示した例に限定されることはなく、例えば、円グラフを用いて表示しても、数字を用いて表示しても、「セブンテン」、「ロースン」などの文字の大きさの大小を用いて表示してもよい。
ここで、図29を参照して車載器26の構成の説明に戻ると、抽出部288は、記憶部286に記録されている地図付加情報、または広告情報群から、記憶部286に記憶されている所定の基準を満たす嗜好情報により示される施設に関する地図付加情報、または広告情報を抽出する。なお、当該抽出部288による抽出処理を行うモードと、行なわないモードとで切り替えることができる。
上記所定の基準は、例えば図34において示した「point」が5以上であること、同一カテゴリー内で「point」が最高であること、「point」が平均値より高いこと、などであってもよい。または、抽出部288は、カテゴリーごとの「総point」に基づき、「総point」が所定値を上回るカテゴリー内の嗜好情報により示される施設に関する地図付加情報、または広告情報を抽出してもよい。
例えば、カテゴリー「コンビニエンスストア」の「総point」が18であり、カテゴリー「ガソリンスタンド」の「総point」が「9」であり、所定値が12であった場合、抽出部288は、カテゴリー「コンビニエンスストア」内の「セブンテン」や「ロースン」などの嗜好情報に関する地図付加情報、または広告情報を抽出してもよい。
また、カテゴリーは、「コンビニエンスストア」、「ガソリンスタンド」に限られず、例えば、「病院」、「駐車場」、「百貨店」、「スーパーマーケット」、「学校」、「駅」、「公園」、「アミューズメントパーク」、「各種物販店」、「飲食店」、「銀行」、などであってもよい。
また、所定の基準を満たす嗜好情報により示される施設に関する地図付加情報、または広告情報は、所定の基準を満たす嗜好情報により示される施設を示す地図付加情報であっても、該地図付加情報に対応付けられている広告情報であっても、所定の基準を満たす嗜好情報により示される施設を宣伝する広告情報であってもよい。
例えば、所定の基準を満たす嗜好情報により示される施設が「セブンテン」であった場合、所定の基準を満たす嗜好情報により示される施設に関する地図付加情報、または広告情報は、「セブンテン」を示す地図付加情報、「セブンテン」を示す地図付加情報に対応付けられている広告情報、「セブンテン」を宣伝する広告情報、などであってもよい。
出力制御部276は、抽出部288により抽出された地図付加情報を表示部24に表示させる制御を行なう。ここで、抽出部288により抽出される地図付加情報は車両22の利用者の好む施設を示す可能性が高いため、かかる構成により、表示部24に車両22の利用者の嗜好に沿った地図付加情報を選択的に表示させることができる。その結果、表示部24に車両22の利用者にとって不要な地図付加情報が大量に表示されてしまう場合を抑制でき、表示部24に表示された画面から、車両22の利用者が所望する地図付加情報を容易に発見、検索することが可能となる。
選択部290は、抽出部288により抽出された広告情報のうちで、以前に表示部24に表示させた広告情報に基づいて次の広告情報を選択する。そして、選択部290は、選択した次の広告情報を出力制御部276による制御に基づいて表示部24に表示させる。かかる選択部290の機能は、次の広告情報の選択対象となる広告情報が抽出部288により抽出された広告情報であること以外は第1の実施形態で説明した内容と実質的に同一であるため、説明を省略する。
以上説明した本実施形態にかかる車載器26は、車両22の利用者による追加的に操作を要することなく、例えば図38に示すような表示画面を表示部24に表示させることができる。
図38は、本実施形態にかかる車載器26において表示される表示画面の一例を示した説明図である。図28に示した従来の車載器において表示される表示画面と図38とを比較すると、図28に示した従来の車載器において表示される表示画面に含まれる「エネルス」、「キング」などのガソリンスタンドや、「ロースン」、「ミニマート」などのコンビニエンスストアが、図38に示した本実施形態にかかる車載器26において表示される表示画面から排除されていることが分かる。
したがって、車両22の利用者は、かかる車載器26に表示されている表示画面から、自身の好みの「セブンテン」や「シャル」を示す地図付加情報を、「ロースン」や「キング」などの他の地図付加情報に阻害されることなく容易に見つけることができる。
以上の説明から了解されるように、嗜好情報は、車両22における過去の処理の履歴に基づくものであるため車両22ごとに異なる。その結果、図38のような表示画面を表示する車載器26が存在する一方で、例えば図39のような表示画面を生成する車載器26も存在し得る。
なお、上記では省略しているが、車載器26においては、車両22の利用者の嗜好と判断される「セブンテン」や「シャル」に関する広告情報が表示され、「ロースン」や「キング」などに関する車両22の利用者の嗜好に沿わない広告情報は表示されないようにしてもよい。
図39は、本実施形態にかかる車載器26において表示される他の表示画面の一例を示した説明図である。図28に示した従来の車載器において表示される表示画面と図39とを比較すると、図28に示した従来の車載器において表示される表示画面に含まれる「エネルス」、「シャル」などのガソリンスタンドや、「ロースン」、「セブンテン」などのコンビニエンスストアが、図39に示した本実施形態にかかる車載器26において表示される表示画面から排除されていることが分かる。
したがって、車両22の利用者は、かかる車載器26に表示されている表示画面から、自身の好みの「ミニマート」や「キング」を示す地図付加情報を、「ロースン」や「シャル」などの他の地図付加情報に阻害されることなく容易に見つけることができる。
さらに、同一の利用者が異なる複数の車両22を利用する場合には、嗜好情報を記憶する嗜好情報記憶部294を車載器26から着脱可能に構成し、利用者が利用する車両22に搭載されている車載器26に嗜好情報記憶部294を接続してもよい。かかる構成により、同一の利用者が異なる複数の車両22を利用する場合であっても、表示部24に自身に嗜好に沿った地図付加情報または広告情報を表示させることができる。
また、車載器26が処理に用いる嗜好情報は、必ずしも車載器26が搭載された車両22の利用者により蓄積されたものである必要はない。例えば、ある出版社が雑誌の特集に合わせた嗜好情報を提供したり、有名人の嗜好情報を配布し、車載器26において該配布された嗜好情報に基づいた処理を行うようにしてもよい。
続いて、図40〜図44を参照し、本実施形態にかかる情報提供システム1および車載器26において実行される情報処理方法について説明する。
図40は、本実施形態にかかる情報処理システム1の動作の流れを示したシーケンス図である。まず、操作部264にエンジン停止操作が入力されると(S502)、エンジンが停止されたことを検出部282が検出する(S504)。そして、情報取得部284により取得される運転操作情報が運転操作情報記憶部292に出力され(S506)、運転操作情報記憶部292が運転操作情報を記憶する(S508)。なお、当該フローチャートにおいては、説明の便宜のため、記憶部286が、運転操作情報記憶部292と、嗜好情報記憶部294と、地図付加情報および広告情報記憶部296とに分離構成されているものとして示している。
続いて、操作部264に目的地の設定操作が入力されると(S512)、目的地が設定されたことを検出部282が検出する(S514)。そして、情報取得部284により取得される運転操作情報が運転操作情報記憶部292に出力され(S516)、運転操作情報記憶部292が運転操作情報を記憶する(S518)。さらに、操作部264にエンジン停止操作が入力されると(S522)、エンジンが停止されたことを検出部282が検出する(S524)。そして、情報取得部284により取得される運転操作情報が運転操作情報記憶部292に出力され(S526)、運転操作情報記憶部292が運転操作情報を記憶する(S528)。
運転操作情報記憶部292が記憶する運転操作情報は、定期的に嗜好情報に変換され、嗜好情報記憶部294に記憶される(S530、S532)。そして、嗜好情報記憶部294が記憶している嗜好情報は、抽出部288に出力される(S534)。
一方、情報取得部284は、情報提供サーバ10から地図付加情報、および広告情報を取得すると(S536)、取得した地図付加情報、および広告情報を記録部270を介して地図付加情報および広告情報記憶部296に記録する(S538、S540)。
そして、抽出部288は、地図付加情報および広告情報記憶部296に記憶されている地図付加情報から、嗜好情報記憶部294から入力された嗜好情報に応じた地図付加情報を抽出する(S542)。その後、車両22が広告表示位置に到達すると(S544)、抽出部288は、地図付加情報および広告情報記憶部296に対して嗜好情報に応じた広告情報を要求し(S546)、該要求に応じて地図付加情報および広告情報記憶部296から嗜好情報に応じた広告情報が出力される。
続いて、出力制御部276の制御に基づいて表示部24が地図付加情報および広告情報記憶部296から得られた地図付加情報が重畳された地図画面および広告情報を含む表示画面を表示する(S550)。その後、管理部287が定期的に嗜好情報記憶部294をメンテナンスし、更新された嗜好情報が抽出部288に出力される(S552)。また、情報取得部284が情報提供サーバ10から地図付加情報および広告情報を取得するという処理を繰り返す(S554)。
図41は、車両22において所定の処理が行われてから運転操作情報が記録されるまでの流れを示したフローチャートである。図42は、運転操作情報あるいは嗜好情報が記録された場合に表示される画面の一例を示した説明図である。まず、検出部282は、車両22のエンジンが切られたか否かを判断する(S560)。車両22のエンジンが切られたと検出部282により判断されると、情報取得部284がエンジンが切られた位置を示す位置情報、エンジンが切られた時刻を示す情報を含む運転操作情報を取得し、記録部270が該運転操作情報を運転操作情報記憶部292に記録する(S562)。
このように運転操作情報が運転操作情報記憶部292に記録されると、新たな運転操作情報が記録されたことを示す画面が表示部24に表示されるようにしてもよい。なお、2007年1月11日の11時に、セブンテンにおいてエンジンが停止され、セブンテンと、2007年1月11日の11時を示す情報とが対応付けられた運転操作情報、または嗜好情報が記録されたことを図42に示したような画面を介して車両22の利用者に通知してもよい。
図43は、車載器26における嗜好情報の記録、更新の流れを示したフローチャートである。まず、情報取得部284は、車両22において所定の処理が実行されると運転操作情報を取得する(S572)。続いて、情報取得部284は、運転操作情報に含まれる位置情報の示す位置に付加される地図付加情報を取得する(S574)。ここで、情報取得部284は、地図付加情報を地図付加情報および広告情報記憶部296から取得しても、情報提供サーバ10から取得してもよい。
そして、記録部270は、情報取得部284が取得した地図付加情報の示す施設をカテゴリーごとに分類し、所定の処理が行われた時刻と共に嗜好情報として嗜好情報記憶部294に記録する(S576)。また、記録部270は、所定の処理が該施設において行われた回数をポイントとして嗜好情報記憶部294に記録する。
続いて、管理部287は、嗜好情報記憶部294に記憶されている嗜好情報のうちで、許容されている期間外の日付を示す情報が対応付けられている嗜好情報を削除する(S578)。ここで、許容される期間は、嗜好情報のカテゴリーごとに異なってもよい。また、管理部287は、削除した嗜好情報の数を上記ポイントに反映させる。
その後、嗜好情報記憶部294が記憶する嗜好情報が更新されたことを抽出部288、選択部290などの各ブロックに通知して処理を終了する(S580)。
図44は、車載器26が嗜好情報に基づいて表示用情報を表示する流れを示したフローチャートである。まず、抽出部288は、嗜好情報記憶部294から嗜好情報を読み込む(S582)。続いて、位置判断部274が、車両22が広告表示位置に入ったか否かを判断する(S584)。
車両22が広告表示位置に入ったと判断された場合、該広告表示位置を示す広告表示位置情報が対応付けられている地図付加情報、または広告情報が存在するか否かを判断する(S586)。該広告表示位置を示す広告表示位置情報が対応付けられている地図付加情報、または広告情報が存在しないと判断されると、S584に示した処理に戻る。
一方、抽出部288は、該広告表示位置を示す広告表示位置情報が対応付けられている地図付加情報、または広告情報が存在すると判断すると、該広告表示位置を示す広告表示位置情報が対応付けられている地図付加情報、または広告情報を地図付加情報および広告情報記憶部296が読み込む(S588)。
続いて、抽出部288は、嗜好情報に基づく表示をするモードが有効化(オン)されているか否かを判断する(S590)。嗜好情報に基づく表示をするモードが有効化されている場合、抽出部288は、嗜好情報にマッチする地図付加情報および広告情報を抽出する(S592)。具体的には、抽出部288は、カテゴリーごとに、カテゴリー内でポイントが閾値よりも高い嗜好情報と、地図付加情報および広告情報のマッチングを確認し、マッチすると判断した地図付加情報および広告情報を抽出する。すなわち、抽出部288は、カテゴリーごとに、カテゴリー内でポイントが閾値よりも高い嗜好情報の示す施設に関する地図付加情報および広告情報を抽出する。
その後、出力制御部276による制御に基づき、表示部24が、抽出部288により抽出された地図付加情報が重畳された地図画面、および抽出部288により抽出されたうちから選択部290により選択された広告情報を表示する(S594)。
以上説明したように、当該車載器26は、車両22の過去の処理履歴から車両22の利用者の嗜好情報を得て、該嗜好情報に基づいて車両22の利用者の嗜好に沿った地図付加情報および広告情報を表示することができる。その結果、表示部24に車両22の利用者にとって不要な地図付加情報または広告情報が大量に表示されてしまう場合を抑制でき、表示部24に表示された画面から、車両22の利用者が所望する地図付加情報を容易に発見、検索することが可能となる。
(車両状態に基づく表示用情報の提供)
次に、車両22の動作状態、または環境状態を含む車両状態に基づいて表示する地図付加情報または広告情報を選択可能な車載器26について説明する。なお、上述したように、車両22の動作状態は車両22がどのような動作、機能を実行しているかを示し、車両22の環境状態は車両22の内部または外部の環境を示す。
検出部282は、車両22の車両状態を検出すると、検出した車両状態を抽出部288に通知する。例えば、検出部282は、車両22のブレーキが踏まれたこと、車両22のウインカーが点灯されたこと、外気温度などを検出し、抽出部288に通知する。このため、図29には検出部282を一のブロックとして記載しているが、実際には、検出部282は、ブレーキ操作検出部、ウインカー点灯検出部、外気温度センサーなどの複数の検出部を含んでもよい。
抽出部288は、検出部282から通知された車両状態に基づいて、記憶部286に記憶されている地図付加情報および広告情報から、現在の車両22の車両状態に応じた地図付加情報および広告情報を抽出する。そして、抽出部288が抽出した地図付加情報、および抽出部288が抽出した広告情報から選択部290により選択された広告情報などが、出力制御部276の制御に基づいて表示部24に表示される。
抽出部288が車両22の車両状態に応じて抽出する情報の一例を、図45を参照して説明する。
図45は、車両22の車両状態と、抽出部288が抽出する地図付加情報の関係の一例を示した説明図である。例えば、検出部282が車両22のガソリンメータが減った、あるいは所定値以下になったことを検出した場合、車両22の利用者が給油をしたいと考えている可能性がある。そこで、抽出部288は、車両22のガソリンメータが減った、あるいは所定値以下になったことを検出部282により検出された場合、記憶部286に記憶されている地図付加情報からガソリンスタンドを示す地図付加情報を抽出してもよい。その結果、表示部24に、現在車両22の利用者が立ち寄りたいと考えている可能性があるガソリンスタンドを示す地図付加情報を選択的に表示させることができる。
また、検出部282が、車両22の運転時間が長い、あるいは所定時間を越えたことを車両状態として検出した場合、車両22の利用者は疲れ、休憩したいと考えている可能性がある。そこで、抽出部288は、車両22の運転時間が長い、あるいは所定時間を越えたことを車両状態として検出部282により検出された場合、記憶部286に記憶されている地図付加情報からカフェを示す地図付加情報を抽出してもよい。その結果、表示部24に、現在車両22の利用者が立ち寄りたいと考えている可能性があるカフェを示す地図付加情報を選択的に表示させることができる。
また、検出部282が、現在時刻が12時や18時などの食事時になったことを車両状態として検出した場合、車両22の利用者は、空腹を感じ、食事を摂りたいと考えている可能性がある。そこで、抽出部288は、現在時刻が12時や18時などの食事時になったことを車両状態として検出部282により検出された場合、記憶部286に記憶されている地図付加情報からレストランを示す地図付加情報を抽出してもよい。その結果、表示部24に、現在車両22の利用者が立ち寄りたいと考えている可能性があるレストランを示す地図付加情報を選択的に表示させることができる。
また、検出部282が、車両22におけるワイパー動作を車両状態として検出した場合、現在雨が降っている、あるいは湿気が多い可能性がある。そこで、抽出部288は、車両22におけるワイパー動作が車両状態として検出部282により検出された場合、記憶部286に記憶されている地図付加情報から屋根のある休憩所やお店を示す地図付加情報を抽出してもよい。その結果、表示部24に、現在車両22の利用者が立ち寄りたいと考えている可能性がある屋根のある休憩所やお店を示す地図付加情報を選択的に表示させることができる。
また、検出部282が、車両22においてブレーキが短時間に頻繁に用いられたことを車両状態として検出した場合、車両22は渋滞に巻き込まれている可能性がある。そこで、抽出部288は、車両22においてブレーキが短時間に頻繁に用いられたことが車両状態として検出部282により検出された場合、記憶部286に記憶されている地図付加情報からトイレのあるお店、抜け道沿いにあるお店を示す地図付加情報を抽出してもよい。その結果、表示部24に、現在車両22の利用者が立ち寄りたいと考えている可能性があるトイレのあるお店、抜け道沿いにあるお店を示す地図付加情報を選択的に表示させることができる。
また、検出部282が、車両22において駐車ランプが点灯されたことを車両状態として検出した場合、車両22の利用者は車両22を駐車したと考えている可能性がある。そこで、抽出部288は、車両22において駐車ランプが点灯されたことが車両状態として検出部282により検出された場合、記憶部286に記憶されている地図付加情報から駐車場や駐車場の近くにあるお店を示す地図付加情報を抽出してもよい。その結果、表示部24に、現在車両22の利用者が立ち寄りたいと考えている可能性がある駐車場や駐車場の近くにあるお店を示す地図付加情報を選択的に表示させることができる。
また、検出部282が、車両22においてクラクションが用いられたことを車両状態として検出した場合、車両22の利用者は疲労している、あるいは苛立っている可能性がある。そこで、抽出部288は、車両22においてクラクションが用いられたことが車両状態として検出部282により検出された場合、記憶部286に記憶されている地図付加情報からカフェや休憩できる施設を示す地図付加情報を抽出してもよい。その結果、表示部24に、現在車両22の利用者が立ち寄りたいと考えている可能性があるカフェや休憩できる施設を示す地図付加情報を選択的に表示させることができる。
また、検出部282が、車両22のパワーウィンドウが開けられたことを車両状態として検出した場合、車両22の利用者の気分が良好である可能性がある。そこで、抽出部288は、車両22においてパワーウィンドウが開けられたことが車両状態として検出部282により検出された場合、記憶部286に記憶されている地図付加情報から遠くのお店や、景色の良い観光地を示す地図付加情報を抽出してもよい。その結果、表示部24に、現在車両22の利用者が立ち寄りたいと考えている可能性がある遠くのお店や、景色の良い観光地を示す地図付加情報を選択的に表示させることができる。
また、検出部282が、車両22のリアウィンドウが開けられたことを車両状態として検出した場合、車両22には多人数が搭乗している可能性がある。そこで、抽出部288は、車両22においてリアウィンドウが開けられたことが車両状態として検出部282により検出された場合、記憶部286に記憶されている地図付加情報から多人数が入れるお店を示す地図付加情報を抽出してもよい。その結果、表示部24に、現在車両22の利用者が立ち寄りたいと考えている可能性がある多人数が入れるお店を示す地図付加情報を選択的に表示させることができる。
また、検出部282が、車両22の車内灯が点灯されたことを車両状態として検出した場合、車両22の利用者が何かを探そうとしている可能性がある。そこで、抽出部288は、車両22の車内灯が点灯されたことが車両状態として検出部282により検出された場合、記憶部286に記憶されている地図付加情報から車両22を駐車できる駐車上やお店を示す地図付加情報を抽出してもよい。その結果、表示部24に、現在車両22の利用者が立ち寄りたいと考えている可能性がある車両22を駐車できる駐車上やお店を示す地図付加情報を選択的に表示させることができる。
また、検出部282が、車両22のメンテナンスエラー灯が点灯されたことを車両状態として検出した場合、車両22の修理が必要である可能性がある。そこで、抽出部288は、車両22のメンテナンスエラー灯が点灯されたことが車両状態として検出部282により検出された場合、記憶部286に記憶されている地図付加情報から車両22のディーラーや、ガソリンスタンドを示す地図付加情報を抽出してもよい。その結果、表示部24に、現在車両22の利用者が立ち寄りたいと考えている可能性がある車両22のディーラーや、ガソリンスタンドを示す地図付加情報を選択的に表示させることができる。
また、検出部282が、車両22の外気温度が低いことを車両状態として検出した場合、車両22の利用者は暖かい食事を摂りたいと考えている可能性がある。そこで、抽出部288は、車両22の外気温度が低いことが車両状態として検出部282により検出された場合、記憶部286に記憶されている地図付加情報からラーメン屋を示す地図付加情報を抽出してもよい。その結果、表示部24に、現在車両22の利用者が立ち寄りたいと考えている可能性があるラーメン屋を示す地図付加情報を選択的に表示させることができる。
このような抽出部288による車両状態に応じた地図付加情報の抽出を、上述の嗜好情報に基づく地図付加情報の抽出と組み合わせることも可能である。以下、図46を参照して、車両状態および嗜好情報に基づいて選択的に表示される地図付加情報の一例を示す。
図46は、車両状態および嗜好情報に基づいて選択的に表示される地図付加情報の一例を示した説明図である。図46(a)は、車両状態および嗜好情報に基づく地図付加情報の抽出が行なわれていない通常の画面を模式的に示している。図46(a)のA1、A2、A3は飲食店を示しており、B1、B2はガソリンスタンドを示しており、C1、C2はコンビニエンスストアを示している。図46(a)のように、嗜好モード(嗜好情報に基づく地図付加情報の選択表示)がOFFであると、大多数の地図付加情報が表示されるため、車両22の利用者が表示されている地図付加情報から自身が欲する地図付加情報を見つけることは困難である。
図46(b)は、嗜好モードをONにした場合に表示される画面を示している。図46(b)を図46(a)に示した通常の画面と比較すると、A2やB1を示す地図付加情報が排除されているため、車両22の利用性が向上されることが分かる。
さらに、車載器26は、車両22の車両状態を考慮することにより、図46(c)〜図46(e)に示すように、重畳される地図付加情報がより削減された画面を表示することができる。
例えば、図46(c)は、車両22の車両状態に基づいて抽出部288が飲食店であるA1、A3を示す地図付加情報を抽出し、表示部24が出力制御部276の制御に基づいてA1、A3を示す地図付加情報を表示した例を示している。また、図46(d)は、車両22の車両状態に基づいて抽出部288がガソリンスタンドであるB2を示す地図付加情報を抽出し、表示部24が出力制御部276の制御に基づいてB2を示す地図付加情報を表示した例を示している。同様に、図46(e)は、車両22の車両状態に基づいて抽出部288がコンビニエンスストアであるC1、C2を示す地図付加情報を抽出し、表示部24が出力制御部276の制御に基づいてC1、C2を示す地図付加情報を表示した例を示している。
このように、車両状態に応じた地図付加情報の抽出と、上述の嗜好情報に基づく地図付加情報の抽出と、を組み合わせることにより、車両22の利用者に、より少数であり、かつ利用者にとって有効であると考えられる地図付加情報を提供することができる。
なお、嗜好モードはオフで、車両22の車両状態に基づいて抽出部288が飲食店を抽出した場合、表示部24が出力制御部276の制御に基づいてA1、A2、A3を示す地図付加情報を表示する。このように、嗜好モードをオフにし、車両22の車両状態に基づいた表示用情報の提供をすることも当然に可能である。
また、上記では、抽出部288により抽出された地図付加情報を表示部24に表示させ、抽出部288により抽出されなかった地図付加情報は表示部24に表示させない場合を説明した。しかし、図47に示すように、抽出部288により抽出された地図付加情報を、他の地図付加情報と区別して表示されるようにしてもよい。
図47は、表示部24による画面の表示例を示した説明図である。より詳細には、図47は、嗜好情報に基づく地図付加情報の抽出の結果、ガソリンスタンドのうちからはシャル68A、68B、68Cが表示され、コンビニエンスストアのうちからはセブンテン64A、64Bが表示されている場合を示している。
ここで、車両22の運転時間が長くなり、時刻が12時位になると抽出部288がコンビニエンスストアを示す地図付加情報を抽出するとする。このとき、出力制御部276は、コンビニエンスストアであるセブンテン64A、64Bを示す地図付加情報を選択的に表示部24に表示させても、図47に示すように、セブンテン64A、64Bを示す地図付加情報を赤い文字にして視覚的に目立つように表示させてもよい。
同様に、車両22のガソリンメータが減ると、抽出部288がガソリンスタンドを示す地図付加情報を抽出するとする。このとき、出力制御部276は、ガソリンスタンドであるシャル68A、68B、68Cを示す地図付加情報を選択的に表示部24に表示させても、図47に示すように、シャル68A、68B、68Cを示す地図付加情報を赤い文字にして視覚的に目立つように表示させてもよい。
次に、図48を参照して、車載器26における車両状態に基づく表示用情報の提供の流れを説明する。
図48は、車載器26における車両状態に基づく表示用情報の提供の流れを示したフローチャートである。まず、車載器26の情報取得部284は、情報提供サーバ10から地図付加情報および広告情報を含む表示用情報を取得する(S602)。続いて、検出部282が車載器26が搭載されている車両22の車両状態を検出する(S604)。
その後、抽出部288が、検出部282により抽出された車両状態に基づいて、情報取得部284により取得された表示用情報から、車両状態に応じた表示用情報を抽出する(S606)。そして、表示部24が、出力制御部276による制御に基づき、抽出部288により抽出された表示用情報を、他の表示用情報と区別して表示する(S608)。
以上説明したように、抽出部288が車両22の車両状態に応じた表示用情報を抽出し、表示部24が出力制御部276による制御に基づき、抽出部288により抽出された表示用情報を選択的に表示する、あるいは抽出部288により抽出された表示用情報を他の表示用情報と区別して表示することにより、車両22の利用者は、車両22の現在状態に応じた表示用情報を効率的に得ることが可能となる。
なお、上記では、抽出部288が抽出する表示用情報の一例として、地図付加情報に重きをおいて説明したが、広告情報についても同様に処理することができる。例えば、車両22のガソリンメータが減ってきたことを検出部282が車両状態として検出した場合、抽出部288は、ガソリンスタンドを宣伝する広告情報を抽出してもよい。
〔5−3〕本発明の第3の実施形態の補足事項の説明
以上説明してきた本発明の第3の実施形態においては、車載器26が情報提供サーバ10から取得した表示用情報から、車載器26が車両22の嗜好情報または車両状態に応じた表示用情報を抽出する場合を説明したが、本実施形態はかかる例に限定されない。例えば、図47を用いて以下に説明するように、情報提供サーバ10側で車両22の嗜好情報または車両状態に応じた表示用情報を抽出し、車両22に搭載されている車載器26に該表示用情報を抽出するようにしてもよい。
図49は、本実施形態の変更例を示した説明図である。当該変更例においては、情報提供サーバ10は、記憶部108と、通信部128と、嗜好情報取得部130と、記録部132と、車両状態検出部134と、抽出部136と、管理部138と、を備える。
通信部128は、路側機30を介して車載器26との通信を行うインターフェースであって、送信部および受信部としての機能を有する。当該通信部128は、例えば図4に示した表示用情報送信部120に対応する。
嗜好情報取得部130は、車載器26を搭載する車両22において所定の処理が実行された場合、該処理が実行された位置に存在する施設を示す情報と、該処理が実行された日時とが対応付けられた嗜好情報を取得する。嗜好情報の詳細な構成は、図32〜図34を参照して説明した内容と実質的に同一であるため説明を省略する。記録部132は、嗜好情報取得部130が取得した嗜好情報を記憶部108に記録する。なお、嗜好情報は、車両22において所定の処理が実行された位置に存在する施設を特定できるため、施設情報と表現すること、および嗜好情報を取得する情報取得部130を施設情報取得部と表現することも適切である。
また、車両状態取得部134は、車載器26を搭載する車両22の動作状態および環境状態を含む車両状態を取得する。車両状態については、上記〔5−2〕本発明の第3の実施形態の構成および動作の詳細な説明(車両状態に基づく表示用情報の提供)で説明した内容と実質的に同一であるため、説明を省略する。
抽出部136は、記憶部108に記録されている嗜好情報、および車両状態取得部134により取得された車両状態に基づいて、車載器26に送信する表示用情報を記憶部108から抽出する。そして、抽出部136により抽出された表示用情報を通信部128が車載器26に送信する。その結果、車載器26において、情報提供サーバ10から受信した表示用情報から車両22の嗜好情報または車両状態に応じた表示用情報を抽出することなく、車両22の利用者に嗜好情報または車両状態に応じた表示用情報を提供することができる。
また、管理部138は、記憶部108に記憶されている嗜好情報の更新処理を行う。例えば、管理部138は、記憶部108において現在から設定時間の範囲外の日付が対応付けられている嗜好情報を削除してもよい。かかる構成においては、車両22の利用者の嗜好は時間または季節などの変遷により変化しえるため、当該情報提供サーバ10によれば、車両22の利用者の嗜好の変化に追従した嗜好情報を記憶部108に記憶しておくことができる。
なお、通信部128は、車載器26を搭載している車両22からアップリンクされたプローブ情報に基づいて車両22と通信可能な路側機30を判断し、該路側機30に抽出部136により抽出された表示用情報を送信させてもよい。
〔6〕本発明の実施形態に適用可能な表示画面の流れの説明
続いて、表示部24に表示される画面の切替例を図50〜図52を参照して説明する。具体的には、地図画面および広告情報を含む画面から、地図付加情報または広告情報の詳細画面への切替の様子、広告情報または地図付加情報の利用者による検索の様子を説明する。
図50は、地図画面および広告情報を含む画面から、地図付加情報または広告情報の詳細画面への切替の様子を示した説明図である。車両22の利用者は、地図画面および広告情報を含む画面(図50(a))から、所望の地図付加情報、例えば品川ビルディングを選択すると、図50(b)に示すような品川ビルディングの詳細画面を表示部24に表示させることができる。
また、車両22の利用者は、地図画面および広告情報を含む画面(図50(a))から、所望の広告情報、例えばドッグカメラを宣伝する広告情報を選択すると、図50(c)に示すようなドッグカメラを宣伝する広告情報の詳細画面を表示部24に表示させることができる。
図51は、地図付加情報および広告情報の検索画面の一例を示した説明図である。図51(a)に示した画面には、左列に地図付加情報が含まれ、右列にカーソルのあてられている地図付加情報に対応付けられている1または2以上の広告情報が含まれている。具体的には、カーソルが地図付加情報Bにあてられており、画面右列には地図付加情報Bに対応付けられている広告情報1−1〜広告情報5−1が含まれている。
図51(a)に示した画面において、広告情報2−1にカーソルがあてられ、右キーが押されると、図51(b)に示したように、左列に広告情報1−1〜広告情報5−1を含み、右列に広告情報2−1〜広告情報2−5を含む画面が表示部24に表示される。また、図51(b)に示した画面において左キーが押されると図51(a)に示した画面に戻る。
また、図51(a)に示した画面において、地図付加情報Bが選択されると、図51(c)に示すように地図付加情報Bの詳細画面が表示部24に表示される。また、図51(c)に示した画面において戻るキーが押されると図51(a)に示した画面が表示される。同様に、図51(b)に示した画面において、広告情報2−1が選択されると、図51(d)に示すように広告情報2−1の詳細画面が表示部24に表示される。また、図51(d)に示した画面において戻るキーが押されると図51(b)に示した画面が表示される。また、図51(d)に示した広告情報2−1の詳細画面から図51(c)に示した地図付加情報Bの詳細画面に切替えることも可能である。
図52は、地域や地域ごとの施設を検索する画面の一例を示した説明図である。図52(a)に示した画面には、左列に地域1〜地域4が含まれ、右列にカーソルのあてられている地域2に含まれる施設1〜5が含まれている。図52(a)に示した画面において、施設2にカーソルがあてられ、右キーが押されると、図52(b)に示したように、左列に施設1〜5を含み、右列に施設2の各店舗を示すAAA店、BBB店、CCC店、DDD店、EEE店を含む画面が表示部24に表示される。また、図52(b)に示した画面において左キーが押されると、図52(a)に示した画面が表示される。
また、図52(a)に示した画面において、地域2が選択されると、図52(c)に示すように地域2の詳細画面が表示部24に表示される。また、図52(c)に示した画面において戻るキーが押されると図52(a)に示した画面が表示される。同様に、図52(b)に示した画面において、施設2が選択されると、図52(d)に示すように施設2の詳細画面が表示部24に表示される。また、図52(d)に示した画面において戻るキーが押されると図52(b)に示した画面が表示される。また、図52(d)に示した施設2の詳細画面から図52(c)に示した地域2の詳細画面に切替えることも可能である。
〔7〕まとめ
以上、本発明の複数の実施形態について説明した。以下に、以上説明した本発明の各実施形態のまとめ、および変更例を説明する。
〔7−1〕本発明の各実施形態による効果のまとめ
本発明の第1の実施形態にかかる車載器20は、目的地設定部266により設定された目的地を示す地図付加情報に対応付けられている広告情報および位置情報を情報提供サーバ10から取得する。また、位置判断部274が情報取得部268により取得された位置情報により示される広告表示位置に車両22が到達したか否かを判断し、位置判断部274により車両が広告出力位置に到達したと判断されると、出力制御部276が情報取得部268により取得された広告情報を表示部24に表示させる。したがって、当該車載器20は、車両22の利用者に該利用者の目的地に関連する広告情報を提供するため、車両22の利用者にとっての広告情報の有用性の向上、および広告業者による広告提供の効果向上を図ることができる。
さらに、本発明の第1の実施形態にかかる車載器20は、表示部24が以前に表示した広告情報に基づいて次に表示部24に表示させる次の広告情報を選択部278が選択する。したがって、本実施形態にかかる車載器20は、車両22の走行経路に拘らず、所定の順序で広告情報を利用者に提供することができる。このため、複数の広告情報が一連の流れを有していた場合、車両22の利用者に該一連の流れに沿った順序で広告情報を提供し、各広告情報を単発、あるいは独立して提供する場合に比べて高い訴求力を発揮することができる。
また、本発明の第2の実施形態にかかる情報提供サーバ10または車載器20は、位置判断部274が、目的地に拘らず、例えば車両22が走行している近辺を示す地図付加情報に対応付けられている広告表示位置に車両22が到達したか否かを判断し、選択部278が、目的地に拘らず、例えば車両22が走行している近辺を示す地図付加情報に対応付けられている広告情報を選択する。したがって、本実施形態によれば、車載器20を搭載している車両22の近辺に存在する施設を示す地図付加情報に対応付けられている広告情報を、目的地の有無に拘らず、所定の順序で車両22の利用者に提供することができる。
また、本発明の第3の実施形態にかかる情報提供サーバ10または車載器26は、車載器26を搭載する車両22の過去の走行履歴から得られる嗜好情報または車両22の車両状態に応じた表示用情報を抽出し、抽出した表示用情報を選択的に表示部24に表示させる、あるいは抽出した表示用情報を他の表示用情報を区別して表示部24に表示させる。したがって、本実施形態にかかる情報提供サーバ10または車載器26によれば、車両22の利用者の特段の設定操作を要することなく、車両22の利用者が欲しているであろう表示用情報を、車両22の利用者に効率的に提供することができる。
〔7−2〕本発明の実施形態の変更例の説明
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、異なる広告情報を順番に表示部24に表示させる場合を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、車両22の利用者は、同一の広告情報を断続的に高い頻度で提供されると該広告情報の広告対象に対して購買意欲を持つ場合があるため、ある広告情報を他の広告情報より多く表示部24に表示させてもよい。
また、上記実施形態では、車両22の位置をGPS衛生36から送信された位置測位用電波を用いて推定する例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、車載器20は、携帯電話やPHSの基地局から送信された電波の受信強度などを利用した任意の位置推定技術に基づいて車両22の位置を推定してもよい。
また、本明細書の車載器20、車載器26、情報提供サーバ10の処理における各ステップは、必ずしもフローチャート、またはシーケンス図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むとしてもよい。例えば、図48に示したS604の処理とS602の処理との順番を入れ替えてもよい。
また、車載器20、車載器26、情報提供サーバ10に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述した車載器20、車載器26、情報提供サーバ10の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
また、図16の機能ブロック図で示し目的地設定部266、情報取得部268、記録部270、位置判断部274、出力制御部276、選択部278などの各機能ブロックをハードウェアで構成することにより、一連の処理をハードウェアで実現することもできる。また、目的地設定部266、情報取得部268、記録部270、位置判断部274、出力制御部276、選択部278などを含むデータ処理部280の機能を実現する集積回路を提供することもできる。図29についても同様である。