JP2009198442A - 電圧異常検出装置および電圧保護継電装置 - Google Patents

電圧異常検出装置および電圧保護継電装置 Download PDF

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Abstract

【課題】回路構成を簡素化できるとともに計器用変圧器を設置する必要なく三相回路の電圧異常を検出することができる電圧異常検出装置および電圧保護継電装置を提供する。
【解決手段】電圧異常検出装置10は、R相、S相およびT相サージアブソーバ電流ISR,ISS,ISTを検出するためのR相、S相およびT相変流器3R,3S,3Tから出力されるR相、S相およびT相変流器出力電流IFR,IFS,IFTの電流値に基づいて過電圧および不足電圧を検出する過不足電圧検出回路11と、R相、S相およびT相変流器出力電流IFR,IFS,IFTの電流値に基づいて欠相を検出する欠相検出回路12と、S相変流器出力電流IFSが通されるリアクトルLの両端の電圧VLとT相変流器出力電流IFTが通される抵抗Rの両端の電圧VRとの差電圧に基づいて逆相を検出する逆相検出回路13とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電圧異常検出装置および電圧保護継電装置に関し、特に、三相回路における過電圧、不足電圧、欠相および逆相を検出するのに好適な電圧異常検出装置および電圧保護継電装置に関する。
従来、三相電力系統(三相回路)における電圧異常(過電圧、不足電圧、欠相および逆相など)の検出は、計器用変圧器(PT)から取り込んだ電圧要素を用いて行われている(たとえば下記の特許文献1〜3参照)。
特開平8−265962号公報 特開平5−199648号公報 特開平6−086445号公報
しかしながら、電圧要素を用いた電圧異常の検出方法では、電線の被覆を剥ぐなどして検出回路を構成する必要があるので、検出回路の構成が複雑になるとともに作業に手間がかかるという問題があった。また、電圧要素を取り込むために高価な計器用変圧器を設置する必要があるという問題もあった。
本発明の目的は、回路構成を簡素化できるとともに計器用変圧器を設置する必要なく三相回路の電圧異常を検出することができる電圧異常検出装置および電圧保護継電装置を提供することにある。
本発明の電圧保護継電装置は、三相回路における電圧異常を検出するための電圧異常検出装置であって、電流要素のみに基づいて前記三相回路における電圧異常を検出する手段を具備することを特徴とする。
ここで、前記電流要素が、前記三相回路に設置されたサージアブソーバ(2)の第1乃至第3の相のコンデンサを接地する接地線にそれぞれ流れる第1乃至第3の相サージアブソーバ電流(ISR,ISS,IST)であるか、前記三相回路を構成する第1乃至第3の相電力ケーブル(7R,7S,7T)の金属シースを接地する接地線にそれぞれ流れる第1乃至第3の相シース電流(IsR,IsS,IsT)であってもよい。
前記第1乃至第3の相サージアブソーバ電流または前記第1乃至第3の相シース電流をそれぞれ検出するための第1乃至第3の相変流器(3R,3S,3T)からそれぞれ出力される第1乃至第3の相変流器出力電流(IFR,IFS,IFT)が前記電圧異常検出装置(10)に入力され、前記電圧異常検出装置が、前記第1乃至第3の相変流器出力電流の電流値に基づいて該三相回路における過電圧および不足電圧を検出する過不足電圧検出回路(11)と、前記第1乃至第3の相変流器出力電流の電流値に基づいて前記三相回路における欠相を検出する欠相検出回路(12)と、前記第2の相変流器出力電流が通されるリアクトル(L)の両端の電圧(VL)と前記第3の相変流器出力電流が通される抵抗(R)の両端の電圧(VR)との差電圧に基づいて前記三相回路における逆相を検出する逆相検出回路(13)とを具備してもよい。
また、前記電流要素が、前記三相回路に設置されたサージアブソーバ(2)の第1および第2の相のコンデンサを接地する接地線にそれぞれ流れる第1および第2の相サージアブソーバ電流(ISS,IST)であるか、前記三相回路を構成する第1および第2の相電力ケーブル(7S,7T)の金属シースを接地する接地線にそれぞれ流れる第1および第2の相シース電流(IsS,IsT)であってもよい。
前記第1および第2の相サージアブソーバ電流または前記第1および第2の相シース電流をそれぞれ検出するための第1および第2の相変流器(3S,3T)からそれぞれ出力される第1および第2の相変流器出力電流(IFS,IFT)が前記電圧異常検出装置(20)に入力され、前記電圧異常検出装置が、前記第1および第2の相変流器出力電流の電流値に基づいて該三相回路における過電圧および不足電圧を検出する過不足電圧検出回路(21)と、前記第1および第2の相変流器出力電流の電流値に基づいて前記三相回路における欠相を検出する欠相検出回路(22)と、前記第1の相変流器出力電流が通されるリアクトル(L)の両端の電圧(VL)と前記第2の相変流器出力電流が通される抵抗(R)の両端の電圧(VR)との差電圧に基づいて前記三相回路における逆相を検出する逆相検出回路(23)とを具備してもよい。
前記過不足電圧検出回路(21)が、前記第1の相変流器出力電流に基づいて前記三相回路の前記第1の相における過電圧および不足電圧を検出する第1の相過不足電圧検出回路(25S)と、前記第2の相変流器出力電流に基づいて前記三相回路の前記第2の相における過電圧および不足電圧を検出する第2の相過不足電圧検出回路(25T)と、前記第1および第2の相変流器出力電流を加算する加算回路(26)と、該加算回路から入力される前記第1および第2の相変流器出力電流の和電流に基づいて前記三相回路の第3の相における過電圧および不足電圧を検出する第3の相過不足電圧検出回路(25R)とを備えてもよい。
前記欠相検出回路(22)が、前記第1の相変流器出力電流の電流値が正常時の第1の相変流器出力電流(IFS0)の電流値の所定倍の値±第1の欠相検出値裕度(α)の範囲内の値であると出力信号を出力する第1の電流値比較回路(271)と、前記第1の相変流器出力電流の電流値が“0”±第2の欠相検出値裕度(β)の範囲内の値であると出力信号を出力する第2の電流値比較回路(272)と、前記第2の相変流器出力電流の電流値が正常時の第2の相変流器出力電流(IFT0)の電流値の所定倍の値±前記第1の欠相検出値裕度の範囲内の値であると出力信号を出力する第3の電流値比較回路(273)と、前記第2の相変流器出力電流の電流値が“0”±前記第2の欠相検出値裕度の範囲内の値であると出力信号を出力する第4の電流値比較回路(274)と、前記第2および第3の電流値比較回路の両方から出力信号が出力されると前記三相回路の前記第1の相における欠相を検出する第1の欠相検出手段(282)と、前記第2および第3の電流値比較回路の両方から出力信号が出力されると前記三相回路の前記第2の相における欠相を検出する第2の欠相検出手段(283)と、前記第1および第3の電流値比較回路の両方から出力信号が出力されると前記三相回路の前記第3の相における欠相を検出する第2の欠相検出手段(281)とを備えてもよい。
さらに、前記電流要素が、前記三相回路に設置されたサージアブソーバ(2)の第1および第2の相のコンデンサを接地する接地線にそれぞれ流れる第1および第2の相サージアブソーバ電流(ISR,ISS)の和電流と、該第2の相サージアブソーバ電流(ISS)および該サージアブソーバの第3の相のコンデンサを接地する接地線に流れる第3の相サージアブソーバ電流(IST)の和電流とであるか、前記三相回路を構成する第1および第2の相電力ケーブル(7R,7S)の金属シースを接地する接地線にそれぞれ流れる第1および第2の相シース電流(IsR,IsS)の和電流と、該第2のシース電流(IsS)および第3の相電力ケーブル(7T)の金属シースを接地する接地線に流れる第3の相シース電流(IsT)の和電流とであってもよい。
前記第1および第2の相サージアブソーバ電流の和電流または前記第1および第2の相シース電流の和電流を検出するための第1の変流器(31)から出力される第1の変流器出力電流(IF1)と、前記第2および第3の相サージアブソーバ電流の和電流または前記第2および第3の相シース電流の和電流を検出するための第2の変流器(32)から出力される第2の変流器出力電流(IF2)とが、前記電圧異常検出装置(30)に入力され、前記電圧異常検出装置が、前記第1および第2の変流器出力電流の電流値に基づいて該三相回路における過電圧および不足電圧を検出する過不足電圧検出回路(31)と、前記第1および第2の変流器出力電流の電流値に基づいて前記三相回路における欠相を検出する欠相検出回路(32)と、前記第1の変流器出力電流が通されるリアクトル(L)の両端の電圧(VL)と前記第2の変流器出力電流が通される抵抗(R)の両端の電圧(VR)との差電圧に基づいて前記三相回路における逆相を検出する逆相検出回路(33)とを具備してもよい。
前記過不足電圧検出回路(31)が、前記第1の変流器出力電流に基づいて前記三相回路の前記第1の相における過電圧および不足電圧を検出する第1の相過不足電圧検出回路(35R)と、前記第1および第2の変流器出力電流を加算する加算回路(36)と、該加算回路から入力される前記第1および第2の変流器出力電流の和電流に基づいて前記三相回路の前記第2の相における過電圧および不足電圧を検出する第2の相過不足電圧検出回路(35S)と、前記第2の変流器出力電流に基づいて前記三相回路の前記第3の相における過電圧および不足電圧を検出する第3の相過不足電圧検出回路(35T)とを備えてもよい。
前記欠相検出回路(32)が、前記第1の変流器出力電流の電流値が正常時の第1の変流器出力電流(IF10)の電流値の所定倍の値±第1の欠相検出値裕度(α)の範囲内の値であると出力信号を出力する第1の電流値比較回路(371)と、前記第1の変流器出力電流の電流値が“0”±第2の欠相検出値裕度(β)の範囲内の値であると出力信号を出力する第2の電流値比較回路(372)と、前記第2の変流器出力電流の電流値が正常時の第2の変流器出力電流(IF20)の電流値の所定倍の値±前記第1の欠相検出値裕度の範囲内の値であると出力信号を出力する第3の電流値比較回路(373)と、前記第2の変流器出力電流の電流値が“0”±前記第2の欠相検出値裕度の範囲内の値であると出力信号を出力する第4の電流値比較回路(374)と、前記第1および第4の電流値比較回路の両方から出力信号が出力されると前記三相回路の前記第1の相における欠相を検出する第1の欠相検出手段(381)と、前記第1および第3の電流値比較回路の両方から出力信号が出力されると前記三相回路の前記第2の相における欠相を検出する第2の欠相検出手段(282)と、前記第2および第3の電流値比較回路の両方から出力信号が出力されると前記三相回路の前記第3の相における欠相を検出する第3の欠相検出手段(283)とを備えてもよい。
本発明の電圧保護継電装置は、本発明の電圧異常検出装置によって前記三相回路における電圧異常が検出されると、該三相回路の各相に設置された遮断器を遮断するためのトリップ信号を生成する手段を具備することを特徴とする。
本発明の電圧異常検出装置および電圧保護継電装置は、以下に示す効果を奏する。
(1)電流要素のみを用いて電圧異常(過電圧、不足電圧、欠相および逆相)を検出することにより、回路構成を簡素化することができる。
(2)電圧要素を用いずに電圧異常(過電圧、不足電圧、欠相および逆相)を検出することができるので、高価な計器用変圧器を設置する必要がなくなる。
(3)計器用変圧器を設置する必要がないために高圧接触部をなくすことができるので、作業の安全性を向上させることができる。
上記の目的を、三相回路に設置されたサージアブソーバの第1乃至第3の相のコンデンサを接地する接地線にそれぞれ流れる第1乃至第3の相サージアブソーバ電流または三相回路を構成する第1乃至第3の相電力ケーブルの金属シースを接地する接地線にそれぞれ流れる第1乃至第3の相シース電流のみに基づいて三相回路における過電圧、不足電圧、欠相および逆相を検出することにより実現した。
以下、本発明の電圧異常検出装置および電圧保護継電装置の実施例について図面を参照して説明する。
本発明の第1の実施例による電圧異常検出装置10は、図1に示すように、変圧器1の2次側に設置されたサージアブソーバ(SA)2のR相、S相およびT相のコンデンサを接地する接地線(以下、「R相、S相およびT相接地線」と称する。)にそれぞれ設置されたR相、S相およびT相変流器3R,3S,3Tの2次側からそれぞれ入力されるR相、S相およびT相変流器出力電流IFR,IFS,IFTに基づいて電圧異常(過電圧、不足電圧、欠相および逆相)を検出するためのものであり、過不足電圧検出回路11と、欠相検出回路12と、逆相検出回路13と、減算回路14と、リアクトルLと、抵抗Rとを具備する。
ここで、R相、S相およびT相変流器3R,3S,3Tは、サージアブソーバ2のR相、S相およびT相接地線にそれぞれ流れるR相、S相およびT相サージアブソーバ電流ISR,ISS,ISTを検出して、電流要素として電圧異常検出装置10に取り込むためのものである。
過不足電圧検出回路11は、R相変流器3Rから入力されるR相変流器出力電流IFRの電流値とR相過電圧検出設定値VRlおよびR相不足電圧検出設定値VRsとを比較して、R相変流器出力電流IFRの電流値がR相過電圧検出設定値VRl以上であると、「R相電圧について過電圧を検出した」旨を示す過不足電圧検出信号を外部に出力し、また、R相変流器出力電流IFRの電流値がR相不足電圧検出設定値VRs以下であると、「R相電圧について不足電圧を検出した」旨を示す過不足電圧検出信号を外部に出力する。
また、過不足電圧検出回路11は、S相変流器3SからリアクトルLを介して入力されるS相変流器出力電流IFSの電流値とS相過電圧検出設定値VSlおよびS相不足電圧検出設定値VSsとを比較して、S相変流器出力電流IFSの電流値がS相過電圧検出設定値VSl以上であると、「S相電圧について過電圧を検出した」旨を示す過不足電圧検出信号を外部に出力し、また、S相変流器出力電流IFSの電流値がS相不足電圧検出設定値VSs以下であると、「S相電圧について不足電圧を検出した」旨を示す過不足電圧検出信号を外部に出力する。
さらに、過不足電圧検出回路11は、T相変流器3Tから抵抗Rを介して入力されるT相変流器出力電流IFTの電流値とT相過電圧検出設定値VTlおよびT相不足電圧検出設定値VTsとを比較して、T相変流器出力電流IFTの電流値がT相過電圧検出設定値VTl以上であると、「T相電圧について過電圧を検出した」旨を示す過不足電圧検出信号を外部に出力し、また、T相変流器出力電流IFTの電流値がT相不足電圧検出設定値VTs以下であると、「T相電圧について不足電圧を検出した」旨を示す過不足電圧検出信号を外部に出力する。
欠相検出回路12は、R相変流器3Rから入力されるR相変流器出力電流IFRの電流値が0±β(βは欠相検出値裕度)の範囲内の値であると、「R相欠相を検出した」旨を示す欠相検出信号を外部に出力する。
また、欠相検出回路12は、S相変流器3SからリアクトルLを介して入力されるS相変流器出力電流IFSの電流値が0±β(βは欠相検出値裕度)の範囲内の値であると、「S相欠相を検出した」旨を示す欠相検出信号を外部に出力する。
さらに、欠相検出回路12は、T相変流器3Tから抵抗Rを介して入力されるT相変流器出力電流IFTの電流値が0±β(βは欠相検出値裕度)の範囲内の値になると、「T相欠相を検出した」旨を示す欠相検出信号を外部に出力する。
減算回路14は、リアクトルLの両端の電圧VLと抵抗Rの両端の電圧VRとの差電圧VL−VRを求めるためのものである。
逆相検出回路13は、正相時には電圧VLと電圧VRとの差電圧VL−VRの電圧値は図2(a)に示すように逆相電圧設定値Vprよりも大きくなるが、S相電圧とT相電圧とが逆相になった場合には電圧VLと電圧VRとの差電圧VL−VRの電圧値は図2(b)に示すように逆相電圧設定値Vpr以下となるので、電圧VLと電圧VRとの差電圧VL−VRの電圧値(=|VL−VR|)と逆相電圧設定値Vprとを比較し、差電圧VL−VRの電圧値が逆相電圧設定値Vpr以下であると、「逆相を検出した」旨を示す逆相検出信号を外部に出力する。
次に、本発明の第2の実施例による電圧異常検出装置について図3乃至図7を参照して説明する。
本実施例による電圧異常検出装置20は、図3に示すように、変圧器1の2次側に設置されたサージアブソーバ2のS相およびT相のコンデンサを接地する接地線(S相およびT相接地線)にそれぞれ設置されたS相およびT相変流器3S,3Tの2次側からそれぞれ入力されるS相およびT相サージアブソーバ電流IFS,IFTに基づいて電圧異常(過電圧、不足電圧、欠相および逆相)を検出するためのものであり、過不足電圧検出回路21と、欠相検出回路22と、逆相検出回路23と、減算回路24と、リアクトルLと、抵抗Rとを具備する。
ここで、S相およびT相変流器3S,3Tは、サージアブソーバ2のS相およびT相接地線にそれぞれ流れるS相およびT相サージアブソーバ電流ISS,ISTを検出して、電流要素として電圧異常検出装置20に取り込むためのものである。
過不足電圧検出回路21は、図4に示すように、R相過不足電圧検出回路25Rと、S相過不足電圧検出回路25Sと、T相過不足電圧検出回路25Tと、加算回路26とを備える。
加算回路26は、S相変流器3SからリアクトルLを介して入力されるS相変流器出力電流IFSとT相変流器3Tから抵抗Rを介して入力されるT相変流器出力電流IFTとを加算して、S相変流器出力電流IFSとT相変流器出力電流IFTとの和電流IFS+IFTを求めるためのものである。
なお、図5に示すようにS相サージアブソーバ電流ISSとT相サージアブソーバ電流ISTとの和電流ISS+ISTはR相サージアブソーバ電流ISRの極性を反転したものとなるため、S相変流器出力電流IFSとT相変流器出力電流IFTとを加算した和電流IFS+IFTの電流値を求めることによりR相サージアブソーバ電流ISRの電流値が分かる。
R相過不足電圧検出回路25Rは、加算回路26から入力されるS相変流器出力電流IFSとT相変流器出力電流IFTとの和電流IFS+IFTの電流値とR相過電圧検出設定値VRlおよびR相不足電圧検出設定値VRsとを比較して、和電流IFS+IFTの電流値がR相過電圧検出設定値VRl以上であると、「R相電圧について過電圧を検出した」旨を示す過不足電圧検出信号を出力し、また、和電流IFS+IFTの電流値がR相不足電圧検出設定値VRs以下であると、「R相電圧について不足電圧を検出した」旨を示す過不足電圧検出信号を出力する。
S相過不足電圧検出回路25Sは、S相変流器3SからリアクトルLを介して入力されるS相変流器出力電流IFSの電流値とS相過電圧検出設定値VSlおよびS相不足電圧検出設定値VSsとを比較して、S相変流器出力電流IFSの電流値がS相過電圧検出設定値VSl以上であると、「S相電圧について過電圧を検出した」旨を示す過不足電圧検出信号を出力し、また、S相変流器出力電流IFSの電流値がS相不足電圧検出設定値VSs以下であると、「S相電圧について不足電圧を検出した」旨を示す過不足電圧検出信号を出力する。
T相過不足電圧検出回路25Tは、T相変流器3Tから抵抗Rを介して入力されるT相変流器出力電流IFTの電流値とT相過電圧検出設定値VTlおよびT相不足電圧検出設定値VTsとを比較して、T相変流器出力電流IFTの電流値がT相過電圧検出設定値VTl以上であると、「T相電圧について過電圧を検出した」旨を示す過不足電圧検出信号を出力し、また、T相変流器出力電流IFTの電流値がT相不足電圧検出設定値VTs以下であると、「T相電圧について不足電圧を検出した」旨を示す過不足電圧検出信号を出力する。
欠相検出回路22は、図6に示すように、第1乃至第4の電流値比較回路271〜274と、第1乃至第3の論理積回路281〜283とを備える。
ここで、第1の電流値比較回路271は、S相変流器3SからリアクトルLを介して入力されるS相変流器出力電流IFSの電流値が正常時のS相変流器出力電流IFS0の31/2/2倍±α(αは欠相検出値裕度)の範囲内の値であると、ハイレベルの出力信号を出力する。
第2の電流値比較回路272は、S相変流器3SからリアクトルLを介して入力されるS相変流器出力電流IFSの電流値が0±β(βは欠相検出値裕度)の範囲内の値であると、ハイレベルの出力信号を出力する。
第3の電流値比較回路273は、T相変流器3Tから抵抗Rを介して入力されるT相変流器出力電流IFTの電流値が正常時のT相変流器出力電流IFT0の電流値の31/2/2倍±αの範囲内の値であると、ハイレベルの出力信号を出力する。
第4の電流値比較回路274は、T相変流器3Tから抵抗Rを介して入力されるT相変流器出力電流IFTの電流値が0±βの範囲内の値であると、ハイレベルの出力信号を出力する。
第1の論理積回路281は、第1の電流値比較回路271の出力信号と第3の電流値比較回路273の出力信号との論理積をとることにより、R相欠相が生じたか否かを検出するためのものである。
すなわち、R相欠相時には、図7(a)に示すように、S相変流器3SからリアクトルLを介して入力されるS相変流器出力電流IFSの電流値およびT相変流器3Tから抵抗Rを介して入力されるT相変流器出力電流IFTの電流値は、正常時のS相変流器出力電流IFS0(正常時のS相サージアブソーバ電流ISS)および正常時のS相変流器出力電流IFT0(正常時のT相サージアブソーバ電流IST)の電流値の31/2/2倍となる。したがって、第1および第3の電流値比較回路271,273の出力信号が共にハイレベルのときにはR相欠相が生じたと判定する。
第2の論理積回路282は、第2の電流値比較回路272の出力信号と第3の電流値比較回路273の出力信号との論理積をとることにより、S相欠相が生じたか否かを検出するためのものである。
すなわち、S相欠相時には、図7(b)に示すように、S相変流器3SからリアクトルLを介して入力されるS相変流器出力電流IFSの電流値は“0”となり、T相変流器3Tから抵抗Rを介して入力されるT相変流器出力電流IFTの電流値は正常時のT相変流器出力電流IFT0(正常時のT相サージアブソーバ電流IST)の電流値の31/2/2倍となる。したがって、第2および第3の電流値比較回路271,273の出力信号が共にハイレベルのときにはS相欠相が生じたと判定する。
第3の論理積回路283は、第1の電流値比較回路271の出力信号と第4の電流値比較回路274の出力信号との論理積をとることにより、T相欠相が生じたか否かを検出するためのものである。
すなわち、T相欠相時には、図7(c)に示すように、S相変流器3SからリアクトルLを介して入力されるS相変流器出力電流IFSの電流値は正常時のS相変流器出力電流IFS0(正常時のS相サージアブソーバ電流ISS)の電流値の31/2/2倍となり、T相変流器3Tから抵抗Rを介して入力されるT相変流器出力電流IFTの電流値は“0”となる。したがって、第1および第4の電流値比較回路271,274の出力信号が共にハイレベルのときにはT相欠相が生じたと判定する。
減算回路24は、リアクトルLの両端の電圧VLと抵抗Rの両端の電圧VRとの差電圧VL−VRを求めるためのものである。
逆相検出回路23は、正相時には電圧VLと電圧VRとの差電圧VL−VRの電圧値は図2(a)に示したように逆相電圧設定値Vprよりも大きくなるが、S相電圧とT相電圧とが逆相になった場合には電圧VLと電圧VRとの差電圧VL−VRの電圧値は図2(b)に示したように逆相電圧設定値Vpr以下となるので、電圧VLと電圧VRとの差電圧VL−VRの電圧値(=|VL−VR|)と逆相電圧設定値Vprとを比較し、差電圧VL−VRの電圧値が逆相電圧設定値Vpr以下であると、「逆相を検出した」旨を示す逆相検出信号を出力する。
次に、本発明の第3の実施例による電圧異常検出装置について図8乃至図12を参照して説明する。
本実施例による電圧異常検出装置30は、図8に示すように、変圧器1の2次側に設置されたサージアブソーバ2のR相およびS相のコンデンサを接地する接地線(R相およびS相接地線)に設置された第1の変流器31の2次側から入力される第1の変流器出力電流IF1およびサージアブソーバ2のS相およびT相のコンデンサを接地する接地線(S相およびT相接地線)に設置された第2の変流器32の2次側から入力される第2の変流器出力電流IF2に基づいて電圧異常(過電圧、不足電圧、欠相および逆相)を検出するためのものであり、過不足電圧検出回路31と、欠相検出回路32と、逆相検出回路33と、減算回路34と、リアクトルLと、抵抗Rとを具備する。
ここで、第1の変流器31は、サージアブソーバ2のR相およびS相接地線にそれぞれ流れるR相およびS相サージアブソーバ電流ISR,ISSの和電流ISR+ISSを検出して、電流要素として電圧異常検出装置30に取り込むためのものである。
第2の変流器32は、サージアブソーバ2のS相およびT相接地線にそれぞれ流れるS相およびT相サージアブソーバ電流ISS,ISTの和電流ISS+ISTを検出して、電流要素として電圧異常検出装置30に取り込むためのものである。
過不足電圧検出回路31は、図9に示すように、R相過不足電圧検出回路35Rと、S相過不足電圧検出回路35Sと、T相過不足電圧検出回路35Tと、加算回路36とを備える。
加算回路36は、第1の変流器31からリアクトルLを介して入力される第1の変流器出力電流IF1と第2の変流器32から抵抗Rを介して入力される第2の変流器出力電流IF2とを加算して、S相サージアブソーバ電流ISSを求めるためのものである。
すなわち、図10に示すように、第1の変流器31から出力される第1の変流器出力電流IF1はR相サージアブソーバ電流ISRとS相サージアブソーバ電流ISSとのベクトル和となり、第2の変流器32から出力される第2の変流器出力電流IF2はS相サージアブソーバ電流ISSとT相サージアブソーバ電流ISTとのベクトル和となる。そのため、第1および第2の変流器出力電流IF1,IF2を加算回路36で加算することにより、S相サージアブソーバ電流ISSが得られる。
R相過不足電圧検出回路35Rは、第1の変流器31からリアクトルLを介して入力される第1の変流器出力電流IF1とR相過電圧検出設定値VRlおよびR相不足電圧検出設定値VRsとを比較して、第1の変流器出力電流IF1の電流値がR相過電圧検出設定値VRl以上であると、「R相電圧について過電圧を検出した」旨を示す過不足電圧検出信号を出力し、また、第1の変流器出力電流IF1の電流値がR相不足電圧検出設定値VRs以下であると、「R相電圧について不足電圧を検出した」旨を示す過不足電圧検出信号を出力する。
なお、次式で示すように、第1の変流器出力電流IF1はR相サージアブソーバ電流ISRとS相サージアブソーバ電流ISSとのベクトル和となるため、第1の変流器出力電流IF1の電流値はR相のサージアブソーバ電流ISR(S相サージアブソーバ電流ISS)の電流値と等しくなる(図10参照)。
F1=ISR+ISS
|IF1|=|ISR+ISS|=|ISR|(=|ISS|)
S相過不足電圧検出回路35Sは、加算回路36から入力される電流(S相サージアブソーバ電流ISSに相当)の電流値とS相過電圧検出設定値VSlおよびS相不足電圧検出設定値VSsとを比較して、この電流の電流値がS相過電圧検出設定値VSl以上であると、「S相電圧について過電圧を検出した」旨を示す過不足電圧検出信号を出力し、また、この電流の電流値がS相不足電圧検出設定値VSs以下であると、「S相電圧について不足電圧を検出した」旨を示す過不足電圧検出信号を出力する。
T相過不足電圧検出回路35Tは、第2の変流器32から抵抗Rを介して入力される第2の変流器出力電流IF2の電流値とT相過電圧検出設定値VTlおよびT相不足電圧検出設定値VTsとを比較して、第2の変流器出力電流IF2の電流値がT相過電圧検出設定値VTl以上であると、「T相電圧について過電圧を検出した」旨を示す過不足電圧検出信号を出力し、また、T相変流器出力電流IFTの電流値がT相不足電圧検出設定値VTs以下であると、「T相電圧について不足電圧を検出した」旨を示す過不足電圧検出信号を出力する。
なお、次式で示すように、第2の変流器出力電流IF2はS相サージアブソーバ電流ISSとT相サージアブソーバ電流ISTとのベクトル和となるため、第2の変流器出力電流IF2の電流値はT相のサージアブソーバ電流IST(S相サージアブソーバ電流ISS)の電流値と等しくなる。
F2=ISS+IST
|IF2|=|ISS+IST|=|IST|(=|ISS|)
欠相検出回路32は、図11に示すように、第1乃至第4の電流値比較回路371〜374と、第1乃至第3の論理積回路381〜383とを備える。
ここで、第1の電流値比較回路371は、第1の変流器31からリアクトルLを介して入力される第1の変流器出力電流IF1の電流値が正常時の第1の変流器出力電流IF10の31/2/2倍±α(αは欠相検出値裕度)の範囲内の値であると、ハイレベルの出力信号を出力する。
第2の電流値比較回路372は、第1の変流器31からリアクトルLを介して入力される第1の変流器出力電流IF1の電流値が0±β(βは欠相検出値裕度)の範囲内の値であると、ハイレベルの出力信号を出力する。
第3の電流値比較回路373は、第2の変流器32から抵抗Rを介して入力される第2の変流器出力電流IF2の電流値が正常時の第2の変流器出力電流IF20の電流値の31/2/2倍±αの範囲内の値であると、ハイレベルの出力信号を出力する。
第4の電流値比較回路374は、第2の変流器32から抵抗Rを介して入力される第2の変流器出力電流IF2の電流値が0±β(βは欠相検出値裕度)の範囲内の値であると、ハイレベルの出力信号を出力する。
第1の論理積回路381は、第1の電流値比較回路371の出力信号と第4の電流値比較回路374の出力信号との論理積をとることにより、R相欠相が生じたか否かを検出するためのものである。
すなわち、R相欠相時には、S相サージアブソーバ電流ISSとT相サージアブソーバ電流ISTとがサージアブソーバ2のS相およびT相接地線に逆方向にそれぞれ流れるが、サージアブソーバ2のR相接地線にはR相サージアブソーバ電流ISRが流れない(図12(a)参照)。
その結果、第1の変流器31から出力される第1の変流器出力電流IF1は次式で示すようにS相サージアブソーバ電流ISSとなるため、第1の変流器出力電流IF1の電流値は次式で示すように正常時の第1の変流器出力電流IF10の電流値31/2/2倍となる(図12(a−1)参照)。
F1=ISS
|IF1|=|ISS|=31/2/2×IF10
また、第2の変流器32から出力される第2の変流器出力電流IF2は次式で示すように“0”となる。
F2=ISS+IST=0
したがって、第1および第4の電流値比較回路371,374の出力信号が共にハイレベルのときにはR相欠相が生じたと判定する。
第2の論理積回路382は、第1の電流値比較回路371の出力信号と第3の電流値比較回路373の出力信号との論理積をとることにより、S相欠相が生じたか否かを検出するためのものである。
すなわち、S相欠相時には、R相サージアブソーバ電流ISRとT相サージアブソーバ電流ISTとがサージアブソーバ2のR相およびT相接地線に逆方向にそれぞれ流れるが、サージアブソーバ2のS相接地線にはS相サージアブソーバ電流ISSが流れない(図12(b)参照)。
その結果、第1の変流器31から出力される第1の変流器出力電流IF1は次式で示すようにR相サージアブソーバ電流ISRとなるため、第1の変流器出力電流IF1の電流値は次式で示すように正常時の第1の変流器出力電流IF10の電流値31/2/2倍となる(図12(b−1)参照)。
F1=ISR
|IF1|=|ISR|=31/2/2×IF10
また、第2の変流器32から出力される第2の変流器出力電流IF2は次式で示すようにS相サージアブソーバ電流ISSとなるため、第2の変流器出力電流IF2の電流値は次式で示すように正常時の第2の変流器出力電流IF20の電流値31/2/2倍となる(図12(b−2)参照)。
F2=ISS
|IF2|=|ISS|=31/2/2×IF20
したがって、第1および第3の電流値比較回路371,373の出力信号が共にハイレベルのときにはS相欠相が生じたと判定する。
第3の論理積回路383は、第2の電流値比較回路372の出力信号と第3の電流値比較回路373の出力信号との論理積をとることにより、T相欠相が生じたか否かを検出するためのものである。
すなわち、T相欠相時には、R相サージアブソーバ電流ISRとS相サージアブソーバ電流ISSとがサージアブソーバ2のR相およびS相接地線に逆方向にそれぞれ流れるが、サージアブソーバ2のT相接地線にはT相サージアブソーバ電流ISTが流れない(図12(c)参照)。
その結果、第1の変流器31から出力される第1の変流器出力電流IF1は次式で示すように“0”となる(図12(c−1)参照)。
F1=ISR+IST=0
また、第2の変流器32から出力される第2の変流器出力電流IF2は次式で示すようにS相サージアブソーバ電流ISSとなるため、第2の変流器出力電流IF2の電流値は次式で示すように正常時の第2の変流器出力電流IF20の電流値31/2/2倍となる(図12(c−2)参照)。
F2=ISS
|IF2|=|ISS|=31/2/2×IF20
したがって、第2および第3の電流値比較回路372,373の出力信号が共にハイレベルのときにはT相欠相が生じたと判定する。
減算回路34は、リアクトルLの両端の電圧VLと抵抗Rの両端の電圧VRとの差電圧VL−VRを求めるためのものである。
逆相検出回路33は、正相時には電圧VLと電圧VRとの差電圧VL−VRの電圧値は図2(a)に示したように逆相電圧設定値Vprよりも大きくなるが、S相電圧とT相電圧とが逆相になった場合には電圧VLと電圧VRとの差電圧VL−VRの電圧値は図2(b)に示したように逆相電圧設定値Vpr以下となるので、電圧VLと電圧VRとの差電圧VL−VRの電圧値(=|VL−VR|)と逆相電圧設定値Vprとを比較し、差電圧VL−VRの電圧値が逆相電圧設定値Vpr以下であると、「逆相を検出した」旨を示す逆相検出信号を出力する。
以上説明したように、第1乃至第3の実施例による電圧異常検出装置10,20,30では、電圧要素を用いることなく電流要素のみで過電圧、不足電圧、欠相および逆相を検出することができる。
以上の説明では、電流要素としてサージアブソーバ2のR相、S相およびT相接地線をそれぞれ流れるR相、S相およびT相サージアブソーバ電流ISR,ISS,ISTを用いたが、図13乃至図15に示すように三相回路を構成するR相、S相およびT相電力ケーブル7R,7S,7Tの金属シースを接地する接地線にそれぞれ流れるR相、S相およびT相シース電流IsR,IsS,IsTを用いてもよい。この場合にも、電圧異常検出装置10,20,30が上述したように動作することにより、電圧要素を用いることなく電流要素のみで過電圧、不足電圧、欠相および逆相を検出することができる。
また、上述した電圧異常検出装置10,20,30から出力される過不足電圧検出信号、欠相検出信号および逆相検出信号に基づいて、たとえば送配電線(三相回路)のR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器を一括遮断するトリップ信号を生成する回路を付加することにより、電圧保護継電装置を構成することができる。
本発明の第1の実施例による電圧異常検出装置10の構成を示す図である。 図1に示した逆相検出回路13の動作について説明するための図である。 本発明の第2の実施例による電圧異常検出装置20の構成を示す図である。 図3に示した過不足電圧検出回路21の構成を示すブロック図である。 図4に示した加算回路26でS相変流器出力電流IFSとT相変流器出力電流IFTとを加算することによりR相サージアブソーバ電流ISRの電流値を求めることができることを説明するための図である。 図3に示した欠相検出回路22の構成を示すブロック図である。 図6に示した第1乃至第3の論理積回路281〜283の機能について説明するための図である。 本発明の第3の実施例による電圧異常検出装置30の構成を示す図である。 図8に示した過不足電圧検出回路31の構成を示すブロック図である。 図9に示した加算回路36で第1の変流器出力電流IF1と第2の変流器出力電流IF2とを加算することによりS相サージアブソーバ電流ISSの電流値を求めることができることを説明するための図である。 図8に示した欠相検出回路32の構成を示すブロック図である。 図11に示した第1乃至第3の論理積回路381〜383の機能について説明するための図である。 電流要素としてR相、S相およびT相サージアブソーバ電流ISR,ISS,ISTの代わりに、R相、S相およびT相電力ケーブル7R,7S,7Tの金属シースを接地する接地線にそれぞれ流れるR相、S相およびT相シース電流IsR,IsS,IsTを用いた変形例について説明するための図である。 電流要素としてR相、S相およびT相サージアブソーバ電流ISR,ISS,ISTの代わりに、R相、S相およびT相電力ケーブル7R,7S,7Tの金属シースを接地する接地線にそれぞれ流れるR相、S相およびT相シース電流IsR,IsS,IsTを用いた変形例について説明するための図である。 電流要素としてR相、S相およびT相サージアブソーバ電流ISR,ISS,ISTの代わりに、R相、S相およびT相電力ケーブル7R,7S,7Tの金属シースを接地する接地線にそれぞれ流れるR相、S相およびT相シース電流IsR,IsS,IsTを用いた変形例について説明するための図である。
符号の説明
1 変圧器
2 サージアブソーバ
R,3S,3T R相、S相およびT相変流器
1,32 第1および第2の変流器
R,7S,7T R相、S相およびT相電力ケーブル
10,20,30 電圧異常検出装置
11,21,31 過不足電圧検出回路
12,22,32 欠相検出回路
13,23,33 逆相検出回路
14,24,34 減算回路
25R,25S,25T,35R,35S,35T R相、S相およびT相過不足電圧検出回路
26,36 加算回路
271〜274,371〜374 第1乃至第4の電流値比較回路
281〜283,381〜383 第1乃至第3の論理積回路
L リアクトル
R 抵抗
SR,ISS,IST R相、S相およびT相サージアブソーバ電流
FR,IFS,IFT R相、S相およびT相変流器出力電流
FS0,IFT0 正常時のS相およびT相変流器出力電流
F1,IF2 第1および第2の変流器出力電流
F10,IF20 正常時の第1および第2の変流器出力電流
sR,IsS,IsT R相、S相およびT相シース電流
L,VR 電圧
Rl,VSl,VTl R相、S相およびT相過電圧検出設定値
Rs,VSs,VTs R相、S相およびT相不足電圧検出設定値
pr 逆相電圧設定値
α,β 欠相検出値裕度

Claims (12)

  1. 三相回路における電圧異常を検出するための電圧異常検出装置であって、電流要素のみに基づいて前記三相回路における電圧異常を検出する手段を具備することを特徴とする、電圧異常検出装置。
  2. 前記電流要素が、
    前記三相回路に設置されたサージアブソーバ(2)の第1乃至第3の相のコンデンサを接地する接地線にそれぞれ流れる第1乃至第3の相サージアブソーバ電流(ISR,ISS,IST)であるか、
    前記三相回路を構成する第1乃至第3の相電力ケーブル(7R,7S,7T)の金属シースを接地する接地線にそれぞれ流れる第1乃至第3の相シース電流(IsR,IsS,IsT)である、
    ことを特徴とする、請求項1記載の電圧異常検出装置。
  3. 前記第1乃至第3の相サージアブソーバ電流または前記第1乃至第3の相シース電流をそれぞれ検出するための第1乃至第3の相変流器(3R,3S,3T)からそれぞれ出力される第1乃至第3の相変流器出力電流(IFR,IFS,IFT)が前記電圧異常検出装置(10)に入力され、
    前記電圧異常検出装置が、
    前記第1乃至第3の相変流器出力電流の電流値に基づいて該三相回路における過電圧および不足電圧を検出する過不足電圧検出回路(11)と、
    前記第1乃至第3の相変流器出力電流の電流値に基づいて前記三相回路における欠相を検出する欠相検出回路(12)と、
    前記第2の相変流器出力電流が通されるリアクトル(L)の両端の電圧(VL)と前記第3の相変流器出力電流が通される抵抗(R)の両端の電圧(VR)との差電圧に基づいて前記三相回路における逆相を検出する逆相検出回路(13)と、
    を具備することを特徴とする、請求項2記載の電圧異常検出装置。
  4. 前記電流要素が、
    前記三相回路に設置されたサージアブソーバ(2)の第1および第2の相のコンデンサを接地する接地線にそれぞれ流れる第1および第2の相サージアブソーバ電流(ISS,IST)であるか、
    前記三相回路を構成する第1および第2の相電力ケーブル(7S,7T)の金属シースを接地する接地線にそれぞれ流れる第1および第2の相シース電流(IsS,IsT)である、
    ことを特徴とする、請求項1記載の電圧異常検出装置。
  5. 前記第1および第2の相サージアブソーバ電流または前記第1および第2の相シース電流をそれぞれ検出するための第1および第2の相変流器(3S,3T)からそれぞれ出力される第1および第2の相変流器出力電流(IFS,IFT)が前記電圧異常検出装置(20)に入力され、
    前記電圧異常検出装置が、
    前記第1および第2の相変流器出力電流の電流値に基づいて該三相回路における過電圧および不足電圧を検出する過不足電圧検出回路(21)と、
    前記第1および第2の相変流器出力電流の電流値に基づいて前記三相回路における欠相を検出する欠相検出回路(22)と、
    前記第1の相変流器出力電流が通されるリアクトル(L)の両端の電圧(VL)と前記第2の相変流器出力電流が通される抵抗(R)の両端の電圧(VR)との差電圧に基づいて前記三相回路における逆相を検出する逆相検出回路(23)と、
    を具備することを特徴とする、請求項4記載の電圧異常検出装置。
  6. 前記過不足電圧検出回路(21)が、
    前記第1の相変流器出力電流に基づいて前記三相回路の前記第1の相における過電圧および不足電圧を検出する第1の相過不足電圧検出回路(25S)と、
    前記第2の相変流器出力電流に基づいて前記三相回路の前記第2の相における過電圧および不足電圧を検出する第2の相過不足電圧検出回路(25T)と、
    前記第1および第2の相変流器出力電流を加算する加算回路(26)と、
    該加算回路から入力される前記第1および第2の相変流器出力電流の和電流に基づいて前記三相回路の第3の相における過電圧および不足電圧を検出する第3の相過不足電圧検出回路(25R)と、
    を備えることを特徴とする、請求項5記載の電圧異常検出装置。
  7. 前記欠相検出回路(22)が、
    前記第1の相変流器出力電流の電流値が正常時の第1の相変流器出力電流(IFS0)の電流値の所定倍の値±第1の欠相検出値裕度(α)の範囲内の値であると出力信号を出力する第1の電流値比較回路(271)と、
    前記第1の相変流器出力電流の電流値が“0”±第2の欠相検出値裕度(β)の範囲内の値であると出力信号を出力する第2の電流値比較回路(272)と、
    前記第2の相変流器出力電流の電流値が正常時の第2の相変流器出力電流(IFT0)の電流値の所定倍の値±前記第1の欠相検出値裕度の範囲内の値であると出力信号を出力する第3の電流値比較回路(273)と、
    前記第2の相変流器出力電流の電流値が“0”±前記第2の欠相検出値裕度の範囲内の値であると出力信号を出力する第4の電流値比較回路(274)と、
    前記第2および第3の電流値比較回路の両方から出力信号が出力されると前記三相回路の前記第1の相における欠相を検出する第1の欠相検出手段(282)と、
    前記第2および第3の電流値比較回路の両方から出力信号が出力されると前記三相回路の前記第2の相における欠相を検出する第2の欠相検出手段(283)と、
    前記第1および第3の電流値比較回路の両方から出力信号が出力されると前記三相回路の前記第3の相における欠相を検出する第2の欠相検出手段(281)と、
    を備えることを特徴とする、請求項5または6記載の電圧異常検出装置。
  8. 前記電流要素が、
    前記三相回路に設置されたサージアブソーバ(2)の第1および第2の相のコンデンサを接地する接地線にそれぞれ流れる第1および第2の相サージアブソーバ電流(ISR,ISS)の和電流と、該第2の相サージアブソーバ電流(ISS)および該サージアブソーバの第3の相のコンデンサを接地する接地線に流れる第3の相サージアブソーバ電流(IST)の和電流とであるか、
    前記三相回路を構成する第1および第2の相電力ケーブル(7R,7S)の金属シースを接地する接地線にそれぞれ流れる第1および第2の相シース電流(IsR,IsS)の和電流と、該第2のシース電流(IsS)および第3の相電力ケーブル(7T)の金属シースを接地する接地線に流れる第3の相シース電流(IsT)の和電流とである、
    ことを特徴とする、請求項1記載の電圧異常検出装置。
  9. 前記第1および第2の相サージアブソーバ電流の和電流または前記第1および第2の相シース電流の和電流を検出するための第1の変流器(31)から出力される第1の変流器出力電流(IF1)と、前記第2および第3の相サージアブソーバ電流の和電流または前記第2および第3の相シース電流の和電流を検出するための第2の変流器(32)から出力される第2の変流器出力電流(IF2)とが、前記電圧異常検出装置(30)に入力され、
    前記電圧異常検出装置が、
    前記第1および第2の変流器出力電流の電流値に基づいて該三相回路における過電圧および不足電圧を検出する過不足電圧検出回路(31)と、
    前記第1および第2の変流器出力電流の電流値に基づいて前記三相回路における欠相を検出する欠相検出回路(32)と、
    前記第1の変流器出力電流が通されるリアクトル(L)の両端の電圧(VL)と前記第2の変流器出力電流が通される抵抗(R)の両端の電圧(VR)との差電圧に基づいて前記三相回路における逆相を検出する逆相検出回路(33)と、
    を具備することを特徴とする、請求項8記載の電圧異常検出装置。
  10. 前記過不足電圧検出回路(31)が、
    前記第1の変流器出力電流に基づいて前記三相回路の前記第1の相における過電圧および不足電圧を検出する第1の相過不足電圧検出回路(35R)と、
    前記第1および第2の変流器出力電流を加算する加算回路(36)と、
    該加算回路から入力される前記第1および第2の変流器出力電流の和電流に基づいて前記三相回路の前記第2の相における過電圧および不足電圧を検出する第2の相過不足電圧検出回路(35S)と、
    前記第2の変流器出力電流に基づいて前記三相回路の前記第3の相における過電圧および不足電圧を検出する第3の相過不足電圧検出回路(35T)と、
    を備えることを特徴とする、請求項9記載の電圧異常検出装置。
  11. 前記欠相検出回路(32)が、
    前記第1の変流器出力電流の電流値が正常時の第1の変流器出力電流(IF10)の電流値の所定倍の値±第1の欠相検出値裕度(α)の範囲内の値であると出力信号を出力する第1の電流値比較回路(371)と、
    前記第1の変流器出力電流の電流値が“0”±第2の欠相検出値裕度(β)の範囲内の値であると出力信号を出力する第2の電流値比較回路(372)と、
    前記第2の変流器出力電流の電流値が正常時の第2の変流器出力電流(IF20)の電流値の所定倍の値±前記第1の欠相検出値裕度の範囲内の値であると出力信号を出力する第3の電流値比較回路(373)と、
    前記第2の変流器出力電流の電流値が“0”±前記第2の欠相検出値裕度の範囲内の値であると出力信号を出力する第4の電流値比較回路(374)と、
    前記第1および第4の電流値比較回路の両方から出力信号が出力されると前記三相回路の前記第1の相における欠相を検出する第1の欠相検出手段(381)と、
    前記第1および第3の電流値比較回路の両方から出力信号が出力されると前記三相回路の前記第2の相における欠相を検出する第2の欠相検出手段(282)と、
    前記第2および第3の電流値比較回路の両方から出力信号が出力されると前記三相回路の前記第3の相における欠相を検出する第3の欠相検出手段(283)と、
    を備えることを特徴とする、請求項9または10記載の電圧異常検出装置。
  12. 請求項1乃至請求項11いずれかに記載の電圧異常検出装置によって前記三相回路における電圧異常が検出されると、該三相回路の各相に設置された遮断器を遮断するためのトリップ信号を生成する手段を具備することを特徴とする、電圧保護継電装置。
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