JP2010051122A - 方向保護継電装置 - Google Patents

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重穗 松本
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Abstract

【課題】短絡事故から三相交流回路を保護するための変流器および方向保護継電器の設置台数を更に削減することができる方向保護継電装置を提供する。
【解決手段】送配電線のR相に設置された第1の変流器31と、送配電線のS相に設置されたかつ第1の変流器31と差接続された第2の変流器32と、差接続された第1および第2の変流器31,32から入力される短絡電流IRyと送配電線の線間電圧VR,VS,VTとに基づいて短絡事故を検出すると、送配電線の各相に設置された第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する方向保護継電器4とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、方向保護継電装置に関し、特に、短絡事故から三相交流回路を保護するための方向保護継電装置に関する。
従来、三相交流回路では、短絡事故から三相交流回路を保護するために、短絡方向継電器(DS)を相ごとに設置している(下記の特許文献1など参照)。
たとえば、図18に示すように、第1の短絡方向継電器41には、送配電線のR相に設置された第1の変流器(CT)31からR相の短絡電流を入力するとともに母線に設置された計器用変圧器(PT)6からR相の相電圧VRおよびS相の相電圧VSを入力し、また、第2の短絡方向継電器42には、送配電線のS相に設置された第2の変流器32からS相の短絡電流を入力するとともに計器用変圧器6からS相の相電圧VSおよびT相の相電圧VTを入力し、さらに、第3の短絡方向継電器43には、送配電線のT相に設置された第3の変流器33からT相の短絡電流を入力するとともに計器用変圧器6からR相の相電圧VRおよびT相の相電圧VTを入力して、送配電線において短絡事故が発生したときには、以下に示すように、その事故様相に応じて送配電線のR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器21〜23を第1乃至第3の短絡方向継電器41〜43で一括遮断している。
(1)R相−S相間の短絡事故の場合
送配電線のR相に内部方向(送配電線の末端に向う方向)の短絡電流が流れるとともに、送配電線のS相に外部方向の短絡電流が流れる。したがって、第1の短絡方向継電器41が、R相の短絡電流およびR相−S相の線間電圧VRSに基づいて動作して、第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(2)S相−T相間の短絡事故の場合
送配電線のS相に内部方向の短絡電流が流れるとともに、送配電線のT相に外部方向の短絡電流が流れる。したがって、第2の短絡方向継電器42が、S相の短絡電流およびS相−T相の線間電圧VSTに基づいて動作して、第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(3)T相−R相間の短絡事故の場合
送配電線のT相に内部方向の短絡電流が流れるとともに、送配電線のR相に外部方向の短絡電流が流れる。したがって、第3の短絡方向継電器43が、T相の短絡電流およびT相−R相の線間電圧VTRに基づいて動作して、第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合
送配電線のR相、S相およびT相に内部方向の短絡電流がそれぞれ流れる。したがって、第1乃至第3の短絡方向継電器41〜43が、R相、S相およびT相の短絡電流とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいてそれぞれ動作して、第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
また、距離継電器(DZ)についても、図19に示すように、第1の距離継電器201には、送配電線のR相に設置された第1の変流器31および送配電線のT相に設置された第3の変流器33からR相およびT相の短絡電流をそれぞれ入力するとともに母線に設置された計器用変圧器6からR相およびT相の相電圧VR,VTを入力し、また、第2の距離継電器202には、第1の変流器31および送配電線のS相に設置された第2の変流器32からR相およびS相の短絡電流をそれぞれ入力するとともに計器用変圧器6からR相およびS相の相電圧VR,VSを入力し、さらに、第3の距離継電器203には、第2および第3の変流器32,33からS相およびT相の短絡電流をそれぞれ入力するとともに計器用変圧器6からS相の相電圧VSおよびT相の相電圧VTを入力して、送配電線において短絡事故が発生したときには、以下に示すように、その事故様相に応じて送配電線のR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器21〜23を第1乃至第3の距離継電器201〜203で一括遮断している。
(1)R相−S相間の短絡事故の場合
送配電線のR相に内部方向の短絡電流が流れるとともに、送配電線のS相に外部方向の短絡電流が流れる。したがって、第2の距離継電器202が、R相の短絡電流およびS相の短絡電流の差電流とR相−S相の線間電圧VRSとに基づいて動作して、第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(2)S相−T相間の短絡事故の場合
送配電線のS相に内部方向の短絡電流が流れるとともに、送配電線のT相に外部方向の短絡電流が流れる。したがって、第3の距離継電器203が、S相の短絡電流およびT相の短絡電流の差電流とS相−T相の線間電圧VSTとに基づいて動作して、第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(3)T相−R相間の短絡事故の場合
送配電線のT相に内部方向の短絡電流が流れるとともに、送配電線のR相に外部方向の短絡電流が流れる。したがって、第1の距離継電器201が、T相の短絡電流およびR相の短絡電流の差電流とT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて動作して、第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合
送配電線のR相、S相およびT相に内部方向の短絡電流がそれぞれ流れる。したがって、第1乃至第3の距離継電器201〜203がそれぞれ動作して、第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
回線選択継電器(SS)についても、図20に示すように、第1の回線選択継電器301には、平衡2回線送配電線である第1および第2の送配電線1L,2LのR相にそれぞれ設置された第1および第4の変流器31,4から第1および第2の送配電線1L,2LのR相の短絡電流を入力するとともに母線に設置された計器用変圧器6からR相の相電圧VRを入力し、また、第2の回線選択継電器302には、第1および第2の送配電線1L,2LのS相にそれぞれ設置された第2および第5の変流器32,5から第1および第2の送配電線1L,2LのS相の短絡電流を入力するとともに計器用変圧器6からS相の相電圧VSを入力し、さらに、第3の回線選択継電器303には、第1および第2の送配電線1L,2LのT相にそれぞれ設置された第3および第6の変流器33,6から第1および第2の送配電線1L,2LのT相の短絡電流を入力するとともに計器用変圧器6からT相の相電圧VTを入力して、第1または第2の送配電線1L,2Lにおいて短絡事故が発生したときには、以下に示すように、その事故様相に応じて、第1の送配電線1Lに短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を第1乃至第3の回線選択継電器301〜303で一括遮断し、また、第2の送配電線2Lに短絡事故が発生したと判定すると第4乃至第6の遮断器21〜26を第1乃至第3の回線選択継電器301〜303で一括遮断している。
(1)R相−S相間の短絡事故の場合
たとえば第1の送配電線1LのR相−S相間において短絡事故が発生した場合には、第1および第2の送配電線1L,2LのR相に内部方向の短絡電流が流れるとともに、第1および第2の送配電線1L,2LのS相に外部方向の短絡電流が流れる。したがって、第1の回線選択継電器301が、第1および第2の送電線1L,2LのR相の短絡電流の差電流とR相の相電圧VRとに基づいて動作して、第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(2)S相−T相間の短絡事故の場合
たとえば第1の送配電線1LのS相−T相間において短絡事故が発生した場合には、第1および第2の送配電線1L,2LのS相に内部方向の短絡電流が流れるとともに、第1および第2の送配電線1L,2のT相に外部方向の短絡電流が流れる。したがって、第2の回線選択継電器302が、第1および第2の送電線1L,2LのS相の短絡電流の差電流とS相の相電圧VSとに基づいて動作して、第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(3)T相−R相間の短絡事故の場合
たとえば第1の送配電線1LのT相−R相間において短絡事故が発生した場合には、第1および第2の送配電線1L,2のT相に内部方向の短絡電流が流れるとともに、第1および第2の送配電線1L,2のR相に外部方向の短絡電流が流れる。したがって、第3の回線選択継電器303が、第1および第2の送配電線1L,2のT相の短絡電流の差電流とT相の相電圧VRとに基づいて動作して、第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合
たとえば第1の送配電線1LのT相−R相間において短絡事故が発生した場合には、第1および第2の送配電線1L,2のR相、S相およびT相に内部方向の短絡電流がそれぞれ流れる。したがって、第1乃至第3の回線選択継電器301〜303がそれぞれ動作して、第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
特開2001−16767号公報
しかしながら、送配電線につき変流器および方向保護継電器(短絡方向継電器、距離継電器および回線選択継電器)を3台ずつ設置しているため、変流器および方向保護継電器の設置台数を少なくして設備コストの削減を図りたいという要請がある。
本発明の目的は、短絡事故から三相交流回路を保護するための変流器および方向保護継電器の設置台数を更に削減することができる方向保護継電装置を提供することにある。
本発明の方向保護継電装置は、短絡事故から三相交流回路を保護するための方向保護継電装置であって、前記三相交流回路の1相に設置された変流器と、前記三相交流回路の他の1相に設置された、かつ、前記変流器と差接続された他の変流器と、前記差接続された変流器および他の変流器から入力される短絡電流と前記三相交流回路の線間電圧とに基づいて短絡事故を検出すると、該三相交流回路の各相に設置された遮断器を一括遮断する方向保護継電器とを具備することを特徴とする。
ここで、前記方向保護継電器が、前記短絡電流に所定の倍数を掛けて補正短絡電流を算出し、該算出した補正短絡電流と前記三相交流回路の線間電圧とに基づいて短絡事故を検出すると、該三相交流回路の各相に設置された遮断器を一括遮断してもよい。
前記変流器が、送配電線の第1の相に設置された第1の変流器(31)であり、前記他の変流器が、前記送配電線の第2の相に設置された第2の変流器(32)であり、前記第1の変流器と前記第2の変流器とが差接続されており、前記方向保護継電器が、前記差接続された第1および第2の変流器から入力される短絡電流(IRy)と前記送配電線の線間電圧(VRS,VST,VTR)とに基づいて短絡事故を検出すると、前記送配電線の各相に設置された第1乃至第3の遮断器(21〜23)を一括遮断する短絡方向継電器(4)であってもよい。
前記変流器が、送配電線の第1の相に設置された第1の変流器(31)であり、前記他の変流器が、前記送配電線の第2の相に設置された第2の変流器(32)であり、前記第1の変流器と前記第2の変流器とが差接続されており、前記方向保護継電器が、前記差接続された第1および第2の変流器から入力される短絡電流(IRy)と前記送配電線の線間電圧(VRS,VST,VTR)とに基づいて短絡事故を検出すると、前記送配電線の各相に設置された第1乃至第3の遮断器(21〜23)を一括遮断する距離継電器(20)であってもよい。
前記変流器が、第1および第2の送配電線(1L,2L)の第1の相にそれぞれ設置された第1および第3の変流器(31,33)であり、前記他の変流器が、前記第1および第2の送配電線の第2の相にそれぞれ設置された第2および第4の変流器(32,34)であり、前記第1の変流器と前記第2の変流器が差接続されており、前記第3の変流器と前記第4の変流器が差接続されており、前記方向保護継電器が、前記差接続された第1および第2の変流器から入力される短絡電流および前記差接続された第3および第4の変流器から入力される短絡電流の差電流である短絡電流(IRy)と前記送配電線の線間電圧(VRS,VST,VTR)とに基づいて前記第1の送配電線に短絡事故が発生したことを検出すると、該第1の送配電線の各相に設置された第1乃至第3の遮断器(21〜23)を一括遮断し、前記短絡電流と前記送配電線の線間電圧とに基づいて前記第2の送配電線に短絡事故が発生したことを検出すると、該第2の送配電線の各相に設置された第4乃至第6の遮断器(24〜26)を一括遮断する回線選択継電器(30)であってもよい。
前記三相交流回路の残りの1相に設置された、かつ、前記他の変流器と差接続された別の変流器と、該差接続された他の変流器および別の変流器から入力される他の短絡電流と前記三相交流回路の線間電圧とに基づいて短絡事故を検出すると、前記第1乃至第3の遮断器を一括遮断する他の方向保護継電器とをさらに具備してもよい。
前記他の方向保護継電器が、前記他の短絡電流に所定の倍数を掛けて他の補正短絡電流を算出し、該算出した他の補正短絡電流と前記送配電線の線間電圧とに基づいて短絡事故を検出すると、前記三相交流回路の各相に設置された遮断器を一括遮断してもよい。
前記変流器が、送配電線の第1の相に設置された第1の変流器(31)であり、前記他の変流器が、前記送配電線の第2の相に設置された第2の変流器(32)であり、前記別の変流器が、前記送配電線の第3の相に設置された第3の変流器(33)であり、前記第1の変流器と前記第2の変流器とが差接続されており、前記第2の変流器と前記第3の変流器とが差接続されており、前記方向保護継電器が、前記差接続された第1および第2の変流器から入力される第1の短絡電流(IRy1)と前記送配電線の線間電圧(VRS,VST,VTR)とに基づいて短絡事故を検出すると、前記送配電線の各相に設置された第1乃至第3の遮断器(21〜23)を一括遮断する第1の短絡方向継電器(41)であり、前記他の方向保護継電器が、前記差接続された第2および第3の変流器から入力される第2の短絡電流(IRy2)と前記送配電線の線間電圧とに基づいて短絡事故を検出すると、前記第1乃至第3の遮断器を一括遮断する第2の短絡方向継電器(42)であってもよい。
前記変流器が、送配電線の第1の相に設置された第1の変流器(31)であり、前記他の変流器が、前記送配電線の第2の相に設置された第2の変流器(32)であり、前記別の変流器が、前記送配電線の第3の相に設置された第3の変流器(33)であり、前記第1の変流器と前記第2の変流器とが差接続されており、前記第2の変流器と前記第3の変流器とが差接続されており、前記方向保護継電器が、前記差接続された第1および第2の変流器から入力される第1の短絡電流(IRy1)と前記送配電線の線間電圧(VRS,VST,VTR)とに基づいて短絡事故を検出すると、前記送配電線の各相に設置された第1乃至第3の遮断器(21〜23)を一括遮断する第1の距離継電器(201)であり、前記他の方向保護継電器が、前記差接続された第2および第3の変流器から入力される第2の短絡電流(IRy2)と前記送配電線の線間電圧とに基づいて短絡事故を検出すると、前記第1乃至第3の遮断器を一括遮断する第2の距離継電器(202)であってもよい。
前記変流器が、第1および第2の送配電線(1L,2L)の第1の相にそれぞれ設置された第1および第3の変流器(31,33)であり、前記他の変流器が、前記第1および第2の送配電線の第2の相にそれぞれ設置された第2および第4の変流器(32,34)であり、前記別の変流器が、前記第1および第2の送配電線の第3の相にそれぞれ設置された第5および第6の変流器(35,36)であり、前記第1の変流器と前記第2の変流器とが差接続されており、前記第2の変流器と前記第5の変流器とが差接続されており、前記第3の変流器と前記第4の変流器とが差接続されており、前記第4の変流器と前記第6の変流器とが差接続されており、前記方向保護継電器が、前記差接続された第1および第2の変流器から入力される短絡電流および前記差接続された第3および第4の変流器から入力される短絡電流の差電流である第1の短絡電流(IRy1)と前記送配電線の線間電圧(VRS,VST,VTR)とに基づいて前記第1の送配電線に短絡事故が発生したことを検出すると、該第1の送配電線の各相に設置された第1乃至第3の遮断器(21〜23)を一括遮断し、前記第1の短絡電流と前記送配電線の線間電圧とに基づいて前記第2の送配電線に短絡事故が発生したことを検出すると、該第2の送配電線の各相に設置された第4乃至第6の遮断器(24〜26)を一括遮断する第1の回線選択継電器(301)であり、前記他の方向保護継電器が、前記差接続された第2および第5の変流器から入力される短絡電流および前記差接続された第4および第6の変流器から入力される短絡電流の差電流である第2の短絡電流(IRy2)と前記送配電線の線間電圧とに基づいて前記第1の送配電線に短絡事故が発生したことを検出すると前記第1乃至第3の遮断器を一括遮断し、前記第2の短絡電流と前記送配電線の線間電圧とに基づいて前記第2の送配電線に短絡事故が発生したことを検出すると前記第4乃至第6の遮断器を一括遮断する第2の回線選択継電器(302)であってもよい。
本発明の方向保護継電装置は、以下に示す効果を奏する。
(1)差接続された変流器を使用することにより、短絡事故から三相交流回路を保護するための変流器および方向保護継電器の設置台数を削減して、設備コストの削減を図ることができる。
(2)差接続された変流器および方向保護継電器を2組使用することにより、自回路および他回路にまたがる短絡事故であっても確実に検出して停電の範囲の拡大を防止することができる。
(3)変流器および方向保護継電器を2組使用することにより、1台の方向保護継電器が故障または点検によって使用できなくなっても、自回路の短絡事故は他の1台の方向保護継電器でバックアップして、短絡事故から三相交流回路を保護することができる。
上記の目的を、三相交流回路の1相に設置された変流器と三相交流回路の他の1相に設置された他の変流器とを差接続し、方向保護継電器が、差接続された変流器および他の変流器から入力される短絡電流と三相交流回路の線間電圧とに基づいて短絡事故を検出すると、三相交流回路の各相に設置された遮断器を一括遮断することにより実現した。
以下、本発明の方向保護継電装置の実施例について図面を参照して説明する。
本発明の第1の実施例による方向保護継電装置は、図1に示すように、送配電線のR相およびS相にそれぞれ設置された、かつ、差接続された第1および第2の変流器31,32と、母線に設置された計器用変圧器6と、差接続された第1および第2の変流器31,32から入力される短絡電流IRyと計器用変圧器6から入力されるR相、S相およびT相の相電圧VR,VS,VTより求めたR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて送配電線の短絡事故を検出すると、送配電線のR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する短絡方向継電器4とを具備する。
したがって、短絡事故が発生していないときに送配電線のR相、S相およびT相に流れる負荷電流をIR,IS,ITで表すと、R相の負荷電流IRとS相の負荷電流ISとは図2に示すように120°の位相差で第1および第2の変流器31,32をそれぞれ流れるため、差接続された第1および第2の変流器31,32から短絡方向継電器4に入力される負荷電流Iは、R相の負荷電流IRとS相の負荷電流ISとのベクトル差となり、負荷電流Iの振幅はR相の負荷電流IR(S相の負荷電流IS)の振幅の31/2倍となる。
I=IR−IS
|I|=|IR−IS|=31/2×|IR|=31/2×|IS
そこで、短絡方向継電器4は、図18に示した従来の第1乃至第3の短絡方向継電器41〜43に入力される負荷電流の振幅と同じにするために、次式で示すように負荷電流Iを1/31/2倍して補正負荷電流I’を算出する。
I’=I×1/31/2
|I’|=|I|×1/31/2-=|IR|=|IS
また、送配電線に短絡事故が発生したときに送配電線のR相、S相およびT相に流れる短絡電流をIFR,IFS,IFT(インピーダンス角をθとする。)で表すと、短絡方向継電器4は、事故様相に応じて以下のように動作する。
(1)R相−S相間の短絡事故の場合
R相−S相間の短絡事故が発生すると、図1に破線の矢印で示すように、送配電線のR相にR相の短絡電流IFRが内部方向に流れ、送配電線のS相にS相の短絡電流IFSが外部方向に流れるが、送配電線のT相にはT相の短絡電流IFTが流れない。
したがって、差接続された第1および第2の変流器31,32から短絡方向継電器4に入力される短絡電流IRyは、図1に太矢印で示すように、R相の短絡電流IFRとS相の短絡電流IFSとのベクトル差となり、短絡電流IRyの振幅はR相の短絡電流IFR(S相の短絡電流IFS)の振幅の2倍となる(図3(a)参照。なお、図3においては、送配電線の内部方向に流れる短絡電流IFR,IFS,IFTは実線の矢印で、送配電線の外部方向に流れる短絡電流IFR,IFS,IFTは一点鎖線の矢印で示している。)。
Ry=IFR−IFS
|IRy|=|IFR−IFS|=2×|IFR|=2×|IFS
そこで、短絡方向継電器4は、図18に示した従来の第1乃至第3の短絡方向継電器41〜43に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように短絡電流IRyを1/2倍して補正短絡電流IRy’を算出する。
Ry’=IRy×1/2
|IRy’|=|IRy|×1/2-=|IFR|=|IFS
短絡方向継電器4は、算出した補正短絡電流IRy’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて短絡電流IRyの大きさおよび方向を判別する。なお、送配電線のR相−S相間の短絡事故の場合には、図3(a)に示すように、算出した補正短絡電流IRy’とR相−S相の線間電圧VRSとに基づいて短絡電流IRyの大きさおよび方向が判別される。
短絡方向継電器4は、送配電線に短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(2)S相−T相間の短絡事故の場合
S相−T相間の短絡事故が発生すると、図4に破線の矢印で示すように、送配電線のS相にS相の短絡電流IFSが内部方向に流れ、送配電線のT相にT相の短絡電流IFTが外部方向に流れるが、送配電線のR相にはR相の短絡電流IFRが流れない。
したがって、差接続された第1および第2の変流器31,32から短絡方向継電器4に入力される短絡電流IRyは、図4に太矢印で示すように、極性が負のS相の短絡電流−IFSとなり、短絡電流IRyの振幅はS相の短絡電流IFSの振幅となる(図3(b)参照)。
Ry=−IFS
|IRy|=|IFS
そこで、短絡方向継電器4は、図18に示した従来の第1乃至第3の短絡方向継電器41〜43に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように短絡電流IRyを1倍して補正短絡電流IRy’を算出する。
Ry’=IRy×1
|IRy’|=|IRy|×1=|IFS
短絡方向継電器4は、算出した補正短絡電流IRy’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて短絡電流IRyの大きさおよび方向を判別する。なお、送配電線のS相−T相間の短絡事故の場合には、図3(b)に示すように、算出した補正短絡電流IRy’とS相−T相の線間電圧VST(極性が負)とに基づいて短絡電流IRyの大きさおよび方向が判別される。
短絡方向継電器4は、送配電線に短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(3)T相−R相間の短絡事故の場合
T相−R相間の短絡事故が発生すると、図5に破線の矢印で示すように、送配電線のT相にT相の短絡電流IFTが内部方向に流れ、送配電線のR相にR相の短絡電流IFRが外部方向に流れるが、送配電線のS相にはS相の短絡電流IFSが流れない。
したがって、差接続された第1および第2の変流器31,32から短絡方向継電器4に入力される短絡電流IRyは、図5に太矢印で示すように、R相の短絡電流IFRとなり、短絡電流IRyの振幅はR相の短絡電流IFRの振幅となる(図3(c)参照)。
Ry=IFR
|IRy|=|IFR
そこで、短絡方向継電器4は、図18に示した従来の第1乃至第3の短絡方向継電器41〜43に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように短絡電流IRyを1倍して補正短絡電流IRy’を算出する。
Ry’=IRy×1
|IRy’|=|IRy|×1=|IFR
短絡方向継電器4は、算出した補正短絡電流IRy’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて短絡電流IRyの大きさおよび方向を判別する。なお、送配電線のS相−T相間の短絡事故の場合には、図3(c)に示すように、算出した補正短絡電流IRy’とT相−R相の線間電圧VTR(極性が負)とに基づいて短絡電流IRyの大きさおよび方向が判別される。
短絡方向継電器4は、送配電線に短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合
R相−S相−T相間の短絡事故が発生すると、図6に破線の矢印で示すように、送配電線のR相、S相およびT相にR相の短絡電流IFR、S相の短絡電流IFSおよびT相の短絡電流IFTが位相差120°で内部方向にそれぞれ流れる。
したがって、差接続された第1および第2の変流器31,32から短絡方向継電器4に入力される短絡電流IRyは、図6に太矢印で示すように、R相の短絡電流IFRとS相の短絡電流IFSとのベクトル差となり、短絡電流IRyの振幅はR相の短絡電流IFR(S相の短絡電流IFS)の振幅の31/2倍となる(図3(d)参照)。
Ry=IFR−IFS
|IRy|=|IFR−IFS|=31/2×|IFR|=31/2×|IFS
そこで、短絡方向継電器4は、図18に示した従来の第1乃至第3の短絡方向継電器41〜43に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように短絡電流IRyを1/31/2倍して補正短絡電流IRy’を算出する。
Ry’=IRy×1/31/2
|IRy’|=|IRy|×1/31/2-=|IFR|=|IFS
短絡方向継電器4は、算出した補正短絡電流IRy’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて短絡電流IRyの大きさおよび方向を判別する。なお、送配電線のS相−T相間の短絡事故の場合には、図3(d)に示すように、算出した補正短絡電流IRy’とR相−S相の線間電圧VRSとに基づいて短絡電流IRyの大きさおよび方向が判別される。
短絡方向継電器4は、送配電線に短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
なお、送配電線のR相およびS相に第1および第2の変流器31,32をそれぞれ設置して第1および第2の変流器31,32を差接続したが、送配電線のS相およびT相に第1および第2の変流器31,32をそれぞれ設置して第1および第2の変流器31,32を差接続してもよいし、送配電線のT相およびR相に第1および第2の変流器31,32をそれぞれ設置して第1および第2の変流器31,32を差接続してもよい。
ただし、第1および第2の変流器31,32を設置する送配電線の相の組合せ(以下、「CT結線」と称する。)によって、短絡方向継電器4は、事故様相に応じて、表1に示す倍率で補正短絡電流IRy’を算出するとともに、算出した補正短絡電流IRy’と表2に示す線間電圧とに基づいて送配電線に短絡事故が発生したか否かを判定する。
次に、本発明の第2の実施例による方向保護継電装置について、図7を参照して説明する。
本実施例による方向保護継電装置は、図7に示すように、送配電線のR相およびS相にそれぞれ設置された、かつ、差接続された第1および第2の変流器31,32と、母線に設置された計器用変圧器6と、差接続された第1および第2の変流器31,32から入力される短絡電流IRyと計器用変圧器6から入力されるR相、S相およびT相の相電圧VR,VS,VTより求めたR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて送配電線の短絡事故を検出すると、送配電線のR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する距離継電器20とを具備する。
したがって、短絡事故が発生していないときに送配電線のR相、S相およびT相に流れる負荷電流をIR,IS,ITで表すと、差接続された第1および第2の変流器31,32から距離継電器20に入力される負荷電流Iは、上述した第1の実施例における短絡方向継電器4の場合と同様にして、R相の負荷電流IRとS相の負荷電流ISとのベクトル差となり、負荷電流Iの振幅はR相の負荷電流IR(S相の負荷電流IS)の振幅の31/2倍となる。
I=IR−IS
|I|=|IR−IS|=31/2×|IR|=31/2×|IS
そこで、距離継電器20は、図19に示した従来の第1乃至第3の距離継電器201〜203に入力される負荷電流の振幅と同じにするために、次式で示すように負荷電流Iを2/31/2倍して補正負荷電流I’を算出する。
I’=I×2/31/2
|I’|=|I|×2/31/2-=2×|IR|=2×|IS
また、送配電線に短絡事故が発生したときに送配電線のR相、S相およびT相に流れる内部方向の短絡電流をIFR,IFS,IFT(インピーダンス角をθとする。)で表すと、距離継電器20は、事故様相に応じて以下のように動作する。
(1)R相−S相間の短絡事故の場合
R相−S相間の短絡事故が発生すると、図7に破線の矢印で示すように、送配電線のR相にR相の短絡電流IFRが内部方向に流れ、送配電線のS相にS相の短絡電流IFSが外部方向に流れるが、送配電線のT相にはT相の短絡電流IFTが流れない。
したがって、差接続された第1および第2の変流器31,32から距離継電器20に入力される短絡電流IRyは、上述した第1の実施例における短絡方向継電器4の場合と同様にして、R相の短絡電流IFRとS相の短絡電流IFSとのベクトル差となり、短絡電流IRyの振幅はR相の短絡電流IFR(S相の短絡電流IFS)の振幅の2倍となる(図3(a)参照)。
Ry=IFR−IFS
|IRy|=|IFR−IFS|=2×|IFR|=2×|IFS
そこで、距離継電器20は、図19に示した従来の第1乃至第3の距離継電器201〜203に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように短絡電流IRyを1倍して補正短絡電流IRy’を算出する。
Ry’=IRy×1
|IRy’|=|IRy|×1-=2×|IFR|=2×|IFS
距離継電器20は、算出した補正短絡電流IRy’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて事故点の距離および短絡電流IRyの方向を判別する。なお、送配電線のR相−S相間の短絡事故の場合には、算出した補正短絡電流IRy’とR相−S相の線間電圧VRSとに基づいて事故点の距離および短絡電流IRyの方向が判別される(図3(a)参照)。
距離継電器20は、送配電線に短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(2)S相−T相間の短絡事故の場合
S相−T相間の短絡事故が発生すると、送配電線のS相にS相の短絡電流IFSが内部方向に流れ、送配電線のT相にT相の短絡電流IFTが外部方向に流れるが、送配電線のR相にはR相の短絡電流IFRが流れない(図4参照)。
したがって、差接続された第1および第2の変流器31,32から距離継電器20に入力される短絡電流IRyは、上述した第1の実施例における短絡方向継電器4の場合と同様にして、極性が負のS相の短絡電流−IFSとなり、短絡電流IRyの振幅はS相の短絡電流IFSの振幅となる(図3(b)参照)。
Ry=−IFS
|IRy|=|IFS
そこで、距離継電器20は、図19に示した従来の第1乃至第3の距離継電器201〜203に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように短絡電流IRyを2倍して補正短絡電流IRy’を算出する。
Ry’=IRy×2
|IRy’|=|IRy|×2=2×|IFS
距離継電器20は、算出した補正短絡電流IRy’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて事故点の距離および短絡電流IRyの方向を判別する。なお、送配電線のS相−T相間の短絡事故の場合には、算出した補正短絡電流IRy’とS相−T相の線間電圧VST(極性が負)とに基づいて事故点の距離および短絡電流IRyの方向が判別される(図3(b)参照)。
距離継電器20は、送配電線に短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(3)T相−R相間の短絡事故の場合
T相−R相間の短絡事故が発生すると、送配電線のT相にT相の短絡電流IFTが内部方向に流れ、送配電線のR相にR相の短絡電流IFRが外部方向に流れるが、送配電線のS相にはS相の短絡電流IFSが流れない(図5参照)。
したがって、差接続された第1および第2の変流器31,32から距離継電器20に入力される短絡電流IRyは、上述した第1の実施例における短絡方向継電器4の場合と同様にして、R相の短絡電流IFRとなり、短絡電流IRyの振幅はR相の短絡電流IFRの振幅となる(図3(c)参照)。
Ry=IFR
|IRy|=2×|IFR
そこで、距離継電器20は、図19に示した従来の第1乃至第3の距離継電器201〜203に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように短絡電流IRyを2倍して補正短絡電流IRy’を算出する。
Ry’=IRy×2
|IRy’|=|IRy|×2=2×|IFR
距離継電器20は、算出した補正短絡電流IRy’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて事故点の距離および短絡電流IRyの方向を判別する。なお、送配電線のT相−R相間の短絡事故の場合には、算出した補正短絡電流IRy’とT相−R相の線間電圧VTR(極性が負)とに基づいて事故点の距離および短絡電流IRyの方向が判別される(図3(c)参照)。
距離継電器20は、送配電線に短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合
R相−S相−T相間の短絡事故が発生すると、送配電線のR相、S相およびT相にR相の短絡電流IFR、S相の短絡電流IFSおよびT相の短絡電流IFTが位相差120°で内部方向にそれぞれ流れる(図6参照)。
したがって、差接続された第1および第2の変流器31,32から距離継電器20に入力される短絡電流IRyは、上述した第1の実施例における短絡方向継電器4の場合と同様にして、R相の短絡電流IFRとS相の短絡電流IFSとのベクトル差となり、短絡電流IRyの振幅はR相の短絡電流IFR(S相の短絡電流IFS)の振幅の31/2倍となる(図3(d)参照)。
Ry=IFR−IFS
|IRy|=|IFR−IFS|=31/2×|IFR|=31/2×|IFS
そこで、距離継電器20は、図19に示した従来の第1乃至第3の距離継電器201〜203に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように短絡電流IRyを2/31/2倍して補正短絡電流IRy’を算出する。
Ry’=IRy×2/31/2
|IRy’|=|IRy|×2/31/2-=2×|IFR|=2×|IFS
距離継電器20は、算出した補正短絡電流IRy’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて事故点の距離および短絡電流IRyの方向を判別する。なお、送配電線のR相−S相−T相間の短絡事故の場合には、算出した補正短絡電流IRy’とR相−S相の線間電圧VRSとに基づいて事故点の距離および短絡電流IRyの方向が判別される(図3(d)参照)。
距離継電器20は、送配電線に短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
なお、送配電線のR相およびS相に第1および第2の変流器31,32をそれぞれ設置して第1および第2の変流器31,32を差接続したが、送配電線のS相およびT相に第1および第2の変流器31,32をそれぞれ設置して第1および第2の変流器31,32を差接続してもよいし、送配電線のT相およびR相に第1および第2の変流器31,32をそれぞれ設置して第1および第2の変流器31,32を差接続してもよい。
ただし、CT結線によって、距離継電器20は、事故様相に応じて、表3に示す倍率で補正短絡電流IRy’を算出するとともに、算出した補正短絡電流IRy’と表2に示した線間電圧とに基づいて事故点の距離および短絡電流IRyの方向を判別して、送配電線に短絡事故が発生したか否かを判定する。
次に、本発明の第3の実施例による方向保護継電装置について、図8を参照して説明する。
本実施例による方向保護継電装置は、図8に示すように、平衡2回線送配電線の第1の送配電線1LのR相およびS相にそれぞれ設置された、かつ、差接続された第1および第2の変流器31,32と、平衡2回線送配電線の第2の送配電線2LのR相およびS相にそれぞれ設置された、かつ、差接続された第3および第4の変流器33,34と、母線に設置された計器用変圧器6と、差接続された第1および第2の変流器31,32から入力される短絡電流および差接続された第3および第4の変流器33,34から入力される短絡電流の差電流(以下、「短絡電流IRy」と称する。)と計器用変圧器6から入力されるR相、S相およびT相の相電圧VR,VS,VTより求めたR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて第1または第2の送配電線1L,2Lの短絡事故を検出すると、第1および第2の送配電線1L,2Lのうち短絡事故が発生した方(以下、「事故回線」と称する。)のR相、S相およびT相にそれぞれ設置された遮断器(第1の送配電線1LのR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器21〜23、または第2の送配電線2LのR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第4乃至第6の遮断器24〜26)を一括遮断する回線選択継電器30とを具備する。
したがって、短絡事故が発生していないときに第1の送配電線1LのR相、S相およびT相に流れる負荷電流をIR1,IS1,IT1で表すとともに第2の送配電線2LのR相、S相およびT相に流れる負荷電流をIR2,IS2,IT2で表すと、差接続された第1および第2の変流器31から第1の回線選択継電器301に入力される負荷電流i1は、上述した第1の実施例における第1の短絡方向継電器41の場合と同様にして、R相の負荷電流IR1とS相の負荷電流IS1とのベクトル差となり、負荷電流i1の振幅はR相の負荷電流IR1(S相の負荷電流IS1)の振幅の31/2倍となる。
1=IR1−IS1
|i1|=|IR1−IS1|=31/2×|IR1|=31/2×|IS1
同様に、差接続された第3および第4の変流器33,34から回線選択継電器30に入力される負荷電流i2はR相の負荷電流IR2とS相の負荷電流IS2とのベクトル差の極性を反転したものとなり、負荷電流i12の振幅はR相の負荷電流IR2(S相の負荷電流IS2)の振幅の31/2倍となる。
2=−(IR2−IS2
|i2|=|IR2−IS2|=31/2×|IR2|=31/2×|IS2
その結果、回線選択継電器30に入力される負荷電流Iは負荷電流i1と負荷電流i2とのベクトル和となり、負荷電流Iの振幅は“0”となる(I=i1+i1=0)。
なお、回線選択継電器30は、図20に示した従来の第1乃至第3の回線選択継電器301〜303に入力される負荷電流の振幅と同じにするために、次式で示すように負荷電流Iを1/31/2倍して補正負荷電流I’を算出する。
I’=I×1/31/2
|I’|=|I|×1/31/2-
また、第1または第2の送配電線1L,2Lに短絡事故が発生したときに第1および第2の送配電線1L,2LのR相、S相およびT相に流れる短絡電流をIFR,IFS,IFT(インピーダンス角をθとする。)で表すと、回線選択継電器30は、事故様相に応じて以下のように動作する。
(1)R相−S相間の短絡事故の場合
R相−S相間の短絡事故が発生すると、図8に破線の矢印で示すように、第1および第2の送配電線1L,2LのR相にR相の短絡電流IFRが内部方向に流れ、第1および第2の送配電線1L,2LのS相にS相の短絡電流IFSが外部方向に流れるが、第1および第2の送配電線1L,2LのT相にはT相の短絡電流IFTが流れない。
したがって、回線選択継電器30に入力される短絡電流IRyは、上述した第1の実施例における短絡方向継電器4の場合と同様にして、R相の短絡電流IFR(第1の送配電線1LのR相に流れる短絡電流と第2の送配電線2LのR相に流れる短絡電流との差電流)とS相の短絡電流IFS(第1の送配電線1LのS相に流れる短絡電流と第2の送配電線2LのS相に流れる短絡電流との差電流)とのベクトル差となり、短絡電流IRyの振幅はR相の短絡電流IFR(S相の短絡電流IFS)の振幅の2倍となる(図3(a)参照)。
Ry=IFR−IFS
|IRy|=|IFR−IFS|=2×|IFR|=2×|IFS
そこで、回線選択継電器30は、図20に示した従来の第1乃至第3の回線選択継電器301〜303に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように短絡電流IRyを1/2倍して補正短絡電流IRy’を算出する。
Ry’=IRy×1/2
|IRy’|=|IRy|×1/2-=|IFR|=|IFS
回線選択継電器30は、算出した補正短絡電流IRy’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて事故回線を判別する。なお、第1または第2の送配電線1L,2LのR相−S相間の短絡事故の場合には、算出した補正短絡電流IRy’とR相−S相の線間電圧VRSとに基づいて事故回線が判別される(図3(a)参照)。
回線選択継電器30は、第1の送配電線1Lに短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断し、また、第2の送配電線2Lに短絡事故が発生したと判定すると第4乃至第6の遮断器24〜26を一括遮断する。
(2)S相−T相間の短絡事故の場合
S相−T相間の短絡事故が発生すると、第1および第2の送配電線1L,2LのS相にS相の短絡電流IFSが内部方向に流れ、第1および第2の送配電線1L,2LのT相にT相の短絡電流IFTが外部方向に流れるが、第1および第2の送配電線1L,2LのR相にはR相の短絡電流IFRが流れない(図4参照)。
したがって、回線選択継電器30に入力される短絡電流IRyは、上述した第1の実施例における短絡方向継電器4の場合と同様にして、極性が負のS相の短絡電流−IFS(第1の送配電線1LのS相に流れる短絡電流と第2の送配電線2LのS相に流れる短絡電流との差電流の極性を反転したもの)となり、短絡電流IRyの振幅はS相の短絡電流IFSの振幅となる(図3(b)参照)。
Ry=−IFS
|IRy|=|IFS
そこで、回線選択継電器30は、図20に示した従来の第1乃至第3の回線選択継電器301〜303に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように短絡電流IRyを1倍して補正短絡電流IRy’を算出する。
Ry’=IRy×1
|IRy’|=|IRy|×1=|IFS
回線選択継電器30は、算出した補正短絡電流IRy’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて事故回線を判別する。なお、第1または第2の送配電線1L,2LのS相−T相間の短絡事故の場合には、算出した補正短絡電流IRy’とS相−T相の線間電圧VST(極性が負)とに基づいて事故回線が判別される(図3(b)参照)。
回線選択継電器30は、第1の送配電線1Lに短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断し、また、第2の送配電線2Lに短絡事故が発生したと判定すると第4乃至第6の遮断器24〜26を一括遮断する。
(3)T相−R相間の短絡事故の場合
T相−R相間の短絡事故が発生すると、第1および第2の送配電線1L,2LのT相にT相の短絡電流IFTが内部方向に流れ、第1および第2の送配電線1L,2LのR相にR相の短絡電流IFRが外部方向に流れるが、第1および第2の送配電線1L,2LのS相にはS相の短絡電流IFSが流れない(図5参照)。
したがって、回線選択継電器30に入力される短絡電流IRyは、上述した第1の実施例における短絡方向継電器4の場合と同様にして、R相の短絡電流IFR(第1の送配電線1LのR相に流れる短絡電流と第2の送配電線2LのR相に流れる短絡電流との差電流)となり、短絡電流IRyの振幅はR相の短絡電流IFRの振幅となる(図3(c)参照)。
Ry=IFR
|IRy|=|IFR
そこで、回線選択継電器30は、図20に示した従来の第1乃至第3の回線選択継電器301〜303に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように短絡電流IRyを1倍して補正短絡電流IRy’を算出する。
Ry’=IRy×1
|IRy’|=|IRy|×1=|IFR
回線選択継電器30は、算出した補正短絡電流IRy’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて事故回線を判別する。なお、第1または第2の送配電線1L,2LのT相−R相間の短絡事故の場合には、算出した補正短絡電流IRy’とT相−R相の線間電圧VTR(極性が負)とに基づいて事故回線が判別される(図3(c)参照)。
回線選択継電器30は、第1の送配電線1Lに短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断し、また、第2の送配電線2Lに短絡事故が発生したと判定すると第4乃至第6の遮断器24〜26を一括遮断する。
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合
R相−S相−T相間の短絡事故が発生すると、第1および第2の送配電線1L,2LのR相,S相およびT相にR相の短絡電流IFR、S相の短絡電流IFSおよびT相の短絡電流IFTが位相差120°で内部方向にそれぞれ流れる(図6参照)。
したがって、回線選択継電器30に入力される短絡電流IRyは、上述した第1の実施例における短絡方向継電器4の場合と同様にして、R相の短絡電流IFR(第1の送配電線1LのR相に流れる短絡電流と第2の送配電線2LのR相に流れる短絡電流との差電流)とS相の短絡電流IFS(第1の送配電線1LのS相に流れる短絡電流と第2の送配電線2LのS相に流れる短絡電流との差電流)とのベクトル差となり、短絡電流IRyの振幅はR相の短絡電流IFR(S相の短絡電流IFS)の振幅の31/2倍となる(図3(d)参照)。
Ry=IFR−IFS
|IRy|=|IFR−IFS|=31/2×|IFR|=31/2×|IFS
そこで、回線選択継電器30は、図20に示した従来の第1乃至第3の回線選択継電器301〜303に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように短絡電流IRyを1/31/2倍して補正短絡電流IRy’を算出する。
Ry’=IRy×1/31/2
|IRy’|=|IRy|×1/31/2-=|IFR|=|IFS
回線選択継電器30は、算出した補正短絡電流IRy’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて事故回線を判別する。なお、第1または第2の送配電線1L,2LのT相−R相間の短絡事故の場合には、算出した補正短絡電流IRy’とR相−S相の線間電圧VRSとに基づいて事故回線が判別される(図3(d)参照)。
回線選択継電器30は、第1の送配電線1Lに短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断し、また、第2の送配電線2Lに短絡事故が発生したと判定すると第4乃至第6の遮断器24〜26を一括遮断する。
なお、第1の送配電線1LのR相およびS相に第1および第2の変流器31,32をそれぞれ設置して第1および第2の変流器31,32を差接続したが、第1の送配電線1LのS相およびT相に第1および第2の変流器31,32をそれぞれ設置して第1および第2の変流器31,32を差接続してもよいし、第1の送配電線1LのT相およびR相に第1および第2の変流器31,32をそれぞれ設置して第1および第2の変流器31,32を差接続してもよい。
第3および第4の変流器33,34についても同様である。
ただし、CT結線によって、回線選択継電器30は、事故様相に応じて、表1に示した倍率で補正短絡電流IRy’を算出するとともに、算出した補正短絡電流IRy’と表2に示した線間電圧とに基づいて事故回線を判別して、第1または第2の送配電線1L,2Lに短絡事故が発生したか否かを判定する。
次に、本発明の第4の実施例による方向保護継電装置について、図9乃至図15を参照して説明する。
本実施例による方向保護継電装置は、図9に示すように、送配電線のR相およびS相にそれぞれ設置された、かつ、差接続された第1および第2の変流器31,32と、送配電線のT相に設置された、かつ、第2の変流器32と差接続された第3の変流器33と、母線に設置された計器用変圧器6と、差接続された第1および第2の変流器31,32から入力される第1の短絡電流IRy1と計器用変圧器6から入力されるR相、S相およびT相の相電圧VR,VS,VTより求めたR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて送配電線の短絡事故を検出すると、送配電線のR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する第1の短絡方向継電器41と、差接続された第2および第3の変流器32,33から入力される第2の短絡電流IRy2と計器用変圧器6から入力されるR相、S相およびT相の相電圧VR,VS,VTより求めたR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて送配電線の短絡事故を検出すると、第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する第2の短絡方向継電器42とを具備する。
したがって、短絡事故が発生していないときに送配電線のR相、S相およびT相に流れる負荷電流をIR,IS,ITで表すと、図10に示すようにR相の負荷電流IRとS相の負荷電流ISとが120°の位相差で第1および第2の変流器31,32をそれぞれ流れるため、差接続された第1および第2の変流器31,32から第1の短絡方向継電器41に入力される第1の負荷電流I1はR相の負荷電流IRとS相の負荷電流ISとのベクトル差となり、第1の負荷電流I1の振幅はR相の負荷電流IR(S相の負荷電流IS)の振幅の31/2倍となる。
1=IR−IS
|I1|=|IR−IS|=31/2×|IR|=31/2×|IS
そこで、第1の短絡方向継電器41は、図18に示した従来の第1乃至第3の短絡方向継電器41〜43に入力される負荷電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第1の負荷電流I1を1/31/2倍して第1の補正負荷電流I1’を算出する。
1’=I1×1/31/2
|I1’|=|I1|×1/31/2-=|IR|=|IS
同様に、図10に示すようにS相の負荷電流ISとT相の負荷電流ITとが120°の位相差で第2および第3の変流器32,33をそれぞれ流れるため、差接続された第2および第3の変流器32,33から第2の短絡方向継電器42に入力される第2の負荷電流I2はS相の負荷電流ISとT相の負荷電流ITとのベクトル差となり、第2の負荷電流I2の振幅はS相の負荷電流IS(T相の負荷電流IT)の振幅の31/2倍となる。
2=IS−IT
|I2|=|IS−IT|=31/2×|IS|=31/2×|IT
そこで、第2の短絡方向継電器42は、図18に示した従来の第1乃至第3の短絡方向継電器41〜43に入力される負荷電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第2の負荷電流I2を1/31/2倍して第2の補正負荷電流I2’を算出する。
2’=I2×1/31/2
|I2’|=|I2|×1/31/2-=|IS|=|IT
また、送配電線において短絡事故が発生したときに送配電線のR相、S相およびT相に流れる短絡電流をIFR,IFS,IFT(インピーダンス角をθとする。)で表すと、第1および第2の短絡方向継電器41,42は、事故様相に応じて以下のように動作する。
(1)R相−S相間の短絡事故の場合
R相−S相間の短絡事故が発生すると、図9に破線の矢印で示すように、送配電線のR相にR相の短絡電流IFRが内部方向に流れ、送配電線のS相にS相の短絡電流IFSが外部方向に流れるが、送配電線のT相にはT相の短絡電流IFTが流れない。
したがって、差接続された第1および第2の変流器31,32から第1の短絡方向継電器41に入力される第1の短絡電流IRy1は、図9に実線の太矢印で示すように、R相の短絡電流IFRとS相の短絡電流IFSとのベクトル差となり、第1の短絡電流IRy1の振幅はR相の短絡電流IFR(S相の短絡電流IFS)の振幅の2倍となる(図11(a−1)参照。なお、図11および図12においては、送配電線の内部方向に流れる短絡電流IFR,IFS,IFTは実線の矢印で、送配電線の外部方向に流れる短絡電流IFR,IFS,IFTは一点鎖線の矢印で示している。))。
Ry1=IFR−IFS
|IRy1|=|IFR−IFS|=2×|IFR|=2×|IFS
そこで、第1の短絡方向継電器41は、図18に示した従来の第1乃至第3の短絡方向継電器41〜43に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第1の短絡電流IRy1を1/2倍して第1の補正短絡電流IRy1’を算出する。
Ry1’=IRy1×1/2
|IRy1’|=|IRy1|×1/2-=|IFR|=|IFS
第1の短絡方向継電器41は、算出した第1の補正短絡電流IRy1’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて第1の短絡電流IRy1の大きさおよび方向を判別する。なお、送配電線のR相−S相間の短絡事故の場合には、図11(a−1)に示すように、算出した第1の補正短絡電流IRy1’とR相−S相の線間電圧VRSとに基づいて第1の短絡電流IRy1の大きさおよび方向が判別される。
第1の短絡方向継電器41は、送配電線に短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
また、差接続された第2および第3の変流器32,33から第2の短絡方向継電器42に入力される第2の短絡電流IRy2は、図9に破線の太矢印で示すようにS相の短絡電流IFSとなり、第2の短絡電流IRy2の振幅はS相の短絡電流IFSの振幅となる(図11(a−2)参照)。
Ry2=IFS
|IRy2|=|IFS
そこで、第2の短絡方向継電器42は、図18に示した従来の第1乃至第3の短絡方向継電器41〜43に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第2の短絡電流IRy2を1倍して第2の補正短絡電流IRy2’を算出する。
Ry2’=IRy2×1
|IRy2’|=|IRy2|×1-=|IFS
第2の短絡方向継電器42は、算出した第2の補正短絡電流IRy2’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて第2の短絡電流IRy2の大きさおよび方向を判別する。なお、送配電線のR相−S相間の短絡事故の場合には、図11(a−2)に示すように、算出した第2の補正短絡電流IRy2’とR相−S相の線間電圧VRS(極性が負)とに基づいて第2の短絡電流IRy2の大きさおよび方向が判別される。
第2の短絡方向継電器42は、送配電線に短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(2)S相−T相間の短絡事故の場合
S相−T相間の短絡事故が発生すると、図13に破線の矢印で示すように、送配電線のS相にS相の短絡電流IFSが内部方向に流れ、送配電線のT相にT相の短絡電流IFTが外部方向に流れるが、送配電線のR相にはR相の短絡電流IFRが流れない。
したがって、差接続された第1および第2の変流器31,32から第1の短絡方向継電器41に入力される第1の短絡電流IRy1は、図13に実線の太矢印で示すように極性が負のS相の短絡電流−IFSとなり、第1の短絡電流IRy1の振幅はS相の短絡電流IFSの振幅となる(図11(b−1)参照)。
Ry1=−IFS
|IRy1|=|IFS
そこで、第1の短絡方向継電器41は、図18に示した従来の第1乃至第3の短絡方向継電器41〜43に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第1の短絡電流IRy1を1倍して第1の補正短絡電流IRy1’を算出する。
Ry1’=IRy1×1
|IRy1’|=|IRy1|×1=|IFS
第1の短絡方向継電器41は、算出した第1の補正短絡電流IRy1’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて第1の短絡電流IRy1の大きさおよび方向を判別する。なお、送配電線のS相−T相間の短絡事故の場合には、図11(b−1)に示すように、算出した第1の補正短絡電流IRy1’とS相−T相の線間電圧VST(極性が負)とに基づいて第1の短絡電流IRy1の大きさおよび方向が判別される。
第1の短絡方向継電器41は、送配電線に短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
また、差接続された第2および第3の変流器32,33から第2の短絡方向継電器42に入力される第2の短絡電流IRy2は、図13に破線の太矢印で示すようにS相の短絡電流IFSとT相の短絡電流IFTとのベクトル差となり、第2の短絡電流IRy2の振幅はS相の短絡電流IFS(T相の短絡電流IFT)の振幅の2倍となる(図11(b−2)参照)。
Ry2=IFS−IFT
|IRy2|=|IFS−IFT|=2×|IFS|=2×|IFT
そこで、第2の短絡方向継電器42は、図18に示した従来の第1乃至第3の短絡方向継電器41〜43に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第2の短絡電流IRy2を1/2倍して第2の補正短絡電流IRy2’を算出する。
Ry2’=IRy2×1/2
|IRy2’|=|IRy2|×1/2-=|IFS|=|IFT
第2の短絡方向継電器42は、算出した第2の補正短絡電流IRy2’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて第2の短絡電流IRy2の大きさおよび方向を判別する。なお、送配電線のR相−S相間の短絡事故の場合には、図11(b−2)に示すように、算出した第2の補正短絡電流IRy2’とS相−T相の線間電圧VSTとに基づいて第2の短絡電流IRy2の大きさおよび方向が判別される。
第2の短絡方向継電器42は、送配電線に短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(3)T相−R相間の短絡事故の場合
T相−R相間の短絡事故が発生すると、図14に破線の矢印で示すように、送配電線のT相にT相の短絡電流IFTが内部方向に流れ、送配電線のR相にR相の短絡電流IFRが外部方向に流れるが、送配電線のS相にはS相の短絡電流IFSが流れない。
したがって、差接続された第1および第2の変流器31,32から第1の短絡方向継電器41に入力される第1の短絡電流IRy1は、図14に実線の太矢印で示すようにR相の短絡電流IFRとなり、第1の短絡電流IRy1の振幅はR相の短絡電流IFRの振幅となる(図12(a−1)参照)。
Ry1=IFR
|IRy1|=|IFR
そこで、第1の短絡方向継電器41は、図18に示した従来の第1乃至第3の短絡方向継電器41〜43に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第1の短絡電流IRy1を1倍して第1の補正短絡電流IRy1’を算出する。
Ry1’=IRy1×1
|IRy1’|=|IRy1|×1=|IFR
第1の短絡方向継電器41は、算出した第1の補正短絡電流IRy1’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて第1の短絡電流IRy1の大きさおよび方向を判別する。なお、送配電線のT相−R相間の短絡事故の場合には、図12(a−1)に示すように、算出した第1の補正短絡電流IRy1’とT相−R相の線間電圧VTR(極性が負)とに基づいて第1の短絡電流IRy1の大きさおよび方向が判別される。
第1の短絡方向継電器41は、送配電線に短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
また、差接続された第2および第3の変流器32,33から第2の短絡方向継電器42に入力される第2の短絡電流IRy2は、図14に破線の太矢印で示すように極性が負のT相の短絡電流−IFTとなり、第2の短絡電流IRy2の振幅はT相の短絡電流IFTの振幅となる(図12(a−2)参照)。
Ry2=−IFT
|IRy2|=|IFT
そこで、第2の短絡方向継電器42は、図18に示した従来の第1乃至第3の短絡方向継電器41〜43に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第2の短絡電流IRy2を1倍して第2の補正短絡電流IRy2’を算出する。
Ry2’=IRy2×1
|IRy2’|=|IRy2|×1=|IFT
第2の短絡方向継電器42は、算出した第2の補正短絡電流IRy2’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて第2の短絡電流IRy2の大きさおよび方向を判別する。なお、送配電線のT相−R相間の短絡事故の場合には、図12(a−2)に示すように、算出した第2の補正短絡電流IRy2’とT相−R相の線間電圧VTR(極性が負)とに基づいて第2の短絡電流IRy2の大きさおよび方向が判別される。
第2の短絡方向継電器42は、送配電線に短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合
R相−S相−T相間の短絡事故が発生すると、図15に破線の矢印で示すように、送配電線のR相,S相およびT相にR相の短絡電流IFR、S相の短絡電流IFSおよびT相の短絡電流IFTが位相差120°で内部方向にそれぞれ流れる。
したがって、差接続された第1および第2の変流器31,32から第1の短絡方向継電器31に入力される第1の短絡電流IRy1は、図15に実線の太矢印で示すようにR相の短絡電流IFRとS相の短絡電流IFSとのベクトル差となり、第1の短絡電流IRy1の振幅はR相の短絡電流IFR(S相の短絡電流IFS)の振幅の31/2倍となる(図12(b−1)参照)。
Ry1=IFR−IFS
|IRy1|=|IFR−IFS|=31/2×|IFR|=31/2×|IFS
そこで、第1の短絡方向継電器41は、図18に示した従来の第1乃至第3の短絡方向継電器41〜43に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第1の短絡電流IRy1を1/31/2倍して第1の補正短絡電流IRy1’を算出する。
Ry1’=IRy1×1/31/2
|IRy1’|=|IRy1|×1/31/2-=|IFR|=|IFS
第1の短絡方向継電器41は、算出した第1の補正短絡電流IRy1’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて第1の短絡電流IRy1の大きさおよび方向を判別する。なお、送配電線のR相−S相−T相間の短絡事故の場合には、図12(b−1)に示すように、算出した第1の補正短絡電流IRy1’とR相−S相の線間電圧VRSとに基づいて第1の短絡電流IRy1の大きさおよび方向が判別される。
また、差接続された第2および第3の変流器32,33から第2の短絡方向継電器42に入力される第2の短絡電流IRy2は、図15に破線の太矢印で示すようにS相の短絡電流IFSとT相の短絡電流IFTとのベクトル差となり、第2の短絡電流IRy2の振幅はS相の短絡電流IFS(T相の短絡電流IFT)の振幅の31/2倍となる(図12(b−2)参照)。
Ry2=IFS−IFT
|IRy2|=|IFS−IFT|=31/2×|IFR|=31/2×|IFT
そこで、第2の短絡方向継電器42は、図18に示した従来の第1乃至第3の短絡方向継電器41〜43に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第2の短絡電流IRy2を1/31/2倍して第2の補正短絡電流IRy2’を算出する。
Ry2’=IRy2×1/31/2
|IRy2’|=|IRy2|×1/31/2-=|IFR|=|IFS
第2の短絡方向継電器42は、算出した第2の補正短絡電流IRy2’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて第2の短絡電流IRy2の大きさおよび方向を判別する。なお、送配電線のT相−R相間の短絡事故の場合には、図12(b−2)に示すように、算出した第2の補正短絡電流IRy2’とS相−T相の線間電圧VSTとに基づいて第2の短絡電流IRy2の大きさおよび方向が判別される。
第2の短絡方向継電器42は、送配電線に短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
なお、送配電線のR相およびS相に設置された第1および第2の変流器31,32を差接続するとともに、送配電線のS相およびT相に設置された第2および第3の変流器32,33を差接続したが、差接続する2つの変流器は他の組合せでもよい。
ただし、CT結線によって、第1および第2の短絡方向継電器41,42は、事故様相に応じて、表1に示した倍率で第1および第2の補正短絡電流IRy1’,IRy2’を算出するとともに、算出した第1および第2の補正短絡電流IRy1’,IRy2’と表2に示した線間電圧とに基づいて第1および第2の短絡電流IRy1,IRy2の大きさおよび方向を判別して、送配電線に短絡事故が発生したか否かを判定する。
次に、本発明の第5の実施例による方向保護継電装置について、図16を参照して説明する。
本実施例による方向保護継電装置は、図16に示すように、送配電線のR相およびS相にそれぞれ設置された、かつ、差接続された第1および第2の変流器31,32と、送配電線のT相に設置された、かつ、第2の変流器32と差接続された第3の変流器33と、母線に設置された計器用変圧器6と、差接続された第1および第2の変流器31,32から入力される第1の短絡電流IRy1と計器用変圧器6から入力されるR相、S相およびT相の相電圧VR,VS,VTより求めたR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて送配電線の短絡事故を検出すると、送配電線のR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する第1の距離継電器201と、差接続された第2および第3の変流器32,33から入力される第2の短絡電流IRy2と計器用変圧器6から入力されるR相、S相およびT相の相電圧VR,VS,VTより求めたR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて送配電線の短絡事故を検出すると、第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する第2の距離継電器202とを具備する。
したがって、短絡事故が発生していないときに送配電線のR相、S相およびT相に流れる負荷電流をIR,IS,ITで表すと、差接続された第1および第2の変流器31,32から第1の距離継電器201に入力される第1の負荷電流I1は、上述した第4の実施例における第1の短絡方向継電器41の場合と同様にして、R相の負荷電流IRとS相の負荷電流ISとのベクトル差となり、第1の負荷電流I1の振幅はR相の負荷電流IR(S相の負荷電流IS)の振幅の31/2倍となる。
1=IR−IS
|I1|=|IR−IS|=31/2×|IR|=31/2×|IS
そこで、第1の距離継電器201は、図19に示した従来の第1乃至第3の距離継電器201〜203に入力される負荷電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第1の負荷電流I1を2/31/2倍して第1の補正負荷電流I1’を算出する。
1’=I1×2/31/2
|I1’|=|I1|×2/31/2-=2×|IR|=2×|IS
同様に、差接続された第2および第3の変流器32,33から第2の距離継電器202に入力される第2の負荷電流I2は、上述した第4の実施例における第2の短絡方向継電器42の場合と同様にして、次式で示すようにS相の負荷電流ISとT相の負荷電流ITとのベクトル差となり、第2の負荷電流I2の振幅はS相の負荷電流IS(T相の負荷電流IT)の振幅の31/2倍となる。
2=IS−IT
|I2|=|IS−IT|=31/2×|IS|=31/2×|IT
そこで、第2の距離継電器202は、図19に示した従来の第1乃至第3の距離継電器201〜203に入力される負荷電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第2の負荷電流I2を2/31/2倍して第2の補正負荷電流I2’を算出する。
2’=I2×2/31/2
|I2’|=|I2|×2/31/2-=2×|IS|=2×|IT
また、送配電線において短絡事故が発生したときに送配電線のR相、S相およびT相に流れる短絡電流をIFR,IFS,IFT(インピーダンス角をθとする。)で表すと、第1および第2の距離継電器201,202は、事故様相に応じて以下のよう動作する。
(1)R相−S相間の短絡事故の場合
R相−S相間の短絡事故が発生すると、図16に破線の矢印で示すように、送配電線のR相にR相の短絡電流IFRが内部方向に流れ、送配電線のS相にS相の短絡電流IFSが外部方向に流れるが、送配電線のT相にはT相の短絡電流IFTが流れない。
したがって、差接続された第1および第2の変流器31,32から第1の距離継電器201に入力される第1の短絡電流IRy1は、上述した第4の実施例における第1の短絡方向継電器41の場合と同様にして、R相の短絡電流IFRとS相の短絡電流IFSとのベクトル差となり、第1の短絡電流IRy1の振幅はR相の短絡電流IFR(S相の短絡電流IFS)の振幅の2倍となる(図11(a−1)参照)。
Ry1=IFR−IFS
|IRy1|=|IFR−IFS|=2×|IFR|=2×|IFS
そこで、第1の距離継電器201は、図19に示した従来の第1乃至第3の距離継電器201〜203に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第1の短絡電流IRy1を1倍して第1の補正短絡電流IRy1’を算出する。
Ry1’=IRy1×1
|IRy1’|=|IRy1|-×1=2×|IFR|=2×|IFS
第1の距離継電器201は、算出した第1の補正短絡電流IRy1’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて事故点の距離および第1の短絡電流IRy1の方向を判別する。なお、送配電線のR相−S相間の短絡事故の場合には、算出した第1の補正短絡電流IRy1’とR相−S相の線間電圧VRSとに基づいて事故点の距離および第1の短絡電流IRy1の方向が判別される(図11(a−1)参照)。
第1の距離継電器201は、送配電線に短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
また、差接続された第2および第3の変流器32,33から第2の距離継電器202に入力される第2の短絡電流IRy2は、上述した第4の実施例における第2の短絡方向継電器42の場合と同様にして、S相の短絡電流IFSとなり、第2の短絡電流IRy2の振幅はS相の短絡電流IFSの振幅となる(図11(a−2))。
Ry2=IFS
|IRy2|=|IFS
そこで、第2の距離継電器202は、図19に示した従来の第1乃至第3の距離継電器201〜203に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第2の短絡電流IRy2を2倍して第2の補正短絡電流IRy2’を算出する。
Ry2’=IRy2×2
|IRy2’|=|IRy2|×2-=2×|IFS
第2の距離継電器202は、算出した第2の補正短絡電流IRy2’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて事故点の距離および第2の短絡電流IRy2の方向を判別する。なお、送配電線のR相−S相間の短絡事故の場合には、算出した第2の補正短絡電流IRy2’とR相−S相の線間電圧VRS(極性が負)とに基づいて事故点の距離および第2の短絡電流IRy2の方向が判別される(図11(a−2)参照)。
第2の距離継電器202は、送配電線に短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(2)S相−T相間の短絡事故の場合
S相−T相間の短絡事故が発生すると、送配電線のS相にS相の短絡電流IFSが内部方向に流れ、送配電線のT相にT相の短絡電流IFTが外部方向に流れるが、送配電線のR相にはR相の短絡電流IFRが流れない(図13参照)。
したがって、差接続された第1および第2の変流器31,32から第1の距離継電器201に入力される第1の短絡電流IRy1は、上述した第4の実施例における第1の短絡方向継電器41の場合と同様にして、極性が負のS相の短絡電流−IFSとなり、第1の短絡電流IRy1の振幅はS相の短絡電流IFSの振幅となる(図11(b−1)参照)。
Ry1=−IFS
|IRy1|=|IFS
そこで、第1の距離継電器201は、図19に示した従来の第1乃至第3の距離継電器201〜203に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第1の短絡電流IRy1を2倍して第1の補正短絡電流IRy1’を算出する。
Ry1’=IRy1×2
|IRy1’|=|IRy1|×2=2×|IFS
第1の距離継電器201は、算出した第1の補正短絡電流IRy1’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて事故点の距離および第1の短絡電流IRy1の方向を判別する。なお、送配電線のS相−T相間の短絡事故の場合には、算出した第1の補正短絡電流IRy1’とS相−T相の線間電圧VST(極性が負)とに基づいて事故点の距離および第1の短絡電流IRy1の方向が判別される(図11(b−1)参照)。
第1の距離継電器201は、送配電線に短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
また、差接続された第2および第3の変流器32,33から第2の距離継電器202に入力される第2の短絡電流IRy2は、上述した第4の実施例における第2の短絡方向継電器42の場合と同様にして、S相の短絡電流IFSとT相の短絡電流IFTとのベクトル差となり、第2の短絡電流IRy2の振幅はS相の短絡電流IFS(T相の短絡電流IFT)の振幅の2倍となる(図11(b−2)参照)。
Ry2=IFS−IFT
|IRy2|=|IFS−IFT|=2×|IFS|=2×|IFT
そこで、第2の距離継電器202は、図19に示した従来の第1乃至第3の距離継電器201〜203に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第2の短絡電流IRy2を1倍して第2の補正短絡電流IRy2’を算出する。
Ry2’=IRy2×1-
|IRy2’|=|IRy2|×1-=2×|IFS|=2×|IFT
第2の距離継電器202は、算出した第2の補正短絡電流IRy2’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて事故点の距離および第2の短絡電流IRy2の方向を判別する。なお、送配電線のS相−T相間の短絡事故の場合には、算出した第2の補正短絡電流IRy2’とS相−T相の線間電圧VSTとに基づいて事故点の距離および第2の短絡電流IRy2の方向が判別される(図11(b−2)参照)。
第2の距離継電器202は、送配電線に短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(3)T相−R相間の短絡事故の場合
T相−R相間の短絡事故が発生すると、送配電線のT相にT相の短絡電流IFTが内部方向に流れ、送配電線のR相にR相の短絡電流IFRが外部方向に流れるが、送配電線のS相にはS相の短絡電流IFSが流れない(図14参照)。
したがって、差接続された第1および第2の変流器31,32から第1の距離継電器201に入力される第1の短絡電流IRy1は、上述した第4の実施例における第1の短絡方向継電器41の場合と同様にして、R相の短絡電流IFRとなり、第1の短絡電流IRy1の振幅はR相の短絡電流IFRの振幅となる(図12(a−1)参照)。
Ry1=IFR
|IRy1|=|IFR
そこで、第1の距離継電器201は、図19に示した従来の第1乃至第3の距離継電器201〜203に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第1の短絡電流IRy1を2倍して第1の補正短絡電流IRy1’を算出する。
Ry1’=IRy1×2
|IRy1’|=|IRy1|×2=2×|IFR
第1の距離継電器201は、算出した第1の補正短絡電流IRy1’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて事故点の距離および第1の短絡電流IRy1の方向を判別する。なお、送配電線のT相−R相間の短絡事故の場合には、算出した第1の補正短絡電流IRy1’とT相−R相の線間電圧VTR(極性が負)とに基づいて事故点の距離および第1の短絡電流IRy1の方向が判別される(図12(a−1)参照)。
第1の距離継電器201は、送配電線に短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
また、差接続された第2および第3の変流器32,33から第2の距離継電器202に入力される第2の短絡電流IRy2は、上述した第4の実施例における第2の短絡方向継電器42の場合と同様にして、極性が負のT相の短絡電流−IFTとなり、第2の短絡電流IRy2の振幅はT相の短絡電流IFTの振幅となる(図12(a−2)参照)。
Ry2=−IFT
|IRy2|=|IFT
そこで、第2の距離継電器202は、図19に示した従来の第1乃至第3の距離継電器201〜203に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第2の短絡電流IRy2を2倍して第2の補正短絡電流IRy2’を算出する。
Ry2’=IRy2×2
|IRy2’|=|IRy2|×2=2×|IFT
第2の距離継電器202は、算出した第2の補正短絡電流IRy2’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて事故点の距離および第2の短絡電流IRy2の方向を判別する。なお、送配電線のT相−R相間の短絡事故の場合には、算出した第2の補正短絡電流IRy2’とT相−R相の線間電圧VTR(極性が負)とに基づいて事故点の距離および第2の短絡電流IRy2の方向が判別される(図12(a−2)参照)。
第2の距離継電器202は、送配電線に短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合
R相−S相−T相間の短絡事故が発生すると、送配電線のR相,S相およびT相にR相の短絡電流IFR、S相の短絡電流IFSおよびT相の短絡電流IFTが位相差120°で内部方向にそれぞれ流れる(図15参照)。
したがって、差接続された第1および第2の変流器31,32から第1の距離継電器201に入力される第1の短絡電流IRy1は、上述した第4の実施例における第1の短絡方向継電器41の場合と同様にして、R相の短絡電流IFRとS相の短絡電流IFSとのベクトル差となり、第1の短絡電流IRy1の振幅はR相の短絡電流IFR(S相の短絡電流IFS)の振幅の31/2倍となる(図12(b−1)参照)。
Ry1=IFR−IFS
|IRy1|=|IFR−IFS|=31/2×|IFR|=31/2×|IFS
そこで、第1の距離継電器201は、図19に示した従来の第1乃至第3の距離継電器201〜203に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第1の短絡電流IRy1を2/31/2倍して第1の補正短絡電流IRy1’を算出する。
Ry1’=IRy1×2/31/2
|IRy1’|=|IRy1|×2/31/2-=2×|IFR|=2×|IFS
第1の距離継電器201は、算出した第1の補正短絡電流IRy1’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて事故点の距離および第1の短絡電流IRy1の方向を判別する。なお、送配電線のR相−S相−T相間の短絡事故の場合には、算出した第1の補正短絡電流IRy1’とR相−S相の線間電圧VRSとに基づいて事故点の距離および第1の短絡電流IRy1の方向が判別される(図12(a−1)参照)。
第1の距離継電器201は、送配電線に短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
また、差接続された第2および第3の変流器32,33から第2の距離継電器202に入力される第2の短絡電流IRy2は、上述した第4の実施例における第2の短絡方向継電器42の場合と同様にして、S相の短絡電流IFSとT相の短絡電流IFTとのベクトル差となり、第2の短絡電流IRy2の振幅はS相の短絡電流IFS(T相の短絡電流IFT)の振幅の31/2倍となる(図12(b−2)参照)。
Ry2=IFS−IFT
|IRy2|=|IFS−IFT|=31/2×|IFS|=31/2×|IFT
そこで、第2の距離継電器202は、図19に示した従来の第1乃至第3の距離継電器201〜203に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第2の短絡電流IRy2を2/31/2倍して第2の補正短絡電流IRy2’を算出する。
Ry2’=IRy2×2/31/2
|IRy2’|=|IRy2|×2/31/2-=2×|IFS|=2×|IFT
第2の距離継電器202は、算出した第2の補正短絡電流IRy2’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて事故点の距離および第2の短絡電流IRy2の方向を判別する。なお、送配電線のR相−S相−T相間の短絡事故の場合には、算出した第2の補正短絡電流IRy2’とS相−T相の線間電圧VSTとに基づいて事故点の距離および第2の短絡電流IRy2の方向が判別される(図12(b−2)参照)。
第2の距離継電器202は、送配電線に短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
なお、送配電線のR相およびS相に設置された第1および第2の変流器31,32を差接続するとともに、送配電線のS相およびT相に設置された第2および第3の変流器32,33を差接続したが、差接続する2つの変流器は他の組合せでもよい。
ただし、CT結線によって、第1および第2の距離継電器201,202は、事故様相に応じて、表3に示した倍率で第1および第2の補正短絡電流IRy1’,IRy2’を算出するとともに、算出した第1および第2の補正短絡電流IRy1’,IRy2’と表2に示した線間電圧とに基づいて事故点の距離および第1および第2の短絡電流IRy1,IRy2の方向を判別して、送配電線に短絡事故が発生したか否かを判定する。
次に、本発明の第6の実施例による方向保護継電装置について、図17を参照して説明する。
本実施例による方向保護継電装置は、図17に示すように、平衡2回線送配電線の第1の送配電線1LのR相およびS相にそれぞれ設置された、かつ、差接続された第1および第2の変流器31,32と、平衡2回線送配電線の第2の送配電線2LのR相およびS相にそれぞれ設置された、かつ、差接続された第3および第4の変流器33,34と、第1の送配電線1LのT相に設置された、かつ、第2の変流器32と差接続された第4の変流器34と、第2の送配電線2LのT相に設置された、かつ、第4の変流器34と差接続された第6の変流器36と、母線に設置された計器用変圧器6と、差接続された第1および第2の変流器31,32から入力される短絡電流および差接続された第3および第4の変流器33,34から入力される短絡電流の差電流(以下、「第1の短絡電流IRy1」と称する。)と計器用変圧器6から入力されるR相、S相およびT相の相電圧VR,VS,VTより求めたR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて第1または第2の送配電線1L,2Lの短絡事故を検出すると、第1および第2の送配電線1L,2Lのうち短絡事故が発生した方(以下、「事故回線」と称する。)のR相、S相およびT相にそれぞれ設置された遮断器(第1の送電線1LのR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器21〜23、または第2の送電線2LのR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第4乃至第6の遮断器24〜26)を一括遮断する第1の回線選択継電器301と、差接続された第2および第5の変流器32,35から入力される短絡電流および差接続された第4および第6の変流器34,36から入力される短絡電流の差電流(以下、「第2の短絡電流IRy2」と称する。)と計器用変圧器6から入力されるR相、S相およびT相の相電圧VR,VS,VTより求めたR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて第1または第2の送配電線1L,2Lの短絡事故を検出すると、事故回線のR相、S相およびT相にそれぞれ設置された遮断器(第1乃至第3の遮断器21〜23または第4乃至第6の遮断器24〜26)を一括遮断する第2の回線選択継電器302とを具備する。
したがって、短絡事故が発生していないときに第1の送配電線1LのR相、S相およびT相に流れる負荷電流をIR1,IS1,IT1で表すとともに第2の送配電線2LのR相、S相およびT相に流れる負荷電流をIR2,IS2,IT2で表すと、差接続された第1および第2の変流器31,32から第1の回線選択継電器301に入力される負荷電流i11は、上述した第4の実施例における第1の短絡方向継電器41の場合と同様にして、R相の負荷電流IR1とS相の負荷電流IS1とのベクトル差となり、負荷電流i11の振幅はR相の負荷電流IR1(S相の負荷電流IS1)の振幅の31/2倍となる。
11=IR1−IS1
|i11|=|IR1−IS1|=31/2×|IR1|=31/2×|IS1
同様に、差接続された第3および第4の変流器33,34から第1の回線選択継電器301に入力される負荷電流i12はR相の負荷電流IR2とS相の負荷電流IS2とのベクトル差の極性を反転したものとなり、負荷電流i12の振幅はR相の負荷電流IR2(S相の負荷電流IS2)の振幅の31/2倍となる。
12=IR2−IS2
|i12|=|IR2−IS2|=31/2×|IR2|=31/2×|IS2
その結果、第1の回線選択継電器301に入力される第1の負荷電流I1は負荷電流i11と負荷電流i12とのベクトル和となり、第1の負荷電流I1の振幅は“0”となる(I1=i11+i12=0)。
なお、第1の回線選択継電器301は、図20に示した従来の第1乃至第3の回線選択継電器301〜303に入力される負荷電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第1の負荷電流I1を1/31/2倍して第1の補正負荷電流I1’を算出する。
1’=I1×1/31/2
|I1’|=|I1|×1/31/2-
また、差接続された第2および第5の変流器32,35から第2の回線選択継電器302に入力される負荷電流i21は、上述した第4の実施例における第2の短絡方向継電器42の場合と同様にして、S相の負荷電流IS1とT相の負荷電流IT1とのベクトル差となり、負荷電流i21の振幅はS相の負荷電流IS1(T相の負荷電流IT1)の振幅の31/2倍となる。
21=IS1−IT1
|i21|=|IS1−IT1|=31/2×|IS1|=31/2×|IT1
同様に、差接続された第4および第6の変流器34,36から第2の回線選択継電器302に入力される負荷電流i22はS相の負荷電流IS2とT相の負荷電流IT2とのベクトル差の極性を反転したものとなり、負荷電流i22の振幅はS相の負荷電流IS2(T相の負荷電流IT2)の振幅の31/2倍となる。
22=IS2−IT2
|i22|=|IS2−IT2|=31/2×|IS2|=31/2×|IT2
その結果、第2の回線選択継電器302に入力される第2の負荷電流I2は負荷電流i21と負荷電流i22とのベクトル和となり、第2の負荷電流I2の振幅は“0”となる(I2=i21+i22=0)。
なお、第2の回線選択継電器302は、図20に示した従来の第1乃至第3の回線選択継電器301〜303に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第2の負荷電流I2を1/31/2倍して第2の補正負荷電流I2’を算出する。
2’=I2×1/31/2
|I2’|=|I2|×1/31/2
また、第1または第2の送配電線1L,2Lにおいて短絡事故が発生したときに第1および第2の送配電線1L,2LのR相、S相およびT相に流れる内部方向の短絡電流をIFR,IFS,IFT(インピーダンス角をθとする。)で表すと、第1および第2の回線選択継電器301,302は、事故様相に応じて以下のように動作する。
(1)R相−S相間の短絡事故の場合
R相−S相間の短絡事故が発生すると、図17に破線の矢印で示すように、第1および第2の送配電線1L,2LのR相にR相の短絡電流IFRが内部方向に流れ、第1および第2の送配電線1L,2LのS相にS相の短絡電流IFSが外部方向に流れるが、第1および第2の送配電線1L,2LのT相にはT相の短絡電流IFTが流れない。
したがって、第1の回線選択継電器301に入力される第1の短絡電流IRy1は、上述した第4の実施例における第1の短絡方向継電器41の場合と同様にして、R相の短絡電流IFR(第1の送配電線1LのR相に流れる短絡電流と第2の送配電線2LのR相に流れる短絡電流との差電流)とS相の短絡電流IFS(第1の送配電線1LのS相に流れる短絡電流と第2の送配電線2LのS相に流れる短絡電流との差電流)とのベクトル差となり、第1の短絡電流IRy1の振幅はR相の短絡電流IFR(S相の短絡電流IFS)の振幅の2倍となる(図11(a−1)参照)。
Ry1=IFR−IFS
|IRy1|=|IFR−IFS|=2×|IFR|=2×|IFS
そこで、第1の回線選択継電器301は、図20に示した従来の第1乃至第3の回線選択継電器301〜303に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第1の短絡電流IRy1を1/2倍して第1の補正短絡電流IRy1’を算出する。
Ry1’=IRy1×1/2
|IRy1’|=|IRy1|-×1/2=|IFR|=|IFS
第1の回線選択継電器301は、算出した第1の補正短絡電流IRy1’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて事故回線を判別する。なお、第1または第2の送電線1L,2LのR相−S相間の短絡事故の場合には、算出した第1の補正短絡電流IRy1’とR相−S相の線間電圧VRSとに基づいて事故回線が判別される(図11(a−1)参照)。
第1の回線選択継電器30は、第1の送配電線1Lに短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断し、また、第2の送配電線2Lに短絡事故が発生したと判定すると第4乃至第6の遮断器24〜26を一括遮断する。
また、第2の回線選択継電器302に入力される第2の短絡電流IRy2は、上述した第4の実施例における第2の短絡方向継電器42の場合と同様にして、S相の短絡電流IFS(第1の送配電線1LのS相に流れる短絡電流と第2の送配電線2LのS相に流れる短絡電流との差電流)となり、第2の短絡電流IRy2の振幅はS相の短絡電流IFSの振幅となる(図11(a−2)参照)。
Ry2=IFS
|IRy2|=|IFS
そこで、第2の回線選択継電器302は、図20に示した従来の第1乃至第3の回線選択継電器301〜303に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第2の短絡電流IRy2を1倍して第2の補正短絡電流IRy2’を算出する。
Ry2’=IRy2×1
|IRy2’|=|IRy2|×1-=|IFS
第2の回線選択継電器302は、算出した第2の補正短絡電流IRy2’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて事故回線を判別する。なお、第1または第2の送配電線1L,2LのR相−S相間の短絡事故の場合には、算出した第2の補正短絡電流IRy2’とR相−S相の線間電圧VRS(極性が負)とに基づいて事故回線が判別される(図11(a−2)参照)。
第2の回線選択継電器302は、第1の送配電線1Lに短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断し、また、第2の送配電線2Lに短絡事故が発生したと判定すると第4乃至第6の遮断器24〜26を一括遮断する。
(2)S相−T相間の短絡事故の場合
S相−T相間の短絡事故が発生すると、第1および第2の送配電線1L,2LのS相にS相の短絡電流IFSが内部方向に流れ、第1および第2の送配電線1L,2LのT相にT相の短絡電流IFTが外部方向に流れるが、第1および第2の送配電線1L,2LのR相にはR相の短絡電流IFRが流れない(図13参照)。
したがって、第1の回線選択継電器301に入力される第1の短絡電流IRy1は、上述した第4の実施例における第1の短絡方向継電器41の場合と同様にして、極性が負のS相の短絡電流−IFS(第1の送配電線1LのS相に流れる短絡電流と第2の送配電線2LのS相に流れる短絡電流との差電流の極性を反転したもの)となり、第1の短絡電流IRy1の振幅はS相の短絡電流IFSの振幅となる(図11(b−1)参照)。
Ry1=−IFS
|IRy1|=|IFS
そこで、第1の回線選択継電器301は、図20に示した従来の第1乃至第3の回線選択継電器301〜303に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第1の短絡電流IRy1を1倍して第1の補正短絡電流IRy1’を算出する。
Ry1’=IRy1×1
|IRy1’|=|IRy1|×1=|IFS
第1の回線選択継電器301は、算出した第1の補正短絡電流IRy1’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて事故回線を判別する。なお、第1または第2の送電線1L,2LのS相−T相間の短絡事故の場合には、算出した第1の補正短絡電流IRy1’とS相−T相の線間電圧VST(極性が負)とに基づいて事故回線が判別される(図11(b−1)参照)。
第1の回線選択継電器30は、第1の送配電線1Lに短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断し、また、第2の送配電線2Lに短絡事故が発生したと判定すると第4乃至第6の遮断器24〜26を一括遮断する。
また、第2の回線選択継電器302に入力される第2の短絡電流IRy2は、上述した第4の実施例における第2の短絡方向継電器42の場合と同様にして、S相の短絡電流IFS(第1の送配電線1LのS相に流れる短絡電流と第2の送配電線2LのS相に流れる短絡電流との差電流)とT相の短絡電流IFT(第1の送配電線1LのT相に流れる短絡電流と第2の送配電線2LのT相に流れる短絡電流との差電流)とのベクトル差となり、第2の短絡電流IRy2の振幅はS相の短絡電流IFS(T相の短絡電流IFT)の振幅の2倍となる(図11(b−2)参照)。
Ry2=IFS−IFT
|IRy2|=|IFS−IFT|=2×|IFS|=2×|IFT
そこで、第2の回線選択継電器302は、図20に示した従来の第1乃至第3の回線選択継電器301〜303に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第2の短絡電流IRy2を1/2倍して第2の補正短絡電流IRy2’を算出する。
Ry2’=IRy2×1/2-
|IRy2’|=|IRy2|×1/2-=|IFS|=|IFT
第2の回線選択継電器302は、算出した第2の補正短絡電流IRy2’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて事故回線を判別する。なお、第1または第2の送配電線1L,2LのS相−T相間の短絡事故の場合には、算出した第2の補正短絡電流IRy2’とS相−T相の線間電圧VSTとに基づいて事故回線が判別される(図11(b−2)参照)。
第2の回線選択継電器302は、第1の送配電線1Lに短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断し、また、第2の送配電線2Lに短絡事故が発生したと判定すると第4乃至第6の遮断器24〜26を一括遮断する。
(3)T相−R相間の短絡事故の場合
T相−R相間の短絡事故が発生すると、第1および第2の送配電線1L,2LのT相にT相の短絡電流IFTが内部方向に流れ、第1および第2の送配電線1L,2LのR相にR相の短絡電流IFRが外部方向に流れるが、第1および第2の送配電線1L,2LのS相にはS相の短絡電流IFSが流れない(図14参照)。
したがって、第1の回線選択継電器301に入力される第1の短絡電流IRy1は、上述した第4の実施例における第1の短絡方向継電器41の場合と同様にして、R相の短絡電流IFR(第1の送配電線1LのR相に流れる短絡電流と第2の送配電線2LのR相に流れる短絡電流との差電流)となり、第1の短絡電流IRy1の振幅はR相の短絡電流IFRの振幅となる(図12(a−1)参照)。
Ry1=IFR
|IRy1|=|IFR
そこで、第1の回線選択継電器301は、図20に示した従来の第1乃至第3の回線選択継電器301〜303に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第1の短絡電流IRy1を1倍して第1の補正短絡電流IRy1’を算出する。
Ry1’=IRy1×1
|IRy1’|=|IRy1|×1=|IFR
第1の回線選択継電器301は、算出した第1の補正短絡電流IRy1’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて事故回線を判別する。なお、第1または第2の送電線1L,2LのT相−R相間の短絡事故の場合には、算出した第1の補正短絡電流IRy1’とT相−R相の線間電圧VTR(極性が負)とに基づいて事故回線が判別される(図12(a−1)参照)。
第1の回線選択継電器30は、第1の送配電線1Lに短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断し、また、第2の送配電線2Lに短絡事故が発生したと判定すると第4乃至第6の遮断器24〜26を一括遮断する。
また、第2の回線選択継電器302に入力される第2の短絡電流IRy2は、上述した第4の実施例における第2の短絡方向継電器42の場合と同様にして、極性が負のT相の短絡電流−IFT(第1の送配電線1LのT相に流れる短絡電流と第2の送配電線2LのT相に流れる短絡電流との差電流の極性を反転したもの)となり、第2の短絡電流IRy2の振幅はT相の短絡電流IFTの振幅となる(図12(a−2)参照)。
Ry2=−IFT
|IRy2|=|IFT
そこで、第2の回線選択継電器302は、図20に示した従来の第1乃至第3の回線選択継電器301〜303に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第2の短絡電流IRy2を1倍して第2の補正短絡電流IRy2’を算出する。
Ry2’=IRy2×1
|IRy2’|=|IRy2|×1=|IFT
第2の回線選択継電器302は、算出した第2の補正短絡電流IRy2’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて事故回線を判別する。なお、第1または第2の送配電線1L,2LのT相−R相間の短絡事故の場合には、算出した第2の補正短絡電流IRy2’とT相−R相の線間電圧VTR(極性が負)とに基づいて事故回線が判別される(図12(a−2)参照)。
第2の回線選択継電器302は、第1の送配電線1Lに短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断し、また、第2の送配電線2Lに短絡事故が発生したと判定すると第4乃至第6の遮断器24〜26を一括遮断する。
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合
R相−S相−T相間の短絡事故が発生すると、第1および第2の送配電線1L,2LのR相,S相およびT相にR相の短絡電流IFR、S相の短絡電流IFSおよびT相の短絡電流IFTが位相差120°で内部方向にそれぞれ流れる(図15参照)。
したがって、第1の回線選択継電器301に入力される第1の短絡電流IRy1は、上述した第4の実施例における第1の短絡方向継電器41の場合と同様にして、R相の短絡電流IFR(第1の送配電線1LのR相に流れる短絡電流と第2の送配電線2LのR相に流れる短絡電流との差電流)とS相の短絡電流IFS(第1の送配電線1LのS相に流れる短絡電流と第2の送配電線2LのS相に流れる短絡電流との差電流)とのベクトル差となり、第1の短絡電流IRy1の振幅はR相の短絡電流IFR(S相の短絡電流IFS)の振幅の31/2倍となる(図12(b−1)参照)。
Ry1=IFR−IFS
|IRy1|=|IFR−IFS|=31/2×|IFR|=31/2×|IFS
そこで、第1の回線選択継電器301は、図20に示した従来の第1乃至第3の回線選択継電器301〜303に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第1の短絡電流IRy1を1/31/2倍して第1の補正短絡電流IRy1’を算出する。
Ry1’=IRy1×1/31/2
|IRy1’|=|IRy1|×1/31/2-=|IFR|=|IFS
第1の回線選択継電器301は、算出した第1の補正短絡電流IRy1’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて事故回線を判別する。なお、第1または第2の送電線1L,2LのR相−S相−T相間の短絡事故の場合には、算出した第1の補正短絡電流IRy1’とR相−S相の線間電圧VRSとに基づいて事故回線が判別される(図12(b−1)参照)。
第1の回線選択継電器30は、第1の送配電線1Lに短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断し、また、第2の送配電線2Lに短絡事故が発生したと判定すると第4乃至第6の遮断器24〜26を一括遮断する。
また、第2の回線選択継電器302に入力される第2の短絡電流IRy2は、上述した第4の実施例における第2の短絡方向継電器42の場合と同様にして、S相の短絡電流IFS(第1の送配電線1LのS相に流れる短絡電流と第2の送配電線2LのS相に流れる短絡電流との差電流)とT相の短絡電流IFT(第1の送配電線1LのT相に流れる短絡電流と第2の送配電線2LのT相に流れる短絡電流との差電流)とのベクトル差となり、第2の短絡電流IRy2の振幅はS相の短絡電流IFS(T相の短絡電流IFT)の振幅の31/2倍となる(図12(b−2)参照)。
Ry2=IFS−IFT
|IRy2|=|IFS−IFT|=31/2×|IFS|=31/2×|IFT
そこで、第2の回線選択継電器302は、図20に示した従来の第1乃至第3の回線選択継電器301〜303に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように第2の短絡電流IRy2を1/31/2倍して第2の補正短絡電流IRy2’を算出する。
Ry2’=IRy2×1/31/2
|IRy2’|=|IRy2|×1/31/2-=|IFS|=|IFT
第2の回線選択継電器302は、算出した第2の補正短絡電流IRy2’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて事故回線を判別する。なお、第1または第2の送配電線1L,2LのR相−S相−T相間の短絡事故の場合には、算出した第2の補正短絡電流IRy2’とS相−T相の線間電圧VSTとに基づいて事故回線が判別される(図12(b−2)参照)。
第2の回線選択継電器302は、第1の送配電線1Lに短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断し、また、第2の送配電線2Lに短絡事故が発生したと判定すると第4乃至第6の遮断器24〜26を一括遮断する。
なお、第1の送配電線1LのR相およびS相に設置された第1および第2の変流器31,32を差接続するとともに、第1の送配電線1LのS相およびT相に設置された第2および第5の変流器32,35を差接続したが、差接続する2つの変流器は他の組合せでもよい。
第3、第4および第6の変流器33,34,36についても同様である。
ただし、CT結線によって、第1および第2の回線選択継電器301,302は、事故様相に応じて、表1に示した倍率で第1および第2の補正短絡電流IRy1’,IRy2’を算出するとともに、算出した第1および第2の補正短絡電流IRy1’,IRy2’と表2に示した線間電圧とに基づいて事故回線を判別して、第1または第2の送配電線1L,2Lに短絡事故が発生したか否かを判定する。
上述したように第4乃至第6の実施例では、送配電線につき差接続された変流器および方向保護継電器を2組ずつ使用することにより、自回路および他回路にまたがる短絡事故であっても確実に検出することができるとともに、1台の方向保護継電器が故障または点検によって使用できなくなっても、自回路の短絡事故は他の1台の方向性短絡保護継電器でバックアップすることができる。
以上では、送配電線において使用される方向保護継電器との組合せで差接続された変流器について説明したが、差接続された変流器は、送配電線以外の三相交流回路において使用されている方向保護継電器と組み合わせても、同様の効果を得ることができる。
事故様相については、たとえば、表4に示すように3つの線間電圧に基づいて判別することができる。なお、表4において、○印は、母線に設置された不足電圧継電器からの電圧情報に基づいて電圧低下が検出された線間電圧を示し、また、×印は、この不足電圧継電器からの電圧情報に基づいて電圧低下が検出されなかった線間電圧を示す(電圧低下の検出感度は定格電圧の75〜80%程度とする。)。
本発明の第1の実施例による方向保護継電装置について説明するための図である。 短絡事故が発生していないときに図1に示した短絡方向継電器4に入力される負荷電流について説明するための図である。 短絡事故が発生したときに図1に示した短絡方向継電器4に入力される短絡電流IRyについて説明するための図である。 図1に示した送配電線のS相−T相間に短絡事故が発生したときに短絡方向継電器4に入力される短絡電流IRyについて説明するための図である。 図1に示した送配電線のT相−R相間に短絡事故が発生したときに短絡方向継電器4に入力される短絡電流IRyについて説明するための図である。 図1に示した送配電線のR相−S相−T相間に短絡事故が発生したときに短絡方向継電器4に入力される短絡電流IRyについて説明するための図である。 本発明の第2の実施例による方向保護継電装置について説明するための図である。 本発明の第3の実施例による方向保護継電装置について説明するための図である。 本発明の第4の実施例による方向保護継電装置について説明するための図である。 短絡事故が発生したときに図9に示した第1および第2の短絡方向継電器41,42にそれぞれ入力される第1および第2の負荷電流I1,I2について説明するための図である。 短絡事故が発生したときに図9に示した第1および第2の短絡方向継電器41,42にそれぞれ入力される第1および第2の短絡電流IRy1,IRy2について説明するための図である。 短絡事故が発生したときに図9に示した第1および第2の短絡方向継電器41,42にそれぞれ入力される第1および第2の短絡電流IRy1,IRy2について説明するための図である。 図9に示した送配電線のS相−T相間に短絡事故が発生したときに第1および第2の短絡方向継電器41,42にそれぞれ入力される第1および第2の短絡電流IRy1,IRy2について説明するための図である。 図9に示した送配電線のT相−R相間に短絡事故が発生したときに第1および第2の短絡方向継電器41,42にそれぞれ入力される第1および第2の短絡電流IRy1,IRy2について説明するための図である。 図9に示した送配電線のR相−S相−T相間に短絡事故が発生したときに第1および第2の短絡方向継電器41,42にそれぞれ入力される第1および第2の短絡電流IRy1,IRy2について説明するための図である。 本発明の第5の実施例による方向保護継電装置について説明するための図である。 本発明の第6の実施例による方向保護継電装置について説明するための図である。 従来の短絡方向継電器について説明するための図である。 従来の距離継電器について説明するための図である。 従来の回線選択継電器について説明するための図である。
符号の説明
1 電源
1〜26 第1乃至第6の遮断器
1〜36 第1乃至第6の変流器
4 短絡方向継電器
1〜43 第1乃至第3の短絡方向継電器
6 計器用変圧器
20 距離継電器
201〜203 第1乃至第3の距離継電器
30 回線選択継電器
301〜303 第1乃至第3の回線選択継電器
1L,2L 第1および第2の送配電線
I,IR,IS,IT,IR1,IS1,IT1,IR2,IS2,IT2,i1,i2,i11,i12,i21,i22 負荷電流
I’ 補正負荷電流
1,I2 第1および第2の負荷電流
1’,I2’ 第1および第2の補正負荷電流
Ry,IFR,IFS,IFT 短絡電流
Ry’ 補正短絡電流
Ry1,IRy2 第1および第2の短絡電流
Ry1’,IRy2’ 第1および第2の補正短絡電流
R,VS,VT 相電圧
RS,VST,VTR 線間電圧
θ インピーダンス角

Claims (10)

  1. 短絡事故から三相交流回路を保護するための方向保護継電装置であって、
    前記三相交流回路の1相に設置された変流器と、
    前記三相交流回路の他の1相に設置された、かつ、前記変流器と差接続された他の変流器と、
    前記差接続された変流器および他の変流器から入力される短絡電流と前記三相交流回路の線間電圧とに基づいて短絡事故を検出すると、該三相交流回路の各相に設置された遮断器を一括遮断する方向保護継電器と、
    を具備することを特徴とする、方向保護継電装置。
  2. 前記方向保護継電器が、前記短絡電流に所定の倍数を掛けて補正短絡電流を算出し、該算出した補正短絡電流と前記三相交流回路の線間電圧とに基づいて短絡事故を検出すると、該三相交流回路の各相に設置された遮断器を一括遮断することを特徴とする、請求項1記載の方向保護継電装置。
  3. 前記変流器が、送配電線の第1の相に設置された第1の変流器(31)であり、
    前記他の変流器が、前記送配電線の第2の相に設置された第2の変流器(32)であり、
    前記第1の変流器と前記第2の変流器とが差接続されており、
    前記方向保護継電器が、前記差接続された第1および第2の変流器から入力される短絡電流(IRy)と前記送配電線の線間電圧(VRS,VST,VTR)とに基づいて短絡事故を検出すると、前記送配電線の各相に設置された第1乃至第3の遮断器(21〜23)を一括遮断する短絡方向継電器(4)である、
    ことを特徴とする、請求項1または2記載の方向保護継電装置。
  4. 前記変流器が、送配電線の第1の相に設置された第1の変流器(31)であり、
    前記他の変流器が、前記送配電線の第2の相に設置された第2の変流器(32)であり、
    前記第1の変流器と前記第2の変流器とが差接続されており、
    前記方向保護継電器が、前記差接続された第1および第2の変流器から入力される短絡電流(IRy)と前記送配電線の線間電圧(VRS,VST,VTR)とに基づいて短絡事故を検出すると、前記送配電線の各相に設置された第1乃至第3の遮断器(21〜23)を一括遮断する距離継電器(20)である、
    ことを特徴とする、請求項1または2記載の方向保護継電装置。
  5. 前記変流器が、第1および第2の送配電線(1L,2L)の第1の相にそれぞれ設置された第1および第3の変流器(31,33)であり、
    前記他の変流器が、前記第1および第2の送配電線の第2の相にそれぞれ設置された第2および第4の変流器(32,34)であり、
    前記第1の変流器と前記第2の変流器が差接続されており、
    前記第3の変流器と前記第4の変流器が差接続されており、
    前記方向保護継電器が、前記差接続された第1および第2の変流器から入力される短絡電流および前記差接続された第3および第4の変流器から入力される短絡電流の差電流である短絡電流(IRy)と前記送配電線の線間電圧(VRS,VST,VTR)とに基づいて前記第1の送配電線に短絡事故が発生したことを検出すると、該第1の送配電線の各相に設置された第1乃至第3の遮断器(21〜23)を一括遮断し、前記短絡電流と前記送配電線の線間電圧とに基づいて前記第2の送配電線に短絡事故が発生したことを検出すると、該第2の送配電線の各相に設置された第4乃至第6の遮断器(24〜26)を一括遮断する回線選択継電器(30)である、
    ことを特徴とする、請求項1または2記載の方向保護継電装置。
  6. 前記三相交流回路の残りの1相に設置された、かつ、前記他の変流器と差接続された別の変流器と、
    該差接続された他の変流器および別の変流器から入力される他の短絡電流と前記三相交流回路の線間電圧とに基づいて短絡事故を検出すると、前記第1乃至第3の遮断器を一括遮断する他の方向保護継電器と、
    をさらに具備することを特徴とする、請求項1または2記載の方向保護継電装置。
  7. 前記他の方向保護継電器が、前記他の短絡電流に所定の倍数を掛けて他の補正短絡電流を算出し、該算出した他の補正短絡電流と前記送配電線の線間電圧とに基づいて短絡事故を検出すると、前記三相交流回路の各相に設置された遮断器を一括遮断することを特徴とする、請求項6記載の方向保護継電装置。
  8. 前記変流器が、送配電線の第1の相に設置された第1の変流器(31)であり、
    前記他の変流器が、前記送配電線の第2の相に設置された第2の変流器(32)であり、
    前記別の変流器が、前記送配電線の第3の相に設置された第3の変流器(33)であり、
    前記第1の変流器と前記第2の変流器とが差接続されており、
    前記第2の変流器と前記第3の変流器とが差接続されており、
    前記方向保護継電器が、前記差接続された第1および第2の変流器から入力される第1の短絡電流(IRy1)と前記送配電線の線間電圧(VRS,VST,VTR)とに基づいて短絡事故を検出すると、前記送配電線の各相に設置された第1乃至第3の遮断器(21〜23)を一括遮断する第1の短絡方向継電器(41)であり、
    前記他の方向保護継電器が、前記差接続された第2および第3の変流器から入力される第2の短絡電流(IRy2)と前記送配電線の線間電圧とに基づいて短絡事故を検出すると、前記第1乃至第3の遮断器を一括遮断する第2の短絡方向継電器(42)である、
    ことを特徴とする、請求項6または7記載の方向保護継電装置。
  9. 前記変流器が、送配電線の第1の相に設置された第1の変流器(31)であり、
    前記他の変流器が、前記送配電線の第2の相に設置された第2の変流器(32)であり、
    前記別の変流器が、前記送配電線の第3の相に設置された第3の変流器(33)であり、
    前記第1の変流器と前記第2の変流器とが差接続されており、
    前記第2の変流器と前記第3の変流器とが差接続されており、
    前記方向保護継電器が、前記差接続された第1および第2の変流器から入力される第1の短絡電流(IRy1)と前記送配電線の線間電圧(VRS,VST,VTR)とに基づいて短絡事故を検出すると、前記送配電線の各相に設置された第1乃至第3の遮断器(21〜23)を一括遮断する第1の距離継電器(201)であり、
    前記他の方向保護継電器が、前記差接続された第2および第3の変流器から入力される第2の短絡電流(IRy2)と前記送配電線の線間電圧とに基づいて短絡事故を検出すると、前記第1乃至第3の遮断器を一括遮断する第2の距離継電器(202)である、
    ことを特徴とする、請求項6または7記載の方向保護継電装置。
  10. 前記変流器が、第1および第2の送配電線(1L,2L)の第1の相にそれぞれ設置された第1および第3の変流器(31,33)であり、
    前記他の変流器が、前記第1および第2の送配電線の第2の相にそれぞれ設置された第2および第4の変流器(32,34)であり、
    前記別の変流器が、前記第1および第2の送配電線の第3の相にそれぞれ設置された第5および第6の変流器(35,36)であり、
    前記第1の変流器と前記第2の変流器とが差接続されており、
    前記第2の変流器と前記第5の変流器とが差接続されており、
    前記第3の変流器と前記第4の変流器とが差接続されており、
    前記第4の変流器と前記第6の変流器とが差接続されており、
    前記方向保護継電器が、前記差接続された第1および第2の変流器から入力される短絡電流および前記差接続された第3および第4の変流器から入力される短絡電流の差電流である第1の短絡電流(IRy1)と前記送配電線の線間電圧(VRS,VST,VTR)とに基づいて前記第1の送配電線に短絡事故が発生したことを検出すると、該第1の送配電線の各相に設置された第1乃至第3の遮断器(21〜23)を一括遮断し、前記第1の短絡電流と前記送配電線の線間電圧とに基づいて前記第2の送配電線に短絡事故が発生したことを検出すると、該第2の送配電線の各相に設置された第4乃至第6の遮断器(24〜26)を一括遮断する第1の回線選択継電器(301)であり、
    前記他の方向保護継電器が、前記差接続された第2および第5の変流器から入力される短絡電流および前記差接続された第4および第6の変流器から入力される短絡電流の差電流である第2の短絡電流(IRy2)と前記送配電線の線間電圧とに基づいて前記第1の送配電線に短絡事故が発生したことを検出すると前記第1乃至第3の遮断器を一括遮断し、前記第2の短絡電流と前記送配電線の線間電圧とに基づいて前記第2の送配電線に短絡事故が発生したことを検出すると前記第4乃至第6の遮断器を一括遮断する第2の回線選択継電器(302)である、
    ことを特徴とする、請求項6または7記載の方向保護継電装置。
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JP2012029501A (ja) * 2010-07-26 2012-02-09 Toshiba Corp 配電線路の事故区間弁別手段

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