JP2010166784A - 異回線異相クロス貫通変流器および回線選択継電装置 - Google Patents

異回線異相クロス貫通変流器および回線選択継電装置 Download PDF

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Shigeo Matsumoto
重穗 松本
Yoshiaki Date
義明 伊達
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Abstract

【課題】短絡事故から第1および第2の三相交流回路を保護するための変流器および回線選択継電器の設置台数を削減することができる回線選択継電装置を提供する。
【解決手段】第1の送配電線1LのR相および第2の送配電線のS相をクロスさせた第1の異回線異相クロス貫通変流器101と第2の送配電線2LのR相および第1の送配電線のS相をクロスさせた第2の異回線異相クロス貫通変流器102とを差接続し、第1の送配電線1LのS相および第2の送配電線2LのT相をクロスさせた第3の異回線異相クロス貫通変流器103と第2の送配電線2LのS相および第1の送配電線のT相を逆向きにクロスさせた第4の異回線異相クロス貫通変流器104とを差接続する。回線選択継電器30は、第1乃至第4の異回線異相クロス貫通変流器101〜104からの短絡電流IRyと線間電圧VRS,VST,VTRとに基づいて短絡事故の発生および事故回線を判別する。
【選択図】図1

Description

本発明は、異回線異相クロス貫通変流器および回線選択継電装置に関し、特に、短絡事故から三相交流回路を保護するのに好適な異回線異相クロス貫通変流器および回線選択継電装置に関する。
従来、三相交流回路では、短絡事故から三相交流回路を保護するために、回線選択継電器(SS)を相ごとに設置している(下記の特許文献1など参照)。
たとえば、図12に示すように、第1の回線選択継電器301には、第1および第2の送配電線1L,2L(平衡2回線送配電線)のR相にそれぞれ設置された第1および第4の変流器31,34から第1および第2の送配電線1L,2LのR相の短絡電流を入力するとともに母線に設置された計器用変圧器6からR相の相電圧VRを入力し、また、第2の回線選択継電器302には、第1および第2の送配電線1L,2LのS相にそれぞれ設置された第2および第5の変流器32,35から第1および第2の送配電線1L,2LのS相の短絡電流を入力するとともに計器用変圧器6からS相の相電圧VSを入力し、さらに、第3の回線選択継電器303には、第1および第2の送配電線1L,2LのT相にそれぞれ設置された第3および第6の変流器33,36から第1および第2の送配電線1L,2LのT相の短絡電流を入力するとともに計器用変圧器6からT相の相電圧VTを入力して、第1または第2の送配電線1L,2Lにおいて短絡事故が発生したときには、以下に示すように、その事故様相に応じて、第1の送配電線1Lに短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を第1乃至第3の回線選択継電器301〜303で一括遮断し、また、第2の送配電線2Lに短絡事故が発生したと判定すると第4乃至第6の遮断器24〜26を第1乃至第3の回線選択継電器301〜303で一括遮断している。
(1)R相−S相間の短絡事故の場合
たとえば第1の送配電線1LのR相−S相間において短絡事故が発生した場合には、第1および第2の送配電線1L,2LのR相に内部方向の短絡電流が流れるとともに、第1および第2の送配電線1L,2LのS相に外部方向の短絡電流が流れる。したがって、第1の回線選択継電器301が、第1および第2の送配電線1L,2LのR相の短絡電流の差電流とR相の相電圧VRとに基づいて動作して、第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(2)S相−T相間の短絡事故の場合
たとえば第1の送配電線1LのS相−T相間において短絡事故が発生した場合には、第1および第2の送配電線1L,2LのS相に内部方向の短絡電流が流れるとともに、第1および第2の送配電線1L,2のT相に外部方向の短絡電流が流れる。したがって、第2の回線選択継電器302が、第1および第2の送配電線1L,2LのS相の短絡電流の差電流とS相の相電圧VSとに基づいて動作して、第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(3)T相−R相間の短絡事故の場合
たとえば第1の送配電線1LのT相−R相間において短絡事故が発生した場合には、第1および第2の送配電線1L,2のT相に内部方向の短絡電流が流れるとともに、第1および第2の送配電線1L,2のR相に外部方向の短絡電流が流れる。したがって、第3の回線選択継電器303が、第1および第2の送配電線1L,2のT相の短絡電流の差電流とT相の相電圧VRとに基づいて動作して、第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合
たとえば第1の送配電線1LのR相−S相−T相間において短絡事故が発生した場合には、第1および第2の送配電線1L,2のR相、S相およびT相に内部方向の短絡電流がそれぞれ流れる。したがって、第1乃至第3の回線選択継電器301〜303がそれぞれ動作して、第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
特開2004−15972号公報
しかしながら、平衡2回線送配電線につき変流器および回線選択継電器を3組設置しているため、変流器および方向保護継電器の設置台数を少なくして設備コストの削減を図りたいという要請がある。
本発明の目的は、短絡事故から第1および第2の三相交流回路を保護するための変流器および回線選択継電器の設置台数を削減することができる異回線異相クロス貫通変流器および回線選択継電装置を提供することにある。
本発明の異回線異相クロス貫通変流器は、第1および第2の三相交流回路(1L,2L)の各相に流れる短絡電流(IFR,IFS,IFT)の差電流(ΔIFR,ΔIFS,ΔIFT)を検出するための異回線異相クロス貫通変流器(101〜104)であって、2次コイルを巻装した環状鉄心に前記第1の三相交流回路の第1の相と前記第2の三相交流回路の第2の相とを逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させたことを特徴とする。
ここで、前記第1の三相交流回路の前記第1の相が前記異回線異相クロス貫通変流器の極性方向に貫通されており、前記第2の三相交流回路の前記第2の相が前記異回線異相クロス貫通変流器の反極性方向に貫通されていてもよい。
本発明の回線選択継電装置は、短絡事故から第1および第2の三相交流回路(1L,2L)を保護するための回線選択継電装置であって、2次コイルを巻装した環状鉄心に前記第1の三相交流回路の第1の相および前記第2の三相交流回路の第2の相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた第1の異回線異相クロス貫通変流器(101)と、2次コイルを巻装した環状鉄心に前記第2の三相交流回路の前記第1の相および前記第1の三相交流回路の前記第2の相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた、かつ、前記第1の異回線異相クロス貫通変流器と差接続された第2の異回線異相クロス貫通変流器(102)と、2次コイルを巻装した環状鉄心に前記第1の三相交流回路の前記第2の相および前記第2の三相交流回路の第3の相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた第3の異回線異相クロス貫通変流器(103)と、2次コイルを巻装した環状鉄心に前記第2の三相交流回路の前記第2の相および前記第1の三相交流回路の前記第3の相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた、かつ、前記第3の異回線異相クロス貫通変流器と差接続された第4の異回線異相クロス貫通変流器(104)と、回線選択継電器(30)とを具備し、前記差接続された第1および第2の異回線異相クロス貫通変流器と前記差接続された第3および第4の異回線異相クロス貫通変流器とを差接続し、前記回線選択継電器が、前記第1乃至第4の異回線異相クロス貫通変流器から入力される短絡電流(IRy)と前記第1および第2の三相交流回路の線間電圧(VRS,VST,VTR)とに基づいて、前記第1の三相交流回路における短絡事故を検出すると該第1の三相交流回路の前記第1乃至第3の相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器(21〜23)を一括遮断し、前記第2の三相交流回路における短絡事故を検出すると該第2の三相交流回路の前記第1乃至第3の相にそれぞれ設置された第4乃至第6の遮断器(24〜26)を一括遮断することを特徴とする。
ここで、前記回線選択継電器が、前記第1乃至第4の異回線異相クロス貫通変流器から入力される前記短絡電流に所定の倍数を掛けて補正短絡電流(IRy’)を算出し、該算出した補正短絡電流と前記第1および第2の三相交流回路の線間電圧とに基づいて前記第1または第2の三相交流回路における短絡事故を検出してもよい。
また、本発明の回線選択継電装置は、短絡事故から第1および第2の三相交流回路(1L,2L)を保護するための回線選択継電装置であって、2次コイルを巻装した環状鉄心に前記第1の三相交流回路の第1の相および前記第2の三相交流回路の第2の相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた第1の異回線異相クロス貫通変流器(101)と、2次コイルを巻装した環状鉄心に前記第2の三相交流回路の前記第1の相および前記第1の三相交流回路の前記第2の相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた、かつ、前記第1の異回線異相クロス貫通変流器と差接続された第2の異回線異相クロス貫通変流器(102)と、2次コイルを巻装した環状鉄心に前記第1の三相交流回路の前記第2の相および前記第2の三相交流回路の第3の相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた第3の異回線異相クロス貫通変流器(103)と、2次コイルを巻装した環状鉄心に前記第2の三相交流回路の前記第2の相および前記第1の三相交流回路の前記第3の相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた、かつ、前記第3の異回線異相クロス貫通変流器と差接続された第4の異回線異相クロス貫通変流器(104)と、前記差接続された第1および第2の異回線異相クロス貫通変流器から入力される第1の短絡電流(IRy1)と前記第1および第2の三相交流回路の線間電圧(VRS,VST,VTR)および和電圧(V(R+S),V(S+T),V(T+R))とに基づいて、前記第1の三相交流回路における短絡事故を検出すると該第1の三相交流回路の前記第1乃至第3の相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器(21〜23)を一括遮断し、前記第2の三相交流回路における短絡事故を検出すると該第2の三相交流回路の前記第1乃至第3の相にそれぞれ設置された第4乃至第6の遮断器(24〜26)を一括遮断する第1の回線選択継電器(301)と、前記差接続された第3および第4の異回線異相クロス貫通変流器から入力される第2の短絡電流(IRy2)と前記第1および第2の三相交流回路の線間電圧および前記和電圧とに基づいて、前記第1の三相交流回路における短絡事故を検出すると前記第1乃至第3の遮断器を一括遮断し、前記第2の三相交流回路における短絡事故を検出すると前記第4乃至第6の遮断器を一括遮断する第2の回線選択継電器(302)とを具備することを特徴とする。
ここで、前記三相交流回路の前記第1の相と前記第2の相との間の短絡事故である場合には、前記第2の回線選択継電器のみが動作して前記第1乃至第3の遮断器または前記第4乃至第6の遮断器を一括遮断し、前記三相交流回路の前記第2の相と前記第3の相との間の短絡事故である場合には、前記第1の回線選択継電器のみが動作して前記第1乃至第3の遮断器または前記第4乃至第6の遮断器を一括遮断してもよい。
本発明の異回線異相クロス貫通変流器は、2次コイルを巻装した環状鉄心に第1の三相交流回路の第1の相および第2の三相交流回路の第2の相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させることにより、第1の三相交流回路の第1の相および第2の三相交流回路の第2の相に流れる短絡電流の差電流を検出することができるという効果を奏する。
本発明の回線選択継電装置は、以下の効果を奏する。
(1)異回線異相クロス貫通変流器を使用することにより、短絡事故から第1および第2の三相交流回路を保護するための変流器および回線選択継電器の設置台数を削減して、設備コストの削減を図ることができる。
(2)異回線異相クロス貫通変流器および回線選択継電器を2組使用することにより、自回路および他回路にまたがる短絡事故であっても確実に検出して停電の範囲の拡大を防止することができる。
上記の目的を、2次コイルを巻装した環状鉄心に第1の三相交流回路の第1の相および第2の三相交流回路の第2の相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた第1の異回線異相クロス貫通変流器と2次コイルを巻装した環状鉄心に第1の三相交流回路の第2の相および第2の三相交流回路の第1の相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた第2の異回線異相クロス貫通変流器とを差接続し、この差接続された第1および第2の異回線異相クロス貫通変流器から入力される短絡電流と第1および第2の三相交流回路の線間電圧とに基づいて第1または第2の三相交流回路における短絡事故を回線選択継電器が検出することにより実現した。
以下、本発明の異回線異相クロス貫通変流器および回線選択継電装置の実施例について図面を参照して説明する。
本発明の第1の実施例による回線選択継電装置は、図1に示すように、平衡2回線送配電線の第1の送配電線1LのR相および第2の送配電線2LのS相がクロスするように貫通された第1の異回線異相クロス貫通変流器101と、第1の送配電線1LのS相および第2の送配電線2LのR相がクロスするように貫通された、かつ、第1の異回線異相クロス貫通変流器101と差接続された第2の異回線異相クロス貫通変流器102と、第1の送配電線1LのS相および第2の送配電線2LのT相がクロスするように貫通された第3の異回線異相クロス貫通変流器103と、第1の送配電線1LのT相および第2の送配電線2LのS相がクロスするように貫通された、かつ、第3の異回線異相クロス貫通変流器103と差接続された第4の異回線異相クロス貫通変流器104と、母線に設置された計器用変圧器6と、差接続された第1および第2の異回線異相クロス貫通変流器101,102から入力される短絡電流と差接続された第3および第4の異回線異相クロス貫通変流器103,104から入力される短絡電流との差電流(以下、「短絡電流IRy」と称する。)と計器用変圧器6から入力されるR相、S相およびT相の相電圧VR,VS,VTより求めたR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて第1または第2の送配電線1L,2Lの短絡事故を検出すると、第1および第2の送配電線1L,2Lのうち短絡事故が発生した方(以下、「事故回線」と称する。)のR相、S相およびT相にそれぞれ設置された遮断器(第1の送配電線1LのR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器21〜23、または、第2の送配電線2LのR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第4乃至第6の遮断器24〜26)を一括遮断する回線選択継電器30とを具備する。
ここで、第1の異回線異相クロス貫通変流器101は、2次コイルを巻装した環状鉄心に第1の送配電線1LのR相および第2の送配電線2LのS相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた貫通形変流器であり、第2の異回線異相クロス貫通変流器102は、2次コイルを巻装した環状鉄心に第1の送配電線1LのS相および第2の送配電線2LのR相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた貫通形変流器であり、第3の異回線異相クロス貫通変流器103は、2次コイルを巻装した環状鉄心に第1の送配電線1LのS相および第2の送配電線2LのT相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた貫通形変流器であり、第4の異回線異相クロス貫通変流器104は、2次コイルを巻装した環状鉄心に第1の送配電線1LのT相および第2の送配電線2LのS相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた貫通形変流器である。
すなわち、第1の送配電線1LのR相は第1の異回線異相クロス貫通変流器101の極性方向(環状鉄心の第1の開口面から環状鉄心の第2の開口面への方向)に貫通されているが、第2の送配電線2LのS相は第1のクロス貫通変流器101の反極性方向(環状鉄心の第2の開口面から環状鉄心の第1の開口面への方向)に貫通されている。第2の送配電線2LのR相は第2のクロス貫通変流器102の極性方向(環状鉄心の第1の開口面から環状鉄心の第2の開口面への方向)に貫通されているが、第1の送配電線1LのS相は第2の異回線異相クロス貫通変流器102の反極性方向(環状鉄心の第2の開口面から環状鉄心の第1の開口面への方向)に貫通されている。
また、第2の異回線異相クロス貫通変流器102は、第2の異回線異相クロス貫通変流器102から回線選択継電器30に入力される短絡電流の極性が第1の異回線異相クロス貫通変流器101から回線選択継電器30に入力される短絡電流の極性の逆となるように、回線選択継電器30と接続されている。
同様に、第1の送配電線1LのS相は第3の異回線異相クロス貫通変流器103の極性方向(環状鉄心の第1の開口面から環状鉄心の第2の開口面への方向)に貫通されているが、第2の送配電線2LのT相は第3の異回線異相クロス貫通変流器103の反極性方向(環状鉄心の第2の開口面から環状鉄心の第1の開口面への方向)に貫通されている。第2の送配電線2LのS相は第4の異回線異相クロス貫通変流器104の極性方向(環状鉄心の第1の開口面から環状鉄心の第2の開口面への方向)に貫通されているが、第1の送配電線1LのT相は第4の異回線異相クロス貫通変流器104の反極性方向(環状鉄心の第2の開口面から環状鉄心の第1の開口面への方向)に貫通されている。
また、第4の異回線異相クロス貫通変流器104は、第4の異回線異相クロス貫通変流器104から回線選択継電器30に入力される短絡電流の極性が第3の異回線異相クロス貫通変流器103から回線選択継電器30に入力される短絡電流の極性の逆となるように、回線選択継電器30と接続されている。
さらに、差接続された第3および第4の異回線異相クロス貫通変流器103,104は、差接続された第3および第4の異回線異相クロス貫通変流器103,104から回線選択継電器30に入力される短絡電流の極性が差接続された第1および第2の異回線異相クロス貫通変流器101,102から回線選択継電器30に入力される短絡電流の極性の逆となるように、回線選択継電器30と接続されている。
したがって、短絡事故が発生していないときに第1の送配電線1LのR相、S相およびT相に流れる負荷電流をIR1,IS1,IT1で表すとともに第2の送配電線2LのR相、S相およびT相に流れる負荷電流をIR2,IS2,IT2で表すと、第1の送配電線1LのR相の負荷電流IR1と第2の送配電線2LのS相の負荷電流IS2とは第1の異回線異相クロス貫通変流器101の環状鉄心を逆向きに貫通して流れる(すなわち、第1の送配電線1LのR相の負荷電流IR1は第1の異回線異相クロス貫通変流器101を極性方向に貫通して流れ、第2の送配電線2LのS相の負荷電流IS2は第1の異回線異相クロス貫通変流器101を反極性方向に貫通して流れる)。そのため、第1の異回線異相クロス貫通変流器101から回線選択継電器30に入力される負荷電流i1は、次式で示すように、第1の送配電線1LのR相に流れる負荷電流IR1と第2の送配電線2LのS相に流れる負荷電流IS2との差電流となる。
1=IR1−IS2
第2の送配電線2LのR相の負荷電流IR2と第1の送配電線1LのS相の負荷電流IS1とは第2の異回線異相クロス貫通変流器102の環状鉄心を逆向きに貫通して流れる(すなわち、第2の送配電線2LのR相の負荷電流IR2は第2の異回線異相クロス貫通変流器102を極性方向に貫通して流れ、第1の送配電線1LのS相の負荷電流IS1は第2の異回線異相クロス貫通変流器102を反極性方向に貫通して流れる)。そのため、第2の異回線異相クロス貫通変流器102から回線選択継電器30に入力される負荷電流i2は、次式で示すように、第2の送配電線2LのR相に流れる負荷電流IR2と第1の送配電線1LのS相に流れる負荷電流IS1との差電流の極性を反転したものとなる。
2=−(IR2−IS1
第1の送配電線1LのS相の負荷電流IS1と第2の送配電線2LのT相の負荷電流IT2とは第3の異回線異相クロス貫通変流器103の環状鉄心を逆向きに貫通して流れる(すなわち、第1の送配電線1LのS相の負荷電流IS1は第3の異回線異相クロス貫通変流器103を極性方向に貫通して流れ、第2の送配電線2LのT相の負荷電流IT2は第3の異回線異相クロス貫通変流器103を反極性方向に貫通して流れる)。そのため、第3の異回線異相クロス貫通変流器103から回線選択継電器30に入力される負荷電流i3は、次式で示すように、第1の送配電線1LのS相に流れる負荷電流IS1と第2の送配電線2LのT相に流れる負荷電流IT2との差電流の極性を反転させたものとなる。
3=−(IS1−IT2
第2の送配電線2LのS相の負荷電流IS2と第1の送配電線1LのT相の負荷電流IT1とは第4の異回線異相クロス貫通変流器104の環状鉄心を逆向きに貫通して流れる(すなわち、第2の送配電線2LのS相の負荷電流IS2は第4の異回線異相クロス貫通変流器104を極性方向に貫通して流れ、第1の送配電線1LのT相の負荷電流IT1は第4の異回線異相クロス貫通変流器104を反極性方向に貫通して流れる)。そのため、第4の異回線異相クロス貫通変流器104から回線選択継電器30に入力される負荷電流i4は、次式で示すように、第2の送配電線2LのS相に流れる負荷電流IS2と第1の送配電線1LのT相に流れる負荷電流IT1との差電流となる。
4=IS2−IT1
その結果、第1の送配電線1LのR相に流れる負荷電流IR1と第2の送配電線2LのR相に流れる負荷電流IR2との差電流をΔIR(以下、「R相の差負荷電流ΔIR」と称する。)で表し、第1の送配電線1LのS相に流れる負荷電流IS1と第2の送配電線2LのS相に流れる負荷電流IS2との差電流をΔIS(以下、「S相の差負荷電流ΔIS」と称する。)で表し、第1の送配電線1LのT相に流れる負荷電流IT1と第2の送配電線2LのT相に流れる負荷電流IT2との差電流をΔIT(以下、「T相の差負荷電流ΔIT」と称する。)で表すと、差接続された第1および第2の異回線異相クロス貫通変流器101,102と差接続された第3および第4の異回線異相クロス貫通変流器103,104とから回線選択継電器30に入力される負荷電流Iは、次式で示すように、R相の差負荷電流ΔIRとT相の差負荷電流ΔITとのベクトル差となり、負荷電流Iの振幅はR相の差負荷電流ΔIR(T相の差負荷電流ΔIT)の振幅の31/2倍となる(図2参照)。
I=(i1+i2)+(i3+i4
={(IR1−IS2)−(IR2−IS1)}+{−(IS1−IT2)+(IS2−IT1)}
={(IR1−IR2)+(IS1−IS2)}−{(IS1−IS2)−(IT1−IT2)}
=(ΔIR+ΔIS)−(ΔIS−ΔIT
=ΔIR−ΔIT
|I|=|ΔIR−ΔIT
=31/2×|ΔIR|=31/2×|ΔIT
そこで、回線選択継電器30は、図12に示した従来の第1乃至第3の回線選択継電器301〜303に入力される負荷電流の振幅と同じにするために、次式で示すように負荷電流Iを1/31/2倍して補正負荷電流I’を算出する。
I’=I×1/31/2
|I’|=|I|×1-/31/2=|ΔIR|=|ΔIT
また、第1または第2の送配電線1L,2Lに短絡事故が発生したときに第1の送配電線1LのR相、S相およびT相に流れる短絡電流をIFR1,IFS1,IFT1(インピーダンス角をθとする。)で表し、第2の送配電線2LのR相、S相およびT相に流れる短絡電流をIFR2,IFS2,IFT2(インピーダンス角をθとする。)で表すとともに、第1の送配電線1LのR相の短絡電流IFR1と第2の送配電線2LのR相の短絡電流IFR2との差電流をΔIFR(以下、「R相の差短絡電流ΔIFR」と称する。)で表し、第1の送配電線1LのS相の短絡電流IFS1と第2の送配電線2LのS相の短絡電流IFS2との差電流をΔIFS(以下、「S相の差短絡電流ΔIFS」と称する。)で表し、第1の送配電線1LのT相の短絡電流IFT1と第2の送配電線2LのT相の短絡電流IFT2との差電流をΔIFT(以下、「T相の差短絡電流ΔIFT」と称する。)で表すと、回線選択継電器30は、事故様相に応じて以下のように動作する。
(1)R相−S相間の短絡事故の場合
たとえば第1の送配電線1LにおいてR相−S相間の短絡事故が発生すると、図4に破線の矢印で示すように第1および第2の送配電線1L,2LのR相にR相の短絡電流IFR1,IFR2が内部方向にそれぞれ流れ(ただし、IFR1>IFR2)、第1および第2の送配電線1L,2LのS相にS相の短絡電流IFS1,IFS2が外部方向にそれぞれ流れる(ただし、IFS1>IFS2)が、第1および第2の送配電線1L,2LのT相にはT相の短絡電流IFT1,IFT2が流れない。
したがって、第1の異回線異相クロス貫通変流器101から回線選択継電器30に入力される短絡電流iF1は、次式で示すように、第1の送配電線1LのR相の短絡電流IFR1と第2の送配電線2LのS相の短絡電流IFS2との差電流となる。
F1=IFR1−IFS2
第2の異回線異相クロス貫通変流器102から回線選択継電器30に入力される短絡電流iF2は、次式で示すように、第2の送配電線2LのR相の短絡電流IFR2と第1の送配電線1LのS相の短絡電流IFS1との差電流の極性を反転したものとなる。
F2=−(IFR2−IFS1
第3の異回線異相クロス貫通変流器103から回線選択継電器30に入力される短絡電流iF3は、次式で示すように、第1の送配電線1LのS相の短絡電流IFS1の極性を反転したものとなる。
F3=−IFS1
第4の異回線異相クロス貫通変流器104から回線選択継電器30に入力される短絡電流iF4は、次式で示すように、第2の送配電線2LのS相の短絡電流IFS2となる。
F4=IFS2
その結果、回線選択継電器30に入力される短絡電流IRy(差接続された第1および第2の異回線異相クロス貫通変流器101,102から入力される短絡電流と差接続された第3および第4の異回線異相クロス貫通変流器103,104から入力される短絡電流との差電流)は次式で示すようにS相の差短絡電流ΔIFSの極性を反転したものとなり、短絡電流IRyの振幅はS相の差短絡電流ΔIFSの振幅となる(図3(a)参照。なお、図3においては、第1および第2の送配電線1L,2Lの内部方向に流れる短絡電流IFR1,IFS1,IFT1;IFR2,IFS2,IFT2の差短絡電流ΔIFR,ΔIFS,ΔIFTは実線の矢印で、第1および第2の送配電線1L,2Lの外部方向に流れる短絡電流IFR1,IFS1,IFT1;IFR2,IFS2,IFT2の差短絡電流ΔIFR,ΔIFS,ΔIFTは一点鎖線の矢印で示している。)。
Ry=(iF1+iF2)+(iF3+iF4
={(IFR1−IFS2)−(IFR2−IFS1)}+(−IFS1+IFS2
={(IFR1−IFR2)+(IFS1−IFS2)}−(IFS1−IFS2
=(ΔIFR+ΔIFS)−ΔIFS
=0−ΔIFS
=−ΔIFS
|IRy|=|ΔIFS
そこで、回線選択継電器30は、図12に示した従来の第1乃至第3の回線選択継電器301〜303に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように短絡電流IRyを1倍して補正短絡電流IRy’を算出する。
Ry’=IRy×1
|IRy’|=|IRy|×1-=|ΔIFS
回線選択継電器30は、算出した補正短絡電流IRy’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて短絡事故の発生および事故回線を判別する。なお、第1または第2の送配電線1L,2LのR相−S相間の短絡事故の場合には、図3(a)に示すように、算出した補正短絡電流IRy’とR相−S相の線間電圧VRSとに基づいて短絡事故の発生および事故回線が判別される。
回線選択継電器30は、第1の送配電線1Lに短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断し、また、第2の送配電線2Lに短絡事故が発生したと判定すると第4乃至第6の遮断器24〜26を一括遮断する(図4に示した例では、IFR1>IFR2(IFS1>IFS2)であるため、第1乃至第3の遮断器21〜23が一括遮断される。)。
(2)S相−T相間の短絡事故の場合
たとえば第1の送配電線1LにおいてS相−T相間の短絡事故が発生すると、図5に破線の矢印で示すように第1および第2の送配電線1L,2LのS相にS相の短絡電流IFS1,IFS2が内部方向にそれぞれ流れ(ただし、IFS1>IFS2)、第1および第2の送配電線1L,2LのT相にT相の短絡電流IFT1,IFT2が外部方向にそれぞれ流れる(ただし、IFT1>IFT2)が、第1および第2の送配電線1L,2LのR相にはR相の短絡電流IFR1,IFR2が流れない。
したがって、第1の異回線異相クロス貫通変流器101から回線選択継電器30に入力される短絡電流iF1は、次式で示すように、第2の送配電線2LのS相の短絡電流IFS2の極性が反転したものとなる。
F1=−IFS2
第2の異回線異相クロス貫通変流器102から回線選択継電器30に入力される短絡電流iF2は、次式で示すように、第1の送配電線2LのS相の短絡電流IFS1となる。
F2=IFS1
第3の異回線異相クロス貫通変流器103から回線選択継電器30に入力される短絡電流iF3は、次式で示すように、第1の送配電線1LのS相の短絡電流IFS1と第2送配電線2LのT相の短絡電流IFT2との差電流の極性を反転したものとなる。
F3=−(IFS1−IFT2
第4の異回線異相クロス貫通変流器104から回線選択継電器30に入力される短絡電流iF4は、次式で示すように、第2の送配電線2LのS相の短絡電流IFS2と第1の送配電線1LのT相の短絡電流IFT1との差電流なる。
F4=IFS2−IFT1
その結果、回線選択継電器30に入力される短絡電流IRyは次式で示すようにS相の差短絡電流ΔIFSの極性を反転したものとなり、短絡電流IRyの振幅はS相の差短絡電流ΔIFSの振幅となる(図3(b)参照)。
Ry=(iF1+iF2)+(iF3+iF4
=(−IFS2+IFS1)+{−(IFS1−IFT2)+(IFS2−IFT1)}
=(IFS1−IFS2)−{(IFS1−IFS2)+(IFT1−IFT2)}
=ΔIFS−(ΔIFS+ΔIFT
=ΔIFS−0
=ΔIFS
|IRy|=|ΔIFS
そこで、回線選択継電器30は、図12に示した従来の第1乃至第3の回線選択継電器301〜303に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように短絡電流IRyを1倍して補正短絡電流IRy’を算出する。
Ry’=IRy×1
|IRy’|=|IRy|×1-=|ΔIFS
回線選択継電器30は、算出した補正短絡電流IRy’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて短絡事故の発生および事故回線を判別する。なお、第1または第2の送配電線1L,2LのS相−T相間の短絡事故の場合には、図3(b)に示すように、算出した補正短絡電流IRy’とS相−T相の線間電圧VSTとに基づいて短絡事故の発生および事故回線が判別される。
回線選択継電器30は、第1の送配電線1Lに短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断し、また、第2の送配電線2Lに短絡事故が発生したと判定すると第4乃至第6の遮断器24〜26を一括遮断する(図5に示した例では、IFS1>IFS2であるため、第1乃至第3の遮断器21〜23が一括遮断される。)。
(3)T相−R相間の短絡事故の場合
たとえば第1の送配電線1LにおいてT相−R相間の短絡事故が発生すると、図6に破線の矢印で示すように第1および第2の送配電線1L,2LのT相にT相の短絡電流IFT1,IFT2が内部方向にそれぞれ流れ(ただし、IFT1>IFT2)、第1および第2の送配電線1L,2LのR相にR相の短絡電流IFR1,IFR2が外部方向にそれぞれ流れる(ただし、IFR1>IFR2)が、第1および第2の送配電線1L,2LのS相にはS相の短絡電流IFS1,IFS2が流れない。
したがって、第1の異回線異相クロス貫通変流器101から回線選択継電器30に入力される短絡電流iF1は、次式で示すように、第1の送配電線1LのR相の短絡電流IFR1となる。
F1=IFR1
第2の異回線異相クロス貫通変流器102から回線選択継電器30に入力される短絡電流iF2は、次式で示すように、第2の送配電線2LのR相の短絡電流IFR2の極性を反転したものとなる。
F2=−IFR2
第3の異回線異相クロス貫通変流器103から回線選択継電器30に入力される短絡電流iF3は、次式で示すように、第2送配電線2LのT相の短絡電流IFT2となる。
F3=IFT2
第4の異回線異相クロス貫通変流器104から回線選択継電器30に入力される短絡電流iF4は、次式で示すように、第1の送配電線1LのT相の短絡電流IFT1の極性が反転したものとなる。
F4=−IFT1
その結果、回線選択継電器30に入力される短絡電流IRyは次式で示すようにR相の差短絡電流ΔIFRとT相の差短絡電流ΔIFTとのベクトル差となり、短絡電流IRyの振幅はR相の差短絡電流ΔIFR(T相の差短絡電流ΔIFT)の振幅の2倍となる(図3(c)参照)。
Ry=(iF1+iF2)+(iF3+iF4
=(IFR1−IFR2)+(IFT2−IFT1
=(IFR1−IFR2)−(IFT1−IFT2
=ΔIFR−ΔIFT
|IRy|=|ΔIFR−ΔIFT
=2×|ΔIFR|=2×|ΔIFT
そこで、回線選択継電器30は、図12に示した従来の第1乃至第3の回線選択継電器301〜303に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように短絡電流IRyを1/2倍して補正短絡電流IRy’を算出する。
Ry’=IRy×1/2
|IRy’|=|IRy|×1/2-=|ΔIFR|=|ΔIFT
回線選択継電器30は、算出した補正短絡電流IRy’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて短絡事故の発生および事故回線を判別する。なお、第1または第2の送配電線1L,2LのT相−R相間の短絡事故の場合には、図3(c)に示すように、算出した補正短絡電流IRy’とT相−R相の線間電圧VTR(極性が負)とに基づいて短絡事故の発生および事故回線が判別される。
回線選択継電器30は、第1の送配電線1Lに短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断し、また、第2の送配電線2Lに短絡事故が発生したと判定すると第4乃至第6の遮断器24〜26を一括遮断する(図6に示した例では、IFR1>IFR2であるため、第1乃至第3の遮断器21〜23が一括遮断される。)。
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合
たとえば第1の送配電線1LにおいてR相−S相−T相間の短絡事故が発生すると、図7に破線の矢印で示すように第1および第2の送配電線1L,2LのR相,S相およびT相にR相の短絡電流IFR1,IFR2、S相の短絡電流IFS1,IFS2およびT相の短絡電流IFT1,IFT2が位相差120度で内部方向にそれぞれ流れる(ただし、IFR1>IFR2,IFS1>IFS2,IFT1>IFT2)。
したがって、第1の異回線異相クロス貫通変流器101から回線選択継電器30に入力される短絡電流iF1は、次式で示すように、第1の送配電線1LのR相の短絡電流IFR1と第2の送配電線2LのS相の短絡電流IFS2との差電流となる。
F1=IFR1−IFS2
第2の異回線異相クロス貫通変流器102から回線選択継電器30に入力される短絡電流iF2は、次式で示すように、第2の送配電線2LのR相の短絡電流IFR2と第1の送配電線1LのS相の短絡電流IFS1との差電流の極性を反転したものとなる。
F2=−(IFR2−IFS1
第3の異回線異相クロス貫通変流器103から回線選択継電器30に入力される短絡電流iF3は、次式で示すように、第1の送配電線1LのS相の短絡電流IFS1と第2送配電線2LのT相の短絡電流IFT2との差電流の極性を反転したものとなる。
F3=−(IFS1−IFT2
第4の異回線異相クロス貫通変流器104から回線選択継電器30に入力される短絡電流iF4は、次式で示すように、第2の送配電線2LのS相の短絡電流IFS2と第1の送配電線1LのT相の短絡電流IFT1との差電流なる。
F4=IFS2−IFT1
その結果、回線選択継電器30に入力される短絡電流IRyは次式で示すようにR相の差短絡電流ΔIFRとT相の差短絡電流ΔIFTとのベクトル差となり、短絡電流IRyの振幅はR相の差短絡電流ΔIFR(T相の差短絡電流ΔIFT)の振幅の2倍となる(図3(d)参照)。
Ry=(iF1+iF2)+(iF3+iF4
={(IFR1−IFS2)−(IFR2−IFS1)}+{−(IFS1−IFT2)+(IFS2−IFT1)}
={(IFR1−IFR2)−(IFS1−IFS2)}−{(IFS1−IFS2)+(IFT1−IFT2)}
=(IFR1−IFR2)−(IFT1−IFT2
=ΔIFR−ΔIFT
|IRy|=|ΔIFR−ΔIFT
=31/2×|ΔIFR|=31/2×|ΔIFT
そこで、回線選択継電器30は、図12に示した従来の第1乃至第3の回線選択継電器301〜303に入力される短絡電流の振幅と同じにするために、次式で示すように短絡電流IRyを1/31/2倍して補正短絡電流IRy’を算出する。
Ry’=IRy×1/31/2
|IRy’|=|IRy|×1/31/2-=|ΔIFR|=|ΔIFT
回線選択継電器30は、算出した補正短絡電流IRy’とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて短絡事故の発生および事故回線を判別する。なお、第1または第2の送配電線1L,2LのR相−S相−T相間の短絡事故の場合には、図3(d)に示すように、算出した補正短絡電流IRy’とT相−R相の線間電圧VTR(極性が負)とに基づいて短絡事故の発生および事故回線が判別される。
回線選択継電器30は、第1の送配電線1Lに短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断し、また、第2の送配電線2Lに短絡事故が発生したと判定すると第4乃至第6の遮断器24〜26を一括遮断する(図7に示した例では、IFR1>IFR2(IFS1>IFS2)であるため、第1乃至第3の遮断器21〜23が一括遮断される。)。
なお、第1のクロス貫通変流器101には第1および第2の送配電線1L,2LのR相をクロスさせて貫通させ、第2のクロス貫通変流器102には第1および第2の送配電線1L,2LのS相をクロスさせて貫通させたが、クロスさせる2相は他の組合せでもよい。
ただし、クロスさせる第1および第2の送配電線1L,2Lの相の組合せ(以下、「CT結線」と称する。)によって、回線選択継電器30は、事故様相に応じて、表1に示す倍率で補正短絡電流IRy’を算出するとともに、算出した補正短絡電流IRy’と表2に示す線間電圧とに基づいて短絡事故の発生および事故回線を判定する。
なお、表1および表2において、CT結線の“+”は異回線異相クロス貫通変流器の極性方向に貫通される相を示し、CT結線の“−”は異回線異相クロス貫通変流器の反極性方向に貫通される相を示す。
次に、本発明の第2の実施例による回線選択継電装置について、図8乃至図11を参照して説明する。
本実施例による回線選択継電装置は、図8に示すように、平衡2回線送配電線の第1の送配電線1LのR相および第2の送配電線2LのS相がクロスするように貫通された第1の異回線異相クロス貫通変流器101と、第1の送配電線1LのS相および第2の送配電線2LのR相がクロスするように貫通された、かつ、第1の異回線異相クロス貫通変流器101と差接続された第2の異回線異相クロス貫通変流器102と、第1の送配電線1LのS相および第2の送配電線2LのT相がクロスするように貫通された第3の異回線異相クロス貫通変流器103と、第1の送配電線1LのT相および第2の送配電線2LのS相がクロスするように貫通された、かつ、第3の異回線異相クロス貫通変流器103と差接続された第4の異回線異相クロス貫通変流器104と、母線に設置された計器用変圧器6と、差接続された第1および第2の異回線異相クロス貫通変流器101,102から入力される第1の短絡電流IRy1と計器用変圧器6から入力されるR相、S相およびT相の相電圧VR,VS,VTより求めたR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VST、T相−R相の線間電圧VTR、R相−S相の和電圧V(R+S)(R相の相電圧VRとS相の相電圧VSとのベクトル和)、S相−T相の和電圧V(S+T)(S相の相電圧VSとT相の相電圧VTとのベクトル和)およびT相−R相の和電圧V(T+R)(T相の相電圧VTとR相の相電圧VRとのベクトル和)とに基づいて第1または第2の送配電線1L,2Lの短絡事故を検出すると、第1および第2の送配電線1L,2Lのうち短絡事故が発生した方(以下、「事故回線」と称する。)のR相、S相およびT相にそれぞれ設置された遮断器(第1の送配電線1LのR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器21〜23、または、第2の送配電線2LのR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第4乃至第6の遮断器24〜26)を一括遮断する第1の回線選択継電器301と、差接続された第3および第4の異回線異相クロス貫通変流器103,104から入力される第2の短絡電流IRy2と計器用変圧器6から入力されるR相、S相およびT相の相電圧VR,VS,VTより求めたR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VST、T相−R相の線間電圧VTR、R相−S相の和電圧V(R+S)、S相−T相の和電圧V(S+T)およびT相−R相の和電圧V(T+R)とに基づいて第1または第2の送配電線1L,2Lの短絡事故を検出すると、事故回線のR相、S相およびT相にそれぞれ設置された遮断器(第1乃至第3の遮断器21〜23または第4乃至第6の遮断器24〜26)を一括遮断する第2の回線選択継電器302とを具備する。
ここで、第1の異回線異相クロス貫通変流器101は、2次コイルを巻装した環状鉄心に第1の送配電線1LのR相および第2の送配電線2LのS相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた貫通形変流器であり、第2の異回線異相クロス貫通変流器102は、2次コイルを巻装した環状鉄心に第1の送配電線1LのS相および第2の送配電線2LのR相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた貫通形変流器である。
すなわち、第1の送配電線1LのR相は第1の異回線異相クロス貫通変流器101の極性方向に貫通されているが、第2の送配電線2LのS相は第1のクロス貫通変流器101の反極性方向に貫通されている。第2の送配電線2LのR相は第2のクロス貫通変流器102の極性方向に貫通されているが、第1の送配電線1LのS相は第2の異回線異相クロス貫通変流器102の反極性方向に貫通されている。
また、第2の異回線異相クロス貫通変流器102は、第2の異回線異相クロス貫通変流器102から第1の回線選択継電器301に入力される短絡電流の極性が第1の異回線異相クロス貫通変流器101から第1の回線選択継電器301に入力される短絡電流の極性の逆となるように、第1の回線選択継電器301と接続されている。
第3の異回線異相クロス貫通変流器103は、2次コイルを巻装した環状鉄心に第1の送配電線1LのS相および第2の送配電線2LのT相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた貫通形変流器であり、第4の異回線異相クロス貫通変流器104は、2次コイルを巻装した環状鉄心に第1の送配電線1LのT相および第2の送配電線2LのS相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた貫通形変流器である。
すなわち、第1の送配電線1LのS相は第3の異回線異相クロス貫通変流器103の極性方向に貫通されているが、第2の送配電線2LのT相は第3の異回線異相クロス貫通変流器103の反極性方向に貫通されている。同様に、第2の送配電線2LのS相は第4の異回線異相クロス貫通変流器104の極性方向に貫通されているが、第1の送配電線1LのT相は第4の異回線異相クロス貫通変流器104の反極性方向に貫通されている。
また、第4の異回線異相クロス貫通変流器104は、第4の異回線異相クロス貫通変流器104から第2の回線選択継電器302に入力される短絡電流の極性が第3の異回線異相クロス貫通変流器103から第2の回線選択継電器302に入力される短絡電流の極性の逆となるように、第2の回線選択継電器302と接続されている。
したがって、短絡事故が発生していないときに第1の送配電線1LのR相、S相およびT相に流れる負荷電流をIR1,IS1,IT1で表すとともに第2の送配電線2LのR相、S相およびT相に流れる負荷電流をIR2,IS2,IT2で表すと、第1の送配電線1LのR相の負荷電流IR1と第2の送配電線2LのS相の負荷電流IS2とは第1の異回線異相クロス貫通変流器101の環状鉄心を逆向きに貫通して流れる(すなわち、第1の送配電線1LのR相の負荷電流IR1は第1の異回線異相クロス貫通変流器101を極性方向に貫通して流れ、第2の送配電線2LのS相の負荷電流IS2は第1の異回線異相クロス貫通変流器101を反極性方向に貫通して流れる)。そのため、第1の異回線異相クロス貫通変流器101から第1の回線選択継電器301に入力される負荷電流i1は、次式で示すように、第1の送配電線1LのR相に流れる負荷電流IR1と第2の送配電線2LのS相に流れる負荷電流IS2との差電流となる。
1=IR1−IS2
第2の送配電線2LのR相の負荷電流IR2と第1の送配電線1LのS相の負荷電流IS1とは第2の異回線異相クロス貫通変流器102の環状鉄心を逆向きに貫通して流れる(すなわち、第2の送配電線2LのR相の負荷電流IR2は第2の異回線異相クロス貫通変流器102を極性方向に貫通して流れ、第1の送配電線1LのS相の負荷電流IS1は第2の異回線異相クロス貫通変流器102を反極性方向に貫通して流れる)。そのため、第2の異回線異相クロス貫通変流器102から第1の回線選択継電器301に入力される負荷電流i2は、次式で示すように、第2の送配電線2LのR相に流れる負荷電流IR2と第1の送配電線1LのS相に流れる負荷電流IS1との差電流の極性を反転したものとなる。
2=−(IR2−IS1
その結果、第1の送配電線1LのR相に流れる負荷電流IR1と第2の送配電線2LのR相に流れる負荷電流IR2との差電流をΔIR(以下、「R相の差負荷電流ΔIR」と称する。)で表し、第1の送配電線1LのS相に流れる負荷電流IS1と第2の送配電線2LのS相に流れる負荷電流IS2との差電流をΔIS(以下、「S相の差負荷電流ΔIS」と称する。)で表すと、差接続された第1および第2の異回線異相クロス貫通変流器101,102から第1の回線選択継電器301に入力される第1の負荷電流I1は次式で示すようにR相の差負荷電流ΔIRとT相の差負荷電流ΔITとのベクトル和となり、第1の負荷電流I1の振幅はR相の差負荷電流ΔIR(T相の差負荷電流ΔIT)の振幅となる(図9参照)。
1=i1+i2
=(IR1−IS2)−(IR2−IS1
=(IR1−IR2)+(IS1−IS2
=ΔIR+ΔIS
|I|=|ΔIR+ΔIS
=|ΔIR|=|ΔIS
また、第1の送配電線1LのS相の負荷電流IS1と第2の送配電線2LのT相の負荷電流IT2とは第3の異回線異相クロス貫通変流器103の環状鉄心を逆向きに貫通して流れる(すなわち、第1の送配電線1LのS相の負荷電流IS1は第3の異回線異相クロス貫通変流器103を極性方向に貫通して流れ、第2の送配電線2LのT相の負荷電流IT2は第3の異回線異相クロス貫通変流器103を反極性方向に貫通して流れる)。そのため、第3の異回線異相クロス貫通変流器103から第2の回線選択継電器302に入力される負荷電流i3は、次式で示すように、第1の送配電線1LのS相に流れる負荷電流IS1と第2の送配電線2LのT相に流れる負荷電流IT2との差電流となる。
3=IS1−IT2
第2の送配電線2LのS相の負荷電流IS2と第1の送配電線1LのT相の負荷電流IT1とは第4の異回線異相クロス貫通変流器104の環状鉄心を逆向きに貫通して流れる(すなわち、第2の送配電線2LのS相の負荷電流IS2は第4の異回線異相クロス貫通変流器104を極性方向に貫通して流れ、第1の送配電線1LのT相の負荷電流IT1は第4の異回線異相クロス貫通変流器104を反極性方向に貫通して流れる)。そのため、第4の異回線異相クロス貫通変流器104から第2の回線選択継電器302に入力される負荷電流i4は、次式で示すように、第2の送配電線2LのS相に流れる負荷電流IS2と第1の送配電線1LのT相に流れる負荷電流IT1との差電流の極性を反転したものとなる。
4=−(IS2−IT1
その結果、第1の送配電線1LのT相に流れる負荷電流IT1と第2の送配電線2LのT相に流れる負荷電流IT2との差電流をΔIT(以下、「T相の差負荷電流ΔIT」と称する。)で表すと、差接続された第3および第4の異回線異相クロス貫通変流器103,104から第2の回線選択継電器302に入力される第2の負荷電流I2は次式で示すようにS相の差負荷電流ΔISとT相の差負荷電流ΔITとのベクトル和となり、第2の負荷電流I2の振幅はS相の差負荷電流ΔIS(T相の差負荷電流ΔIT)の振幅となる(図9参照)。
2=i3+i4
=(IS1−IT2)−(IS2−IT1
=(IS1−IS2)+(IT1−IT2
=ΔIS+ΔIT
|I2|=|ΔIS+ΔIT
=|ΔIS|=|ΔIT
また、第1または第2の送配電線1L,2Lに短絡事故が発生したときに第1の送配電線1LのR相、S相およびT相に流れる短絡電流をIFR1,IFS1,IFT1(インピーダンス角をθとする。)で表し、第2の送配電線2LのR相、S相およびT相に流れる短絡電流をIFR2,IFS2,IFT2(インピーダンス角をθとする。)で表すとともに、第1の送配電線1LのR相の短絡電流IFR1と第2の送配電線2LのR相の短絡電流IFR2との差電流をΔIFR(以下、「R相の差短絡電流ΔIFR」と称する。)で表し、第1の送配電線1LのS相の短絡電流IFS1と第2の送配電線2LのS相の短絡電流IFS2との差電流をΔIFS(以下、「S相の差短絡電流ΔIFS」と称する。)で表し、第1の送配電線1LのT相の短絡電流IFT1と第2の送配電線2LのT相の短絡電流IFT2との差電流をΔIFT(以下、「T相の差短絡電流ΔIFT」と称する。)で表すと、第1および第2の回線選択継電器301,302は、事故様相に応じて以下のように動作する。
(1)R相−S相間の短絡事故の場合
たとえば第1の送配電線1LにおいてR相−S相間の短絡事故が発生すると、第1および第2の送配電線1L,2LのR相にR相の短絡電流IFR1,IFR2が内部方向にそれぞれ流れ(ただし、IFR1>IFR2)、第1および第2の送配電線1L,2LのS相にS相の短絡電流IFS1,IFS2が外部方向にそれぞれ流れる(ただし、IFS1>IFS2)が、第1および第2の送配電線1L,2LのT相にはT相の短絡電流IFT1,IFT2が流れない(図4参照)。
したがって、第1の異回線異相クロス貫通変流器101から第1の回線選択継電器301に入力される短絡電流iF1は次式で示すように第1の送配電線1LのR相の短絡電流IFR1と第2の送配電線2LのS相の短絡電流IFS2との差電流となり、第2の異回線異相クロス貫通変流器102から第1の回線選択継電器301に入力される短絡電流iF2は次式で示すように第2の送配電線2LのR相の短絡電流IFR2と第1の送配電線1LのS相の短絡電流IFS1との差電流の極性を反転したものとなる。
F1=IFR1−IFS2
F2=−(IFR2−IFS1
その結果、第1の回線選択継電器301に入力される第1の短絡電流IRy1は次式で示すようにR相の差短絡電流ΔIFRとS相の差短絡電流ΔIFSとのベクトル和となり、第1の短絡電流IRy1の振幅は“0”となる(図10(a−1)参照。なお、図10においては、第1および第2の送配電線1L,2Lの内部方向に流れる短絡電流IFR1,IFS1,IFT1;IFR2,IFS2,IFT2の差短絡電流ΔIFR,ΔIFS,ΔIFTは実線の矢印で、第1および第2の送配電線1L,2Lの外部方向に流れる短絡電流IFR1,IFS1,IFT1;IFR2,IFS2,IFT2の差短絡電流ΔIFR,ΔIFS,ΔIFTは一点鎖線の矢印で示している。)。
Ry1=iF1+iF2
=(IFR1−IFS2)+{−(IFR2−IFS1)}
=(IFR1−IFR2)+(IFS1−IFS2
=ΔIFR+ΔIFS
=0
|IRy|=|ΔIFR+ΔIFS|=0
これにより、第1の回線選択継電器301は動作しない。
また、第3の異回線異相クロス貫通変流器103から第2の回線選択継電器302に入力される短絡電流iF3は次式で示すように第1の送配電線1LのS相の短絡電流IFS1となり、第4の異回線異相クロス貫通変流器104から第2の回線選択継電器302に入力される短絡電流iF4は次式で示すように第2の送配電線2LのS相の短絡電流IFS2の極性を反転したものとなる。
F3=IFS1
F4=−IFS2
その結果、第2の回線選択継電器302に入力される第2の短絡電流IRy2は次式で示すようにS相の差短絡電流ΔIFSとなり、第2の短絡電流IRy2の振幅はS相の差短絡電流ΔIFSの振幅となる(図10(a−2)参照)。
Ry2=iF3+iF4
=IFS1+(−IFS2
=ΔIFS
|IRy2|=|ΔIFS
第2の回線選択継電器302は、第2の短絡電流IRy2とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて短絡事故の発生および事故回線を判別する。なお、第1または第2の送配電線1L,2LのR相−S相間の短絡事故の場合には、図10(a−2)に示すように、第2の短絡電流IRy2とR相−S相の線間電圧VRS(極性が負)とに基づいて短絡事故の発生および事故回線が判別される。
第2の回線選択継電器302は、第1の送配電線1Lに短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断し、また、第2の送配電線2Lに短絡事故が発生したと判定すると第4乃至第6の遮断器24〜26を一括遮断する。
(2)S相−T相間の短絡事故の場合
たとえば第1の送配電線1LにおいてS相−T相間の短絡事故が発生すると、第1および第2の送配電線1L,2LのS相にS相の短絡電流IFS1,IFS2が内部方向にそれぞれ流れ(ただし、IFS1>IFS2)、第1および第2の送配電線1L,2LのT相にT相の短絡電流IFT1,IFT2が外部方向にそれぞれ流れる(ただし、IFT1>IFT2)が、第1および第2の送配電線1L,2LのR相にはR相の短絡電流IFR1,IFR2が流れない(図5参照)。
したがって、第1の異回線異相クロス貫通変流器101から第1の回線選択継電器301に入力される短絡電流iF1は次式で示すように第2の送配電線2LのS相の短絡電流IFS2の極性が反転したものとなり、第2の異回線異相クロス貫通変流器102から第1の回線選択継電器301に入力される短絡電流iF2は次式で示すように第1の送配電線2LのS相の短絡電流IFS1となる。
F1=−IFS2
F2=IFS1
その結果、第1の回線選択継電器301に入力される第1の短絡電流IRy1は次式で示すようにS相の差短絡電流ΔIFSとなり、第1の短絡電流IRy1の振幅はS相の差短絡電流ΔIFSの振幅となる(図10(b−1)参照)。
Ry1=iF1+iF2
=(−IFS2)+IFS1
=ΔIFS
|IRy1|=|ΔIFS
第1の回線選択継電器301は、第1の短絡電流IRy1とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて短絡事故の発生および事故回線を判別する。なお、第1または第2の送配電線1L,2LのS相−T相間の短絡事故の場合には、図10(b−1)に示すように、第1の短絡電流IRy1とS相−T相の線間電圧VSTとに基づいて短絡事故の発生および事故回線が判別される。
第1の回線選択継電器301は、第1の送配電線1Lに短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断し、また、第2の送配電線2Lに短絡事故が発生したと判定すると第4乃至第6の遮断器24〜26を一括遮断する。
また、第3の異回線異相クロス貫通変流器103から第2の回線選択継電器302に入力される短絡電流iF3は次式で示すように第1の送配電線1LのS相の短絡電流IFS1と第2送配電線2LのT相の短絡電流IFT2との差電流となり、第4の異回線異相クロス貫通変流器104から第2の回線選択継電器302に入力される短絡電流iF4は次式で示すように第2の送配電線2LのS相の短絡電流IFS2と第1の送配電線1LのT相の短絡電流IFT1との差電流の極性を反転したものとなる。
F3=IFS1−IFT2
F4=−(IFS2−IFT1
その結果、第2の回線選択継電器302に入力される第2の短絡電流IRy2は次式で示すようにS相の差短絡電流ΔIFSとT相の差短絡電流ΔIFTとのベクトル和となり、第2の短絡電流IRy2の振幅は“0”となる(図10(b−2)参照)。
Ry2=iF3+iF4
=(IFS1−IFT2)+{−(IFS2−IFT1)}
=(IFS1−IFS2)+(IFT1−IFT2
=ΔIFS+ΔIFT
=0
|IRy2|=|ΔIFS+ΔIFT|=0
これにより、第2の回線選択継電器302は動作しない。
(3)T相−R相間の短絡事故の場合
たとえば第1の送配電線1LにおいてT相−R相間の短絡事故が発生すると、第1および第2の送配電線1L,2LのT相にT相の短絡電流IFT1,IFT2が内部方向にそれぞれ流れ(ただし、IFT1>IFT2)、第1および第2の送配電線1L,2LのR相にR相の短絡電流IFR1,IFR2が外部方向にそれぞれ流れる(ただし、IFR1>IFR2)が、第1および第2の送配電線1L,2LのS相にはS相の短絡電流IFS1,IFS2が流れない(図6参照)。
したがって、第1の異回線異相クロス貫通変流器101から第1の回線選択継電器301に入力される短絡電流iF1は次式で示すように第1の送配電線1LのR相の短絡電流IFR1となり、第2の異回線異相クロス貫通変流器102から第1の回線選択継電器301に入力される短絡電流iF2は次式で示すように第2の送配電線2LのR相の短絡電流IFR2の極性を反転したものとなる。
F1=IFR1
F2=−IFR2
その結果、第1の回線選択継電器301に入力される第1の短絡電流IRy1は、次式で示すように、R相の差短絡電流ΔIFRとなり、第1の短絡電流IRy1の振幅はR相の差短絡電流ΔIFRの振幅となる(図11(a−1)参照)。
Ry1=iF1+iF2
=IFR1+(−IFR2
=ΔIFR
|IRy1|=|ΔIFR
第1の回線選択継電器301は、第1の短絡電流IRy1とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて短絡事故の発生および事故回線を判別する。なお、第1または第2の送配電線1L,2LのT相−R相間の短絡事故の場合には、図11(a−1)に示すように、第1の短絡電流IRy1とT相−R相の線間電圧VTR(極性が負)とに基づいて短絡事故の発生および事故回線が判別される。
第1の回線選択継電器301は、第1の送配電線1Lに短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断し、また、第2の送配電線2Lに短絡事故が発生したと判定すると第4乃至第6の遮断器24〜26を一括遮断する。
また、第3の異回線異相クロス貫通変流器103から第2の回線選択継電器302に入力される短絡電流iF3は次式で示すように第2送配電線2LのT相の短絡電流IFT2の極性が反転したものとなり、第4の異回線異相クロス貫通変流器104から第2の回線選択継電器302に入力される短絡電流iF4は次式で示すように第1の送配電線1LのT相の短絡電流IFT1となる。
F3=−IFT2
F4=IFT1
その結果、第2の回線選択継電器302に入力される第2の短絡電流IRy2は次式で示すようにT相の差短絡電流ΔIFTとなり、第2の短絡電流IRy2の振幅はT相の差短絡電流ΔIFTの振幅となる(図11(a−2)参照)。
Ry2=iF3+iF4
=(−IFT2)+IFT1
=ΔIFT
|IRy2|=|ΔIFT
第2の回線選択継電器302は、第2の短絡電流IRy2とR相−S相の線間電圧VRS、S相−T相の線間電圧VSTおよびT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて短絡事故の発生および事故回線を判別する。なお、第1または第2の送配電線1L,2LのT相−R相間の短絡事故の場合には、図11(a−2)に示すように、第2の短絡電流IRy2とT相−R相の線間電圧VTRとに基づいて短絡事故の発生および事故回線が判別される。
第2の回線選択継電器302は、第1の送配電線1Lに短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断し、また、第2の送配電線2Lに短絡事故が発生したと判定すると第4乃至第6の遮断器24〜26を一括遮断する。
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合
たとえば第1の送配電線1LにおいてR相−S相−T相間の短絡事故が発生すると、第1および第2の送配電線1L,2LのR相,S相およびT相にR相の短絡電流IFR1,IFR2、S相の短絡電流IFS1,IFS2およびT相の短絡電流IFT1,IFT2が位相差120度でそれぞれ内部方向に流れる(ただし、IFR1>IFR2,IFS1>IFS2,IFT1>IFT2。図7参照)。
したがって、第1の異回線異相クロス貫通変流器101から第1の回線選択継電器301に入力される短絡電流iF1は次式で示すように第1の送配電線1LのR相の短絡電流IFR1と第2の送配電線2LのS相の短絡電流IFS2との差電流となり、第2の異回線異相クロス貫通変流器102から第1の回線選択継電器301に入力される短絡電流iF2は次式で示すように第2の送配電線2LのR相の短絡電流IFR2と第1の送配電線1LのS相の短絡電流IFS1との差電流の極性を反転したものとなる。
F1=IFR1−IFS2
F2=−(IFR2−IFS1
その結果、第1の回線選択継電器301に入力される第1の短絡電流IRy1は次式で示すようにR相の差短絡電流ΔIFRとS相の差短絡電流ΔIFSとのベクトル和となり、第1の短絡電流IRy1の振幅はR相の差短絡電流ΔIFR(S相の差短絡電流ΔIFS)の振幅となる(図11(b−1)参照)。
Ry1=iF1+iF2
=(IFR1−IFS2)+{−(IFR2−IFS1)}
=(IFR1−IFR2)+(IFS1−IFS2
=ΔIFR+ΔIFS
|IRy1|=|ΔIFR+ΔIFS
=|ΔIFR|=|ΔIFS
第1の回線選択継電器30は、第1の短絡電流IRy1とR相−S相の和電圧V(R+S)、S相−T相の和電圧V(S+T)およびT相−R相の和電圧V(T+R)とに基づいて短絡事故の発生および事故回線を判別する。なお、第1または第2の送配電線1L,2LのR相−S相−T相間の短絡事故の場合には、図11(b−1)に示すように、第1の短絡電流IRy1とR相−S相の和電圧V(R+S)とに基づいて短絡事故の発生および事故回線が判別される。
第1の回線選択継電器301は、第1の送配電線1Lに短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断し、また、第2の送配電線2Lに短絡事故が発生したと判定すると第4乃至第6の遮断器24〜26を一括遮断する。
また、第3の異回線異相クロス貫通変流器103から第2の回線選択継電器302に入力される短絡電流iF3は次式で示すように第1の送配電線1LのS相の短絡電流IFS1と第2送配電線2LのT相の短絡電流IFT2との差電流となり、第4の異回線異相クロス貫通変流器104から第2の回線選択継電器302に入力される短絡電流iF4は次式で示すように第2の送配電線2LのS相の短絡電流IFS2と第1の送配電線1LのT相の短絡電流IFT1との差電流の極性を反転したものなる。
F3=IFS1−IFT2
F4=−(IFS2−IFT1
その結果、第2の回線選択継電器302に入力される第2の短絡電流IRy2は次式で示すようにS相の差短絡電流ΔIFSとT相の差短絡電流ΔIFTとのベクトル和となり、第2の短絡電流IRy2の振幅はS相の差短絡電流ΔIFS(T相の差短絡電流ΔIFT)の振幅となる(図11(b−2)参照)。
Ry=iF3+iF4
=(IFS1−IFT2)+{−(IFS2−IFT1)}
=(IFS1−IFS2)+(IFT1−IFT2
=ΔIFS+ΔIFT
|IRy|=|ΔIFS+ΔIFT
=|ΔIFS|=|ΔIFT
第2の回線選択継電器302は、第2の短絡電流IRy2とR相−S相の和電圧V(R+S)、S相−T相の和電圧V(S+T)およびT相−R相の和電圧V(T+R)とに基づいて短絡事故の発生および事故回線を判別する。なお、第1または第2の送配電線1L,2LのR相−S相−T相間の短絡事故の場合には、図11(b−2)に示すように、第2の短絡電流IRy2とS相−T相の和電圧V(S+T)とに基づいて短絡事故の発生および事故回線が判別される。
第2の回線選択継電器302は、第1の送配電線1Lに短絡事故が発生したと判定すると第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断し、また、第2の送配電線2Lに短絡事故が発生したと判定すると第4乃至第6の遮断器24〜26を一括遮断する。
なお、第1および第2の異回線異相クロス貫通変流器101,102を差接続するとともに第2および第3の異回線異相クロス貫通変流器102,103を差接続したが、差接続する異回線異相クロス貫通変流器は他の組合せでもよい。
ただし、CT結線によって、第1および第2の回線選択継電器301,302は、R相−S相−T相間の短絡事故を除いては、表3に示す線間電圧に基づいて事故回線を判別して、第1または第2の送配電線1L,2Lに短絡事故が発生したか否かを判定する。また、R相−S相−T相間の短絡事故の場合には、CT結線によって、表4に示す和電圧に基づいて事故回線を判別して、第1または第2の送配電線1L,2Lに短絡事故が発生したか否かを判定する。
上述したように第2の実施例では、異回線異相クロス貫通変流器および回線選択継電器を2組使用することにより、自回路および他回路にまたがる短絡事故であっても確実に検出して停電の範囲の拡大を防止することができる。
以上では、平衡2回線送配電線において使用される回線選択継電器との組合せで異回線異相クロス貫通変流器について説明したが、本発明の異回線異相クロス貫通変流器は、平衡2回線送配電線以外の三相交流回路において使用されている回線選択保護装置と組み合わせても、同様の効果を得ることができる。
また、異回線異相クロス貫通変流器の環状鉄心には三相交流回路の任意の2相を同じ向きに1回だけ貫通させたが、2回以上異回線異相クロス貫通変流器を貫通するように三相交流回路の任意の2相を異回線異相クロス貫通変流器の環状鉄心に同じ回数または異なる回数だけ巻いてもよい。
事故様相については、たとえば、表5に示すように3つの線間電圧に基づいて判別することができる。なお、表5において、○印は、母線に設置された不足電圧継電器からの電圧情報に基づいて電圧低下が検出された線間電圧を示し、また、×印は、この不足電圧継電器からの電圧情報に基づいて電圧低下が検出されなかった線間電圧を示す(電圧低下の検出感度は定格電圧の75〜80%程度とする。)。
本発明の第1の実施例による回線選択継電装置について説明するための図である。 短絡事故が発生していないときに図1に示した差接続された第1および第2の異回線異相クロス貫通変流器101,102から回線選択継電器30に入力される負荷電流について説明するための図である。 短絡事故が発生したときに図1に示した差接続された第1および第2の異回線異相クロス貫通変流器101,102から回線選択継電器30に入力される短絡電流IRyについて説明するための図である。 図1に示した第1の送配電線1LのR相−S相間に短絡事故が発生したときに差接続された第1および第2の異回線異相クロス貫通変流器101,102から回線選択継電器30に入力される短絡電流IRyについて説明するための図である。 図1に示した第1の送配電線1LのS相−T相間に短絡事故が発生したときに差接続された第1および第2の異回線異相クロス貫通変流器101,102から回線選択継電器30に入力される短絡電流IRyについて説明するための図である。 図1に示した第1の送配電線1LのT相−R相間に短絡事故が発生したときに差接続された第1および第2の異回線異相クロス貫通変流器101,102から回線選択継電器30に入力される短絡電流IRyについて説明するための図である。 図1に示した第1の送配電線1LのR相−S相−T相間に短絡事故が発生したときに差接続された第1および第2の異回線異相クロス貫通変流器101,102から回線選択継電器30に入力される短絡電流IRyについて説明するための図である。 本発明の第2の実施例による回線選択継電装置について説明するための図である。 短絡事故が発生していないときに図8に示した差接続された第1および第2の異回線異相クロス貫通変流器101,102から第1の回線選択継電装置301に入力される第1の負荷電流I1と差接続された第3および第4の異回線異相クロス貫通変流器103,104から第2の回線選択継電装置302に入力される第2の負荷電流I2とについて説明するための図である。 短絡事故が発生したときに図8に示した差接続された第1および第2の異回線異相クロス貫通変流器101,102から第1の回線選択継電装置301に入力される第1の短絡電流IRy1と差接続された第3および第4の異回線異相クロス貫通変流器103,104から第2の回線選択継電装置302に入力される第2の短絡電流IRy2とについて説明するための図である。 短絡事故が発生したときに図8に示した差接続された第1および第2の異回線異相クロス貫通変流器101,102から第1の回線選択継電装置301に入力される第1の短絡電流IRy1と差接続された第3および第4の異回線異相クロス貫通変流器103,104から第2の回線選択継電装置302に入力される第2の短絡電流IRy2とについて説明するための図である。 従来の回線選択継電器について説明するための図である。
1 電源
1〜26 第1乃至第6の遮断器
1〜36 第1乃至第6の変流器
6 計器用変圧器
101〜104 第1乃至第4の異回線異相クロス貫通変流器
30 回線選択継電器
301〜303 第1乃至第3の回線選択継電器
1L,2L 第1および第2の送配電線
I,IR1,IS1,IT1,IR2,IS2,IT2,i1〜i4 負荷電流
ΔIR,ΔIS,ΔIT 差負荷電流
I’ 補正負荷電流
1,I2 第1および第2の負荷電流
Ry,IFR1,IFS1,IFT1,IFR2,IFS2,IFT2,iF1〜iF4 短絡電流
Ry’ 補正短絡電流
Ry1,IRy2 第1および第2の短絡電流
ΔIFR,ΔIFS,ΔIFT 差短絡電流
R,VS,VT 相電圧
RS,VST,VTR 線間電圧
(R+S),V(S+T),V(T+R) 和電圧
θ インピーダンス角

Claims (6)

  1. 第1および第2の三相交流回路(1L,2L)の各相に流れる短絡電流(IFR,IFS,IFT)の差電流(ΔIFR,ΔIFS,ΔIFT)を検出するための異回線異相クロス貫通変流器(101〜104)であって、2次コイルを巻装した環状鉄心に前記第1の三相交流回路の第1の相と前記第2の三相交流回路の第2の相とを逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させたことを特徴とする、異回線異相クロス貫通変流器。
  2. 前記第1の三相交流回路の前記第1の相が前記異回線異相クロス貫通変流器の極性方向に貫通されており、前記第2の三相交流回路の前記第2の相が前記異回線異相クロス貫通変流器の反極性方向に貫通されていることを特徴とする、請求項1記載の異回線異相クロス貫通変流器。
  3. 短絡事故から第1および第2の三相交流回路(1L,2L)を保護するための回線選択継電装置であって、
    2次コイルを巻装した環状鉄心に前記第1の三相交流回路の第1の相および前記第2の三相交流回路の第2の相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた第1の異回線異相クロス貫通変流器(101)と、
    2次コイルを巻装した環状鉄心に前記第2の三相交流回路の前記第1の相および前記第1の三相交流回路の前記第2の相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた、かつ、前記第1の異回線異相クロス貫通変流器と差接続された第2の異回線異相クロス貫通変流器(102)と、
    2次コイルを巻装した環状鉄心に前記第1の三相交流回路の前記第2の相および前記第2の三相交流回路の第3の相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた第3の異回線異相クロス貫通変流器(103)と、
    2次コイルを巻装した環状鉄心に前記第2の三相交流回路の前記第2の相および前記第1の三相交流回路の前記第3の相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた、かつ、前記第3の異回線異相クロス貫通変流器と差接続された第4の異回線異相クロス貫通変流器(104)と、
    回線選択継電器(30)と、
    を具備し、
    前記差接続された第1および第2の異回線異相クロス貫通変流器と前記差接続された第3および第4の異回線異相クロス貫通変流器とを差接続し、
    前記回線選択継電器が、前記第1乃至第4の異回線異相クロス貫通変流器から入力される短絡電流(IRy)と前記第1および第2の三相交流回路の線間電圧(VRS,VST,VTR)とに基づいて、前記第1の三相交流回路における短絡事故を検出すると該第1の三相交流回路の前記第1乃至第3の相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器(21〜23)を一括遮断し、前記第2の三相交流回路における短絡事故を検出すると該第2の三相交流回路の前記第1乃至第3の相にそれぞれ設置された第4乃至第6の遮断器(24〜26)を一括遮断する、
    ことを特徴とする、回線選択継電装置。
  4. 前記回線選択継電器が、前記第1乃至第4の異回線異相クロス貫通変流器から入力される前記短絡電流に所定の倍数を掛けて補正短絡電流(IRy’)を算出し、該算出した補正短絡電流と前記第1および第2の三相交流回路の線間電圧とに基づいて前記第1または第2の三相交流回路における短絡事故を検出することを特徴とする、請求項3記載の回線選択継電装置。
  5. 短絡事故から第1および第2の三相交流回路(1L,2L)を保護するための回線選択継電装置であって、
    2次コイルを巻装した環状鉄心に前記第1の三相交流回路の第1の相および前記第2の三相交流回路の第2の相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた第1の異回線異相クロス貫通変流器(101)と、
    2次コイルを巻装した環状鉄心に前記第2の三相交流回路の前記第1の相および前記第1の三相交流回路の前記第2の相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた、かつ、前記第1の異回線異相クロス貫通変流器と差接続された第2の異回線異相クロス貫通変流器(102)と、
    2次コイルを巻装した環状鉄心に前記第1の三相交流回路の前記第2の相および前記第2の三相交流回路の第3の相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた第3の異回線異相クロス貫通変流器(103)と、
    2次コイルを巻装した環状鉄心に前記第2の三相交流回路の前記第2の相および前記第1の三相交流回路の前記第3の相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた、かつ、前記第3の異回線異相クロス貫通変流器と差接続された第4の異回線異相クロス貫通変流器(104)と、
    前記差接続された第1および第2の異回線異相クロス貫通変流器から入力される第1の短絡電流(IRy1)と前記第1および第2の三相交流回路の線間電圧(VRS,VST,VTR)および和電圧(V(R+S),V(S+T),V(T+R))とに基づいて、前記第1の三相交流回路における短絡事故を検出すると該第1の三相交流回路の前記第1乃至第3の相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器(21〜23)を一括遮断し、前記第2の三相交流回路における短絡事故を検出すると該第2の三相交流回路の前記第1乃至第3の相にそれぞれ設置された第4乃至第6の遮断器(24〜26)を一括遮断する第1の回線選択継電器(301)と、
    前記差接続された第3および第4の異回線異相クロス貫通変流器から入力される第2の短絡電流(IRy2)と前記第1および第2の三相交流回路の線間電圧および前記和電圧とに基づいて、前記第1の三相交流回路における短絡事故を検出すると前記第1乃至第3の遮断器を一括遮断し、前記第2の三相交流回路における短絡事故を検出すると前記第4乃至第6の遮断器を一括遮断する第2の回線選択継電器(302)と、
    を具備することを特徴とする、回線選択継電装置。
  6. 前記三相交流回路の前記第1の相と前記第2の相との間の短絡事故である場合には、前記第2の回線選択継電器のみが動作して前記第1乃至第3の遮断器または前記第4乃至第6の遮断器を一括遮断し、
    前記三相交流回路の前記第2の相と前記第3の相との間の短絡事故である場合には、前記第1の回線選択継電器のみが動作して前記第1乃至第3の遮断器または前記第4乃至第6の遮断器を一括遮断する、
    ことを特徴とする、請求項5記載の回線選択継電装置。
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