JP2009044954A - クロス貫通変流器および保護継電装置 - Google Patents

クロス貫通変流器および保護継電装置 Download PDF

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Abstract

【課題】短絡事故から三相交流回路を保護するための変流器および短絡保護継電器の設置台数を更に削減することができるクロス貫通変流器および保護継電装置を提供する。
【解決手段】短絡事故から送配電線(三相交流回路)を保護するための保護継電装置は、2次コイルを巻装した環状鉄心に送配電線のR相およびS相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させたクロス貫通変流器10と、クロス貫通変流器10から入力される短絡電流IRyに基づいて短絡事故を検出すると、送配電線のR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断させる過電流継電器4とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、クロス貫通変流器および保護継電装置に関し、特に、短絡事故から三相交流回路を保護するための変流器および短絡保護継電器の設置台数を削減するのに好適なクロス貫通変流器および保護継電装置に関する。
従来、三相交流回路では、短絡事故から三相交流回路を保護するために、過電流継電器(OC)を相ごとに設置している(たとえば下記の特許文献1参照)。
また、末端回路の送配電線などでは、短絡電流が2相に流れることを利用し、過電流継電器を2相にだけ設置して、設備コストの抑制を図っている。たとえば、図16に示すように、送配電線のR相、S相およびT相のうちR相およびT相にそれぞれ設置された第1および第2の変流器(CT)31,32に第1および第2の過電流継電器(OC)41,42をそれぞれ接続して、送配電線において短絡事故が発生したときには、以下に示すように、その事故様相に応じて送配電線のR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器21〜23を第1および第2の過電流継電器41,42で一括遮断している。
(1)R相−S相間の短絡事故の場合
送配電線のR相およびS相に短絡電流が流れるので、R相に設置された第1の変流器31から入力される短絡電流に基づいて第1の過電流継電器41が動作して第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(2)S相−T相間の短絡事故の場合
送配電線のS相およびT相に短絡電流が流れるので、T相に設置された第2の変流器32から入力される短絡電流に基づいて第2の過電流継電器42が動作して第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(3)T相−R相間の短絡事故の場合
送配電線のR相およびT相に短絡電流が流れるので、R相およびT相にそれぞれ設置された第1および第2の変流器31,32からそれぞれ入力される短絡電流に応じて第1および第2の過電流継電器41,42が動作して第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合
R相、S相およびT相に短絡電流が流れるので、R相およびT相にそれぞれ設置された第1および第2の変流器31,32からそれぞれ入力される短絡電流に基づいて第1および第2の過電流継電器41,42が動作して第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
特開平8−005659号公報
しかしながら、1つの送配電線につき変流器および過電流継電器を3台または2台ずつ設置しているため、以下に示すような問題があった。
(1)変流器および過電流継電器の設置台数を更に少なくして設備コストの削減を図りたいという要請がある。
(2)過電流継電器の設置台数が2台である場合には、自回路の短絡事故からは三相交流回路を保護することはできるが、過電流継電器を設置していない相と他回路にまたがる短絡事故については検出することができないため、電源側の短絡保護継電器で三相交流回路を保護することになるので、停電の範囲が拡大する。
(3)過電流継電器の設置台数が2台である場合には、1台の過電流継電器が故障または点検により使用できなくなると、短絡事故から三相交流回路を保護することができなくなる。
このような問題は、変圧器内部の短絡事故から三相交流回路を保護するための電流差動継電器、構内における短絡事故から三相交流回路を保護するための受電保護継電器または分割受電保護継電器として使用されている過電流継電器や、送配電線の電源端母線側および受電端母線側にそれぞれ設置されて使用されるパルス符号変調電流差動継電器(PCM電流差動継電器)などについても存在する。
本発明の目的は、短絡事故から三相交流回路を保護するための変流器および短絡保護継電器の設置台数を更に削減することができるクロス貫通変流器および保護継電装置を提供することにある。
本発明のクロス貫通変流器は、三相交流回路の各相に流れる短絡電流を検出するためのクロス貫通変流器(101〜106)であって、2次コイルを巻装した環状鉄心に前記三相交流回路の任意の2相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させたことを特徴とする。
ここで、前記三相交流回路の任意の2相のうちの1相が、前記クロス貫通変流器の極性方向に貫通されており、前記三相交流回路の任意の2相のうちの他の1相が、前記クロス貫通変流器の反極性方向に貫通されていてもよい。
前記三相交流回路の線間電圧、相電圧または相・線間電圧に基づいて事故様相を判定して、該事故様相の判定の結果に応じて前記クロス貫通変流器によって検出された短絡電流を1倍、1/2倍または1/31/2倍とする演算処理手段を備えていてもよい。
本発明の保護継電装置は、短絡事故から三相交流回路を保護するための保護継電装置であって、本発明のクロス貫通変流器と、該クロス貫通変流器から入力される短絡電流に基づいて短絡事故を検出すると、前記三相交流回路の各相に設置された遮断器を一括遮断させる短絡保護継電器とを具備することを特徴とする。
ここで、前記クロス貫通変流器および前記短絡保護継電器が、前記三相交流回路の任意の2相についてのみ設置されていてもよい。
前記クロス貫通変流器が、前記三相交流回路の任意の2相と、該三相交流回路の該任意の2相のうちの1相と該任意の2相以外の他の1相とについてそれぞれ設置されており、前記三相交流回路の前記任意の2相について設置されている一方のクロス貫通変流器の環状鉄心に、該三相交流回路の該任意の2相が逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記三相交流回路の前記任意の2相のうちの1相と前記他の1相について設置されている他方のクロス貫通変流器の環状鉄心に、該三相交流回路の前記任意の2相のうちの1相と該他の1相とが逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されていてもよい。
前記三相交流回路の短絡事故の事故様相を判定する事故様相判定手段と、前記クロス貫通変流器によって検出された短絡電流に前記事故様相判定手段における事故様相の判定結果に応じた所定の倍数を掛ける演算処理手段とをさらに具備してもよい。
また、前記クロス貫通変流器(10)が、送配電線に設置されており、前記クロス貫通変流器の環状鉄心に、前記送配電線の任意の2相が逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記短絡保護継電器が、前記クロス貫通変流器から入力される短絡電流(IRy)に基づいて短絡事故を検出すると、前記送配電線の各相に設置された第1乃至第3の遮断器(21〜23)を一括遮断する過電流継電器(4)であってもよい。
前記クロス貫通変流器が、変圧器(5)の1次側および2次側にそれぞれ設置された第1および第2のクロス貫通変流器(101,102)であり、前記第1のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記変圧器の1次側の任意の2相が逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記第2のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記変圧器の2次側の前記任意の2相が逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記短絡保護継電器が、前記第1および第2のクロス貫通変流器からそれぞれ入力される短絡電流の差電流に基づいて短絡事故を検出すると、前記変圧器の1次側の各相に設置された第1乃至第3の遮断器(21〜23)と該変圧器の2次側の各相に設置された第4乃至第6の遮断器(24〜26)とを一括遮断する電流差動継電器(20)であってもよい。
前記クロス貫通変流器が、第1および第2の送配電線(1L,2L)にそれぞれ設置された第1および第2のクロス貫通変流器(101,102)であり、前記第1のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記第1の送配電線の任意の2相が逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記第2のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記第2の送配電線の前記任意の2相が逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記短絡保護継電器が、前記第1および第2のクロス貫通変流器からそれぞれ入力される短絡電流の和電流に基づいて短絡事故を検出すると、前記第1の送配電線の各相に設置された第1乃至第3の遮断器(21〜23)と前記第2の送配電線の各相に設置された第4乃至第6の遮断器(24〜26)とを一括遮断する過電流継電器(30)であってもよい。
前記クロス貫通変流器が、第1の母線から分岐された第1の送配電線(1L)に設置された第1のクロス貫通変流器(101)と、第2の母線から分岐された第2の送配電線(2L)に設置された第2のクロス貫通変流器(102)と、該第1の母線または該第2の母線に設置された第3のクロス貫通変流器(103)とであり、前記第1のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記第1の送配電線の任意の2相が逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記第2のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記第2の送配電線の前記任意の2相が逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記第3のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記第1または第2の母線の前記任意の2相が逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記短絡保護継電器が、前記第1および第3のクロス貫通変流器からそれぞれ入力される短絡電流の差電流に基づいて短絡事故を検出すると、前記第1の送配電線の各相に設置された第1乃至第3の遮断器(21〜23)と前記第1および第2の母線の各相間に設置された第7乃至第9の遮断器(27〜29)とを一括遮断する第1の過電流継電器(401)と、前記第2および第3のクロス貫通変流器からそれぞれ入力される短絡電流の差電流に基づいて短絡事故を検出すると、前記第2の送配電線の各相に設置された第4乃至第6の遮断器(24〜26)と前記第7乃至第9の遮断器とを一括遮断する第2の過電流継電器(402)とであってもよい。
前記クロス貫通変流器が、送配電線の電源端母線側および受電端母線側にそれぞれ設置された第1および第2のクロス貫通変流器(101,102)であり、前記第1のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記送配電線の任意の2相が逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記第2のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記送配電線の前記任意の2相が逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記短絡保護継電器が、前記第1および第2のクロス貫通変流器によってそれぞれ検出された短絡電流の差電流に基づいて短絡事故を検出すると、前記電源端母線側の前記送配電線の各相に設置された第1乃至第3の遮断器(21〜23)と前記受電端母線側の前記送配電線の各相に設置された第4乃至第6の遮断器(24〜26)とそれぞれ一括遮断する第1および第2のパルス符号変調電流差動継電器(601,602)であってもよい。
前記クロス貫通変流器が、送配電線に設置された第1および第2のクロス貫通変流器(101,102)であり、前記第1のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記送配電線の任意の2相が逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記第2のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記送配電線の前記任意の2相のうちの1相と該任意の2相以外の他の1相とが逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記短絡保護継電器が、前記第1のクロス貫通変流器から入力される第1の短絡電流(IRy1)に基づいて短絡事故を検出すると、前記送配電線の各相に設置された第1乃至第3の遮断器(21〜23)を一括遮断する第1の過電流継電器(41)と、前記第2のクロス貫通変流器から入力される第2の短絡電流(IRy2)に基づいて短絡事故を検出すると、前記第1乃至第3の遮断器を一括遮断する第2の過電流継電器(42)とであってもよい。
前記クロス貫通変流器が、変圧器(5)の1次側に設置された第1および第3のクロス貫通変流器(101,103)と、該変圧器の2次側に設置された第2および第4のクロス貫通変流器(102,104)とであり、前記第1のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記変圧器の1次側の任意の2相が逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記第2のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記変圧器の2次側の前記任意の2相が逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記第3のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記変圧器の1次側の前記任意の2相のうちの1相と該任意の2相以外の他の1相とが逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記第4のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記変圧器の2次側の前記任意の2相のうちの1相と前記他の相とが逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記短絡保護継電器が、前記第1および第2のクロス貫通変流器からそれぞれ入力される短絡電流の差電流に基づいて短絡事故を検出すると、前記変圧器の1次側の各相に設置された第1乃至第3の遮断器(21〜23)と該変圧器の2次側の各相に設置された第4乃至第6の遮断器(24〜26)とを一括遮断する第1の電流差動継電器(201)と、前記第3および第4のクロス貫通変流器からそれぞれ入力される短絡電流の差電流に基づいて短絡事故を検出すると、前記第1乃至第3の遮断器と前記第4乃至第6の遮断器とを一括遮断する第2の電流差動継電器(202)とであってもよい。
前記クロス貫通変流器が、第1の送配電線(1L)に設置された第1および第3のクロス貫通変流器(101,103)と、第2の送配電線(2L)に設置された第2および第4のクロス貫通変流器(102,104)とであり、前記第1のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記第1の送配電線の任意の2相が逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記第2のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記第2の送配電線の前記任意の2相が逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記第2のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記第1の送配電線の前記任意の2相のうちの1相と該任意の2相以外の他の1相とが逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記第2のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記第2の送配電線の前記任意の2相のうちの1相と該任意の2相以外の他の1相とが逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記短絡保護継電器が、前記第1および第2のクロス貫通変流器からそれぞれ入力される短絡電流の和電流に基づいて短絡事故を検出すると、前記第1の送配電線の各相に設置された第1乃至第3の遮断器(21〜23)と前記第2の送配電線の各相に設置された第4乃至第6の遮断器(24〜26)とを一括遮断する第1の過電流継電器(301)と、前記第3および第4のクロス貫通変流器からそれぞれ入力される短絡電流の和電流に基づいて短絡事故を検出すると、前記第1乃至第3の遮断器と前記第4乃至第6の遮断器とを一括遮断する第2の過電流継電器(302)とであってもよい。
前記クロス貫通変流器が、第1の母線から分岐された第1の送配電線(1L)に設置された第1および第4のクロス貫通変流器(101,104)と、第2の母線から分岐された第2の送配電線(2L)に設置された第2および第5のクロス貫通変流器(102,105)と、該第1の母線または該第2の母線に設置された第3および第6のクロス貫通変流器(103,106)とであり、前記第1のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記第1の送配電線の任意の2相が逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記第2のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記第2の送配電線の前記任意の2相が逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記第3のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記第1または第2の母線の前記任意の2相が逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記第4のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記第1の送配電線の前記任意の2相のうちの1相と該任意の2相以外の他の1相とが逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記第5のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記第2の送配電線の前記任意の2相のうちの1相と該任意の2相以外の他の1相とが逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記第6のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記第1または第2の母線の前記任意の2相のうちの1相と該任意の2相以外の他の1相とが逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記短絡保護継電器が、前記第1および第3のクロス貫通変流器からそれぞれ入力される短絡電流の差電流に基づいて短絡事故を検出すると、前記第1の送配電線の各相に設置された第1乃至第3の遮断器(21〜23)と前記第1および第2の母線の各相間に設置された第7乃至第9の遮断器(27〜29)とを一括遮断する第1の過電流継電器(401)と、前記第2および第3のクロス貫通変流器からそれぞれ入力される短絡電流の差電流に基づいて短絡事故を検出すると、前記第2の送配電線の各相に設置された第4乃至第6の遮断器(24〜26)と前記第7乃至第9の遮断器とを一括遮断する第2の過電流継電器(402)と、前記第4および第6のクロス貫通変流器からそれぞれ入力される短絡電流の差電流に基づいて短絡事故を検出すると、前記第1乃至第3の遮断器と前記第7乃至第9の遮断器とを一括遮断する第3の過電流継電器(403)と、前記第5および第6のクロス貫通変流器からそれぞれ入力される短絡電流の差電流に基づいて短絡事故を検出すると、前記第4乃至第6の遮断器と前記第7乃至第9の遮断器とを一括遮断する第4の過電流継電器(404)とであってもよい。
前記クロス貫通変流器が、送配電線の電源端母線側に設置された第1および第3のクロス貫通変流器(101,103)と、該送配電線の受電端母線側に設置された第2および第4のクロス貫通変流器(102,104)とであり、前記第1のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記送配電線の任意の2相が逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記第2のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記送配電線の前記任意の2相が逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記第3のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記送配電線の前記任意の2相のうちの1相と該任意の2相以外の他の1相とが逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記第2のクロス貫通変流器の環状鉄心に、前記送配電線の前記任意の2相のうちの1相と前記他の1相とが逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、前記短絡保護継電器が、前記第1および第2のクロス貫通変流器によってそれぞれ検出された短絡電流の差電流に基づいて短絡事故を検出すると、前記電源端母線側の前記送配電線の各相に設置された第1乃至第3の遮断器(21〜23)と前記受電端母線側の前記送配電線の各相に設置された第4乃至第6の遮断器(24〜26)とそれぞれ一括遮断する第1および第2のパルス符号変調電流差動継電器(601,602)と、前記第3および第4のクロス貫通変流器によってそれぞれ検出された短絡電流の差電流に基づいて短絡事故を検出すると、前記第1乃至第3の遮断器と前記第4乃至第6の遮断器とそれぞれ一括遮断する第3および第4のパルス符号変調電流差動継電器(603,604)とであってもよい。
前記事故様相判定手段が、前記三相交流回路の3つの線間電圧(VRS,VST,VTR)、3つの相電圧(VR,VS,VT)または相・線間電圧に基づいて該三相交流回路の短絡事故の事故様相を判定してもよい。
前記事故様相判定手段が、前記三相交流回路の1つの線間電圧(VRS,VST,VTR)および1つの相電圧(VR,VS,VT)の電圧値および位相に基づいて該三相交流回路の短絡事故の事故様相を判定してもよい。
前記事故様相判定手段が、前記三相交流回路の1つの線間電圧(VRS,VST,VTR)の電圧値および位相と前記クロス貫通変流器から入力される短絡電流の位相とに基づいて該三相交流回路の短絡事故の事故様相を判定してもよい。
前記三相交流回路の第1の相電圧(VR)を極性方向で、該三相交流回路の第2の相電圧(VS)を反極性方向で、該三相交流回路の第3の相電圧(VT)を反極性方向で2倍して合成するように2次側が結線された、かつ、該三相交流回路の短絡事故の事故様相を判定するのに用いる前記第1乃至第3の相の相電圧の合成電圧(VR-S-2T)を得るための事故様相判定用変圧器(110)をさらに具備し、前記事故様相判定手段が、前記事故様相判定用変圧器から入力される前記合成電圧の電圧値および位相と前記クロス貫通変流器から入力される短絡電流の位相とに基づいて前記三相交流回路の短絡事故の事故様相を判定してもよい。
前記三相交流回路の第1の相電圧(VR)を極性方向で、該三相交流回路の第2の相電圧(VS)を反極性方向で、該三相交流回路の第3の相電圧(VT)を極性方向で2倍して合成するように2次側が結線された、かつ、該三相交流回路の短絡事故の事故様相を判定するのに用いる前記第1乃至第3の相の相電圧の合成電圧(VR-S+2T)を得るための事故様相判定用変圧器(120)をさらに具備し、前記事故様相判定手段が、前記事故様相判定用変圧器から入力される前記合成電圧の電圧値および位相と前記クロス貫通変流器から入力される短絡電流の位相とに基づいて前記三相交流回路の短絡事故の事故様相を判定してもよい。
前記三相交流回路の第1の相電圧(VR)を極性方向または反極性方向でa倍して、該三相交流回路の第2の相電圧(VS)を極性方向または反極性方向でb倍して、該三相交流回路の第3の相電圧(VT)を極性方向または反極性方向でc倍して合成するように2次側が結線された、かつ、該三相交流回路の短絡事故の事故様相を判定するのに用いる前記第1乃至第3の相の相電圧の合成電圧(VaR+bS+cT)を得るための事故様相判定用変圧器をさらに具備し、前記事故様相判定手段が、前記事故様相判定用変圧器から入力される前記合成電圧の電圧値および位相と前記クロス貫通変流器から入力される短絡電流の位相とに基づいて前記三相交流回路の短絡事故の事故様相を判定してもよい。
本発明のクロス貫通変流器および保護継電装置は、以下に示す効果を奏する。
(1)クロス貫通変流器を使用することにより、短絡事故から三相交流回路を保護するための変流器および短絡保護継電器の設置台数を更に削減して、設備コストの削減を図ることができる。
(2)クロス貫通変流器および短絡保護継電器を2台ずつ使用することにより、自回路および他回路にまたがる短絡事故であっても確実に検出することができるので、停電の範囲の拡大を防止することができる。
(3)クロス貫通変流器および短絡保護継電器を2台ずつ使用することにより、1台の短絡保護継電器が故障または点検によって使用できなくなっても、自回路の短絡事故は他の1台の短絡保護継電器でバックアップすることができるので、短絡事故から三相交流回路を保護することができる。
上記の目的を、2次コイルを巻装した環状鉄心に三相交流回路の任意の2相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させたクロス貫通変流器を用いて、短絡保護継電器が、クロス貫通変流器から入力される短絡電流に基づいて短絡事故を検出すると、三相交流回路の各相に設置された遮断器を一括遮断することにより実現した。
以下、本発明のクロス貫通変流器および保護継電装置の実施例について図面を参照して説明する。
本発明の第1の実施例による保護継電装置は、図1に示すように、3相の送配電線(三相交流回路)のR相およびS相がクロスするように貫通されたクロス貫通変流器10と、クロス貫通変流器10から入力される短絡電流IRyに基づいて送配電線の短絡事故を検出すると、送配電線のR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する過電流継電器4とを具備する。
ここで、クロス貫通変流器10は、2次コイルを巻装した環状鉄心に送配電線のR相およびS相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた貫通形変流器である。
すなわち、送配電線のR相はクロス貫通変流器10の極性方向(環状鉄心の第1の開口面側から環状鉄心の第2の開口面への方向)に貫通されているが、送配電線のS相はクロス貫通変流器10の反極性方向(環状鉄心の第2の開口面から環状鉄心の第1の開口面への方向)に貫通されている。
したがって、短絡事故が発生していないときに送配電線のR相、S相およびT相に流れる負荷電流をIR,IS,ITで表すと、R相の負荷電流IRとS相の負荷電流ISとは図2に示すように120°の位相差でクロス貫通変流器10の環状鉄心を逆向きに貫通して流れる(すなわち、R相の負荷電流IRはクロス貫通変流器10を極性方向に貫通して流れ、S相の負荷電流ISはクロス貫通変流器10を反極性方向に貫通して流れる)。そのため、クロス貫通変流器10から過電流継電器4に入力される負荷電流IはR相の負荷電流IRとS相の負荷電流ISとのベクトル差となり、負荷電流Iの振幅はR相の負荷電流IR(S相の負荷電流IS)の振幅の31/2倍となる。
I=IR−IS
|I|=|IR−IS|=31/2×|IR|=31/2×|IS
また、送配電線に短絡事故が発生したときに送配電線のR相、S相およびT相に流れる短絡電流をIFR,IFS,IFTで表すと、クロス貫通変流器10から過電流継電器4に入力される短絡電流IRyは、短絡電流IFR,IFS,IFTのインピーダンス角をθとすると、事故様相に応じて以下のように表される。
(1)R相−S相間の短絡事故の場合
R相−S相間の短絡事故が発生すると、図1に破線の矢印で示すように送配電線のR相にR相の短絡電流IFRが内部方向に流れ、送配電線のS相にS相の短絡電流IFSが外部方向に流れるが、送配電線のT相にはT相の短絡電流IFTが流れない。
したがって、クロス貫通変流器10から過電流継電器4に入力される短絡電流IRyは、図1に実線の太矢印で示すようにR相の短絡電流IFRとS相の短絡電流IFSとのベクトル差となり、短絡電流IRyの振幅はR相の短絡電流IFR(S相の短絡電流IFS)の振幅の2倍となる(図3(a)参照。なお、図3においては、送配電線の内部方向に流れる短絡電流IFR,IFS,IFTは実線の矢印で、送配電線の外部方向に流れる短絡電流IFR,IFS,IFTは一点鎖線の矢印で示している。)。
Ry=IFR−IFS
|IRy|=|IFR−IFS|=2×|IFR|=2×|IFS
(2)S相−T相間の短絡事故の場合
S相−T相間の短絡事故が発生すると、送配電線のS相にS相の短絡電流IFSが内部方向に流れ、送配電線のT相にT相の短絡電流IFTが外部方向に流れるが、送配電線のR相にはR相の短絡電流IFRが流れない。
したがって、クロス貫通変流器10から過電流継電器4に入力される短絡電流IRyは、極性が負のS相の短絡電流−IFSとなり、短絡電流IRyの振幅はS相の短絡電流IFSの振幅となる(図3(b)参照)。
Ry=−IFS
|IRy|=|IFS
(3)T相−R相間の短絡事故の場合
T相−R相間の短絡事故が発生すると、送配電線のT相にT相の短絡電流IFTが内部方向に流れ、送配電線のR相にR相の短絡電流IFRが外部方向に流れるが、送配電線のS相にはS相の短絡電流IFSが流れない。
したがって、クロス貫通変流器10から過電流継電器4に入力される短絡電流IRyはR相の短絡電流IFRとなり、短絡電流IRyの振幅はR相の短絡電流IFRの振幅となる(図3(c)参照)。
Ry=IFR
|IRy|=|IFR
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合
R相−S相−T相間の短絡事故が発生すると、送配電線のR相、S相およびT相にR相の短絡電流IFR、S相の短絡電流IFSおよびT相の短絡電流IFTが位相差120°で内部方向にそれぞれ流れる。
したがって、クロス貫通変流器10から過電流継電器4に入力される短絡電流IRyはR相の短絡電流IFRとS相の短絡電流IFSとのベクトル差となり、短絡電流IRyの振幅はR相の短絡電流IFR(S相の短絡電流IFS)の振幅の31/2倍となる(図3(d)参照)。
Ry=IFR−IFS
|IRy|=|IFR−IFS|=31/2×|IFR|=31/2×|IFS
過電流継電器4は、短絡電流IRyの振幅が電流整定値を超えた場合には、送配電線に短絡事故が発生したと判定して、第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
なお、クロス貫通変流器には送配電線のR相およびS相をクロスさせて貫通させたが、送配電線のS相およびT相をクロスさせて貫通させてもよいし、送配電線のR相およびT相をクロスさせて貫通させてもよい。
次に、本発明の第2の実施例による保護継電装置について、図4を参照して説明する。
本実施例による保護継電装置は、図4に示すように、変圧器5の1次側のR相およびS相がクロスするように貫通された第1のクロス貫通変流器101と、変圧器5の2次側のR相およびS相がクロスするように貫通された第2のクロス貫通変流器102と、第1のクロス貫通変流器101から入力される短絡電流と第2のクロス貫通変流器102から入力される短絡電流との差電流(以下、「短絡電流IRy」と称する。)に基づいて変圧器5内部の短絡事故を検出すると、変圧器5の1次側のR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器21〜23と変圧器5の2次側のR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第4乃至第6の遮断器24〜26とを一括遮断する電流差動継電器20とを具備する。
ここで、第1および第2のクロス貫通変流器101,102は、2次コイルを巻装した環状鉄心に送配電線のR相およびS相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた貫通形変流器である。
すなわち、送配電線のR相は第1のクロス貫通変流器102の極性方向に貫通されているが、送配電線のS相は第1のクロス貫通変流器101の反極性方向に貫通されている。
第2のクロス貫通変流器102についても同様であるが、第2のクロス貫通変流器102から電流差動継電器20に入力される短絡電流の極性が第1のクロス貫通変流器101から電流差動継電器20に入力される短絡電流の極性と逆となるように、第2のクロス貫通変流器102は電流差動継電器20に接続されている。
したがって、変圧器5内部において短絡事故が発生していないときに変圧器5の1次側(送電端)のR相、S相およびT相に流れる1次負荷電流をI1R,I1S,I1Tで表し、変圧器5の2次側(受電端)のR相、S相およびT相に流れる2次負荷電流をI2R,I2S,I2Tで表すと、R相の1次負荷電流I1RとS相の1次負荷電流I1Sとは120°の位相差で第1のクロス貫通変流器101の環状鉄心を逆向きに貫通して流れ、R相の2次負荷電流I2RとS相の2次負荷電流I2Sとは120°の位相差で第2のクロス貫通変流器102の環状鉄心を逆向きに貫通して流れる(図2参照)。
そのため、第1のクロス貫通変流器101から電流差動継電器20に入力される1次負荷電流i1は、上述した第1の実施例による過電流継電器4における場合と同様にして、R相の1次負荷電流I1RとS相の1次負荷電流I1Sとのベクトル差となり、1次負荷電流i1の振幅はR相の1次負荷電流I1R(S相の1次負荷電流I1S)の振幅の31/2倍となる。同様に、第2のクロス貫通変流器102から電流差動継電器20に入力される2次負荷電流i2は、R相の2次負荷電流I2RとS相の2次負荷電流I2Sとのベクトル差(極性は負)となり、2次負荷電流i2の振幅はR相の2次負荷電流I2R(S相の2次負荷電流I2S)の振幅の31/2倍となる。
1=I1R−I1S
|i1|=|I1R−I1S|=31/2×|I1R|=31/2×|I1S
2=−(I2R−I2S
|i2|=|I2R−I2S|=31/2×|I2R|=31/2×|I2S
その結果、電流差動継電器20に入力される負荷電流Iは、1次負荷電流i1と2次負荷電流i2とのベクトル和で表され、負荷電流Iの振幅は“0”(|I|=|i1+i2|=0)となる。
また、たとえば変圧器5内部の1次側において短絡事故が発生したときに変圧器5の1次側の送配電線のR相、S相およびT相に流れる短絡電流をIFR,IFS,IFTで表すと、短絡電流IRy(第1のクロス貫通変流器101から入力される短絡電流と第2のクロス貫通変流器102から入力される短絡電流との差電流)は、上述した第1の実施例による過電流継電器4における場合と同様にして、事故様相に応じて以下のように表される。
(1)R相−S相間の短絡事故の場合
Ry=IFR−IFS
|IRy|=2×|IFR|=2×|IFS
(2)S相−T相間の短絡事故の場合
Ry=−IFS
|IRy|=|IFS
(3)T相−R相間の短絡事故の場合
Ry=IFR
|IRy|=|IFR
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合
Ry=IFR−IFS
|IRy|=31/2×|IFR|=31/2×|IFS
電流差動継電器20は、短絡電流IRyの振幅が電流整定値を超えた場合には、変圧器5内部において短絡事故が発生したと判定して、第1乃至第6の遮断器21〜26を一括遮断する。
なお、第1および第2のクロス貫通変流器101,102には送配電線のR相およびS相をクロスさせて貫通させたが、送配電線のS相およびT相をクロスさせて貫通させてもよいし、送配電線のR相およびT相をクロスさせて貫通させてもよい。
次に、本発明の第3の実施例による保護継電装置について、図5を参照して説明する。
本実施例による保護継電装置は、構内における短絡事故から第1および第2の送配電線1L,2Lを保護するための受電保護継電装置であり、図5に示すように、第1の送配電線1LのR相およびS相がクロスするように貫通された第1のクロス貫通変流器101と、第2の送配電線2LのR相およびS相がクロスするように貫通された第2のクロス貫通変流器102と、第1のクロス貫通変流器101から入力される短絡電流と第2のクロス貫通変流器102から入力される短絡電流との和電流(以下、「短絡電流IRy」と称する。)に基づいて構内での短絡事故を検出すると、第1の送配電線1LのR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器21〜23と第2の送配電線2LのR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第4乃至第6の遮断器24〜26とを一括遮断する過電流継電器30とを具備する。
ここで、第1および第2のクロス貫通変流器101,102は、2次コイルを巻装した環状鉄心に第1および第2の送配電線1L,2LのR相およびS相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた貫通形変流器である。
すなわち、第1および第2の送配電線1L,2LのR相は第1および第2のクロス貫通変流器101,102の極性方向に貫通されているが、第1および第2の送配電線1L,2LのS相は第1および第2のクロス貫通変流器101,102の反極性方向に貫通されている。
したがって、構内において短絡事故が発生していないときに第1および第2の送配電線1L,2lのR相、S相およびT相に流れる負荷電流をIR,IS,ITで表すと、R相の負荷電流IRとS相の負荷電流ISとは120°の位相差で第1および第2のクロス貫通変流器101,102の環状鉄心を逆向きに貫通して流れるため(図2参照)、第1および第2のクロス貫通変流器101,102から過電流継電器30に入力される負荷電流Iは、上述した第1の実施例による過電流継電器4における場合と同様にして、R相の負荷電流IRとS相の負荷電流ISとのベクトル差となり、負荷電流Iの振幅はR相の負荷電流IR(S相の負荷電流IS)の振幅の31/2倍となる。
I=IR−IS
|I|=31/2×|IR|=31/2×|IS
また、構内において短絡事故が発生したときに第1および第2の送配電線のR相、S相およびT相に流れる短絡電流をIFR,IFS,IFTで表すと、短絡電流IRy(第1のクロス貫通変流器101から入力される短絡電流と第2のクロス貫通変流器102から入力される短絡電流との和電流)は、上述した第1の実施例による過電流継電器4における場合と同様にして、事故様相に応じて以下のように表される。
(1)R相−S相間の短絡事故の場合
Ry=IFR−IFS
|IRy|=2×|IFR|=2×|IFS
(2)S相−T相間の短絡事故の場合
Ry=−IFS
|IRy|=|IFS
(3)T相−R相間の短絡事故の場合
Ry=IFR
|IRy|=|IFR
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合
Ry=IFR−IFS
|IRy|=31/2×|IFR|=31/2×|IFS
過電流継電器30は、短絡電流IRyの振幅が電流整定値を超えた場合には、構内において短絡事故が発生したと判定して、第1乃至第6の遮断器21〜26を一括遮断する。
なお、第1および第2のクロス貫通変流器101,102には第1および第2の送配電線1L,2LのR相およびS相をクロスさせて貫通させたが、第1および第2の送配電線1L,2LのS相およびT相をクロスさせて貫通させてもよいし、第1および第2の送配電線1L,2LのR相およびT相をクロスさせて貫通させてもよい。
次に、本発明の第4の実施例による保護継電装置について、図6を参照して説明する。
本実施例による保護継電装置は、構内における短絡事故から第1および第2の送配電線1L,2Lを保護するための分割受電保護継電装置であり、図6に示すように、第1の母線から分岐された第1の送配電線1LのR相およびS相がクロスするように貫通された第1のクロス貫通変流器101と、第2の母線から分岐された第2の送配電線2LのR相およびS相がクロスするように貫通された第2のクロス貫通変流器102と、第1の母線のR相およびS相がクロスするように貫通された第3のクロス貫通変流器103と、第1のクロス貫通変流器101から入力される短絡電流と第3のクロス貫通変流器103から入力される短絡電流との差電流(以下、「短絡電流IRy」と称する。)に基づいて構内での短絡事故を検出すると、第1の送配電線1LのR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器21〜23と第1および第2の母線のR相、S相およびT相の間にそれぞれ設置された第7乃至第9の遮断器27〜29(母線連絡遮断器)とを一括遮断する第1の過電流継電器401と、第2のクロス貫通変流器102から入力される短絡電流と第3のクロス貫通変流器103から入力される短絡電流との差電流(以下、「短絡電流IRy」と称する。)に基づいて構内での短絡事故を検出すると、第2の送配電線2LのR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第4乃至第6の遮断器24〜26と第7乃至第9の遮断器27〜29とを一括遮断する第2の過電流継電器402とを具備する。
ここで、第1乃至第3のクロス貫通変流器101〜103は、2次コイルを巻装した環状鉄心に第1および第2の送配電線1L,2Lと第1の母線のR相およびS相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた貫通形変流器である。
すなわち、上述した第1乃至第3の実施例と同様に、第1および第2の送配電線1L,2LのR相は第1および第2のクロス貫通変流器101,102の極性方向に貫通されているが、第1および第2の送配電線1L,2LのS相は第1および第2のクロス貫通変流器101,102の反極性方向に貫通されている。また、第1の母線のR相は第3のクロス貫通変流器103の極性方向に貫通されているが、第1の母線のS相は第3のクロス貫通変流器103の反極性方向に貫通されている。
したがって、構内において短絡事故が発生していないときに第1および第2の母線と第1および第2の送配電線1L,2LのR相、S相およびT相に流れる負荷電流をIR,IS,ITで表すと、R相の負荷電流IRとS相の負荷電流ISとが120°の位相差で第1乃至第3のクロス貫通変流器101〜103の環状鉄心を逆向きに貫通して流れるため(図2参照)、上述した第1の実施例による過電流継電器4における場合と同様にして、第1乃至第3のクロス貫通変流器101〜103から第1および第2の過電流継電器401,402に入力される負荷電流Iは、R相の負荷電流IRとS相の負荷電流ISとのベクトル差となり、負荷電流Iの振幅はR相の負荷電流IR(S相の負荷電流IS)の振幅の31/2倍となる。
I=IR−IS
|I|=31/2×|IR|=31/2×|IS
また、構内において短絡事故が発生したときに第1および第2の母線と第1および第2の送配電線1L,2LのR相、S相およびT相に流れる短絡電流をIFR,IFS,IFTで表すと、短絡電流IRy(第1のクロス貫通変流器101から入力される短絡電流と第3のクロス貫通変流器103から入力される短絡電流との差電流)は、上述した第1の実施例による過電流継電器4における場合と同様にして、事故様相に応じて以下のように表される。
(1)R相−S相間の短絡事故の場合
Ry=IFR−IFS
|IRy|=2×|IFR|=2×|IFS
(2)S相−T相間の短絡事故の場合
Ry=−IFS
|IRy|=|IFS
(3)T相−R相間の短絡事故の場合
Ry=IFR
|IRy|=|IFR
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合
Ry=IFR−IFS
|IRy|=31/2×|IFR|=31/2×|IFS
第1の過電流継電器401は、短絡電流IRyの振幅が電流整定値を超えた場合には、構内において短絡事故が発生したと判定して、第1乃至第3の遮断器21〜23と第7乃至第9の遮断器27〜29とを一括遮断する。
第2の過電流継電器402についても同様である。
なお、第1乃至第3のクロス貫通変流器101〜103には第1の母線と第1および第2の送配電線1L,2LのR相およびS相をクロスさせて貫通させたが、第1の母線と第1および第2の送配電線1L,2LのS相およびT相をクロスさせて貫通させてもよいし、第1の母線と第1および第2の送配電線1L,2LのR相およびT相をクロスさせて貫通させてもよい。
次に、本発明の第5の実施例による保護継電装置について、図7を参照して説明する。
本実施例による保護継電装置は、図7に示すように、電源端母線側の送配電線のR相およびS相がクロスするように貫通された第1のクロス貫通変流器101と、受電端母線側の送配電線のR相およびS相がクロスするように貫通された第2のクロス貫通変流器102と、第1のクロス貫通変流器101によって検出された短絡電流と第2のクロス貫通変流器102によって検出された短絡電流との差電流(以下、「短絡電流IRy」と称する。)に基づいて送配電線における短絡事故を検出すると、電源端母線側の送配電線のR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器21〜23と受電端母線側の送配電線のR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第4乃至第6の遮断器24〜26とをそれぞれ一括遮断する第1および第2のパルス符号変調電流差動継電器601,602(以下、「第1および第2のPCM電流差動継電器601,602」と称する。)とを具備する。
なお、第1および第2のPCM電流差動継電器601,602は、通信網を介して短絡電流を送受信する。
ここで、第1および第2のクロス貫通変流器101,102は、2次コイルを巻装した環状鉄心に送配電線のR相およびS相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた貫通形変流器である。
すなわち、上述した第1乃至第4の実施例と同様に、送配電線のR相は第1および第2のクロス貫通変流器101,102の極性方向に貫通されているが、送配電線のS相は第1および第2のクロス貫通変流器101,102の反極性方向に貫通されている。
また、第2のクロス貫通変流器102は、第2のクロス貫通変流器102から第2のPCM電流差動継電器602に入力される短絡電流の極性が第1のクロス貫通変流器101から第1のPCM電流差動継電器601に入力される短絡電流の極性と逆となるように、第2のPCM電流差動継電器602に接続されている。
したがって、送配電線において短絡事故が発生していないときに送配電線の送電端のR相、S相およびT相に流れる送電端負荷電流をIaR,IaS,IaTで表し、送配電線の受電端のR相、S相およびT相に流れる受電端負荷電流をIbR,IbS,IbTで表すと、R相の送電端負荷電流IaRとS相の送電端負荷電流IaSとは120°の位相差で第1のクロス貫通変流器101の環状鉄心を逆向きに貫通して流れ、R相の受電端負荷電流IbRとS相の受電端負荷電流IbSとは120°の位相差で第2のクロス貫通変流器102の環状鉄心を逆向きに貫通して流れる(図2参照)。
そのため、第1のクロス貫通変流器101から第1のPCM電流差動継電器601に入力される送電端負荷電流Iaは、上述した第1の実施例による過電流継電器4における場合と同様にして、R相の送電端負荷電流IaRとS相の送電端負荷電流IaSのベクトル差となり、送電端負荷電流Iaの振幅はR相の送電端負荷電流IaR(S相の送電端負荷電流IaS)の振幅の31/2倍となる。同様に、第2のクロス貫通変流器102から第2のPCM電流差動継電器602に入力される受電端負荷電流Ibは、R相の受電端負荷電流IbRとS相の受電端負荷電流IbSとのベクトル差(極性は負)となり、受電端負荷電流Ibの振幅はR相の受電端負荷電流IbR(S相の受電端負荷電流IbS)の振幅の31/2倍となる。
a=IaR−IaS
|Ia|=|IaR−IaS|=31/2×|IaR|=31/2×|IaS
b=−(IbR−IbS
|Ib|=|IbR−IbS|=31/2×|IbR|=31/2×|IbS
その結果、第1および第2のPCM電流差動継電器601,602に入力される負荷電流Iは、送電端負荷電流Iaと受電端負荷電流Ibとのベクトル和で表され、負荷電流Iの振幅は“0”(|I|=|Ia+Ib|=0)となる。
また、送配電線において短絡事故が発生したときに送配電線のR相、S相およびT相に流れる短絡電流をIFR,IFS,IFTで表すと、短絡電流IRy(第1のクロス貫通変流器101によって検出された短絡電流と第2のクロス貫通変流器102によって検出された短絡電流との差電流)は、上述した第1の実施例による過電流継電器4における場合と同様にして、事故様相に応じて以下のように表される。
・ R相−S相間の短絡事故の場合(図3(a)参照)
Ry=IFR−IFS
|IRy|=2×|IFR|=2×|IFS
(2)S相−T相間の短絡事故の場合(図3(b)参照)
Ry=−IFS
|IRy|=|IFS
(3)T相−R相間の短絡事故の場合(図3(c)参照)
Ry=IFR
|IRy|=|IFR
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合(図3(d)参照)
Ry=IFR−IFS
|IRy|=31/2×|IFR|=31/2×|IFS
第1および第2のPCM電流差動継電器601,602は、短絡電流IRyの振幅が電流整定値を超えた場合には、送配電線において短絡事故が発生したと判定して、第1乃至第6の遮断器21〜26を一括遮断する。
なお、第1および第2のクロス貫通変流器101,102には送配電線のR相およびS相をクロスさせて貫通させたが、送配電線のS相およびT相をクロスさせて貫通させてもよいし、送配電線のR相およびT相をクロスさせて貫通させてもよい。
以上説明したように、第1乃至第5の実施例では、本発明によるクロス貫通変流器(図1に示したクロス貫通変流器10など)を用いることにより、変流器および短絡保護継電器(図1に示した過電流継電器4など)の設置台数を更に削減することができるが、上述したように短絡電流IRyの振幅が事故様相によって異なる。
すなわち、R相−S相間の短絡事故における短絡電流IRyの振幅は、S相−T相間の短絡事故およびT相−R相間の短絡事故における短絡電流IRyの振幅の2倍となり、また、負荷電流およびR相−S相−T相間の短絡事故における短絡電流IRyの振幅は、S相−T相間の短絡事故およびT相−R相間の短絡事故における短絡電流IRyの振幅の31/2倍となる。
そのため、短絡保護継電器の検出感度および動作時間をすべての事故様相に対して同じにすることができない。
そこで、以下に示す第1乃至第5の事故様相判定方法のいずれかを用いて事故様相を判定し、クロス貫通変流器から出力される短絡電流を事故様相判定結果に応じて1倍、1/2倍または1/31/2倍とする演算処理部を、クロス貫通変流器と短絡保護継電器との間または短絡保護継電器に設けてもよい。
(第1の事故様相判定方法)
3つの線間電圧、3つの相電圧または相・線間電圧(相電圧と線間電圧との組合せ)に基づいて事故様相を判定する。
表1に、3つの線間電圧に基づく事故様相判定条件を示す。なお、○印は、母線に設置された不足電圧継電器からの電圧情報に基づいて電圧低下が検出された線間電圧を示し、また、×印は、この不足電圧継電器からの電圧情報に基づいて電圧低下が検出されなかった線間電圧を示す(電圧低下の検出感度は定格電圧の75〜80%程度とする。)。
Figure 2009044954
表2に、3つの相電圧に基づく事故様相判定条件を示す。なお、○印は、母線に設置された不足電圧継電器からの電圧情報に基づいて電圧低下が検出された相電圧を示し、また、×印は、この不足電圧継電器からの電圧情報に基づいて電圧低下が検出されなかった相電圧を示す(電圧低下の検出感度は定格電圧の75〜80%程度とする。)。
Figure 2009044954
表3に、相・線間電圧に基づく事故様相判定条件を示す。なお、○印は、母線に設置された不足電圧継電器からの電圧情報に基づいて電圧低下が検出された相電圧および線間電圧を示し、また、×印は、この不足電圧継電器からの電圧情報に基づいて電圧低下が検出されなかった相電圧および線間電圧を示す(電圧低下の検出感度は定格電圧の75〜80%程度とする。)。
Figure 2009044954
(第2の事故様相判定方法)
1つの線間電圧および1つの相電圧の電圧値および位相に基づいて事故様相を判定する。
たとえば、T相−R相の線間電圧VTRの位相が210°でかつR相の相電圧VRの位相が0°であることを基準として(図17参照)、送配電線のR相−S相間の短絡事故時のR相−S相の線間電圧VRSおよびS相−T相間の短絡事故時のS相−T相の線間電圧VSTを短絡事故検出感度の85Vとすると、T相−R相の線間電圧VTRが所定の第1の電圧値k1=85V以下であることを条件として短絡事故が発生したと判定するとともに、T相−R相の線間電圧VTRが所定の第2の電圧値k2=104.3V以下であり、かつ、短絡事故前のT相−R相の線間電圧VTRの位相=210°を基準として短絡事故時のT相−R相の線間電圧VTRの位相が所定の角度範囲α内だけ遅れているか進んでいること(5.95°≦α≦30°または−30°≦α≦−5.95°)を条件として短絡事故が発生したと判定する(以下の(1−1)式および(1−2)式参照)。
TR≦[{(110/31/2)×1.5}2+(85/2)21/2
≦(95.262+42.521/2
≦104.3(V) ・・・(1−1)
α≧30°−tan-1(42.5/95.26)
≧5.95(°) ・・・(1−2)
また、以下のようにして事故様相を判定する。
(1)R相−S相間の短絡事故の場合
T相−R相の線間電圧VTRが104.3V以下であり、かつ、短絡事故前のT相−R相の線間電圧VTRの位相=210°を基準としてT相−R相の線間電圧VTRの位相が角度範囲α内だけ遅れている(+α)場合に、R相−S相間の短絡事故と判定する(図18(a)参照)。
(2)S相−T相間の短絡事故の場合
T相−R相の線間電圧VTRが104.3V以下であり、かつ、短絡事故前のT相−R相の線間電圧VTRの位相=210°を基準としてT相−R相の線間電圧VTRの位相が角度範囲α内だけ進んでいる(−α)場合に、S相−T相間の短絡事故と判定する(図18(b)参照)。
(3)T相−R相間の短絡事故の場合
T相−R相の線間電圧VTRが85V以下であり、かつ、短絡事故前のT相−R相の線間電圧VTRの位相=210°を基準としてT相−R相の線間電圧VTRの位相が角度範囲α内だけ遅れていたり進んでいたりしておらず(すなわち、−5.95°よりも大きくて5.95°よりも小さく)、かつ、短絡事故前のR相の相電圧VRの位相=0°を基準としてR相の相電圧VRの位相が所定の他の角度範囲β(6.76°≦β≦60°、(1−3)式参照)内だけ進んでいる(−β)場合に、T相−R相間の短絡事故と判定する(図18(c)参照)。
β≧60°−tan-1[42.5/{110/(2×31/2)}]
≧6.76(°) ・・・(1−3)
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合
T相−R相の線間電圧VTRが85V以下であり、かつ、短絡事故前のT相−R相の線間電圧VTRの位相=210°を基準としてT相−R相の線間電圧VTRの位相が角度範囲α内だけ遅れていたり進んでいたりしておらず(すなわち、−5.95°よりも大きくて5.95°よりも小さく)、かつ、短絡事故前のR相の相電圧VRの位相=0°を基準としてR相の相電圧VRの位相が他の角度範囲β内だけ遅れていたり進んでいたりしていない(すなわち、−6.76°よりも大きくて6.76°よりも小さい)ことを条件に、R相−S相−T相間の短絡事故と判定する(図18(d)参照)。
なお、T相−R相の線間電圧VTRおよびR相の相電圧VRを用いたが、表4に丸印で示す電圧の組合せのいずれか1つを用いてもよい。ただし、上述した短絡事故発生判定条件および事故様相判定条件を電圧の組合せに応じて変更する必要がある。
Figure 2009044954
(第3の事故様相判定方法)
1つの線間電圧の電圧値および位相とクロス貫通変流器から入力される短絡電流の位相とに基づいて事故様相を判定する。
たとえば、T相−R相の線間電圧VTRの位相が210°であることを基準として、送配電線のR相−S相間の短絡事故時のR相−S相の線間電圧VRSおよびS相−T相間の短絡事故時のS相−T相の線間電圧VSTを短絡事故検出感度の85Vとすると、T相−R相の線間電圧VTRが所定の第1の電圧値k1=85V以下であることを条件として短絡事故が発生したと判定するとともに、T相−R相の線間電圧VT Rが所定の第2の電圧値k2=104.3V以下であり、かつ、短絡事故前のT相−R相の線間電圧VTRの位相=210°を基準として短絡事故時のT相−R相の線間電圧VTRの位相が所定の角度範囲α内だけ遅れているか進んでいること(5.95°≦α≦30°または−30°≦α≦−5.95°)を条件として短絡事故が発生したと判定する((1−1)式および(1−2)式参照)。
また、以下のようにして事故様相を判定する。
(1)R相−S相間の短絡事故の場合
T相−R相の線間電圧VTRが104.3V以下であり、かつ、短絡事故前のT相−R相の線間電圧VTRの位相=210°を基準としてT相−R相の線間電圧VTRの位相が角度範囲α内だけ遅れている(+α)場合に、R相−S相間の短絡事故と判定する(図19(a)参照)。
(2)S相−T相間の短絡事故の場合
T相−R相の線間電圧VTRが104.3V以下であり、かつ、短絡事故前のT相−R相の線間電圧VTRの位相=210°を基準としてT相−R相の線間電圧VTRの位相が角度範囲α内だけ進んでいる(−α)場合に、S相−T相間の短絡事故と判定する(図19(b)参照)。
(3)T相−R相間の短絡事故の場合
T相−R相の線間電圧VTRが85V以下であり、かつ、短絡事故前のT相−R相の線間電圧VTRの位相=210°を基準としてT相−R相の線間電圧VTRの位相が角度範囲α内だけ遅れていたり進んでいたりしておらず(すなわち、−5.95°よりも大きくて5.95°よりも小さく)、かつ、短絡電流の位相が所定の第1の角度範囲γ(−150°≦γ≦−90°、γはインピーダンス角θ=75°としアーク抵抗などを考慮して決定する。)内にある場合に、T相−R相間の短絡事故と判定する(図19(c)参照)。
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合
T相−R相の線間電圧VTRが85V以下であり、かつ、短絡事故前のT相−R相の線間電圧VTRの位相=210°を基準としてT相−R相の線間電圧VTRの位相が角度範囲α内だけ遅れていたり進んでいたりしておらず(すなわち、−5.95°よりも大きくて5.95°よりも小さく)、かつ、短絡電流の位相が所定の第2の角度範囲δ(139.1°≦δ≦199.1°、δはインピーダンス角θ=75°としアーク抵抗などを考慮して決定する。)内にある場合に、R相−S相−T相間の短絡事故と判定する(図19(d)参照)。
(第4の事故様相判定方法)
図20に示す事故様相判定用変圧器110を母線に設置し、事故様相判定用変圧器110から出力される合成電圧VR-S-2Tの電圧値および位相と短絡電流の位相とに基づいて、以下のようにして事故様相を判定する。
ここで、事故様相判定用変圧器110の2次側は、R相の相電圧VRを極性方向で、S相の相電圧VSを反極性方向で、T相の相電圧VTを反極性方向で2倍して合成するように結線されている。その結果、事故様相判定用変圧器110から出力される合成電圧VR-S-2Tは次式で表される。
R-S-2T=VR−VS−2VT
また、インピーダンス角θは通常75°であるが、短絡電流の位相角は、アーク抵抗を考慮して、30°(−45°)から短絡事故時の最大角である90°(+15°)とする。
(1)R相−S相間の短絡事故の場合
合成電圧VR-S-2Tの電圧値が所定の第1の合成電圧値K1=100.1V以下であり((2−1)式参照)、かつ、正常時の合成電圧VR-S-2Tの位相が19.1°であることを基準として短絡事故時の合成電圧VR-S-2Tの位相が所定の第1の合成電圧角度範囲ε1(7.10°(=X1)≦ε1≦40.9°(=X2)。(2−2)式および(2−3)式参照)内だけ遅れており(+ε1)、かつ、短絡電流の位相が所定の第1の短絡電流角度範囲λ1(−19.1°≦λ1≦40.9°)内にある場合に、R相−S相間の短絡事故と判定する。
1=[(83.15)2+(72.01×85/110)21/2
=100.1(V) ・・・(2−1)
1=cos-1(83.15/110.0)−cos-1(83.15/100.05)
=7.10(°) ・・・(2−2)
2=60−19.1
=40.9(°) ・・・(2−3)
(2)S相−T相間の短絡事故の場合
合成電圧VR-S-2Tの電圧値が所定の第2の合成電圧値K2=107.6V以下であり((2−4)式参照)、かつ、正常時の合成電圧VR-S-2Tの位相が19.1°であることを基準として短絡事故時の合成電圧VR-S-2Tの位相が所定の第2の合成電圧角度範囲ε2(4.12°(=X3)≦ε2≦19.1°(=X4)。(2−5)式および(2−6)式参照)内だけ進んでおり(−ε2)、かつ、短絡電流の位相が所定の第2の短絡電流角度範囲λ2(19.1°≦λ2≦79.1°)内だけ進んでいる(−λ2)場合に、S相−T相間の短絡事故と判定する。
2=[(103.94)2+(36.01×85/110)21/2
=107.6(V) ・・・(2−4)
3=cos-1(103.94/110)−cos-1(103.94/107.60)
=4.12(°) ・・・(2−5)
4=19.1−0
=19.1(°) ・・・(2−6)
(3)T相−R相間の短絡事故の場合
合成電圧VR-S-2Tの電圧値が所定の第3の合成電圧値K3=86.0V以下であり((2−7)式参照)、かつ、正常時の合成電圧VR-S-2Tの位相が19.1°であることを基準として短絡事故時の合成電圧VR-S-2Tの位相が所定の第3の合成電圧角度範囲ε3(3.09°(=X5)≦ε3≦79.1°(=X6)。(2−8)式および(2−9)式参照)内だけ進んでおり(−ε3)、かつ、短絡電流の位相が所定の第3の短絡電流角度範囲λ3(40.9°≦λ3≦100.9°)内だけ遅れている(+λ3)場合に、T相−R相間の短絡事故と判定する。
3=[(20.79)2+(108.02×85/110)21/2
=86.0(V) ・・・(2−7)
5=cos-1(20.79/110)−cos-1(20.79/86.02)
=3.09(°) ・・・(2−8)
6=60+19.1
=79.1(°) ・・・(2−9)
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合
合成電圧VR-S-2Tの電圧値が所定の第4の合成電圧値K4=85V(定格電圧の75〜80%)以下であり、かつ、正常時の合成電圧VR-S-2Tの位相が19.1°であることを基準として短絡事故時の合成電圧VR-S-2Tの位相が所定の第4の合成電圧角度範囲ε4(−3.09°(=−X5)≦ε4≦7.10°(=X1))内に入っており(すなわち、同位相であり)、かつ、短絡電流の位相が所定の第4の短絡電流角度範囲λ4(−19.1°≦λ4≦40.9°)内にある場合に、R相−S相−T相間の短絡事故と判定する。
(第5の事故様相判定方法)
図21に示す事故様相判定用変圧器120を母線に設置し、事故様相判定用変圧器120から出力される合成電圧VR-S+2Tの電圧値および位相と短絡電流の位相とに基づいて、以下のようにして事故様相を判定する。
ここで、事故様相判定用変圧器120の2次側は、R相の相電圧VRを極性方向で、S相の相電圧VSを反極性方向で、T相の相電圧VTを極性方向で2倍して合成するように結線されている。その結果、事故様相判定用変圧器120から出力される合成電圧VR-S+2Tは次式で表される。
R-S+2T=VR−VS+2VT
また、インピーダンス角θは通常75°であるが、短絡電流の位相角は、アーク抵抗を考慮して、30°(−45°)から短絡事故時の最大角である90°(+15°)とする。
(1)R相−S相間の短絡事故の場合
合成電圧VR-S+2Tの電圧値が所定の第5の合成電圧値K5=100.1V以下であり((3−1)式参照)、かつ、正常時の合成電圧VR-S+2Tの位相が280.9°であることを基準として短絡事故時の合成電圧VR-S+2Tの位相が所定の第5の合成電圧角度範囲ε5(7.10°(=X7)≦ε5≦40.9°(=X8)。(3−2)式および(3−3)式参照)内だけ進んでおり(−ε5)、かつ、短絡電流の位相が所定の第5の短絡電流角度範囲λ5(79.1°≦λ5≦139.1°)内だけ遅れている(+λ5)場合に、R相−S相間の短絡事故と判定する。
5=[(83.15)2+(72.01×85/110)21/2
=100.1(V) ・・・(3−1)
7=cos-1(83.15/110.0)−cos-1(83.15/110.05)
=7.10(°) ・・・(3−2)
8=280.9−240
=40.9(°) ・・・(3−3)
(2)S相−T相間の短絡事故の場合
合成電圧VR-S+2Tの電圧値が所定の第6の合成電圧値K6=86.0V以下であり((3−4)式参照)、かつ、正常時の合成電圧VR-S+2Tの位相が280.9°であることを基準として短絡事故時の合成電圧VR-S+2Tの位相が所定の第6の合成電圧角度範囲ε6(3.09°(=X9)≦ε6≦79.1°(=X10)。(3−5)式および(3−6)式参照)内だけ遅れており(+ε6)、かつ、短絡電流の位相が所定の第6の短絡電流角度範囲λ6(19.1°≦λ6≦79.1°)内だけ遅れている(+λ6)場合に、S相−T相間の短絡事故と判定する。
6=[(20.79)2+(108.02×85/110)21/2
=86.0(V) ・・・(3−4)
9=cos-1(20.79/110)−cos-1(20.79/86.02)
=3.09(°) ・・・(3−5)
10=360−280.9
=79.1(°) ・・・(3−6)
(3)T相−R相間の短絡事故の場合
合成電圧VR-S+2Tの電圧値が所定の第7の合成電圧値K7=107.6V以下であり((3−7)式参照)、かつ、正常時の合成電圧VR-S+2Tの位相が280.9°であることを基準として短絡事故時の合成電圧VR-S+2Tの位相が所定の第7の合成電圧角度範囲ε7(4.12°(=X11)≦ε7≦19.1°(=X12)。(3−8)式および(3−9)式参照)内だけ遅れており(+ε7)、かつ、短絡電流の位相が所定の第7の短絡電流角度範囲λ7(139.1°≦λ7≦199.1°)内だけ遅れている(+λ7)場合に、T相−R相間の短絡事故と判定する。
7=[103.942+(36.01×85/110)21/2
=107.6(V) ・・・(3−7)
11=cos-1(103.94/110)−cos-1(103.94/107.60)
=4.12(°) ・・・(3−8)
12=300−280.9
=19.1(°) ・・・(3−9)
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合
合成電圧VR-S+2Tの電圧値が所定の第8の合成電圧値K8=85V(定格電圧の75〜80%)以下であり、かつ、正常時の合成電圧VR-S+2Tの位相が280.9°であることを基準として短絡事故時の合成電圧VR-S+2Tの位相が所定の第8の合成電圧角度範囲ε8(−7.10°(=−X7)≦ε8≦3.09°(=X9))内に入っており(すなわち、同位相であり)、かつ、短絡電流の位相が所定の第8の短絡電流角度範囲λ8(79.1°≦λ8≦139.1°)内だけ遅れている(+λ8)場合に、R相−S相−T相間の短絡事故と判定する。
演算処理部は、事故様相判定結果がS相−T相間の短絡事故またはT相−R相間の短絡事故であることを示す場合には短絡電流を1倍とし、事故様相判定結果がR相−S相間の短絡事故であることを示す場合には短絡電流を1/2倍とし、事故様相判定結果がR相−S相−T相間の短絡事故であることを示す場合には短絡電流を1/31/2倍とする。また、演算処理部は、負荷電流Iを1/31/2倍とする。
演算処理部は、図8に示すように、線間電圧、相電圧または相・線間電圧(相電圧と線間電圧との組合せ)に基づいて事故様相を判定する事故様相判定回路71と、クロス貫通変流器から出力される短絡電流を1倍する第1の振幅調整回路721と、短絡電流を1/2倍する第2の振幅調整回路722と、負荷電流Iおよび短絡電流を1/31/2倍する第3の振幅調整回路723と、事故様相判定回路71から入力されるスイッチ制御信号SSWに応じて第1乃至第3の振幅調整回路721〜723の出力信号のうちのいずれか1つを選択する選択スイッチ73とで構成してもよい。
選択スイッチ73は、通常は、第3の振幅調整回路723の出力信号を選択するようにされている。これにより、短絡事故が発生していないときには、クロス貫通変流器から出力される負荷電流Iは、第3の振幅調整回路723において1/31/2倍されたのちに、選択スイッチ73を介して短絡保護継電器に入力される。
事故様相判定回路71は、「R相−S相間の短絡事故である」と判定すると、第2の振幅調整回路722の出力信号を選択スイッチ73に選択させるスイッチ制御信号SSWを出力する。これにより、R相−S相間の短絡事故が発生したときには、クロス貫通変流器から出力される短絡電流は、第2の振幅調整回路722において1/2倍されたのちに、選択スイッチ73を介して短絡保護継電器に入力される。
また、事故様相判定回路71は、「S相−T相間の短絡事故である」または「T相−R相間の短絡事故である」と判定すると、第1の振幅調整回路721の出力信号を選択スイッチ73に選択させるスイッチ制御信号SSWを出力する。これにより、S相−T相間の短絡事故またはT相−R相間の短絡事故が発生したときには、クロス貫通変流器から出力される短絡電流は、第1の振幅調整回路721において1倍されたのちに、選択スイッチ73を介して短絡保護継電器に入力される。
さらに、事故様相判定回路71は、「R相−S相−T相間の短絡事故である」と判定すると、第3の幅調整回路723の出力信号を選択スイッチ73に選択させるスイッチ制御信号SSWを出力する。これにより、R相−S相−T相間の短絡事故が発生した場合には、クロス貫通変流器から出力される短絡電流は、第3の振幅調整回路723において1/31/2倍されたのちに、選択スイッチ73を介して短絡保護継電器に入力される。
その結果、短絡電流の振幅を事故様相によらず同じにすることができるので、短絡保護継電器の検出感度および動作時間を同じにすることができる。
次に、本発明の第6の実施例による保護継電装置について、図9乃至図11を参照して説明する。
本実施例による保護継電装置は、図9に示すように、送配電線のR相およびS相がクロスするように貫通された第1のクロス貫通変流器101と、送配電線のR相およびT相がクロスするように貫通された第2のクロス貫通変流器102と、第1のクロス貫通変流器101から入力される第1の短絡電流IRy1に基づいて送配電線の短絡事故を検出すると、送配電線のR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する第1の過電流継電器41と、第2のクロス貫通変流器102から入力される第2の短絡電流IRy2に基づいて送配電線の短絡事故を検出すると、第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する第2の過電流継電器42とを具備する。
ここで、第1のクロス貫通変流器101は、2次コイルを巻装した環状鉄心に送配電線のR相およびS相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた貫通形変流器であり、第2のクロス貫通変流器102は、2次コイルを巻装した環状鉄心に送配電線のR相およびT相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた貫通形変流器である。
すなわち、送配電線のR相は第1のクロス貫通変流器101の極性方向に貫通されているが、送配電線のS相は第1のクロス貫通変流器101の反極性方向に貫通されている。同様に、送配電線のR相は第2のクロス貫通変流器102の極性方向に貫通されているが、送配電線のT相は第2のクロス貫通変流器102の反極性方向に貫通されている。
したがって、短絡事故が発生していないときに送配電線のR相、S相およびT相に流れる負荷電流をIR,IS,ITで表すと、図10に示すようにR相の負荷電流IRとS相の負荷電流ISとが120°の位相差で第1のクロス貫通変流器101の環状鉄心を逆向きに貫通して流れる(すなわち、R相の負荷電流IRは第1のクロス貫通変流器101を極性方向に貫通して流れ、S相の負荷電流ISは第1のクロス貫通変流器101を反極性方向に貫通して流れる)ため、第1のクロス貫通変流器101から第1の過電流継電器41に入力される第1の負荷電流I1はR相の負荷電流IRとS相の負荷電流ISとのベクトル差となり、第1の負荷電流I1の振幅はR相の負荷電流IR(S相の負荷電流IS)の振幅の31/2倍となる
1=IR−IS
|I1|=|IR−IS|=31/2×|IR|=31/2×|IS
同様に、図10に示すようにR相の負荷電流IRとT相の負荷電流ITとが120°の位相差で第2のクロス貫通変流器102の環状鉄心を逆向きに貫通して流れる(すなわち、R相の負荷電流IRは第2のクロス貫通変流器102を極性方向に貫通して流れ、T相の負荷電流ITは第2のクロス貫通変流器102を反極性方向に貫通して流れる)ため、第2のクロス貫通変流器102から第2の過電流継電器42に入力される第2の負荷電流I2はR相の負荷電流IRとT相の負荷電流ITとのベクトル差となり、第2の負荷電流I2の振幅はR相の負荷電流IR(T相の負荷電流IT)の振幅の31/2倍となる。
2=IR−IT
|I2|=|IR−IT|=31/2×|IR|=31/2×|IT
また、送配電線において短絡事故が発生したときに送配電線のR相、S相およびT相に流れる送配電線のR相、S相およびT相に流れる短絡電流をIFR,IFS,IFTで表すと、第1および第2の短絡電流IRy1,IRy2は、短絡電流IFR,IFS,IFTのインピーダンス角をθとすると、事故様相に応じて以下のように表される。
(1)R相−S相間の短絡事故の場合
R相−S相間の短絡事故が発生すると、図9に破線の矢印で示すように送配電線のR相にR相の短絡電流IFRが内部方向に流れ、送配電線のS相にS相の短絡電流IFSが外部方向に流れるが、送配電線のT相にはT相の短絡電流IFTが流れない。
したがって、第1のクロス貫通変流器101から第1の過電流継電器41に入力される第1の短絡電流IRy1は、図9に太矢印の実線で示すようにR相の短絡電流IFRとS相の短絡電流IFSとのベクトル差となり、第1の短絡電流IRy1の振幅はR相の短絡電流IFR(S相の短絡電流IFS)の振幅の2倍となる(図11(a)参照。なお、図11においては、送配電線の内部方向に流れる短絡電流IFR,IFS,IFTは実線の矢印で、送配電線の外部方向に流れる短絡電流IFR,IFS,IFTは一点鎖線の矢印で示している。)。
Ry1=IFR−IFS
|IRy1|=|IFR−IFS|=2×|IFR|=2×|IFS
また、第2のクロス貫通変流器102から第2の過電流継電器42に入力される第2の短絡電流IRy2は、図9に太矢印の破線で示すようにR相の短絡電流IFRとなり、第2の短絡電流IRy2の振幅はR相の短絡電流IFRの振幅となる(図11(a)参照)。
Ry2=IFR
|IRy2|=|IFR
(2)S相−T相間の短絡事故の場合
S相−T相間の短絡事故が発生すると、送配電線のS相にS相の短絡電流IFSが内部方向に流れ、送配電線のT相にT相の短絡電流IFTが外部方向に流れるが、送配電線のR相にはR相の短絡電流IFRが流れない。
したがって、第1のクロス貫通変流器101から第1の過電流継電器41に入力される第1の短絡電流IRy1は、極性が負のS相の短絡電流−IFSとなり、第1の短絡電流IRy1の振幅は、S相の短絡電流IFSの振幅となる(図11(b)参照)。
Ry1=−IFS
Ry1=IFS
|IRy1|=|IFS
また、第2のクロス貫通変流器102から第2の過電流継電器42に入力される第2の短絡電流IRy2は、極性が負のT相の短絡電流−IFTとなり、第2の短絡電流IRy2の振幅はT相の短絡電流IFTの振幅となる(図11(b)参照)。
Ry2=−IFT
|IRy2|=|IFT
(3)T相−R相間の短絡事故の場合
T相−R相間の短絡事故が発生すると、送配電線のT相にT相の短絡電流IFTが内部方向に流れ、送配電線のR相にR相の短絡電流IFRが外部方向に流れるが、送配電線のS相にはS相の短絡電流IFSが流れない。
したがって、第1のクロス貫通変流器101から第1の過電流継電器41に入力される第1の短絡電流IRy1はR相の短絡電流IFRとなり、第1の短絡電流IRy1の振幅はR相の短絡電流IFRの振幅となる(図11(c)参照)。
Ry1=IFR
|IRy1|=|IFR
また、第2のクロス貫通変流器102から第2の過電流継電器42に入力される第2の短絡電流IRy2はR相の短絡電流IFRとT相の短絡電流IFTとのベクトル差となり、第2の短絡電流IRy2の振幅はR相の短絡電流IFR(T相の短絡電流IFT)の振幅の2倍となる(図11(c)参照)。
Ry2=IFR−IFT
|IRy2|=|IFR−IFT|=2×|IFR|=2×|IFT
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合
R相−S相−T相間の短絡事故が発生すると、送配電線のR相、S相およびT相にR相の短絡電流IFR、S相の短絡電流IFSおよびT相の短絡電流IFTが位相差120°で内部方向にそれぞれ流れる。
したがって、第1のクロス貫通変流器101から第1の過電流継電器41に入力される第1の短絡電流IRy1はR相の短絡電流IFRとS相の短絡電流IFSとのベクトル差となり、第1の短絡電流IRy1の振幅はR相の短絡電流IFR(S相の短絡電流IFS)の振幅の31/2倍となる(図11(d)参照)。
Ry1=IFR−IFS
|IRy1|=|IFR−IFS|=31/2×|IFR|=31/2×|IFS
また、第2のクロス貫通変流器102から第2の過電流継電器42に入力される第2の短絡電流IRy2はR相の短絡電流IFRとT相の短絡電流IFTとのベクトル差となり、第2の短絡電流IRy2の振幅はR相の短絡電流IFR(T相の短絡電流IFT)の振幅の31/2倍となる(図11(d)参照)。
Ry2=IFR−IFT
|IRy2|=|IFR−IFT|=31/2×|IFR|=31/2×|IFT
第1の過電流継電器41は、第1の短絡電流IRy1の振幅が電流整定値を超えた場合には、送配電線に短絡事故が発生したと判定して、第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
また、第2の過電流継電器42は、第2の短絡電流IRy2の振幅が電流整定値を超えた場合には、送配電線に短絡事故が発生したと判定して、第1乃至第3の遮断器21〜23を一括遮断する。
なお、第1のクロス貫通変流器101には送配電線のR相およびS相をクロスさせて貫通させるとともに第2のクロス貫通変流器102には送配電線のR相およびT相をクロスさせて貫通させたが、第1および第2のクロス貫通変流器101,102にクロスさせて貫通させる送配電線の2相は他の組合せでもよい。
次に、本発明の第7の実施例による保護継電装置について、図12を参照して説明する。
本実施例による保護継電装置は、図12に示すように、変圧器5の1次側のR相およびS相がクロスするように貫通された第1のクロス貫通変流器101と、変圧器5の2次側のR相およびS相がクロスするように貫通された第2のクロス貫通変流器102と、変圧器5の1次側のR相およびT相がクロスするように貫通された第3のクロス貫通変流器103と、変圧器5の2次側のR相およびT相がクロスするように貫通された第4のクロス貫通変流器104と、第1のクロス貫通変流器101から入力される短絡電流と第2のクロス貫通変流器102から入力される短絡電流との差電流(以下、「第1の短絡電流IRy1」と称する。)に基づいて変圧器5内部の短絡事故を検出すると、変圧器5の1次側のR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器21〜23と変圧器5の2次側のR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第4乃至第6の遮断器24〜26とを一括遮断する第1の電流差動継電器201と、第3のクロス貫通変流器103から入力される短絡電流と第4のクロス貫通変流器104から入力される短絡電流との差電流(以下、「第2の短絡電流IRy2」と称する。)に基づいて変圧器5内部での短絡事故を検出すると、第1乃至第6の遮断器21〜26を一括遮断する第2の電流差動継電器202とを具備する。
ここで、第1および第2のクロス貫通変流器101,102は、2次コイルを巻装した環状鉄心に送配電線のR相およびS相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた貫通形変流器であり、第3および第4のクロス貫通変流器103,104は、2次コイルを巻装した環状鉄心に送配電線のR相およびT相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた貫通形変流器である。
すなわち、送配電線のR相は第1のクロス貫通変流器101の極性方向に貫通されているが、送配電線のS相は第1のクロス貫通変流器101の反極性方向に貫通されている。
第2のクロス貫通変流器102についても同様であるが、第2のクロス貫通変流器102から第1の電流差動継電器201に入力される短絡電流の極性が第1のクロス貫通変流器101から第1の電流差動継電器201に入力される短絡電流の極性と逆となるように、第2のクロス貫通変流器102は第1の電流差動継電器201に接続されている。
また、送配電線のR相は第3のクロス貫通変流器103の極性方向に貫通されているが、送配電線のS相は第3のクロス貫通変流器103の反極性方向に貫通されている。
第4のクロス貫通変流器104についても同様であるが、第4のクロス貫通変流器104から第2の電流差動継電器202に入力される短絡電流の極性が第3のクロス貫通変流器103から第2の電流差動継電器202に入力される短絡電流の極性と逆となるように、第4のクロス貫通変流器104は第2の電流差動継電器202に接続されている。
したがって、変圧器5内部において短絡事故が発生していないときに変圧器5の1次側(送電端)のR相、S相およびT相に流れる1次負荷電流をI1R,I1S,I1Tで表し、変圧器5の2次側(受電端)のR相、S相およびT相に流れる2次負荷電流をI2R,I2S,I2Tで表すと、R相の1次負荷電流I1RとS相の1次負荷電流I1Sとは120°の位相差で第1のクロス貫通変流器101の環状鉄心を逆向きに貫通して流れ(すなわち、R相の1次負荷電流I1Rは第1のクロス貫通変流器101を極性方向に貫通して流れ、S相の1次負荷電流I1Sは第1のクロス貫通変流器101を反極性方向に貫通して流れ)、R相の2次負荷電流I2RとS相の2次負荷電流I2Sとは120°の位相差で第2のクロス貫通変流器102の環状鉄心を逆向きに貫通して流れる(すなわち、R相の2次負荷電流I2Rは第2のクロス貫通変流器102を極性方向に貫通して流れ、S相の2次負荷電流I1Sは第2のクロス貫通変流器102を反極性方向に貫通して流れる。)(図10参照)。
そのため、第1のクロス貫通変流器101から第1の電流差動継電器201に入力される第1の1次負荷電流i11は、上述した第2の実施例による電流差動継電器20における場合と同様にして、R相の1次負荷電流I1RとS相の1次負荷電流I1Sとのベクトル差となり、第1の1次負荷電流i11の振幅はR相の1次負荷電流I1R(S相の1次負荷電流I1S)の振幅の31/2倍となる。同様に、第2のクロス貫通変流器102から第1の電流差動継電器201に入力される第1の2次負荷電流i21は、R相の2次負荷電流I2RとS相の2次負荷電流I2Sとのベクトル差(極性は負)となり、第1の2次負荷電流i21の振幅はR相の2次負荷電流I2R(S相の2次負荷電流I2S)の振幅の31/2倍となる。
11=I1R−I1S
|i11|=|I1R−I1S|=31/2×|I1R|=31/2×|I1S
21=−(I2R−I2S
|i21|=|I2R−I2S|=31/2×|I2R|=31/2×|I2S
その結果、第1の電流差動継電器201に入力される第1の負荷電流I1は、第1の1次負荷電流i11と第1の2次負荷電流i21とのベクトル和で表され、第1の負荷電流I1の振幅は“0”(|I1|=|i11+i21|=0)となる。
同様にして、R相の1次負荷電流I1RとT相の1次負荷電流I1Tとは120°の位相差で第3のクロス貫通変流器103の環状鉄心を逆向きに貫通して流れ、R相の2次負荷電流I2RとT相の2次負荷電流I2Tとは120°の位相差で第4のクロス貫通変流器104の環状鉄心を逆向きに貫通して流れる(図10参照)。
そのため、第3のクロス貫通変流器103から第2の電流差動継電器202に入力される第2の1次負荷電流i12は、R相の1次負荷電流I1RとT相の1次負荷電流I1Tとのベクトル差となり、第2の1次負荷電流i12の振幅はR相の1次負荷電流I1R(T相の1次負荷電流I1T)の振幅の31/2倍となる。同様に、第4のクロス貫通変流器104から第2の電流差動継電器202に入力される第2の2次負荷電流i22は、R相の2次負荷電流I2RとT相の2次負荷電流I2Tとのベクトル差(極性は負)となり、第2の2次負荷電流i22の振幅はR相の2次負荷電流I2R(T相の2次負荷電流I2T)の振幅の31/2倍となる。
12=I1R−I1T
|i12|=|I1R−I1T|=31/2×|I1R|=31/2×|I1T
22=−(I2R−I2T
|i22|=|I2R−I2T|=31/2×|I2R|=31/2×|I2T
その結果、第2の電流差動継電器202に入力される第2の負荷電流I2は、第2の1次負荷電流i12と第2の2次負荷電流i22とのベクトル和で表され、第2の負荷電流I2の振幅は“0”(|I2|=|i12+i22|=0)となる。
また、たとえば変圧器5内部の1次側において短絡事故が発生したときに変圧器5の1次側のR相、S相およびT相に流れる短絡電流をIFR,IFS,IFTで表すと、第1の短絡電流IRy1(第1のクロス貫通変流器101から入力される短絡電流と第2のクロス貫通変流器102から入力される短絡電流との差電流)と第2の短絡電流IRy2(第3のクロス貫通変流器103から入力される短絡電流と第4のクロス貫通変流器104から入力される短絡電流との差電流)とは、上述した第6の実施例による第1および第2の過電流継電器41,42における場合と同様にして、事故様相に応じて以下のように表される。
(1)R相−S相間の短絡事故の場合
Ry1=IFR−IFS
|IRy1|=2×|IFR|=2×|IFS
Ry2=IFR
|IRy2|=|IFR
(2)S相−T相間の短絡事故の場合
Ry1=−IFS
|IRy1|=|IFS
Ry2=−IFT
|IRy2|=|IFT
(3)T相−R相間の短絡事故の場合
Ry1=IFR
|IRy1|=|IFR
Ry2=IFR−IFT
|IRy2|=2×|IFR|=2×|IFT
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合
Ry1=IFR−IFS
|IRy1|=31/2×|IFR|=31/2×|IFS
Ry2=IFR−IFT
|IRy2|=31/2×|IFR|=31/2×|IFT
第1の電流差動継電器201は、第1の短絡電流IRy1の振幅が電流整定値を超えた場合には、変圧器5内部において短絡事故が発生したと判定して、第1乃至第6の遮断器21〜26を一括遮断する。
また、第2の電流差動継電器202は、第2の短絡電流IRy2の振幅が電流整定値を超えた場合には、変圧器5内部において短絡事故が発生したと判定して、第1乃至第6の遮断器21〜26を一括遮断する。
なお、第1および第2のクロス貫通変流器101,102には送配電線のR相およびS相をクロスさせて貫通させるとともに第3および第4のクロス貫通変流器103,104には送配電線のR相およびT相をクロスさせて貫通させたが、第1乃至第4のクロス貫通変流器101〜104にクロスさせて貫通させる送配電線の2相は他の組合せでもよい。
次に、本発明の第8の実施例による保護継電装置について、図13を参照して説明する。
本実施例による保護継電装置は、構内における短絡事故から第1および第2の送配電線1L,2Lを保護するための受電保護継電装置であり、図13に示すように、第1の送配電線1LのR相およびS相がクロスするように貫通された第1のクロス貫通変流器101と、第2の送配電線2LのR相およびS相がクロスするように貫通された第2のクロス貫通変流器102と、第1の送配電線1LのR相およびT相がクロスするように貫通された第3のクロス貫通変流器103と、第2の送配電線2LのR相およびT相がクロスするように貫通された第4のクロス貫通変流器104と、第1のクロス貫通変流器101から入力される短絡電流と第2のクロス貫通変流器102から入力される短絡電流との和電流(以下、「第1の短絡電流IRy1」と称する。)に基づいて構内での短絡事故を検出すると、第1の送配電線1LのR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器21〜23と第2の送配電線2LのR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第4乃至第6の遮断器24〜26とを一括遮断する第1の過電流継電器301と、第3のクロス貫通変流器103から入力される短絡電流と第4のクロス貫通変流器104から入力される短絡電流との和電流(以下、「第2の短絡電流IRy2」と称する。)に基づいて構内での短絡事故を検出すると、第1乃至第6の遮断器21〜26を一括遮断する第2の過電流継電器302とを具備する。
ここで、第1および第2のクロス貫通変流器101,102は、2次コイルを巻装した環状鉄心に第1および第2の送配電線1L,2LのR相およびS相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた貫通形変流器であり、第3および第4のクロス貫通変流器103,104は、2次コイルを巻装した環状鉄心に第1および第2の送配電線1L,2LのR相およびT相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた貫通形変流器である。
すなわち、第1および第2の送配電線1L,2LのR相は第1および第2のクロス貫通変流器101,102の極性方向にそれぞれ貫通されているが、第1および第2の送配電線1L,2LのS相は第1および第2のクロス貫通変流器101,102の反極性方向にそれぞれ貫通されている。同様に、第1および第2の送配電線1L,2LのR相は第3および第4のクロス貫通変流器103,104の極性方向にそれぞれ貫通されているが、第1および第2の送配電線1L,2LのT相は第3および第4のクロス貫通変流器103,10の反極性方向にそれぞれ貫通されている。
したがって、構内において短絡事故が発生していないときに第1および第2の送配電線1L,2LのR相、S相およびT相に流れる負荷電流をIR,IS,ITで表すと、R相の負荷電流IRとS相の負荷電流ISとは120°の位相差で第1および第2のクロス貫通変流器101,102の環状鉄心を逆向きに貫通して流れるため、第1および第2のクロス貫通変流器101,102から第1の過電流継電器301に入力される第1の負荷電流I1は、R相の負荷電流IRとS相の負荷電流ISとのベクトル差となり、第1の負荷電流I1の振幅はR相の負荷電流IR(S相の負荷電流IS)の振幅の31/2倍となる。
1=IR−IS
|I1|=31/2×|IR|=31/2×|IS
同様にして、R相の負荷電流IRとT相の負荷電流ITとは120°の位相差で第3および第4のクロス貫通変流器103,104の環状鉄心を逆向きに貫通して流れるため、第3および第4のクロス貫通変流器103,104から第2の過電流継電器302に入力される第2の負荷電流I2は、R相と負荷電流IRとT相との負荷電流ITとのベクトル差となり、第2の負荷電流I2の振幅はR相の負荷電流IR(T相の負荷電流IT)の振幅の31/2倍となる。
2=IR−IT
|I2|=31/2×|IR|=31/2×|IT
また、構内において短絡事故が発生したときに第1および第2の送配電線1L,2LのR相、S相およびT相に流れる短絡電流をIFR,IFS,IFTで表すと、第1の短絡電流IRy1(第1のクロス貫通変流器101から第1の過電流継電器301に入力される短絡電流と第2のクロス貫通変流器102から第2の過電流継電器42に入力される短絡電流との和電流)と第2の短絡電流IRy2(第3のクロス貫通変流器103から第2の過電流継電器302に入力される短絡電流と第4のクロス貫通変流器104から第4の過電流継電器44に入力される短絡電流との和電流)とは、上述した第6の実施例による第1および第2の過電流継電器41,42における場合と同様にして、事故様相に応じて以下のように表される。
(1)R相−S相間の短絡事故の場合
Ry1=IFR−IFS
|IRy1|=2×|IFR|=2×|IFS
Ry2=IFR
|IRy2|=|IFR
(2)S相−T相間の短絡事故の場合
Ry1=−IFS
|IRy1|=|IFS
Ry2=−IFT
|IRy2|=|IFT
(3)T相−R相間の短絡事故の場合
Ry1=IFR
|IRy1|=|IFR
Ry2=IFR−IFT
|IRy2|=2×|IFR|=2×|IFT
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合
Ry1=IFR−IFS
|IRy1|=31/2×|IFR|=31/2×|IFS
Ry2=IFR−IFT
|IRy2|=31/2×|IFR|=31/2×|IFT
第1の過電流継電器301は、第1の短絡電流IRy1の振幅が電流整定値を超えた場合には、構内において短絡事故が発生したと判定して、第1乃至第6の遮断器21〜26を一括遮断する。
また、第2の過電流継電器302は、第2の短絡電流IRy2の振幅が電流整定値を超えた場合には、構内において短絡事故が発生したと判定して、第1乃至第6の遮断器21〜26を一括遮断する。
なお、第1および第2のクロス貫通変流器101,102には第1および第2の送配電線1L,2LのR相およびS相をクロスさせて貫通させるとともに第3および第4のクロス貫通変流器103,104には第1および第2の送配電線1L,2LのR相およびT相をクロスさせて貫通させたが、第1乃至第4のクロス貫通変流器101〜104にクロスさせて貫通させる第1および第2の送配電線1L,2Lの2相は他の組合せでもよい。
次に、本発明の第9の実施例による保護継電装置について、図14を参照して説明する。
本実施例による保護継電装置は、構内における短絡事故から第1および第2の送配電線1L,2Lを保護するための分割受電保護継電装置であり、図14に示すように、第1の母線から分岐された第1の送配電線1LのR相およびS相がクロスするように貫通された第1のクロス貫通変流器101と、第2の母線から分岐された第2の送配電線2LのR相およびS相がクロスするように貫通された第2のクロス貫通変流器102と、第1の母線のR相およびS相がクロスするように貫通された第3のクロス貫通変流器103と、第1の送配電線1LのR相およびT相がクロスするように貫通された第4のクロス貫通変流器104と、第2の送配電線2LのR相およびT相がクロスするように貫通された第5のクロス貫通変流器105と、第1の母線のR相およびT相がクロスするように貫通された第6のクロス貫通変流器106と、第1のクロス貫通変流器101から入力される短絡電流と第3のクロス貫通変流器103から入力される短絡電流との差電流(以下、「第1の短絡電流IRy1」と称する。)に基づいて構内での短絡事故を検出すると、第1の送配電線1LのR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器21〜23と第1および第2の母線のR相、S相およびT相の間にそれぞれ設置された第7乃至第9の遮断器27〜29(母線連絡遮断器)とを一括遮断する第1の過電流継電器401と、第2のクロス貫通変流器102から入力される短絡電流と第3のクロス貫通変流器103から入力される短絡電流との差電流(以下、「第1の短絡電流IRy1」と称する。)に基づいて構内での短絡事故を検出すると、第2の送配電線2LのR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第4乃至第6の遮断器24〜26と第7乃至第9の遮断器27〜29とを一括遮断する第2の過電流継電器402と、第4のクロス貫通変流器104から入力される短絡電流と第6のクロス貫通変流器106から入力される短絡電流との差電流(以下、「第2の短絡電流IRy2」と称する。)に基づいて構内での短絡事故を検出すると、第1乃至第3の遮断器21〜23と第7乃至第9の遮断器27〜29とを一括遮断する第3の過電流継電器403と、第5のクロス貫通変流器105から入力される短絡電流と第6のクロス貫通変流器106から入力される短絡電流との差電流(以下、「第2の短絡電流IRy2」と称する。)に基づいて構内での短絡事故を検出すると、第4乃至第6の遮断器24〜26と第7乃至第9の遮断器27〜29とを一括遮断する第4の過電流継電器404とを具備する。
ここで、第1乃至第3のクロス貫通変流器101〜103は、2次コイルを巻装した環状鉄心に第1および第2の送配電線1L,2Lと第1の母線のR相およびS相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた貫通形変流器であり、第4乃至第6のクロス貫通変流器104〜106は、2次コイルを巻装した環状鉄心に第1および第2の送配電線1L,2Lと第1の母線のR相およびT相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた貫通形変流器である。
すなわち、上述した第6乃至第8の実施例と同様に、第1および第2の送配電線1L,2Lと第1の母線のR相は第1乃至第3のクロス貫通変流器101〜103の極性方向にそれぞれ貫通されているが、第1および第2の送配電線1L,2Lと第1の母線のS相は第1乃至第3のクロス貫通変流器101〜103の反極性方向にそれぞれ貫通されている。同様に、第1および第2の送配電線1L,2Lと第1の母線のR相は第4乃至第6のクロス貫通変流器104〜106の極性方向にそれぞれ貫通されているが、第1および第2の送配電線1L,2Lと第1の母線のT相は第4乃至第6のクロス貫通変流器104〜106の反極性方向にそれぞれ貫通されている。
したがって、構内において短絡事故が発生していないときに第1および第2の母線と第1および第2の送配電線1L,2LのR相、S相およびT相に流れる負荷電流をIR,IS,ITで表すと、R相の負荷電流IRとS相の負荷電流ISとが120°の位相差で第1乃至第3のクロス貫通変流器101〜103の環状鉄心を逆向きに貫通して流れるため、第1乃至第3のクロス貫通変流器101〜103から第1および第2の過電流継電器401,402に入力される第1の負荷電流I1は、R相の負荷電流IRとS相の負荷電流ISとのベクトル差となり、第1の負荷電流I1の振幅はR相の負荷電流IR(S相の負荷電流IS)の振幅の31/2倍となる。
1=IR−IS
|I1|=31/2×|IR|=31/2×|IS
同様にして、R相の負荷電流IRとT相の負荷電流ITとは120°の位相差で第4乃至第6のクロス貫通変流器104〜106の環状鉄心を逆向きに貫通して流れるため、第4乃至第6のクロス貫通変流器104〜106から第3および第4の過電流継電器403,404に入力される第2の負荷電流I2は、R相の負荷電流IRとT相の負荷電流ITとのベクトル差となり、第2の負荷電流I2の振幅はR相の負荷電流IR(T相の負荷電流IT)の振幅の31/2倍となる。
2=IR−IT
|I2|=31/2×|IR|=31/2×|IT
また、構内において短絡事故が発生したときに第1および第2の母線と第1および第2の送配電線1L,2LのR相、S相およびT相に流れる短絡電流をIFR,IFS,IFTで表すと、第1の短絡電流IRy1(第1のクロス貫通変流器101から第1の過電流継電器401に入力される短絡電流と第3のクロス貫通変流器103から第1の過電流継電器401に入力される短絡電流との差電流、および第2のクロス貫通変流器102から第2の過電流継電器402に入力される短絡電流と第3のクロス貫通変流器103から第2の過電流継電器402に入力される短絡電流との差電流)と第2の短絡電流IRy2(第4のクロス貫通変流器104から第1の過電流継電器401に入力される短絡電流と第6のクロス貫通変流器106から第3の過電流継電器403に入力される短絡電流との差電流、および第5のクロス貫通変流器105から第4の過電流継電器404に入力される短絡電流と第6のクロス貫通変流器106から第4の過電流継電器404に入力される短絡電流との差電流)は、上述した第6の実施例による第1および第2の過電流継電器41,42の場合と同様にして、事故様相に応じて以下のように表される。
(1)R相−S相間の短絡事故の場合
Ry1=IFR−IFS
|IRy1|=2×|IFR|=2×|IFS
Ry2=IFR
|IRy2|=|IFR
(2)S相−T相間の短絡事故の場合
Ry1=−IFS
|IRy1|=|IFS
Ry2=−IFT
|IRy2|=|IFT
(3)T相−R相間の短絡事故の場合
Ry1=IFR
|IRy1|=|IFR
Ry2=IFR−IFT
|IRy2|=2×|IFR|=2×|IFT
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合
Ry1=IFR−IFS
|IRy1|=31/2×|IFR|=31/2×|IFS
Ry2=IFR−IFT
|IRy2|=31/2×|IFR|=31/2×|IFT
第1の過電流継電器401は、第1の短絡電流IRy1の振幅が電流整定値を超えた場合には、構内において短絡事故が発生したと判定して、第1乃至第3の遮断器21〜23と第7乃至第9の遮断器27〜29とを一括遮断し、第2の過電流継電器402は、第1の短絡電流IRy1の振幅が電流整定値を超えた場合には、構内において短絡事故が発生したと判定して、第4乃至第6の遮断器24〜26と第7乃至第9の遮断器27〜29とを一括遮断する。
また、第3の過電流継電器403は、第2の短絡電流IRy2の振幅が電流整定値を超えた場合には、構内において短絡事故が発生したと判定して、第1乃至第3の遮断器21〜23と第7乃至第9の遮断器27〜29とを一括遮断し、第4の過電流継電器404は、第2の短絡電流IRy2の振幅が電流整定値を超えた場合には、構内において短絡事故が発生したと判定して、第4乃至第6の遮断器24〜26と第7乃至第9の遮断器27〜29とを一括遮断する。
なお、第1乃至第3のクロス貫通変流器101〜103には第1および第2の送配電線1L,2L第1の母線とのR相およびS相をクロスさせて貫通させるとともに第4乃至第6のクロス貫通変流器104〜106には第1および第2の送配電線1L,2L第1の母線とのR相およびT相をクロスさせて貫通させたが、第1乃至第6のクロス貫通変流器101〜106にクロスさせて貫通させる第1および第2の送配電線1L,2L第1の母線との2相は他の組合せでもよい。
次に、本発明の第10の実施例による保護継電装置について、図15を参照して説明する。
本実施例による保護継電装置は、図15に示すように、電源端母線側の送配電線のR相およびS相がクロスするように貫通された第1のクロス貫通変流器101と、受電端母線側の送配電線のR相およびS相がクロスするように貫通された第2のクロス貫通変流器102と、電源端母線側の送配電線のR相およびT相がクロスするように貫通された第3のクロス貫通変流器103と、受電端母線側の送配電線のR相およびT相がクロスするように貫通された第4のクロス貫通変流器104と、第1のクロス貫通変流器101によって検出された短絡電流と第2のクロス貫通変流器102によって検出された短絡電流との差電流(以下、「第1の短絡電流IRy1」と称する。)に基づいて送配電線における短絡事故を検出すると、電源端母線側の送配電線のR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第1乃至第3の遮断器21〜23と受電端母線側の送配電線のR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第4乃至第6の遮断器24〜26とをそれぞれ一括遮断する第1および第2のパルス符号変調電流差動継電器601,602(以下、「第1および第2のPCM電流差動継電器601,602」と称する。)と、第3のクロス貫通変流器103によって検出された短絡電流と第4のクロス貫通変流器104によって検出された短絡電流との差電流(以下、「第2の短絡電流IRy2」と称する。)に基づいて送配電線における短絡事故を検出すると、第1乃至第3の遮断器21〜23と第4乃至第6の遮断器24〜26とをそれぞれ一括遮断する第3および第4のパルス符号変調電流差動継電器603,604(以下、「第3および第4のPCM電流差動継電器603,604」と称する。)とを具備する。
なお、第1のPCM電流差動継電器601と第2のPCM電流差動継電器602とは、通信網を介して短絡電流を送受信し、第3のパルス符号変調電流差動継電器603と第4のパルス符号変調電流差動継電器604とは、通信網を介して短絡電流を送受信する。
ここで、第1および第2のクロス貫通変流器101,102は、2次コイルを巻装した環状鉄心に送配電線のR相およびS相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた貫通形変流器であり、第3および第4のクロス貫通変流器103,104は、2次コイルを巻装した環状鉄心に送配電線のR相およびT相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させた貫通形変流器である。
すなわち、上述した第6乃至第10の実施例と同様に、送配電線のR相は第1および第2のクロス貫通変流器101,102の極性方向にそれぞれ貫通されているが、送配電線のS相は第1および第2のクロス貫通変流器101,102の反極性方向にそれぞれ貫通されている。同様に、送配電線のR相は第3および第4のクロス貫通変流器103,104の極性方向にそれぞれ貫通されているが、送配電線のT相は第3および第4のクロス貫通変流器103,104の反極性方向にそれぞれ貫通されている。
また、第2のクロス貫通変流器102は、第2のクロス貫通変流器102から第2のPCM電流差動継電器602に入力される短絡電流の極性が第1のクロス貫通変流器101から第1のPCM電流差動継電器601に入力される短絡電流の極性と逆となるように、第2のPCM電流差動継電器602に接続されている。同様に、第4のクロス貫通変流器104は、第4のクロス貫通変流器104から第4のPCM電流差動継電器604に入力される短絡電流の極性が第3のクロス貫通変流器103から第3のPCM電流差動継電器603に入力される短絡電流の極性と逆となるように、第4のPCM電流差動継電器604に接続されている。
したがって、送配電線において短絡事故が発生していないときに送配電線の送電端のR相、S相およびT相に流れる送電端負荷電流をIaR,IaS,IaTで表し、送配電線の受電端のR相、S相およびT相に流れる受電端負荷電流をIbR,IbS,IbTで表すと、R相の送電端負荷電流IaRとS相の送電端負荷電流IaSとは120°の位相差で第1のクロス貫通変流器101の環状鉄心を逆向きに貫通して流れ、R相の受電端負荷電流IbRとS相の受電端負荷電流IbSとは120°の位相差で第2のクロス貫通変流器102の環状鉄心を逆向きに貫通して流れる(図10参照)。
そのため、第1のクロス貫通変流器101から第1のPCM電流差動継電器601に入力される第1の送電端負荷電流Ia1は、上述した第5の実施例による第1のPCM電流差動継電器601における場合と同様にして、R相の送電端負荷電流IaRとS相の送電端負荷電流IaSのベクトル差となり、第1の送電端負荷電流Ia1の振幅はR相の送電端負荷電流IaR(S相の送電端負荷電流IaS)の振幅の31/2倍となる。同様に、第2のクロス貫通変流器102から第2のPCM電流差動継電器602に入力される第1の受電端負荷電流Ib1は、R相の受電端負荷電流IbRとS相の受電端負荷電流IbSとのベクトル差(極性は負)となり、第1の受電端負荷電流Ib1の振幅はR相の受電端負荷電流IbR(S相の受電端負荷電流IbS)の振幅の31/2倍となる。
a1=IaR−IaS
|Ia1|=|IaR−IaS|=31/2×|IaR|=31/2×|IaS
b1=−(IbR−IbS
|Ib1|=|IbR−IbS|=31/2×|IbR|=31/2×|IbS
その結果、第1および第2のPCM電流差動継電器601,602に入力される第1の負荷電流I1は、第1の送電端負荷電流Ia1と第1の受電端負荷電流Ib1とのベクトル和で表され、第1の負荷電流I1の振幅は“0”(|I1|=|Ia1+Ib1|=0)となる。
同様に、R相の送電端負荷電流IaRとT相の送電端負荷電流IaTとは120°の位相差で第3のクロス貫通変流器103の環状鉄心を逆向きに貫通して流れ、R相の受電端負荷電流IbRとT相の受電端負荷電流IbTとは120°の位相差で第4のクロス貫通変流器104の環状鉄心を逆向きに貫通して流れる(図10参照)。
そのため、第3のクロス貫通変流器103から第3のPCM電流差動継電器603に入力される第2の送電端負荷電流Ia2は、R相の送電端負荷電流IaRとT相の送電端負荷電流IaTのベクトル差となり、第2の送電端負荷電流Ia2の振幅はR相の送電端負荷電流IaR(T相の送電端負荷電流IaT)の振幅の31/2倍となる。同様に、第4のクロス貫通変流器104から第4のPCM電流差動継電器604に入力される第2の受電端負荷電流Ib2は、R相の受電端負荷電流IbRとT相の受電端負荷電流IbTとのベクトル差(極性は負)となり、第2の受電端負荷電流Ib2の振幅はR相の受電端負荷電流IbR(T相の受電端負荷電流IbT)の振幅の31/2倍となる。
a2=IaR−IaT
|Ia2|=|IaR−IaT|=31/2×|IaR|=31/2×|IaT
b2=−(IbR−IbT
|Ib2|=|IbR−IbT|=31/2×|IbR|=31/2×|IbT
その結果、第3および第4のPCM電流差動継電器603,604に入力される第2の負荷電流I2は、第2の送電端負荷電流Ia2と第2の受電端負荷電流Ib2とのベクトル和で表され、第2の負荷電流I2の振幅は“0”(|I2|=|Ia2+Ib2|=0)となる。
また、送電線において短絡事故が発生したときに送配電線のR相、S相およびT相に流れる短絡電流をIFR,IFS,IFTで表すと、第1の短絡電流IRy1(第1のクロス貫通変流器101によって検出された短絡電流と第2のクロス貫通変流器102によって検出された短絡電流との差電流)と第2の短絡電流IRy2(第3のクロス貫通変流器103によって検出された短絡電流と第4のクロス貫通変流器104によって検出された短絡電流との差電流)は、上述した第5の実施例による第1および第2のPCM過電流継電器601,602と第6の実施例による第1および第2の過電流継電器41,42の場合と同様にして、事故様相に応じて以下のように表される。
(1)R相−S相間の短絡事故の場合
Ry1=IFR−IFS
|IRy1|=2×|IFR|=2×|IFS
Ry2=IFR
|IRy2|=|IFR
(2)S相−T相間の短絡事故の場合
Ry1=−IFS
|IRy1|=|IFS
Ry2=−IFT
|IRy2|=|IFT
(3)T相−R相間の短絡事故の場合
Ry1=IFR
|IRy1|=|IFR
Ry2=IFR−IFT
|IRy2|=2×|IFR|=2×|IFT
(4)R相−S相−T相間の短絡事故の場合
Ry1=IFR−IFS
|IRy1|=31/2×|IFR|=31/2×|IFS
Ry2=IFR−IFT
|IRy2|=31/2×|IFR|=31/2×|IFT
第1および第2のPCM電流差動継電器601,602は、第1の短絡電流IRy1の振幅が電流整定値を超えた場合には、送配電線において短絡事故が発生したと判定して、第1乃至第6の遮断器21〜26を一括遮断する。
また、第3および第4のPCM電流差動継電器603,604は、第2の短絡電流IRy2の振幅が電流整定値を超えた場合には、送配電線において短絡事故が発生したと判定して、第1乃至第6の遮断器21〜26を一括遮断する。
なお、第1および第2のクロス貫通変流器101,102には送配電線のR相およびS相をクロスさせて貫通させるとともに第3および第4のクロス貫通変流器103〜104には送配電線のR相およびT相をクロスさせて貫通させたが、第1乃至第4のクロス貫通変流器101〜104にクロスさせて貫通させる送配電線の2相は他の組合せでもよい。
以上説明したように、第6乃至第10の実施例では、本発明によるクロス貫通変流器(図9に示した第1および第2のクロス貫通変流器101,102など)を用いることにより、変流器および短絡保護継電器(図9に示した第1および第2の過電流継電器41,42など)の設置台数を更に削減することができるが、第1および第2の短絡電流IRy1,IRyの振幅が事故様相によって異なる。
すなわち、R相−S相間の短絡事故における第1の短絡電流IRy1の振幅は、S相−T相間の短絡事故およびT相−R相間の短絡事故における第1の短絡電流IRy1の振幅の2倍となり、R相−S相−T相間の短絡事故における第1の短絡電流IRy1の振幅は、S相−T相間の短絡事故およびT相−R相間の短絡事故における第1の短絡電流IRy1の振幅の31/2倍となる。
また、T相−R相間の短絡事故における第2の短絡電流IRy2の振幅は、R相−S相間の短絡事故およびS相−T相間の短絡事故における第2の短絡電流IRy2の振幅の2倍となり、R相−S相−T相間の短絡事故における第2の短絡電流IRy2の振幅は、R相−S相間の短絡事故およびS相−T相間の短絡事故における第2の短絡電流IRy2の振幅の31/2倍となる。
そのため、短絡保護継電器の検出感度および動作時間をすべての事故様相に対して同じにすることができない。
そこで、線間電圧、相電圧または相・線間電圧(相電圧と線間電圧との組合せ)に基づいて事故様相を判定し、クロス貫通変流器から出力される第1の短絡電流IRy1を事故様相判定結果に応じて1倍、1/2倍または1/31/2倍とする第1の演算処理部をクロス貫通変流器と短絡保護継電器との間または短絡保護継電器に設けるとともに、クロス貫通変流器から出力される第2の短絡電流IRy2を事故様相判定結果に応じて1倍、1/2倍または1/31/2倍とする第2の演算処理部をクロス貫通変流器と短絡保護継電器との間または短絡保護継電器に設けてもよい。
第1および第2の演算処理部は、上述した第1乃至第5の事故様相判定方法のいずれかを用いて事故様相を判定する。
第1の演算処理部は、事故様相判定結果がS相−T相間の短絡事故またはT相−R相間の短絡事故であることを示す場合には第1の短絡電流IRy1を1倍とし、事故様相判定結果がR相−S相間の短絡事故であることを示す場合には第1の短絡電流IRy1を1/2倍とし、事故様相判定結果がR相−S相−T相間の短絡事故であることを示す場合には第1の短絡電流IRy1を1/31/2倍とする。また、第1の演算処理部は、第1の負荷電流I1を1/31/2倍とする。
第2の演算処理部は、事故様相判定結果がR相−S相間の短絡事故またはS相−T相間の短絡事故であることを示す場合には第2の短絡電流IRy2を1倍とし、事故様相判定結果がT相−R相間の短絡事故であることを示す場合には第2の短絡電流IRy2を1/2倍とし、事故様相判定結果がR相−S相−T相間の短絡事故であることを示す場合には第2の短絡電流IRy2を1/31/2倍とする。また、第2の演算処理部は、第2の負荷電流I2を1/31/2倍とする。
第1の演算処理部は、図8に示した演算処理部と同様に、線間電圧、相電圧または相・線間電圧(相電圧と線間電圧との組合せ)に基づいて事故様相を判定する事故様相判定回路と、クロス貫通変流器から出力される第1の短絡電流IRy1を1倍する第1の振幅調整回路と、第1の短絡電流IRy1を1/2倍する第2の振幅調整回路と、第1の負荷電流I1および第1の短絡電流IRy1を1/31/2倍する第3の振幅調整回路と、事故様相判定回路から入力されるスイッチ制御信号に応じて第1乃至第3の振幅調整回路の出力信号のうちのいずれか1つを選択する選択スイッチとで構成してもよい。
選択スイッチは、通常は、第3の振幅調整回路の出力信号を選択するようにされている。これにより、短絡事故が発生していないときには、クロス貫通変流器から出力される第1の負荷電流I1は、第3の振幅調整回路において1/31/2倍されたのちに、選択スイッチを介して短絡保護継電器に入力される。
事故様相判定回路は、「R相−S相間の短絡事故である」と判定すると、第2の振幅調整回路の出力信号を選択スイッチに選択させるスイッチ制御信号を出力する。これにより、R相−S相間の短絡事故が発生したときには、クロス貫通変流器から出力される第1の短絡電流IRy1は、第2の振幅調整回路において1/2倍されたのちに、選択スイッチを介して短絡保護継電器に入力される。
また、事故様相判定回路は、「S相−T相間の短絡事故である」または「T相−R相間の短絡事故である」と判定すると、第1の振幅調整回路の出力信号を選択スイッチに選択させるスイッチ制御信号を出力する。これにより、S相−T相間の短絡事故またはT相−R相間の短絡事故が発生したときには、クロス貫通変流器から出力される第1の短絡電流IRy1は、第1の振幅調整回路において1倍されたのちに、選択スイッチを介して短絡保護継電器に入力される。
さらに、事故様相判定回路は、「R相−S相−T相間の短絡事故である」と判定すると、第3の幅調整回路の出力信号を選択スイッチに選択させるスイッチ制御信号を出力する。これにより、R相−S相−T相間の短絡事故が発生したときには、クロス貫通変流器から出力される第1の短絡電流IRy1は、第3の幅調整回路において1/31/2倍されたのちに、選択スイッチを介して短絡保護継電器に入力される。
その結果、第1の短絡電流IRy1の振幅を事故様相によらず同じにすることができるので、短絡保護継電器の検出感度および動作時間を同じにすることができる。
同様に、第2の演算処理部は、線間電圧、相電圧または相・線間電圧(相電圧と線間電圧との組合せ)に基づいて事故様相を判定する事故様相判定回路と、クロス貫通変流器から出力される第2の短絡電流IRy2を1倍する第1の振幅調整回路と、第2の短絡電流IRy2を1/2倍する第2の振幅調整回路と、第2の負荷電流I2および第2の短絡電流IRy2を1/31/2倍する第3の振幅調整回路と、事故様相判定回路から入力されるスイッチ制御信号に応じて第1乃至第3の振幅調整回路の出力信号のうちのいずれか1つを選択する選択スイッチとで構成してもよい。
選択スイッチは、通常は、第3の振幅調整回路の出力信号を選択するようにされている。これにより、短絡事故が発生していないときには、クロス貫通変流器から出力される第2の負荷電流I2は、第3の振幅調整回路において1/31/2倍されたのちに、選択スイッチを介して短絡保護継電器に入力される。
事故様相判定回路は、「R相−S相間の短絡事故である」または「S相−T相間の短絡事故である」と判定すると、第1の振幅調整回路の出力信号を選択スイッチに選択させるスイッチ制御信号を出力する。これにより、R相−S相間の短絡事故またはS相−T相間の短絡事故が発生したときには、クロス貫通変流器から出力される第2の短絡電流IRy2は、第1の振幅調整回路において1倍されたのちに、選択スイッチを介して短絡保護継電器に入力される。
また、事故様相判定回路は、「T相−R相間の短絡事故である」と判定すると、第2の振幅調整回路の出力信号を選択スイッチに選択させるスイッチ制御信号を出力する。これにより、T相−R相間の短絡事故の短絡事故が発生したときには、クロス貫通変流器から出力される第2の短絡電流IRy2は、第2の振幅調整回路において1/2倍されたのちに、選択スイッチを介して短絡保護継電器に入力される。
さらに、事故様相判定回路は、「R相−S相−T相間の短絡事故である」と判定すると、第3の幅調整回路の出力信号を選択スイッチに選択させるスイッチ制御信号を出力する。これにより、R相−S相−T相間の短絡事故が発生したときには、クロス貫通変流器から出力される第2の短絡電流IRy2は、第3の幅調整回路において1/31/2倍されたのちに、選択スイッチを介して短絡保護継電器に入力される。
その結果、第2の短絡電流IRy2の振幅を事故様相によらず同じにすることができるので、短絡保護継電器の検出感度および動作時間を同じにすることができる。
上述した第6乃至第10の実施例では、送配電線につきクロス貫通変流器および短絡保護継電器を2台ずつ使用することにより、自回路および他回路にまたがる短絡事故であっても確実に検出することができるとともに、1台の短絡保護継電器が故障または点検によって使用できなくなっても、自回路の短絡事故は他の1台の短絡保護継電器でバックアップすることができる。
なお、上述した第4の事故様相判定方法においてR相の相電圧VRを極性方向で、S相の相電圧VSを反極性方向で、T相の相電圧VTを反極性方向で2倍して合成するように事故様相判定用変圧器110の2次側を結線し、上述した第5の事故様相判定方法においてR相の相電圧VRを極性方向で、S相の相電圧VSを反極性方向で、T相の相電圧VTを極性方向で2倍して合成するように事故様相判定用変圧器120の2次側を結線したが、R相の相電圧VRを極性方向または反極性方向でa倍して、S相の相電圧VSを極性方向または反極性方向でb倍して、T相の相電圧VTを極性方向または反極性方向でc倍して合成するように事故様相判定用変圧器の2次側を結線してもよい。この事故様相判定用変圧器から出力される合成電圧VaR+bS+cTは次式で表される。
aR+bS+cT=±aVR±bVS±cVT
また、送配電線において使用される短絡保護継電器との組合せで本発明のクロス貫通変流器について説明したが、本発明のクロス貫通変流器は、たとえばロボットの手足を駆動するための三相モータ(三相負荷)に電力を供給する三相交流回路において使用されている短絡保護装置と組み合わせても、同様の効果を得ることができる。
また、クロス貫通変流器の環状鉄心には三相交流回路の任意の2相を逆向きに1回クロスさせて貫通させたが、三相交流回路の任意の2相が2回以上クロスしてクロス貫通変流器を貫通するように、三相交流回路の任意の2相をクロス貫通変流器の環状鉄心に同じ回数または異なる回数だけ巻いてもよい。
本発明の第1の実施例による保護継電装置について説明するための図である。 短絡事故が発生していないときに図1に示したクロス貫通変流器10から過電流継電器4に入力される負荷電流について説明するための図である。 短絡事故が発生したときに図1に示したクロス貫通変流器10から過電流継電器4に入力される短絡電流IRyについて説明するための図である。 本発明の第2の実施例による保護継電装置について説明するための図である。 本発明の第3の実施例による保護継電装置について説明するための図である。 本発明の第4の実施例による保護継電装置について説明するための図である。 本発明の第5の実施例による保護継電装置について説明するための図である。 図1に示した過電流継電器4などの検出感度および動作時間を同じにするための演算処理部の一構成例を示す図である。 本発明の第6の実施例による保護継電装置について説明するための図である。 短絡事故が発生していないときに図9に示した第1および第2のクロス貫通変流器101,102から第1および第2の過電流継電器41,42にそれぞれ入力される負荷電流について説明するための図である。 短絡事故が発生したときに図10に示した第1および第2のクロス貫通変流器101,102から第1および第2の過電流継電器41,42にそれぞれ入力される第1および第2の短絡電流IRy1,IRy2について説明するための図である。 本発明の第7の実施例による保護継電装置について説明するための図である。 本発明の第8の実施例による保護継電装置について説明するための図である。 本発明の第9の実施例による保護継電装置について説明するための図である。 本発明の第10の実施例による保護継電装置について説明するための図である。 末端回路の送配電線などで過電流継電器を2相にだけ設置して短絡事故からの保護を図る従来方法を説明するための図である。 第2の事故様相判定方法について説明するための図である。 第2の事故様相判定方法について説明するための図である。 第3の事故様相判定方法について説明するための図である。 第4の事故様相判定方法において用いられる事故様相判定用変圧器110の構成を示す図である。 第5の事故様相判定方法において用いられる事故様相判定用変圧器120の構成を示す図である。
符号の説明
1 電源
1〜29 第1乃至第9の遮断器
1,32 第1および第2の変流器
4,30 過電流継電器
1,42,301,302 第1および第2の過電流継電器
5 変圧器
10 クロス貫通変流器
101〜106 第1乃至第6のクロス貫通変流器
20 電流差動継電器
201,202 第1および第2の電流差動継電器
401〜404 第1乃至第4の過電流継電器
601〜604 第1乃至第4のPCM電流差動継電器
71 事故様相判定回路
721〜723 第1乃至第3の振幅調整回路
73 選択スイッチ
110,120 事故様相判定用変圧器
1L,2L 第1および第2の送配電線
I,IR,IS,IT 負荷電流
1,I2 第1および第2の負荷電流
1,I1R,I1S,I1T 1次負荷電流
2,I2R,I2S,I2T 2次負荷電流
11,i12 第1および第2の1次負荷電流
21,i22 第1および第2の2次負荷電流
a,IaR,IaS,IaT 送電端負荷電流
b,IbR,IbS,IbT 受電端負荷電流
a1,Ia2 第1および第2の送電端負荷電流
b1,Ib2 第1および第2の受電端負荷電流
Ry,IFR,IFS,IFT 短絡電流
R,VS,VT 相電圧
RS,VST,VTR 線間電圧
R-S-2T,VR-S+2T,VaR+bS+cT 合成電圧
SW スイッチ制御信号
θ インピーダンス角
α,β 角度範囲
γ,δ 第1および第2の角度範囲
k1,k2 第1および第2の電圧値
1〜K8 第1乃至第8の合成電圧値
ε1〜ε8 第1乃至第8の合成電圧角度範囲
λ1〜λ8 第1乃至第8の短絡電流角度範囲

Claims (5)

  1. 三相交流回路の各相に流れる短絡電流を検出するためのクロス貫通変流器(101〜106)であって、2次コイルを巻装した環状鉄心に前記三相交流回路の任意の2相を逆向きにかつ任意の角度でクロスさせて貫通させたことを特徴とする、クロス貫通変流器。
  2. 短絡事故から三相交流回路を保護するための保護継電装置であって、
    請求項1記載のクロス貫通変流器と、
    該クロス貫通変流器から入力される短絡電流に基づいて短絡事故を検出すると、前記三相交流回路の各相に設置された遮断器を一括遮断させる短絡保護継電器と、
    を具備することを特徴とする、保護継電装置。
  3. 前記クロス貫通変流器および前記短絡保護継電器が、前記三相交流回路の任意の2相についてのみ設置されていることを特徴とする、請求項2記載の保護継電装置。
  4. 前記クロス貫通変流器が、前記三相交流回路の任意の2相と、該三相交流回路の該任意の2相のうちの1相と該任意の2相以外の他の1相とについてそれぞれ設置されており、
    前記三相交流回路の前記任意の2相について設置されている一方のクロス貫通変流器の環状鉄心に、該三相交流回路の該任意の2相が逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されており、
    前記三相交流回路の前記任意の2相のうちの1相と前記他の1相について設置されている他方のクロス貫通変流器の環状鉄心に、該三相交流回路の前記任意の2相のうちの1相と該他の1相とが逆向きにかつ任意の角度でクロスされて貫通されている、
    ことを特徴とする、請求項2記載の保護継電装置。
  5. 前記三相交流回路の短絡事故の事故様相を判定する事故様相判定手段と、
    前記クロス貫通変流器によって検出された短絡電流に前記事故様相判定手段における事故様相の判定結果に応じた所定の倍数を掛ける演算処理手段と、
    をさらに具備することを特徴とする、請求項2乃至4いずれかに記載の保護継電装置。
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