JP2014017938A - 鉄共振防止装置とこれを用いた受変電設備 - Google Patents

鉄共振防止装置とこれを用いた受変電設備 Download PDF

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Abstract

【課題】零相電圧変成器より上流側にある遮断器の投入時に発生する電気的衝撃により生じる鉄心使用機器の鉄共振現象を防止する。
【解決手段】変圧器1の二次側に接続された三相交流電線路2を受電用遮断器6で断続する受変電設備において、三相交流電線路2に電圧情報を抽出する零相電圧変成器14を接続するとともに、この零相電圧変成器14の近傍において三相交流電線路2と接地部との間を、各相のコンデンサ機能素子(例えばサージアブソーバ)をスター結線し中性点を接地する三相用コンデンサ機能装置13で接地した。
【選択図】 図2

Description

本発明は、三相交流電線路の地絡事故発生時に生ずる零相電圧を検出するために用いられる零相電圧変成器を持つ受変電設備の分野において、受電用遮断器の投入により電線路に電圧が急激に印加されることによる電気的衝撃が零相電圧変成器に加わることで発生する鉄共振を抑制するための構成に関するものである。
例えば図11のように、特高変圧器1の二次側の受電用遮断器6を挟んで、前記受電用遮断器6よりも上流側の送電用電力ケーブル3及び下流側の配電用電力ケーブル4からなる三相交流電線路2において、a相とb相間の電位差を計測する際には、計器用変圧器5(以下、VT:Voltage Transformerと称す)の一次側巻線5aの一方の接続端子をa相電線路に、もう一方の接続端子をb相電線路に接続する。この時、前記VT5の一次巻線5aの両端子間には、前記a相と前記b相間の電位差に相当する電圧が印加され、VT5の鉄心を励磁することによりVT5の二次巻線5bの両端子間に、一次巻線端子5a間の電圧に比例した計測が容易な低電圧が誘起され、この二次巻線5bの両端子間に接続された電圧計(図示せず)により計測を行っている。
前記特高変圧器1の二次側(下流側)には受電用遮断器6が接続され、この受電用遮断器6の開閉により配電用電力ケーブル4への送電の断続を行う。前記受電用遮断器6の投入等により一次巻線5bの接続端子間に電気的衝撃(短時間での衝撃的な高電圧印加)が加わった際に、VT5の鉄心が一次巻線5aの端子間の電圧に比例した磁束にて励磁できなくなり、誘導性インピーダンスが急激に低下し、一次巻線5aに多大な電流が流れる。
この低下した誘導性インピーダンスと系統の対地間静電容量2aからなる容量性インピーダンスとで直列LC回路が等価的に形成されると鉄共振が発生する。上記のような鉄共振は直列LC回路が形成されることで必ず起こるわけではなく、鉄心の残留磁束や一次巻線5aの接続端子間に印加されている電圧に対する受電用遮断器6の投入位相の条件により発生の有無が決まる。
VT5の鉄心飽和による鉄共振が発生すると、共振回路を形成した相の電線路と対地間の電圧(以下、相電圧と称す)は通常時の相電圧と比べ、電圧値が大きく、VT5の絶縁耐力の低下や絶縁破壊が生じる。
鉄共振はVT5の他、零相電圧を検出するための装置である零相電圧変成器14でも鉄共振は発生する。零相電圧変成器14は、例えば変電所の特別高圧受変電設備に用いられている。特別高圧受変電設備は系統の上位から、受電用遮断器6、系統の地絡事故を検出するための零相電圧変成器14、下位の変電所(図示せず)、もしくは需要家の受変電設備(図示せず)、へ送電するためのフィーダ遮断器12の順に接続されており、一般的にこれらの装置はキュービクル形ガス絶縁開閉装置9の内部に配置されている(図12参照)。
零相電圧変成器14は、各相毎に電線路と接地間に接続されている接地形計器用変圧器17(以下、EVT:Earth Voltage Transformerと称す。)により構成されている。零相電圧変成器14より上位側に設置された受電用遮断器6の投入による電気的衝撃により、ある相のEVT17の鉄心が磁気飽和し、この磁気飽和により低下したEVT17の一次巻線17aのインピーダンスと系統の対地間静電容量とで構成される直列LC回路にて鉄共振現象が発生する場合があり、EVT17の一次巻線17aに大きな電流が流れる。そのため、鉄心の磁気飽和を起こした相の相電圧が他の相電圧より低くなり、三相平衡時には発生しない零相電圧が生じる。その後、他相でも鉄心飽和に起因する鉄共振現象によって同様に零相電圧が発生する。この鉄心の磁気飽和に起因する鉄共振現象が次々と起こることにより、持続的に零相電圧が生じる。この零相電圧により、各相の電線路と対地間の相電圧は通常時の数倍まで増加する場合がある。
上記の持続的な零相電圧の発生により、各相電線路に接続されている主回路機器の絶縁耐力が低下し絶縁破壊が生ずる可能性がある。また、零相電圧変成器14は零相電圧を検出することが出来るため、地絡事故の発生時に零相電圧が発生するという特徴を利用して地絡事故の検出に用いられているが、鉄共振発生時に生じる零相電圧によって、地絡事故の監視装置の地絡事故表示器や保護継電器が誤動作する可能性もある。
このため、従来の受変電設備の鉄共振防止装置においては、計器用変圧器の一次巻線あるいは二次巻線にコンデンサを並列接続し、計器用変成器の誘導性インピーダンスと受電ケーブルの容量性インピーダンスからなる並列合成インピーダンスを容量性インピーダンスに変更して鉄共振状態になることを防止している。(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−053334号公報(第4頁〜第5頁、図1)
「計器用変圧器回路の中性点不安定及び転移現象」電気学会雑誌 74巻784号、昭和29年1月、P52−P59
従来の受変電設備の鉄共振防止装置では、計器用変圧器の一次巻線あるいは二次巻線にコンデンサを並列接続しているため、計器用変圧器の構成が複雑になるという問題点があった。またコンデンサを内蔵するため計器用変圧器が大形化するという問題点もあった。さらに、計器用変圧器の合成インピーダンスを容量性インピーダンスに変更するために、計器用変圧器と三相交流電路との間を各相毎に開閉可能な高圧負荷開閉器を介して接続する必要があるため、装置が複雑化し、また製造コストが高くなるという問題点があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、簡単な構成で計器用変成器の鉄共振現象を回避できる鉄共振防止装置を得るものである。
特甲変圧器の二次側に接続された三相交流電線路を受電用遮断器で断続する受変電設備において、三相交流電線路に電圧情報を抽出する零相電圧変成器を接続するとともに、前記零相電圧変成器の近傍において三相交流電線路と接地部との間を、各相のコンデンサ機能素子をスター結線し中性点を接地する三相用コンデンサ機能装置で接地した。
零相電圧変成器の近傍において三相交流電線路と接地部との間を、各相のコンデンサ機能素子をスター結線し中性点を接地する三相用コンデンサ機能装置で接地することで系統全体のリアクタンスを誘導性から容量性に変化させることができ、計器用変成器の構造を複雑化することなく鉄共振の発生を防止することが可能となる。
この発明の実施の形態1を示す受変電設備の鉄共振防止装置の単線接続図である。 図1の受変電設備の鉄共振防止装置の三線接続図である。 図2の受変電設備に設置した零相電圧変成器の結線を示す回路図である。 電線路電圧が最大値のときに遮断器を投入した場合の、零相電圧変成器に印加される電圧及び鉄心励磁磁束の波形図である。 電線路電圧が零のときに遮断器を投入した場合の、零相電圧変成器に印加される電圧及び鉄心励磁磁束の波形図である。 零相電圧変成器の鉄心が飽和した時の電流経路を示す直列LC回路図である。 系統の容量性リアクタンスを系統の誘導性リアクタンスで除した値を横軸、零相電圧変成器に印加される電線路対地間電圧を角周波数Ωと鉄心飽和し始める磁束鎖交数Φsとを掛けた値ΩΦsで除したものを縦軸とした時に、鉄共振が発生し得る領域を示した図である。 EVT内の鉄心励磁時の磁束鎖交数を縦軸、EVTの一次巻線コイルに流れる励磁電流を横軸としたEVTの励磁特性を示した図である。 サージアブソーバを接続した系統において、零相電圧変成器の鉄心が飽和したときの電流経路を示す直列LC回路図である。 この発明の実施の形態2を示す受変電設備の鉄共振防止装置の三線接続図である。 一般的な受変電設備において、相間に計器用変圧器(VT)を接続する場合の三線接続図である。 図11の受変電設備をキュービクル形ガス絶縁開閉装置とした場合の構成を示す単線接続図である。
実施の形態1
この発明を実施するための実施の形態1における受変電設備の鉄共振防止装置を図1〜図6に示す。
図1はこの発明を実施するための実施の形態1における受変電設備の鉄共振防止装置の単線図であり、特高変圧器1からキュービクル形ガス絶縁開閉装置9(一般的には、C−GISと称する。)に送電するための送電用電力ケーブル3、キュービクル形ガス絶縁開閉装置9、そしてキュービクル形ガス絶縁開閉装置9から下位の変電所もしくは電力需要家の受変電設備に送電するための配電用電力ケーブル4で構成されている。特高変圧器1の中性点と対地間は接続(接地)されていない非接地系統である。
図1において、特高変圧器1の一次側は送電線8を介して上位側の変電所もしくは発電所(すなわち電源7)に接続されている。また、9はキュービクル形ガス絶縁開閉装置であり、その内部には、受電側の受電用遮断器6と、各負荷回路(フィーダ回路)対応に分岐して給電を行う複数のフィーダ遮断器12を備えている。前記キュービクル形ガス絶縁開閉装置9の受電点9aと前記特高変圧器1の二次側との間は送電用電力ケーブル3で接続しており、また前記キュービクル形ガス絶縁開閉装置9の受電点9aと前記フィーダ回路11への送電点9bとの間(すなわちキュービクル形ガス絶縁開閉装置9内)は母線10で接続しており、更に前記キュービクル形ガス絶縁開閉装置9の送電点9bから負荷側は配電用電力ケーブル4で接続している。また、前記母線10にはVT5を接続し前記母線10の電圧を測定可能としている。さらに、前記送電用電力ケーブル3の各相電線路と接地部間にはサージアブソーバ13を接続している。
図2は、図1の受変電設備の鉄共振防止装置の三線接続図である。
キュービクル形ガス絶縁開閉装置9は受電遮断器6と、系統の地絡事故を検出する装置である零相電圧変成器14より構成されており、キュービクル形ガス絶縁開閉装置9の上位側と下位側には夫々送電用電力ケーブル3と配電用電力ケーブル4とが接続されている。これらの電力ケーブル3及び4は電線路と対地間に静電容量を持っており、図2のように電線路と対地間にコンデンサを接続した回路(対地静電容量15及び対地静電容量15)の形で表すことが出来る。
図3は、図2の受変電設備に設置した零相電圧変成器の結線を示す回路図である。
零相電圧変成器14は、図3に示すように各相電線路と対地間に接続された接地形計器用変圧器17(以下、EVT:Earth Voltage Transformerと称す。)により構成されている。EVTの一次巻線17aの接続端子の一方をa相の電線路に、もう一方を接地に接続し、EVT17の二次巻線17bの出力端子間にa相の相電圧に比例した電圧が出力されるようにEVT17を設置する。ここで、一次巻線17aのa相電線路に接続された端子をa1、接地に接続された端子をa2とし、a1にプラス、e1にマイナスの極性の電圧が印加された場合に、二次巻線17aにプラスの極性の電圧が出力される端子をb1、マイナスの極性の電圧が出力される端子をb2とする。b相、c相でも同様にEVT17を二次巻線17aの出力端子間に各相の相電圧に比例した電圧が出力されるように設置する。ここで、一次巻線17aのb相、c相電線路に接続される端子を夫々a2、a3とし、接地部に接続された端子を夫々e2、e3とし、夫々a2、a3にプラス、e2、e3にマイナスの極性の電圧が印加された場合に、二次巻線17bにプラスの極性の電圧が出力される端子をb3、b5、マイナスの極性の電圧が出力される端子をb4、b6とする。
零相電圧変成器14は上記の各電線路と接地間に接続された3つのEVT17により構成されている。EVT17の二次巻線の出力端子b2とb3、b4とb5が夫々接続されており、b1とb6の端子間に抵抗18が接続されている。この抵抗18と並列に電圧計19を接続することで、系統に発生した零相電圧に比例した電圧が検出される。
このように構成された受変電設備において、例えば特別高圧受変電設備の新設後もしくは特別高圧受変電設備の点検後は、切状態の受電用遮断器6の上位側の端子まで受電させた後、受電用遮断器6を投入すると負荷側に電圧を印加される。このとき、零相電圧変成器14にも電圧が印加され、零相電圧変成器14内にある鉄心に磁束が励磁される。
図4及び図5にて受電用遮断器6の投入時の端子間電圧(V)と零相電圧変成器14の鉄心に誘起される磁束(Φ)の関係を説明する。零相電圧変成器14の鉄心に励磁される磁束(Φ)はファラデーの法則より、EVT17の一次巻線17aの端子間に印加される電圧の積分値となる。そのため、三相交流電圧の位相に対する受電用遮断器6の投入タイミングにより零相電圧変成器14の鉄心に励磁される磁束の強度は異なる。例えば、一次巻線17aの端子間電圧が最大時(図4のA点)に受電用遮断器6を投入した場合、図4のように正方向の磁界と負方向の磁界が交互に励磁される。また図5のように端子間電圧が零となる時(図5のB点)に受電用遮断器6を投入した場合、正方向のみの磁界が励磁される。また、磁束の強度も端子間電圧が最大時に投入されたときより強い。
受電用遮断器6の投入により、ある一定の強度を持つ磁界が励磁された場合、EVT17の鉄心は飽和し、EVT17の一次巻線17aのリアクタンスは急激に低下する。この低下した誘導性リアクタンスと送電用電力ケーブル3あるいは配電用電力ケーブル4が持つ対地間静電容量による容量性リアクタンスとで構成される直列LC回路にて鉄共振現象を起こし、零相電圧が発生する。その後、他の相でも同様に鉄心飽和に起因する鉄共振が起こることにより、再度零相電圧が発生する。この鉄共振が繰り返し起こることで持続的な零相電圧が発生し、定常状態で印加される数倍の電圧が送電用電力ケーブル3あるいは配電用電力ケーブル4の各相電線路と対地間に印加される。
この異常電圧が電線路に印加されることで、その電線路に接続されている零相電圧変成器14や、その他主回路機器の絶縁耐力の低下だけでなく、絶縁破壊をもたらす恐れがある。
また、鉄共振により発生する零相電圧により保護リレー(図示せず)が誤動作を起こす場合がある。零相電圧変成器14の役割として地絡の検出があり、地絡時に発生する零相電圧を零相電圧変成器14が検出することにより、保護リレーを通して地絡事故発生信号を系統監視装置(図示せず)に出す。この信号を受信した系統監視装置は他系統への事故波及を防ぐため、受電用遮断器6に開放指令を出し、事故点の除去を行う。しかし、鉄共振発生にも零相電圧が生じるため、保護リレーが誤動作し受電用遮断器6が開放され、負荷側が停電する。
鉄共振は鉄心飽和時の誘導性リアクタンスと対地間静電容量による容量性リアクタンスとが鉄共振現象を起こすことにより発生するものであり、コンデンサのような容量性リアクタンスを特高変圧器1の下位側の電線路と対地間に接続して系統の対地間静電容量を増加させることにより、鉄共振が発生しにくい状態とすることが出来る。
本願の発明の実施の形態1では、サージアブソーバ13を特高変圧器1の下位側の電線路と対地間に接続し系統と対地との間の静電容量を増加させることにより、鉄共振が発生しにくい状態としたものである。そのため、各相で鉄共振が繰り返されることはなく、持続的な零相電圧の発生を防ぐことが出来る。
上記説明にて、鉄共振の発生を防止するための受変電設備の鉄共振防止装置の構成を示したが、鉄共振の発生原理を図6〜図9を用いて説明する。
鉄共振は鉄心を有する電気機器で生じるものであり、鉄心飽和時には図6の矢印で示しているような経路で電流が流れ、誘導性リアクタンス20と対地静電容量による容量性リアクタンス21が直列LC回路を構成し、共振現象を起こすことにより発生する。このため図1のように、サージアブソーバ13を特高変圧器1の下位側の電線路と対地間に接続し、系統の対地間静電容量を増加させることにより直列LC回路の共振条件をずらし、鉄共振が発生しにくい状態とすることが出来る。
鉄共振が起こり得る領域を図7(非特許文献1の第14図に相当)に示す。XcoとXmはそれぞれ系統の容量性リアクタンス21と鉄心飽和時の誘導性リアクタンス20を表している。Eは、EVT17に印加される電線路対地間電圧eを、角周波数ωと図7に示すEVT17が鉄心飽和し始める磁束鎖交数φsを掛けた値ωφsで除したもの、である。図8は零相電圧変成器のEVT励磁特性であり、簡単化のため折れ線にて表している。横軸は励磁電流、縦軸は鉄心の磁束鎖交数である。一般的にEVT13を設計する際にはωφsが線間電圧となるように設計されているため、E=e/ωφs=1/√3=0.58であることが多い。そこで、Eが0.58、系統の対地静電容量が0.01[μF]、飽和時のコイルのインダクタンスが60000[H]である系統を考える。Xco/Xmは0.068となり、図7のようにプロットされ、この系統は鉄共振が発生し得る領域にあることがわかる。
例えば図9において、この系統に対地静電容量が0.15[μF]のサージアブソーバ13を接続すると、零相電圧変成器14の鉄心飽和時に図9のような電流経路で電流が流れる。そのため、サージアブソーバ13の静電容量22とケーブルの静電容量23は並列接続となるため、系統の静電容量の合計は0.16[μF]となる。系統の静電容量が変化したことにより、Xco/Xmは0.0048となり、鉄共振発生領域より外れることとなる。そのため、各相で鉄共振が繰り返されることはなく、持続的な零相電圧の発生を防ぐことが出来るようになる。
上記の図1、図2ではサージアブソーバ13を特高変圧器1の下位側のキュービクル形ガス絶縁開閉装置9の上位側に設置した例を示したが、キュービクル形ガス絶縁開閉装置9の上位側に限定されるものではなく、キュービクル形ガス絶縁開閉装置9の内部、あるいはキュービクル形ガス絶縁開閉装置9の下位側であっても、すなわち同じ系統上の対地静電容量を増加させることができるものであれば、上記実施の形態1で説明したものと同様の効果を得ることが出来る。また、サージアブソーバ13の代わりに、アレスターあるいはコンデンサを同位置に設置することでも機能的にはサージアブソーバと同様の効果を得ることが出来る。
特に、敷地面積の狭い場所(最近ではビルなどの地下あるいは建物内の閉ざされた空間内に設置する場合が多い)に設置する電力変電所の特別高圧受変電設備では、キュービクル形絶縁開閉装置9が一般的に用いられている。この場合、電力会社の変電所とこの受変電設備は電力ケーブルで接続される場合が多く、このような場合は、雷撃に伴う雷サージが侵入することがほとんど生じないため、サージアブソーバ13を設置するケースは少ない。このようなケースにおいても、受電開始時の受電用遮断器6の投入時に発生する可能性の鉄共振現象の発生確率は減少しないため、上記実施の形態1で説明したような、三相交流電線路2と接地部間の容量性リアクタンスを大きくするために対地間の静電容量を増加させること、すなわち三相用コンデンサ機能装置の設置は必須である。この場合、コンデンサ機能素子としてのコンデンサは通常油入りであるため、消防法対応の観点からは碍子形でコンパクトなサージアブソーバは上記したビルなどの地下あるいは建物内の閉ざされた空間内に設置する場合は、油入りのコンデンサに比べて、コンパクトさ、あるいは取り扱いの容易さ、などの観点で優位性がある。
なお、零相電圧変成器14はキュービクル形絶縁開閉装置9内に設置されている。このキュービクル形絶縁開閉装置9より上流側(特高変圧器1側)あるいは下流側(負荷側)にサージアブソーバ13を設置することで、サージアブソーバ13を電線路と対地間に接続することとなり、系統全体のリアクタンスを変化させて鉄共振が発生しにくい状態にすることが可能となる。
実施の形態2
実施の形態2の構造を図10に示す。実施の形態1ではサージアブソーバ13を特高変圧器1の下位側の三相交流電路2に接続することで系統の対地間静電容量を増加させて鉄共振の発生を回避するものを示したが、実施の形態2では、零相電圧変成器14内にある各相電線路に接続されているEVT17の一次巻線17aと並列にコンデンサ24を接続することにより、
各相のコンデンサ24がスター結線を構成しその中性点を接地することになる。これにより実施の形態1の三相用コンデンサ機能装置と同等の機能を実現し、系統の対地間静電容量を増加させることで、鉄共振の発生を回避することができる。
1 特高変圧器
2 三相交流電線路
2a 系統の対地間静電容量
3 送電用電力ケーブル
4 配電用電力ケーブル
5 計器用変圧器 (VT)
5a 一次巻線(VT)
5b 二次巻線(VT)
6 受電用遮断器
7 電源
8 送電線
9 キュービクル形ガス絶縁開閉装置
9a 受電点
9b 送電点
10 母線
11 フィーダ回路
12 フィーダ遮断器
13 サージアブソーバ
14 零相電圧変成器
15 対地静電容量(送電用電力ケーブル側)
16 対地静電容量(配電用電力ケーブル側)
17 接地形計器用変圧器(EVT)
17a 一次巻線(EVT)
17b 二次巻線(EVT)
18 抵抗
19 電圧計
20 誘導性リアクタンス
21 容量性リアクタンス
22 静電容量(サージアブゾーバ)
23 静電容量(ケーブル)
24 コンデンサ

Claims (11)

  1. 変圧器の二次側に接続され負荷側に電力を送る三相交流電線路と、前記三相交流電線路の途中に配置され前記三相交流電線路の断続をする受電用遮断器と、前記三相交流電線路に接続されて前記三相交流電線路の電圧情報を抽出する計器用変圧器と、前記計器用変圧器の近傍において前記三相交流電線路と接地部との間を接続する三相用コンデンサ機能装置と、を少なくとも備えた鉄共振防止装置。
  2. 三相交流電線路は、中性点非接地方式の三相回路であることを特徴とする請求項1記載の鉄共振防止装置。
  3. 三相用コンデンサ機能装置は、各相のコンデンサ機能素子がスター結線で構成され、中性点が接地されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鉄共振防止装置。
  4. コンデンサ機能素子がコンデンサであることを特徴とする請求項3に記載の鉄共振防止装置。
  5. コンデンサ機能素子がサージアブソーバであることを特徴とする請求項3に記載の鉄共振防止装置。
  6. コンデンサ機能素子がアレスタであることを特徴とする請求項3に記載の鉄共振防止装置。
  7. 計器用変圧器は、零相電圧変成器又は接地形計器用変成器であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の鉄共振防止装置。
  8. コンデンサ機能素子は、前記零相電圧変成器又は前記接地形計器用変成器内の各相コイルにそれぞれ並列に接続されたコンデンサであることを特徴とする請求項1に記載の鉄共振防止装置。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の鉄共振防止装置を備えた受変電設備。
  10. 請求項9の受変電設備において、受電用遮断器と計器用変成器をキュービクル形ガス絶縁開閉装置内に収納したことを特徴とする受変電設備。
  11. 前記キュービクル形ガス絶縁開閉装置の電源側に送電側電力ケーブルを接続するとともに前記キュービクル形ガス絶縁開閉装置の負荷側に配電用電力ケーブルを接続し、前記送電側電力ケーブルと接地部との間あるいは前記負荷側電力ケーブルと接地部との間に前記三相用コンデンサ機能装置を接続したことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の受変電設備。
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