JP2009196464A - 歩行者衝突検知装置及び歩行者保護システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両の前端部に設置された1つ若しくは複数の密閉された容器と、前記容器内の圧力を調整するための圧力調整手段と、前記容器内の圧力変化を検出する圧力センサと、電源投入時において、前記圧力調整手段を制御することにより前記容器内の圧力を変化させ、前記圧力センサによって検出される前記容器内の圧力変化の変化過程を基に自装置の故障診断を行う故障診断手段と、前記故障診断手段によって故障無しと診断された場合に、前記圧力センサによって検出される前記容器内の圧力変化に基づいて、歩行者と衝突したか否かを判定する衝突判定手段とを備える。
【選択図】図1
Description
(2)歩行者との衝突では、衝突直後に歩行者の脚が跳ね上げられて衝撃が途切れてしまうため、衝突直後の極めて短い時間内に得られるセンサ出力変化を基に衝突判定を行わなければならず、加速度センサでの衝突判定は困難であった。
(3)加速度センサでは、そのセンサ出力変化が悪路走行時などの車両振動に起因するものか、歩行者との衝突に起因するものかを判別することが困難であり(特に車両振動レベル>歩行者衝突レベルの場合)、車両前端部の変形を伴わない車両振動を歩行者との衝突と誤判定してしまい、フードを持ち上げてしまう可能性があった。
(4)衝突箇所と加速度センサの設置位置が離れてしまうと正確な衝突判定が困難であった(衝突箇所と加速度センサの設置位置が離れてしまうと、衝撃レベルが減衰してセンサ出力も減衰するため)。
つまり、本発明は、車両が歩行者と衝突した場合に、その衝撃によって前記容器が変形した際に発生する容器内の圧力変化を圧力センサによって検出し、その容器内の圧力変化に基づいて、歩行者と衝突したか否かを判定するものであると共に、電源投入時において、前記圧力調整手段を制御することにより前記容器内の圧力を変化させ、前記圧力センサによって検出される前記容器内の圧力変化の変化過程を基に自装置の故障診断を行うものである。
また、衝突直後の圧力センサの出力変化は、加速度センサと比較してある程度長い時間得られるので、衝突判定が容易となる。
また、容器の変形する過程で圧力変化は発生するので、圧力センサの出力変化が悪路走行時などの車両振動に起因するものか、歩行者との衝突に起因するものかを判別することができ、その結果、車両前端部の変形を伴わない車両振動を歩行者との衝突と誤判定することを防止することができる。
また、衝突箇所と圧力センサの設置位置が離れてしまう場合であっても、容器が変形しさえすれば、その容器内の圧力変化は均一に生じるため、衝突の衝撃を減衰なく捉えることができる。
以上のように、本発明によれば、装置内の故障診断を容易に行うことができ、且つ従来よりも歩行者との衝突を正確に検知することが可能な歩行者衝突検知装置を提供することが可能であり、当該歩行者衝突検知装置を備えることにより、衝突時に確実に歩行者を保護することが可能な歩行者保護システムを提供することが可能である。
図1は、本実施形態に係る歩行者衝突検知装置を備える歩行者保護システムの構成概略図である。なお、図1(a)は、本実施形態に係る歩行者保護システムが搭載された車両100の側面図であり、図1(b)は、この車両100の上面図である。また、本実施形態では、車両100としてフロントエンジンタイプの車両を想定しており、エンジンルーム上にはエンジンフード130が開閉自在に設けられている。
ECU40は、圧力センサ20L、20C、20Rの出力信号と、車速センサ30の出力信号とを入力とし、これらの出力信号に基づいて、車両100が歩行者と衝突したか否かを判定し、衝突したと判定した場合に、パワーユニット60を制御してエンジンフード130を持ち上げる。また、車速センサ30は、本実施例においては車両100の前輪120の回転速度を車速として検出しているが、後輪または変速機等により車速を検出するものも含む。
圧力調整用ポンプ50は、ECU40(故障診断回路40c)による制御の下、圧力検出用容器10L、10C、10Rの内部圧力を調整する。パワーユニット60は、例えばエアシリンダから構成されており、ECU40(エンジンフード制御装置40d)の制御によってシャフト60aが上昇しエンジンフード130を持ち上げる。また、このパワーユニット60にはシャフトロック機構60bが設けられており、エンジンフード130を持ち上げた後、シャフトロック機構60bによってシャフト60aをロックすることにより、エンジンフード130の上昇位置を保持する機能も備えている。なお、エンジンフード130を持ち上げるためのパワーユニット60として、例えば衝突判定時に膨張するエアバッグ等、他のアクチュータを用いても良い。
〔0≦V<V1の車速範囲〕
車両100が比較的遅い速度で走行している場合、車両100と歩行者が衝突しても歩行者が負う傷害は軽微であるため、エンジンフード130を持ち上げることによる歩行者保護の必要性は低い(車両100が停止している場合は歩行者との衝突を考慮する必要はない)。そこで、図6(a)に示すように、0≦V<V1の車速範囲では歩行者と衝突したと判定されないように(エンジンフード130が制御されないように)、衝突判定閾値Thを最大値Th−Hに設定する。
一方、車両100が非常に速い速度で走行している場合、極めて大きな衝撃を伴って車両100と歩行者が衝突するため、衝突判定閾値Thを最大値に設定し、エンジンフード130を持ち上げる。そこで、図4(a)に示すように、V>V3の車速範囲でも車両が非常に速い速度で走行していることから衝突判定閾値Thを最大値Th−Hに設定しても極めて大きな衝撃を伴うので、衝突判定閾値Thを最大値に設定している。
車両100が比較的速い速度で走行している場合、車両100と歩行者が衝突して歩行者が負う傷害の程度は比較的大きくなるため、エンジンフード130を持ち上げることによる歩行者保護の必要性が高くなる。そこで、図6(a)に示すように、V1≦V≦V3の車速範囲(制御範囲)では、エンジンフード130が制御されるように、車速Vに応じて衝突判定閾値ThをTh−L≦Th≦Th−Hの範囲で設定する。ここで、制御範囲の中で最も遅い車速V1の場合に設定される衝突判定閾値の最小値Th−Lは、この最も遅い車速V1で歩行車と衝突した際の小さな衝撃で発生する、圧力検出用容器10L、10C、10R内の微弱な圧力変化を捉えられるような値に設定されている。また、車速Vが速くなる程、歩行車と衝突した際の衝撃は大きくなるため、圧力検出用容器10L、10C、10R内で発生する圧力変化も大きくなる。よって、車速Vが速くなる程、衝突判定閾値Thも高い値に設定する(その圧力変化が歩行者との衝突に起因するものか、または異物の衝突に起因するものかを区別するため)。
(1)車両が停止中でも自装置(歩行者衝突検知装置)の故障診断を容易に行うことができる。
(2)衝突直後の圧力センサの出力変化は、従来の加速度センサと比較してある程度長い時間得られるので、衝突判定が容易となる。
(3)また、圧力検出用容器の変形でのみ圧力変化は発生するので、圧力センサの出力変化が悪路走行時などの車両振動に起因するものか、歩行者との衝突に起因するものかを判別することができ、その結果、車両前端部の変形を伴わない車両振動を歩行者との衝突と誤判定することを防止することができる。
(4)さらに、衝突箇所と圧力センサの設置位置が離れてしまう場合であっても、圧力検出用容器が変形しさえすれば、その容器内の圧力変化は均一に生じるため、衝突の衝撃を減衰なく捉えることができる。
すなわち、本実施形態に係る歩行者衝突検知装置を備えた歩行者保護システムによれば、歩行者衝突検知装置内の故障診断を容易に行うことができ、且つ従来の加速度センサを用いる場合と比較して、歩行者との衝突を正確に検知することが可能であると共に、衝突時に確実に歩行者を保護することが可能である。
(1)上記実施形態では、3つの圧力検出用容器10L、10C、10Rを車両前端部に設置した場合を例示して説明したが、圧力検出用容器の個数はこれに限定されず、1個以上設置していれば良い。1個設置する場合は、圧力検出用容器を車両100の車幅方向の全体を覆うような大きさとすることが望ましい。このように、圧力検出用容器を1個だけ設置する場合は、この1個の圧力検出用容器内の圧力変化が衝突判定閾値を越えた場合に、歩行者と衝突したと判定すれば良い。また、上記実施形態では、圧力検出用容器10L、10C、10Rの断面が正方形状である場合を例示したが(図1参照)、これに限定されず、図8に示すように、その他の形状(例えば多角形状)としても良い。
Claims (10)
- 車両の前端部に設置された1つ若しくは複数の密閉された容器と、
前記容器内の圧力を調整するための圧力調整手段と、
前記容器内の圧力変化を検出する圧力センサと、
電源投入時において、前記圧力調整手段を制御することにより前記容器内の圧力を変化させ、前記圧力センサによって検出される前記容器内の圧力変化の変化過程を基に自装置の故障診断を行う故障診断手段と、
前記故障診断手段によって故障無しと診断された場合に、前記圧力センサによって検出される前記容器内の圧力変化に基づいて、歩行者と衝突したか否かを判定する衝突判定手段と、
を備えることを特徴とする歩行者衝突検知装置。 - 前記故障診断手段は、前記容器内の圧力が大気圧から目標圧力に到達するように前記圧力調整手段を制御すると共に、当該容器内の圧力が大気圧から目標圧力に到達するまでに前記圧力センサによって検出される前記容器内の圧力変化の変化過程を基に自装置の故障診断を行うことを特徴とする請求項1記載の歩行者衝突検知装置。
- 前記故障診断手段は、前記容器内の圧力が大気圧から目標圧力に到達するまでの前記容器内の圧力変化の変化過程として、前記容器内の圧力の増減方向を監視し、当該増減方向が異常であった場合に、前記容器、前記圧力センサ及び前記圧力調整手段のいずれかが故障であると診断することを特徴とする請求項2記載の歩行者衝突検知装置。
- 前記故障診断手段は、前記容器内の圧力が大気圧から目標圧力に到達するまでの前記容器内の圧力変化の変化過程として、前記容器内の圧力の増減方向が正常であった場合、所定時間変化Δtに対する圧力変化ΔPを監視し、ΔP/Δtの値が規定範囲内に含まれない場合に、前記容器、前記圧力センサ及び前記圧力調整手段のいずれかが故障であると診断することを特徴とする請求項3記載の歩行者衝突検知装置。
- 前記故障診断手段は、前記容器内の圧力が大気圧から目標圧力に到達するまでの前記容器内の圧力変化の変化過程を基に故障無しと診断した場合、前記圧力調整手段を制御して前記容器内の圧力を前記目標圧力に保持すると共に、前記圧力センサによって検出される前記容器内の圧力変化が前記目標圧力の規定範囲内に含まれない場合に、前記容器、前記圧力センサ及び前記圧力調整手段のいずれかが故障であると診断することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の歩行者衝突検知装置。
- 前記故障診断手段は、前記電源投入時において、前記圧力調整手段の制御前に、前記圧力センサの出力信号を基に前記容器内の圧力が大気圧の規定範囲内に含まれているか否かを判定し、大気圧の規定範囲内に含まれていると判定された場合に前記圧力調整手段の制御を開始する一方、大気圧の規定範囲内に含まれていないと判定された場合に圧力センサの故障と診断することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の歩行者衝突検知装置。
- 前記車両の車速を検出する車速センサを備え、
前記衝突判定手段は、前記車速センサによって検出される車速に応じた衝突判定閾値を設定すると共に、前記容器が1つ設置されている場合は、当該1つの容器内の圧力変化と前記衝突判定閾値とを比較して、前記圧力変化が前記衝突判定閾値を越えた場合に歩行者と衝突したと判定し、前記容器が複数設置されている場合は、当該複数の容器内の圧力変化の少なくとも1つが前記衝突判定閾値を越えた場合に歩行者と衝突したと判定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の歩行者衝突検知装置。 - 前記容器が複数設置されている場合、
各容器は、隣合う容器と少なくとも1箇所以上重なり合うように設置されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の歩行者衝突検知装置。 - 前記容器は、車両のバンパビーム前方に設置されており、歩行者との衝突時における歩行者脚部保護用のセーフティプレートとしての役割を兼ねていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の歩行者衝突検知装置。
- 車両の前端部が歩行者と衝突した場合に、当該車両に設けられたフードを持ち上げることにより前記歩行者が負う傷害を軽減する歩行者保護システムであって、
前記フードを持ち上げるためのアクチュエータと、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の歩行者衝突検知装置と、
前記歩行者衝突検知装置にて前記歩行者と衝突したと判定された場合に、前記アクチュエータを制御することにより前記フードを持ち上げる制御装置と、
を備えることを特徴とする歩行者保護システム。
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JP2008038947A JP2009196464A (ja) | 2008-02-20 | 2008-02-20 | 歩行者衝突検知装置及び歩行者保護システム |
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