JP2003291758A - 車両の衝突対策システム - Google Patents
車両の衝突対策システムInfo
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Abstract
特定することで乗員等の保護を適切に図ることができる
車両の衝突対策システムを提供する。 【解決手段】 車両周辺の障害物を検出する障害物検出
手段1と、前記障害物検出手段1からの検出信号を用い
て前記障害物の大きさを検出し、前記車両に関して発生
する可能性がある衝突の危険度を判定する危険度判定手
段21とを備えた車両の衝突対策システムである。
Description
物に衝突する可能性があるときに適切な対処を行なうた
めの衝突対策システムに関する。特に、障害物の大きさ
から衝突時の危険度を判定して、乗員ばかりでなく歩行
者等の保護も図ることも可能とした車両の衝突対策シス
テムに関する。
を図るためエアバッグ装置等の乗員保護装置を適切なタ
イミング起動させる技術については、従来から多くの提
案がなされている。
を継続的に監視することで、衝突の回避を図り、また車
両が障害物に衝突してしまった場合に迅速に対処できる
ようにした衝突予知装置を搭載した車両の提案もなされ
ている。例えば、特開2001−14596号公報に開
示される車両衝突警報装置は、自車から障害物までの距
離と、自車の速度に基づいて、自車がその障害物に衝突
する可能性を判定している。この車両衝突警報装置は、
自車が障害物に衝突する可能性があると判断した場合に
は外部に対して警報を発して衝突の拡大を抑制すると共
に、自車のシートベルトに張力を付与する等の対処を実
行して衝突に備えるようにしている。
を含めて、従来の衝突予知装置は衝突する可能性のある
障害物の種類まで特定したものではなく、車両が障害物
に衝突するか、否かについての判断がなされている。
ると、車両が衝突する障害物には、自車より小さいバイ
ク、自車と同じ大きさの車両、自車より大きなトラッ
ク、さらには自転車や歩行者も含まれる。一般に、障害
物が大きければ自車が被害を蒙る確率が大きくなり、そ
の逆に障害物が小さい歩行者等であれば自車が被害を与
える可能性が大きくなる。
突する障害物の種類まで判別しておらず、また、これら
の障害物と衝突した場合に生じる被害の大きさや被害側
についてまでは配慮されていない。即ち、衝突予知段階
から障害物の種類に応じて乗員並びに歩行者等の適切な
保護を図る技術については、未だ検討が不十分であると
いう実状がある。
する可能性のある障害物の種類を特定することで乗員等
の保護を適切に図ることができる車両の衝突対策システ
ムを提供することである。
載の如く、車両周辺の障害物を検出する障害物検出手段
と、前記障害物検出手段からの検出信号を用いて前記障
害物の大きさを検出し、前記車両に関して発生する可能
性がある衝突の危険度を判定する危険度判定手段とを備
えた車両の衝突対策システムにより達成される。
能性がある障害物の種類により変化する危険度を、危険
度判定手段が障害物の大きさに基づいて判定するので乗
員等の最適な保護を図ることができる。
記載の車両の衝突対策システムにおいて、前記危険度判
定手段は、前記検出信号から推定した前記障害物の検出
面積に基づいて衝突の危険度を判定するように構成する
ことができる。
検出面積が広ければその重量も大きいと考えられるの
で、検出面積から衝突によって生じる危険度を参照して
乗員等の保護を図ることができる。
記載の車両の衝突対策システムにおいて、前記危険度判
定手段は、危険度を判定するための危険度基準面積を車
両から所定距離に設定し、前記障害物と車両との実測距
離と前記所定距離との差に基づいて前記検出面積を前記
所定距離での面積に換算して補正面積を取得し、該補正
面積と前記危険度基準面積とを比較することにより衝突
の危険度を判定する、ものとしてもよい。
る障害物の位置が変化しても、判断レベルを一定にして
衝突による危険度判定を行なうことができる。
記載の車両の衝突対策システムにおいて、前記危険度判
定手段は前記補正面積が前記危険度基準面積と比較して
大きい程、危険度が高いとの判定を実行することができ
る。
を危険度基準面積と比較することで衝突の危険度レベル
を簡易に判断できる。
記載の車両の衝突対策システムにおいて、前記危険度判
定手段は前記補正面積が前記危険度基準面積と比較して
小さい場合でも、前記補正面積から前記障害物が歩行
者、自転車、バイク等であると推定できる場合には、危
険度が高いとの例外的な判定を実行するように設定され
ているのが好ましい。
突する障害物が歩行者等のように補正面積が小さい、い
わゆる弱者であった場合には例外的な判定を実行して、
これを適正に保護できる。
ら5のいずれかに記載の車両の衝突対策システムにおい
て、前記障害物検出手段からの検出信号を用いて前記障
害物と車両との衝突を予知する衝突予知手段と、車両と
前記障害物との衝突の回避若しくは車両と前記障害物と
が衝突した場合に被害の軽減を図るための複数の保護装
置と、前記危険度判定手段による判定結果及び前記衝突
予知手段による予知結果に基づいて前記保護装置の作動
を制御する保護装置作動制御手段とをさらに備えた構成
とすることが好ましい。
知し、衝突による危険度を判定してから必要な保護装置
の作動を行なえるので、乗員等をより確実に保護でき
る。
記載の車両の衝突対策システムにおいて、前記危険度判
定手段による判定結果及び前記衝突予知手段による予知
結果の各々には、複数段の危険度レベル及び衝突予知レ
ベルが準備され、前記保護装置駆動手段は、前記危険度
のレベルと衝突予知のレベルとを考慮した総合レベルに
基づいて、前記複数の保護装置の内から必要な保護装置
の作動制御を実行するように構成することが好ましい。
な保護装置が選択されて作動されることになるので、よ
り好ましい状態で乗員等を保護できる。
記載の車両の衝突対策システムにおいて、前記保護装置
には、車両と前記障害物との衝突を回避するための装
置、車両と前記障害物との衝突の発生に備えて乗員を保
護する装置、及び車両と衝突する前記障害物が歩行者、
自転車、バイク等であると推定された場合にこれらを保
護するために作動される装置を含むことができる。
護装置を選択的に駆動して乗員等の保護を図ることがで
きる。
ら8のいずれかに記載の車両の衝突対策システムにおい
て、前記危険度判定手段による衝突の危険度判定は、所
定周期で継続され、後の判定が優先されるように設定さ
れている構成とするのが好ましい。
イムで変化する車両周辺の状況に応じて、衝突の危険度
が判定されるので、刻々と変化する車両周辺の状態変化
に応じて乗員等の保護を図ることができる。
1から9のいずれかに記載の車両の衝突対策システムを
搭載している車両は、乗員等を最適に保護できる車両と
して提供できる。
ましい形態を説明する。図1は、本発明に係る車両の衝
突対策システム10の概要構成を示したブロック図であ
る。
周辺の障害物を所定周期で検出し、この検出信号を危険
度判定手段21及び衝突予知手段22に供給するように
構成されている。
とも本衝突対策システム10が搭載される車両(以下、
自車と称す)と障害物との距離、自車と障害物との相対
速度の情報が取得できるセンサが選択されている。ま
た、このセンサは、シリアルに動かすことにより、或い
は複数設けることにより障害物に向け発砲した複数のビ
ームの反射波を計数することで障害物の大きさを推定で
きるものが採用される。例えばミリ波センサ、レーザ光
を用いる光センサ、超音波センサ等をこの障害物検出手
段11として用いることができる。なお、車両がクルー
ジング用にミリ波センサ等を備えている場合には、これ
を障害物検出手段11として兼用してもよい。このよう
に構成すれば、ハード構成を簡略化できる。
出手段11からの検出信号に基づいて前記障害物の大き
さを認識して、車両の周辺で発生する可能性がある衝突
の危険度を判定する。上記障害物の大きさとして、例え
ば上記ミリ波センサ等で検出せきる障害物の前面投影面
積を採用できる。
に車両が障害物に衝突した場合、即ち衝突事故が発生し
た場合に生じる被害の大きさである。この被害には、自
車の乗員が蒙る衝撃の強さ、厳しさだけでなく、障害物
が歩行者等であった場合にはその歩行者等が蒙る衝撃の
強さ、厳しさにも配慮することが望ましい。
検出するのは、大きさにより障害物の種類をほぼ推定で
きるからである。走行する車両が衝突する障害物として
一般的なものは、他の車両、バイク、自転車、歩行者或
いはガードレール等の固定物である。よって、障害物の
大きさを確認することにより、その障害物をほぼ特定で
きる。また、一般に大きな面積を有する物体は、重量も
重く、大きさを検出することにより衝突により生じる危
険度をある程度予測できるからである。
定には、複数のレベルが設定されていることが好まし
い。例えば、障害物が自車よりも大きな障害物であり相
対速度が大きい場合には危険度レベル高、障害物が自車
より大きくても相対速度が小さい場合には危険度レベル
中、障害物が自車と同程度の大きさであり相対速度が中
程度である場合には危険度レベル中、また、障害物が自
車と同程度の大きさであり相対速度が小さい場合には危
険度レベル低、のように設定する。
験、シミュレーション等を行なって、車両毎に予め設定
しておくことが好ましい。
定の例は、主に車両の乗員を保護するという観点からの
ものである。しかし、バイクや自転車に乗った者や歩行
者(以下、歩行者等と称す)に車両が衝突するという場
合も多い。本システム10では、障害物が自車より小さ
くても歩行者等と推定できる場合には、危険度判定手段
21が危険度レベル高との例外的な判定を実行するよう
に設定されている。
る危険度は、乗員に生じる衝撃の強さ、厳しさばかりで
なく、歩行者等に生じる衝撃の強さ、厳しさも配慮した
ものとなっている。
判定の手法例については後に詳述する。危険度判定手段
21による危険度判定信号は、保護装置作動制御手段2
5に供給される。
衝突予知手段22を含んでいる。この衝突予知手段22
は、衝突を予測するため所定の衝突予知判定ロジックを
備えており、障害物検出手段11の検出信号から自車と
障害物との距離及び相対速度の情報を取得し、これらに
基づいて障害物との衝突を回避できるか、否かの車両衝
突の予知を行う。
も複数のレベルが設定されていることが望ましい。例え
ば、車両がそのまま走行を継続すれば障害物に衝突する
が運転者が速やかに回避操作を実行すれば衝突を回避で
きる場合が予知レベル低、運転者が速やかに回避操作を
実行したとしても衝突を回避できるか、否かが不明であ
る場合を予知レベル中、運転者がいかなる回避操作を実
行しても衝突を回避できない場合を予知レベル高とす
る。
両の衝突の予知がされた場合には、衝突予知信号が上記
保護装置作動制御手段25に供給される。
判定手段による判定結果及び前記衝突予知手段による予
知結果に基づいて車両に搭載されている複数の保護装置
の起動時や作動制御を実行する。図1には保護装置作動
制御手段25による保護装置の作動例が示されている。
の可能性があるとき予め作動させておくことが好ましい
ものである。このような保護装置には、衝突を回避及び
車両の衝突が予知された場合に衝突に備えて被害の軽減
を図る種々の装置が含まれる。図1を参照すると、ホー
ン、室内ブザーは運転者や周辺に警告を発して、衝突を
回避することに役立つ。同様に、ブレーキの遊び詰め制
御作動、ブレーキ制動やスロットル制御作動、シフトダ
ウン制御を作動させることも衝突回避に役立つ。
力を生じるモータを備えたプリテンショナ付きのシート
ベルト装置(Motor Drive Pre tensioner、以下MDP
T)を作動することは、衝突に備えて乗員を予め拘束し
て被害の軽減を図ることができる。
ランプ点滅により追突防止を行なって、被害の拡大防止
を図ることができる。
言う保護装置は衝突を回避及び被害の軽減を図ることが
できる機能を備えた装置を広く含み、これは単独の装置
ばかりでなく、部品或いはある装置の一部の機能をも含
む広い概念を意図している。
の乗員保護用エアバッグ装置のように、実際の衝突を確
認してから起動させることが望ましい保護装置は含まれ
ない。
グ装置の起動判定に用いる閾値を下げる制御を実行して
おくとは、衝突に備えた乗員保護として望ましい。ま
た、車両に衝突した歩行者等を保護するための歩行者保
護用エアバッグ装置の起動判定に用いる閾値を下げる制
御を実行しておくとも歩行者保護として望ましい。よっ
て、これらを図1の下に例示している。
の危険判定信号及び衝突予知手段22からの衝突予知信
号に複数のレベルを設定した場合には、保護装置作動制
御手段25はこれらのレベルを総合して、そのときに好
ましい保護装置を選択的に駆動させる。
2及び保護装置作動制御手段25は、本システムの全体
を制御するコントローラ、例えば車両に搭載された電気
制御ユニット(ECU)により実現することができる。
る衝突対策システム10を車両に搭載した場合の実施例
を図面に基づいて説明する。図2は、車両1に車両の衝
突対策システム10を適用した例を示した図である。
リ波センサが採用されている。図2(A)は1つのミリ
波センサ11を採用した場合について例示している。図
2(A)で示すように所定角度で連続的(シリアル)に
首振りをするように構成することで、検出範囲を拡大し
て、車両1と障害物との距離、相対速度を検出できる。
また、ミリ波センサ11からパルスビームを所定周期で
障害物に向けて発砲し、その反射波の状態を確認するこ
とで障害物の大きさも推定できる。
1A〜11Cを採用した場合について例示している。こ
の場合も図2(A)の場合と同様に、車両1と障害物と
の距離、相対速度及び障害物の大きさを検出できる。
は、例えば車両1のバンパ2の前部に埋設されている。
説明を簡素化するため以下では、図2(A)で示す1つ
のミリ波センサ11を採用した場合について説明する。
車両中央に配設されたECU20に供給されるようにな
っている。このECU20は前述した危険度判定手段2
1、衝突予知手段22及び保護装置作動制御手段25と
して機能し、衝突予知及び危険度判定をした後、この判
断に基づいて必要な保護装置を作動させる。なお、この
図2ではECU20により作動制御される複数の保護装
置の図示は省略している。
危険度判定手段21として機能した場合の処理を説明す
るために示した図である。図3は車両1の前方にある障
害物A〜Cをミリ波センサ11で検出している様子を示
した図である。
の所に障害物A(以下、バイクA)、距離LB=10m
の所に障害物B(以下、トラックB)、距離LC=15
mの所に障害物C(以下、乗用車C)が例示されてい
る。
したミリ波が障害物に当たり戻ってきた反射波を受信す
る。この受信(検出)数をカウントすることにより障害
物の大きさを推定することができる。
障害物でも検出点数が変化する。即ち、検出点数から推
定される面積(検出面積)が変化する。そのために、本
実施例のECU20は車両1から所定距離に基準位置を
設定している。そして、ミリ波センサ11により障害物
を検出している距離(実測距離)と、所定距離とがずれ
た長さ分を補正する演算を行なって、検出した障害物の
検出面積を基準位置での面積に換算した補正面積を取得
している。
両1と同程度の大きさを有する障害物を想定して危険度
基準面積に設定している。そして、上記補正面積が危険
度基準面積より大きい場合、その逆に補正面積が危険度
基準面積より小さい場合について危険度のレベルを判定
する。
のほど重量があり、車両1に対して危険度が高い。例え
ばトラック等がこれに相当する。その逆に、車両1より
小さい障害物の場合には衝突の危険度は低くなる。
が歩行者等の可能性がある場合には、車両1より十分に
小さい障害物でも衝突の危険度が高である、と例外的な
判定を実行する。
ミリ波のビーム速度、及び発砲時刻と反射波の受信時刻
との差(時間T)から知ることができる。
検出される可能性がある。しかし、ある障害物とその後
にあるより大きな障害物は、検出点毎の距離に差が出る
ので障害物が前後していることを識別できる。車両1に
最も接近している障害物(この場合はバイクA)が判定
の対象となるようにECU20を設定しておけばよい。
Cはミリ波センサ11により検出されない。この乗用車
Cは下記で説明する面積補正で用いるために示してい
る。
置で、バイクA、トラックB及び乗用車Cのそれぞれに
ミリ波センサ11からビームが発砲され、その反射波を
受信した点数(検出点数)に基づいて形成した認識エリ
ア数を示した図である。よって、認識エリア数が多いも
の程、大きな面積を有することのなる。なお、図3でミ
リ波センサ11の検出範囲が平面的に示されているが、
車高方向にも幅を有している。
で検出した反射波に基づいた認識エリア数を、右側には
基準位置での数に補正した認識エリア数(以下、補正認
識エリア数)を示している。なお、図4で説明する例
は、図3において距離L=10mの位置、トラックBの
検出位置を前記基準位置とした場合である。
このときにミリ波センサ11で検出した認識エリア数S
である場合を基準とすると、この距離が半分(L/2)
となったときには認識エリア数は略2倍(2S)とな
る。すなわち、認識エリア数は距離Lにほぼ反比例す
る。
位置での補正認識エリア数に補正するための換算式は、
(検出した認識エリア数)×(車両と障害物との実測距
離/基準の所定距離)となる。ここでの(車両と障害物
との実測距離/基準の所定距離)は、補正係数f(L)
と見ることができる。
ように、車両1から距離LA=5にあり、このとき検出
した認識エリア数は9である。また、基準位置はトラッ
クBの距離LB=10である。また、補正係数f(L)
=5/10となる。
ア数は、9×(5/10)=4.5となる。
離LB=10で、基準位置にあり、検出した認識エリア
数は30である。よって、基準位置に換算した補正認識
エリア数は、30×(10/10)=30で補正後も同
じエリア数となる。
1から距離LC=15であり、このとき検出した認識エ
リア数は9である。よって、基準位置に換算した補正認
識エリア数は、9×(15/10)=13.5となる。
認識エリア数を求めることができるので、基準位置にお
いて障害物の面積レベルを統一して比較することができ
る。よって、基準位置において例えば自車(車両1)と
同じ大きさの障害物が占める認識エリア数を危険基準エ
リア数として記憶しておき、この危険基準エリア数と補
正認識エリア数とを比較することで危険度レベルを確認
できる。
いて、ECU20は前述した危険度のレベル判定を実行
する。例えば、危険基準エリア数に対して、3倍程度と
なるような十分に大きな補正認識エリア数を占める障害
物は、トラック等であり重量が非常に大きいので危険度
ランク高と判定する。
20が、上記のような危険度ランクの判定を実行できる
ようにするためには、危険度判定用の情報を予め設定し
てROM等に格納しておけばよい。例えば、車両に衝突
する可能性の障害物を想定して、各障害物の認識エリア
数に基づいた危険度レベルをROM等に予め格納してお
き、これをECU20が判定時に参照できるようにすれ
ばよい。なお、危険度レベルの設定数は必要により適宜
定めればよい。
高くなるのが原則である。しかし、危険基準エリア数に
対して、例えば20〜30%倍程度の十分に小さな補正
認識エリア数を占める障害物は、歩行者等の可能性が高
い。この補正認識エリア数の場合には、ECU20は危
険度レベル高とする例外的な判定を行なうように設定さ
れている。このような例外的な判定に関する情報も前述
したと同様にROM等に予め格納しておき、これをEC
U20が判定時に参照できるようにすればよい。
実行する危険度判定の一例である。
で、2.5以上から4未満の高(例外)は歩行者等を想
定したものである。
ている。この場合のECU20は、例えば下記表2に示
すような処理を行って、衝突可能性を複数のレベルで予
知している。
出周期を500msの場合で、対象となる障害物が認識さ
れたときの時刻0msとして、継続的に衝突予知を行な
っている。前述したように、ECU20はミリ波センサ
11の検出信号から相対速度V及び距離Lを取得してい
る。ミリ波センサ11による障害物の検出は一定周期
(500ms)で継続されている。よって、ある時刻T1
で検出した距離L1とその一周期前の時刻T0で検出し
た距離L0との差を周期で割ることで、車両1と障害物
との相対速度を求めることができる。
等を参照して、相対速度Vに所定の重付け定数K1、距
離Lに所定の重付け定数K2を設定して演算値Cを求め
ている。ECU20は、演算値Cが大きいとき程、衝突
予知レベルが高いと予知するように設定されている。
行なった後に、下記に示す表3のように各レベルから総
合レベルを決定する。この総合レベルの値が大きい程、
乗員等を保護する必要性が高いことを意味する。保護装
置作動制御手段25としてECU20が、上記危険度判
定及び衝突予知から総合レベルを確認し、この総合レベ
ルに基づいて必要な保護装置を作動させる。
するために、上記危険度判定及び衝突予知を高・低2つ
のレベルで行なった場合を例示した。但し、障害物が歩
行者等の可能性があるときは、危険度判定レベルを高
(例外)としている。
に応じて以下に例示するような作動を実行する。(図1
参照) ○総合レベル1のとき、室内ブザーをオンして運転者に
警告を発するレベル1の制御を実行する。 ○総合レベル2のとき、室内ブザーと共に車外に向けホ
ーンを鳴らし、ブレーキ遊び詰めを行なうレベル2の制
御を実行する。 ○総合レベル3のとき、ブレーキ制動、シフトダウン制
御作動、ストップランプ点灯、ハザードランプ点滅、M
DPT起動を行なうレベル3の制御を実行する。 ○総合レベル4のとき、ブレーキ制動、スロットル制御
作動、MDPT起動、シフトダウン制御作動、ストップ
ランプ点灯、ハザードランプ点滅及び車両用エアバッグ
装置の閾値を下げるレベル4の制御を実行する。 ○総合レベル5のとき、歩行者用エアバッグ装置の閾値
を下げるレベル5の制御を実行する。このような制御を
実行した場合の効果の一例をここで説明する。例えば図
2(B)で示す車両1のバンパ2の前部にタッチセンサ
26が配設され、このタッチセンサ26への衝撃力によ
り歩行者用エアバッグ装置が展開されるようになってい
るとする。このような場合に、衝撃力に対するエアバッ
グ装置の閾値を予め下げておくことで、歩行者等をより
確実に保護できるようになる。
波センサ11からの検出信号を用いて障害物を監視し、
衝突予知及び危険度判定を行うと共に、適切な乗員保護
装置を作動させるまでの一連の流れを図5から図7を用
いて説明する。
たメインのフローチャ−トである。図6及び図7は、図
5のフローチャ−トで実行される割込み処理を説明する
フローチャ−トである。
ンされたときにECU20の本システムに関する部分が
初期化されて(S100)、車両の衝突を監視する状態
に入る。監視状態に入ると前述した衝突予知、危険度判
定を行うのに必要な障害物との距離、相対速度の検出及
び障害物の面積を特定するため、ミリ波センサからの検
出データの処理が実行される。この処理は割込み処理
として実行される(S102)。
れたデータからの演算値を読み込んで(S104)、前
述した衝突予知及び危険度判定を実行し、更にこれらか
ら総合レベルを判断する(S106)。
がされていない時、すなわち衝突予知レベルが無いとき
には、総合レベルによる判断もレベル無しとされる。こ
のように総合レベルが無いときには(S108)、上記
ステップ102からの処理を繰り返す。ただし、これ以
前に保護装置を作動させる制御を実行中であった場合に
は、例えば衝突予知があった後にこれを回避できたと判
断できるので、それまでの制御を停止してから(S11
2)、上記ステップ102からの処理を繰り返す。
ルがあるときには、ECU20は、レベル1か(S11
4)、レベル2か(S116)、レベル3か(S11
8)、レベル4か(S120)を順次確認して、前述し
たレベル1から4のいずれかの制御を実行する。
は、例外的に定めた歩行者保護用のレベル5の制御を実
行する。
するまで繰り返される。すなわち、ミリ波センサ11か
らの検出信号に基づいて判断が最新の状態に更新され
る。よって、本衝突対策システムによると車両周辺の状
況変化に応じ乗員等の保護を図ることができる。
5のステップ102の割込み処理を詳細に示したもので
ある。この割込み処理により、前述した車両と障害物と
の距離及び相対速度の検出、並びに障害物の面積が求め
られる。このフローチャ−トに示される処理は、先に詳
細に説明した内容と同様であるので、以下簡単に説明す
る。
確認してから時間の計測を開始、その後に反射波の受信
を確認したときに計測を終了し、(S201〜S20
6)計測時間を記録する(S208)。
に示すステップ210の距離算出割込み処理、図7
(B)に示すステップ212の距離算出割込み処理、図
7(C)に示すステップ212の認識エリア数算出割込
み処理が実行される。
突対策システムによれば、車両が衝突する可能性のある
の障害物の大きさまで配慮して、乗員並びに必要な場合
には歩行者等まで適切に保護できる。
の衝突を前提に説明したが、車両後方での衝突対策につ
ても同様に対処が可能である。ただし、後方での衝突は
後続車両からの追突が主なものと想定されるので、衝突
を積極的に回避するような保護装置の作動制御というの
は考え難い。よって、後突の場合は、警告と衝突に備え
た保護装置の制御が主になる。例えば、図1で示した保
護装置の作動例の内、ホーン、室内ブザー、ストップラ
ンプ点灯、ハザードランプ点滅、MDPT作動を採用す
ればよい。さらに、ヘッドレストが移動可能であるとき
には後突による鞭打ちを防止するためヘッドレストと乗
員の頭部の距離を狭めるような制御を更に実行するよう
に設定してもよい。
して危険度判定手段21と共に衝突予知手段22を含む
衝突対策システムを例示したが、危険度判定手段22の
判定結果を用いて保護装置の作動を制御するように構成
することも可能である。障害物検出手段11は車両にあ
る程度近付いた障害物を検出するので、危険度判定手段
21は障害物の大きさに基づいて所定の保護装置、例え
ば室内ブザー等を予備的に作動させるようにすれば、前
述したような衝突予知をするよりも以前に運転者に警告
を発して危険な状態が進行することを抑制することがで
きる。
したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるもの
ではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の
範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
に、請求項1記載の発明によれば、衝突する可能性があ
る障害物の種類により変化する危険度を、危険度判定手
段が障害物の大きさに基づいて判定するので乗員等の最
適な保護を図ることができる。
害物の検出面積が広ければその重量も大きいと考えられ
るので、検出面積から衝突によって生じる危険度を推定
して、乗員等の保護を図ることができる。
出した障害物の位置が変化しても、判断レベルを一定に
して衝突による危険度判定を行なうことができる。
正面積を危険度基準面積と比較することで衝突の危険度
レベルを簡易に判断できる。
両と衝突する障害物が歩行者等のように補正面積が小さ
い、いわゆる弱者であった場合には例外的な判定を実行
して、これを適正に保護できる。
突を予知し、衝突による危険度を判定してから必要な保
護装置の作動を行なえるので、乗員等をより確実に保護
できる。
り適切な保護装置が選択されて作動されることになるの
で、より好ましい状態で乗員等を保護できる。
適な保護装置を選択的に駆動して乗員等の保護を図るこ
とができる。
アルタイムで変化する車両周辺の状況に応じて、衝突の
危険度が判定されるので、刻々と変化する車両周辺の状
況変化に応じて乗員等の保護を図ることができる。
ば、乗員等を最適に保護できる車両として提供できる。
成を示したブロック図である。
た例を示した図である。
で検出している様子を示した図である。
イクA、トラックB及び乗用車Cのそれぞれにミリ波セ
ンサからビームが発砲され、その反射波を受信した点数
に基づいて形成した認識エリア数を示した図である。
チャ−トである。
を示すフローチャ−トである。
を示すフローチャ−トである。
Claims (10)
- 【請求項1】 車両周辺の障害物を検出する障害物検出
手段と、 前記障害物検出手段からの検出信号を用いて前記障害物
の大きさを検出し、前記車両に関して発生する可能性が
ある衝突の危険度を判定する危険度判定手段とを備え
た、ことを特徴とする車両の衝突対策システム。 - 【請求項2】 請求項1に記載の車両の衝突対策システ
ムにおいて、 前記危険度判定手段は、前記検出信号から推定した前記
障害物の検出面積に基づいて衝突の危険度を判定する、
ことを特徴とする車両の衝突対策システム。 - 【請求項3】 請求項2に記載の車両の衝突対策システ
ムにおいて、 前記危険度判定手段は、危険度を判定するための危険度
基準面積を車両から所定距離に設定し、前記障害物と車
両との実測距離と前記所定距離との差に基づいて前記検
出面積を前記所定距離での面積に換算して補正面積を取
得し、該補正面積と前記危険度基準面積とを比較するこ
とにより衝突の危険度を判定する、ことを特徴とする車
両の衝突対策システム。 - 【請求項4】 請求項3に記載の車両の衝突対策システ
ムにおいて、 前記危険度判定手段は前記補正面積が前記危険度基準面
積と比較して大きい程、危険度が高いとの判定する実行
する、ことを特徴とする車両の衝突対策システム。 - 【請求項5】 請求項4に記載の車両の衝突対策システ
ムにおいて、 前記危険度判定手段は前記補正面積が前記危険度基準面
積と比較して小さい場合でも、前記補正面積から前記障
害物が歩行者、自転車、バイク等であると推定できる場
合には、危険度が高いとの例外的な判定を実行するよう
に設定されている、ことを特徴とする車両の衝突対策シ
ステム。 - 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載の車両
の衝突対策システムにおいて、 前記障害物検出手段からの検出信号を用いて前記障害物
と車両との衝突を予知する衝突予知手段と、車両と前記
障害物との衝突の回避若しくは車両と前記障害物とが衝
突した場合に被害の軽減を図るための複数の保護装置
と、前記危険度判定手段による判定結果及び前記衝突予
知手段による予知結果に基づいて前記保護装置の作動を
制御する保護装置作動制御手段とをさらに備えた、こと
を特徴とする車両の衝突対策システム。 - 【請求項7】 請求項6に記載の車両の衝突対策システ
ムにおいて、 前記危険度判定手段による判定結果及び前記衝突予知手
段による予知結果の各々には、複数段の危険度レベル及
び衝突予知レベルが準備され、 前記保護装置駆動手段は、前記危険度のレベルと衝突予
知のレベルとを考慮した総合レベルに基づいて、前記複
数の保護装置の内から必要な保護装置の作動制御を実行
する、ことを特徴とする車両の衝突対策システム。 - 【請求項8】 請求項7に記載の車両の衝突対策システ
ムにおいて、 前記保護装置には、車両と前記障害物との衝突を回避す
るための装置、車両と前記障害物との衝突の発生に備え
て乗員を保護する装置、及び車両と衝突する前記障害物
が歩行者、自転車、バイク等であると推定された場合に
これらを保護するために作動される装置を含む、ことを
特徴とする車両の衝突対策システム。 - 【請求項9】 請求項1から8のいずれかに記載の車両
の衝突対策システムにおいて、 前記危険度判定手段による衝突の危険度判定は、所定周
期で継続され、後の判定が優先されるように設定されて
いる、ことを特徴とする車両の衝突対策システム。 - 【請求項10】 請求項1から9のいずれかに記載の車
両の衝突対策システムを搭載していることを特徴とする
車両。
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