JP2009195886A - 下水汚泥の処理方法及び処理システム - Google Patents

下水汚泥の処理方法及び処理システム Download PDF

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Abstract

【課題】下水汚泥の脱水ケーキを、セメントクリンカの原料の一部として用いて処理する方法において、セメント製造工場に到着したトラックに積載した下水汚泥の脱水ケーキを、圧送用の流通路を介して貯留槽等に移送するときに、工業用水を用いずに圧送用の流通路内の脱水ケーキの流通性を向上させることのできる方法を提供する。
【解決手段】下水汚泥の脱水ケーキを積載した車両1から、脱水ケーキを排出する時に、混合装置3によって、脱水ケーキと、pHが2を超え12.5未満である食品工場等の廃液を混合して、流通用ケーキを得る流通用ケーキ調製工程と、得られた流通用ケーキを、圧送用の流通路5,8を経由してプレヒータ13及び焼成炉14に導き、他の焼成用原料と共に焼成し、セメントクリンカを得る焼成工程を含む下水汚泥の処理方法。焼成炉14の前流側に、貯留槽6、乾燥装置9、乾燥物回収用サイクロン11を設けることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、下水汚泥を、セメント製造装置におけるセメントクリンカ原料等として用いて処理するための方法及びシステムに関する。
近年、下水汚泥をセメント原料として利用する技術、及びそれに付随する関連技術の開発が進められている。
例えば、ダンプカー1のコンテナ2から排出される汚泥を、配管22Aを介して受入タンク24まで移送し、次いで、受入タンク24内の汚泥を、配管22Bを介して混合装置6に供給し、混合装置6内で汚泥と中間処理材(消石灰を含むもの)を混合して、汚泥を粉粒状にし、その後、この粉粒状の汚泥をスクリューコンベア27を介してセメントクリンカ焼成設備のキルン窯尻部に移送することが提案されている(特許文献1の図8)。
特開2000−168881号公報
前記の特許文献1に記載された技術において、下水処理場で凝集剤を用いて、汚泥の脱水ケーキを得て、この脱水ケーキをダンプカーでセメント製造工場に輸送した場合、工場への到着後にダンプカーのコンテナから排出させた脱水ケーキは、水分含有率が小さいため、配管内を円滑に流通させることが困難な場合がある。
この場合、脱水ケーキに工業用水を加えることによって、脱水ケーキの含水率を高めて、配管内の脱水ケーキの流通性を向上させることができる。
しかし、工業用水を用いることは、工業用水の使用量の節減の観点から好ましくない。
そこで、本発明は、下水処理場で生じた汚泥(下水汚泥)の脱水ケーキを、セメントクリンカ等の原料の一部として用いて処理する方法において、セメント製造工場等に到着したトラック等の車両に積載した前記の脱水ケーキを、圧送用の流通路を介して貯留槽等の他の場所に移送するときに、工業用水を用いずに圧送用の流通路内の脱水ケーキの流通性を向上させることのできる方法及びシステムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、下水汚泥の脱水ケーキをセメントクリンカ原料の一部として用いて処理するためのセメント工場に、トラック等の車両が到着した後、該車両から脱水ケーキを排出する時に、脱水ケーキと、食品製造工場等で生じる廃液を混合して、流通用ケーキを得て、この流通用ケーキを圧送用流通路内に流通させれば、工業用水が不要であり、かつ悪臭等の問題も生じないことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[11]を提供するものである。
[1] 下水汚泥の脱水ケーキを積載した車両から、前記脱水ケーキを排出する時に、前記脱水ケーキと、pHが2を超え12.5未満である廃液を混合して、流通用ケーキを得る流通用ケーキ調製工程と、前記流通用ケーキを、圧送用の流通路を経由して焼成炉に導き、他の焼成用原料と共に焼成し、焼成物を得る焼成工程とを含むことを特徴とする下水汚泥の処理方法。
[2] 前記流通用ケーキ調製工程と前記焼成工程の間に、前記流通用ケーキを貯留槽に貯留する貯留工程を含む前記[1]に記載の下水汚泥の処理方法。
[3] 前記貯留工程と前記焼成工程の間に、前記流通用ケーキを乾燥させる乾燥工程を含む前記[2]に記載の下水汚泥の処理方法。
[4] 前記脱水ケーキと前記廃液との質量比(脱水ケーキ/廃液)が、2〜20である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の下水汚泥の処理方法。
[5] 前記廃液が、食品製造工場、有機化学品製造工場、及び、有機化学品使用工場からなる群より選ばれる一つ以上から排出された廃液である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の下水汚泥の処理方法。
[6] 前記脱水ケーキが、下水汚泥を高分子系凝集剤または無機系凝集剤を用いて処理して得られた、含水率が50〜92質量%のものである前記[1]〜[5]のいずれかに記載の下水汚泥の処理方法。
[7] 前記流通用ケーキの含水率が70〜95質量%である前記[1]〜[6]のいずれかに記載の下水汚泥の処理方法。
[8] 前記焼成物がセメントクリンカである前記[1]〜[7]のいずれかに記載の下水汚泥の処理方法。
[9] 下水汚泥の脱水ケーキを積載した車両の当該脱水ケーキと、廃液を混合して、流通用ケーキを得るための混合装置と、該混合装置の後流側に設けられた、前記流通用ケーキを流通させるための圧送用の流通路と、前記圧送用の流通路内を流通した後の前記流通用ケーキを、他の焼成用原料と共に焼成し、焼成物を得るための焼成炉を含むことを特徴とする下水汚泥の処理システム。
[10] 前記圧送用の流通路と前記焼成炉の間に、前記流通用ケーキを貯留するための貯留槽を有する前記[9]に記載の下水汚泥の処理システム。
[11] 前記貯留槽と前記焼成炉の間に、前記流通用ケーキを乾燥させるための乾燥装置を有する前記[10]に記載の下水汚泥の処理システム。
本発明の処理方法及び処理システムによれば、下水汚泥の脱水ケーキをセメントクリンカ原料等として用いて処理するに際して、セメント製造工場等における圧送用の流通路内の脱水ケーキの流通性を、工業用水を用いずに向上させることができる。したがって、工業用水の使用量の節減を図ることができる。
また、本発明の処理方法及び処理システムは、食品製造工場、有機化学品製造工場、有機化学品使用工場等の廃液を用いているにもかかわらず、臭気ガス(アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン等)の発生量が工業用水を用いた場合と同程度であり、悪臭による作業環境の悪化などの問題がない点で、実用性が高いものである。
特に、本発明の処理対象物が、高分子系凝集剤を用いて得られた脱水ケーキである場合、無機系凝集剤を用いて得られた脱水ケーキに比べて、臭気ガスの発生量は少ない。
さらに、本発明では、中性付近の領域の廃液のみならず、pHが2を超える酸性領域の廃液や、pHが12.5未満であるアルカリ性領域の廃液を用いても、臭気ガスの発生量が少ないため、従来、他の物質との混合による悪臭の発生が懸念されていた酸性の廃液及びアルカリ性の廃液を、悪臭を生じさせずに処理することができるという利点がある。
本発明の下水汚泥の処理方法は、下水汚泥の脱水ケーキを積載した車両から、脱水ケーキを排出する時に、脱水ケーキと、pHが2を超え12.5未満である廃液を混合して、流通用ケーキを得る流通用ケーキ調製工程と、該流通用ケーキを、圧送用の流通路を経由して焼成炉に導き、他の焼成用原料と共に焼成し、焼成物を得る焼成工程、を含む。
本発明の下水汚泥の処理方法は、脱水ケーキを車両に積載してセメント製造工場等に運搬する運搬工程、を含むことができる。
本発明の下水汚泥の処理方法は、流通用ケーキ調製工程の後に、流通用ケーキを貯留槽に貯留する貯留工程を含むことができる。
また、本発明の下水汚泥の処理方法は、貯留工程と焼成工程の間に、貯留後の流通用ケーキを乾燥させる乾燥工程を含むことができる。
したがって、本発明の下水汚泥の処理方法は、任意の工程をすべて含む場合、運搬工程、流通用ケーキ調製工程、貯留工程、乾燥工程、及び、焼成工程を含む。ここで、脱水ケーキ調製工程は、下水処理場における工程であり、流通用ケーキ調製工程以降の工程は、セメント製造工場等の、焼成装置がある工場における工程である。
以下、本発明の下水汚泥の処理方法の各工程について詳しく説明する。
(A)運搬工程
本工程は、得られた脱水ケーキを車両に積載して、セメント製造工場等に運搬する工程である。
車両としては、例えば、トラック、電車(貨車)等が挙げられる。
脱水ケーキを運搬するための車両の好適な一例としては、脱水ケーキを収容するための密閉式コンテナを備えたトラックが挙げられる。この密閉式コンテナとしては、例えば、脱水ケーキを受け入れるための受入部と、該受入部から受け入れられた脱水ケーキから臭気が漏れることを防止する密閉式コンテナ本体と、脱水ケーキを外部に排出するための排出口と、密閉式コンテナ本体内の脱水ケーキを前記排出口に導くための誘導手段(例えば、密閉式コンテナ本体の内部に設けられたパドル式スクリューコンベア)とで構成されているものが挙げられる(前記の特許文献1を参照)。なお、この密閉式コンテナを用いる運搬方法は、トラック・コンテナコレクション方式(TCC方式)と呼ばれている。
このような密閉式コンテナを備えた車両を用いることによって、脱水ケーキの輸送中に臭気が漏れたり、あるいは、走行中に脱水ケーキが揺すられて車両から落下するなどの事態を防止することができる。
(B)流通用ケーキ調製工程
本工程は、下水汚泥の脱水ケーキを積載した車両から、脱水ケーキを排出する時に、脱水ケーキと、pHが2を超え12.5未満である廃液を混合して、流通用ケーキを得る工程である。
廃液としては、食品製造工場、有機化学品製造工場、有機化学品使用工場等の工場で生じる1種単独のまたは2種以上を混合してなる廃液が挙げられる。
このうち、食品製造工場としては、飲料製造工場等が挙げられる。有機化学品製造工場としては、石油化学製品、塗料、電子材料、建材等の工場が挙げられる。有機化学品使用工場としては、印刷工場等が挙げられる。
本発明で用いられる廃液のpHは、2を超え12.5未満である。pHが2以下では、流通用ケーキの圧送用の流通路を形成する配管が腐食し易くなる。pHが12.5以上では、アンモニアの発生量が増大することがある。
本発明は、中性付近の領域(例えば、pHが6.5を超え7.5未満の範囲内)のみならず、例えばpHが2を超え6.5以下である酸性領域、及び、例えばpHが7.5以上12.5未満であるアルカリ性領域の廃液を用い得るという利点を有する。
脱水ケーキと廃液との質量比(脱水ケーキ/廃液)は、脱水ケーキの含水率によっても異なるが、好ましくは2〜20、より好ましくは3〜9、特に好ましくは4〜8である。該質量比が2未満では、脱水ケーキと廃液との混合物(流通用ケーキ)の含水率が高くなり、乾燥工程における乾燥機の負荷が大きくなったり、あるいは、乾燥工程を含まない場合に焼成炉内の温度の低下を引き起こす可能性があるなどの点で好ましくない。該質量比が20を超えると、脱水ケーキと廃液との混合物(流通用ケーキ)の含水率が低くなり、圧送用の流通路内の流通用ケーキの流通性が劣ることがある。
脱水ケーキと廃液を混合してなる流通用ケーキの含水率は、脱水ケーキの性状によっても異なるが、好ましくは70〜95質量%、より好ましくは72〜93質量%である。水分含有率が70質量%未満では、圧送用の流通路内の流通用ケーキの流通性が劣ることがある。水分含有率が95質量%を超えると、乾燥工程における乾燥機の負荷が大きくなったり、あるいは、乾燥工程を含まない場合に焼成炉内の温度の低下を引き起こす可能性があるなどの点で好ましくない。
脱水ケーキと廃液を混合する手段としては、通常、下水汚泥の脱水ケーキを積載した車両とは独立した混合装置(例えば、撹拌手段を備えた混合槽)が用いられる。ただし、車両に備えた脱水ケーキの収容タンクとして、廃液の供給口、及び撹拌翼等の撹拌手段を設けたものを用い、セメント製造工場等に到着した後に、廃液の供給口に廃液を投入し、収容タンク内において脱水ケーキと廃液を撹拌混合してもよい。したがって、本発明における「脱水ケーキを排出する時」とは、車両がセメント製造工場に到着した時から、脱水ケーキを圧送用流通路に供給する時までの時間帯を意味する。
(C)貯留工程
本工程は、流通用ケーキを貯留槽に貯留する工程である。
貯留槽は、流通用ケーキを一時的に貯留するためのものである。貯留槽を設けることによって、後工程である焼成工程における流通用ケーキの供給量を自由に調整することができる。
流通用ケーキ調製工程の混合装置と、貯留工程の貯留槽の間は、圧送用の流通路で結ばれている。
通常、食品製造工場、有機化学品製造工場、有機化学品使用工場等で生じる廃液(特に、酸性またはアルカリ性の廃液)は、種々の有機物質を含むため、他の有機物質と混合した後に長時間滞留させると、臭気ガスが発生し、悪臭の原因となることが多い。この点、本発明では、貯留槽内に流通用ケーキを長時間(例えば、1日程度)貯留しても、多量の臭気ガスは発生せず、工場内の環境は良好に保たれる。
なお、貯留工程は、必要に応じて設けられる任意の工程である。
(D)乾燥工程
本工程は、貯留槽内に貯留されている流通用ケーキを、乾燥手段に導き、乾燥させる工程である。
乾燥工程を設けることによって、流通用ケーキの含水率を低下させて、セメント製造装置における焼成のための熱エネルギーを減少させることができる。
乾燥手段としては、例えば、破砕気流乾燥機が挙げられる。
破砕気流乾燥機は、貯留槽から供給される流通用ケーキを破砕しながら、セメント製造装置を構成するプレヒータの排ガスの流路より抽気した高温ガスによって、流通用ケーキを乾燥させる装置である。破砕気流乾燥機は、上部に流通用ケーキの供給口を有し、かつ、下部に高温ガスの流入口を有するものであり、流通用ケーキと高温ガスとが向流で接触するように構成されている。
貯留工程の貯留槽と、乾燥工程の乾燥手段の間は、圧送用の流通路で結ばれている。
なお、乾燥工程は、必要に応じて設けられる任意の工程である。
貯留工程及び乾燥工程を含む場合、流通用ケーキを調製するための混合装置と貯留槽の間、及び、貯留槽と乾燥装置の間には、各々、圧送用の流通路が設けられる。この場合、乾燥装置(例えば、破砕気流乾燥機)と焼成炉の間には、圧送用の流通路ではなく、例えば、乾燥物用の流通路、及び乾燥物回収サイクロンが設けられる。具体的には、乾燥装置から排出された乾燥物(流通用ケーキ)は、乾燥物用の流通路を介して乾燥物回収サイクロンに導かれた後、乾燥物用の流通路を介して、セメント製造装置を構成するプレヒータに供給され、セメントクリンカ原料の一部として用いられる。
貯留工程及び乾燥工程を含まない場合、流通用ケーキを調製するための混合装置と焼成炉の間には、圧送用の流通路が設けられる。
貯留工程を含み、かつ乾燥工程を含まない場合、流通用ケーキを調製するための混合装置と貯留槽の間、及び、貯留槽と焼成炉の間には、各々、圧送用の流通路が設けられる。
本発明において、圧送用の流通路は、通常、ポンプ及び圧送用の管体(例えば、ステンレス製のパイプ)によって構成される。圧送用の流通路は、流通用ケーキ調製工程で得られた高含水率の流通用ケーキ(換言すると、乾燥処理されていない流通用ケーキ)が流通する箇所に設けられる。
(E)焼成工程
本工程は、流通用ケーキを、圧送用の流通路を経由して焼成炉に導き、他の焼成用原料と共に焼成し、焼成物を得る工程である。
ここで、「圧送用の流通路を経由して」とは、前述のとおり、流通用ケーキ調製工程で得られた高含水率の流通用ケーキが流通する箇所に、圧送用の流通路が設けられていることを意味するものであり、流通用ケーキ調製工程の混合装置から、焼成工程の焼成炉までの全経路に、圧送用の流通路が設けられていることを意味するものではない。
焼成物としては、例えば、セメントクリンカ等が挙げられる。
他の焼成用原料としては、例えば、セメントクリンカの汎用の原料(具体的には、石灰石、粘土、鉄滓等)が挙げられる。
本発明の処理対象物が、高分子系凝集剤を用いて得られた脱水ケーキである場合、好ましい実施形態は、次のとおりである。
脱水ケーキの含水率は、好ましくは65〜85質量%、より好ましくは70〜85質量%である。
脱水ケーキと廃液との質量比(脱水ケーキ/廃液)は、好ましくは5〜9、より好ましくは6〜8である。
脱水ケーキと廃液を混合してなる流通用ケーキの含水率は、好ましくは70〜90質量%、より好ましくは75〜87質量%である。
次に、本発明の下水汚泥の処理システムの一例を説明する。
図1に示すように、本発明の下水汚泥の処理システムの一例は、車両(トラック)1に備えたコンテナ2に収容されていた下水汚泥の脱水ケーキと、廃液を混合して、流通用ケーキを得るための混合装置(混合槽)3と、混合槽3から排出された流通用ケーキを流通させるためのポンプ4及び圧送用の流通路5と、流通用ケーキを貯留するための貯留槽6と、貯留槽6から排出された流通用ケーキを流通させるためのポンプ7及び圧送用の流通路8と、流通用ケーキを乾燥させるための乾燥装置(破砕気流乾燥機)9と、乾燥装置9から排出された流通用ケーキの乾燥物を流通させるための乾燥物用の流通路10と、流通用ケーキの乾燥物を回収するための乾燥物回収用サイクロン11と、乾燥物回収用サイクロン11から排出された流通用ケーキの乾燥物を流通させるための乾燥物用の流通路12と、流通用ケーキの乾燥物を予熱するためのプレヒータ13と、流通用ケーキの乾燥物及び他のセメントクリンカ原料を焼成して、セメントクリンカを得るための焼成炉(ロータリーキルン)14を含む。なお、図1中の点線は、プレヒータの排ガスの流路より抽気した高温ガスの経路を示す。
実施例及び参考例に基づいて本発明を説明する。
[A.使用材料]
下水汚泥の脱水ケーキ、及び、廃液として、以下の材料を使用した。
(1)下水汚泥の脱水ケーキ
(a)脱水ケーキ(高分子系凝集剤使用品)
含水率が75質量%のものを用いた。
(b)脱水ケーキ(無機系凝集剤使用品)
含水率が90質量%のものを用いた。
(2)模擬廃液
下記の表1に示す「模擬廃液1」〜「模擬廃液6」を調製した。表1中の「wt.%」は「質量%」を表す。また、比較用として、工業用水(pH7)を用意した。
Figure 2009195886
(3)実廃液
(a)実廃液1
食品廃液(pH4.9)
(b)実廃液2
印刷廃液(pH12.0)
(c)実廃液3
混合廃液(pH3.5)
(d)実廃液4
液体洗剤の製造工場の廃液(pH7.5)
(e)実廃液5
台所用洗剤の製造工場の廃液(pH7.9)
(f)実廃液6
消臭剤の製造工場の廃液(pH8.1)
(g)実廃液7
濃縮洗剤の製造工場の廃液(pH9.3)
(h)水道水(pH7)
[B.各種の臭気ガスの発生量の測定]
下水汚泥の脱水ケーキと、前記の各廃液を混合した場合における所定時間経過後の臭気ガスの発生量を測定した。
試験は、次の手順で行なった。
まず、合成樹脂製の容器(容量:1リットル)内の下水汚泥の脱水ケーキ100gに対して、廃液を15g加えた後、撹拌棒で撹拌し、流通用ケーキを調製した。調製後、容器の口を合成樹脂製のフィルムで封をした。なお、廃液の添加量は、現場での実際の処理が、下水汚泥の脱水ケーキ10トンに対して工業用水1〜1.5トンを添加して行なわれることに基づいて定めたものである。
次いで、30℃の恒温器内で、所定時間経過した時点(模擬廃液については6時間経過後の時点、実廃液については0.5時間、3時間、6時間、24時間の各時間経過後の時点)で、容器内のアンモニア、硫化水素、メチルメルカプタンの各濃度を、ガス検知管を用いて測定した。なお、実廃液については、各時点での測定の終了後、容器内の臭気ガスを追い出して、容器内に臭気ガスが存在しない状態として、再度、合成樹脂製のフィルムで封をし、以下、所定時間経過後の測定を繰り返すという方法を採用した。
下水汚泥の脱水ケーキとして、高分子系凝集剤を用いて得られた脱水ケーキ、または、無機系凝集剤を用いて得られた脱水ケーキを用い、かつ、廃液として、模擬廃液1〜6または工業用水(参考例)を用いた実験例の結果を、図2〜図7に示す。
また、下水汚泥の脱水ケーキとして、高分子系凝集剤を用いて得られた脱水ケーキを用い、かつ、実廃液1〜7または工業用水(参考例)を用いた実験例(実施例1〜7、参考例1)の結果を、表2に示す。なお、表2中の「hr」は、「時間(hour)経過時」を表す。また、「ND」は、検出限界値未満であったことを表す。
Figure 2009195886
図2〜図7に示すように、模擬廃液を用いた場合、pHが2を超え12.5未満の範囲内では、臭気ガスの発生量は、工業用水を用いた場合と同等以下であり、実用に適する範囲内であることがわかる。
図2〜図7から、脱水ケーキを調製する際に、無機系凝集剤を用いるよりも、高分子系凝集剤を用いたほうが、臭気ガスの発生量が少ないこともわかる。
表2に示すように、実施例1〜7(実廃液)と参考例1(工業用水)とでは、臭気ガスの発生量に関して、顕著な差はなかった。特に、臭気ガスの発生量の増大が予想される、酸性またはアルカリ性の領域の廃液を使用した場合であっても、中性領域の廃液を使用した場合と同程度の臭気ガスが発生するだけであった。
本発明の下水汚泥の処理システムの一例を示す図である。 高分子系凝集剤を用いて得られた脱水ケーキを用い、かつ、廃液として、模擬廃液1〜6または工業用水を用いた実験例における、廃液のpHとアンモニア濃度の関係を示すグラフである。 高分子系凝集剤を用いて得られた脱水ケーキを用い、かつ、廃液として、模擬廃液1〜6または工業用水を用いた実験例における、廃液のpHと硫化水素濃度の関係を示すグラフである。 高分子系凝集剤を用いて得られた脱水ケーキを用い、かつ、廃液として、模擬廃液1〜6または工業用水を用いた実験例における、廃液のpHとメチルメルカプタン濃度の関係を示すグラフである。 無機系凝集剤を用いて得られた脱水ケーキを用い、かつ、廃液として、模擬廃液1〜6または工業用水を用いた実験例における、廃液のpHとアンモニア濃度の関係を示すグラフである。 無機系凝集剤を用いて得られた脱水ケーキを用い、かつ、廃液として、模擬廃液1〜6または工業用水を用いた実験例における、廃液のpHと硫化水素濃度の関係を示すグラフである。 無機系凝集剤を用いて得られた脱水ケーキを用い、かつ、廃液として、模擬廃液1〜6または工業用水を用いた実験例における、廃液のpHとメチルメルカプタン濃度の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 車両(トラック)
2 コンテナ
3 混合装置(混合槽)
4 ポンプ
5 圧送用の流通路
6 貯留槽
7 ポンプ
8 圧送用の流通路
9 乾燥装置
10 乾燥物用の流通路
11 乾燥物回収用サイクロン
12 乾燥物用の流通路
13 プレヒータ
14 焼成炉(ロータリーキルン)

Claims (11)

  1. 下水汚泥の脱水ケーキを積載した車両から、前記脱水ケーキを排出する時に、前記脱水ケーキと、pHが2を超え12.5未満である廃液を混合して、流通用ケーキを得る流通用ケーキ調製工程と、
    前記流通用ケーキを、圧送用の流通路を経由して焼成炉に導き、他の焼成用原料と共に焼成し、焼成物を得る焼成工程と
    を含むことを特徴とする下水汚泥の処理方法。
  2. 前記流通用ケーキ調製工程と前記焼成工程の間に、前記流通用ケーキを貯留槽に貯留する貯留工程を含む請求項1に記載の下水汚泥の処理方法。
  3. 前記貯留工程と前記焼成工程の間に、前記流通用ケーキを乾燥させる乾燥工程を含む請求項2に記載の下水汚泥の処理方法。
  4. 前記脱水ケーキと前記廃液との質量比(脱水ケーキ/廃液)が、2〜20である請求項1〜3のいずれか1項に記載の下水汚泥の処理方法。
  5. 前記廃液が、食品製造工場、有機化学品製造工場、及び、有機化学品使用工場からなる群より選ばれる一つ以上から排出された廃液である請求項1〜4のいずれか1項に記載の下水汚泥の処理方法。
  6. 前記脱水ケーキが、下水汚泥を高分子系凝集剤または無機系凝集剤を用いて処理して得られた、含水率が50〜92質量%のものである請求項1〜5のいずれか1項に記載の下水汚泥の処理方法。
  7. 前記流通用ケーキの含水率が70〜95質量%である請求項1〜6のいずれか1項に記載の下水汚泥の処理方法。
  8. 前記焼成物がセメントクリンカである請求項1〜7のいずれか1項に記載の下水汚泥の処理方法。
  9. 下水汚泥の脱水ケーキを積載した車両の当該脱水ケーキと、廃液を混合して、流通用ケーキを得るための混合装置と、
    該混合装置の後流側に設けられた、前記流通用ケーキを流通させるための圧送用の流通路と、
    前記圧送用の流通路内を流通した後の前記流通用ケーキを、他の焼成用原料と共に焼成し、焼成物を得るための焼成炉
    を含むことを特徴とする下水汚泥の処理システム。
  10. 前記圧送用の流通路と前記焼成炉の間に、前記流通用ケーキを貯留するための貯留槽を有する請求項9に記載の下水汚泥の処理システム。
  11. 前記貯留槽と前記焼成炉の間に、前記流通用ケーキを乾燥させるための乾燥装置を有する請求項10に記載の下水汚泥の処理システム。
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