JP2009195843A - 硝酸イオン選択吸着剤の微粒子を含有する成形体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、ポリマーマトリックス中に形成された複数のセルを有する成形体であって、
(1)各セル中には下記式(1)で表される硝酸イオン選択吸着剤の微粒子が内包され、
Mg2+ 1−xAl3+ x(OH−)2(Cl−)x−ny(An−)y・mH2O (1)
(式中、xは0.15<x<0.34を満足する正数で、An−はCl−以外のn価の陰イオンで、yは正数であり、mは0.1<m<0.7を満足する正数である。)
(2)ポリマーマトリックス中には細孔が存在し、細孔は他の細孔とポリマーマトリックス中で連通し、それらの孔径が1nm〜1μmの範囲にあり、
(3)各セルの内壁と硝酸イオン選択吸着剤微粒子とは実質的に接触していない、成形体である。
【選択図】なし
Description
このため微量の硝酸イオンを選択的に吸着除去できる吸着剤に関する研究が活発になされ、層状複水酸化物が硝酸イオン選択吸着剤として優れていると報告がある(特許文献1および2参照)。飲料水の製造を考慮すると、安全の点から層状複水酸化物を構成する金属元素が人体に無害であることが重要であり、従って、下記式(1)で表される層状複水酸化物が硝酸イオン選択吸着剤として好適である。
Mg2+ 1−xAl3+ x(OH−)2(Cl−)x−ny(An−)y・mH2O (1)
(式中、xは0.15<x<0.34を満足する正数で、An−はCl−以外のn価の陰イオンで、yは正数であり、mは0.1<m<0.7を満足する正数である。)
特に層間距離を約0.81nmに調節した層状複水酸化物は、多種類の陰イオンを含む水溶液から硝酸イオンを選択的に吸着除去することが出来る。しかし、この硝酸イオン選択吸着剤は微粒子として得られるため、工業的に硝酸イオンの吸着を行うには、担体に担持し、適当な形状に成形する必要がある。
しかし、これらのマイクロカプセルは中空部と、それを覆う外殻とからなり、カプセル内部は中空であり活性物質を内部に担持するスペースおよび内部表面積は限られている。また、大粒径のマイクロカプセルの場合、強度を維持するためには外殻の厚さを大きくする必要があるが、活性物質とカプセル外物質との接触は、外殻に存在する数nm〜数十μmの細孔によってのみなされるため、外殻の厚さを大きくした場合には、かかる細孔による圧損が大きくなり、効率的に接触を行うことができないという欠点がある。
また、活性物質が、担体の外部に露出していると、外部からの摩擦等で容易に活性物質が脱落、剥離してしまうという問題がある。
(1)各セル中には下記式(1)で表される硝酸イオン選択吸着剤の微粒子が内包され、
Mg2+ 1−xAl3+ x(OH−)2(Cl−)x−ny(An−)y・mH2O (1)
(式中、xは0.15<x<0.34を満足する正数で、An−はCl−以外のn価の陰イオンで、yは正数であり、mは0.1<m<0.7を満足する正数である。)
(2)ポリマーマトリックス中には細孔が存在し、細孔は他の細孔とポリマーマトリックス中で連通し、それらの孔径が1nm〜1μmの範囲にあり、
(3)各セルの内壁と硝酸イオン選択吸着剤微粒子とは実質的に接触していない、成形体である。
(1)硝酸イオン選択吸着剤は下記式(1)で表される化合物であり、
Mg2+ 1−xAl3+ x(OH−)2(Cl−)x−ny(An−)y・mH2O (1)
(式中、xは0.15<x<0.34を満足する正数で、An−はCl−以外のn価の陰イオンで、yは正数であり、mは0.1<m<0.7を満足する正数である。)
(2)ドープは、疎水性のポリマー、該ポリマーの良溶媒である溶媒(B)および硝酸イオン選択吸着剤の微粒子を含有し、
(3)凝固液は、該ポリマーの貧溶媒である溶媒(D)を含有することを特徴とする方法である。
本発明の製造方法によれば、前記成形体を容易に製造することができる。また本発明の硝酸イオンの除去方法によれば、被処理液中の硝酸イオンを選択的にかつ効率的に吸着除去することができる。また粉体の硝酸イオン吸着剤を用いるのに比べ、被処理液との固液分離の操作が容易である。またカラム処理において圧損が小さい。
(硝酸イオン選択吸着剤)
硝酸イオン吸着剤は、下記式(1)
Mg2+ 1−xAl3+ x(OH−)2(Cl−)x−ny(An−)y・mH2O (1)
(式中、xは0.15<x<0.34を満足する正数で、An−はCl−以外のn価の陰イオンで、yは正数であり、mは0.1<m<0.7を満足する正数である。)
で表される層状複水酸化物である。
An−は、n価の陰イオンである。An−は、層状複水酸化物の合成の過程で不可避的に合成反応系から取込まれるイオンであり、通常はCO3 2−あるいはSO4 2−である。
式(1)で表される層状複水酸化物は、塩化マグネシウムと塩化アルミニウムとを所定のモル比{式(1)中で(1−x)/x}で含む混合溶液と水酸化ナトリウム溶液を所定の流量速度で混合攪拌し、生成した懸濁物をさらにオートクレーブ中で150〜180°Cで水熱処理することにより容易に得られる。水熱処理により、結晶性の高い層状複水酸化物が得られ、これにより硝酸イオン選択性が向上する。
水熱処理の後、乾燥し、分級処理する。硝酸イオン選択吸着剤微粒子の平均粒径は、好ましくは100nm〜3000nm、より好ましくは400nm〜800nmである。
本発明の成形体は、ポリマーにより形成される。ポリマーは疎水性である。ポリマーとして、アラミドポリマー、アクリルポリマー、ビニルアルコールポリマー、セルロースポリマーなどが挙げられる。アラミドポリマーは、アミド結合の85モル%以上が芳香族ジアミンおよび芳香族ジカルボン酸成分よりなるポリマーが好ましい。その具体例としては、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリメタフェニレンテレフタルアミド、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、ポリパラフェニレンイソフタルアミドを挙げることができる。アクリルポリマーは、85モル%以上のアクリロニトリル成分を含むポリマーが好ましい。共重合成分として、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、メタクリ酸メチル、および硫化スチレンスルホン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の成分が挙げられる。
本発明の成形体は、ポリマーマトリックス自体に細孔を有する。細孔は他の細孔とポリマーマトリックス中で連通しており、細孔同士が連結した網目構造を形成している。細孔の孔径は1nm〜1μm、好ましくは10nm〜500nmの範囲にある。細孔は、ドープをポリマーの貧溶媒である溶媒(D)を含有する凝固液中で凝固させることによりスピノーダル現象により形成される。細孔は、走査型電子顕微鏡写真、透過型電子顕微鏡写真により観察することができる。
本発明の成形体中には複数のセルを有する。セル中には硝酸イオン選択吸着剤微粒子が内包されている。セルの形状は一定ではないが、硝酸イオン選択吸着剤微粒子を含むことが出来る大きさである。本発明の成形体においては、各セルの内壁と硝酸イオン選択吸着剤の微粒子は実質的に接触していない。即ち本発明の成形体においては、セルの内壁と、硝酸イオン選択吸着剤微粒子との間には空間が存在する。セル中の硝酸イオン吸着剤微粒子は、鈴の中にある珠に例えることができる。以下この構造を鈴構造ということがある。
本発明の成形体は、球状、楕円状のような塊状のもの、紐状、パイプ状、中空糸状のような繊維状のもの、また膜状のものが好ましい。
(ドープ)
本発明の成形体は、ドープを凝固液中で凝固させ製造することができる。ドープは、疎水性のポリマー、該ポリマーの良溶媒である溶媒(B)および硝酸イオン選択吸着剤の微粒子を含有する。ポリマー、硝酸イオン選択吸着剤は成形体の項で説明した通りである。ドープ中に2種以上の硝酸イオン選択吸着剤を含有させることもできる。
溶媒(B)は、ポリマーの良溶媒である。良溶媒とは一般に言われるように、ポリマーに対し大きな溶解能を有する溶媒である。たとえば、ポリマーがポリメタフェニレンイソフタルアミドのとき、溶媒(B)はN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が好ましい。またポリマーがアクリルポリマーのとき、溶媒(B)はジメチルスルホオキサド(DMSO)が好ましい。さらにはポリマーがポリ乳酸のとき、溶媒(B)はジクロロメタン(DCM)が好ましい。
ドープの温度は、好ましくは5〜80℃、さらに好ましくは20〜50℃である。ドープは、溶媒(B)にポリマーを混入し、充分に攪拌して溶解させた後に、硝酸イオン選択吸着剤の微粒子を添加して調製しても良いし、溶媒(B)中にポリマーと硝酸イオン選択吸着剤微粒子を同時に混入させて調製しても良い。
凝固液は、ポリマーの貧溶媒である溶媒(D)を含有する。貧溶媒とは一般に言われるように、ポリマーに対し溶解能を僅かしか持たない溶媒である。ポリマーがポリメタフェニレンイソフタルアミドであるとき、溶媒(D)は水が好ましい。またポリマーがポリ乳酸であるとき、溶媒(D)はミネラルオイルが好ましい。凝固液は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは85〜100質量%の溶媒(D)を含有する。他の成分は、N−メチル−2−ピロリドンやジメチルスルホオキサドが好ましい。
ポリマーが、ポリメタフェニレンイソフタルアミドであり、溶媒(B)がN−メチル−2−ピロリドンであり、溶媒(D)が水であることが好ましい。ポリマーがアクリルポリマーであり、溶媒(B)がジメチルスルホオキサドであり、溶媒(D)が水であることが好ましい。好ましいポリマーおよび溶媒の組み合わせとして、下記表1に示す組合せが例示できる。
本発明の硝酸イオンの除去方法は、上記成形体と被処理液とを接触させることからなる。被処理液として、河川水、ため池水、湖沼水、地下水、プール水、上下水等の硝酸イオン含有溶液が挙げられる。
硝酸イオンの除去は、成形体を被処理液に添加し、十分撹拌混合して硝酸イオンを吸着させ、さらにはほぼ吸着平衡に達っせしめたのち、固液分離すればよい。それにより、被処理液中の硝酸イオンは成形体に取り込まれ成形体ごと固体として液体から分別除去される。このような吸着処理において、被処理液のpHは5〜10の範囲に調整するのが好ましい。処理時間は、成形体のサイズによっても異なるが、通常30分〜2時間の範囲である。
成形体中の吸着剤に吸着された硝酸イオンは、成形体を適当な溶離剤、通常アルカリ、例えば水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物、塩化ナトリウムなどのハロゲン化アルカリ等の水溶液で処理すれば、溶離されて溶液中に溶出してくる。溶離剤の溶液濃度は、硝酸イオン吸着量によっても異なるが、通常0.1〜5M、好ましくは1〜2Mの範囲で選ばれる。
レーザ回折散乱法粒度分布測定装置MT―3300(日機装(株)製))を用いて測定した。
(2)BET法比表面積の測定
湯浅アイオニクス(株)製の12検体全自動表面測定装置マルチソーブ−12で測定した。
(3)粒子構造の解析
X線回折により行なった。
方法:Cu−Kα、角度(2θ):5〜65°、ステップ:0.02°、スキャンスピ−ド:4°/分、管電圧:40kV、管電流:20mV。
装置:RINT2200VX線回折システム(理学電機(株)製)
(4)成分分析
MgO、Al2O3キレート滴定法による。
CO2:JIS R9101に準ずる方法による
Cl:ホルハルト法による
1m3反応槽に1.36mol/LのMgCl2水溶液331Lおよび2.0mol/LのAlCl3水溶液50Lを入れ、室温下で攪拌しつつ3.4mol/LのNaOH水溶液334Lを約15分間で注加した。
さらに30分間攪拌後、沈殿生成物を170℃で8時間水熱反応させた。懸濁液を室温まで冷却後、濾過、水洗および105℃で41時間熱風乾燥して硝酸イオン選択吸着剤を得た。
該吸着剤は粉末X線回折(図1)、組成分析からMg−Al型(Mg/Al=4.2、すなわち式(1)でx=0.19)の層状複水酸化物であり、層間距離にあたる(003)面の面間隔d003は0.8122nmであった。また、モル比 MgO:Al2O3:Cl:CO2=8.40:1.00:1.83:0.18であった。本吸着剤の粒径をレーザ回折散乱法で測定した結果、平均粒径は0.589μmで、BET法による比表面積は14.9m2/gであった。
室温で、100質量部のポリメタフェニレンイソフタルアミド(PMPIA)を1400質量部のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させて、ポリマー溶液を調製した。ポリメタフェニレンイソフタルアミド(PMPIA)100質量部に比して、参考例1で調製した硝酸イオン選択吸着剤200質量部を、50質量部のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に添加し、43hPaで3時間減圧下に保持して脱気を行った。その後、その全量を調整したポリマー溶液に加え、攪拌棒で全体を充分に攪拌してドープを調製した。室温の水を凝固液とした。図2に示す装置で、室温にてドープをギヤポンプからキャップを介して凝固液中に吐出し、ローラーで巻き取って繊維状成形体を得た。繊維状成形体の断面の透過型電子顕微鏡写真を図3に示す。
実施例1で得られた繊維状成形体0.5gを、1mmol/L硝酸ナトリウム水溶液1Lに加え、2日間かきまぜた。途中、サンプリングをし、溶液中の硝酸イオン濃度をイオンクロマトで測定した。吸着前後の硝酸イオン濃度の差から硝酸イオン吸着量を求めた。吸着処理時間を横軸に、硝酸イオンの吸着量を縦軸にプロットした結果を図4に示す。硝酸イオンの吸着量は吸着処理6時間後に最大となり、吸着容量は0.93mmol/g−成形体で、用いた硝酸イオン選択吸着剤原粉当たりの吸着容量は1.40mmol/g−吸着剤であった。
参考例1で得られた硝酸イオン選択吸着剤の原粉0.5gに対して、1mmol/L硝酸ナトリウム水溶液1Lを加え、2日間かきまぜた。途中、サンプリングをし、実施例2と同じ方法で硝酸イオンの吸着量を求めた。サンプリング時間を横軸に、硝酸イオンの吸着量を縦軸にプロットした結果を図4に示した。硝酸イオン吸着量は吸着時間30分後に最大となり、時間と共に緩やかに減少した。2日後の最小吸着量は1.40mmol/g−吸着剤であった。
実施例2と比較例1とを比べると、繊維状成形体の吸着容量は、用いた硝酸イオン選択吸着剤粉末の場合とほぼ同等であることが分かる。これは、ポリマーマトリックス内に担持された硝酸イオン選択吸着剤の表面は被覆されていないことと一致する。
各2mmol/LのNaCl、NaNO3、Na2CO3、NaH2PO4、Na2SO4の混合溶液10mLに対して、参考例1の硝酸イオン選択吸着剤、実施例1の繊維状成形体各0.1gを用いて吸着実験を行った。1日後に、0.2μmのフィルターで固液分離し、各陰イオン濃度はイオンクロマトグラフィーで測定した。分配係数Kdは下記式(2)により求めた。吸着実験結果をもとに計算したKd値を表2にまとめた。繊維状成形体は硝酸イオンに対して高い選択性を示すことが分かる。また、この実験で実施した多成分系における繊維状成形体の硝酸イオン吸着性は、用いた硝酸イオン選択吸着剤原粉基準で評価すると、ほぼ79%であることが分かる。
Kd(mL/g)=陰イオン吸着量(mg/g)/陰イオン濃度(mg/mL) (2)
1mmol/Lの硝酸ナトリウム水溶液2Lに対し、実施例1で得た繊維状成形体あるいは参考例1で得た硝酸イオン選択吸着剤を所定量添加し、25℃温度一定の恒温槽の中で、メカニカルスターラー200回転/分で撹拌して吸着実験を行った。1日後の硝酸イオン吸着量を実施例2と同じ方法で求めた。繊維状成形体の硝酸イオン吸着性能、およびその粉末性能比の結果を表3に示す。
実施例1で得られた繊維状成形体が硝酸イオン吸着に繰り返し使用できるかを試験した。硝酸イオンの吸着は、繊維状成形体(硝酸イオン選択着剤換算1g)を2mmol/L硝酸ナトリウム水溶液1Lで4時間処理して行った。硝酸イオン吸着後の繊維状成形体を0.6mol/L塩化ナトリウム水溶液(海水濃度相当)500mLで20時間処理し、Cl型への再生を行った。各吸着処理時の硝酸イオン吸着量は、溶液の硝酸イオン濃度をイオンクロマトで測定し、吸着前後の濃度の変化から求めた。その結果を図5に示す。5回の繰り返しでは、硝酸イオン吸着容量は1.3mmol/g−吸着剤で一定であることが分かる。従って、繊維状成形体は再生が可能であり、繰り返し使用が出来ることは明らかである。
室温で、100質量部のポリアクリルニトリル(PAN)を1400質量部のジメチルスルホキサド(DMSO)に溶解させて、ポリマー溶液を調製した。ポリアクリルニトリル(PAN)100質量部に比して、参考例1で調製した硝酸イオン選択吸着剤200質量部を、50質量部のジメチルスルホキサド(DMSO)に添加し、43hPa で3時間減圧下に保持して脱気を行った。その後、その全量を調整したポリマー溶液に加え、攪拌棒で全体を充分に攪拌してドープを調製した。室温の水を凝固液とした。図2に示す装置で、室温にてドープをギヤポンプからキャップを介して凝固液中に吐出し、ローラーで巻き取って実施例1と同様な繊維状成形体を得た。
2 ドープ
3 吐出部
4 紡出糸
5 凝固浴槽
6 凝固液
7 抑えローラー
8 巻き取りローラー
9 ポリマーマトリックス
10 隙間
11 硝酸イオン選択吸着剤の微粒子
Claims (7)
- ポリマーマトリックス中に形成された複数のセルを有する成形体であって、
(1)セル中には下記式(1)で表される硝酸イオン選択吸着剤の微粒子が内包され、
Mg2+ 1−xAl3+ x(OH−)2(Cl−)x−ny(An−)y・mH2O (1)
(式中、xは0.15<x<0.34を満足する正数で、An−はCl−以外のn価の陰イオンで、yは正数であり、mは0.1<m<0.7を満足する正数である。)
(2)ポリマーマトリックス中には細孔が存在し、細孔は他の細孔とポリマーマトリックス中で連通し、それらの孔径が1nm〜1μmの範囲にあり、
(3)セルの内壁と硝酸イオン選択吸着剤微粒子とは実質的に接触していない、成形体。 - 硝酸イオン選択吸着剤の微粒子が、150〜180°Cの温度で2時間以上、水熱合成されたもので、その平均粒径が0.1〜3mmである請求項1に記載の成形体。
- ドープを凝固液中で凝固させることからなる、ポリマーマトリックス中に形成された複数のセルを有する成形体であって、セル中には硝酸イオン選択吸着剤の微粒子が内包されている成形体の製造方法であって、
(1)硝酸イオン選択吸着剤は下記式(1)で表される化合物であり、
Mg2+ 1−xAl3+ x(OH−)2(Cl−)x−ny(An−)y・mH2O (1)
(式中、xは0.15<x<0.34を満足する正数で、An−はCl−以外のn価の陰イオンで、yは正数であり、mは0.1<m<0.7を満足する正数である。)
(2)ドープは、疎水性のポリマー、該ポリマーの良溶媒である溶媒(B)および硝酸イオン選択吸着剤の微粒子を含有し、
(3)凝固液は、該ポリマーの貧溶媒である溶媒(D)を含有することを特徴とする方法。 - ドープが、100質量部のポリマーに対して100〜10,000質量部の溶媒(B)を含有する請求項3記載の方法。
- ポリマーがポリメタフェニレンイソフタルアミドであり、溶媒(B)がN−メチル−2−ピロリドンであり、溶媒(D)が水である請求項3記載の方法。
- ポリマーがアクリルポリマーであり、溶媒(B)がジメチルスルホオキサドであり、溶媒(D)が水である請求項3記載の方法。
- 請求項1記載の成形体と被処理液とを接触させることからなる被処理液中の硝酸イオンの除去方法。
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