JP2009195110A - 細胞処理装置および細胞処理方法 - Google Patents

細胞処理装置および細胞処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特定の細胞にダメージを与えずに特定の細胞以外の細胞に対して処理を行う。
【解決手段】画像処理装置12は、明視野観察の下で、かつ所定の撮像間隔で、培養容器38内に存在する複数の細胞からなる細胞群の画像を取得する。画像処理装置12は、細胞群の画像に基づいて、細胞群のうちの特徴を有する細胞以外の細胞をターゲット細胞として特定し、そのターゲット細胞の位置を検出する。処理用レーザ光源22は、ターゲット細胞の位置に基づいて、そのターゲット細胞にレーザ光を照射することにより、ターゲット細胞に対して殺傷処理を行う。本発明は、例えば細胞処理システムに適用することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、細胞処理装置および細胞処理方法に関する。
細胞を使用した再生医療に向けた細胞培養技術の進展に伴い、細胞培養装置の重要性は高まっている。
ところで、細胞培養過程においては、将来目的とする細胞に分化する以外に、目的としない細胞や、がん化した細胞、がん化する可能性のある細胞などに分化する場合がある。従って、細胞培養装置において、目的とする細胞のみを使用または回収するためには、細胞培養過程において、目的とする細胞を、それ以外の細胞と区別して処理する必要がある。
そこで、例えば、細胞を染色して蛍光観察することにより、目的とする細胞と、それ以外の細胞とを、自動または手動で区別し、目的とする細胞以外の細胞に自動で高速にレーザを照射することにより、目的とする細胞以外の細胞を排除する装置がある(例えば、特許文献1および2参照)。
特表2002−511843号公報 特表2004−512845号公報
しかしながら、染色液には細胞毒性があることが多い。また、蛍光観察において、水銀ランプ、レーザ、LED(Light Emitting Diode)などの励起用光源から照射される励起光は、細胞傷害性が高い。
従って、特許文献1および2に記載されている、目的とする細胞と、それ以外の細胞を区別するために、細胞を染色して蛍光観察する装置では、目的とする細胞もダメージを受け、DNA(DeoxyriboNucleic Acid)やタンパク質などの構成成分が変異してしまう。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、特定の細胞にダメージを与えずに特定の細胞以外の細胞に対して処理を行うことができるようにするものである。
本発明の細胞処理装置は、培養容器内に存在する複数の細胞からなる細胞群から、所定の特徴を有する細胞以外の細胞を排除して前記細胞群を純化する細胞処理装置において、明視野観察の下で、かつ所定の撮像間隔で前記細胞群の画像を取得する取得手段と、前記細胞群の画像に基づいて、前記細胞群のうちの前記特徴を有する細胞以外の細胞をターゲット細胞として特定し、そのターゲット細胞の位置を検出する検出手段と、前記ターゲット細胞の位置に基づいて、そのターゲット細胞に光を照射することにより、前記ターゲット細胞に対して処理を行う処理手段とを備えることを特徴とする。
本発明の細胞処理方法は、培養容器内に存在する複数の細胞からなる細胞群から、所定の特徴を有する細胞以外の細胞を排除して前記細胞群を純化する細胞処理装置の細胞処理方法において、明視野観察の下で、かつ所定の撮像間隔で前記細胞群の画像を取得し、前記細胞群の画像に基づいて、前記細胞群のうちの前記特徴を有する細胞以外の細胞をターゲット細胞として特定し、そのターゲット細胞の位置を検出し、前記ターゲット細胞の位置に基づいて、そのターゲット細胞に光を照射することにより、前記ターゲット細胞に対して処理を行うステップを含むことを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、特定の細胞にダメージを与えずに、特定の細胞以外の細胞に対して処理を行うことができる。
図1は、本発明を適用した細胞処理システムの一実施の形態の構成例を示している。
図1の細胞処理システム10は、細胞処理装置11と画像処理装置12により構成され、培養環境にある複数の細胞からなる細胞群から、所定の特徴を有する単一細胞以外の細胞をターゲット細胞として特定し、そのターゲット細胞を殺傷する殺傷処理を行う。
細胞処理装置11は、位相差顕微鏡21、処理用レーザ光源22、シャッタ23、ミラー24、ガルバノミラー25および26、ビームスプリッタ27、ミラー27aおよび27b、蛍光観察用レーザ光源28、シャッタ29、および制御部30により構成される。
位相差顕微鏡21は、光源側から順に、位相差観察用の光源31、ステージ32、対物レンズ33、ダイクロイックプリズム34、結像光学系35、撮像部36により構成され、ステージ32に載置される培養容器38内の培養環境にある細胞群に照明光を照射して、細胞群の画像を撮像する。このとき、観察対象となる細胞は接着細胞であるため、培養容器38の底面に接着する細胞を観察しやすくするために、位相差顕微鏡21の焦点は培養容器38の底面に合わせられる。
位相差顕微鏡21において、光源31は所定の光を出射する。光源31から出射された光は、ステージ32に載置される培養容器38内の細胞群を照射する。なお、この培養容器38またはその中の細胞群は、図示せぬインキュベータ内に設置されている。これにより、細胞培養に最適な環境での細胞の位相差観察が可能になる。
細胞群を透過した直接光(0次の回折光)は、対物レンズ33に入射し、対物レンズ33内のリング状の位相膜(図示せず)を透過することによって位相が変換される。また、細胞群によって回折されることで直接光に対して位相がずれた0次以外の回折光は、対物レンズ33に入射し、対物レンズ33内の位相膜以外の部分を透過する。そして、対物レンズ33を透過した直接光と回折光は、ダイクロイックプリズム34を介して結像光学系35に入射され、結像光学系35によって結像されて撮像部36の撮像面上で干渉する。これにより、撮像部36の撮像面上には、細胞群の拡大像が形成される。撮像部36は、制御部37からの指令に応じて、撮像面上に形成された拡大像を細胞画像として撮像する。
以上のように、位相差顕微鏡21では、細胞群の屈折力の差や厚みなどによって生じる位相差を光の強弱であるコントラストに変換して像の明暗として可視化することで、細胞画像を観察することができる。
なお、制御部37は、位相差顕微鏡21の各部を制御する。例えば、制御部37は、画像処理装置12からの指令に応じてステージ32を所定の方向に移動させる。即ち、培養容器38内に浮遊している細胞はその位置がずれ、培養容器38に部分的に接着している細胞の位置はずれない程度(以下、浮遊ずれ程度という)の物理的振動を培養容器38に与えることにより、浮遊している細胞と接着している細胞とを識別することができる。
さらに、制御部37は、画像処理装置12からの撮像の開始の指令に応じて、比較的短い間隔で同一の撮像範囲の撮像が行われるように、所定のタイミングで撮像部36に撮像の指令を行う。なお、この間隔は、例えば細胞の移動度や、ある細胞分裂から次の細胞分裂までの時間である分裂周期に応じて決定される。具体的には、撮像間隔は、同一の撮像範囲の連続画像の中で細胞の同一性が認識できる程度の間隔であり、動きの早い細胞の場合は比較的短い時間間隔で、動きの遅い細胞の場合は比較的長い時間間隔で撮像が行われる。
また、制御部37は、画像処理装置12からの撮像範囲の移動の指令に応じて、1回の撮像が終了するたびに順次ステージ32を所定量ずつ移動させ、培養容器38全域を撮像する。
一方、処理用レーザ光源22、シャッタ23、ミラー24、ガルバノミラー25および26、ビームスプリッタ27、並びにミラー27aおよび27bは、培養容器38内のターゲット細胞にレーザ光を照射し、ターゲット細胞を殺傷する。
詳細には、処理用レーザ光源22は、培養容器38内のターゲット細胞を殺傷するためのレーザ光を出射する。シャッタ23は、処理用レーザ光源22から出射されるレーザ光(以下、処理用レーザ光という)の通過または遮蔽を制御することにより、ターゲット細胞に対するレーザ光の照射のオン/オフを制御する。シャッタ23を通過したレーザ光は、ミラー24で反射する。
ガルバノミラー25および26は、所定の方向に回転可能とされたミラーなどの反射部と、反射部の回転方向の角度を調整する調整部(図示せず)とを有し、調整部が反射部の角度を調整することで、反射部により反射されるレーザ光の位相差顕微鏡21の光軸に対する相対位置を変化させ、培養容器38内の所定の位置にレーザ光を照射する。
具体的には、ガルバノミラー25は、ミラー24で反射したレーザ光を、ガルバノミラー26に向かって反射させ、ガルバノミラー26は、ガルバノミラー25により反射されたレーザ光を、ビームスプリッタ27に向かって反射させる。ビームスプリッタ27で反射したレーザ光はミラー27aおよび27bで反射し、ダイロクイックプリズム34に入射する。
ダイクロイックプリズム34に入射したレーザ光は、ダイクロイックプリズム34によって反射し、対物レンズ33を介して培養容器38内の所定のターゲット細胞に照射される。その結果、培養容器38内の所定のターゲット細胞が殺傷される。
また、ビームスプリッタ27、ミラー27aおよび27b、蛍光観察用レーザ光源28、並びにシャッタ29は、蛍光色素により染色された培養容器38内の細胞群を蛍光観察するために設けられている。蛍光観察する場合は、位相差観察用の対物レンズ33に代えて不図示の蛍光観察用の対物レンズが用いられる。これにより、ユーザは培養容器38内の細胞群を蛍光観察することができる。
詳細には、蛍光観察用レーザ光源28は、培養容器38内の細胞群を蛍光観察するためのレーザ光を出射する。シャッタ29は、蛍光観察用レーザ光源28から出射されるレーザ光の通過または遮断を制御することにより、細胞群に対するレーザ光の照射のオン/オフを制御する。シャッタ29を通過したレーザ光は、ビームスプリッタ27に入射する。
ビームスプリッタ27は、シャッタ29を通過して入射するレーザ光を透過させて、ミラー27aに向かわせる。ミラー27aおよび27bで反射したレーザ光は、ダイクロイックプリズム34に入射した後反射して蛍光観察用の対物レンズを介して、培養容器38内の観察領域を照射する。
なお、制御部30は、処理用レーザ光源22、シャッタ23、ガルバノミラー25および26、蛍光観察用レーザ光源28、並びにシャッタ29を制御する。例えば、制御部30は、画像処理装置12から供給される、処理用レーザ光源22の出力値、即ち処理用レーザ光の強度を表す値である処理用レーザ出力値と、処理用レーザ光の培養容器38の底面における照射範囲を表すターゲットマップとに基づいて、処理用レーザ光源22から処理用レーザ出力値の処理用レーザ光が出射され、その処理用レーザ光が、ターゲットマップが表す照射範囲内の所定の位置に照射されるように、処理用レーザ光源22、シャッタ23、並びにガルバノミラー25および26を制御する。
画像処理装置12は、撮像部36により撮像された細胞画像を取得する。画像処理装置12は、細胞画像に基づいて、培養容器38に部分的に接着している単一細胞に、その単一細胞に固有の情報としての細胞IDを付与する。このとき、画像処理装置12は、培養容器38に部分的に接着している単一細胞を検出するために、所定のタイミングで制御部37にステージ32の移動を指令して細胞に浮遊ずれ程度の振動を与える。画像処理装置12は、細胞画像に基づいて、細胞IDが付与された単一細胞の挙動を追跡する。
また、画像処理装置12は、細胞IDを付与しなかった単一細胞以外の細胞をターゲット細胞として特定する。さらに、画像処理装置12は、細胞IDが付与された単一細胞についても、その挙動の追跡により認識される分裂周期などに基づいて所定の特徴を有しない細胞をターゲット細胞として特定する。なお、この特定作業において、画像処理装置12は、分裂周期以外に細胞の形状、大きさ、経時変化の情報などからターゲット細胞を特定する場合もある。
そして、画像処理装置12は、処理用レーザ出力値を決定し、細胞処理装置11の制御部30に供給する。また、画像処理装置12は、ターゲット細胞の形状や位置などに基づいて照射範囲を決定し、制御部30に供給する。さらに、画像処理装置12は、ユーザからの解析の開始の指示に応じて、制御部37に撮像の開始を指令する。
次に、図2Aと図2Bを参照して、培養環境にある単一細胞の状態の経時的変化ついて説明する。
なお、図2Aと図2Bでは、左から右に向かって時間が経過していくものとする。また、図2Aは、各状態の単一細胞の横方向(重力方向に直角な方向)から見た形状を模式的に示しており、図2Bは、各状態の単一細胞の細胞画像を縦方向(重力方向)から見た形状を模式的に示している。
図2Aに示すように、培養容器38内の単一細胞は、最初、培養容器38内を浮遊している状態aにある。この場合、図2Aに示すように、単一細胞の横方向から見た2次元形状は略円形であり、図2Bに示すように、細胞画像における単一細胞の2次元形状も略円形である。即ち、単一細胞の3次元形状は略球形である。また、図2Bに示すように、状態aの単一細胞の境界に見えるハローhは強い。さらに、図2Bに示すように、状態aの単一細胞の細胞移動度は低く、培養容器38を動かさなければ状態aの単一細胞は2次元方向(重力方向に略直角な平面内)には移動しない。
そして時間が経過すると、図2Aに示すように、単一細胞は分裂を開始するため、状態aから培養容器38に部分的に接着する状態bになる。この場合、図2Aと図2Bに示すように、単一細胞の3次元形状、ハローの強度、および細胞移動度は変化しない。
さらに時間が経過すると、図2Aと図2Bに示すように、単一細胞は、状態bから足場を形成した状態cに変化する。この場合、図2Aと図2Bに示すように、単一細胞の3次元形状は球形からかけ離れた突起を有する形状になり、その形状は経時的に変化する。
なお、状態cの単一細胞の細胞画像においては、細胞核を含む細胞オルガネラを認識することができる。また、単一細胞の状態が状態cになると、図2Bに示すように、ハローは弱くなり、細胞移動度は高くなる。従って、単一細胞は状態cになると移動を開始する。
そしてさらに時間が経過し、分裂する直前になると、図2Aと図2Bに示すように、単一細胞の状態は、状態cから分裂前の丸まっている状態dに変化する。この場合、図2Aと図2Bに示すように、単一細胞の3次元形状は再び球形になり、ハローは強くなる。また、図2Bに示すように、細胞移動度は低くなり、単一細胞はあまり移動しなくなる。
さらに時間が経過すると、図2Aと図2Bに示すように、単一細胞の状態は、状態dから分裂した状態eに変化する。この場合、図2Aと図2Bに示すように、単一細胞の3次元形状にはくびれが発生するが、ハローの強度と細胞移動度は変化しない。
そしてさらに時間が経過すると、図2Aと図2Bに示すように、単一細胞の状態は、状態eから分裂した単一細胞が足場を形成した状態fに変化する。この場合、図2Aと図2Bに示すように、単一細胞の3次元形状は突起を有する形状になる。また、図2Bに示すように、ハローは弱くなり、細胞移動度は高くなる。従って、単一細胞は状態fになると再び移動を開始する。
この後、分裂した2つの単一細胞はそれぞれ状態dになり、以降も同様に状態の変化を繰り返す。なお、培養環境にある単一細胞は、上述した状態a乃至fのいずれかになるだけでなく死滅する場合もある。
図1の画像処理装置12は、浮遊細胞から接着細胞になり、これから分裂や増殖を始める状態である状態bの単一細胞に細胞IDを付与する。即ち、画像処理装置12は、浮遊細胞には細胞IDを付与しない。従って、画像処理装置12は、細胞画像から単一細胞の状態が状態aであるか、状態bであるかを判定する必要がある。
そこで、画像処理装置12は、図1の制御部37を制御して培養容器38内の細胞に浮遊ずれ程度の振動を与え、振動の前後の細胞画像における単一細胞の位置の変化によって状態bを判定する。
即ち、単一細胞の状態が状態bである場合、浮遊ずれ程度の振動が与えられても振動の前後で単一細胞の位置は変化しないが、単一細胞の状態が状態aである場合、浮遊ずれ程度の振動が与えられると振動の前後で単一細胞の位置は変化する。従って、浮遊ずれ程度の振動が与えられても単一細胞の位置が変化しない場合、その単一細胞の状態が状態bであると判定し、単一細胞の位置が変化する場合、その単一細胞の状態が状態aであると判定することができる。
実際には、培養容器38に振動を与えた前後における単一細胞の輪郭中心位置の変化量が所定の閾値未満であるものを接着細胞、所定の閾値以上であるものを浮遊細胞と判定することができる。この所定値と撮像間隔は、細胞の種類に応じて実験により定めることができる。
また、画像処理装置12は、単一細胞の挙動として、状態cのときの移動、状態eのときの分裂、および死滅を観察する。
図3は、図1の画像処理装置12のハードウェアの構成例を示している。
図3の画像処理装置12のCPU(Central Processing Unit)51は、ROM(Read Only Memory)52、または記憶部58に記憶されているプログラムにしたがって各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)53には、CPU51が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU51、ROM52、およびRAM53は、バス54により相互に接続されている。
CPU51にはまた、バス54を介して入出力インターフェース55が接続されている。入出力インターフェース55には、キーボード、マウス、操作ボタンなどよりなる入力部56、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部57が接続されている。CPU51は、入力部56から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。なお、CPU51が実行する処理の詳細については、後述する図4を参照して説明する。
入力部56は、ユーザからの操作を受け付け、その操作に対応する指令をCPU51に入力する。出力部57は、CPU51からの指令に応じて画像や音声を出力する。
入出力インターフェース55にはまた、例えばハードディスクからなる記憶部58が接続されている。記憶部58は、CPU51が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。また、記憶部58は、図1の撮像部36から後述する通信部59を介して送信されてくる細胞画像などを記憶する。
入出力インターフェース55にはさらに、通信部59が接続されている。通信部59は、インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークを介して、細胞処理装置11などの外部の装置と通信する。例えば、通信部59は、ネットワークを介して細胞処理装置11の撮像部36と通信し、撮像部36から細胞画像を取得する。
入出力インターフェース55にはまた、ドライブ60が接続されている。ドライブ60は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア61が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記憶部58に転送され、記憶される。なお、プログラムは、通信部59を介して取得され、記憶部58に記憶されてもよい。
図4は、図3のRAM53やROM52に記憶されCPU51にて処理が行われるプログラムを幾つかの機能ごとにまとめたプログラムモジュールに関する相互関係を表した図である。
図4のCPU51の取得部81は、図1の撮像部36により撮像された所定の撮像範囲ごとの細胞画像を、解析の対象とする対象細胞画像として、通信部59を介して取得する。取得部81は、その細胞画像を細胞判定部82に供給するとともに、表示制御部85に供給する。
細胞判定部82は、取得部81から供給される対象細胞画像に基づいて、その対象細胞画像内の単一細胞の形状と輪郭中心の対象細胞画像上の位置とを検出し、その形状と位置を表す単一細胞形状位置情報を浮遊判定部83と挙動判定部87に供給する。この単一細胞形状位置情報は、浮遊判定部83と挙動判定部87において、同一の撮像範囲における異なる撮像時刻の細胞画像間での単一細胞の同一性を認識するために用いられる。
また、細胞判定部82は、対象細胞画像と単一細胞形状位置情報を記憶読出制御部86に供給して、図3の記憶部58に記憶させる。さらに、細胞判定部82は、取得部81から供給される対象細胞画像に基づいて、その対象細胞画像内の2つ以上の細胞が集まって塊となった細胞塊の形状と輪郭中心の対象細胞画像上の位置とを検出し、その形状と位置を表す細胞塊形状位置情報を殺傷制御部89に供給する。
浮遊判定部83は、指令部88から供給される培養容器38内の細胞が振動した旨の通知に応じて、対象細胞画像の1つ前に撮像された同一の撮像範囲の細胞画像(以下、前細胞画像という)の単一細胞形状位置情報、および、識別テーブルの記憶部58からの読み出しを、記憶読出制御部86に要求する。なお、識別テーブルとは、その撮像範囲の単一細胞に付与された細胞IDとその単一細胞の単一細胞形状位置情報などとを対応付けたテーブルである。
また、浮遊判定部83は、その要求に応じて記憶読出制御部86を経由して記憶部58から供給される前細胞画像の単一細胞形状位置情報および識別テーブルと、細胞判定部82から供給される対象細胞画像の単一細胞形状位置情報とに基づいて、対象細胞画像内のまだ細胞IDが付与されていない単一細胞(以下、未付与単一細胞という)のうちの状態bの単一細胞の単一細胞形状位置情報を、付与部84に供給する。
さらに、浮遊判定部83は、前細胞画像の単一細胞形状位置情報および識別テーブルと、対象細胞画像の単一細胞形状位置情報とに基づいて、対象細胞画像内の単一細胞のうちの浮遊細胞の単一細胞形状位置情報を、浮遊細胞形状位置情報として殺傷制御部89に供給する。
付与部84は、浮遊判定部83から供給される単一細胞形状位置情報に対応する未付与単一細胞に細胞IDを付与する。また、付与部84は、新たに付与された細胞ID、その細胞IDが付与された単一細胞の単一細胞形状位置情報、および対象細胞画像の撮像日時を記憶読出制御部86に供給し、記憶部58に記憶されている撮像範囲ごとの識別テーブルに登録する。なお、対象細胞画像の撮像日時は、例えば撮像部36により対象細胞画像に付加され、画像処理装置12に入力されたものである。
表示制御部85は、取得部81から供給される細胞画像、または、記憶読出制御部86から供給される、殺傷処理が行われたターゲット細胞のうちの死滅した単一細胞に関する情報である処理完了細胞情報の撮像範囲ごとのリスト(以下、処理済みリストという)を出力部57に供給して表示させる。ユーザは、出力部57に表示された処理済みリストを見ることにより、殺傷処理により死滅した単一細胞に関する情報を得ることができる。
記憶読出制御部86は、記憶部58に対する記憶と読み出しの制御を行う。具体的には、記憶読出制御部86は、細胞判定部82から供給される対象細胞画像と単一細胞形状位置情報を対応付けて記憶部58に記憶させる。
また、記憶読出制御部86は、浮遊判定部83からの要求に応じて、記憶部58から前細胞画像に対応付けられている単一細胞形状位置情報と、その前細胞画像の撮像範囲の識別テーブルとを読み出し、浮遊判定部83に供給する。記憶読出制御部86は、挙動判定部87からの要求に応じて、記憶部58から対象細胞画像の撮像範囲の識別テーブルを読み出し、挙動判定部87に供給する。記憶読出制御部86は、殺傷制御部89からの要求に応じて、記憶部58から対象細胞画像の撮像範囲の識別テーブルと、その撮像範囲のターゲット細胞に対して行われた殺傷処理の内容を表す情報(以下、ターゲット細胞情報という)の撮像範囲ごとのリストである処理中リストを読み出し、殺傷制御部89に供給する。
さらに、記憶読出制御部86は、付与部84から供給される細胞IDに対応付けて、単一細胞形状位置情報および対象細胞画像の撮像日時を、記憶部58に記憶されている識別テーブルに登録する。記憶読出制御部86は、挙動判定部87から供給される、細胞IDが付与された単一細胞の挙動を表す挙動情報を、その細胞IDに対応付けて識別テーブルに登録する。
また、記憶読出制御部86は、殺傷制御部89から供給されるターゲット細胞情報を処理中リストに登録し、処理完了細胞情報を処理済みリストに登録する。さらに、記憶読出制御部86は、図3の入力部56から入力される処理済みリストの表示の指令に応じて、記憶部58に記憶されている処理済リストを読み出し、表示制御部85に供給して、出力部57に表示させる。
挙動判定部87は、対象細胞画像の撮像範囲の識別テーブルの読み出しを記憶読出制御部86に要求する。挙動判定部87は、要求に応じて記憶読出制御部86から供給される識別テーブルと、細胞判定部82から供給される対象細胞画像の単一細胞形状位置情報とに基づいて、細胞IDが付与された単一細胞が移動しているか、分裂しているか、または、死滅しているかを判定する。
挙動判定部87は、対象細胞画像の撮像日時、判定対象である単一細胞の対象細胞画像における単一細胞形状位置情報、判定結果である「移動」、「死滅」、または「分裂」などを対応付けた情報を、判定対象である単一細胞の挙動情報として、その単一細胞の細胞IDとともに記憶読出制御部86に供給する。また、挙動判定部87は、判定の終了を殺傷制御部89に通知する。
指令部88は、図3の入力部56から入力される解析の開始の指令に応じて、図1の制御部37に撮像の開始を指令する。また、指令部88は、所定のタイミングでステージ32の移動を制御部37に指令して、培養容器38内の細胞に浮遊ずれ程度の振動を与えるとともに、培養容器38内の細胞が振動した旨を浮遊判定部83に通知する。さらに、指令部88は、所定のタイミングで制御部37に撮像範囲の移動を指令する。
殺傷制御部89は、挙動判定部87から供給される判定の終了の通知に応じて、細胞処理装置11による殺傷処理を制御する。具体的には、殺傷制御部89は、対象細胞画像の撮像範囲の識別テーブルと処理中リストの読み出しを、記憶読出制御部86に要求する。
殺傷制御部89は、その要求に応じて記憶読出制御部86から供給される識別テーブルと処理中リストに基づいて、殺傷処理が行われた単一細胞のうち、まだ死滅していない単一細胞をターゲット細胞として特定する。また、殺傷制御部89は、処理中リストと、細胞判定部82から供給される細胞塊形状位置情報とに基づいて、殺傷処理が行われた細胞塊のうち、まだ死滅していない細胞塊をターゲット細胞として特定する。さらに、殺傷制御部89は、処理中リストと、浮遊判定部83から供給される浮遊細胞形状位置情報とに基づいて、殺傷処理が行われた浮遊細胞のうち、まだ死滅していない浮遊細胞をターゲット細胞として特定する。
また、殺傷制御部89は、識別テーブルに基づいて、細胞IDが付与された各単一細胞の分裂周期を認識し、その分裂周期に基づいて新たなターゲット細胞を特定する。さらに、殺傷制御部89は、細胞判定部82から供給される細胞塊形状位置情報に対応する細胞塊と、浮遊判定部83から供給される浮遊細胞形状位置情報に対応する浮遊細胞をターゲット細胞として特定する。
さらに、殺傷制御部89は、識別テーブル、細胞塊形状位置情報、または浮遊細胞形状位置情報に基づいて、処理用レーザ光の照射範囲を決定する。また、殺傷制御部89は処理用レーザ出力値を決定する。殺傷制御部89は、決定された処理用レーザ光の照射範囲を表すターゲットマップと処理用レーザ出力値を制御部30に供給することにより殺傷処理を行わせる。
また、殺傷制御部89は、ターゲット細胞の位置、処理用レーザ出力値などを含むターゲット細胞情報を生成して記憶読出制御部86に供給し、記憶部58に記憶されている処理中リストに登録させる。さらに、殺傷制御部89は、処理中リストに基づいて処理完了細胞情報を生成し、記憶読出制御部86に供給して、記憶部58に記憶されている処理済リストに登録させる。
次に、図5と図6を参照して、殺傷処理について説明する。
図5に示すように、培養容器38内の細胞が存在する領域101の大きさは、ガルバノミラー25および26によって処理用レーザ光を任意の位置に照射できる殺傷範囲103(詳細は後述する)に比べて大きくなっている。従って、制御部37は、培養容器38が載置されたステージ32を、光軸と垂直な平面内で移動させて、培養容器38内の所定の範囲102内で殺傷範囲103を走査する。これにより、細胞処理装置11では、ステップアンドリピート方式で殺傷処理が行われる。図5では、個々の殺傷範囲103を点線で囲んだ領域で示したが、領域101が重ならない殺傷範囲103には細胞が存在しないので、殺傷行為は不要である。
上述の殺傷範囲103は、図1のガルバノミラー25および26の反射部の角度を調整することにより、処理用レーザ光(スポット状)を照射して細胞を殺傷可能な範囲である。殺傷範囲103は、撮像範囲と同一であっても良いし、異なっていてもよいが、ここでは撮像範囲と同一であるものとする。
また、対物レンズ33の円形状の視野範囲104の境界領域は、対物レンズ33の残存収差により、処理用レーザ光の集光特性が悪化する。そのため、図5に示すように、殺傷範囲103は、一般的に視野範囲104に比べて小さく設定される。図5の例では、殺傷範囲103は、対物レンズ33の円形状の視野範囲104に含まれる矩形状の範囲となっている。具体的に殺傷範囲103の1つの領域110では、どのように殺傷処理が行われるかについて、図6を用いて説明する。
図6は殺傷範囲103の1つの領域110を示したものである。殺傷処理の対象としてターゲット細胞となるのは、細胞IDが付与されなかった浮遊細胞121、単一細胞ではないため細胞IDが付与されなかった細胞塊122、細胞IDが付与されたが経時観察により殺傷が必要とされた細胞123である。
殺傷処理の対象となる全てのターゲット細胞は、その位置と形状が特定され、その位置と形状に基づいて照射範囲131乃至133が決定される。そして、照射範囲131乃至133内において細胞膜に穴が空くように処理用レーザ光の照射位置がガルバノミラー25および26によって決定され、ターゲット細胞に処理用レーザ光が照射される。
次に、図7を参照して、ターゲット細胞情報と処理完了細胞情報の詳細について説明する。
図7Aに示すように、ターゲット細胞情報は、ターゲット細胞の位置である細胞位置、殺傷処理が行われた日時である処理日時、処理用レーザ出力値などにより構成される。また、図7Bに示すように、処理完了細胞情報は、殺傷処理が行われたターゲット細胞のうちの死滅した単一細胞の最終の細胞位置である最終細胞位置、並びに、挙動判定部87(図4)により死滅していると判定された日時である処理状況確認日時などにより構成される。
次に、図8のフローチャートを参照して、図4のCPU51による細胞画像の解析処理について説明する。この解析処理は、例えば、培養を開始する細胞群を含む培養容器38がステージ32に載置され、ユーザが入力部56を操作して、細胞画像の解析の開始を指示したときに開始される。
ステップS11において、取得部81は、通信部59を介して撮像部36から細胞画像を取得したかを判定し、細胞画像を取得したと判定するまで待機する。
具体的には、ユーザが入力部56を操作して細胞画像の解析の開始を指示すると、入力部56は、細胞画像の解析の開始を指令部88に指令する。指令部88は、その指令に応じて細胞処理装置11の制御部37に撮像の開始を指令する。制御部37は、その指令に応じて比較的短い間隔で同一の撮像範囲の撮像が行われるように、所定のタイミングで撮像部36に撮像の指令を行い、その結果撮像部36により得られる細胞画像が通信部59を介して取得部81に供給される。取得部81は、その細胞画像を取得するまで待機する。
ステップS11で細胞画像を取得したと判定された場合、取得部81は、取得した細胞画像を対象細胞画像として細胞判定部82と表示制御部85に供給する。そして、ステップS12において、細胞判定部82は、対象細胞画像に基づいて、その対象細胞画像に細胞塊があるかを判定する。
具体的には、細胞判定部82は、円環形状検出手法などの手法を用いて対象細胞画像内から円環形状のハローを抽出する。そして、細胞判定部82は、抽出した円環形状のハローの大きさに基づいて、そのハローに対応する細胞が細胞塊であるかを判定する。
なお、円環形状検出手法としては、例えば細胞画像内の所定の測定点としての画素から延びる所定の形状を有した輝度測定領域内の輝度分布を、その測定点を中心に輝度測定領域を所定角度ずつ回転させてそれぞれ測定し、この輝度分布を積算して輝度測定領域に対応する第1の積算輝度分布を算出し、輝度測定領域における所定部分領域内の測定輝度値を輝度測定領域の所定角度の回転それぞれについて積算して、所定角度の回転に応じて部分領域を円環状に繋げた円環状測定領域における第2の積算輝度分布を算出し、第1の積算輝度分布と第2の積算輝度分布に基づいて細胞画像内の円環形状を検出する方法を用いることができる。また、輪郭(外径形状)を検出する周知の各種画像処理手法を用いることもできる。
ステップS12で細胞塊があると判定された場合、ステップS13において、細胞判定部82は、その細胞塊のハローから、細胞塊の形状と輪郭中心の位置を検出する。そして、細胞判定部82は、その形状と位置を表す細胞塊形状位置情報を殺傷制御部89に供給し、処理はステップS14に進む。
また、ステップS12で細胞塊があると判定されなかった場合、処理はステップS14に進む。
ステップS14において、細胞判定部82は、対象細胞画像から抽出された円環形状のハローの大きさから、対象細胞画像に単一細胞があるかを判定する。
ステップS14で単一細胞があると判定された場合、ステップS15において、細胞判定部82は、その単一細胞のハローを含む領域を、単一細胞の存在する領域である細胞存在領域として対象細胞画像から抽出する。
ステップS16において、細胞判定部82は、各単一細胞の内側のエッジを抽出する。具体的には、細胞判定部82は、対象細胞画像から抽出した各単一細胞の細胞存在領域内にあるエッジのうち輪郭が最長のものを、各単一細胞の内側のエッジとして抽出する。
ステップS17において、細胞判定部82は、各単一細胞の内側のエッジの形状を各単一細胞の形状として、各単一細胞の形状の輪郭中心の対象細胞画像上の位置を検出する。そして、細胞判定部82は、その形状と位置を表す単一細胞形状位置情報を浮遊判定部83と挙動判定部87に供給する。また、細胞判定部82は、対象細胞画像と単一細胞形状位置情報を記憶読出制御部86に供給して記憶部58に記憶させる。
ステップS18において、CPU51は、状態bの単一細胞に細胞IDを付与する識別処理を行う。この識別処理の詳細は、後述する図9を参照して説明する。
ステップS19において、挙動判定部87は、細胞IDが付与された単一細胞が移動しているかを判定する移動判定処理を行う。この移動判定処理の詳細は、後述する図10を参照して説明する。
ステップS20において、挙動判定部87は、細胞IDが付与された単一細胞が分裂しているかを判定する分裂判定処理を行う。この分裂判定処理の詳細は、後述する図11を参照して説明する。
ステップS21において、挙動判定部87は、細胞IDが付与された単一細胞が死滅しているかを判定する死滅判定処理を行い、処理はステップS22に進む。この死滅判定処理の詳細は、後述する図12を参照して説明する。
一方、ステップS14で単一細胞がないと判定された場合、即ち対象細胞画像内の細胞が全て細胞塊である場合、処理はステップS22に進む。
ステップS22において、CPU51は、殺傷処理を制御する殺傷制御処理を行う。この殺傷制御処理の詳細は、後述する図13を参照して説明する。
ステップS23において、指令部88は、入力部56から解析の終了が指令されたか、即ちユーザが入力部56を操作して解析の終了を指示したかを判定する。ステップS23で解析の終了が指令されていないと判定された場合、ステップS24において、指令部88は、制御部37に撮像範囲の移動を指令する。これにより、制御部37は、ステージ32を制御し、ステージ32を光軸に垂直な面上でステップ移動させることにより、撮像範囲を移動させる。そして、処理はステップS11に戻り、以降の処理が繰り返される。
一方、ステップS23で解析の終了が指令されたと判定された場合、処理は終了する。この後、ユーザは、培養容器38内の細胞群の培養を終了し、培養容器38をステージ32から搬出する。
以上のように、画像処理装置12のCPU51は、培養容器38内の細胞群の全培養期間にわたって、殺傷制御処理の後も細胞画像を解析し続けるので、ターゲット細胞に対する殺傷処理の効果(殺傷処理が行われたターゲット細胞が死滅したか)の判定や、培養期間内に新たに発生したターゲット細胞とすべき細胞の特定などを行うことができる。その結果、培養容器38内のターゲット細胞とすべき細胞を確実に死滅させ、高精度な単一細胞の純化を行うことができる。
なお、図8の解析処理では、ハローの大きさによって細胞が単一細胞であるか、細胞塊であるかが判定されたが、ハローの大きさだけでなく、ハローの形状や核の数などによって判定されるようにしてもよい。
次に、図9のフローチャートを参照して、図8のステップS18の識別処理の詳細について説明する。
ステップS31において、浮遊判定部83は、対象細胞画像の撮像直前に培養容器38内の細胞が振動したか、即ち、指令部88から培養容器38内の細胞が振動した旨の通知が供給されたかを判定する。ステップS31で培養容器38内の細胞が振動していないと判定された場合、処理は図8のステップS18に戻り、以降の処理が行われる。
一方、ステップS31で培養容器38内の細胞が振動したと判定された場合、ステップS32において、浮遊判定部83は、未付与単一細胞があるかを判定する。具体的には、浮遊判定部83は、対象細胞画像の撮像範囲の識別テーブルの読み出しを記憶読出制御部86に要求する。記憶読出制御部86は、その要求に応じて識別テーブルを記憶部58から読み出し、浮遊判定部83に供給する。浮遊判定部83は、細胞判定部82からの対象細胞画像の単一細胞形状位置情報のうち、記憶読出制御部86からの識別テーブルに登録されていない単一細胞形状位置情報があるかを判定する。
ステップS32で未付与単一細胞がないと判定された場合、即ち対象細胞画像の単一細胞形状位置情報の全てが識別テーブルに既に登録されていると判定された場合、処理は図8のステップS18に戻り、以降の処理が行われる。
一方、ステップS32で未付与単一細胞があると判定された場合、即ち対象細胞画像の単一細胞形状位置情報のうち識別テーブルに登録されていない単一細胞形状位置情報があると判定された場合、浮遊判定部83は、記憶読出制御部86に前細胞画像の単一細胞形状位置情報の読み出しを要求する。そして、ステップS33において、記憶読出制御部86は、浮遊判定部83からの要求に応じて、記憶部58から前細胞画像の単一細胞形状位置情報を読み出す。
ステップS34において、浮遊判定部83は、対象細胞画像の未付与単一細胞の単一細胞形状位置情報と、前細胞画像の未付与単一細胞の単一細胞形状位置情報とに基づいて、その未付与単一細胞の移動距離を計算する。
具体的には、浮遊判定部83は、対象細胞画像の単一細胞形状位置情報から、識別テーブルに登録されていない単一細胞形状位置情報を、対象細胞画像の未付与単一細胞の単一細胞形状位置情報として選択する。また、浮遊判定部83は、前細胞画像の単一細胞形状位置情報から、識別テーブルに登録されていない単一細胞形状位置情報を、前細胞画像の未付与単一細胞の単一細胞形状位置情報として選択する。さらに、浮遊判定部83は、対象細胞画像の未付与単一細胞の単一細胞形状位置情報が表す位置と、前細胞画像の未付与単一細胞の単一細胞形状位置情報が表す位置との距離を計算する。そして、浮遊判定部83は、その距離の最小値を、未付与単一細胞の移動距離とする。
ステップS35において、浮遊判定部83はカウント値Lを1にする。ステップS36において、浮遊判定部83は、移動距離に基づいて、先頭からL番目の未付与単一細胞が培養容器38に部分的に接着しているかを判定する。例えば、浮遊判定部83は、移動距離が、予め設定された閾値未満であるかを判定する。なお、この閾値としては、任意の値(例えば、単一細胞の半径や直径など)を設定することができる。
ステップS36でL番目の未付与単一細胞が培養容器38に部分的に接着している、例えば移動距離が閾値未満であると判定された場合、浮遊判定部83は、L番目の未付与単一細胞の単一細胞形状位置情報を付与部84に供給する。そして、ステップS37において、付与部84は、L番目の未付与単一細胞に細胞IDを付与する。
以上のように、画像処理装置12では、生きている細胞の分裂を始める初期状態である、部分的に接着している状態bの未付与単一細胞に細胞IDが付与されるので、細胞IDが付与された各単一細胞の挙動を観察することにより、各単一細胞の挙動を最初から確実に観察することができる。従って、画像処理装置12では、各単一細胞の挙動を観察する場合において最適な時期に、各単一細胞に対して細胞IDを付与することができるといえる。
ステップS38において、付与部84は、L番目の未付与単一細胞の細胞IDおよび単一細胞形状位置情報、並びに対象細胞画像の撮像日時を記憶読出制御部86に供給して、記憶部58に記憶されている識別テーブルに登録する。そして処理はステップS40に進む。
一方、ステップS36でL番目の未付与単一細胞が培養容器38に部分的に接着していないと判定された場合、即ち、L番目の未付与単一細胞は浮遊細胞であると判定された場合、ステップS39において、浮遊判定部83は、そのL番目の未付与単一細胞の単一細胞形状位置情報を、浮遊細胞形状位置情報として殺傷制御部89に供給する。そして、処理はステップS40に進む。
ステップS40において、浮遊判定部83は、全ての未付与単一細胞に対するステップS36の判定が行われたかを判定する。ステップS40でまだ全ての未付与単一細胞に対するステップS36の判定が行われていないと判定された場合、ステップS41において、浮遊判定部83はカウント値Lを1だけインクリメントする。そして処理はステップS36に戻り、上述した処理が繰り返される。
一方、ステップS40で全ての未付与単一細胞に対するステップS36の判定が行われたと判定された場合、処理は図8のステップS18に戻り、以降の処理が行われる。
次に、図10のフローチャートを参照して、図8のステップS19の移動判定処理の詳細について説明する。
ステップS61において、挙動判定部87は、細胞判定部82から供給される対象細胞画像の全ての単一細胞形状位置情報に基づいて、状態cの単一細胞があるか、即ち移動している単一細胞があるかを判定する。具体的には、挙動判定部87は、対象細胞画像の少なくとも1つの単一細胞形状位置情報が円形と楕円形ではない形状を表しているかを判定する。
ステップS61で対象細胞画像内に状態cの単一細胞がない、即ち対象細胞画像の全ての単一細胞形状位置情報が円形または楕円形を表していると判定された場合、処理は図8のステップS19に戻り、以降の処理が行われる。
一方、ステップS61で対象細胞画像内に状態cの単一細胞がある、即ち対象細胞画像の少なくとも1つの単一細胞形状位置情報が円形と楕円形ではない形状を表していると判定された場合、処理はステップS62に進む。
ステップS62において、挙動判定部87は、対象細胞画像の撮像範囲の識別テーブルに登録されている単一細胞形状位置情報と、対象細胞画像における状態cの各単一細胞の単一細胞形状位置情報とに基づいて、状態cの各単一細胞の細胞IDを認識する。
具体的には、挙動判定部87は、記憶部58から読みされた対象細胞画像の撮像範囲の識別テーブルに登録されている各細胞IDに対応する最近の単一細胞形状位置情報が表す位置と、対象細胞画像における状態cの各単一細胞の単一細胞形状位置情報が表す位置との距離を、移動距離の候補としてそれぞれ求める。そして、挙動判定部87は、状態cの各単一細胞において、その状態cの単一細胞と、移動距離の候補が最小となる場合の細胞IDの単一細胞とが同一であるものと認識し、移動距離の候補が最小となる場合の細胞IDを、その状態cの単一細胞の細胞IDとする。
ステップS63において、挙動判定部87は、ステップS62で認識した状態cの各単一細胞の細胞IDに対応付けて、対象細胞画像の撮像日時、その状態cの単一細胞の対象細胞画像における単一細胞形状位置情報、および判定結果である「移動」を識別テーブルに登録する。
具体的には、挙動判定部87は、対象細胞画像の撮像日時、判定対象である状態cの単一細胞の対象細胞画像における単一細胞形状位置情報、および判定結果である「移動」を対応付けた挙動情報を、判定対象である状態cの単一細胞の細胞IDとともに、記憶読出制御部86に供給する。記憶読出制御部86は、挙動判定部87からの挙動情報を、記憶部58に記憶されている識別テーブルの、その挙動情報とともに挙動判定部87から供給される細胞IDに対応付けて登録する。そして、ステップS63の処理後、処理は図8のステップS19に戻り、以降の処理が行われる。
なお、ステップS63において、挙動判定部87は、細胞IDに対応付けて、ステップS62の処理で求められた、その細胞IDが付与された状態cの単一細胞の移動距離の候補のうちの最小値を、移動距離としてさらに登録するようにしてもよい。
また、図10の移動判定処理では、ステップS62において、挙動判定部87は、移動距離の候補が最小となる場合の細胞IDを、状態cの単一細胞の細胞IDとしたが、状態cの単一細胞の細胞IDの決定方法はこれに限定されない。
例えば、撮像間隔が比較的長い場合、挙動判定部87は、単一細胞の単一細胞形状位置情報などに基づいて単一細胞の移動ベクトルを予測し、予測した移動ベクトルと、識別テーブルに登録されている各細胞IDの最近の単一細胞形状位置情報が表す位置から対象細胞画像における状態cの各単一細胞の単一細胞形状位置情報が表す位置までのベクトルが最も近似している場合の細胞IDを、状態cの単一細胞の細胞IDとして決定するようにしてもよい。この場合、単一細胞が近接した位置に多くある場合であっても、状態cの単一細胞の細胞IDを比較的正確に決定することができる。
次に、図11のフローチャートを参照して、図8のステップS20の分裂判定処理の詳細について説明する。
ステップS81において、挙動判定部87は、細胞判定部82から供給される対象細胞画像の全ての単一細胞形状位置情報に基づいて、状態eの単一細胞があるか、即ち分裂している単一細胞があるかを判定する。具体的には、挙動判定部87は、対象細胞画像の少なくとも1つの単一細胞形状位置情報が表す形状にくびれがあるかを判定する。
ステップS81で対象細胞画像内に状態eの単一細胞がない、即ち対象細胞画像の全ての単一細胞形状位置情報が表す形状にくびれがないと判定された場合、処理は図8のステップS20に戻り、以降の処理が行われる。
一方、ステップS81で対象細胞画像内に状態eの単一細胞がある、即ち対象細胞画像の少なくとも1つの単一細胞形状位置情報が表す形状にくびれがあると判定された場合、処理はステップS82に進む。
ステップS82において、挙動判定部87は、対象細胞画像の撮像範囲の識別テーブルに登録されている単一細胞形状位置情報と、対象細胞画像の状態eの各単一細胞の単一細胞形状位置情報とに基づいて、図10のステップS62の処理と同様の方法で、状態eの各単一細胞の細胞IDを認識する。
ステップS83において、挙動判定部87は、ステップS82で認識された状態eの単一細胞の細胞IDに対応付けて、対象細胞画像の撮像日時、その状態eの単一細胞の対象細胞画像における単一細胞形状位置情報、および判定結果である「分裂」を登録する。
ステップS84において、挙動判定部87は、ステップS82で認識された分裂前の細胞IDに基づいて、分裂後の2つの単一細胞に細胞IDを付与する。即ち、挙動判定部87は、分裂前の細胞IDに関連する細胞IDを、分裂後の2つの単一細胞に付与する。
ステップS85において、挙動判定部87は、ステップS82で認識された細胞IDに対応する対象細胞画像における単一細胞形状位置情報を分裂前の単一細胞形状位置情報として、その分裂前の単一細胞形状位置情報に基づいて、分裂後の2つの単一細胞の単一細胞形状位置情報を生成する。具体的には、挙動判定部87は、分裂前の単一細胞形状位置情報が表す形状に存在するくびれで、その形状を2つに分割する。挙動判定部87は、分割後の2つの形状の輪郭中心の対象細胞画像上の位置を検出する。そして、挙動判定部87は、分割後の各形状と、それに対応する輪郭中心の対象細胞画像上の位置を表す単一細胞形状位置情報を、分裂後の2つの単一細胞の単一細胞形状位置情報としてそれぞれ生成する。
ステップS86において、挙動判定部87は、ステップS84で付与された分裂後の単一細胞の細胞IDに対応付けて、対象細胞画像の撮像日時とステップS85で生成された単一細胞形状位置情報を識別テーブルに登録する。そして、ステップS86の処理後、処理は図8のステップS20に戻り、以降の処理が行われる。
次に、図12のフローチャートを参照して、図8のステップS21の死滅判定処理の詳細について説明する。
ステップS101において、挙動判定部87は、記憶部58から読みされた、対象細胞画像の撮像範囲の識別テーブルに登録されている単一細胞形状位置情報と、細胞判定部82から供給される対象細胞画像の単一細胞形状位置情報とに基づいて、対象細胞画像内に死滅している単一細胞があるかを判定する。具体的には、挙動判定部87は、識別テーブルに登録されている各細胞IDに対応する最近の単一細胞形状位置情報が表す位置から所定の範囲内に、対象細胞画像の単一細胞形状位置情報が表す位置があるかないかを判定する。
ステップS101で死滅している単一細胞がない、即ち識別テーブルに登録されている全ての細胞IDに対応する最近の単一細胞形状位置情報において、各単一細胞形状位置情報が表す位置から所定の範囲内に、対象細胞画像の単一細胞形状位置情報が表す位置があると判定された場合、処理は図8のステップS21に戻り、以降の処理が行われる。
一方、ステップS101で死滅している単一細胞がある、即ち識別テーブルに登録されている少なくとも1つの細胞IDに対応する最近の単一細胞形状位置情報において、その単一細胞形状位置情報が表す位置から所定の範囲内に、対象細胞画像の単一細胞形状位置情報が表す位置がないと判定された場合、処理はステップS102に進む。
ステップS102において、挙動判定部87は、識別テーブルに登録されている単一細胞形状位置情報のうち、その単一細胞形状位置情報が表す位置から所定の範囲内に、対象細胞画像における単一細胞形状位置情報が表す位置がない単一細胞形状位置情報に対応する細胞IDを、死滅している単一細胞の細胞IDとして認識する。
ステップS103において、挙動判定部87は、ステップS102で認識された細胞IDに対応付けて、対象細胞画像の撮像日時および判定結果である「死滅」を識別テーブルに登録する。そして、ステップS103の処理後、挙動判定部87は、挙動の判定の終了を殺傷制御部89に通知し、処理は図8のステップS21に戻り、以降の処理が行われる。
なお、図12では、単一細胞形状位置情報が表す位置に基づいて、対象細胞画像内に死滅している単一細胞があるかを判定したが、単一細胞形状位置情報が表す形状、単一細胞形状位置情報が表す位置から算出される移動距離などの他の細胞活性を表す指標に基づいて判定するようにしてもよい。
また、対象細胞画像内に死滅している単一細胞があるかの判定には、プロピディウム・イオダイド染色法を用いることもできる。このプロピディウム・イオダイドは、生きている細胞の細胞膜を通過することはできないが、死滅した細胞の細胞膜を通過して核酸を染色することができるものであり、プロピディウム・イオダイドにより染色された細胞群は、グリーン励起光が照射されると、死滅した細胞だけが可視化される。
従って、この場合、蛍光観察用レーザ光源28が、グリーン励起光としてのレーザ光を出射し、対物レンズ33などを介して培養容器38に照射する。そして、培養容器38に照射されたレーザ光により、例えば、ユーザが蛍光観察を行い、死滅した単一細胞の位置などを画像処理装置12に入力する。挙動判定部87は、ユーザにより死滅した単一細胞の位置などが入力されたかによって、死滅している単一細胞があるかを判定し、死滅している単一細胞があると判定した場合、死滅した単一細胞の位置と、識別テーブルに登録されている単一細胞形状位置情報が表す位置とによって、死滅している単一細胞の細胞IDを認識する。
次に、図13のフローチャートを参照して、図8のステップS22の殺傷制御処理について説明する。
ステップS120において、殺傷制御処理部89は、細胞判定部82から供給される細胞塊形状位置情報に対応する細胞塊と、浮遊判定部83から供給される浮遊細胞形状位置情報に対応する浮遊細胞をターゲット細胞とし、そのターゲット細胞に対して処理用レーザ光の照射範囲と処理用レーザ出力値を求めて、殺傷処理を行う。この処理によって、殺傷制御処理部89は、細胞IDが付与された細胞だけが培養容器38に残った状態を作り出す。
次に、ステップS121において、記憶読出制御部86は、殺傷制御部89からの要求に応じて、対象細胞画像の撮像範囲の処理中リストと識別テーブルを読み出し、殺傷制御部89に供給する。
ステップS122において、殺傷制御部89は、記憶読出制御部86から供給される処理中リストに登録されている細胞位置に基づいて、既に処理用レーザ光が照射されたターゲット細胞(但し、直前のステップS120で処理用レーザ光が照射された細胞塊と浮遊細胞は除く)の挙動を認識する。具体的には、殺傷制御部89は、処理中リストに登録されている細胞位置を表す単一細胞形状位置情報に対応付けて識別テーブルに登録されている最近の判定結果を、処理用レーザ光が照射されたターゲット細胞としての単一細胞の挙動として認識する。
また、殺傷制御部89は、処理中リストに登録されている細胞位置と、細胞塊形状位置情報が表す細胞位置とに基づいて、細胞塊形状位置情報が表す細胞位置の所定の範囲内に処理中リストに登録されている細胞位置がある場合、その細胞位置に対応するターゲット細胞としての細胞塊の挙動を、死滅ではないと認識する。
さらに、殺傷制御部89は、処理中リストに登録されている細胞位置と、浮遊細胞形状位置情報が表す細胞位置とに基づいて、浮遊細胞形状位置情報が表す細胞位置の所定の範囲内に処理中リストに登録されている細胞位置がある場合、その細胞位置に対応するターゲット細胞としての浮遊細胞の挙動を、死滅ではないと認識する。そして、殺傷制御部89は、以上により挙動が認識されなかったターゲット細胞の挙動を、死滅と認識する。
この後のステップS123乃至S128の処理は、既に処理用レーザ光が照射されたターゲット細胞の1つずつに対して行われる。
ステップS123において、殺傷制御部89は、既に処理用レーザ光が照射されたターゲット細胞が死滅しているか、即ち、ステップS122でターゲット細胞の挙動が死滅と認識されたかを判定する。
ステップS123で、既に処理用レーザ光が照射されたターゲット細胞が死滅していると判定された場合、ステップS124において、殺傷制御部89は、そのターゲット細胞のターゲット細胞情報に基づいて処理完了細胞情報を生成し、記憶読出制御部86に供給して処理済リストに登録させる。
ステップS125において、殺傷制御部89は、記憶読出制御部86に要求し、ステップS123で死滅していると判定されたターゲット細胞のターゲット細胞情報を処理中リストから削除する。そして、処理はステップS129に進む。
一方、ステップS123において、既に処理用レーザ光が照射されたターゲット細胞が死滅していないと判定された場合、ステップS126において、殺傷制御部89は、そのターゲット細胞が、細胞IDが付与された単一細胞であるかを判定する。
ステップS126において、死滅していないターゲット細胞が、細胞IDが付与された単一細胞であると判定された場合、ステップS127において、殺傷制御部89は、識別テーブルに登録されている単一細胞形状位置情報から、その死滅していないターゲット細胞の照射範囲を求めるとともに、処理用レーザ出力値を求める。
ステップS128において、殺傷制御部89は、ステップS127で求められた処理用レーザ光の照射範囲と処理用レーザ出力値とに基づいて、制御部30を制御し、処理用レーザ光をターゲット細胞の所定の位置に照射させることにより、殺傷処理を行う。そして、処理はステップS129に進む。
一方、ステップS126で、死滅していないターゲット細胞が、細胞IDが付与された単一細胞ではないと判定された場合、そのターゲット細胞に対しては直前のステップS120で既に殺傷処理が行われているので、処理はステップS127およびS128をスキップし、ステップS129に進む。
ステップS129において、殺傷制御部89は、処理中リストに登録されている細胞位置に対応する、対象細胞画像の撮像範囲内の処理用レーザ光が照射されたターゲット細胞の全てに対してステップS123の処理を行ったかを判定する。
ステップS129で、対象細胞画像の撮像範囲内のターゲット細胞の全てに対してステップS123の処理を行っていないと判定された場合、処理はステップS123に戻り、まだステップS123の処理が行われていないターゲット細胞に対して判定を行い、以降の処理が繰り返される。
一方、ステップS129において、対象細胞画像の撮像範囲内のターゲット細胞の全てに対してステップS123の処理を行ったと判定された場合、ステップS130において、殺傷制御部89は、識別テーブルに基づいて、撮像範囲内の単一細胞の分裂周期を算出する。具体的には、殺傷制御部89は、識別テーブルに判定結果「分裂」とともに登録されている撮像時刻から、その前の判定結果「分裂」とともに登録されている撮像時刻までの時間を、分裂周期として算出する。そして、殺傷制御部89は、同一の単一細胞から分裂された単一細胞のうちの分裂周期が異なっている単一細胞を、幹細胞から分化した単一細胞として認識し、その単一細胞のうちの処理中リストに登録されている細胞位置にはない単一細胞を、新たなターゲット細胞として特定する。
ステップS131において、殺傷制御部89は、少なくとも1つの新たなターゲット細胞があるかを判定し、少なくとも1つの新たなターゲット細胞がないと判定した場合、即ち新たなターゲット細胞が1つもない場合、処理はステップS132乃至S134をスキップして、ステップS135に進む。
ステップS131で少なくとも1つの新たなターゲット細胞があると判定された場合、処理はステップS132に進む。ステップS132およびS133の処理は、新たなターゲット細胞の1つずつに対して行われる。
ステップS132において、殺傷制御部89は、識別テーブルに登録されている単一細胞形状位置情報から、新たなターゲット細胞の照射範囲を求めるとともに、処理用レーザ出力値を求める。
ステップS133において、殺傷制御部89は、ステップS132で求められた処理用レーザ光の照射範囲と処理用レーザ出力値とに基づいて、制御部30を制御し、処理用レーザ光をターゲット細胞の所定の位置に照射させることにより、殺傷処理を行う。
ステップS134において、殺傷制御部89は、撮像範囲内の新たなターゲット細胞の全てに対して、ステップS132およびS133の処理を行ったかを判定する。ステップS134で、撮像範囲内の新たなターゲット細胞の全てに対して、まだステップS132およびS133の処理を行っていないと判定された場合、処理はステップS132に戻り、まだステップS132およびS133の処理が行われていない新たなターゲット細胞に対して、ステップS132およびS133の処理を行う。
一方、ステップS134で、撮像範囲内の新たなターゲット細胞の全てに対して、ステップS132およびS133の処理を行ったと判定された場合、処理はステップS135に進む。
ステップS135において、殺傷制御部89は、ステップS120,S128、およびS133で殺傷処理の対象となったターゲット細胞の識別テーブル、細胞塊形状位置情報、または浮遊細胞形状位置情報、および、求められた処理用レーザ出力値などに基づいてターゲット細胞情報を生成し、そのターゲット細胞情報を記憶読出制御部86に供給することにより、処理中リストに登録させる。
なお、以前にもターゲット細胞であったターゲット細胞については、新たにターゲット細胞情報が登録されるのではなく、そのターゲット細胞の細胞IDを含む既に登録されているターゲット細胞情報に、細胞位置、処理日時、および処理用レーザ出力値が追加される。
以上のように、細胞処理システム10では、細胞の特徴を明視野で経時観察することにより、ターゲット細胞を特定するので、ターゲット細胞を特定するために細胞を染色して蛍光観察する場合のようにターゲット細胞以外の細胞にダメージを与えずに、ターゲット細胞に対して殺傷処理を行うことができる。その結果、傷害されていない純化された単一細胞の回収および利用が可能となる。これは、純化された細胞を利用する再生医療等において安全性の保証に大きく寄与する。
なお、殺傷制御部89は、ターゲット細胞に対して再度殺傷処理を行う場合、処理中リストに登録されている、以前の殺傷処理における処理用レーザ出力値に基づいて、今回の殺傷処理における処理用レーザ出力値を決定するようにしてもよい。
図14は、図3のRAM53やROM52に記憶されCPU51にて処理が行われるプログラムを幾つかの機能ごとにまとめたプログラムモジュールに関する他の相互関係を表した図である。
図14のCPU51は、取得部81、細胞判定部82、浮遊判定部83、付与部84、挙動判定部87、指令部88、表示制御部200、記憶読出制御部201、および殺傷制御部202により構成される。図14のCPU51では、追跡した単一細胞の挙動の経過が系統樹で表される。
即ち、図14のCPU51では、表示制御部200は、取得部81から供給される細胞画像もしくは記憶読出制御部201から供給される処理済リストまたは系統樹を、出力部57に供給して表示させる。
記憶読出制御部201は、記憶部58に対する記憶と読み出しの制御を行う。具体的には、記憶読出制御部201は、図4の記憶読出制御部86と同様に、細胞判定部82から供給される対象細胞画像と単一細胞形状位置情報を対応付けて記憶部58に記憶させる。
また、記憶読出制御部201は、記憶読出制御部86と同様に、浮遊判定部83からの要求に応じて、記憶部58から前細胞画像に対応付けられている単一細胞形状位置情報と、その前細胞画像の撮像範囲の識別テーブルとを読み出し、浮遊判定部83に供給する。記憶読出制御部201は、記憶読出制御部86と同様に、挙動判定部87からの要求に応じて記憶部58から対象細胞画像の撮像範囲の識別テーブルを読み出し、挙動判定部87に供給する。
さらに、記憶読出制御部201は、殺傷制御部202からの要求に応じて記憶部58から対象細胞画像の撮像範囲の識別テーブル、系統樹、および処理中リストを読み出し、殺傷制御部202に供給する。また、記憶読出制御部201は、記憶読出制御部86と同様に、付与部84から供給される細胞IDに対応付けて、単一細胞形状位置情報および対象細胞画像の撮像日時を、記憶部58に記憶されている識別テーブルに登録する。記憶読出制御部201は、記憶読出制御部86と同様に、挙動判定部87から供給される挙動情報を、その細胞IDに対応付けて識別テーブルに登録する。記憶読出制御部201は、殺傷制御部202から供給される撮像範囲ごとの系統樹を記憶部58に記憶させる。
また、記憶読出制御部201は、図3の入力部56から入力される系統樹の表示の指令に応じて、記憶部58に記憶されている系統樹を読み出し、表示制御部200に供給して、出力部57に表示させる。記憶読出制御部201は、殺傷制御部202から供給されるターゲット細胞情報を処理中リストに登録し、処理完了細胞情報を処理済みリストに登録する。
さらに、記憶読出制御部86は、図3の入力部56から入力される処理済みリストの表示の指令に応じて、記憶部58に記憶されている処理済リストを読み出し、表示制御部200に供給して、出力部57に表示させる。
殺傷制御部202は、図4の殺傷制御部89と同様に、挙動判定部87から供給される判定の終了の通知に応じて、細胞処理装置11による殺傷処理を制御する。具体的には、殺傷制御部202は、対象細胞画像の撮像範囲の識別テーブル、系統樹、および処理中リストの読み出しを、記憶読出制御部201に要求する。殺傷制御部202は、その要求に応じて記憶読出制御部201から供給される識別テーブルと系統樹に基づいて、挙動判定部87の最新の判定結果の挙動を含む挙動の経過を表す新たな系統樹を作成する。そして、殺傷制御部202は、新たに作成された系統樹に基づいて、殺傷処理が行われた単一細胞のうち、まだ死滅していない単一細胞をターゲット細胞として特定する。
また、殺傷制御部202は、殺傷制御部89と同様に、処理中リストと、細胞判定部82から供給される細胞塊形状位置情報とに基づいて、殺傷処理が行われた細胞塊のうち、まだ死滅していない細胞塊をターゲット細胞として特定する。殺傷制御部202は、殺傷制御部89と同様に、処理中リストと、浮遊判定部83から供給される浮遊細胞形状位置情報とに基づいて、殺傷処理が行われた浮遊細胞のうち、まだ死滅していない浮遊細胞をターゲット細胞として特定する。
さらに、殺傷制御部202は、新たに作成された系統樹に基づいて各単一細胞の分裂周期を認識し、その分裂周期に基づいて新たなターゲット細胞を特定する。殺傷制御部202は、殺傷制御部89と同様に、細胞判定部82から供給される細胞塊形状位置情報に対応する細胞塊と、浮遊判定部83から供給される浮遊細胞形状位置情報に対応する浮遊細胞をターゲット細胞として特定する。
また、殺傷制御部202は、殺傷制御部89と同様に、識別テーブル、細胞塊形状位置情報、または浮遊細胞形状位置情報に基づいて、処理用レーザ光の照射範囲を決定する。殺傷制御部202は、殺傷制御部89と同様に、処理用レーザ出力値を決定する。殺傷制御部202は、決定された処理用レーザ光の照射範囲を表すターゲットマップと処理用レーザ出力値を、制御部30に供給することにより殺傷処理を行わせる。
さらに、殺傷制御部202は、殺傷制御部89と同様に、ターゲット細胞のターゲット細胞情報を生成して記憶読出制御部201に供給し、記憶部58に記憶されている処理中リストに登録させる。また、殺傷制御部202は、処理中リストに基づいて処理完了細胞情報を生成し、記憶読出制御部201に供給して、記憶部58に記憶されている処理済リストに登録させる。
また、殺傷制御部202は、ターゲット細胞のうちの細胞IDが付加された単一細胞のターゲット細胞情報や処理完了細胞情報を、新たに作成された系統樹に含める。そして、殺傷制御部202は、その結果得られる系統樹を記憶読出制御部201に供給し、記憶部58に記憶させる。
次に、図15は系統樹の例を示している。
図15の系統樹では、横軸が解析を開始してからの時刻を表している。また、図15の系統樹において記述されるアルファベットと数字の組み合わせは細胞IDと世代を表している。具体的には、系統樹において記述されるアルファベットと数字の組み合わせのうち、「g」より前の3桁の数字は細胞IDを表す。
なお、「g」と2桁の数字の後にアルファベットがある場合、細胞IDは「g」の前の3桁の数字だけでなく、それに「g」と2桁の数字の後のアルファベットを繋げたものである。このアルファベットは、同一の単一細胞から分裂された単一細胞を識別するものであり、aから順に付与される。「g」より後の2桁の数字は、状態bのときの世代を第0世代としたときの世代を表している。
例えば、「001g00」は、細胞ID「001」が付与された第0世代の単一細胞を表し、「001g01a」は、細胞ID「001a」が付与された第1世代の単一細胞を表す。
また、図15の系統樹において横線は、それに対応する時刻の間、横線の左上に記述されるアルファベットと数字の組み合わせが表す細胞IDと世代の単一細胞が存在することを表す。横線の分岐は、それに対応する時刻に分裂したことを表し、バツ印は死滅したことを表す。
具体的には、図15の系統樹では、以下の3つの単一細胞の挙動の経過が表されている。1つ目の単一細胞は、解析が開始されてから時刻t2後に培養容器38に部分的に接着し、1つ目の単一細胞の第0世代が開始する。このとき、1つ目の単一細胞には細胞ID「001」が付与される。
その後時刻t4において、細胞ID「001」が付与された単一細胞が分裂し、第1世代の2つの単一細胞が発生する。このとき、分裂後の2つの単一細胞のうちの一方には細胞ID「001a」が付与され、他方には細胞ID「001b」が付与される。
そして時刻t5において、細胞ID「001a」が付与された単一細胞と、細胞ID「001b」が付与された単一細胞がそれぞれ同時に分裂し、第2世代の単一細胞が2つずつ発生する。このとき、細胞ID「001a」が付与された単一細胞から分裂された2つの単一細胞のうちの一方には細胞ID「001aa」が付与され、他方には細胞ID「001ab」が付与される。また、細胞ID「001b」が付与された単一細胞から分裂された2つの単一細胞のうちの一方には細胞ID「001ba」が付与され、他方には細胞ID「001bb」が付与される。
その後、時刻t6において、細胞ID「001aab」が付与された単一細胞は自然に死滅する。一方、細胞ID「001aa」が付与された単一細胞と、細胞ID「001bb」が付与された単一細胞は、時刻t8において、それぞれ同時に分裂し、第3世代の単一細胞が2つずつ発生する。このとき、細胞ID「001aa」が付与された単一細胞から分裂された2つの単一細胞のうちの一方には、細胞ID「001aaa」が付与され、他方には細胞ID「001aab」が付与される。また、細胞ID「001bb」が付与された単一細胞から分裂された2つの単一細胞のうちの一方には、細胞ID「001bba」が付与され、他方には細胞ID「001bbb」が付与される。
これに対して、細胞ID「001ba」が付与された単一細胞は、時刻t8において分裂しない。従って、細胞ID「001ba」が付与された単一細胞の分裂周期は、同一の第0世代の単一細胞から分裂された第2世代の2つの単一細胞である、細胞ID「001aa」が付与された単一細胞と細胞ID「001bb」が付与された単一細胞の分裂周期と異なっている。よって、細胞ID「001ba」が付与された単一細胞は、ターゲット細胞として特定され、時刻t9において、殺傷処理が行われる。
ここで、図15において横線上に付加された矢印は、殺傷処理が行われたことを表し、矢印の上には、その殺傷処理に対応するターゲット細胞情報に含まれる処理用レーザ出力値Piと、細胞位置(xi,yi)が記述される。また、矢印の横軸方向の位置は、ターゲット細胞の処理日時を表し、横線に付加されているアルファベットと数字の組み合わせの一部は、上述したように細胞IDを表している。従って、図15の系統樹は、ターゲット細胞情報も含んでいる。
なお、矢印の上に記述される細胞位置xiとは、位相差顕微鏡21の光軸に垂直な平面内の1方向であるx方向の位置を表し、yiとは、位相差顕微鏡21の光軸に垂直な平面内のx方向に垂直な方向であるy方向の位置を表している。
殺傷処理後、時刻t10において、細胞ID「001ba」が付与された単一細胞の死滅が、挙動の判定により確認される。なお、図15の系統樹において時刻t10の日時は処理状況確認日時であり、バツ印の直前に横線に付加された矢印の上に記述される(x0,y0)は、細胞最終位置であり、横線に付加されたアルファベットと数字の組み合わせの一部は細胞IDを表している。従って、図15の系統樹は、処理完了細胞情報も含んでいる。
2つ目の単一細胞は、解析が開始されてから時刻t3後に培養容器38に部分的に接着し、2つ目の単一細胞の第0世代が開始する。このとき、2つ目の単一細胞には細胞ID「002」が付与される。そして時刻t6において、細胞ID「002」が付与された単一細胞は自然に死滅する。
また、3つ目の単一細胞は、解析が開始されてから時刻t1後に培養容器38に部分的に接着し、3つ目の単一細胞の第0世代が開始する。このとき、3つ目の単一細胞には細胞ID「003」が付与される。
その後時刻t6において、細胞ID「003」が付与された単一細胞が分裂し、第1世代の2つの単一細胞が発生する。このとき、分裂後の2つの単一細胞のうちの一方には細胞ID「003a」が付与され、他方には細胞ID「003b」が付与される。
そして時刻t7において、細胞ID「003a」が付与された単一細胞が分裂し、第2世代の2つの単一細胞が発生する。このとき、分裂後の2つの単一細胞のうちの一方には細胞ID「003aa」が付与され、他方には細胞ID「003ab」が付与される。
これに対して、細胞ID「003b」が付与された単一細胞は、時刻t7において分裂しない。従って、細胞ID「003b」が付与された単一細胞の分裂周期は、同一の第0世代の単一細胞から分裂された第1世代の単一細胞である細胞ID「003a」が付与された単一細胞の分裂周期と異なっている。よって、細胞ID「003b」が付与された単一細胞は、ターゲット細胞として特定され、時刻t9において、処理用レーザ出力値P1で殺傷処理が行われる。
しかしながら、最初の殺傷処理後も、細胞ID「003b」が付与された単一細胞は死滅せず、時刻t11において、この単一細胞に対して処理用レーザ出力値P2で2回目の殺傷処理が行われる。その結果、時刻t13において、細胞ID「003b」が付与された単一細胞の死滅が、挙動の判定により確認される。
また、細胞ID「003aa」が付与された単一細胞と、細胞ID「003ab」が付与された単一細胞は、時刻t12において、それぞれ同時に分裂し、第3世代の単一細胞が2つずつ発生する。このとき、細胞ID「003aa」が付与された単一細胞から分裂された2つの単一細胞のうちの一方には、細胞ID「003aaa」が付与され、他方には細胞ID「003aab」が付与される。また、細胞ID「003ab」が付与された単一細胞から分裂された2つの単一細胞のうちの一方には、細胞ID「003aba」が付与され、他方には細胞ID「003abb」が付与される。
以上のように、図15の系統樹は個々の単一細胞の挙動の経過を表すので、殺傷制御部202は、系統樹により分裂周期を容易に把握し、ターゲット細胞を特定することができる。また、図15の系統樹は、ターゲット細胞情報も含んでいるので、殺傷制御部202は、系統樹によりターゲット細胞情報を把握し、例えば、次の殺傷処理における処理用レーザ出力値を決定することができる。
さらに、図15の系統樹は個々の単一細胞の挙動の経過を表し、ターゲット細胞情報および処理完了細胞情報を含んでいるので、ユーザは、入力部56を操作して系統樹を表示させることにより、単一細胞の挙動の経過や、その挙動と殺傷処理の関係などを容易に把握することができる。
なお、図示は省略するが、図14のCPU51による解析処理は、ステップS22の殺傷制御処理を除いて図8の解析処理と同様に行われる。
そこで、図16のフローチャートを参照して、図14のCPU51による図8のステップS22の殺傷制御処理について説明する。
ステップS230において、殺傷制御部202は、図13のステップS120の処理と同様に、細胞判定部82から供給される細胞塊形状位置情報に対応する細胞塊と、浮遊判定部83から供給される浮遊細胞形状位置情報に対応する浮遊細胞をターゲット細胞とし、そのターゲット細胞に対して処理用レーザ光の照射範囲と処理用レーザ出力値を求めて、殺傷処理を行う。
ステップS231において、記憶読出制御部201は、殺傷制御部202からの要求に応じて、対象細胞画像の撮像範囲の系統樹、識別テーブル、および処理中リストを読み出し、殺傷制御部202に供給する。
ステップS232において、殺傷制御部202は、記憶読出制御部201から供給される系統樹と識別テーブルに基づいて、挙動判定部87の最新の判定結果の挙動を含む挙動の経過を表す新たな系統樹を作成する。
ステップS233において、殺傷制御部202は、図15のステップS122の処理と同様に、記憶読出制御部201から供給される処理中リストに登録されている細胞位置に基づいて、既に処理用レーザ光が照射されたターゲット細胞(但し、直前のステップS120で処理用レーザ光が照射された細胞塊と浮遊細胞は除く)の挙動を認識する。
この後のステップS234乃至S239の処理は、既に処理用レーザ光が照射されたターゲット細胞の1つずつに対して行われる。ステップS234乃至S240の処理は、図13のステップS123乃至S129の処理と同様であるので、説明は省略する。
ステップS240で、対象細胞画像の撮像範囲内のターゲット細胞の全てに対してステップS234の処理を行ったと判定された場合、ステップS241において、殺傷制御部202は、ステップS232で作成された新たな系統樹に基づいて、撮像範囲内の単一細胞の分裂周期を認識する。そして、殺傷制御部202は、同一の第0世代の単一細胞から分裂された単一細胞のうちの分裂周期が異なっている単一細胞を、幹細胞から分化した単一細胞として認識し、その単一細胞のうちの既に処理用レーザ光が照射されたターゲット細胞ではない単一細胞、即ち、系統樹において対応する横線に矢印が付加されていない単一細胞を、新たなターゲット細胞として特定する。
ステップS242乃至S246の処理は、図13のステップS131乃至S135の処理と同様であるので、説明は省略する。
ステップS247において、殺傷制御部202は、ステップS231で作成された新たな系統樹に、ステップS246で生成されたターゲット細胞情報を含める。具体的には、殺傷制御部202は、新たに作成された系統樹において、ターゲット細胞情報に含まれる細胞位置に対応する横線の、処理日時に対応する位置に矢印を付加し、その矢印の上に、処理用レーザ出力値Piと細胞位置(xi,yi)を記述する。そして、殺傷制御部202は、ターゲット細胞情報が含められた系統樹を記憶読出制御部201に供給して、記憶部58に記憶させる。そして、処理は終了する。
なお、上述した説明では特に記載しなかったが、単一細胞として認識されていた細胞が細胞塊となって単一細胞と認識されなくなった場合には、その細胞塊は、勿論、ターゲット細胞になる。即ち、細胞IDが付与されていない細胞は全てターゲット細胞になる。
また、上述した細胞処理装置11は、処理用レーザ光を培養容器38内のターゲット細胞に照射することにより、ターゲット細胞の殺傷を直接的に行ったが、例えば、培養容器38内の細胞群に対して光刺激により反応する物質などを用い、処理用レーザ光の波長や強度を調整してターゲット細胞の光刺激を行うことにより、ターゲット細胞の殺傷を間接的に行うようにしてもよい。この場合、ターゲット細胞の殺傷を直接的に行う場合に比べて、レーザ光の強度が弱くて済むので、短時間で殺傷処理を行うことができ、処理コストが軽減される。
さらに、細胞処理装置11において、大きな細胞塊を除くために、細胞をメッシュフィルタ(図示せず)に通してから培養容器38に入れるようにしてもよい。この場合、殺傷処理の処理時間を短縮することができる。
また、上述した細胞処理システム10では、位相差顕微鏡21が設けられたが、明視野観察を行うことが可能な顕微鏡であれば、これに限定されない。例えば、ノマルスキー微分干渉法で観察を行う顕微鏡が設けられるようにしてもよい。
本明細書において、プログラム記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
さらに、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
本発明を適用した細胞処理システムの一実施の形態の構成例を示す図である。 培養環境にある単一細胞の状態の経時的変化ついて説明する図である。 図1の画像処理装置のハードウェアの構成例を示す図である。 図3のCPUの機能的構成例を示すブロック図である。 殺傷範囲について説明する図である。 照射範囲について説明する図である。 ターゲット細胞情報と処理完了細胞情報の詳細について説明する図である。 図4のCPUによる解析処理について説明するフローチャートである。 図8のステップS18の識別処理の詳細について説明するフローチャートである。 図8のステップS19の移動判定処理の詳細について説明するフローチャートである。 図8のステップS20の分裂判定処理の詳細について説明するフローチャートである。 図8のステップS21の死滅判定処理の詳細について説明するフローチャートである。 図8のステップS22の殺傷制御処理について説明するフローチャートである。 図3のCPUの他の機能的構成例を示すブロック図である。 系統樹の例を示す図である。 図14のCPUによる図8のステップS22の殺傷制御処理について説明するフローチャートである。
符号の説明
10 細胞処理システム, 11 細胞処理装置, 12 画像処理装置, 51 CPU, 81 取得部, 82 細胞判定部, 86 記憶読出制御部, 87 挙動判定部, 89 殺傷制御部, 201 記憶読出制御部, 202 殺傷制御部

Claims (8)

  1. 培養容器内に存在する複数の細胞からなる細胞群から、所定の特徴を有する細胞以外の細胞を排除して前記細胞群を純化する細胞処理装置において、
    明視野観察の下で、かつ所定の撮像間隔で前記細胞群の画像を取得する取得手段と、
    前記細胞群の画像に基づいて、前記細胞群のうちの前記特徴を有する細胞以外の細胞をターゲット細胞として特定し、そのターゲット細胞の位置を検出する検出手段と、
    前記ターゲット細胞の位置に基づいて、そのターゲット細胞に光を照射することにより、前記ターゲット細胞に対して処理を行う処理手段と
    を備えることを特徴とする細胞処理装置。
  2. 前記検出手段は、前記細胞群の画像に基づいて前記細胞群の各細胞の特徴量を算出し、その細胞の特徴量に基づいて前記ターゲット細胞を特定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の細胞処理装置。
  3. 前記処理手段による処理の行われたターゲット細胞が死滅しているかを判定する判定手段と、
    前記処理手段による前記ターゲット細胞に対する処理の内容を表すターゲット細胞情報を記憶する記憶手段と
    をさらに備え、
    前記処理手段は、前記判定手段により前記処理が行われたターゲット細胞が死滅していないと判定された場合、その処理のターゲット細胞情報を参照して、そのターゲット細胞に対して再度処理を行う
    ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の細胞処理装置。
  4. 前記記憶手段は、前記判定手段により前記処理が行われたターゲット細胞が死滅したと判定された場合、そのターゲット細胞に関する情報である処理完了細胞情報を記憶する
    ことを特徴とする請求項3に記載の細胞処理装置。
  5. 前記記憶手段は、前記ターゲット細胞情報と前記処理完了細胞情報をリスト化して記憶し、前記処理完了細胞情報のリストに前記処理完了細胞情報を登録する場合、その処理完了細胞情報に対応するターゲット細胞のターゲット細胞情報を、前記ターゲット細胞情報のリストから削除する
    ことを特徴とする請求項4に記載の細胞処理装置。
  6. 前記判定手段は、前記細胞群の画像に基づいて前記細胞群の各細胞の挙動を判定し、
    前記記憶手段は、前記ターゲット細胞情報と前記処理完了細胞情報を、前記各細胞の挙動の経過を表す系統樹に含めて記憶する
    ことを特徴とする請求項4に記載の細胞処理装置。
  7. 前記撮像間隔は、前記細胞の移動度に基づいて決定される
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の細胞処理装置。
  8. 培養容器内に存在する複数の細胞からなる細胞群から、所定の特徴を有する細胞以外の細胞を排除して前記細胞群を純化する細胞処理装置の細胞処理方法において、
    明視野観察の下で、かつ所定の撮像間隔で前記細胞群の画像を取得する取得ステップと、
    前記細胞群の画像に基づいて、前記細胞群のうちの前記特徴を有する細胞以外の細胞をターゲット細胞として特定し、そのターゲット細胞の位置を検出する検出ステップと、
    前記ターゲット細胞の位置に基づいて、そのターゲット細胞に光を照射することにより、前記ターゲット細胞に対して処理を行う処理ステップと
    を含むことを特徴とする細胞処理方法。
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