JP4544893B2 - 光学装置及び画像作成方法 - Google Patents

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Description

この発明は、顕微鏡観察において高倍率でありながら広視野の画像を得ることができる光学装置及び画像作成方法に関する。
近年の遺伝子解析技術の進歩に伴って、人を含む多くの生物における遺伝子配列が明らかになってきている。それと共に、解析されたタンパク質等の遺伝子産物と疾病との因果関係も、少しずつ解明され始めている。また、今後さらに、各種タンパク質や遺伝子等を網羅的且つ統計的に解析するため、細胞を用いた様々な検査方法や装置が考えられ始めている。特に、このような解析を行うには、細胞を長期間培養しながら、所定の情報を検出することが必要である。そのため、顕微鏡下で細胞を培養し、観察することが可能な装置が求められている。
このような装置の1つとして、顕微鏡観察用の透明恒温培養容器を使用するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この顕微鏡観察用の透明恒温培養容器(以下、単に培養容器とする。)は、各種の細胞の培養条件を設定可能な構成となっている。そのため、この培養容器は、一対の透明発熱プレート、二酸化炭素供給口及び二酸化炭素排出口、蒸発皿を有している。ここで、透明発熱プレートは、温度調節器により所定温度に制御可能となっている。また、二酸化炭素供給口及び排出口は、容器内部の二酸化炭素濃度を調整するためのである。そして、蒸発皿は、シール用パッキンにより密閉された容器内の湿度を保つためのものである。
この培養容器を使用しての観察では、容器内部の温度、二酸化炭素濃度及び湿度を制御可能であるので、細胞培養しながら観察を行なうことが可能である。即ち、透明発熱プレートの下方から、例えば、対物レンズで観察することにより、細胞の培養状態の経時変化を観察することが可能である。
細胞の観察方法としては、蛍光観察がある。特に、生きている状態での蛍光観察方法としては、例えば、リポソーム法、ジーンガン法やマイクロインジェクション法等がある。
これらの方法により、遺伝子が導入された細胞等のダイナミックな変化を観察する技術が、急速に進歩を遂げている。近年、蛍光タンパクであるGFP(Green Fluorescent Protein)のめざましい進歩により、観察対象の時間的、空間的な変化を、顕微鏡下で連続蛍光観察する手法が注目を集めている。上記観察対象としては、例えば、生きた細胞内のオルガネラ(細胞小器官)や、タンパク質にいたる様々な物質挙動がある。
これらの観察方法を用いる場合には、マイクロアレイからの蛍光を高解像且つ広視野で観測する必要が生じる。このマイクロアレイは、例えば、プラスチック製又はガラス製のディッシュ、シャーレ、スライドガラス上に、数百から数万と非常に多くのスポットが形成されたものである。そして、観察時、このマイクロアレイは培養容器中に設置されている。
顕微鏡を用いて標本を観察する場合、一度に観察できる範囲は主に顕微鏡の対物レンズの倍率によって決定される。よって、対物レンズが高倍率になると、観察範囲は標本のごく一部に限られてしまう。これまで、高解像度で広視野角の顕微鏡画像を取得するための方法として、例えば、顕微鏡像出力方法(例えば、特許文献2参照)や顕微鏡システム(例えば、特許文献3参照)による方法が知られている。
この顕微鏡像出力方法では、標本を乗せるステージと照明とを相対的に走査する。そして、標本を複数の領域に分割した部分画像を取り込む。続いて、部分画像をタイルのようにそれぞれ合成して、標本全体の画像を作製する。
また、顕微鏡システムによる方法は、画像張り合わせにより標本の全体像を再構成する方法である。まず、標本全体を、複数の互いに重複する部分を有するような小領域に分割する。そして、顕微鏡を使用して各小領域を撮影し、撮影した各画像の重複部分の比較を行って位置ズレの検出を行う。そして、この位置ズレに基づいて各小領域の画像の位置を補正した後に画像を張り合わせる。このようにして、標本の広視野、高精細画像を生成する。
特開平10−28576号公報(段落番号0004−0007、図1〜図4) 特開平3−209415号公報(第3頁右欄上から5行目−第6頁左欄上から6行目、図1〜図4) 特開平9−281405号公報(段落番号0015−0087、図1〜図13)
しかしながら、従来技術では以下の問題点がある。
即ち、上記特許文献2記載の顕微鏡像出力方法では、ステージの移動誤差を考慮せずに、分割撮影された部分画像を単純に合成するだけである。ここで、一般的なステージの位置再現誤差は、数μmから数十μmである。このため、例えば、高倍率な対物レンズを使用して撮像する場合、隣接画像間のズレが、数画素から数十画素になる可能もある。そのため、各部分画像の撮像領域が正確に連ならない可能性があり、正確な標本全体像を得ることが難しかった。
また、上記特許文献3記載の顕微鏡システムによる方法では、標本の特徴部を使って画像の張り合わせを行っている。一方、領域分割の数や張り合わせ画像全体を生成する時間を少なくするため、重複領域は一般的に画像サイズの10%から20%しか取れない。従って、限られた重複部分に特徴的な標本像が存在しない場合には、重複部分のテンプレートマッチングが難しく、正確な位置ズレを検出できない可能性があった。そのため、正確な標本全体像を得ることが難しかった。
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、特に対物レンズの視野より広い範囲を観察する場合、違和感のない1枚の画像を正確に生成することができる光学装置及び画像作成方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
請求項1に係る発明は、光源と、2次元配列された標本培養部と、隣り合う該標本培養部の間に設けられた隔離部とを有する担体と、前記光源から出射された光を、前記担体に導く照明光学系と、前記担体からの光を集光する対物レンズと、前記対物レンズを介して形成された像を撮像する撮像手段と、前記担体と前記対物レンズとを相対移動させる移動機構と、前記照明光学系と前記対物レンズとの間に配されて、前記照明光学系から出射された光のうち所定の波長の光を透過する励起フィルタ及び該励起フィルタを透過した光を反射するダイクロイックミラーと、前記担体からの光のうち所定の波長の光をカットする励起光カットフィルタと、撮像素子と、前記励起光カットフィルタを透過した光を前記撮像素子に結像させる結像レンズとを有し、前記対物レンズを介して形成された像を撮像する撮像手段と、前記相対移動によって得られた前記担体の複数の領域を撮像した各画像を処理する画像処理部とを備え、前記ダイクロイックミラーは、前記標本培養部に保持された試料の蛍光物質の励起波長の光及び蛍光物質が発する蛍光波長の光を反射するように、前記蛍光波長の光の反射率Rdが、1%<Rd<10%に設定され、前記画像処理部は、前記各画像の前記標本培養部と前記隔離部における光の強度差から、前記標本培養部と前記隔離部の境界線を検出する処理と、前記境界線に基づいて、前記各画像の各々から共通の特徴部を検出する処理と、前記特徴部を一致させるように前記各画像を結合する処理とを行う光学装置を提供する。
この発明に係る光学装置においては、照明光学系により調整された照明光を、対物レンズにより担体に向けて照射する。また、撮像手段により、隣接する領域同士が一部重複するように、複数の領域に分けて試料の撮像を行う。この際、撮像手段で撮像した複数の領域、即ち、各画像には、特徴部(例えば、同一の、既知の指標の一部)が撮像されている。そして、画像処理部は、各画像の重複する部分に写った同一の既知の指標を、一致させる。このようにすることで、隣接する画像同士をそれぞれ正確に結合することができる。これにより、複数の画像を違和感なく1枚の画像として正確に生成することができる。従って、対物レンズの視野より大きな担体であったとしても、担体全体像、即ち、試料の全体像を正確に生成することができる。
この発明に係る光学装置においては、標本培養部と隔離部との境界線を、既知の指標として利用している。よって、画像処理部では、まず、標本培養部と隔離部との戻り光の強度差により境界線を検出する。そして、該境界線を一致させることで、隣接する画像同士を正確に結合することができる。
また、照明光学系により所定の照明光に調整された光が、励起フィルタを透過することで、所定の波長の光のみが選択される。これらの波長の光は、ダイクロイックミラーで反射された後、対物レンズにより担体に照射される。また、担体からの戻り光は、励起光カットフィルタを透過することで、確実に所定の波長の光がカットされて、試料が発する蛍光及び蛍光と同程度の波長の光が取り出される。そして、これらの光は、結像レンズにより結像された後、撮像手段により撮像される。
このように、試料の蛍光観察と蛍光の波長の光を利用して既知の指標の撮像とを同時に行うことができるので、観察に要する時間の短縮化を図ることができる。また、特別な光学系を要する必要がない。
さらに、ダイクロイックミラーが、励起フィルタを透過した試料の蛍光物質の励起波長の光及び蛍光物質が発する蛍光波長の光を、確実に対物レンズに向けて反射するので、蛍光観察及び既知の指標の撮像を確実に行うことができる。
さらに、励起フィルタを透過した蛍光波長の光は、ダイクロイックミラーにより反射された後、対物レンズにより担体に照射され、既知の指標の撮像に使用される。この際、反射率が1%以上であるので、蛍光物質が発する光強度に対して、既知の指標の反射光強度が弱くなることを防止でき、また、反射率が10%未満であるので、蛍光物質が発する光強度に対して、既知の指標の反射光強度が強くなることを防止することができる。このように、既知の指標の反射光強度を最適な強度に調整することが可能である。従って、撮像手段のダイナミックレンジ内に収めることができ、確実に蛍光観察と既知の指標の撮像とを同時に行うことができる。
本発明の光学装置においては、前記担体が、所定の培養条件に維持された培養容器内に配されており、前記画像処理部が、前記標本培養部と前記隔離部との境界線を検出する処理において、前記標本培養部からの自家蛍光の検出を行ってもよい。
この発明に係る光学装置においては、画像処置部が、標本培養部領域からの自家蛍光、例えば、培養容器内の培養液が発する自家蛍光を利用することで、標本培養部と隔離部との境界線を容易に検出することができ、該境界線を一致させることで、隣接する画像同士を正確に結合することができる。特に、培養液等の自家蛍光を利用できるので、複雑な構成を要する必要がない。
請求項3に係る発明は、光源と、2次元配列された標本培養部と、隣り合う該標本培養部の間に設けられた隔離部とを有する担体と、前記光源から出射された光を、前記担体に導く照明光学系と、前記担体からの光を集光する対物レンズと、前記照明光学系と前記対物レンズとの間に配されて、前記照明光学系から出射された光のうち所定の波長の光を透過する励起フィルタ及び該励起フィルタを透過した光を反射するダイクロイックミラーと、前記担体からの光のうち所定の波長の光をカットする励起光カットフィルタと、撮像素子と、前記励起光カットフィルタを透過した光を前記撮像素子に結像させる結像レンズとを有し、前記対物レンズを介して形成された像を撮像する撮像手段と、前記担体と前記対物レンズとを相対移動させる移動機構と、前記相対移動によって得られた複数の領域を撮像した各画像を処理する画像処理部とを備え、前記隔離部には、前記標本培養部に保持された試料の蛍光物質が発する蛍光波長と同一の波長の光を反射する、反射率Reが1%<Re<20%のミラーコーティングが施されており、前記画像処理部は、前記各画像の前記標本培養部と前記隔離部における光の強度差から、前記標本培養部と前記隔離部の境界線を検出する処理と、前記境界線に基づいて、前記各画像の各々から共通の特徴部を検出する処理と、前記特徴部を一致させるように前記各画像を結合する処理とを行うことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、光源と、2次元配列された標本培養部と、隣り合う該標本培養部の間に設けられた隔離部とを有する担体と、前記光源から出射された光を、前記担体に導く照明光学系と、前記担体からの光を集光する対物レンズと、前記対物レンズを介して形成された像を撮像する撮像手段と、前記担体と前記対物レンズとを相対移動させる移動機構と、前記相対移動によって得られた前記担体の複数の領域を撮像した各画像を処理する画像処理部とを備え、前記担体は、所定の培養条件に維持された培養容器内に配されており、前記隔離部には、前記標本培養部に保持された試料の蛍光物質が発する蛍光波長と同一の波長の光を反射する、反射率Reが、1%<Re<20%のミラーコーティングが施されており、前記画像処理部は、前記標本培養部からの自家蛍光の検出を行い、前記各画像の前記標本培養部と前記隔離部における光の強度差から、前記標本培養部と前記隔離部の境界線を検出する処理と、前記境界線に基づいて、前記各画像の各々から共通の特徴部を検出する処理と、前記特徴部を一致させるように前記各画像を結合する処理とを行うことを特徴とする光学装置を提供する。
これらの発明に係る光学装置においては、隔離部にミラーコーティングが施されているので、対物レンズにより照射された光のうち蛍光物質が発する蛍光波長と同一の波長の光は、隔離部で反射される。これにより、隔離部と標本培養部との戻り光の強度差をより明確にすることができ、より高精度に各画像を1枚の画像に結合することができる。
また、ミラーコーティングの反射率Reが1%以上であるので、蛍光物質が発する光強度に対して、既知の指標の反射光強度が弱くなることを防止でき、また、反射率が20%未満であるので、蛍光物質が発する光強度に対して、既知の指標の反射光強度が強くなることを防止することができる。このように、既知の指標の反射光強度を最適な強度に調整することが可能である。従って、撮像手段のダイナミックレンジ内に収めることができ、確実に蛍光観察と既知の指標の撮像とを同時に行うことができる。
本発明の光学装置においては、前記励起フィルタが、前記試料の蛍光物質の励起波長の光及び蛍光物質が発する蛍光波長の光とを同時に透過可能に設定され、前記蛍光波長の光の強度を変更する強度変更手段を備えてもよい。
この発明に係る光学装置においては、励起フィルタにより、試料の蛍光物質の励起波長の光及び蛍光物質が発する蛍光波長の光を確実に取り出すことができると共に対物レンズにより担体に向けて照射が行える。この励起波長の光の照射を受けて、試料の蛍光物質は蛍光を発する。また、蛍光波長の光は、既知の指標の撮像に使用される。このように、蛍光波長の光を撮像することで、蛍光観察及び既知の指標の観察を同時に行うことができる。特に、強度変更手段により、蛍光波長の強度を変更することができるので、蛍光観察に使用される光の強度に対して、既知の指標の撮像に使用される光の強度を最適な強度に調整することが可能である。従って、蛍光観察と既知の指標の観察とを明確に区別することができ、より高精度に各画像を結合して1枚の画像を生成することができると共に、より正確な蛍光観察を行うことができる。
以上説明したように、この発明に係る光学装置及び画像作成方法によれば、担体自体の構造に基づく特徴部、あるいは担体に設けられた特徴部を用いて画像の結合を行っている。よって、取得した画像には、必ず特徴部が含まれることになる。そのため、隣接する画像同士をそれぞれ正確に結合することができ、複数の画像を違和感なく1枚の画像として正確に生成することができる。従って、対物レンズの視野より大きな担体であったとしても、担体上に保持されている試料の全体像を正確に生成することができる。
以下、本発明に係る光学装置及び画像作成方法の第1実施形態について、図1から図5を参照して以下に説明する。
本実施形態の光学装置1は、倒立型の蛍光顕微鏡である。この光学装置1では、図1に示すように、スライドガラス(担体)2上に保持された細胞(試料)Aを、下方から観察する。この光学装置1は、光源3、照明光学系4、蛍光キューブ5、対物レンズ6、撮像手段7及び画像処理部8を備えている。
スライドガラス2は、図2及び図3に示すように、第1方向(スキャン方向)に延在した長方形状に形成されている。このスライドガラス2上には、細胞Aを保持する標本培養部2aが、複数形成されている。そして、隣り合う標本培養部2aの間には、両者を隔離する隔離部が形成されている。この隔離部は、全体として格子状のパターン(以下、2次元パターン部2bとする。)を形成している。
標本培養部2aは、例えば、外周部が円形状に形成されている。また、標本培養部2aは、第1方向及び第1方向に直交する方向(第2方向)に所定間隔をあけて配置されている。この際、標本培養部2aの大きさは、後述するスキャン幅より小さくなるように形成されている。例えば、図4に示すように、直径がスキャン幅の95%の大きさになるように形成されている。なお、スライドガラス2は、図示しないステージ上に載置されている。このステージは、2次元方向(水平面内)に移動可能となっている。
細胞Aは、標本培養部2a内に複数保持される。また、細胞Aは、GFP(蛍光物質)を含んでいる。GFPは、図3に示すように、波長489nmの励起光が照射されると、波長509nmの蛍光を発する蛍光物質である。
2次元パターン部2bは、スライドガラス2上において、標本培養部2a以外の領域である。この2次元パターン部2bには、上記GFPが発する蛍光波長、即ち、509nmと同一の波長の光を反射するように、コーティングが施されている。このコーティングとしては、例えば、ダイクロイックコートがある。また、2次元パターン部2bは、液体を弾く疎水性領域的な役割も兼ねている。
なお、本実施形態においては、コーティングを施した部分は、所定の波長(あるいは波長域)の光に対して、反射率Reが1%<Re<20%の範囲内、例えば、10%になるような特性となっている。例えば、2次元パターン部2bは、波長509nmの光を10%反射するようになっている。また、コーティングを施した部分は、それ以外の波長の光、例えば、波長489nmの光を透過するようになっている。なお、標本培養部2a内の領域では、コーティングは施されていない。よって、波長509nm及び波長489nmの光は、共に標本培養部2a内を透過する。
そのため、本実施形態では、波長509nmの光は、標本培養部2aをほとんど透過するが、2次元パターン部2bでは一部が反射される。その結果、標本培養部2aと2次元パターン部2bとの境界線を挟んで、明暗の差が生じる。そこで、本実施形態では、この境界線を挟んで生じる明暗のパターンを、特徴部として後述する画像結合に利用している。
光源3は、図1に示すように、周囲にミラー10が配されており、一方向(紙面に対して右側)に向けて光を出射できるようになっている。また、この光源3から射出される光には、波長509nm及び波長489nmが含まれている。
照明光学系4は、コレクタレンズ11、開口絞り12、視野絞り13及び視野レンズ14を光源3側から順に有している。照明光学系4は、光源3から出射された光を、対物レンズ6に導く機能を有している。
蛍光キューブ5は、照明光学系4と対物レンズ6との間に配されている。また、蛍光キューブ5は、強度調整フィルタ(強度変更手段)15、励起フィルタ16、ダイクロイックミラー17及び励起光カットフィルタ18を有している。
強度調整フィルタ15は、照明光学系4に隣接するよう配されている。この強度調整フィルタ15は、照明光学系4から出射された照明光のうち、波長509nmの光の強度を、所定の強度に調整する機能を有している。この強度は、上記ミラーコーティングの反射率Reと、後に説明するダイクロイックミラー17の反射率Rdとの相関関係により決定される。これについては、後に詳細に詳細に説明する。
励起フィルタ16は、強度調整フィルタ15に隣接するよう配されている。この励起フィルタ16は、所定の波長の光、即ち、波長509nm及び波長489nmの両波長の光のみを透過させる機能を有している。
ダイクロイックミラー17は、励起フィルタ16に隣接するよう配されている。このダイクロイックミラー17は、該励起フィルタ16を透過した波長509nm及び波長489nmの光を、対物レンズ6に向けて反射させる機能を有している。この際、ダイクロイックミラー17は、波長509nmの光を反射する反射率Rdが、1%<Rd<10%の範囲内、例えば、5%に設定されている。なお、波長489nmの光は、100%反射するように設定されている。
対物レンズ6は、図5に示すように、ダイクロイックミラー17で反射された光、即ち、波長509nm及び波長489nmの光をスライドガラス2の表面に同時に照射できるようになっている。
励起光カットフィルタ18は、ダイクロイックミラー17を挟んで対物レンズ6に対向するように配されている。この励起光カットフィルタ18は、スライドガラス2からの戻り光のうち、所定の波長の光、即ち、波長489nmの光をカットする機能を有している。
撮像手段7は、結像レンズ19及び撮像素子20を有している。結像レンズ19は、励起光カットフィルタ18を透過した光、即ち、波長489nmの光を、結像レンズ19の結像面19aに結像させる。撮像素子20は、例えば、結像面19aに配されたCCD等である。これにより、励起光カットフィルタ18を透過した波長509nmの光は、結像レンズ19により集光され、像を形成する。この像が、撮像素子20により撮像される。
また、スライドガラス2と撮像素子20は、相対的に移動するように構成されている。本実施形態では、撮像素子20の位置は固定であり、スライドガラス2がステージによって移動する。このとき、スライドガラス2は、直交する2つの方向に移動する。
上記のように、スライドガラス2が撮像素子20に対して移動する。よって、図2及び図4に示すように、結果として、撮像素子20は、第1方向(スライドガラス2の長手方向)に沿って、スライドガラス2をライン状にスキャンするように撮像を行うことになる。そして、撮像素子20は、1つの領域(スキャン幅)を撮像した後に、第1方向に直交する方向(第2方向)に移動する。そして、移動した位置から、再び第1の方向に沿って撮像を行う。このように、本実施形態では、第1方向における撮像と第2方向への移動を繰り返して行うことで、複数の領域の撮像を行う。これにより、スライドガラス2全体を撮像することができる。なお、撮像する際に、スキャン幅の中心線上に標本培養部2aの中心が一致するように、撮像素子20とスライドガラス2が位置決めされている。
また、本実施形態では、撮像する際に、隣接する領域同士が一部重複するように撮像を行うようになっている。すなわち、本実施形態では、隣接する撮影領域が一部重複するように、ステージの第2方向への移動が制御されている。なお、重複する割合は、例えば、2回目以降に撮像するスキャン幅の5%の領域が、最初に撮像したスキャン幅の5%の領域に重複するようになっている。
ここで、第2の方向に関しては、第1の標本培養部2a全体と第2の標本培養部2a’一部が、スキャン幅の内側に含まれる。このうち、第1の標本培養部2aは、撮像対象の細胞Aが保持されている標本培養部である。また、第2の標本培養部2a’は、第1の標本培養部2aに隣接する標本培養部である。この第2の標本培養部2a’は、第2の方向に位置している。そして、重複した5%の領域に、標本培養部2aと2次元パターン部2bとの境界線(標本培養部2aの輪郭)とが、標本培養部2a’と2次元パターン部2bとの境界線(標本培養部2a’の輪郭)が含まれるようになっている。したがって、本実施例では、最初のスキャンで得られた画像にも、隣接する次のスキャンで得られた画像にも、共通の境界線(特徴部)が存在することになる。
撮像素子20は、撮像したスキャン画像を、画像処理部8に送るようになっている。画像処理部8は、撮像素子20から送られてきた各スキャン画像を、一旦記憶する。そして、重複する部分に写った境界線を一致させることで、各スキャン画像をそれぞれ結合するようになっている。この際、画像処理部8は、標本培養部2aの明るさと2次元パターン部2bの明るさとの差により、境界線の検出を行う。これについては、後に詳細に説明する。
また、本実施形態では、GFPが発する波長509nmの光の強度に対して、2次元パターン部2bで反射された波長509nmの光の強度が、±10%の範囲内になるように設定されている。なお、2次元パターン部2bで反射された波長509nmの光の強度は、上述した強度調整フィルタ15の強度(透過率)、ダイクロイックミラー17の反射率(Rd)5%及び2次元パターン部2bのミラーコーティングの反射率(Re)10%の乗算によって決まる。
また、本実施形態の光学装置1は、図1に示すように、スライドガラス2の上方に配された透過照明光学系30を備えている。即ち、透過照明光学系30は、光源31、ミラー32、コレクタレンズ32、開口絞り33、視野絞り34及び視野レンズ35、36を備えている。
ここで、ミラー32は、該光源31からの光を一方向(紙面に対して下側)に出射する。また、コレクタレンズ32は、光源31から出射された光をスライドガラス2に照射する。
このように構成された光学装置1により、スライドガラスの全体を1枚の画像として生成する場合について、以下に説明する。
まず、ステージを駆動させて、初期位置にスライドガラス2を移動させる。その後、光源3からの照明光を照明光学系4を介して、スライドガラス2に向けて照射する照射ステップを行う。
即ち、光源3から照射された光は、ミラー10の内周面で反射された後、コレクタレンズ11に入射する。コレクタレンズ11に入射した光は、平行光となった後、開口絞り12、視野絞り13及び視野レンズ14を通過して、強度調整フィルタ15に入射する。
強度調整フィルタ15に入射した光は、蛍光波長509nmの光強度が所定の強度になるよう調整される。照明光は、励起フィルタ16を透過することで、励起波長489nm及び蛍光波長509nm以外の波長の光がカットされる。よって、励起波長489nm及び蛍光波長509nmの光のみが、ダイクロイックミラー17に入射する。ダイクロイックミラー17に入射した光は、励起波長489nmの光が100%反射されると共に、蛍光波長509nmの光が5%反射されて対物レンズ6に入射する。そして、図5に示すように、スライドガラス2の表面に向けて、下方から両波長489nm、509nmの光が照射される(照射ステップ)。
2次元パターン部2bには、波長489nm、509nmの光が照射される。このうち、波長489nmの光は、2次元パターン部2bを透過する。一方、波長509nmの光はミラーコーティングによって10%反射される。この反射された波長509nmの光は、図1に示すように、ダイクロイックミラー17及び励起光カットフィルタ18を順次透過して、結像レンズ19に入射する。なお、波長489nmの光も、多少は2次元パターン部2bで反射される。しかしながら波長489nmの光が紛れ込んだとしても、励起光カットフィルタ18でカットされる。よって、結像レンズ19には、波長509nmの光のみが確実に入射する。
また、図3に示すように、標本培養部2aの細胞Aが存在しない領域、又は、細胞Aが存在してもGFPが存在しない領域では、両波長489nm、509nmの光は共に標本培養部2a又は細胞Aを透過する。
一方、細胞A内にGFPが存在する部分では、励起波長489nmの光を受けて、GFPが波長509nmの蛍光を発する。この蛍光は、上述した2次元パターン部2bで反射された蛍光波長509nmの光と同様に、ダイクロイックミラー17及び励起光カットフィルタ18を順次透過して、結像レンズ19に入射する。
上述した照射ステップを行なった後、撮像ステップを行う。この撮像ステップでは、スライドガラス2全体を複数の領域に分けて撮像する。そして、その撮像を行うにあたっては、スキャン領域が一部重複するように撮像を行う。まず、結像レンズ19に入射した波長509nmの光は、結像面19aに結像された後、撮像素子20により撮像される。この波長509nmの光には、2次元パターン部2b及びGFPから発生した蛍光が含まれる。つまり、撮像素子20は、2次元パターン部2bで反射された波長509nmの光、及びGFPが発した波長509nmの蛍光を、特別な光学系を必要とせずに同時に撮像する。前述のように、2次元パターン部2bで反射された光の強度は、強度調整フィルタ15の強度、ダイクロイックミラー17反射率Rd及び2次元パターン部2bのミラーコーティングの反射率Reにより、適切な強度に設定されている。具体的には、2次元パターン部2bで反射された光の強度は、GFPが発する蛍光の強度に対して±10%の範囲内になるように設定されている。そのため、両像を撮像素子20のダイナミックレンジ内に確実に収めると共に、明確に区別してコントラスト高く撮像することができる。撮像素子20は、撮像した各スキャン画像を画像処理部8に送る。
また撮像を行う際、図2及び図4に示すように、ステージを第1方向に移動させて、スキャン画像、即ち、1つの領域の撮像を行う。この最初の領域の撮像が終了した後、ステージを第1方向に逆向きに移動させて元の位置に戻す。そして、次の撮像領域が、最初の撮像領域と一部重複するように、ステージを介してスライドガラス2を第2方向に移動させる。この時、次の撮像領域のスキャン幅の5%が、最初の撮像領域のスキャン幅の5%に重複するようにステージを移動させる。その後、上述したのと同様に、ステージを再度第1方向に移動させて、撮像手段20により次のスキャン画像を取得する。この際、重複する部分には、最初の領域で撮像した特徴部、即ち、標本培養部2aと2次元パターン部2bとの境界線が撮像されている。
このように、撮像ステップでは、、各スキャン画像同士が一部重複するように撮像を繰り返すことで、スライドガラス2の全体を複数の領域に分けて撮像する。
撮像ステップの終了後、結合ステップを行う。この結合ステップは、重複する部分に写った同一の特徴部を一致させるように、複数の領域を撮像した各スキャン画像をそれぞれ結合する。即ち、画像処理部8は、撮像素子20から送られてきた複数のスキャン画像の記録を行うと共に、隣接するスキャン画像同士の結合を行う。これにより、複数のスキャン画像を、容易且つ確実に違和感のない1枚の画像に生成することができる。
上述したように、標本培養部2aと2次元パターン部2bは、スライドガラス2自体の構造である。したがって、両者によって形成される境界線、即ち特徴部は必ず存在する。また、境界線近傍においてGFPによる蛍光が発生することは、ほとんどない。これは、細胞Aは標本培養部2aのほぼ中央部にあること、及びGFPが存在する位置も、細胞Aの内部であることによる。そのため、境界線をはっきり認識することができる。このように、本実施形態によれば、GFPが発する蛍光の発光位置と2次元パターン部2bで反射された光の位置とが、明確に区別される。そのため、撮像素子20に入射する光が同一の波長509nmの光であっても、確実に特徴部を、細胞A(GFPが発する蛍光)とは分けて判別することができる。従って、標本培養部2aと2次元パターン部2bとの光(波長509nmの光)の強度差により、境界線を確実に検出することができる。
更に、本実施形態の光学装置1は、透過照明光学系30を備えているので、透過照明による観察も可能である。
上述したように、この光学装置1及び画像作成方法によれば、ステージ駆動に多少の誤差があったとしても、スライドガラス2全体における蛍光画像を、正確に1枚の画像として生成することができる。また、蛍光観察と特徴部の撮像とを同時に行うことができるので、観察に要する時間の短縮化を図ることことができる。更に、特徴部はスライドガラス2自体の構造に基づいたものであるので、必ず検出することができる。
また、この光学装置1では、励起フィルタ16、ダイクロイックミラー17及び対物レンズ6を備えているが、これらは蛍光顕微鏡の基本構成である。よって、特別な光学系を必要とせずに、確実に励起波長489nmの光及び蛍光波長509nmの光をスライドガラス2に照射することができる。また、励起光カットフィルタ18により、確実に蛍光及び蛍光と同程度の波長509nmの光のみを撮像手段7に入射させることができるので、鮮明な画像を得ることができる。
また、強度調整フィルタ16、ダイクロイックミラー17の反射率Rd及び2次元パターン部2bのミラーコーティングの反射率Reが、適切に設定されている。これにより、GFPが発する蛍光の強度に対して、2次元パターン部2bで反射された波長509nmの光の強度が適切な強度に調整されている。よって、細胞Aの蛍光観察及び特徴部の撮像を、撮像手段7のダイナミックレンジ内で確実に行うことができる。
次に本発明に係る光学装置1の第2実施形態について、図6を参照して説明する。なお、第2実施形態において第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第2実施形態では、励起波長489nmの光を照射して、蛍光観察及び既知の指標の撮像を行う点である。
第2実施形態の光学装置40は、図6に示すように、スライドガラス2が、培養液Bと共に所定の培養条件に維持された培養容器41内に配されている。
この培養容器41は開口が空いたステージ上に載置可能とされており、筒状の筐体42と、一対のガラス板43とを備えている。ここで、開口の大きさは、少なくともスライドガラス2の寸法と同程度である。また、筐体42は筒状であって、スライドガラス2を収容可能である。更に、筐体42は、熱伝導に優れた材質、例えば、ステンレスやアルミで形成されている。一対のガラス板43は、筐体42の上下開口を塞ぐもので、光学的に平滑な面を有している。
また、筐体42と一対のガラス板43との接合面には、図示しないパッキン等が配されており、内部の水密が確保されている。パッキンとしては、フッ素樹脂、例えば、4フッ化エチレン製のパッキンが用いられる。これにより、スライドガラス2を培養容器41内に収納するため、一対のガラス板43を筐体42から脱着したとしても、培養容器41内部を水密状態にすることが可能である。
なお、一対のガラス板43の内面に、培養液Bの気泡の付着を防ぐための高親水性処理等を施すと良い。また、スライドガラス2を収納した後に一対のガラス板43をシリコン接着剤等により完全に筐体42に密閉固定しても構わない。
また、培養容器41には、培養液供給パイプ45、培養液排出パイプ46及び一対の整流子部材47を備えている。ここで、培養液供給パイプ45は、筐体42内部に培養液Bを供給するためのものである。培養液排出パイプ46は、筐体42内部から不要となった培養液Bを排出するためのものである。一対の整流子部材47は、培養液Bの流れを分散させるためのものである。
培養液供給パイプ45は、筐体42の一端側且つ下方側に設けられ、培養液排出パイプ46は、筐体42の他端側且つ上方側に設けられている。これにより、培養液供給パイプ45から供給された培養液Bは、培養容器42の内部を満たした後、培養液排出パイプ46から外部に排出されるようになっている。
なお、培養液供給パイプ45は、培養液温度が制御された図示しない培養液供給源に接続されており、例えば、37℃±0.5℃の所定温度に制御された培養液Bが供給されるようになっている。
上記一対の整流子部材47は、培養液供給パイプ45及び培養液排出パイプ46とスライドガラス2との間に配設されている。この一対の整流子部材47は、厚さ方向に複数の貫通孔48を有する板状の多孔性部材により形成されている。これにより、培養液供給パイプ45側の整流子部材47は、内部に供給される培養液Bを、複数の貫通孔48に分散させて流通させることが可能である。また、培養液排出パイプ46側の整流子部材47は、外部へ排出される培養液Bを、複数の貫通孔48に分散させて流通させることが可能である。このように、整流子部材47によって、集中的な培養液Bの流れを分散流に変換できる。したがって、細胞Aが配置されているスライドガラス2近傍において、培養容器42の横断面のほぼ全領域で、一定の流速及び流量で培養液Bを流動させることが可能である。
また、本実施形態の光学装置40では、励起フィルタ16及びダイクロイックミラー17等が構成されている。これにより、培養容器41内のスライドガラス2に向けて、対物レンズ6により波長489nmの光を照射することができる。また、画像処理部8は、標本培養部2aと2次元パターン部2bとの境界線の検出を行うように設定されている。これについては、後に詳細に説明する。
ここで、本実施形態では、2次元パターン部2bに、波長489nmの光を透過するようなコーティングが施されている。
このように構成された光学装置40により、スライドガラスの全体画像を1枚の画像として生成する場合について説明する。
まず、培養容器41内に、細胞Aが保持されたスライドガラス2を収納させ、その後、培養液供給源を作動させて、培養液供給パイプ45から培養容器41内に培養液Bを供給する。このようにして、培養容器41内部を、所定の培養条件になるように設定する。この供給された培養液Bは、一対の整流子部材47を介して培養容器41内を満たすと共に、培養液排出パイプ46から培養容器41外部に排出される。このように、培養液Bは、循環するようになっており、細胞Aに対して常に新鮮な培養液Bが供給される。
次に、照射ステップを行う。これは、対物レンズ6により、波長489nmの光をスライドガラス2の下方から照射する。2次元パターン部2bに照射された波長489nmの光は、2次元パターン部2bを透過する。一方、標本培養部2aには、該標本培養部2aを透過して培養液Bに照射がされる。これにより、培養液Bが波長509nmの自家蛍光を発する。また、GFPを含む細胞Aが存在する場所では、GFPが励起波長489nmの光を受けて蛍光を発する。撮像手段7は、この蛍光も同時に撮像を行う。
上述したように、撮像ステップでは、第1実施形態と同様にステージを移動させながら撮像が行われる。よって、撮像素子20は、蛍光及び自家蛍光の撮像を各領域で行って、スキャン画像の取得を行う。その際、2次元パターン部2bからは光は反射されないので、2次元パターン部2bの画像の明るさはゼロに近い。一方、標本培養部2aでは、培養液Bによる自家蛍光が発生している。よって、標本培養部2aの明るさは、2次元パターン部2bよりも明るい。よって、標本培養部2aと2次元パターン部2bの境界線を確実に認識できる。よって、結合ステップにおいて、画像処理部8が、標本培養部2aと2次元パターン部2bとの境界線、即ち、特徴部を精度良く検出することができる。その結果、隣接する各スキャン画像を、容易且つ正確に、違和感のない1枚の画像に結合することができる。
上述したように、本実施形態の光学装置40によれば、励起波長489nmの光を照射するだけで、スライドガラス2全体の細胞Aの蛍光画像を1枚の画像に生成することができる。特に、異なる波長の光を照射する必要がないので、構成のシンプル化を図ることができる。更に、細胞Aを培養しながら観察できるので、長期的な観察を行うことができる。
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、各実施形態において、標本培養部と2次元パターン部との境界線を既知の指標としたが、これに限らず、既知の指標が記されていれば構わない。この場合、複数の領域を撮像するときに、各領域に既知の指標が写るように撮像すれば良い。
また、標本培養部の形状を円状としたが、四角等の多角形状でも良いし、楕円形状でも良く、形状に限定されるものではない。
また、各実施形態では、波長489nmの光、波長509nmの光を利用したが、これらの波長に限定されるものではなく、任意に設定して構わない。また、第1実施形態において、ダイクロイックミラーにより波長509nmの光を反射する反射率を5%に設定したが、1%以上10%未満の範囲内にあれば構わない。同様に、2次元パターン部のミラーコーティングにより波長509nmの光の反射する反射率を10%に設定したが、1%以上20%未満の範囲内にあれば構わない。特に、これらの反射率及び強度調整フィルタの強度は、GFPが発する蛍光強度及び撮像素このダイナミックレンジ等を考慮にいれて、それぞれ調整することが好ましい。
本発明に係る光学装置の第1実施形態を構成図である。 図1に示す光学装置で使用されるスライドガラスの一例を示す上面図である。 図2に示すスライドガラスの断面図である。 図2に示すスライドガラスの矢印Cの拡大図である。 対物レンズにより、両波長489nm、509nmの光をスライドガラスに照射している状態を示す側面図である。 本発明に係る光学装置の第2実施形態を示す図であって、培養容器内に収納されているスライドガラスに励起波長489nmの光を対物レンズにより照射している状態を示す断面図である。
符号の説明
A 細胞(試料)
1、40 光学装置
2 スライドガラス(担体)
2a 標本培養部
2b 2次元パターン部(隔離部)
3 光源
4 照明光学系
6 対物レンズ
7 撮像手段
8 画像処理部
15 強度調整フィルタ(強度変更手段)
16 励起フィルタ
17 ダイクロイックミラー
18 励起光カットフィルタ
19 結像レンズ
41 培養容器

Claims (5)

  1. 光源と、
    2次元配列された標本培養部と、隣り合う該標本培養部の間に設けられた隔離部とを有する担体と、
    前記光源から出射された光を、前記担体に導く照明光学系と、
    前記担体からの光を集光する対物レンズと、
    前記照明光学系と前記対物レンズとの間に配されて、前記照明光学系から出射された光のうち所定の波長の光を透過する励起フィルタ及び該励起フィルタを透過した光を反射するダイクロイックミラーと、
    前記担体からの光のうち所定の波長の光をカットする励起光カットフィルタと、
    撮像素子と、前記励起光カットフィルタを透過した光を前記撮像素子に結像させる結像レンズとを有し、前記対物レンズを介して形成された像を撮像する撮像手段と、
    前記担体と前記対物レンズとを相対移動させる移動機構と、
    前記相対移動によって得られた前記担体の複数の領域を撮像した各画像を処理する画像処理部とを備え、
    前記ダイクロイックミラーは、前記標本培養部に保持された試料の蛍光物質の励起波長の光及び蛍光物質が発する蛍光波長の光を反射するように、前記蛍光波長の光の反射率Rdが、1%<Rd<10%に設定され
    前記画像処理部は、前記各画像の前記標本培養部と前記隔離部における光の強度差から、前記標本培養部と前記隔離部の境界線を検出する処理と、前記境界線に基づいて、前記各画像の各々から共通の特徴部を検出する処理と、前記特徴部を一致させるように前記各画像を結合する処理とを行うことを特徴とする光学装置。
  2. 請求項1に記載の光学装置において、
    前記担体が、所定の培養条件に維持された培養容器内に配されており、
    前記画像処理部が、前記標本培養部と前記隔離部との境界線を検出する処理において、前記標本培養部からの自家蛍光の検出を行うことを特徴とする光学装置。
  3. 光源と、
    2次元配列された標本培養部と、隣り合う該標本培養部の間に設けられた隔離部とを有する担体と、
    前記光源から出射された光を、前記担体に導く照明光学系と、
    前記担体からの光を集光する対物レンズと、
    前記照明光学系と前記対物レンズとの間に配されて、前記照明光学系から出射された光のうち所定の波長の光を透過する励起フィルタ及び該励起フィルタを透過した光を反射するダイクロイックミラーと、
    前記担体からの光のうち所定の波長の光をカットする励起光カットフィルタと、
    撮像素子と、前記励起光カットフィルタを透過した光を前記撮像素子に結像させる結像レンズとを有し、前記対物レンズを介して形成された像を撮像する撮像手段と、
    前記担体と前記対物レンズとを相対移動させる移動機構と、
    前記相対移動によって得られた複数の領域を撮像した各画像を処理する画像処理部とを備え、
    前記隔離部には、前記標本培養部に保持された試料の蛍光物質が発する蛍光波長と同一の波長の光を反射する、反射率Reが1%<Re<20%のミラーコーティングが施されており、
    前記画像処理部は、前記各画像の前記標本培養部と前記隔離部における光の強度差から、前記標本培養部と前記隔離部の境界線を検出する処理と、前記境界線に基づいて、前記各画像の各々から共通の特徴部を検出する処理と、前記特徴部を一致させるように前記各画像を結合する処理とを行うことを特徴とする光学装置。
  4. 光源と、
    2次元配列された標本培養部と、隣り合う該標本培養部の間に設けられた隔離部とを有する担体と、
    前記光源から出射された光を、前記担体に導く照明光学系と、
    前記担体からの光を集光する対物レンズと、
    前記対物レンズを介して形成された像を撮像する撮像手段と、
    前記担体と前記対物レンズとを相対移動させる移動機構と、
    前記相対移動によって得られた前記担体の複数の領域を撮像した各画像を処理する画像処理部とを備え、
    前記担体は、所定の培養条件に維持された培養容器内に配されており、
    前記隔離部には、前記標本培養部に保持された試料の蛍光物質が発する蛍光波長と同一の波長の光を反射する、反射率Reが1%<Re<20%のミラーコーティングが施されており、
    前記画像処理部は、前記標本培養部からの自家蛍光の検出を行い、前記各画像の前記標本培養部と前記隔離部における光の強度差から、前記標本培養部と前記隔離部の境界線を検出する処理と、前記境界線に基づいて、前記各画像の各々から共通の特徴部を検出する処理と、前記特徴部を一致させるように前記各画像を結合する処理とを行うことを特徴とする光学装置。
  5. 請求項1から3のいずれか1項に記載の光学装置において、
    前記励起フィルタが、前記試料の蛍光物質の励起波長の光及び蛍光物質が発する蛍光波長の光とを同時に透過可能に設定され、
    前記蛍光波長の光の強度を変更する強度変更手段を備えていることを特徴とする光学装置。
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