JP2009194814A - 通信装置、及び通信装置における故障判定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】メッセージBOXの故障箇所を特定できる通信装置、及び通信装置の故障診断方法を提供すること。また、メッセージBOXのある箇所が故障してもメッセージの送受信を行うことのできる通信装置等を提供すること。
【解決手段】第1の制御部と第2の制御部との間で通信を行う通信システムにおいて、
前記第1の制御部は、前記第2の制御部に送信する送信メッセージを一時的に保持する複数の送信バッファを備え、前記第1の制御部は、前記複数の送信バッファのうち指定した送信バッファから前記送信メッセージを前記第2の制御部に送信し、前記第2の制御部から前記送信メッセージに対する返送メッセージを受信しないとき、前記複数の送信バッファのうち前記指定した送信バッファは故障と診断する。
【選択図】図6
【解決手段】第1の制御部と第2の制御部との間で通信を行う通信システムにおいて、
前記第1の制御部は、前記第2の制御部に送信する送信メッセージを一時的に保持する複数の送信バッファを備え、前記第1の制御部は、前記複数の送信バッファのうち指定した送信バッファから前記送信メッセージを前記第2の制御部に送信し、前記第2の制御部から前記送信メッセージに対する返送メッセージを受信しないとき、前記複数の送信バッファのうち前記指定した送信バッファは故障と診断する。
【選択図】図6
Description
本発明は、通信装置、通信装置における故障判定方法に関する。
昨今、自動車の車載ネットワークとしてCAN(Controller Area Network)プロトコルが注目されつつある(例えば、以下の非特許文献1及び2)。CANは、ISO(International Organization for Standardization)で国際的に標準化されたシリアル通信プロトコルである。
CANプロトコルの特徴は、バスが空いているときにすべてのノードがメッセージ(又はフレーム、CANプロトコルの通信単位)を送信することができるマルチマスタ方式や、同時にフレームを送信したときは優先順位の高い識別子(ID)のフレームを送信するノードが送信権を得る、などがある。
このようなCANプロトコルを利用した車内LANは、自動車の各ハードウェアを制御するECU(Electric Control Unit)がCANバスを介して接続される構成となっている。ECUは、例えば、エンジン等を制御するエンジン系のECUや、ナビゲーションシステム等を制御する情報系のECUなどがある。
ECUは、内部に送信バッファを有し、送信バッファ内に複数のボックスからなる送信メッセージBOXを備える。送信メッセージBOXの各ボックスからは各々フレームが送信される。同様に、ECU内には受信バッファを備え、受信バッファ内に複数のボックスからなる受信メッセージBOXを有し、各ボックスでフレームを受信する。
このように、送信メッセージBOXから正常にフレームが送信され、受信メッセージBOXで正常にフレームを受信することは極めて重要である。そのため、従来からメッセージBOXの故障診断が行われている。図1(A)及び同図(B)は送信メッセージBOXや受信メッセージBOXが故障したときの例を示す図である。
図1(A)に示すように、ECU100には複数のボックスからなる送信メッセージBOX110を備え、例えば1つのボックスが故障したと判断されたとき、送信メッセージBOX110からは全てのメッセージの送信が禁止される。送信メッセージBOX110のうち、どのBOXが故障したのか判断できないからである。
送信のみならず、受信のときも同様である。すなわち、受信メッセージBOX120がメッセージを受信するときに、ある1つのボックスが故障したとき、すべてのメッセージBOX120の受信が禁止される(図1(B)参照)。
なお、従来では以下の特許文献に示す故障診断方法等が開示される。
「CAN入門書」www.renesas.com 「CANとは?」www.toyo.co.jp/car/CAN/CAN_General.htm 特開平5−100983号公報
特開平8−331126号公報
特開2000−315165号公報
特開昭63−67942号公報
特開平5−265989号公報
「CAN入門書」www.renesas.com 「CANとは?」www.toyo.co.jp/car/CAN/CAN_General.htm
しかしながら、図1(A)等に示す従来の故障診断では、1つのボックスが故障すると、メッセージの送受信が禁止され、その結果、ECU100は他のECUとの間でメッセージを送受信できなくなる。
また、従来ではメッセージBOXのうちあるボックスが故障してもどのボックスが故障したかを特定できず、故障したボックスの交換等も行うことができない。
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものでその目的は、メッセージBOXの故障箇所を特定できる通信装置、及び通信装置の故障診断方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、メッセージBOXのある箇所が故障してもメッセージの送受信を行うことのできる通信装置等を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一実施態様によれば、第1の制御部と第2の制御部との間で通信を行う通信システムにおいて、前記第1の制御部は、前記第2の制御部に送信する送信メッセージを一時的に保持する複数の送信バッファを備え、前記第1の制御部は、前記複数の送信バッファのうち指定した送信バッファから前記送信メッセージを前記第2の制御部に送信し、前記第2の制御部から前記送信メッセージに対する返送メッセージを受信しないとき、前記複数の送信バッファのうち前記指定した送信バッファは故障と診断する。
また、上記目的を達成するために、本発明の他の実施態様によれば、送信メッセージを一時的に保持する複数の送信バッファを有する第1の制御部と第2の制御部との間で通信を行う通信システムにおける故障診断方法であって、前記第1の制御部は前記複数の送信バッファのうち指定した送信バッファから前記送信メッセージを前記第2の制御部に送信し、前記第1の制御部は、前記第2の制御部から前記送信メッセージに対する返送メッセージを受信しないとき、前記複数の送信バッファのうち前記指定した送信バッファは故障と診断する。
さらに、上記目的を達成するために本発明の他の実施態様によれば、第1の制御部と第2の制御部との間で通信を行う通信システムにおいて、前記第1の制御部は、前記第2の制御部から送信された返送メッセージを一時的に保持する複数の受信バッファを備え、前記第1の制御部は、前記複数の受信バッファのうち指定した受信ボックスで送信メッセージに対する前記返送メッセージを受信できるように前記受信バッファを割り当てて前記送信メッセージを送信し、前記返送メッセージを前記指定した送信バッファで受信しないとき前記受信バッファのうち前記指定した受信バッファは故障と診断する。
さらに、上記目的を達成するために本発明の他の実施態様によれば、返送メッセージを一時的に保持する複数の受信バッファを有する第1の制御部と、第2の制御部との間で通信を行う通信システムにおける故障診断方法において、前記第1の制御部は、前記受信バッファのうち指定した受信バッファで送信メッセージに対する前記返送メッセージを受信できるように前記受信バッファを割り当てて前記送信メッセージを第2の制御部に送信し、前記第1の制御部は、前記送信メッセージに対する前記返送メッセージを前記指定した受信バッファで受信しないとき、前記受信バッファのうち前記指定したバッファは故障と診断する。
さらに、上記目的を達成するために本発明の他に実施態様によれば、第1の制御部と第2の制御部との間で通信を行う通信システムにおいて、前記第1の制御部は、前記第2の制御部に送信する送信メッセージを一時的に保持する複数の送信バッファと、前記第2の制御部から送信された返送メッセージを一時的に保持する複数の受信バッファとを備え、前記第1の制御部は、前記送信バッファのうち指定した送信バッファから前記送信メッセージを前記第2の制御部に送信し、前記第2の制御部から前記送信メッセージに対する返送メッセージを受信しないとき、前記送信バッファのうち前記指定したボックスは故障と診断し、前記第1の制御部は、前記受信バッファのうち指定した受信バッファで送信メッセージに対する前記返送メッセージを受信できるように前記受信バッファを割り当てて前記送信メッセージを送信し、前記返送メッセージを前記指定した受信バッファで受信しないとき前記受信バッファのうち前記指定した受信バッファは故障と診断する。
さらに、上記目的を達成するために本発明の他に実施態様によれば、送信メッセージを一時的に保持する複数の送信バッファと受信メッセージを一時的に保持する複数の受信バッファとを有する第1の制御部と、第2の制御部との間で通信を行う通信システムにおける故障診断方法において、前記第1の制御部は、前記送信バッファのうち指定した送信バッファから前記送信メッセージを前記第2の制御部に送信し、前記第1の制御部は、前記第2の制御部から前記送信メッセージに対する返送メッセージを受信しないとき、前記送信バッファのうち前記指定した送信バッファは故障と診断し、前記第1の制御部は、前記受信バッファのうち指定した受信バッファで送信メッセージに対する前記返送メッセージを受信できるように前記受信バッファを割り当てて前記送信メッセージを送信し、前記第1の制御部は、前記返送メッセージを前記指定した受信バッファで受信しないとき前記受信バッファのうち前記指定した受信バッファは故障と診断する。
さらに、上記目的を達成するために本発明の他に実施態様によれば、他の通信装置とバスで接続された通信装置において、前記バスに対してのデータの送信と受信の少なくとも一方が個々に可能な複数の制御部を備え、前記各制御部は、他の前記制御部に送信する送信メッセージを一時的に保持する複数の送信バッファを備え、前記各制御部は、前記複数の送信バッファのうち指定した送信バッファから前記送信メッセージを前記他の制御部に送信し、前記他の制御部から前記送信メッセージに対する返送メッセージを受信しないとき、前記複数の送信バッファのうち前記指定した送信バッファは故障と診断する。
本発明によれば、メッセージBOXのどの箇所が故障したかを特定できる通信装置、及び通信装置における故障診断方法を提供できる。また、本発明によれば、メッセージBOXのある箇所が故障してもメッセージの送受信を行うことのできる通信装置等を提供できる。
本発明を実施するための最良の形態について、以下図面を参照しながら説明する。図2乃至図5は、通信装置の一例であるECU10の構成例とメッセージの送受信の例を示す図である。このうち、図2及び図3は送信メッセージBOXの故障診断の例、図4及び図5は受信メッセージBOXの故障診断の例を示す図である。
図2に示すように、ECU10はCANバス60と接続され、CANバス60を介して他のECUと接続される。ECU10と他のECUとで車載ネットワークシステムが構成される。
ECU10は、スイッチ回路20と、送信側CPU(以下、評価側CPU)30と、受信側CPU(応答側CPU40)とを備える。ECU10は、2つのCPU30,40からなる2CPU構成である。
スイッチ回路20は、ECU10からのフレーム(又はメッセージ)をCANバス60に出力したり、CANバス60からのフレームをECU10に入力させたりするための切換え回路である。スイッチ回路20が遮断されると、ECU10からCANバス60へはフレームが出力されず、他のECUからフレームを受信しない。
評価側CPU30は、評価フレームを作成して送信するとともに、応答側CPU40からの返送フレームを受信する。応答側CPU40は、評価側CPU30から検査フレームを受信し、それに応答する返送フレームを評価側CPU30に出力する。
評価側CPU30と応答側CPU40は、ともに送信メッセージBOXと受信メッセージBOXとを有する。送信メッセージBOXと受信メッセージBOXは、各CPU30、40内の送信バッファと受信バッファ内に備えられている。メッセージBOXは送受信されるフレームを一時的に保持する。
次に、ECU10における故障診断の例について簡単に説明する。本実施例では、評価側CPU30のメッセージ送信BOXとメッセージ受信BOXに対して故障診断が行われる。
まず、送信メッセージBOXが正常な例を示す図2から説明する。評価側CPU30は、特定フレームを送信するメッセージBOXのボックス番号を指定する。メッセージBOXは複数のボックスから構成され、評価側CPU30は、このうち検査フレーム(特定フレーム)を送信するボックスを指定する。指定された番号のボックスから検査フレームが送信される。
応答側CPU40は、評価側CPU30から検査フレームを受信すると、返送フレームを送信する。
そして、評価側CPU30は、返送フレームを受信できれば、指定した番号のボックスは正常と判断する。
詳細は後述するが、検査フレームは他のフレームと区別するためのIDを含み、各CPU30,40は当該IDにより送受信したフレームが検査フレームであることを認識する。また、返送フレームについても同様である。応答側CPU40は、かかるIDのフレームを受信できるように予め設定される。
図3は、送信メッセージBOXが正常でない場合の例を示す図である。まず、評価側CPU30は、検査フレームを送信する送信メッセージBOXのボックス番号を指定して、当該送信メッセージBOXから検査フレームを送信する。
応答側CPU40は、検査フレームを受信しない場合、評価側CPU30に対して返送フレームを送信しない。評価側CPU30は、一定時間返送フレームの受信がない場合、指定した番号のボックスは故障と診断し、当該ボックスの使用を禁止する。
次に、評価側CPU30の受信メッセージBOXが正常な例を説明する。図4はその例を示す図である。同図に示すように、評価側CPU30は、応答側CPU40から受信する返送フレームを受信する受信メッセージBOXのボックス番号を指定する。
評価側CPU30は、検査フレームの送信の場合と同様に、指定したメッセージ送信BOXからリクエストフレームを送信する。リクエストフレームも他のフレームと区別するためのIDを含む。
応答側CPU40は、リクエストフレームを受信した場合に返送フレームを送信する。評価側CPU30は、指定した受信メッセージBOXのボックス番号で返送フレームを受信できれば当該番号のボックスは正常と判断する。
一方、図5に示すように、評価側CPU30は、応答側CPU40からリクエストフレームに対する返送フレームを一定時間受信しない場合、受信指定した番号のボックスは故障と診断し、当該ボックスの使用を禁止する。
このように、評価側CPU30は、メッセージ送信BOXやメッセージ受信BOXのボックス番号を指定し、指定したボックスからの検査フレームに対する返送フレームを受信できなかった場合や、指定したボックスにリクエストフレームに対する返送フレームを受信できなかった場合、当該ボックスが正常でないと判断する。そして、正常でないとき、評価側CPU30は当該ボックスの使用を禁止する。
次に、図6ないし図9を使用して詳細に説明する。図6はECU10の詳細な構成例とメッセージの送受信の例を示す図であり、図7乃至図9は故障診断の処理の例を示すフローチャートである。
図6に示すように、ECU10は、評価用マイコン31と、応答用マイコン41と、CANトランシーバ51〜54を備える。CANトランシーバ51〜54は、CANプロトコルのフレームをCPU31,41間で送受信するための送受信部である。
また、評価用マイコン31は、CPU310と、送信メッセージBOX311と、送信用CANモジュール312と、受信用CANモジュール313と、受信メッセージBOX314とを備える。
応答用マイコン41は、CPU410と、受信用CANモジュール411と、受信メッセージBOX412と、送信メッセージBOX413と、送信用CANモジュール414とを備える。
各マイコン31,41の送受信メッセージBOX311,314,412,413は上述したように各マイコン31,41内の送信バッファや受信バッファ内に存在する。
各CANモジュール312,313,411,414は、CANプロトコルで定義されたフレームを生成して送信したり、フレームを受信してデータを抽出する。
次に、図7乃至図9を参照して故障診断の詳細な処理を説明する。故障診断処理は、評価用マイコン31の送信メッセージBOX311に対する故障診断(S13からS23)と、受信メッセージBOX314の故障診断(S24からS36)とがある。
処理が開始されると(S10)、ECU10はハード回路、つまりスイッチ回路20を切換えてCANバス60と切断する(S11)。他のECUとフレームの送受信を行わせないためである。
次いで、ECU10はCANレジスタの初期設定を行い(S12)、送信メッセージBOX311に対する故障診断を行う(S13〜S23)。すなわち、評価用マイコン31のCPU310は、送信メッセージBOX311のボックス番号(例えば、番号i)を指定する(S14)。
次いで、CPU310は、指定したボックスから特定フレーム(評価フレーム)を送信する(S15)。そして、CPU310は、送信メッセージBOX311におけるすべてのボックス数分の評価フレームを送信する(S16とS13のループ)。送信メッセージBOX311の各ボックスから順次評価フレームが送信される。
評価フレームは、CANモジュール312、CANトランシーバ54を介して、応答用マイコン41側のCANトランシーバ51、CANモジュール411に送信される。上述したように、評価フレームは他のフレームと区別するために評価フレーム用のIDが付加されて送信される。CANモジュール312は当該IDを付加した評価フレームを最終的に生成して送信する。
次いで、応答用マイコン41のCPU410は評価フレームを受信メッセージBOX412で受信する。CPU410は、受信メッセージBOX412の指定したボックス番号で、評価フレームを受信する。
そして、CPU410は、指定したボックス番号の受信メッセージBOX412において評価フレームを受信した場合、評価フレームに対する返送フレームを生成し、送信メッセージBOX413から返送フレームを送信する。送信メッセージBOX413も固定したボックスから返送フレームが送信される。
そして、評価用マイコン31のCPU310は、i番目の返送フレームを受信したか否かを判断する(S18)。CPU310は、返送フレームを受信していないと(S18でNO)、指定した番号iのボックスは故障と判断し、i番目のボックスの使用を禁止する(S20)。
一方、返送フレームを受信したとき(S18でYES)、CPU310は受信した返送フレームのID、DLC、DATAをチェックする(S19)。
IDは返送フレームであることを識別するための識別子であり、DLCは受信した返送フレームのデータ長、DATAは返送フレームのデータ部に挿入されたデータの値を示す。
応答用マイコン41のCPU410は、返送フレームを生成するとき、受信した評価フレームのデータ長と同じデータ長のフレームを生成するとともに、返送フレーム内のデータ部には評価フレーム内に挿入されたデータ(例えば、「FFF・・・」)と同じ値(内容)のデータを挿入する。評価用マイコン31のCPU310は、返送フレームを受信したとき、評価フレームのデータ長と同じか否か、評価フレームのデータ部に挿入したデータと同じデータが挿入されているかを確認する。CPU310は、S19の処理により、評価フレームに対応する返送フレームを正常に受信したか否かを判断している。
CPU310は、受信したフレームのIDが返送フレームであることを示すIDで、DLC、DATAのすべてが評価フレームと同じものであるとき(S19でOK)、指定した番号iのボックスは正常と判断して次の処理(S22)に移行する。
一方、CPU310は、受信したフレームのIDが返送フレームでないIDか、DLC、DATAのいずれかが評価フレームと同じでないとき(S19でNG)、指定したボックス番号iの送信メッセージBOX311は故障と判断して、ボックス番号iの送信メッセージBOX311の使用を禁止する(S20)。
CPU310は送信メッセージBOX311のボックス数分の処理を繰り返す(S17からS23までのループ)。
次に、ECU10は受信メッセージBOX314に対する故障診断を行う(S24からS36)。すなわち、評価用マイコン31のCPU310は受信メッセージBOX314のボックス番号jを指定する(S25)。当該ボックス番号jにてリクエストフレームに対する返送フレームを受信するためである。
次いで、CPU310は送信メッセージBOX311からリクエストフレームを送信する(S26)。例えば、送信するリクエストフレームは指定したボックス番号の送信メッセージBOX311から送信される。リクエストフレームは、CANモジュール312から、CANトランシーバ54を介して、応答用マイコン41側に送信される。リクエストフレームは上述したようにリクエストフレームであることを示すIDが付加されるが、これはCANモジュール312で行われる。
CPU310は、受信メッセージBOX314のすべてのボックスで返送フレームを受信できるようにボックス数分のリクエストフレームを順次送信する(S24からS27までのループ)。
リクエストフレームは、応答用マイコン41側のCANトランシーバ51、CANモジュール411を介して受信メッセージBOX412に送信される。リクエストフレームは、応答用マイコン41の受信メッセージBOX412の指定された番号のボックスで受信される。CPU410はリクエストフレームを受信すると、送信メッセージBOX413から返送フレームを送信する。返送フレームには、リクエストフレームのデータ部に挿入されたデータのデータ長DLCと、データ部に挿入されたデータ自体が挿入される。かかる返送フレームはCANモジュール414で生成される。返送フレームは、CANトランシーバ52、53、CANモジュール313を介して指定したボックスの受信メッセージBOX314で受信される。
尚、受信メッセージBOX314では、予め指定したIDのフレームを受信できるようにボックスが割り当てられている。例えば、ID「1」〜「10」まではボックス番号「1」の受信メッセージBOX314で受信し、ID「11」〜「20」まではボックス番号「2」で受信するなどである。CANモジュール313は、フレームを受信すると当該フレームのIDからフレームを各ボックスに割り振る。リクエストフレームの場合も予め当該フレームのIDを受信できるように設定されており、決められたボックスの受信メッセージBOX314で受信できるようになされている。
次いで、CPU310は、返送フレームを受信したか否かを判断する(S30)。返送フレームを受信していないとき(S30でNO)、CPU310は、指定した番号jのボックスは故障と判断し、ボックス番号jの受信メッセージBOX314の使用を禁止する(S32)。
一方、返送フレームを受信したとき(S30でYES)、CPU310は返送フレームのID、DLC、DATAをチェックする(S31)。送信メッセージBOX311に対する故障診断と同様に、返送フレームを示すIDか否か、リクエストフレームのデータ部のデータ長DLCと同じか否か、リクエストフレームのデータ部に挿入されたものと同じデータを受信したか否か、をチェックする。
CPU310は、ID、DLC、DATAのいずれか一つでも異なっていると(S31でNG)、受信メッセージBOX314のボックス番号jのボックスは故障と診断し、ボックス番号jの受信メッセージBOX314の使用を禁止する(S32)。その後、次の処理(S33)に移行する。
一方、ID、DLC、DATAのすべてか送信したリクエストフレームと同じとき(S31でYES)、CPU310は受信メッセージBOX314のボックス番号jのボックスは正常と判断し、次の処理(S33)に移行する。
そして、CPU310は、受信メッセージBOX314におけるすべてのボックスに対して処理を行う(S29からS34までのループ)。
次いで、ECU10は送受信割込みを禁止して(S35)、受信メッセージBOX314の再設定を行う(S36)。再設定とは、受信メッセージBOX314のボックス番号とフレームIDとの対応関係を再設定することである。例えば、フレームIDが「11」から「20」までのフレームを受信するボックス番号「2」のボックスが故障したとき、当該フレーム番号のフレームを空いている番号のボックスで受信するようにする等である。
次いで、ECU10はスイッチ回路20を切換えることでCANバス60と接続させ(S37)、一連の故障診断処理を終了する(S38)。
その後は、例えばフェールセーフ処理が行われる。例えば、故障したボックスを使用せず、他のボックスを使用してメッセージの送受信を行えるようにする。これにより、一つのボックスが故障しても、受信処理や送信処理全体を行うことができない、等の不具合を解消できる。
このように本実施例におけるECU10は、送信メッセージBOX311のうちどの箇所のボックスが故障したかを診断できる。また、受信メッセージBOX314のうち、どのボックスが故障したかも診断できる。
さらに、上述の故障診断により、送信メッセージBOX311からCANモジュール312へ至る経路や、CANモジュール313から受信メッセージBOX314へ至る経路の故障診断も同時に行うことができる。
診断後は、上述したフェールセーフを行うこともできるし、故障した箇所を特定できるため、故障箇所の交換等を行うことができる。
なお、上述した故障診断の処理は、ECU10のマイコン31,41に対する電源を投入したとき(イニシャル処理中)に行われる。
上述した例では、マイコン31を評価側、マイコン41を応答側として説明したが、その逆であってもよい。この場合、受信メッセージBOX412と送信メッセージBOX413の故障診断を行い得る。
なお、本実施例による通信装置は、故障診断制御を行っていない通常の通信制御時、一方のCPUを送信専用、他方のCPUを受信専用として使用する構成でもよいし、2つのCPUがそれぞれ送信と受信のそれぞれを行う構成(例えば、データの種類(ID)などに応じて、どちらのCPUで処理を行うかを決定するなど)でもよい。
1 車載ネットワークシステム、 10 ECU(Electric Control Unit)、 20 スイッチ回路、 30 評価側CPU(送信側CPU)、 31 評価用マイコン、 40 応答側CPU(受信側CPU)、 51〜54 CANトランシーバ、 60 CANバス、 311 送信メッセージBOX、 312,313 CANモジュール、 314 受信メッセージBOX、 411、414 CANモジュール、 412 受信メッセージBOX、 413 送信メッセージBOX
Claims (9)
- 第1の制御部と第2の制御部との間で通信を行う通信システムにおいて、
前記第1の制御部は、前記第2の制御部に送信する送信メッセージを一時的に保持する複数の送信バッファを備え、
前記第1の制御部は、前記複数の送信バッファのうち指定した送信バッファから前記送信メッセージを前記第2の制御部に送信し、前記第2の制御部から前記送信メッセージに対する返送メッセージを受信しないとき、前記複数の送信バッファのうち前記指定した送信バッファは故障と診断することを特徴とする通信システム。 - 前記第1の制御部は、前記指定した送信バッファが故障と診断したとき、故障した前記送信バッファ以外の送信バッファを使用してメッセージの送信を行うことを特徴とする請求項1記載の通信システム。
- 送信メッセージを一時的に保持する複数の送信バッファを有する第1の制御部と第2の制御部との間で通信を行う通信システムにおける故障診断方法であって、
前記第1の制御部は前記複数の送信バッファのうち指定した送信バッファから前記送信メッセージを前記第2の制御部に送信し、
前記第1の制御部は、前記第2の制御部から前記送信メッセージに対する返送メッセージを受信しないとき、前記複数の送信バッファのうち前記指定した送信バッファは故障と診断する
ことを特徴とする故障診断方法。 - 第1の制御部と第2の制御部との間で通信を行う通信システムにおいて、
前記第1の制御部は、前記第2の制御部から送信された返送メッセージを一時的に保持する複数の受信バッファを備え、
前記第1の制御部は、前記複数の受信バッファのうち指定した受信ボックスで送信メッセージに対する前記返送メッセージを受信できるように前記受信バッファを割り当てて前記送信メッセージを送信し、前記返送メッセージを前記指定した送信バッファで受信しないとき前記受信バッファのうち前記指定した受信バッファは故障と診断することを特徴とする通信システム。 - 返送メッセージを一時的に保持する複数の受信バッファを有する第1の制御部と、第2の制御部との間で通信を行う通信システムにおける故障診断方法において、
前記第1の制御部は、前記受信バッファのうち指定した受信バッファで送信メッセージに対する前記返送メッセージを受信できるように前記受信バッファを割り当てて前記送信メッセージを第2の制御部に送信し、
前記第1の制御部は、前記送信メッセージに対する前記返送メッセージを前記指定した受信バッファで受信しないとき、前記受信バッファのうち前記指定したバッファは故障と診断する
ことを特徴とする故障診断方法。 - 第1の制御部と第2の制御部との間で通信を行う通信システムにおいて、
前記第1の制御部は、前記第2の制御部に送信する送信メッセージを一時的に保持する複数の送信バッファと、前記第2の制御部から送信された返送メッセージを一時的に保持する複数の受信バッファとを備え、
前記第1の制御部は、前記送信バッファのうち指定した送信バッファから前記送信メッセージを前記第2の制御部に送信し、前記第2の制御部から前記送信メッセージに対する返送メッセージを受信しないとき、前記送信バッファのうち前記指定したボックスは故障と診断し、
前記第1の制御部は、前記受信バッファのうち指定した受信バッファで送信メッセージに対する前記返送メッセージを受信できるように前記受信バッファを割り当てて前記送信メッセージを送信し、前記返送メッセージを前記指定した受信バッファで受信しないとき前記受信バッファのうち前記指定した受信バッファは故障と診断することを特徴とする通信システム。 - 送信メッセージを一時的に保持する複数の送信バッファと受信メッセージを一時的に保持する複数の受信バッファとを有する第1の制御部と、第2の制御部との間で通信を行う通信システムにおける故障診断方法において、
前記第1の制御部は、前記送信バッファのうち指定した送信バッファから前記送信メッセージを前記第2の制御部に送信し、
前記第1の制御部は、前記第2の制御部から前記送信メッセージに対する返送メッセージを受信しないとき、前記送信バッファのうち前記指定した送信バッファは故障と診断し、
前記第1の制御部は、前記受信バッファのうち指定した受信バッファで送信メッセージに対する前記返送メッセージを受信できるように前記受信バッファを割り当てて前記送信メッセージを送信し、
前記第1の制御部は、前記返送メッセージを前記指定した受信バッファで受信しないとき前記受信バッファのうち前記指定した受信バッファは故障と診断する
ことを特徴とする故障診断方法。 - 他の通信装置とバスで接続された通信装置において、
前記バスに対してのデータの送信と受信の少なくとも一方が個々に可能な複数の制御部を備え、
前記各制御部は、他の前記制御部に送信する送信メッセージを一時的に保持する複数の送信バッファを備え、
前記各制御部は、前記複数の送信バッファのうち指定した送信バッファから前記送信メッセージを前記他の制御部に送信し、前記他の制御部から前記送信メッセージに対する返送メッセージを受信しないとき、前記複数の送信バッファのうち前記指定した送信バッファは故障と診断することを特徴とする通信装置。 - 前記各制御部は、故障診断を行うとき、前記通信装置外部の前記バスとを接続する通信経路を遮断することを特徴とする請求項8記載の通信装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008035786A JP2009194814A (ja) | 2008-02-18 | 2008-02-18 | 通信装置、及び通信装置における故障判定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008035786A JP2009194814A (ja) | 2008-02-18 | 2008-02-18 | 通信装置、及び通信装置における故障判定方法 |
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JP2009194814A true JP2009194814A (ja) | 2009-08-27 |
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ID=41076392
Family Applications (1)
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JP2008035786A Withdrawn JP2009194814A (ja) | 2008-02-18 | 2008-02-18 | 通信装置、及び通信装置における故障判定方法 |
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JP (1) | JP2009194814A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012222466A (ja) * | 2011-04-05 | 2012-11-12 | Denso Corp | 多重通信装置および多重通信方法 |
-
2008
- 2008-02-18 JP JP2008035786A patent/JP2009194814A/ja not_active Withdrawn
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