JP2009194341A - 電磁波抑制紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、加工が容易で、鉄板と接触したときに錆の発生がなく、燃焼時の有毒ガスの発生がなく、難燃性を有し、耐熱性に優れ、熱が掛かった後でも電磁波抑制効果が低下せず、サイズ性を有した電磁波抑制紙を提供することである。
【解決手段】本発明に係る電磁波抑制紙は、主体繊維として木材パルプと炭素繊維とを含有し、単層又は多層で抄造された原紙に、グアニジン系難燃剤とサイズ剤とが含浸されてなり、グアニジン系難燃剤の含浸によってUL規格においてUL94V‐0及び/又はUL94VTM‐0とし、炭素繊維の含有によって近傍界用電波吸収材料測定装置であるネットワークアナライザーで求めた85℃、1000時間加熱処理前後の周波数2.4543GHzでの電波吸収率[dB]及び回路への影響度[dB]を−6dB以下とし、かつ、JIS P 8122のステキヒトサイズ度が3秒以上であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、木材パルプと炭素繊維とからなる原紙に難燃剤とサイズ剤を含有させた電磁波抑制紙に関するものである。
近年、様々な分野でデジタル化が進み、身の回りにおいて、各種の情報通信、医療機器、精密機器などの制御分野において、また、電化製品、自動車などの日常生活品の分野においても高速高集積化された電子機器が広く使用されている。特にコンピュータや携帯電話、薄型テレビなど電子機器の性能が飛躍的に向上するにつれて、各種電子機器から漏洩する電磁波は、他の電子機器の誤作動だけでなく、人々の健康にも悪影響を与えていると言われており、電磁波障害対策が必要不可欠となってきている。
この対策として、従来、これらの電波や電磁波の反射を防ぎ、電磁波のエネルギーを熱のエネルギーにかえる多種多様な電磁波吸収材が用いられてきた。なお、金属板は、厚みの如何に拘らず、一般にその表面で電磁波を反射してしまい、吸収能力がない。その中で、シート状の電磁波吸収体がデジタル機器などに多く使われている。
電磁波吸収体の基材(母材)には、プラスチック、金属、ゴム、フィルム、繊維又はそれらの複合体などが使用されているが、重い・厚い・加工が困難などの問題点がある。そこで、本発明者らは、紙をベースとし、炭素繊維を抄き込んだ軽い・薄い・加工性の良い電磁波抑制紙を検討している。
炭素繊維には、原料からポリアクリルニトリル系(以下、「PAN系」と呼ぶ。)、ピッチ系、レーヨン系の3種類に分類される。また、その最終熱処理温度によって炭素質繊維と黒鉛質繊維とに分類される。炭素繊維には、次のような特徴がある。(1)軽量であり、機械的強度・弾性率が優れている。引張り・圧縮両方向ともに良好である。(2)クリープ疲労は、ほとんどない。(3)耐衝撃性が低い。(4)電気伝導度、熱伝導度、比熱は、金属と非金属との中間に位置するが、金属に近い。(5)熱膨張率が小さい。(6)低密度であり、X線の透過性が良好である。
炭素繊維の直径は、7〜20μmであるが、その機械的性質は、グレードによって大きく異なっている。一般的特性として汎用ピッチ系炭素繊維は、糸径14.5μm、密度1.65g/cm、引張強さ720MPa、引張弾性率32GPaであり、PAN系炭素質繊維では糸径7μm、密度1.74g/cm、引張強さ3300MPa、引張弾性率230GPaにも達する。PAN系炭素繊維は、アクリルニトリルモノマーとビニルモノマーとの共重合体を紡糸したPAN繊維を、200〜300℃で空気酸化によって耐炎化処理し、続いて不活性ガス中で800〜1300℃で炭化して製造する。これに表面サイジングを施したものが市販の炭素繊維である。
抄紙用原糸とする場合は、表面サイジングが一般的であるPAN系炭素繊維を必要によって脱サイジング処理する。また、もともと炭素繊維は、表面が不活性であり、他の樹脂などとの接着性があまり良好でないため、酸化法などによる表面処理を行う場合もある。
ピッチ系炭素繊維は、石油系又は石炭系のピッチを紡糸に適するように粘度や分子量を調整して溶融紡糸を行う。よられたピッチ系炭素繊維を空気、オゾン、ハロゲンガスなどを使用して不融化処理を行う。その後炭化処理を行って製造される。原料ピッチの段階で調整することによって等方性と異方性のものが得られる。異方性炭素繊維は、液晶ピッチを繊維軸方向に配列させたものであり、無延伸で高配向の高性能グレードの炭素繊維を得ることができる。
炭素繊維を用いた電磁波吸収材に関しては、次に示す技術が提案されている(例えば特許文献1〜5を参照。)。
例えば、特許文献1には、樹脂中に、前記樹脂100重量部に対してカーボンブラックを5〜10重量部及び気相成長炭素繊維を1〜10重量部の割合で配合した樹脂組成物を成形してなることを特徴とする電磁波吸収材が記載されている。
特許文献2には、熱可塑性樹脂と炭素繊維を含有する樹脂組成物100重量部に対し、炭素繊維の割合が10〜50重量部であって、該炭素繊維のうち、繊維長が500μm以上のものの割合が10〜50重量部であることを特徴とする電磁波吸収材が記載されている。
特許文献3には、高分子素材100重量部に対し60〜200重量部となる割合で前記高分子素材に炭素繊維を添加してシート状に形成してある電磁波シールド材が記載されている。
特許文献4には、形状がコイル状をしている微小炭素繊維からなる電磁波吸収材料を全原料の絶乾重量に対して固形分で5〜85重量部の範囲で含有し、コイル状微小炭素繊維以外の残部として、セルロース繊維を主体とする有機分を固形分で15〜40重量部及び含水無機化合物粉体を固形分で60〜85重量部の割合で含有し、かつ、前記コイル状微小炭素繊維の単位体積当りの存在量を0.02〜0.35g/cmとする。このシートを製造するにあたっては、コイル状微小炭素繊維を、界面活性剤を用いて水に分散させた水分散液とセルロース繊維を主体とする有機分及び含水無機化合物粉体を含むスラリーとを混合して紙料とし、通常の抄紙方法によって抄造することを特徴とする難燃性電磁波吸収シートが記載されている。
特許文献5には、セルロース繊維を主体とする有機分を固形分で15〜95重量部、形状がコイル状をしている微小炭素繊維を固形分で5〜85重量部の範囲で含有し、かつ、コイル状微小炭素繊維の単位体積当りの存在量を0.02〜0.35g/cmとした電磁波吸収シートが記載されている。
特開2001−223494号公報 特開2003−012945号公報 特開2003−110280号公報 特開平11−323770号公報 特開平11−284385号公報
本発明は、前述の背景に基づきなされたものであり、その目的とするところは、電磁波吸収性能を低下させることなく、導電性及び耐熱性を向上させた電磁波抑制紙を提供することにある。より具体的には、本発明の課題は、加工の容易な紙を主体とした電磁波抑制紙を対象とし、鉄板と接触したときに錆の発生がなく、燃焼時の有毒ガスの発生がなく、UL規格においてUL94V−0及び/又はUL94VTM−0の難燃性を有し、85℃以上の環境条件下において耐熱性に優れ、しかもその電磁波抑制効果を低下させることがなく、さらにサイズ性を有した電磁波抑制紙を提供することにある。
本発明は、木材パルプと炭素繊維を含む原紙にグアニジン系難燃剤とサイズ剤を含浸するという検討を重ね、前記課題を解決しようとするものである。すなわち、本発明に係る電磁波抑制紙は、主体繊維として木材パルプと炭素繊維とを含有し、単層又は多層で抄造された原紙に、グアニジン系難燃剤とサイズ剤とが含浸されてなり、前記グアニジン系難燃剤の含浸によってUL規格においてUL94V‐0及び/又はUL94VTM‐0とし、前記炭素繊維の含有によって近傍界用電波吸収材料測定装置であるネットワークアナライザーで求めた85℃、1000時間加熱処理前後の周波数2.4543GHzでの電波吸収率[dB]及び回路への影響度[dB]を−6dB以下とし、かつ、JIS P 8122:2004「紙及び板紙‐サイズ度試験方法‐ステキヒト法」によるステキヒトサイズ度が3秒以上であることを特徴とする。
本発明に係る電磁波抑制紙では、前記原紙は、JIS P 8122:2004「紙及び板紙‐サイズ度試験方法‐ステキヒト法」によるステキヒトサイズ度が1秒以下であることが好ましい。グアニジン系難燃剤とサイズ剤とを原紙に効率よく短時間で含浸させることができる。
本発明に係る電磁波抑制紙では、数1で求められる前記原紙への前記難燃剤と前記サイズ剤の合計の含浸率が10%以上であり、かつ、前記サイズ剤の添加量が難燃剤100質量部に対し0.1質量部以上である場合が包含される。
(数1)難燃剤とサイズ剤の合計の含浸率(%)=(原紙1m当たりの含浸量(固形分換算)/含浸前原紙の坪量)×100
本発明に係る電磁波抑制紙では、前記炭素繊維は、繊維長が1〜50mmであり、かつ、木材パルプ100質量部に対して5質量部以上の量が添加されている場合が包含される。
本発明に係る電磁波抑制紙では、前記電磁波抑制紙の一方の表面又は両面に、オーバーコート層が設けられていることが好ましい。防湿性が改善される。
本発明に係る電磁波抑制紙では、前記電磁波抑制紙の一方の表面に粘着剤層を有することが好ましい。粘着剤層を設けることで、本発明に係る電磁波抑制紙を、電子機器など電磁波を発生する機器に容易に貼付することができる。
本発明に係る電磁波抑制紙では、前記粘着剤層の表面に剥離紙が貼付されていることが好ましい。剥離紙を添付することで、ラベル用紙の形態で電磁波抑制紙を提供することができる。
本発明に係る電磁波抑制紙は、加工が容易であり、鉄板と接触したときに錆の発生がなく、燃焼時の有毒ガスの発生がなく、UL規格においてUL94V−0及び/又はUL94VTM−0の難燃性を有し、85℃以上の環境条件下において耐熱性に優れ、しかもその電磁波抑制効果を低下させることがなく、さらにサイズ性を有している。
以下、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。また、発明の効果を奏する限り、実施形態を変形してもよい。
本発明は、主体繊維として木材パルプと炭素繊維とを含有し、単層又は多層で抄造された原紙に、グアニジン系難燃剤とサイズ剤とが含浸されてなり、前記グアニジン系難燃剤の含浸によってUL規格においてUL94V‐0及び/又はUL94VTM‐0とし、前記炭素繊維の含有によって近傍界用電波吸収材料測定装置であるネットワークアナライザーで求めた85℃、1000時間加熱処理前後の周波数2.4543GHzでの電波吸収率[dB]及び回路への影響度[dB]を−6dB以下とし、かつ、JIS P 8122:2004「紙及び板紙‐サイズ度試験方法‐ステキヒト法」によるステキヒトサイズ度が3秒以上であることを特徴としたサイズ性を有した電磁波抑制紙である。
本発明で使用する木材パルプは製紙用パルプであり、広葉樹材若しくは針葉樹材を蒸解して得られる未晒若しくは晒化学パルプ、GP、サーモメカニカルパルプなどの機械パルプ、脱墨古紙パルプから選ばれたパルプを単独で使用し又は混合して使用する。
本発明で使用する炭素繊維は、PAN系炭素繊維である。PAN系炭素繊維はアクリルニトリルモノマーとビニルモノマーの共重合体を紡糸したPAN繊維を、200〜300℃で空気酸化によって耐炎化処理し、続いて不活性ガス中で800〜1300℃で炭化して製造する。これに表面サイジングを施したものが市販の炭素繊維である。抄紙用原糸とする場合は、表面サイジング処理が一般的であるPAN系炭素繊維を、必要によって脱サイジング処理する。また、本発明においては、炭素繊維の繊維長が1〜50mmのものが抄紙上好適である。より好ましくは炭素繊維の繊維長が、3〜6mmである。繊維長が1mm未満の場合は、繊維同士の絡み合いが少なくなり、機材の強度が低下する傾向があるという点で劣る場合がある。また、繊維長が50mmを超える場合は、繊維の分散媒体中への分散性が下がり、分散斑(ムラ)のある炭素繊維含有紙となる傾向があり劣る場合がある。また、炭素繊維の繊維径は20μmとすることが好ましい。
さらに、本発明に係る電磁波抑制紙では、炭素繊維の含有量を多くすることで、電磁波抑制効果を高める。そこで、炭素繊維は対木材パルプ100質量部に対して5質量部以上添加されていることが好ましい。炭素繊維をこのような添加量とすることで、近傍界用電波吸収材料測定装置であるネットワークアナライザーで求めた85℃、1000時間加熱処理前後の周波数2.4543GHzでの電波吸収率[dB]及び回路への影響度[dB]を−6dB以下とする。5質量部未満で添加した場合は、電磁波抑制性が劣る場合がある。より好ましくは、炭素繊維を対木材パルプ100質量部に対して5〜20質量部添加する。20質量部を超えると抄紙性と経済性が劣る。なお、本発明の効果が奏する範囲で、炭素繊維を含有させるとともに、導電性粉体を添加して電磁波抑制効果を高めてもよい。
本発明に係る電磁波抑制紙の原紙を抄造するときは、前記木材パルプと前記炭素繊維とを混合し、主体繊維として紙料とする。このとき、木材パルプと炭素繊維のほかに、例えばガラス繊維、セラミック系繊維、金属繊維、レーヨン繊維、ポリオレフィン系繊維、ビニロン系繊維、アクリル系繊維、ポリエステル系繊維又はポリアミド系繊維を混合しても良いが、繊維成分としては木材パルプと炭素繊維とからなる形態とすることが好ましい。この紙料を用いて、公知の抄紙機、すなわち長網、円網、ハイブリッドフォーマー、ギャップフォーマーなどを用いて単層で又は多層で抄造し、プレス工程、乾燥工程を経て通常40〜250g/m、厚さ0.03〜0.3mmの原紙を作製する。抄紙方法は、特に限定されず酸性紙、中性紙又はアルカリ性紙のいずれであってもよい。
紙料中には、紙力剤、填料、硫酸バンド(硫酸アルミ二ウム)、歩留り向上剤、染料、蛍光染料などが適宜用いられる。
紙力剤としては、澱粉、変性澱粉、ポリアクリルアミドなどが適宜用いられる。
填料としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、二酸化チタンなどが適宜用いられる。
歩留り向上剤としては、コロイダルシリカ、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミンなどが適宜用いられる。
このようにして抄造された原紙は、JIS P 8122:2004「紙及び板紙‐サイズ度試験方法‐ステキヒト法」によるステキヒトサイズ度が1秒以下であることが好ましい。より好ましくは、ステキヒトサイズ度が0.5秒以下の原紙とする。ステキヒトサイズ度が1秒を超えると、難燃剤及びサイズ剤が含浸されにくいという問題が生じる。なお、原紙を抄造するときに紙料中にサイズ剤を内添又はサイズプレスでサイズ剤を外添しなければ、ステキヒトサイズ度が1秒以下の状態を達成しやすい。
前記原紙に含浸させる難燃剤としては、ノンハロゲン系難燃剤が使用される。臭素、塩素などのハロゲン化合物からなる難燃剤は、燃焼条件によってはダイオキシンなどの有害物を発生する可能性があるので、本発明では用いない。ノンハロゲン系難燃剤としては、錆の発生が無いグアニジン、スルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジンなどのグアニジン系誘導体が好ましい。これらのグアニジン系難燃剤は、単独又は2種以上組み合わせて用いられる。難燃剤として、グアニジン系難燃剤を使用すると、電磁波抑制紙を原因とする錆の発生がない。
グアニジン系難燃剤含浸液中にサイズ剤を添加し、サイズ剤も原紙に含浸させる。グアニジン系難燃剤とサイズ剤を同一液中に混合して原紙に含浸さることで、操業工程の簡素化及び効率化が図られ、これによるコスト削減効果がある。サイズ剤としては、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水琥珀酸(ASA)、中性ロジン、酸性ロジンなどが適宜用いられる。サイズ剤を含浸させる理由は、原紙への耐水性付与であり、これによって、本発明に係る電磁波抑制紙には耐水性という効果が表れる。
前記原紙への難燃剤の含浸は、オンマシンサイズプレス装置又は含浸コーターで行われるが、これらに限定されるものではない。
原紙へのグアニジン系難燃剤とサイズ剤の合計の含浸率は、原紙100質量部に対し10質量部以上の含浸を行うこととなる、10%以上とすることが好ましい。本発明に係る電磁波抑制紙では、グアニジン系難燃剤の含浸量を多くすることで、難燃化効果を高め、UL規格においてUL94V‐0及び/又はUL94VTM‐0とする。含浸率が10%未満であると難燃化効果が不十分となりやすい。なお、含浸率が30%を超えると使用量に見合う以上の難燃化効果が期待できず、経済的に不利である。より好ましくは、15〜25%である。難燃剤とサイズ剤の合計の含浸率は、数1によって求める。
(数1)難燃剤とサイズ剤の合計の含浸率(%)=(原紙1m当たりの含浸量(固形分換算)/含浸前原紙の坪量)×100
ここでサイズ剤の添加量は、電磁波抑制紙において、難燃剤100質量部に対し0.1質量部以上であることが好ましい。より好ましくは、0.15質量部〜0.50質量部である。サイズ剤が0.50質量部を超えると、サイズ度が頭打ちでコストアップになり、また0.1質量部未満で少なすぎるとサイズ度が低下し、サイズ性の効果が十分に発揮されない場合がある。本実施形態に係る電磁波抑制紙は、原紙に難燃剤と共にサイズ剤を含浸させることによって、電磁波抑制紙においてJIS P 8122:2004「紙及び板紙‐サイズ度試験方法‐ステキヒト法」によるステキヒトサイズ度が3秒以上とする。ステキヒトサイズ度が3秒未満であると、電磁波抑制紙のサイズ性が劣る。
難燃剤含浸後の乾燥方式は、特に限定されるものではなく、次に示す乾燥方式、すなわち、熱風乾燥、赤外乾燥、常温乾燥などが挙げられるが、その乾燥効率から赤外乾燥、熱風乾燥が好ましい。乾燥温度は80〜150℃とすることが好ましい。
また、平滑性向上、印刷品質向上などのため、前述の手法で得られた原紙を、表面処理することもできる。表面処理方法としては、スーパーカレンダー、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダーなど、公知の表面処理装置を用いることができる。
(オーバーコート層の形成)
本実施形態では、防湿性改善の目的で、原紙上にオーバーコート層を設けることが好ましい。本実施形態で原紙上塗布されるオーバーコート層用の塗布組成物に含ませる樹脂は、特に限定されるものではなく、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリイミド樹脂、熱可塑ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、シアリルフタレート樹脂、フラン樹脂などが挙げられる。より好ましくは、耐熱性及び難燃性を有しているものが好ましい。また、オーバーコート層に添加する難燃剤としては、ノンハロゲン系難燃剤が使用される。ノンハロゲン系難燃剤としては、無機系化合物或いはリン及び/又は窒素含有の有機系化合物として一般に市販されているものであり、無機化合物としては例えば水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、三酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、亜リン酸アルミ二ウムなどの金属酸化物、ホウ酸、ホウ酸亜鉛などのホウ素系化合物などの無機化合物であり、また有機系化合物としてはポリリン酸、ポリリン酸アンモニウム、アミノ基変性リン酸エステル、水酸基含有リン酸エステルなどのリン系化合物、メラミン若しくはメラミンシアヌレート化合物、メラミンリン酸塩、メラミンボレートなどのメラミン系誘導体、グアニジン若しくはスルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジンなどのグアニジン系誘導体などのリン及び/又は窒素含有の有機系化合物が挙げられるが、これら例示化合物に限定されるものではない。これらのノンハロゲン系難燃性化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いられる。
本実施形態では、前記のような塗布組成物のオーバーコート用樹脂を原紙上へ塗布するには、公知のコーター、例えばパイプコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、ダイコーター、グラビアコーター、チャンプレックスコーター、スプレーコーターなどから選ばれたコーターを用いて、一層又は多層に分けて塗布される。なお、オーバーコート用樹脂は、電磁波抑制紙の少なくとも片面に設けられる。また、オーバーコート用樹脂を原紙上へ塗布は、原紙への難燃剤及びサイズ剤の含浸した後の原紙に対して行うことが好ましい。
オーバーコート層の厚さは、特に制限されないが、通常1〜20μm程度であり、好ましくは3〜10μmである。1μm未満であると防湿性の改善効果がなく、20μmを超えるとコスト的に好ましくない。
オーバーコート層用の塗布組成物の塗布後の乾燥方式は、特に限定されるものではなく、次の乾燥方式、すなわち、熱風乾燥、赤外線乾燥、常温乾燥などが挙げられるが、その乾燥効率から赤外線乾燥、熱風乾燥が好ましい。乾燥温度は80〜150℃とすることが好ましい。
(粘着シートの形成)
粘着シートは、家庭用、商業用、工業用など非常に広範囲に使用される。本発明の具体的な利用方法としては、各種電気機器への電磁波抑制ラベルなどである。粘着シートの構成は、支持体と剥離紙との間に粘着剤層を設けたものであり、支持体には本発明の炭素繊維を抄き込んだ含浸用原紙に難燃剤とサイズ剤を含浸させた本発明の電磁波抑制紙の一つを使用する。
一方、粘着剤層の表面には剥離紙が貼付されていることが好ましく、上質紙などの非塗工紙、一般コート紙、アート紙などの塗工紙、グラシン紙、ポリエチレン若しくはポリエチレンテレフタレートなどを用いたフィルム又はフィルムラミネート紙を用いる。目的に応じて、剥離剤としてシリコーン樹脂及び/又はフッ素樹脂を、乾燥重量で0.1〜3g/m程度塗布、乾燥したものが使用できる。
粘着剤層に用いる粘着剤ポリマーとしては、天然ゴム系、合成ゴム系、ポリウレタン系、アクリル系ポリマー、酢酸ビニル系ポリマー、酢酸ビニル‐アクリル酸エステルコポリマー、酢酸ビニル‐エチレンコポリマーなどの各種粘着剤を目的に応じて使用する。また粘着剤層には、ノンハロゲン系難燃剤を適宜添加してもよい。
前述のように形成した本実施形態に係る電磁波抑制紙は、粘着剤層を設けた場合を含めて、全体の厚さが0.3mm以下とすることが好ましい。全体が0.3mm以下の厚さの電磁波抑制紙とすることで、電子機器などの電磁波を発生する機器の部品間のクリアランスに差し込むことが可能となり、かつ、軽量となる。より好ましくは、0.1mm〜0.2mmである。また、本実施形態に係る電磁波抑制紙の電磁波抑制効果は、近傍界用電波吸収材料測定法であるS−パラメーター法(S−21)を用いて測定した、周波数2.4543GHzでの電波吸収率[dB]及び回路への影響度[dB]がいずれも−6dB以下であることが好ましい。電波吸収率[dB]及び回路への影響度[dB]が−6dBを超えると、電磁波抑制率が75%未満となるので効果が薄い。
次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り「質量部」及び「質量%」を示す。
(実施例1)
<原紙の作製>
原料は、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)50部と、LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)42部と、炭素繊維8部(商品名トレカT010、繊維長3mm品、東レ社製)とからなるカナダ標準濾水度(以下、「CSF」と略す。)400〜420mlのパルプスラリーに、紙力増強剤(カチオン化澱粉、ネオタック40T、日本食品化工社製)を対パルプ1%、硫酸バンド(テクノ北越社製)を対パルプ2%添加し、坪量75.5g/mの原紙を抄造し、含浸用原紙を得た。この含浸用原紙は、厚さが0.104mm、密度が0.73g/cm、ステキヒトサイズ度が1秒であった。
<電磁波抑制紙の作製>
前記含浸用原紙を用いて、水で27%濃度に希釈したリン酸グアニジン誘導体のノンハロゲン系難燃剤(ビゴールNo415、47%濃度品、大京化学社製)にAKD系サイズ剤(SE2360、20%濃度品、星光PMC社製)を対液0.25%(荷姿)添加した含浸液を、含浸コーターにて難燃剤とサイズ剤の含浸率が19.2%になるように含浸後、エアドライヤーで熱風乾燥し、実施例1の電磁波抑制紙を得た。なお、AKD系サイズ剤は難燃剤100質量部に対して0.185質量部添加されていた。また、電磁波抑制紙のステキヒトサイズ度は、34秒であった。
[電磁波抑制紙の物性評価]
このようにして得られた電磁波抑制紙において、坪量、厚さ、水の浸透性、難燃性、電磁波抑制性、耐熱性、発錆性を含めた物性の評価を、23℃、50%RHで調湿後、次の方法に準拠して行い、評価結果を表1に示した。
[坪量]
JIS P 8124:1998「紙及び板紙−坪量測定方法」。
[厚さ]
JIS P 8118:1998「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」。原紙と電磁波抑制紙の厚さの差を塗被層の厚さとした。
[水の浸透性]
原紙の表面に水を垂らして浸透具合を目視で評価した。
<評価基準>
×:水の浸透有り、電磁波抑制紙として実用できない。
△:水の浸透少し有り、電磁波抑制紙として実用上の問題がある。
○:水の浸透なく、電磁波抑制紙として実用上の問題がない。
[電磁波抑制性]
近傍界用電波吸収材料測定装置であるネットワークアナライザー(アンリツ37シリーズ)を用いて、S−パラメーター法にて周波数2.4543GHzでの電波吸収率[dB]及び回路への影響度[dB]を測定した。電波吸収率[dB]、回路への影響度[dB]とも−6dB以下なら電磁波抑制紙として使えるレベルと判断される。また、−10dBなら電波吸収率[dB]は良好であり、回路への影響度[dB]もないと判断される(90%の電磁波抑制率)。さらに、−20dBであれば99%、−30dBであれば99.9%の電磁波抑制率となる。
<評価基準>
×:電波吸収率[dB]及び回路への影響度[dB]の少なくとも一方が−6dBより大きく、電磁波抑制紙として不可。
△:電波吸収率[dB]及び回路への影響度[dB]の両方が−6dB〜−10dBであり或いは一方が−6dB〜−10dBで他方が−10dB未満であり、電磁波抑制紙として使えるレベルである。
○:電磁波吸収率[dB]及び回路への影響度[dB]とも−10dB未満であり、電磁波抑制紙として極めて良好なレベルである。
[耐熱性]
乾燥機中で85℃、1000時間加熱処理後の周波数2.4543GHzでの電波吸収率[dB]及び回路への影響度[dB]を前記の測定法にて同一の基準で評価した。
[難燃性]
安全規格UL(Underwriters Laboratories Inc.)94「Tests for Flammability of Plastic Materials for Parts in Devices and Appliances,fifth edition,(Edition Date October 29,1996)」垂直燃焼試験(V−0〜V−2)、薄手材料垂直燃焼試験(VTM−0〜VTM−2)によって評価した。
[発錆性]
試料と鉄板を圧締用リングで接触固定し、40℃、90%RH恒温恒湿槽中で3日間放置後の錆の発生具合を評価した。
<評価基準>
×:錆発生有り、電磁波抑制紙として実用できない。
○: 錆発生無く、電磁波抑制紙として実用上の問題がない。
[ステキヒトサイズ度]
JIS P 8122:2004「紙及び板紙‐サイズ度試験方法‐ステキヒト法」。
(実施例2)
実施例1において、水で27%濃度に希釈したリン酸グアニジン誘導体のノンハロゲン系難燃剤(ビゴールNo415、47%濃度品、大京化学社製)にAKD系サイズ剤(SE2360、20%濃度品、星光PMC社製)を対液0.5%(荷姿)添加した以外は、実施例1と同様にして実施例2の電磁波抑制紙を得た。難燃剤とサイズ剤の含浸率は19.2%であり、サイズ剤は難燃剤100部に対して0.37部添加されていた。また、電磁波抑制紙のステキヒトサイズ度は、50秒であった。
(実施例3)
実施例1において、難燃剤とサイズ剤の含浸率が26.4%になるように含浸した以外は、実施例1と同様にして実施例3の電磁波抑制紙を得た。なお、サイズ剤は難燃剤100部に対して0.185部添加されていた。また、電磁波抑制紙のステキヒトサイズ度は、36秒であった。
(実施例4)
実施例1において、原料をNBKP50部、LBKP45部、炭素繊維5部とした以外は、実施例1と同様にして実施例4の電磁波抑制紙を得た。原紙の坪量は、95.3g/mであり、厚さが0.105mm、密度が0.91g/cm、ステキヒトサイズ度が1秒であった。また、難燃剤とサイズ剤の含浸率は19.2%であった。なお、サイズ剤は難燃剤100部に対して0.185部添加されていた。また、電磁波抑制紙のステキヒトサイズ度は、31秒であった。
(実施例5)
実施例1において、両面ポリラミ紙(坪量85g/m)を剥離基材として、その片面に溶剤シリコーン剥離剤(商品名:KS−776、信越シリコーン社製)を1g/m塗布、乾燥し、シリコーン剥離層を形成する。さらに、該シリコーン剥離層の上にアクリル系粘着剤(商品名:BPS5303−20J1/BHS8515=100/1.5、東洋インキ社製)を20g/m塗布、乾燥し、粘着剤層を形成した。該粘着剤層を電磁波抑制紙の片面に貼り合わせて粘着シートを製造した以外は、実施例1と同様にして実施例5の電磁波抑制紙を得た。また、電磁波抑制紙のステキヒトサイズ度は、35秒であった。
(実施例6)
実施例1において、オーバーコート層となるスチレンアクリル系樹脂(商品名:ジョンクリルJ−450、ジョンソンポリマー社製、Tg=16℃)を5g/m塗布した以外は、実施例1と同様にして実施例6の電磁波抑制紙を得た。また、電磁波抑制紙のステキヒトサイズ度は、150秒であった。
(実施例7)
実施例1において、AKD系サイズ剤を対液0.10%(荷姿)添加した以外は、実施例1と同様にして実施例7の電磁波抑制紙を得た。難燃剤とサイズ剤の含浸率は19.2%であった。なお、サイズ剤は難燃剤100部に対して0.741部添加されていた。また、電磁波抑制紙のステキヒトサイズ度は、47秒であった。
(比較例1)
実施例1において、難燃剤及びサイズ剤を共に含浸させなかった以外は、実施例1と同様にして比較例1の電磁波抑制紙を得た。また、電磁波抑制紙のステキヒトサイズ度は、0秒であった。
(比較例2)
実施例1において、AKD系サイズ剤を対液0.1%(荷姿)添加した以外は、実施例1と同様にして比較例2の電磁波抑制紙を得た。難燃剤とサイズ剤の含浸率は19.2%であった。なお、サイズ剤は難燃剤100部に対して0.074部添加されていた。また、電磁波抑制紙のステキヒトサイズ度は、0秒であった。
(比較例3)
実施例1において、AKD系サイズ剤を対液0.125%(荷姿)添加した以外は、実施例1と同様にして比較例3の電磁波抑制紙を得た。難燃剤とサイズ剤の含浸率は19.2%であった。なお、サイズ剤は難燃剤100部に対して0.093部添加されていた。また、電磁波抑制紙のステキヒトサイズ度は、2秒であった。
(比較例4)
実施例1において、難燃剤とサイズ剤の含浸率が8%になるように含浸した以外は、実施例1と同様にして比較例4の電磁波抑制紙を得た。なお、サイズ剤は難燃剤100部に対して0.185部添加されていた。また、電磁波抑制紙のステキヒトサイズ度は、30秒であった。
(比較例5)
実施例1において、水で27%濃度に希釈した無機及び有機リン系窒素化合物の難燃剤(ピロガードF−400N、50%濃度品、第一工業製薬社製)を使用した以外は、実施例1と同様にして比較例5の電磁波抑制紙を得た。難燃剤とサイズ剤の含浸率は19.2%であった。なお、サイズ剤は難燃剤100部に対して0.185部添加されていた。また、電磁波抑制紙のステキヒトサイズ度は、37秒であった。
(比較例6)
実施例1において、原料をNBKP50部、LBKP50部とし、炭素繊維を含有させなかった以外は、実施例1と同様にして比較例6の電磁波抑制紙を得た。含浸用原紙は、厚さが0.106mm、密度が0.71g/cm、ステキヒトサイズ度が1秒であった。また、難燃剤とサイズ剤の含浸率は19.2%であった。なお、サイズ剤は難燃剤100部に対して0.185部添加されていた。また、電磁波抑制紙のステキヒトサイズ度は、36秒であった。
(比較例7)
実施例1において、原料をNBKP50部、LBKP47部、炭素繊維3部とした以外は、実施例1と同様にして比較例7の電磁波抑制紙を得た。含浸用原紙は、厚さが0.109mm、密度が0.69g/cm、ステキヒトサイズ度が1秒であった。また、難燃剤とサイズ剤の含浸率は19.2%であった。なお、サイズ剤は難燃剤100部に対して0.185部添加されていた。また、電磁波抑制紙のステキヒトサイズ度は、35秒であった。
(比較例8)
実施例1において、AKD系サイズ剤を対液0.05%(荷姿)添加した以外は、実施例1と同様にして比較例8の電磁波抑制紙を得た。難燃剤とサイズ剤の含浸率は19.2%であった。なお、サイズ剤は難燃剤100部に対して0.037部添加されていた。また、電磁波抑制紙のステキヒトサイズ度は、0秒であった。

Figure 2009194341
実施例1〜7はいずれも、水の浸透性がなく、難燃性、電磁波抑制性及び耐熱性が優れ、錆の発生がなかった。
比較例1は、難燃剤及びサイズ剤を含浸させなかったので、水が浸透し、また、難燃性が得られなかった。比較例2、比較例3及び比較例8は、サイズ剤の含浸量が少なく、電磁波抑制紙のステキヒドサイズ度が3秒未満であり、水の浸透性の評価が不良であった。比較例4は、難燃剤の含浸量が少なく、難燃性が得られなかった。比較例5は、難燃剤としてグアニジン系難燃剤を使用しなかったので、錆が発生した。比較例6は、炭素繊維を含有させなかったので、電磁波抑制効果が得られなかった。比較例7は炭素繊維の含有量が不足し、電磁波抑制効果が不十分であった。

Claims (7)

  1. 主体繊維として木材パルプと炭素繊維とを含有し、単層又は多層で抄造された原紙に、グアニジン系難燃剤とサイズ剤とが含浸されてなり、
    前記グアニジン系難燃剤の含浸によってUL規格においてUL94V‐0及び/又はUL94VTM‐0とし、前記炭素繊維の含有によって近傍界用電波吸収材料測定装置であるネットワークアナライザーで求めた85℃、1000時間加熱処理前後の周波数2.4543GHzでの電波吸収率[dB]及び回路への影響度[dB]を−6dB以下とし、かつ、JIS P 8122:2004「紙及び板紙‐サイズ度試験方法‐ステキヒト法」によるステキヒトサイズ度が3秒以上であることを特徴とする電磁波抑制紙。
  2. 前記原紙は、JIS P 8122:2004「紙及び板紙‐サイズ度試験方法‐ステキヒト法」によるステキヒトサイズ度が1秒以下であることを特徴とする請求項1に記載の電磁波抑制紙。
  3. 数1で求められる前記原紙への前記難燃剤と前記サイズ剤の合計の含浸率が10%以上であり、かつ、前記サイズ剤の添加量が難燃剤100質量部に対し0.1質量部以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁波抑制紙。
    (数1)難燃剤とサイズ剤の合計の含浸率(%)=(原紙1m当たりの含浸量(固形分換算)/含浸前原紙の坪量)×100
  4. 前記炭素繊維は、繊維長が1〜50mmであり、かつ、木材パルプ100質量部に対して5質量部以上の量が添加されていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の電磁波抑制紙。
  5. 前記電磁波抑制紙の一方の表面又は両面に、オーバーコート層が設けられていることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の電磁波抑制紙。
  6. 前記電磁波抑制紙の一方の表面に粘着剤層を有することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の電磁波抑制紙。
  7. 前記粘着剤層の表面に剥離紙が貼付されていることを特徴とする請求項6に記載の電磁波抑制紙。
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