JP2009193715A - ポリオレフィン製微多孔膜捲回物 - Google Patents

ポリオレフィン製微多孔膜捲回物 Download PDF

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Abstract

【課題】膜をリチウムイオン二次電池のセパレータとして用いた場合に、容量・サイクル特性についてばらつきの少ない性能を示す電池を実現し得るポリオレフィン製微多孔膜捲回物を提供する。
【解決手段】ポリオレフィン製微多孔膜が捲回された捲回物であって、下記式(1)、
P = [1−{M/(V×ρ)}]×100 ・・・(1)
により算出される捲回物の平均空孔率P(%)と、下記式(2)、
p = [1−{m/(v×ρ)}]×100 ・・・(2)
により算出される平膜の平均空孔率p(%)との差の絶対値(%)が3%以下であることを特徴とするポリオレフィン製微多孔膜捲回物。
【選択図】なし

Description

本発明は、電池セパレータに好適に使用されるポリオレフィン製微多孔膜捲回物、特にリチウムイオン二次電池用セパレータとして好適に使用されるポリオレフィン製微多孔膜捲回物に関する。
ポリオレフィン製微多孔膜は、種々の電池用セパレータとして使用されている。ポリオレフィン樹脂が有機溶媒に対する耐性に優れ、また電子絶縁性にも優れることなどから、特にリチウムイオン二次電池において多用されている。
近年、リチウムイオン二次電池の主用途である携帯電話やパソコン、その他携帯機器の多機能化、電池には高容量化、高エネルギー密度化が強く求められている。高容量化の要求に対しては、リチウムイオン二次電池を複数個使用することで対応する場合も多いため、生産性の向上に対する要求も大きい。特許文献1には、ポリオレフィン製微多孔膜生産時の作業性向上を目的として、最大外径と最小外径が特定の範囲に入るポリオレフィン製微多孔膜捲回物が提案されている。
特開2004−99799号公報
ここで、電池使用回数を表すサイクル特性についても特に複数個の電池を使用する場合、一つの電池の特性が落ちることで全体の特性を落としてしまうことから、容量、サイクル特性に対して均質な電池が求められる。電池に用いられるポリオレフィン製微多孔膜については、より均質な製品を作業性良く生産する技術が求められていた。
本発明の課題は、膜をリチウムイオン二次電池のセパレータとして用いた場合に、容量・サイクル特性についてばらつきの少ない性能を示す電池を実現し得るポリオレフィン製微多孔膜捲回物を提供することである。
本発明者らは、電池の容量、サイクル特性の均質性を高める上で、セパレータ捲回物の空孔率の管理が極めて重要であることに着目して鋭意検討した結果、上記課題を解決しうることを見いだし本発明に到った。
すなわち本発明は以下の通りである。
[1]
ポリオレフィン製微多孔膜が捲回された捲回物であって、下記式(1)、
P = [1−{M/(V×ρ)}]×100 ・・・(1)
(上記式(1)中、Mは捲回物の質量(g)、Vは当該捲回物の体積(cm)、ρはポリオレフィンの比重(g/cm)を示す)
により算出される捲回物の平均空孔率P(%)と、下記式(2)、
p = [1−{m/(v×ρ)}]×100 ・・・(2)
(上記式(2)中、mは、前記ポリオレフィン製微多孔膜から取り出された10cm四方の平膜の質量(g)、vは当該平膜の体積(cm)、ρはポリオレフィンの比重(g/cm)を示す)
により算出される平膜の平均空孔率p(%)との差の絶対値(%)が3%以下であることを特徴とするポリオレフィン製微多孔膜捲回物。
[2]
[1]に記載のポリオレフィン製微多孔膜捲回物から巻き出されたポリオレフィン製微多孔膜を用いてなる非水電解液電池セパレータ。
[3]
[1]に記載のポリオレフィン製微多孔膜捲回物の製造方法であって、以下の(A)〜(C)の各工程、
(A)ポリオレフィン製微多孔膜を成膜した後、管に巻き取ることでマザーロールを形成するマザーロール形成工程、
(B)前記マザーロール形成工程の後、前記マザーロールからポリオレフィン製微多孔膜を巻き出し、複数連に裁断する裁断工程、
(C)前記裁断工程の後、個別に張力調整可能な巻取り装置により前記裁断されたポリオレフィン製微多孔膜を巻取る工程であって、前記張力調整は、規定値に合わせて個別に張力を調整することにより実行される、捲回物形成工程、
を含むことを特徴とするポリオレフィン製微多孔膜捲回物の製造方法。
本発明のポリオレフィン製微多孔膜捲回物は、膜をリチウムイオン二次電池のセパレータとして用いた場合に、容量・サイクル特性についてばらつきの少ない性能を示す電池を実現し得る。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施の形態に用いられるポリオレフィン製微多孔膜は、たとえば、以下のようにして作製することができる。
用いられるポリオレフィンとしては、ポリオレフィン単独物及び2種類以上のポリオレフィン混合物を使用することができる。主たる成分のポリオレフィンとして、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどが挙げられる。主たる成分以外のポリオレフィンとして、製膜性を損なうことなくまた本実施の形態の要件を外さない範囲で、各種のポリオレフィンを配合することができる。例えば、孔閉塞特性の向上を目的したα−オレフィンコモノマーの含量が高い低融点ポリエチレンや、耐熱性の向上を目的としたポリプロピレン及びポリ−4−メチル−1−ペンテン等を配合することができる。また、ポリオレフィン以外のポリマー材料や他の有機及び無機材料についても、電池用セパレータとしての性能を損なうことなく、製膜性を損なうことなく、そして本実施の形態の要件を外さない範囲で配合することができる。使用されるポリオレフィン組成物には、必要に応じて、フェノール系やリン系やイオウ系等の酸化防止剤、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、防曇剤、着色顔料等の公知の添加剤を混合して使用できる。
これらのポリオレフィンに対して、その融点以上の温度で、可塑剤と呼ばれる溶媒に溶解し、得られた溶液を結晶化温度以下にまで冷却して高分子ゲルを生成し、該高分子ゲルを用いて成膜を行い(成膜工程)、得られた膜を延伸した(延伸工程)後、可塑剤を除去する(可塑剤除去工程)ことによってポリオレフィン製微多孔膜を作製することができる。
ここでいう可塑剤は、その沸点以下の温度でポリオレフィンと均一な溶液を形成し得る有機化合物を意味し、その具体例として、デカリン、キシレン、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、デシルアルコール、ノニルアルコール、ジフェニルエーテル、n−デカン、n−ドデカン、パラフィン油などが挙げられる。また、可塑剤除去工程から再生した可塑剤を用いることもできる。
高分子ゲル中の可塑剤の割合は特に限定はされないが、好ましくは20%〜90%、より好ましくは50%〜80%である。可塑剤の割合を20%以上とすることは、適当な空孔率を有する微多孔膜を得る観点から好ましい。一方、90%以下とすることは、熱溶液の粘度が低下してシートの連続成形が困難となるようなおそれを低減する観点から好ましい。
以下、ポリオレフィン製微多孔膜の製造方法を製膜工程、延伸工程及び可塑剤除去工程に分けて説明する。
[成膜工程]
成膜方法は特に限定されないが、例えば押出機に混合ポリオレフィン粉末と可塑剤とを供給し、両者を200℃程度の温度で溶融混練した後、通常のハンガーコートダイから冷却ロールの上へキャストすることによって数十μmから数mmの膜厚のシートを連続的に成形することができる。
[延伸工程]
次に得られたシートを少なくとも一軸方向に延伸することによって延伸膜とする。延伸方法は特に限定はされないが、テンター法、ロール法、圧延法等が使用できる。このうち、テンター法による同時2軸延伸が好ましい。延伸温度は常温から高分子ゲルの融点までの温度、好ましくは80〜140℃、さらに好ましくは100〜130℃である。延伸倍率は面積による倍率で4〜400倍であり、好ましくは8〜200倍、さらに好ましくは16〜100倍である。延伸倍率を4倍以上とすることは、セパレータとしての強度を確保する観点から好適である。一方、400倍以下とすることは、良好な延伸性を確保し、また微多孔膜の空孔率を向上させる観点から好適である。
[可塑剤除去工程]
次に、延伸膜から可塑剤を除去することによって微多孔膜を得る。可塑剤の除去方法は特に限定されない。例えば可塑剤としてパラフィン油やジオクチルフタレートを使用する場合は、これらを塩化メチレンやメチルエチルケトン等の有機溶媒で抽出すればよいが、得られた微多孔膜をその融点温度以下の温度で加熱乾燥することによってより十分に除去することもできる。また、例えば可塑剤としてデカリン等の低沸点化合物を使用する場合は、微多孔膜の融点温度以下の温度で加熱乾燥するだけで除去することができる。低コストを実現するため、使用した有機溶剤は回収して再度可塑剤除去に使用してもよい。透過性を改善したり、寸法安定性を高めるため、以上述べた製法によって得られたポリオレフィン微多孔膜に、必要に応じて融点温度以下の温度で熱処理を施すことも好ましい。
本実施の形態におけるポリオレフィン製微多孔膜捲回物は、上述のようにして得られたポリオレフィン製微多孔膜を捲回することにより得ることができる。必要に応じ、その支持体となる管を用いることは差し支えない(従って、管が存在しない状態のポリオレフィン製微多孔膜捲回物も存在し得る)。管の形状としては特に限定されないが、通常は円筒形状である。そして、係る円筒形状の円周面上に捲回することで、ポリオレフィン製微多孔膜捲回物を得ることができる。
ここで、本実施の形態におけるポリオレフィン製微多孔膜捲回物は、多孔膜一枚で評価した空孔率p(%)と、管にポリオレフィン製微多孔膜を捲回した捲回物においてポリオレフィン製微多孔膜の部分について評価された空孔率P(%)との差の絶対値(%)が、3%以下、さらに好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1%以下であることを特徴とするポリオレフィン製微多孔膜捲回物である。3%より大きくなると、電池を作成した際の電池のサイクル特性や容量のばらつきが大きくなってしまう。
なお、上記P(%)、及びp(%)については、下記式(1),(2)にて算出される。
P = [1−{M/(V×ρ)}]×100 ・・・(1)
(上記式(1)中、Mは捲回物の質量(g)、Vは当該捲回物の体積(cm)、ρはポリオレフィンの比重(g/cm)を示す。)
p = [1−{m/(v×ρ)}]×100 ・・・(2)
(上記式(2)中、mは、10cm四方のポリオレフィン製微多孔膜を切り出した場合の平膜の質量(g)、vは当該平膜の体積(cm)、ρはポリオレフィンの比重(g/cm)を示す。)
ここで、上記P値、又はp値としては、好ましくは20%〜60%であり、より好ましくは30%〜50%である。
上記M値としては、好ましくは200g〜2,000gであり、より好ましくは300g〜1,500gである。
上記m値としては、好ましくは0.03g〜0.3gであり、より好ましくは0.05g〜0.2gである。
上記V値としては、好ましくは300cm〜4,000cmであり、より好ましくは500cm〜3,000cmである。
また、上記v値としては、好ましくは0.03cm〜0.4cmであり、より好ましくは0.05cm〜0.3cmである。
更に、上記ρ値としては、好ましくは0.8g/cm〜1.0g/cmであり、より好ましくは0.92g/cm〜0.98g/cmである。当該ρ値の測定方法としては、後述する実施例における測定法に準じて測定することができる。
なお、さらに不良率を低減するために、マザーロール全幅にわたってスリットする際に各スリットロール毎にテンションコントロールが可能なように個別に駆動をかけられるようにすると、一枚で評価した空孔率(%)と多孔膜を含めた管に捲回した捲回物の外径及び質量と管の外径及び質量と捲回物の幅から算出した空孔率(%)との差の絶対値(%)がスリットロール毎の張力が一定に捲回されることからより高い精度で算出できる。また、過度に張力がかかって巻き締まり、ポリオレフィン製微多孔膜を用いて得られる電池のサイクル特性や容量の均質性が損なわれる可能性を低減し得る。なお、算出した空孔率(%)については、ポリオレフィン製微多孔膜上に明記し、製品管理に役立てることができる。
本実施の形態において、良好な捲回性の視点から、ポリオレフィン製微多孔膜を捲回するための管(円筒管)のサイズが外径91.8mm以上であることが好ましい。使用する捲回の管としては、通常は内径により称される。外径91.8mmの紙管であれば通常内径76.2mmであり、紙厚みは5〜15mmの範囲にあり、強度により調整される。使用する捲回の管としては、通常市販されている公差が±0.5mmさらに好ましくは±0.3mmの紙管や、プラスチック管を使用すれば良いが、公差が少ない方が好ましいのはいうまでもない。
また、捲回長としては、好ましくは300m〜3000m、より好ましくは500m〜2000mである。
更に、捲回幅としては、好ましくは10mm〜300mm、好ましくは30mm〜70mmである。
本実施の形態のポリオレフィン製微多孔膜捲回物を用いることで、ポリオレフィン微多孔膜の空孔率について分布の狭い管理が可能となり、容量、サイクル特性のより均質な電池を作るためのポリオレフィン微多孔膜を提供することが出来る。
次に、実施例及び比較例を挙げて本実施の形態をより具体的に説明するが、本実施の形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の物性は以下の方法により測定した。
[ポリオレフィンの比重(g/cm)]
JIS−K7112に準じて測定した。
[平膜の平均空孔率p(%)]
スリットする前の微多孔膜から1点、10cm角の膜を切り出して東洋精機製の微小測厚器(タイプKBM)を用いて室温23℃で膜厚を9点測定し、平均値をt(cm)とし、10cm角のサンプル質量を測定し、その測定値をm(g)、ポリオレフィンの比重をρ(g/cm)として下記の式より平膜の空孔率p(%)を求めた。
p= [1−{m/(10×10×t×ρ)}] ×100
[捲回物の平均空孔率P(%)]
外径d(cm)の円筒管上に、スリットされて捲回された状態の、ポリオレフィン製微多孔膜の外径D(cm)を、特開2006−88255号公報に記載の外径測定装置により測定した。微多孔膜の幅Wp(cm)を用い、下記の式より体積V(cm)を算出した。
V = π{(D/2)2−(d/2)}×Wp
算出したV(cm)と、予め質量を測定した管の質量Mc(g)と、多孔膜を含めた管に捲回した捲回物の質量Mr(g)と、ポリオレフィンの比重ρ(g/cm)とを用い(即ち、多孔膜を含めた管に捲回した捲回物の外径及び質量と、管の外径及び質量と、捲回物の幅の値とを用い)、下記式にて空孔率P(%)を算出した。
P = [1−{(Mr−Mc)/(V×ρ)}}×100
[電極、電解液]
・正極の作製
正極活物質として、リチウムコバルト複合酸化物LiCoO2を100質量部、導電剤としてリン片状グラファイトとアセチレンブラックをそれぞれ2.5質量部、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)3.5質量部を、N−メチルピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調整した。このスラリーを正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の両面にダイコーターで塗布し、130℃で3分間乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形した。この時、正極の活物質塗布量は250g/m、活物質嵩密度は3.00g/cmとなるようにした。これを電池幅に合わせて切断し、帯状にし、正極とした。
・負極の作製
負極活物質として、グラファイト化したメソフェーズピッチカーボンファイバー(MCF)90質量部とリン片状グラファイト10質量部、バインダーとしてカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩1.4質量部とスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス1.8質量部を精製水中に分散させてスラリーを調整した。このスラリーを負極集電体となる厚さ12μmの銅箔の両面にダイコーターで塗布し、120℃で3分間乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形した。このとき、負極の活物質塗布量は106g/m、活物質嵩密度は1.35g/cmとなるようにした。これを電池幅に合わせて切断し、帯状にし、負極とした。
・非水電解液の作製
エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:2(体積比)の混合溶媒に、溶質としてLiPFを濃度1.0mol/リットルとなるように溶解させて調整した。
[電池容量]
評価する微多孔膜セパレーター、帯状正極、及び帯状負極を、帯状負極、評価する微多孔膜セパレーター、帯状正極、評価する微多孔膜セパレーターの順に重ねて、渦巻状に複数回捲回することで電極板積層体を作製した。この電極板積層体を平面状にプレス後、アルミニウム製容器に収納し、アルミニウム製リードを正極集電体から導出して電池蓋に、ニッケル製リードを負極集電体から導出して容器底に溶接し、電池捲回体を作製し、前述した非水電解液を注入し封口し、リチウムイオン電池を作製した。この電池を温度25℃の条件下で、充電電流1Aで充電終止電圧4.2Vまで充電を行い、充電電流1Aで放電終止電圧3Vまで放電を行なった。放電した電気量を電池容量とした。
[電池サイクル性能]
電池を温度25℃の条件下で、充電電流1Aで充電終止電圧4.2Vまで充電を行い、充電電流1Aで放電終止電圧3Vまで放電を行う。これを1サイクルとして充放電を繰り返し、初期電池容量に対する500サイクル後の電池容量の割合(容量保持率)を電池サイクル性能の指標として評価した。
[製造例]
[ポリオレフィン製微多孔膜の作製]
Mv(粘度平均分子量)27万のポリエチレン35質量%、Mv95万のポリエチレン65質量%の混合物を、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドし、ポリオレフィン組成物を得た。ポリオレフィンの比重は0.95であった。得られた組成物30質量%と流動パラフィン70質量%を、二軸押し出し機にて均一な溶融混練を行い、ポリエチレン溶融混練物を得た。溶融混練条件は、設定温度200℃、スクリュー回転数170rpm、吐出量15kg/hrで行った。続いて、溶融混練物を、220℃に保持されたT−ダイ(幅250mm)を用い、溶融混練物をシート状に押し出した。
表面温度60℃に制御された金属ロールで溶融混練物を圧着、冷却することにより、厚み1000μmの厚み安定性に優れたゲルシートを得た。
次に同時二軸延伸機を用いて、延伸温度125℃で7×7倍に延伸し、続いて、メチルエチルケトン槽に導き、メチルエチルケトン中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽出除去し、その後メチルエチルケトンを乾燥除去した。
さらに、テンター延伸機で、横方向に120℃で1.5倍延伸を行い、125℃で熱固定を行い、厚さ18μmの微多孔膜を得た。一枚で評価した空孔率(平膜の平均空孔率p(%))は40.3%であった。
成膜したポリオレフィン製微多孔膜をロールに巻き取った後、巻き戻して個別駆動スリッターで巾60mmにスリットし、ABS製円筒管(内径76.2mm、外径200.0mm)に1000m捲回してポリオレフィン製微多孔膜捲回物を得た。
なお、複数連に裁断したポリオレフィン製微多孔膜を複数本の管にそれぞれ巻き取る際に、個別に張力コントロールできるように、各個別の巻き取り部に張力検出器を設けて巻き取られるポリオレフィン製微多孔膜の張力を検出し、その検出値を規定値に合わせるよう、各駆動源の出力トルクを制御した。得られたポリオレフィン製微多孔膜捲回物について、捲回物の平均空孔率P(%)を測定した。
[実施例1]
平膜の平均空孔率p(%)の値である40.3%と、捲回物の平均空孔率P(%)との差が3%以下(平均空孔率P(%)の値として39.1%)のポリオレフィン製微多孔膜捲回物から、ポリオレフィン製微多孔膜を巻き出し、電池を作成して電池容量の測定を行った。50個の電池容量測定の結果1000mAhを下回る容量の電池はなかった。
また、電池容量を測定した50個の電池について電池容量の高い3個の電池と容量の低い3個の電池について電池サイクル性能の評価を実施した。いずれの電池もサイクル性能(容量保持率)が65%を超えていた。
[比較例1]
平膜の平均空孔率p(%)の値が40.3%で、捲回物の平均空孔率P(%)が36%のポリオレフィン製微多孔膜捲回物から、ポリオレフィン製微多孔膜を巻き出し、電池を作成して電池容量の測定を行った。50個の電池容量測定の結果1000mAhを下回る電池が23個あった。
また、電池容量を測定した50個の電池について電池容量の高い3個の電池と容量の低い3個の電池について電池サイクル性能の評価を実施した。3個の電池についてサイクル性能(容量保持率)が65%を下回っていた。
[比較例2]
平膜の平均空孔率p(%)の値が40.3%で、捲回物の平均空孔率P(%)が47%のポリオレフィン製微多孔膜捲回物から、ポリオレフィン製微多孔膜を巻き出し、電池を作成して電池容量の測定を行った。50個の電池容量測定の結果1000mAhを下回る容量の電池はなかった。
また、電池容量を測定した50個の電池について電池容量の高い3個の電池と容量の低い3個の電池について電池サイクル性能の評価を実施した。1個の電池についてサイクル性能(容量保持率)が65%を下回っていた。

Claims (3)

  1. ポリオレフィン製微多孔膜が捲回された捲回物であって、下記式(1)、
    P = [1−{M/(V×ρ)}]×100 ・・・(1)
    (上記式(1)中、Mは捲回物の質量(g)、Vは当該捲回物の体積(cm)、ρはポリオレフィンの比重(g/cm)を示す)
    により算出される捲回物の平均空孔率P(%)と、下記式(2)、
    p = [1−{m/(v×ρ)}]×100 ・・・(2)
    (上記式(2)中、mは、前記ポリオレフィン製微多孔膜から取り出された10cm四方の平膜の質量(g)、vは当該平膜の体積(cm)、ρはポリオレフィンの比重(g/cm)を示す)
    により算出される平膜の平均空孔率p(%)との差の絶対値(%)が3%以下であることを特徴とするポリオレフィン製微多孔膜捲回物。
  2. 請求項1に記載のポリオレフィン製微多孔膜捲回物から巻き出されたポリオレフィン製微多孔膜を用いてなる非水電解液電池セパレータ。
  3. 請求項1に記載のポリオレフィン製微多孔膜捲回物の製造方法であって、以下の(A)〜(C)の各工程、
    (A)ポリオレフィン製微多孔膜を成膜した後、管に巻き取ることでマザーロールを形成するマザーロール形成工程、
    (B)前記マザーロール形成工程の後、前記マザーロールからポリオレフィン製微多孔膜を巻き出し、複数連に裁断する裁断工程、
    (C)前記裁断工程の後、個別に張力調整可能な巻取り装置により前記裁断されたポリオレフィン製微多孔膜を巻取る工程であって、前記張力調整は、規定値に合わせて個別に張力を調整することにより実行される、捲回物形成工程、
    を含むことを特徴とするポリオレフィン製微多孔膜捲回物の製造方法。
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