JP2009192027A - 回転検出装置付き車輪用軸受装置 - Google Patents

回転検出装置付き車輪用軸受装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 磁気エンコーダの摩耗や膨潤を防止して正確な回転検出が可能な回転検出装置付き車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】 車輪用軸受装置は、固定側部材である外方部材1と回転側部材である内方部材2の転走面3,4間に転動体5を介在させて構成される。内方部材2の外周面には、アキシアル型の磁気エンコーダ21が嵌合して取付けられる。外方部材1には、磁気センサ24を内蔵する円環状のセンサホルダ25が、磁気エンコーダ21よりも軸受外側位置で取付けられ、これにより磁気センサ24が磁気エンコーダ21と所定隙間を介して軸方向に対峙する。センサホルダ25と内方部材2との間の空間は密封装置8で密封される。磁気エンコーダ21として、プラスチック磁気エンコーダが用いられる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、アンチロックブレーキシステムを備えた自動車等に用いられる回転検出装置付き車輪用軸受装置に関する。
近年、経済成長の著しいBRICs諸国向けの自動車部品の輸出が拡大している。そのような自動車部品のうち、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置では、前記アンチロックブレーキシステム(ABS)のタイヤロック検知センサとして、磁気エンコーダと、この磁気エンコーダをターゲットとして車輪の回転を検出する磁気センサとでなる回転検出装置を内蔵させ、前記磁気エンコーダとして磁性ゴム製のものを使用する場合が多い。
上記したBRICs諸国では、未舗装の悪路で自動車が運転される場合も多いので、その自動車の車輪用軸受装置に回転検出装置が内蔵される場合には、その磁気エンコーダとして耐摩耗性の高いものが要求される。このため、従来は、磁性ゴム製の磁気エンコーダの表面を非磁性材料からなる保護カバーで被覆して、摩耗防止を図るなどの対策が講じられていた。
しかし、非磁性材料からなる保護カバーで磁気エンコーダの表面を被覆するのでは、磁気エンコーダの表面と、これに対向して配置される磁気センサとのギャップが大きくなるため、より磁束密度の大きい磁気エンコーダが必要となる。
そこで、このような課題を解決するものとして、前記磁気エンコーダと磁気センサとを軸受内部に設置した回転検出装置付き車輪用軸受装置も提案されている(例えば特許文献1)。
特開2005−300289号公報
しかし、このようにゴム製の磁気エンコーダを軸受内部に設置した場合、潤滑剤であるグリースが磁気エンコーダに接触し、しかも磁気エンコーダは転動体などの軸受発熱部近傍の高温環境下に配置されることになるので、磁気エンコーダが膨潤しやすく、磁気信号が乱れる不具合が生じ、正確な回転検出ができないという問題があった。
この発明の目的は、磁気エンコーダの摩耗や膨潤を防止して正確な回転検出が可能な回転検出装置付き車輪用軸受装置を提供することである。
この発明の回転検出装置付き車輪用軸受装置は、内周に複列の転走面が形成され固定側部材となる外方部材と、前記各転走面に対向する転走面が外周に形成され回転側部材となる内方部材と、これら対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置において、前記内方部材の端部付近の外周面に嵌合して取付けられて軸方向を向く磁気エンコーダと、この磁気エンコーダよりも軸方向における軸受外側に配置されて外周に有する芯金で前記外方部材に嵌合状態に取付けられかつ前記磁気エンコーダに軸方向の隙間を介して対面する磁気センサを内蔵した円環状で樹脂製のセンサホルダと、このセンサホルダと前記内方部材との間の空間を密封する密封装置とを備え、前記磁気エンコーダを、被検出部となる磁石がプラチック磁石であるプラスチック磁気エンコーダとしたことを特徴とする。
この構成によると、内方部材の外周面に嵌合して取付けられるアキシアル型の磁気エンコーダよりも軸受外側位置で、前記磁気エンコーダと回転検出装置を構成する磁気センサを内蔵したセンサホルダが外方部材に取付けられ、そのセンサホルダと内方部材との間の空間を密封装置で密封するようにしているので、外部からの異物などにより磁気エンコーダが摩耗するのを防止できる。
とくに、磁気エンコーダとしてプラスチック磁気エンコーダを用いているので、転動体などの軸受発熱部に近い軸受内部側に磁気エンコーダを配置した構成であっても、その磁石部が潤滑剤であるグリースに接触して膨潤するのを防止できる。その結果、磁気エンコーダの摩耗や膨潤を防止して正確な回転検出が可能である。
この発明において、前記プラスチック磁気エンコーダは、前記プラチック磁石が、円周方向に磁極が並ぶ多極磁石であり、この多極磁石は磁性粉と熱可塑性樹脂とを含み、前記磁性粉含有熱可塑性樹脂の溶融粘度が30Pa・s以上1500Pa・s以下であっても良い。
プラスチック磁石の材料である磁性粉含有熱可塑性樹脂の溶融粘度が30Pa・sよりも小さいと、射出成形時においてバリが多量に発生し、適切に成形することが困難になる。また、熱可塑性樹脂の溶融粘度が1500Pa・sよりも大きいと、熱可塑性樹脂に磁性粉を混練することが困難となる。とくに、磁性粉の割合を高くした場合に、混練不良が顕著となる。そこで、磁性粉含有熱可塑性樹脂の溶融粘度を、30Pa・s以上で、1500Pa・s以下とすることにより、生産性の良好なプラスチック磁気エンコーダを得ることができる。また、プラスチック磁気エンコーダの生産性向上は、回転検出装置付き車輪用軸受装置の生産性向上にもつながる。
この発明において、前記熱可塑性樹脂は、ポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリフェニレンスルフィドの群から選択される1つ以上の化合物を含むものであっても良い。
これらの熱可塑性樹脂は、軸受に潤滑剤として使用されるグリースに高温浸漬された時でも非常に膨潤量が小さい(10%以下)ので、吸水性に乏しく、低温下での結露、塩水や泥水、雨水など、水分が多い環境下においても劣化に強く、車輪用軸受装置に組み込まれるプラスチック磁気エンコーダの材料として特に有効である。
この発明において、前記磁性粉がフェライト系磁性粉であっても良い。フェライト系磁性粉は酸化しにくいため、プラスチップ磁気エンコーダの防食性を向上させることができる。
この発明において、前記磁性粉が異方性フェライト系磁性粉であっても良い。
この発明において、前記プラスチック磁気エンコーダの前記プラチック磁石が射出成形品であっても良い。
前記プラチック磁石が射出成形品である場合、射出成形において磁場成形したものであっても良い。このように磁場成形することにより、より磁束密度の大きなプラスチック磁気エンコーダを得ることができる。
この発明において、前記プラスチック磁気エンコーダは、前記内方部材の外周面に圧入して固定される円筒部およびこの円筒部の一端部から立ち上がる立板部からなる断面L字状で円環状のプラスチック磁石の単体であっても良い。このようにスリンガを持たないプラスチック多極磁石の単体でプラスチック磁気エンコーダを構成すると、プラスチック磁気エンコーダの低コスト化が可能になる。また、このプラスチック磁石は、円筒部で内方部材に嵌合するため、堅固な取付が行える。
また、この発明において、前記プラスチック磁気エンコーダは、前記内方部材の外周面に圧入して固定される円筒部およびこの円筒部の一端部から立ち上がる立板部からなる断面L字状の円環状のスリンガと、このスリンガの前記立板部に一体成形されたプラスチック磁石とでなるものであっても良い。
この発明において、前記プラスチック磁気エンコーダは、前記スリンガを配置した金型内に磁性粉含有熱可塑性樹脂を射出して前記プラスチック磁石を一体成形したインサート成形品であっても良い。
この発明において、前記スリンガが磁性材料からなるものであっても良い。スリンガの材料として磁性材料を用いることにより、非磁性材料を用いた場合に比べて、プラスチック磁気エンコーダの磁力を強くすることができる。
この発明の回転検出装置付き車輪用軸受装置は、内周に複列の転走面が形成され固定側部材となる外方部材と、前記各転走面に対向する転走面が外周に形成され回転側部材となる内方部材と、これら対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置において、前記内方部材の端部付近の外周面に嵌合して取付けられて軸方向を向く磁気エンコーダと、この磁気エンコーダよりも軸方向における軸受外側に配置されて外周に有する芯金で前記外方部材に嵌合状態に取付けられかつ前記磁気エンコーダに軸方向の隙間を介して対面する磁気センサを内蔵した円環状で樹脂製のセンサホルダと、このセンサホルダと前記内方部材との間の空間を密封する密封装置とを備え、前記磁気エンコーダを、被検出部となる磁石がプラチック磁石であるプラスチック磁気エンコーダとしたため、磁気エンコーダの摩耗や膨潤を防止して正確な回転検出が可能となる。
この発明の一実施形態を図1ないし図3と共に説明する。この実施形態の回転検出装置付き車輪用軸受装置は、第3世代型に分類される複列のアンギュラ玉軸受型であり、内輪回転タイプでかつ駆動輪支持用のものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
この回転検出装置付き車輪用軸受装置における車輪用軸受装置は、図1に断面図で示すように、内周に複列の転走面3を形成した外方部材1と、これら各転走面3に対向する転走面4を外周に形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面3,4間に介在した複列の転動体5とで構成される。転動体5はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記転走面3,4は断面円弧状であり、各転走面3,4は接触角が背面合わせとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間のアウトボード側端は密封装置7によって密封されている。
外方部材1は固定側部材となるものであって、車体の懸架装置(図示せず)におけるナックル60に取付ける車体取付用のフランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている。フランジ1aには、周方向の複数箇所に車体取付用のボルト孔14が設けられ、インボード側からナックル60のボルト挿通孔60aに挿通したナックルボルト61を前記フランジ1aのボルト孔14に螺合することにより、フランジ1aがナックル60にボルト止めされる。
内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内輪嵌合面12に内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心には貫通孔11が設けられている。この貫通孔11に、等速ジョイント62の外輪63のステム部63aを挿通し、ステム部63aの基端周辺の段面と先端に螺合するナット64との間で内方部材2を挟み込むことで、車輪用軸受装置と等速ジョイント62とを連結している。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト15の圧入孔16が設けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、ブレーキロータとホイール(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。このパイロット部13の案内により、前記ハブフランジ9aにブレーキロータとホイールとを重ね、ハブボルト15で固定する。
図2は、図1におけるA部の拡大断面図である。内方部材2の外周面のインボード側端には、プラスチック磁気エンコーダ21が嵌合して取付けられる。外方部材1のインボード側端には、前記プラスチック磁気エンコーダ21の磁束を検出する磁気センサ24を内蔵した円環状のセンサホルダ25が、磁気エンコーダ21よりも軸方向における軸受外側位置に取付けられる。前記プラスチック磁気エンコーダ21と磁気センサ24とで、プラスチック磁気エンコーダ21と一体の内方部材2の回転、つまり車輪の回転を検出する回転検出装置20が構成される。
プラスチック磁気エンコーダ21はアキシアル型のものであって、内方部材2の外周面(ここでは内輪10の外周面)に圧入して固定される円筒部22aおよびこの円筒部22aの軸受内側の端部から外径側に立ち上がる立板部22bからなる断面L字状の金属リングであるスリンガ22と、このスリンガ22の前記立板部22bの外向きの面つまり前記センサホルダ25側を向く片面に一体成形されたプラスチック多極磁石23とでなる。プラスチック多極磁石23の外径側の端部は、スリンガ22の立板部22bを抱持するように成形されて、スリンガ22に一体保持される。スリンガ22は磁性体の鋼板からなる。このように、スリンガ22の材料として磁性材料を用いることにより、非磁性材料を用いた場合に比べて、プラスチック磁気エンコーダ21の磁力を強くすることができる。
センサホルダ25は、その磁気センサ24が、前記プラスチック磁気エンコーダ21のプラスチック多極磁石23の外向き面に対し所定隙間を介して軸方向に対峙するように、外方部材1に取付けられる。
プラスチッック多極磁石23は、図3に示すように、円周方向に交互に磁極N,Sが並ぶように多極に磁化された環状の部材であり、磁性粉と、バインダとしての熱可塑性樹脂とを含み、前記スリンガ22における立板部22bの外向き面に射出成形により一体成形される。前記磁極N,Sは、前記射出成形において磁場成形される。磁極N,Sは、ピッチ円直径PCDにおいて、所定のピッチpとなるように形成されている。
プラスチック多極磁石23の材料である磁性粉含有熱可塑性樹脂は、溶融粘度が30Pa・sよりも小さいと、射出成形時においてバリが多量に発生し、適切に成形することが困難になる。また、熱可塑性樹脂の溶融粘度が1500Pa・sよりも大きいと、熱可塑性樹脂に磁性粉を混練することが困難となる。とくに、磁性粉の割合を高くした場合に、混練不良が顕著となる。そこで、この実施形態では、前記磁性粉含有熱可塑性樹脂の溶融粘度を、30Pa・s以上で、1500Pa・s以下としている。これにより、生産性の良好なプラスチック磁気エンコーダ21を得ることができる。また、回転検出装置付き車輪用軸受装置の生産性向上にもつながる。
なお、この場合の熱可塑性樹脂の溶融粘度は、キャピログラフ(東洋精機(株)製)で、径1mmφ,ランド長10mmのキャピラリーを用いて、剪断速度100(l/s)、熱可塑性樹脂の融点+50℃の温度で測定した結果を示す。
また、この場合の熱可塑性樹脂としては、軸受に潤滑剤として使用されるグリースに高温浸漬された時でも非常に膨潤量の小さい(10%以下)ポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド11、ポニフェニレンスルフィドの群から選択される1つ以上の化合物を含むものとするのが好ましい。これらの熱可塑性樹脂は、吸水性が乏しいため、低温下での結露、塩水や泥水、雨水など、水分が多い環境下においても劣化に強く、車輪用軸受装置に組み込まれるプラスチック磁気エンコーダ21の材料として特に有効である。
プラスチック多極磁石23の材料である磁性粉としては、バリウム系やストロンチウム系のフェライト粉が用いられる。フェライト系磁性粉の場合、等方性のフェライト系磁性粉であっても異方性のフェライト系磁性粉であってもよい。このようなフェライト系磁性粉は酸化しにくいため、プラスチック磁気エンコーダ21の防食性を向上させることができる。また、フェライト系磁性粉のみでは磁力が不足する場合、サマリウム鉄系磁性粉やネオジウム鉄系磁性粉などの希土類系磁性粉をフェライト系磁性粉に混合して使用しても良い。
プラスチック磁気エンコーダ21は、以下の工程で製造される。まず、2軸押出機や混練機などを用いて、磁性粉と溶融した熱可塑性樹脂とを混練し、磁性粉を熱可塑性樹脂に適当に分散させる。その後、前記スリンガ22を配置した金型内に磁性粉含有熱可塑性樹脂を射出して、プラスチック多極磁石23をスリンガ22と一体に成形し、所望のプラスチック磁気エンコーダ21を得る。このようにして得られたプラスチック磁気エンコーダ21のインサート成形品を、着磁ヨークを用いて多極に着磁することで、前記プラスチック多極磁石23の磁極を形成する。なお、前記射出成形時には、磁気エンコーダ着磁面に対し80000Oe以上の垂直磁場を印加しながら磁場成形して、含有する磁性粉を磁場配向させるのが好ましい。このように磁場成形することにより、より磁束密度の大きなプラスチック磁気エンコーダ21を得ることができる。
円環状のセンサホルダ25は、環状の芯金26と、磁気センサ24を内蔵し前記芯金26に結合された樹脂製のセンサ保持体27とでなる。芯金26は、外方部材1の外周面に圧入して取付けられる外径円筒部26aと、この外径円筒部26aのインボード側端から内径側に延びる鍔部26bと、この鍔部26bの内径側端から軸方向に延びる内径円筒部26cとでなる。この芯金26は、耐食性を有するステンレス鋼板などをプレス加工して形成される。芯金26における内径円筒部26cの周方向複数箇所には穿孔28が形成され、この内径円筒部26cから鍔部26bにわたる部位に樹脂製のセンサ保持体27が一体モールド成形されている。前記芯金26の外径円筒部26aを外方部材1の外周面に圧入し、その鍔部26bを外方部材1のインボード側端面に密着させた状態で、センサホルダ25が外方部材1のインボード側端に圧入固定される。
センサホルダ25の内周と内方部材2の外周との間の空間は密封装置8によって密封される。この密封装置8は、内方部材2の外周面およびセンサホルダ25の内周面にそれぞれ装着された環状の第1および第2のシール板31,32を有する。
第1のシール板31は、内方部材2の外周面に圧入して取付けられる円筒部31aと、この円筒部31aのインボード側端から外径側に延びる立板部31bとでなる断面L字状に形成されている。この第1のシール板31は、オーステナイト系ステンレス鋼板、あるいは防錆処理された冷間圧延鋼板をプレス加工して形成される。
第2のシール板32は、センサホルダ25の内周面におけるインボード側に圧入して取付けられる円筒部32aと、この円筒部32aのアウトボード側端から内径側に延びる立板部32bとでなる断面逆L字状に形成される。この第2のシール板32は、その立板部32bが第1のシール板31の立板部31bよりもアウトボード側に位置して、第1のシール板31の立板部31bと軸方向に対面するように配置される。第2のシール板32には、サイドリップ33a、グリースリップ33b、および中間リップ33cを有するシール部材33が加硫接着されている。このシール部材33はゴム等の弾性部材からなる。前記サイドリップ33aは第1のシール板31の立板部31bに摺接し、グリースリップ33bおよび中間リップ33cは第1のシール板31の円筒部31aに摺接する。第1のシール板31の立板部31bの先端は、第2のシール板32の円筒部32aと僅かな径方向隙間を介して対向し、ラビリンスシールを構成する。この密封装置8により、外方部材1と内方部材2の間の軸受空間におけるインボード側端が密封される。
上記構成の回転検出装置付き車輪用軸受装置によると、車輪の回転に伴って内方部材2と一体のプラスチック磁気エンコーダ21が回転する。このとき、このプラスチック磁気エンコーダ21の多極磁石23と所定隙間を介して軸方向に対峙する磁気センサ24が、多極磁石23の磁極N,Sの磁力の変化を読み取る。これにより、プラスチック磁気エンコーダ21と磁気センサ24とで構成される回転検出装置20は、車輪の回転を検出できる。
また、この回転検出装置付き車輪用軸受装置では、内方部材2の外周面に嵌合して取付けられるアキシアル型のプラスチック磁気エンコーダ21よりも軸受外側位置で、前記プラスチック磁気エンコーダ21と回転検出装置20を構成する磁気センサ24を内蔵したセンサホルダ25が外方部材1に取付けられ、そのセンサホルダ25と内方部材2との間の空間を密封する密封装置8が設けられているので、外部からの異物などによりプラスチック磁気エンコーダ21が摩耗するのを防止できる。
とくに、磁気エンコーダとしてプラスチック磁気エンコーダ21を用いているので、転動体5などの軸受発熱部に近い軸受内部側にプラスチック磁気エンコーダ21を配置した構成であっても、その磁石部であるプラスチック多極磁石22が、潤滑剤であるグリースと接触して膨潤するのを防止でき、正確な回転検出が可能となる。
図4は、この発明の他の実施形態を示す。この実施形態は、図1〜図3の実施形態の回転検出装置付き車輪用軸受装置において、スリンガ22とプラスチック多極磁石23の複合体からなるプラスチック磁気エンコーダ21を、プラスチック多極磁石23の単体からなるプラスチック磁気エンコーダ21Aに置き換えたものである。
プラスチック多極磁石23は、内方部材2の外周面(ここでは内輪10の外周面)に圧入して固定される円筒部23a,およびこの円筒部23aの、軸方向における軸受内側の端部から外径側に立ち上がる立板部23bからなる断面L字状で円環状とされる。
このようにスリンガを持たないプラスチック多極磁石23の単体でプラスチック磁気エンコーダ21Aを構成すると、プラスチック磁気エンコーダ21Aの低コスト化が可能になる。また、このプラスチック磁気エンコーダ21Aは、プラスチック多極磁石23の円筒部23aで内方部材2に嵌合するため、堅固な取付が行なえる。
この発明の一実施形態にかかる回転検出装置付き車輪用軸受装置の断面図である。 図1におけるA部の拡大断面図である。 プラスチック磁気エンコーダを正面から見た磁極の説明図である。 この発明の他の実施形態にかかる回転検出装置付き車輪用軸受装置の部分拡大断面図である。
符号の説明
1…外方部材
2…内方部材
3,4…転走面
5…転動体
8…密封装置
20…回転検出装置
21,21A…プラスチック磁気エンコーダ
22…スリンガ
22a…円筒部
22b…立板部
23…プラスチップ多極磁石
24…磁気センサ
25…センサホルダ

Claims (11)

  1. 内周に複列の転走面が形成され固定側部材となる外方部材と、前記各転走面に対向する転走面が外周に形成され回転側部材となる内方部材と、これら対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置において、
    前記内方部材の端部付近の外周面に嵌合して取付けられて軸方向を向く磁気エンコーダと、この磁気エンコーダよりも軸方向における軸受外側に配置されて外周に有する芯金で前記外方部材に嵌合状態に取付けられかつ前記磁気エンコーダに軸方向の隙間を介して対面する磁気センサを内蔵した円環状で樹脂製のセンサホルダと、このセンサホルダと前記内方部材との間の空間を密封する密封装置とを備え、前記磁気エンコーダを、被検出部となる磁石がプラチック磁石であるプラスチック磁気エンコーダとしたことを特徴とする回転検出装置付き車輪用軸受装置。
  2. 請求項1において、前記プラスチック磁気エンコーダは、前記プラチック磁石が、円周方向に磁極が並ぶ多極磁石であり、この多極磁石は磁性粉と熱可塑性樹脂とを含み、前記磁性粉含有熱可塑性樹脂の溶融粘度が30Pa・s以上1500Pa・s以下である回転検出装置付き車輪用軸受装置。
  3. 請求項2において、前記熱可塑性樹脂は、ポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリフェニレンスルフィドの群から選択される1つ以上の化合物を含む回転検出装置付き車輪用軸受装置。
  4. 請求項2または請求項3において、前記磁性粉がフェライト系磁性粉である回転検出装置付き車輪用軸受装置。
  5. 請求項4において、前記磁性粉が異方性フェライト系磁性粉である回転検出装置付き車輪用軸受装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記プラスチック磁気エンコーダの前記プラチック磁石が射出成形品である回転検出装置付き車輪用軸受装置。
  7. 請求項6において、前記プラスチック磁気エンコーダの前記プラチック磁石は、射出成形において磁場成形したものである回転検出装置付き車輪用軸受装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記プラスチック磁気エンコーダは、前記内方部材の外周面に圧入して固定される円筒部およびこの円筒部の一端部から立ち上がる立板部からなる断面L字状で円環状のプラスチック磁石の単体である回転検出装置付き車輪用軸受装置。
  9. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記プラスチック磁気エンコーダは、前記内方部材の外周面に圧入して固定される円筒部およびこの円筒部の一端部から立ち上がる立板部からなる断面L字状の円環状のスリンガと、このスリンガの前記立板部に一体成形されたプラスチック磁石とでなる回転検出装置付き車輪用軸受装置。
  10. 請求項9において、前記プラスチック磁気エンコーダは、前記スリンガを配置した金型内に磁性粉含有熱可塑性樹脂を射出して前記プラスチック磁石を一体成形したインサート成形品である回転検出装置付き車輪用軸受装置。
  11. 請求項9または請求項10において、前記スリンガが磁性材料からなる回転検出装置付き車輪用軸受装置。
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