JP2009185220A - 地盤改良用固化材 - Google Patents

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Abstract

【課題】普通ポルトランドセメントと廃石膏ボードから採取した二水石膏とを用いた地盤改良用固化材において、硫化水素の発生及び六価クロムの溶出を抑制することができる地盤改良用固化材を提供する。
【解決手段】本発明に係る地盤改良用固化材は、普通ポルトランドセメントと、ペーパースラッジ灰と、廃石膏ボードから採取した二水石膏と、を含んでなり、特に、普通ポルトランドセメント75質量%と、ペーパースラッジ灰15質量%と、二水石膏10質量%と、を含んでなるのが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、産業廃棄物を利用した地盤改良用固化材に関する。
近年の大量生産・大量消費・大量廃棄の社会は人々の生活を豊かにした一方、地球環境に大きな負荷を与えており、例えば産業廃棄物の排出量は高水準で推移し、最終処分場の残容量のひっ迫など、大きな社会問題となっている。
このような事情に鑑みて、従来、産業廃棄物として処理されていた廃石膏ボードを、地盤改良用固化材の原料として利用することが提案されている。
例えば特許文献1には、石膏からなる芯材の両面がボード用原紙で被覆された廃石膏ボードのボード用原紙を芯材から分離せずに芯材と一体のままの状態で全体を粉砕、乾燥して得た繊維入り半水石膏パウダーを、含水比の高い汚泥や有機質土に添加して、含水比の高い汚泥をセメント系固化材で固化処理して得られた土に比べて一軸圧縮強さが同等以上であるとともに破壊ひずみが大きい改良地盤を製造することが記載されている。
一方、セメント系固化材を用いて地盤を改良すると、改良地盤から六価クロムが溶出し、土壌が汚染されるという問題がある。この問題を解決するために、例えば、特許文献2には、セメント系固化材の主成分として高炉セメントを用いることによって、高炉スラグの作用により改良地盤からの六価クロムの溶出を抑制することが開示されている。
特開2007−161895号公報 特許公開2001−321756号公報
しかしながら、汚泥や有機質土中には、硫酸イオンを酸化剤として有機物を分解し、そのエネルギーで増殖する硫酸塩還元菌が存在していることが多い。そのため、特許文献1に記載の技術では、廃石膏と汚泥等を混合すると、廃石膏(二水石膏:CaSO・2HO)から溶出した硫酸イオンが硫酸塩還元菌によって還元されて硫化水素が発生するという問題がある。
また、六価クロムの溶出を抑制するために高炉セメントを用いると、改良地盤の強度を大きくすることができないという問題がある。一方、改良地盤の強度を大きくするために、高炉セメントよりも発現強度の高い普通ポルトランドセメントを用いると、六価クロムの溶出を抑制できないという問題があった。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものであり、普通ポルトランドセメントと廃石膏ボードから採取した二水石膏とを用いた地盤改良用固化材において、硫化水素の発生及び六価クロムの溶出を抑制することができる地盤改良用固化材を提供することを課題とする。
本発明に係る地盤改良用固化材は、普通ポルトランドセメントと、ペーパースラッジ灰と、廃石膏ボードから採取した二水石膏と、を含んでなることを特徴とする。
かかる構成によれば、ペーパースラッジ灰が持つ酸化カルシウム(CaO)及び酸化アルミニウム(Al)と、二水石膏が持つ硫酸カルシウム二水和物(CaSO・2HO)と、が水和反応してエトリンガイト(3CaO・Al・3CaSO・32HO)が生成される。すなわち、二水石膏から溶出する硫酸イオン(SO 2−)が、エトリンガイトの生成に消費されるので、土中の硫酸塩還元菌による硫化水素の生成が抑制されることとなる。
また、エトリンガイトは、それ自体が強度を持つ針状結晶であるので、普通ポルトランドセメントの使用量を減らしても改良地盤の強度が低下しにくい。そのため、所望の強度を得るために必要な普通ポルトランドセメントの添加量を少なくできるので、改良地盤の強度を高く保ちながら六価クロムの溶出を抑制することができる。また、普通ポルトランドセメントは、高炉セメントに比べて発現強度が大きいので、高炉セメントを用いた場合と同等以上の改良強度を容易に得ることができる。
なお、本発明に係る地盤改良用固化材は、前記水硬系物質75質量%と、前記ペーパースラッジ灰15質量%と、前記二水石膏10質量%と、を含んでなるのが好ましい。このような配合にすれば、改良地盤中に硫酸カルシウムが残留することがなく、硫化水素の発生を好適に防止することができる。
また、普通ポルトランドセメント75質量%に替えて、普通ポルトランドセメント56.3質量%と、高炉スラグ18.7質量%と、を含むように構成してもよい。
本発明によれば、普通ポルトランドセメントと廃石膏ボードから採取した二水石膏とを用いた地盤改良用固化材において、硫化水素の発生及び六価クロムの溶出を抑制することができる。そのため、廃石膏ボードの有効利用を促進して産業廃棄物の低減を図ることができる。
地盤改良用固化材は、例えば軟弱土や有機質土などの強度の低い地盤や排水処理場で発生した汚泥などに混合することにより、これらの地盤(材料)の強度を向上させる機能を有している。本実施形態に係る地盤改良用固化材は、主に、普通ポルトランドセメントと、ペーパースラッジ灰と、廃石膏ボードから採取した二水石膏(以下、「廃石膏」という場合がある)と、を含んでなる。
普通ポルトランドセメントは、水と反応して硬化する水硬系物質である。普通ポルトランドセメントは、酸化カルシウム(CaO)や酸化アルミニウム(Al)や二酸化けい素(SiO)や酸化第二鉄(Fe)などのクリンカー成分と、三酸化硫黄(SO)とを含有するほか、土壌汚染の原因となり得る六価クロム(例えば三酸化クロム(CrO)や二クロム酸カリウム(KCr))を含有している。土と普通ポルトランドセメントの混合物が固化する過程において、水和反応により生成された水和物が六価クロムを十分に固定できなかった場合に、六価クロムが溶出すると考えられている。
ペーパースラッジ灰は、製紙工程において排出される微細繊維くずや、タルク、カオリン、古紙混入異物などからなるペーパースラッジを、減量化のために焼却処理して得られる物質である。ペーパースラッジ灰は、主に、酸化カルシウム(CaO)や酸化アルミニウム(Al)などを含有している。
廃石膏ボードは、建物の解体などによって生じた石膏ボードの廃材であり、従来は産業廃棄物として処理されていたものである。石膏ボードは、二水石膏(CaSO・2HO)からなる板状の芯材の両面を紙等の表皮材で被覆した部材である。
廃石膏は、かかる廃石膏ボードを表皮材部分と芯材部分とに分離し、芯材部分のみを粉砕して粒状化したものである。
本実施形態に係る地盤改良用固化材においては、ペーパースラッジ灰が持つ酸化カルシウム(CaO)及び酸化アルミニウム(Al)と、廃石膏が持つ硫酸カルシウム二水和物(CaSO・2HO)と、が水和反応してエトリンガイト(3CaO・Al・3CaSO・32HO)が生成される。これにより、硫酸イオンが消費され、土中の硫酸塩還元菌による硫化水素の生成が抑制される。
本実施形態に係る地盤改良用固化材は、普通ポルトランドセメント75質量%、ペーパースラッジ灰15質量%、廃石膏10質量%となるように配合するのが好ましい。このように配合すれば、ペーパースラッジ灰と廃石膏とが好適に反応してエトリンガイトが生成され、改良地盤中に硫酸カルシウムが残留することがない。そのため、硫化水素の発生を好適に防止することができる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、地盤改良用固化材は、普通ポルトランドセメント75質量%に替えて、普通ポルトランドセメント56.3質量%と、高炉スラグ18.7質量%と、を含むように構成してもよい。すなわち、地盤改良用固化材は、普通ポルトランドセメント56.3質量%、高炉スラグ18.7質量%、ペーパースラッジ灰15質量%、廃石膏10質量%となるように配合してもよい。このようにすれば、高炉セメントB種を100質量%用いた場合に比べて改良地盤の強度を大きくしながら、六価クロムの溶出量(含有量)を極めて小さくすることができる。また、硫化水素の発生を好適に防止することができる。
また、本実施形態に係る地盤改良用固化材と、改良対象となる地盤や汚泥との混合比率は、特に限定されるものではなく、改良対象物の性状や要求される改良強度等に応じて適宜定めればよい。例えば事前に試験等を行い、その結果に基づいて決定すればよい。
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<X線回折法>
普通ポルトランドセメントとペーパースラッジ灰と廃石膏の配合比率を変えることにより、どのような化合物が生成されるかを、X線回折法により判定した。
なお、水硬系物質として、普通ポルトランドセメント以外に、普通ポルトランドセメントに高炉スラグを混合した混合セメント(以下、単に「混合セメント」という場合がある。)を用意した。混合セメントの混合割合は、質量比で普通ポルトランドセメント:高炉スラグ=3:1とした。
実施例1として、普通ポルトランドセメント337.5g(75質量%)と、ペーパースラッジ灰67.5g(15質量%)、廃石膏45.0g(10質量%)と、を混合した紛体450g(100質量%)に、水270g(紛体質量の60%)を加えてペースト状にし、φ50mm×H100mmのモールドに詰めて供試体を1本作成した。
比較例1として、普通ポルトランドセメント225.0g(50質量%)と、ペーパースラッジ灰135.0g(30質量%)、廃石膏90.0g(20質量%)と、を混合した紛体450g(100質量%)に、水270g(紛体質量の60%)を加えてペースト状にし、φ50mm×H100mmのモールドに詰めて供試体を1本作成した。
実施例2として、普通ポルトランドセメント253.1gと高炉スラグ84.4gとの混合セメント337.5g(75質量%)と、ペーパースラッジ灰67.5g(15質量%)、廃石膏45.0g(10質量%)と、を混合した紛体450g(100質量%)に、水270g(紛体質量の60%)を加えてペースト状にし、φ50mm×H100mmのモールドに詰めて供試体を1本作成した。
比較例2として、普通ポルトランドセメント168.8gと高炉スラグ56.2gとの混合セメント225.0g(50質量%)と、ペーパースラッジ灰135.0g(30質量%)、廃石膏90.0g(20質量%)と、を混合した紛体450g(100質量%)に、水270g(紛体質量の60%)を加えてペースト状にし、φ50mm×H100mmのモールドに詰めて供試体を1本作成した。
また、ペーパースラッジ灰と廃石膏を加えない場合について検討するために、参考例1として、普通ポルトランドセメント450g(100質量%)に、水270g(紛体質量の60%)を加えてペースト状にし、φ50mm×H100mmのモールドに詰めて供試体を1本作成した。
実施例1、比較例1、実施例2、比較例2及び参考例1の配合の一覧を表1に示す。
Figure 2009185220
このように作成した各供試体を7日間養生した後、各供試体の芯の部分から5g程度を採取し、真空乾燥機で3日以上乾燥して不要な水分を除去し、めのう乳鉢を用いて粒子が10μm以下となるように粉砕した。粉砕した試料に対してX線回折装置を用いて試料内の結晶の同定を行った。
図1(a)は、参考例1のX線回折強度を示すグラフである。グラフの横軸は下記に示すBraggの式から定まるθの2倍の値(2θ)を示し、縦軸はX線回折強度を示している。
2d・sinθ=nλ
d:格子面間隔
θ:格子面と入射線及び回折線との間の角度
λ:X線の波長
n:1次回折線(n=1)
図1(a)に示すように、参考例1では、水酸化カルシウム(Ca(OH))、ケイ酸三カルシウム(3CaO・SiO)、ケイ酸二カルシウム(2CaO・SiO)、カルシウムアルミネート(3CaO・Al)を示すピークが見られた。これらの化合物はポルトランドセメント成分の水和反応を示すものである。なお、エトリンガイト(3CaO・Al・3CaSO・32HO)を示すピークは見られなかった。
図1(b)は、実施例1のX線回折強度を示すグラフである。
図1(b)に示すように、実施例1では、前記した参考例1と同様の化合物を示すピークの他に、エトリンガイト(3CaO・Al・3CaSO・32HO)を示すピークが見られた。これにより、普通ポルトランドセメントとペーパースラッジ灰と廃石膏の3成分によってエトリンガイトが生成されていることが分かる。
図1(c)は、比較例1のX線回折強度を示すグラフである。
比較例1と実施例1とを比較すると、比較例1では、ケイ酸三カルシウムとカルシウムアルミネートを示すピークが見られなくなり、そのかわりに廃石膏が持つ硫酸カルシウム水和物を示すピークが見られた。
図2(a)は実施例2のX線回折強度を示すグラフである。
図2(a)に示すように、実施例2では、水酸化カルシウム、ケイ酸三カルシウム、ケイ酸二カルシウム、カルシウムアルミネートを示すピークと、エトリンガイトを示すピークが見られた。
図2(b)は比較例2のX線回折強度を示すグラフである。
比較例2と実施例2とを比較すると、比較例2では、ケイ酸三カルシウムとカルシウムアルミネートを示すピークが見られなくなり、そのかわりに廃石膏が持つ硫酸カルシウム水和物を示すピークが見られた。
実施例1、2と比較例1、2のX線回折結果から考察すると、比較例1、2では、硫酸カルシウム水和物に対してケイ酸三カルシウム及びカルシウムアルミネートが少ないため、すべてのケイ酸三カルシウムとカルシウムアルミネートがエトリンガイトの生成に消費された後も硫酸カルシウム水和物が残存していると考えられる。これに対し、実施例1、2では、硫酸カルシウム水和物に対してケイ酸三カルシウム及びカルシウムアルミネートが十分に生成されるため、エトリンガイトの生成にすべての硫酸カルシウムが消費されていると考えられる。
以上の結果から、地盤改良用固化材の配合を、(1)普通ポルトランドセメント75質量%、ペーパースラッジ灰15質量%、廃石膏10質量%、或いは、(2)混合セメント75質量%、ペーパースラッジ灰15質量%、廃石膏10質量%、のようにすれば、廃石膏に含まれるすべての硫酸カルシウムが、エトリンガイトの生成に消費され、汚泥等に混合しても硫化水素が発生する恐れがないことが分かった。
<一軸圧縮強度試験>
普通ポルトランドセメントとペーパースラッジ灰と廃石膏との混合物が、様々な土質においてどのような強度特性を示すかについて調べるために、一軸圧縮強度試験を行った。
改良地盤の一軸圧縮強度試験を行うにあたり、地盤改良用固化材を混合する対象物として、汚泥、粘性土A,B、礫質砂A,Bの5種類の土を用意した。各土の土質性状を表2に示す。
Figure 2009185220
実施例3として、普通ポルトランドセメントとペーパースラッジ灰と廃石膏とを75:15:10の質量比で配合した地盤改良用固化材を用意し、これを表2に示す5種類の土の夫々に1m当たり100kgの割合で混合し、φ50mm×H100mmのモールドに詰め、一土質当たり3本の供試体を作成し、7日間養生した。
比較例3として、普通ポルトランドセメントのみからなる地盤改良用固化材を用意し、これを表2に示す5種類の土の夫々に1m当たり100kgの割合で混合し、φ50mm×H100mmのモールドに詰め、一土質当たり3本の供試体を作成し、7日間養生した。
実施例4として、混合セメントとペーパースラッジ灰と廃石膏とを75:15:10の質量比で配合した地盤改良用固化材を用意し、これを表2に示す5種類の土の夫々に1m当たり100kgの割合で混合し、φ50mm×H100mmのモールドに詰め、一土質当たり3本の供試体を作成し、7日間養生した。
比較例4として、混合セメントのみからなる地盤改良用固化材を用意し、これを表2に示す5種類の土の夫々に1m当たり100kgの割合で混合し、φ50mm×H100mmのモールドに詰め、一土質当たり3本の供試体を作成し、7日間養生した。
比較例5として、高炉セメントB種のみからなる地盤改良用固化材を用意し、これを表2に示す5種類の土の夫々に1m当たり100kgの割合で混合し、φ50mm×H100mmのモールドに詰め、一土質当たり3本の供試体を作成し、7日間養生した。
なお、実施例3、比較例3、実施例4、比較例4及び比較例5に用いた地盤改良用固化材の配合比率を表3に示す。
Figure 2009185220
このようにして作成した各試料あたり3本の供試体について、一軸圧縮試験機を用いて一軸圧縮強度試験を行い、得られた値を平均して各試料の一軸圧縮強度とした。各試料の一軸圧縮強度の一覧表を表4に示す。
Figure 2009185220
一軸圧縮強度の評価として、地盤改良用固化材として高炉セメントB種のみを用いた場合の強度(比較例5)との比較を行った。高炉セメントB種は、六価クロム対策として最も一般的に用いられる地盤改良用固化材だからである。
表4に示すように、実施例3及び実施例4のいずれも、比較例5の一軸圧縮強度を大きく上回る値を得た。よって、地盤改良用固化材として現在多用されている高炉セメントB種に替えて、実施例3,4に係る地盤改良用固化材を用いても、十分な改良強度を得られることが分かった。
また、セメントの一部をペーパースラッジ灰及び廃石膏で置き換えることが一軸圧縮強度に対して有用であるかを調べるために、活性度指数を求めた。活性度指数は、「セメントのみを用いた場合の一軸圧縮強度」に対する「セメントの一部をペーパースラッジ灰及び廃石膏で置き換えた場合の一軸圧縮強度」の割合である。ここでは、活性度指数が、地盤改良用固化材全体に占めるセメントの割合よりも大きい場合に有用と判断することとした。
実施例3の活性度指数は、80.2%(=920.8/1147.7×100)となり、地盤改良用固化材全体に占める普通ポルトランドセメントの割合(75%)よりも大きい。
実施例4の活性度指数は、85.2%(=721.8/847.5×100)となり、地盤改良用固化材全体に占める混合セメントの割合(75%)よりも大きい。
以上より、実施例3、4に係る地盤改良用固化材の配合割合で、セメントの一部をペーパースラッジ灰及び廃石膏に置き換えることの有用性が確認された。
<六価クロムの含有量>
前記した一軸圧縮強度試験に用いた供試体について、六価クロムの含有量を計測する試験を行った。なお、当該試験は、平成3年環境庁告示「土壌の汚染に係る環境基準について」に定められた試験方法に基づいて行った。下表に、六価クロムの含有量の一覧表を示す。
なお、六価クロムの含有量の基準値は0.05mg/Lであり、この値以下であれば合格となる。
Figure 2009185220
表5に示すように、実施例3及び実施例4に係る試料の六価クロム含有量はすべて基準値を大きく下回る結果となった。このことから、実施例3,4に係る地盤改良用固化材が六価クロム対策として有効であることが分かった。
なお、比較例3の「汚泥」と混合した試料だけが基準値を上回る結果となった。
(a)は参考例1のX線回折強度を示すグラフ、(b)は実施例1のX線回折強度を示すグラフ、(c)は比較例1のX線回折強度を示すグラフである。 (a)は実施例2のX線回折強度を示すグラフ、(b)は比較例2のX線回折強度を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 普通ポルトランドセメントと、ペーパースラッジ灰と、廃石膏ボードから採取した二水石膏と、を含んでなる地盤改良用固化材。
  2. 請求項1に記載の地盤改良用固化材であって、
    前記普通ポルトランドセメント75質量%と、前記ペーパースラッジ灰15質量%と、前記二水石膏10質量%と、を含んでなる地盤改良用固化材。
  3. 前記普通ポルトランドセメント75質量%に替えて、普通ポルトランドセメント56.3質量%と、高炉スラグ18.7質量%と、を含んでなる請求項2に記載の地盤改良用固化材。
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