JP2009184613A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】第2電動機からの動力を有段式の自動変速機を介して駆動輪(車軸)に出力する車両において、ダウンシフト変速中のショック発生及び自動変速機の摩擦材熱負荷の増大を抑制する。
【解決手段】シーケンシャルモードで高車速走行している場合に、第2モータジェネレータMG2の熱負荷(発熱)を抑制するために高車速ダウンシフト変速線が選択されたときには、シーケンシャルシフト変速線をエンジン回転数を下げる側に変更することで、ダウンシフト変速中に第1モータジェネレータMG1による保護制御(エンジンオーバラン防止制御)が作動しないようにする。これによって、ダウンシフト変速中に第2電動機のトルクダウンを実施して第2電動機のモータの吹きを抑制することができ、変速ショックの低減及び摩擦係合要素の摩擦材の保護が可能になる。
【選択図】図13

Description

本発明は、エンジンからの動力の少なくとも一部を駆動輪に出力する差動部と、差動部の回転要素に連結された第1電動機と、第2電動機とを備え、第2電動機からの動力を有段式の自動変速機を介して駆動輪(車軸)に出力する車両の制御装置に関する。
近年、環境保護の観点から、車両に搭載されたエンジン(内燃機関)からの排気ガスの排出量低減と燃料消費率(燃費)の向上が望まれており、これを満足する車両として、ハイブリッドシステムを搭載したハイブリッド車両が実用化されている。
ハイブリッド車両は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどのエンジンと、エンジンの出力による発電またはバッテリの電力により駆動してエンジン出力のアシスト等を行う電動機(例えばモータジェネレータまたはモータ)とを備え、エンジン及び電動機のいずれか一方または双方を走行駆動源としている。
ハイブリッド車両においては、車速及びアクセル開度に基づいて、エンジン及び電動機の運転領域(具体的には駆動または停止)が制御される。例えば、発進時や低速走行時のようにエンジン効率が低くなる領域では、エンジンを停止させて電動機のみの動力で駆動輪を駆動する。また、通常走行時には、エンジンを駆動して、そのエンジンの動力で駆動輪を駆動するという制御を行う。さらに、全開加速等の高負荷時には、エンジンの動力に加えて、バッテリから電動機に電力を供給して電動機による動力を補助動力として追加するという制御を行う。
こうしたハイブリッド車両の駆動装置の1つとして、例えば、サンギヤ、リングギヤ及びキャリヤ(ピニオンギヤ)を回転要素とする機構であって、エンジンの出力を第1電動機(以下、ジェネレータともいう)及び伝達軸(リングギヤ軸)へ分配(もしくはエンジンの出力と第1電動機の出力とを合成して伝達軸に出力)する動力分配機構と、第2電動機と、この第2電動機(以下、モータともいう)と駆動輪(出力軸)との間に設けられた有段式の自動変速機と、第1乃至第2電動機からの発電電力の充電及び第1乃至第2電動機への電力供給が可能な蓄電装置(バッテリ)とを備え、第2電動機からの動力を自動変速機を介して駆動輪(車軸)に出力する車両用駆動装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような車両用駆動装置では、動力分配機構が差動機構として機能し、その差動作用によりエンジンからの動力の主部を駆動輪に機械的に伝達し、そのエンジンからの動力の残部を第1電動機から第2電動機への電気パスを用いて電気的に伝達することにより、電気的に変速比が変更される変速機として機能する。これによってエンジンを最適な作動状態に維持しつつ車両を走行させることができ、燃費の向上をはかることができる。また、この種のハイブリッド車両用の駆動装置において電力収支は、通常、ジェネレータ発電量・バッテリ充放電量・モータ消費量を全て足すとゼロとなるように制御されている。
一方、ハイブリッド車両に搭載される変速機としては、摩擦係合要素であるクラッチやブレーキと遊星歯車装置とを用いてギヤ段(変速段)を設定する遊星歯車式変速機が適用されている。例えば、摩擦係合要素として2個のブレーキを備え、一方のブレーキを係合し他方のブレーキを解放する変速段(例えば低速段:Lo)と、他方のブレーキを係合し一方のブレーキを解放する変速段(例えば高速段:Hi)との切り替えを行うようにしている。この場合、変速時に係合側の摩擦係合要素の係合と、解放側の摩擦係合要素の解放とを同時に行う、いわゆるクラッチツウクラッチ変速が行われることになる。
このような自動変速機が搭載された車両においては、例えばアップシフト変速線及びダウンシフト変速線を有する変速マップを用いて低速段「Lo」と高速段「Hi」との切替を行っている。具体的には、車両の走行状態の変化により、アップシフト変速線を跨いだ場合にはアップシフト変速(Lo→Hi変速)を行い、ダウンシフト変速線を跨いだ場合にはダウンシフト変速(Hi→Lo変速)を行っている。
また、ハイブリッド車両などの車両においては、ドライバにより操作されるシフト操作装置が設けられており、そのシフト操作装置のシフトレバーを操作することにより、自動変速機のシフトポジションを、例えばP(パーキング)ポジション、R(リバース)ポジション、N(ニュートラル)ポジション、D(ドライブ)ポジションなどに切り替えることが可能になっている。さらに、近年では、シーケンシャルモード付きのシフト操作装置も実用化されている。シーケンシャルモードには、複数段(例えば6段)のシーケンシャルシフトレンジが設定されており、シフトレバーをS(シーケンシャル)ポジションに配置してアップシフト(+)またはダウンシフト(−)操作を行うと、シーケンシャルシフトレンジがアップまたはダウンされる。そして、このようなシーケンシャルモードが選択された場合、Dレンジで走行する場合と比較してエンジン回転数を高く維持するように制御される。
特開2006−316848号公報 特開2006−144843号公報 特開2006−069246号公報 特開2006−321458号公報
ところで、第2電動機(モータ)からの動力を上記した有段式の自動変速機を介して駆動輪(車軸)に出力するハイブリッド車両において、高負荷運転時(エンジン高回転時)には、第2電動機の効率面から「Lo」のギヤ段で走行する方が有利であり、第2電動機の発熱を抑えることができる。従って、ダウンシフト変速線を高速化して「Lo」走行領域を増やすことが有効である。しかし、上記したシーケンシャルシフトレンジ使用時でかつ高車速である場合はエンジン回転数が高いため、ダウンシフト変速中のアクセルペダル踏み込みによるショック発生が懸念される。
具体的に説明すると、ハイブリッド車両において、ダウンシフト変速中にアクセルペダルが踏み込まれた場合、変速ショックの低減及び自動変速機の摩擦係合要素(ブレーキなど)の摩擦材熱負荷の低減等のために、変速中に第2電動機のトルクダウンを実施する必要があるが、エンジンが高回転になると保護制御(エンジンオーバラン防止制御)が働いてトルクダウンを実施することができない。すなわち、エンジン回転数が低い場合は、エンジンパワーをエンジン慣性で消費させることができるので問題ないが、シーケンシャルシフトレンジ使用時でかつ高車速でありエンジン回転数が高い場合、エンジン過回転防止(部品保護)のために、エンジントルクの反力を受け持つ第1電動機(ジェネレータ)にて回転数制御が実行されるので発電量が増加する。このようにして発電量が増加すると、第2電動機(モータ)での電力消費が要求されるため、所望のトルクダウンを実施できない。
そして、このような理由でダウンシフト変速中にトルクダウンを実施できないと、変速対象である第2電動機の吹きを制限できなくなるため、第2電動機の回転数と係合目標回転数(目標変速段の同期回転数)との間に差回転がある状態で摩擦係合要素が係合することになり、係合ショックが生じる場合がある。また、摩擦係合要素の摩擦材の熱負荷増大が懸念される。
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、エンジンからの動力の少なくとも一部を駆動輪に出力する差動部と、差動部の回転要素に連結された第1電動機と、第2電動機とを備え、第2電動機からの動力を有段式の自動変速機を介して駆動輪(車軸)に出力する車両の制御装置において、ダウンシフト変速中のショック発生及び自動変速機の摩擦材熱負荷の増大を抑制することが可能な制御の実現を目的とする。
本発明は、エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間に設けられ、当該エンジンからの動力の少なくとも一部を駆動輪に出力する差動部と、前記差動部の回転要素に連結された第1電動機と、第2電動機と、前記第2電動機と駆動輪との間に設けられた有段式の自動変速機とを備えた車両の制御装置を前提とし、このような車両の制御装置において、高車速ダウンシフト変速線を含む複数のダウンシフト変速線のうちの1つを選択して前記自動変速機のダウンシフト変速操作の要否を判定する変速判定手段と、エンジン回転数を複数のシフト段に離散的に変更可能なシーケンシャルモードが選択されたときに、シーケンシャルシフト変速線に従ってエンジンの回転数を制御するシーケンシャルシフト制御手段とを備え、前記高車速ダウンシフト変速線が選択されているときには、前記シーケンシャルシフト変速線を変更することを特徴とする。具体的には、高車速ダウンシフト変速線が選択されているときには、シーケンシャルシフト変速線マップを通常マップから低車速側マップに変更して、前記シーケンシャルシフト変速線をエンジン回転数を下げる側に変更することを特徴としている。
本発明によれば、シーケンシャルモードで高車速走行している場合に、第2電動機の熱負荷(発熱)を抑制するために、高車速ダウンシフト変速線(「Lo」走行領域を多くするダウンシフト変速線)が選択されたときには、シーケンシャルシフト変速線をエンジン回転数を下げる側に変更するので、ダウンシフト変速中に第1電動機による保護制御(エンジンオーバラン防止制御)が作動しないようにすることができる。これによって、ダウンシフト変速中に第2電動機のトルクダウンを実施して第2電動機の回転上昇(モータの吹き)を抑制することが可能になるので、変速ショックを低減することができ、摩擦係合要素の摩擦材を保護することができる。
本発明において、高車速ダウンシフト変速線が選択されたときには、シーケンシャルモードを禁止して、エンジン回転数を低下させるという構成を採用してもよい。このような構成においても、エンジン回転数が許容回転数(図12参照)の上限に到達すること(エンジン回転上限当たり)を防止することができ、ダウンシフト変速中に保護制御(エンジンオーバラン防止制御)が作動しないようにすることが可能になるので、第2電動機の回転上昇(モータの吹き)を抑制することができる。これによって変速ショックを低減することができ、摩擦係合要素の摩擦材を保護することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明を適用するハイブリッド車両の一例を示す概略構成図である。
この例のハイブリッド車両HVは、エンジン1、第1モータジェネレータMG1、第2モータジェネレータMG2、動力分配機構2、自動変速機3、インバータ4、バッテリ(HVバッテリ)5、デファレンシャルギヤ6、駆動輪7、油圧制御回路300(図4参照)、シフト操作装置8(図5参照)、及び、ECU(Electronic Control Unit)100などを備えている。
これらエンジン1、モータジェネレータMG1,MG2、自動変速機3、動力分配機構2、自動変速機3(油圧制御回路300も含む)、シフト操作装置8、及び、ECU100の各部について以下に説明する。
−エンジン−
エンジン1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの燃料を燃焼させて動力を出力する公知の動力装置であって、スロットル開度(吸気量)、燃料噴射量、点火時期などの運転状態を制御できるように構成されている。エンジン1の出力軸であるクランクシャフト11の回転数(エンジン回転数)はエンジン回転数センサ201によって検出される。エンジン1はECU100によって駆動制御される。
なお、この例のエンジン1には、エンジン回転数と運転者のアクセルペダル踏み込み量(アクセル開度)等のエンジン1の運転状態に応じた最適な吸入空気量(目標吸気量)が得られるようにスロットル開度を制御する電子スロットルシステムが搭載されている。このような電子スロットルシステムでは、スロットル開度センサ202(図6参照)を用いてスロットルバルブの実際のスロットル開度を検出し、その実スロットル開度が、上記目標吸気量が得られるスロットル開度(目標スロットル開度)に一致するようにスロットルバルブのアクチュエータをフィードバック制御している。
−モータジェネレータ−
モータジェネレータMG1,MG2は交流同期電動機であって、電動機として機能するとともに発電機として機能する。モータジェネレータMG1,MG2はインバータ4を介してバッテリ5に接続されている。インバータ4は、ECU100によって制御され、そのインバータ4の制御により、モータジェネレータMG1,MG2の回生または力行(アシスト)が設定される。その際の回生電力はバッテリ5にインバータ4を介して充電される。また、モータジェネレータMG1,MG2の駆動用電力はバッテリ5からインバータ4を介して供給される。
−動力分配機構−
動力分配機構2は、外歯歯車のサンギヤS21と、このサンギヤS21と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤR21と、サンギヤS21に噛み合うとともに、リングギヤR21に噛み合う複数のピニオンギヤP21と、この複数のピニオンギヤP21を自転かつ公転自在に保持するキャリアCA21とを備え、それらサンギヤS21、リングギヤR21及びキャリアCA21を回転要素として差動作用を行う遊星歯車機構である。
動力分配機構2のキャリアCA21にはエンジン1のクランクシャフト11が連結されている。また、動力分配機構2のサンギヤS21には第1モータジェネレータMG1の回転軸が連結されている。そして、動力分配機構2のリングギヤR21にはリングギヤ軸(プロペラシャフト)21が連結されている。リングギヤ軸21はデファレンシャルギヤ6を介して駆動輪7に連結されている。また、リングギヤ軸21には第2モータジェネレータMG2の回転軸が自動変速機3を介して連結されている。
このような構造の動力分配機構2において、第1モータジェネレータMG1が発電機として機能するときには、キャリアCA21から入力されるエンジン1からの動力をサンギヤS21側とリングギヤR21側にそのギヤ比に応じて分配する。一方、第1モータジェネレータMG1が電動機として機能するときには、キャリアCA21から入力されるエンジン1からの動力とサンギヤS21から入力される第1モータジェネレータMG1からの動力とを統合してリングギヤR21に出力する。
−自動変速機−
自動変速機3は、図2に示すように、ダブルピニオン型の第1遊星歯車機構31、シングルピニオン型の第2遊星歯車機構32、及び、2つのブレーキB1,B2などを備えた遊星歯車式の変速機であって、入力軸30が第2モータジェネレータMG2の回転軸に連結されている。また、自動変速機3の出力軸33はリングギヤ軸21(図1)に連結されている。
第1遊星歯車機構31は、外歯歯車のサンギヤS31と、このサンギヤS31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤR31と、サンギヤS31に噛み合う複数の第1ピニオンギヤP31aと、この第1ピニオンギヤP31aに噛み合うとともに、リングギヤR31に噛み合う複数の第2ピニオンギヤP31bと、これら複数の第1ピニオンギヤP31a及び複数の第2ピニオンギヤP31bを連結して自転かつ公転自在に保持するキャリアCA31とを備えている。第1遊星歯車機構31のキャリアCA31は第2遊星歯車機構32のキャリアCA32に一体的に連結されている。そして、第1遊星歯車機構31のサンギヤS31はブレーキB1を介して非回転部材であるハウジング3Aに選択的に連結されており、ブレーキB1の係合によってサンギヤS31の回転が阻止される。
第2遊星歯車機構32は、外歯歯車のサンギヤS32と、このサンギヤS32と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤR32と、サンギヤS32に噛み合うとともに、リングギヤR32に噛み合う複数のピニオンギヤP32と、複数のピニオンギヤP32を自転かつ公転自在に保持するキャリアCA32とを備えている。この第2遊星歯車機構32のサンギヤS32は入力軸30に連結されており、キャリアCA32は出力軸33に連結されている。さらに、第2遊星歯車機構32のリングギヤR32はブレーキB2を介してハウジング3Aに選択的に連結されており、ブレーキB2の係合によりリングギヤR32の回転が阻止される。
そして、以上の自動変速機3の入力軸30の回転数(入力軸回転数)は入力軸回転数センサ203によって検出される。また、自動変速機3の出力軸33の回転数(出力軸回転数)は出力軸回転数センサ204によって検出される。これら入力軸回転数センサ203及び出力軸回転数センサ204の出力信号から得られる回転数の比(出力軸回転数/入力軸回転数)に基づいて、自動変速機3の現状ギヤ段を判定することができる。
自動変速機3は運転者がシフト操作装置8のシフトレバー81(図5参照)を操作することにより、例えばPレンジ(パーキングレンジ)、Nレンジ(ニュートラルレンジ)、Dレンジ(前進走行レンジ)等に切り替えることができる。
以上の自動変速機3では、摩擦係合要素であるブレーキB1、B2を所定の状態に係合または解放することによってギヤ段(変速段)が設定される。自動変速機3のブレーキB1、B2の係合・解放状態を図3の作動表に示す。図3の作動表において「○」は「係合」を表し、「空欄」は「解放」を表している。
この例の自動変速機3において、ブレーキB1、B2の双方を解放することにより、入力軸30(第2モータジェネレータMG2の回転軸)と出力軸33(リングギヤ軸21)とを切り離すことができる(ニュートラル状態)。
また、変速ギヤ段の「Lo」は、ブレーキB2を係合し、ブレーキB1を解放することによって設定される。ブレーキB2が係合すると、第2遊星歯車機構32のリングギヤR32の回転が固定され、その回転が固定されたリングギヤR32と、第2モータジェネレータMG2によって回転するサンギヤS32とによって、キャリアCA32つまり出力軸33が低速回転する。
変速ギヤ段の「Hi」は、ブレーキB1を係合し、ブレーキB2を解放することによって設定される。ブレーキB1が係合すると、第1遊星歯車機構31のサンギヤS31の回転が固定され、その回転が固定されたサンギヤS31と、第2モータジェネレータMG2によって回転するサンギヤS32(リングギヤ31)の回転とによって、キャリアCA32(キャリアCA31)つまり出力軸33が高速回転する。
以上の自動変速機3において、「Lo」から「Hi」へのアップ変速は、ブレーキB2を解放すると同時にブレーキB1を係合するクラッチツウクラッチ変速制御によって達成される。また、「Hi」から「Lo」へのダウン変速は、ブレーキB1を解放すると同時にブレーキB2を係合するクラッチツウクラッチ変速制御によって達成される。これらブレーキB1,B2の係合時または解放時の油圧は油圧制御回路300(図4参照)によって制御される。
−油圧制御回路−
油圧制御回路300には、後述するリニアソレノイドバルブ及びコントロールバルブなどが設けられており、ソレノイドバルブの励磁・非励磁を制御して油圧回路を切り替えることによって自動変速機3のブレーキB1,B2の係合・解放を制御することができる。油圧制御回路300のリニアソレノイドバルブの励磁・非励磁は、ECU100からのソレノイド制御信号(指示油圧信号)によって制御される。
図4は、上記油圧制御回路300の概略構成を示している。この図4に示すように、油圧制御回路300は、エンジン1の回転により駆動され、かつ、ブレーキB1,B2を作動させるのに十分な圧送性能をもってオイル(オートマチックトランスミッションフルード:ATF)をオイル用流路301に圧送する機械式ポンプMPと、機械式ポンプMPからオイル用流路301に圧送されたオイルのライン油圧PLを調整する3ウェイソレノイドバルブ302及びプレッシャコントロールバルブ303と、ライン油圧PLを用いてブレーキB1,B2の係合力を調整するリニアソレノイドバルブ304,305やコントロールバルブ306,307、アキュムレータ308,309とから構成されている。
この油圧制御回路300では、ライン油圧PLは、3ウェイソレノイドバルブ302を駆動してプレッシャコントロールバルブ303の開閉を制御することにより調整することができる。
また、ブレーキB1,B2の係合力は、リニアソレノイドバルブ304,305に印加する電流を制御することによりライン油圧PLをブレーキB1,B2に伝達させるコントロールバルブ306,307の開閉を制御することにより調節することができる。
なお、この油圧制御回路300では、機械式ポンプMPから圧送されたオイルのうちブレーキB1,B2の作動に用いられなかった余剰のオイルと、ブレーキB1,B2の作動に用いられた後のプレッシャコントロールバルブ303からの戻りのオイルとを潤滑油としてオイル用流路310を介して動力分配機構2などに供給する。
−シフト操作装置−
一方、ハイブリッド車両HVの運転席の近傍には図5に示すようなシフト操作装置8が配置されている。シフト操作装置8にはシフトレバー81が変位可能に設けられている。
この例のシフト操作装置8には、P(パーキング)ポジション、R(リバース)ポジション、N(ニュートラル)ポジション、及び、D(ドライブ)ポジションが設定されており、ドライバが所望のポジションへシフトレバー81を変位させることが可能となっている。これらPポジション、Rポジション、Nポジション、Dポジション(下記のSポジションのアップシフト(+)位置及びダウンシフト位置(−)位置も含む)の各位置は、シフトポジションセンサ206(図6参照)によって検出される。
Pポジション及びNポジションは、車両を走行させないときに選択される非走行ポジションであり、Rポジション及びDポジションは、車両を走行させるときに選択される走行ポジションである。
また、シフト操作装置8には、図5(b)に示すように、S(シーケンシャル)ポジション82が設けられており、シフトレバー81がSポジション82に操作されたときに、手動にて変速操作を行うシーケンシャルモード(マニュアル変速モード)が設定される。
この例では、例えば6段のシーケンシャルシフトレンジS1〜S6が設定されており、シフトレバー81がアップシフト(+)またはダウンシフト(−)に操作されると、シーケンシャルシフトレンジがアップまたはダウンされる。例えば、アップシフト(+)への1回操作ごとにシーケンシャルシフトレンジが1段ずつアップ(例えばS1→S2→・・→S6)される。一方、ダウンシフト(−)への1回操作ごとにシーケンシャルシフトレンジが1段ずつダウン(例えばS6→S5→・・→S1)される。なお、シーケンシャルモードが設定されたときのシフトレンジ制御については後述する。
−ECU−
ECU100は、図6に示すように、CPU101、ROM102、RAM103及びバックアップRAM104などを備えている。
ROM102には、ハイブリッド車両HVの基本的な運転に関する制御の他、ハイブリッド車両HVの走行状態に応じて自動変速機3の変速ギヤ段を設定する変速制御を実行するためのプログラムを含む各種プログラムなどが記憶されている。この変速制御の具体的な内容については後述する。
CPU101は、ROM102に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAM103はCPU101での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM104はエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
これらCPU101、ROM102、RAM103、及び、バックアップRAM104はバス106を介して互いに接続されるとともに、インターフェース105と接続されている。
ECU100のインターフェース105には、エンジン回転数センサ201、エンジン1のスロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサ202、入力軸回転数センサ203、出力軸回転数センサ204、アクセルペダルの開度を検出するアクセル開度センサ205、シフトレバー81の位置を検出するシフトポジションセンサ206、バッテリ5の充放電電流を検出する電流センサ207、バッテリ温度センサ208、及び、第1モータジェネレータMG1や第2モータジェネレータMG2の温度を検出する電動機温度センサ209などが接続されており、これらの各センサからの信号がECU100に入力される。
ECU100は、上記した各種センサの出力信号に基づいて、エンジン1のスロットル開度(吸気量)制御、燃料噴射量制御及び点火時期制御などを含むエンジン1の各種制御を実行する。
ECU100は、自動変速機3の油圧制御回路300にソレノイド制御信号(指示油圧信号)を出力する。このソレノイド制御信号に基づいて、油圧制御回路300のリニアソレノイドバルブなどが制御され、所定のギヤ段(LoまたはHi)を構成するように、ブレーキB1、B2が所定の状態に係合または解放される。また、ECU100は、バッテリ5を管理するために、電流センサ207にて検出された充放電電流の積算値に基づいて充電状態(SOC:State of Charge)を演算する。さらに、ECU100は、インバータ4を制御し、そのインバータ4の制御によって第1モータジェネレータMG1及び第2モータジェネレータMG2の回生または力行(アシスト)が制御される。
そして、ECU100は下記の「変速制御」、「シーケンシャルモード設定時のシフトレンジ制御」、「走行制御」、及び、「シーケンシャルシフト変速線の変更制御」を実行する。
−変速制御−
まず、ECU100は、アクセル開度センサ205に出力信号に基づいてアクセル開度Acを算出するとともに、出力軸回転数センサ204に出力信号に基づいて車速Vを算出し、それらアクセル開度Ac及び車速Vに基づいて、図7に示すマップを参照して要求トルクTrを求める。
次に、車速Vと要求トルクTrに基づいて図8に示す変速マップを参照して目標ギヤ段を算出するとともに、入力軸回転数センサ203及び出力軸回転数センサ204の出力信号から得られる回転数の比(出力軸回転数/入力軸回転数)に基づいて、自動変速機3の現状ギヤ段を判定し、それら目標ギヤ段と現状ギヤ段とを比較して変速操作が必要であるか否かを判定する。
その判定結果により、変速操作の必要がない場合(目標ギヤ段と現状ギヤ段とが同じであり、ギヤ段が適切に設定されている場合)には、現状ギヤ段を維持するソレノイド制御信号(指示油圧信号)を自動変速機3の油圧制御回路300に出力する。
一方、目標ギヤ段と現状ギヤ段とが異なる場合には変速制御を行う。例えば、自動変速機3のギヤ段が「Hi」の状態で走行している状況から、ハイブリッド車両HVの走行状態が変化(例えば車速が変化)して、例えば図8に示す点Aから点Bに変化した場合、変速マップから算出される目標ギヤ段が「Lo」となり、その「Lo」のギヤ段を設定するソレノイド制御信号(指示油圧信号)を自動変速機3の油圧制御回路300に出力して、摩擦係合要素であるブレーキB1を解放すると同時に、ブレーキB2を係合することにより、Hiのギヤ段からLoのギヤ段への変速(Hi→Loダウンシフト変速)を行う。
なお、図7に示す要求トルク算出用のマップは、車速V及びアクセル開度Acをパラメータとして、要求トルクTrを実験・計算等により経験的に求めた値をマップ化したもので、ECU100のROM102に記憶されている。
また、図8に示す変速マップは、車速V及び要求トルクTrをパラメータとし、それら車速V及び要求トルクTrに応じて、適正なギヤ段を求めるための2つの領域(Lo領域及びHi領域)が設定されたマップであって、ECU100のROM102内に記憶されている。図8の変速マップにおいて、アップシフト変速線を実線で示し、ダウンシフト変速線を破線で示している。また、アップシフト及びダウンシフトの各切り替え方向を図中に矢印を用いて示している。
ここで、シーケンシャルモード(Sモード)が選択されている場合においても、ハブリッド車両HVの走行状態の変化により、図8に示す変速マップのアップシフト変速線またはダウンシフト変速線を跨いだときには、自動変速機3のダウンシフト変速またはアップシフト変速を行う。ただし、シーケンシャルモードが選択されている場合は、図9示すSレンジダウンシフト変速線に基づいて、自動変速機3のダウンシフト変速操作の要否を判定する。この図9のSレンジダウンシフト変速線は、図8に示す通常ダウンシフト変速線(破線)よりも低速側に設定されている。なお、シーケンシャルモードが選択された場合のアップシフト変速線については、図8に示す通常アップシフト変速線のままであってもよいし、シーケンシャルモード選択時に低車速側となるように設定してもよい。
さらに、この例では、高負荷運転時(エンジン高回転時)には、第2モータジェネレータMG2の効率(発熱)の面から「Lo」のギヤ段で走行する方が有利である点を考慮して、図9に示すように、「Lo」走行領域を大きくした高車速ダウンシフト変速線に基づいて自動変速機3のダウンシフト変速操作の要否を判定するようにしている。この高車速ダウンシフト変速線は、図8に示す通常ダウンシフト変速線(破線)よりも高速側に設定されている。
この図9に示す高車速ダウンシフト変速線は、電動機温度センサ209(図6参照)にて検出される第2モータジェネレータMG2の温度が所定の判定閾値よりも高くなった場合に選択される。なお、判定閾値は、第2モータジェネレータMG2の許容温度に対して余裕度を見込んだ値(判定閾値=許容温度−余裕度)とすればよい。
なお、高車速ダウンシフト変速線が選択された場合のアップシフト変速線については、図8に示す通常アップシフト変速線のままであってもよいし、高車速ダウンシフト変速線選択時に高車速側となるように設定してもよい。
−シーケンシャルモード設定時のシフトレンジ制御−
ECU100は、出力軸回転数センサ204に出力信号に基づいて車速Vを算出し、その車速Vに基づいて目標回転数を求める。具体的には、例えば図10に示すように、車速(出力軸回転数)Vをパラメータとし、各シーケンシャルシフトレンジS1〜S6毎に目標回転数(エンジン1の目標回転数)が設定されたシーケンシャルシフト変速線マップ(通常マップ)を用い、現在の車速V及びシフトレバー操作にて選択されたシーケンシャルシフトレンジS1〜S6の位置情報に基づいて、図10のシーケンシャルシフト変速線マップを参照して目標回転数を求め、その下限回転数を設定し、その回転数以上になるように、動力分配機構2に連結した第1モータジェネレータMG1の運転状態を制御するという方法によって実行される。
なお、図10に示すシーケンシャルシフト変速線マップはECU100のROM102に記憶されている。また、図10に示すシーケンシャルシフト変速線マップにおいて、目標回転数は、車速Vが同じ条件であれば、シーケンシャルシフトレンジS1が最も高く、シーケンシャルシフトレンジS6側に向かうに従って小さくなるように設定されており、例えば、シーケンシャルシフトレンジが「S3」から「S2」にダウンシフト操作されると、エンジン回転数は上昇する。また、シャルシフトレンジが「S3」から「S4」にアップシフト操作されると、エンジン回転数は低下するようになっている。
また、この例では、上記した図9に示す高車速ダウンシフト変速線が選択されたときには、図10に示すシーケンシャルシフト変速線マップ(通常マップ)から図11に示す高車速ダウンシフト変速線選択時のシーケンシャルシフト変速線マップ(低車速側マップ)に変更して、シーケンシャルシフトレンジ使用時の目標回転数を算出する。この図11に示すシーケンシャルシフト変速線マップ(低車速側マップ)は、目標回転数が図10に示す通常マップに対して低い側に設定されており、車速V及びシーケンシャルシフトレンジが同じ条件であると、図11に示す低車速側マップを用いて回転数制御を行った場合の方が、エンジン回転数を低く設定することができる。
−走行制御−
ECU100は、上記と同様な処理により、アクセル開度Ac及び車速Vに基づいて図7に示すマップを参照してリングギヤ軸(プロペラシャフト)21に出力すべき要求トルクTrを算出し、この要求トルクTrに対応する要求動力がリングギヤ軸21に出力されるように、エンジン1及びモータジェネレータMG1,MG2(インバータ4)を駆動制御して所定の走行モードでハイブリッド車両HVを走行する。
例えば、発進時や低速走行時のようにエンジン効率が低くなる領域では、エンジン1の運転を停止し、要求動力に見合う動力を第2モータジェネレータMG2から自動変速機3を介してリングギヤ軸21に出力する。通常走行時には、要求動力に見合う動力がエンジン1から出力されるようにエンジン1を駆動するとともに、第1モータジェネレータMG1によって最適燃費となるようにエンジン1の回転数を制御する。
また、第2モータジェネレータMG2を駆動してトルクをアシストする場合、車速Vが遅い状態では自動変速機3のギヤ段を「Lo」に設定してリングギヤ軸(プロペラシャフト)21に付加するトルクを大きくし、車速Vが増大した状態では自動変速機3のギヤ段を「Hi」に設定して第2モータジェネレータMG2の回転数を相対的に低下させて損失を低減することで、効率の良いトルクアシストを実行する。さらに、第2モータジェネレータMG2の運転を停止し、第1モータジェネレータMG1でエンジントルクの反力を受け持ちながら、エンジン1から動力分配機構2を介してリングギヤ軸21に直接伝達されるトルク(直達トルク)だけで走行するという走行制御も実行される。
なお、ECU100は、通常、自動変速機3の入力トルクが等パワー(入力軸回転数×入力トルク=一定)となるように、第2モータジェネレータMG2に等パワー指令を供給して第2モータジェネレータMG2を等パワー制御している。
また、ECU100は、エンジン1が高回転である場合に保護制御(エンジンオーバラン防止制御)を実行する。具体的には、ハイブリッド車両HVにおいては、例えば図12に示すように、エンジン1の許容回転数が、エンジン1自体の保護、及び、ピニオンギヤP21や第1モータジェネレータMG1を保護するために定められており、この許容回転数の上限値を超えないように第1モータジェネレータMG1にてエンジン回転数を制御(保護制御)する。
−シーケンシャルシフト変速線の変更制御−
まず、図1に示すハイブリッド車両HV、つまり、第2モータジェネレータMG2からの動力を有段式の自動変速機3を介して駆動輪(車軸)7に出力するハイブリッド車両HVにおいて、高負荷運転時(エンジン高回転時)には、第2モータジェネレータMG2の効率面から「Lo」のギヤ段で走行する方が有利であり、第2モータジェネレータMG2の発熱を抑えることができる。従って、ダウンシフト変速線を高速化して「Lo」走行領域を増やすことが有効であるが、上述したように、シーケンシャルシフトレンジ使用時でかつ高車速である場合はエンジン回転数が高いため、ダウンシフト変速中にアクセルペダルが踏み込まれると、第1モータジェネレータMG1による保護制御(エンジンオーバラン防止制御)が作動し、第2モータジェネレータMG2の吹けを抑制できなくなるので、ショックの発生が懸念される。また、摩擦係合要素の摩擦材の熱負荷増大が懸念される。
そのような点を考慮して、この例では、シーケンシャルモードで高車速走行している場合に、第2モータジェネレータMG2の熱負荷(発熱)を抑制するために、高車速ダウンシフト変速線が選択されたときには、エンジン回転数を低下させて、ダウンシフト変速中に第1モータジェネレータMG1による保護制御(エンジンオーバラン防止制御)が作動しないようにする。
その具体的な制御の例について図13のフローチャートを参照して説明する。図13の制御ルーチンは、ECU100において所定時間(例えば数msec)毎に繰り返して実行される。
ステップST101では、シフトポジションセンサ206の出力信号から、シーケンシャルシフトモード選択中であるか否かを判定し、その判定結果が肯定判定である場合はステップST102に進む。ステップST101の判定結果が否定判定(シーケンシャルシフトモードが選択されていない場合)はリターンする。
ステップST102においては、図9に示す高車速ダウンシフト変速線の選択中であるか否かを判定し、その判定結果が肯定判定である場合はステップST103に進む。ステップST102の判定結果が否定判定である場合(高車速ダウンシフト変速線の選択中でない場合)はリターンする。なお、高車速ダウンシフト変速線は、上述したように電動機温度センサ209(図6参照)にて検出される第2モータジェネレータMG2の温度が所定の判定閾値よりも高くなった場合に選択されるので、その高車速ダウンシフト変速線の選択中においてステップST102の判定結果が肯定判定となる。
そして、ステップST103において、シーケンシャルシフト変速線マップを、図10に示す通常マップから図11に示す低車速側マップに変更して、シーケンシャルシフト変速線をエンジン回転数を下げる側に変更する。
以上のように、この例の制御によれば、シーケンシャルモードで高車速走行している場合に、高車速ダウンシフト変速線が選択されたときには、シーケンシャルシフト変速線マップを通常マップから低車速側マップに変更してエンジン回転数を低下させるので、図14に示すように、高車速ダウンシフト変速線領域(車速)での許容回転数の上限に対する余裕度が大きくなり、エンジン回転数が許容回転数の上限に到達すること(エンジン回転上限当たり)を防止することができる。これによって、ダウンシフト変速中に保護制御(エンジンオーバラン防止制御)が作動しないようにすることが可能になるので、トルクダウンによる第2電動機の回転上昇(モータの吹き)を抑制することができる。その結果として、変速ショックを低減することができ、摩擦係合要素の摩擦材を保護することができる。
−他の実施形態−
以上の例では、シーケンシャルモードで高車速走行している場合に、高車速ダウンシフト変速線が選択されたときに、エンジン回転数を下げる側に変更するシーケンシャルシフト変速線を用いてエンジン回転数制御を行っているが、これに限られることなく、高車速ダウンシフト変速線が選択されたときにシーケンシャルモードを禁止して、エンジン回転数を低下させるという構成を採用してもよい。このような構成においても、エンジン回転数が許容回転数(図12参照)の上限に到達すること(エンジン回転上限当たり)を防止することができ、ダウンシフト変速中に保護制御が作動しないようにすることが可能になるので、第2電動機の回転上昇(モータの吹き)を抑制することができる。これによって変速ショックを低減することができ、摩擦係合要素の摩擦材を保護することができる。
以上の例では、前進2段変速の自動変速機が搭載された車両の制御に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、例えば前進4段変速等の他の任意の変速段の遊星歯車式自動変速機が搭載された車両の制御にも適用可能である。
以上の例では、ガソリンエンジンを搭載した車両の制御に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、ディーゼルエンジン等の他のエンジンを搭載した車両の制御にも適用可能である。さらに、本発明は、FR(フロントエンジン・リアドライブ)型車両に限られることなく、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両や、4輪駆動車の制御にも適用できる。
FF型のハイブリッド車両の一例を図15に示す。
図15に示すハイブリッド車両は、エンジン1、第1モータジェネレータMG1、第2モータジェネレータMG2、動力分配機構2、自動変速機3、ギヤ機構500、デファレンシャルギヤ6、及び、駆動輪7などを備えている。
この例のハイブリッド車両では、第2モータジェネレータMG2の回転軸が自動変速機3の入力軸に連結されている。また、自動変速機3の出力軸が動力分配機構2のリングギヤ軸21に連結されており、第2モータジェネレータMG2からの動力が自動変速機3、ギヤ機構500及びデファレンシャルギヤ6を介して駆動輪7に出力するように構成されている。
この例のハイブリッド車両において、動力分配機構2は図1に示したものと同じ構造である。また、自動変速機3は、図2に示したものと同じ構造であり、ブレーキB2を解放すると同時にブレーキB1を係合するクラッチツウクラッチ変速制御によって「Lo」から「Hi」へのアップ変速が達成され、ブレーキB1を解放すると同時にブレーキB2を係合するクラッチツウクラッチ変速制御によって「Hi」から「Lo」へのダウン変速が達成される。
そして、この図15に示すハイブリッド車両においても、シーケンシャルモードで高車速走行している場合にダウンシフト変速中にトルクダウンを実施できないと、変速対象である第2モータジェネレータMG2の吹きを制限できなくなるため、係合ショックが生じる場合があるが、このような構成のハイブリッド車両においても、図13の制御を実行することにより、変速ショックの抑制及び自動変速機3の摩擦係合要素(ブレーキB2)の摩擦材保護が可能になる。
本発明を適用するハイブリッド車両の一例を示す概略構成図である。 図1のハイブリッド車両に搭載される自動変速機の概略構成図である。 図1に示す自動変速機の作動表である。 自動変速機の油圧制御回路の一部を示す回路構成図である。 シフト操作装置の要部斜視図(a)及びシフト操作装置のシフトゲート(b)を併記して示す図である。 ECU等の制御系の構成を示すブロック図である。 要求トルク算出に用いるマップの一例を示す図である。 変速マップ(通常マップ)の一例を示す図である。 変速マップ(Sレンジダウンシフト変速線・高車速ダウンシフト変速線マップ)の一例を示す図である。 シーケンシャルシフト変速線マップ(通常マップ)の一例を示す図である。 高車速ダウンシフト変速線選択時のシーケンシャルシフト変速線マップの一例を示す図である。 エンジンの許容回転数を示す図である。 ECUが実行するシーケンシャルシフト変速線の変更制御の一例を示すフローチャートである。 通常マップ選択時と低車速側マップ選択時における許容回転数に対するエンジン回転数の関係を示すグラフである。 本発明を適用するハイブリッド車両の他の例を示す概略構成図である。
符号の説明
1 エンジン
2 動力分配機構
21 リングギヤ軸
3 自動変速機
B1,B2 ブレーキ(摩擦係合要素)
4 インバータ
5 バッテリ(蓄電装置)
7 駆動輪
8 シフト操作装置
S シーケンシャルポジション
MG1 第1モータジェネレータ
MG2 第2モータジェネレータ
100 ECU
201 エンジン回転数センサ
203 入力軸回転数センサ
204 出力軸回転数センサ
206 シフトポジションセンサ

Claims (3)

  1. エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間に設けられ、当該エンジンからの動力の少なくとも一部を駆動輪に出力する差動部と、前記差動部の回転要素に連結された第1電動機と、第2電動機と、前記第2電動機と駆動輪との間に設けられた有段式の自動変速機とを備えた車両の制御装置において、
    高車速ダウンシフト変速線を含む複数のダウンシフト変速線のうちの1つを選択して、前記自動変速機のダウンシフト変速操作の要否を判定する変速判定手段と、エンジン回転数を複数のシフト段に離散的に変更可能なシーケンシャルモードが選択されたときに、シーケンシャルシフト変速線に従ってエンジンの回転数を制御するシーケンシャルシフト制御手段と、前記高車速ダウンシフト変速線が選択されているときには、前記シーケンシャルシフト変速線を変更する変速線変更手段とを備えていることを特徴とする車両の制御装置。
  2. 請求項1記載の車両の制御装置において、
    前記変速線変更手段は、前記高車速ダウンシフト変速線が選択されているときに、シーケンシャルシフト変速線をエンジン回転数を下げる側に変更することを特徴とする車両の制御装置。
  3. エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間に設けられ、当該エンジンからの動力の少なくとも一部を駆動輪に出力する差動部と、前記差動部の回転要素に連結された第1電動機と、第2電動機と、前記第2電動機と駆動輪との間に設けられた有段式の自動変速機とを備えた車両の制御装置において、
    高車速ダウンシフト変速線を含む複数のダウンシフト変速線のうちの1つを選択して前記自動変速機のダウンシフト変速操作の要否を判定する変速判定手段と、エンジン回転数を複数のシフト段に離散的に変更可能なシーケンシャルモードが選択されたときに、シーケンシャルシフト変速線に従ってエンジンの回転数を制御するシーケンシャルシフト制御手段と、前記高車速ダウンシフト変速線が選択されているときには、前記シーケンシャルモードを禁止する禁止手段とを備えていることを特徴とする車両の制御装置。
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