JP2009184271A - 熱転写シート、熱転写シートセット及び画像形成方法 - Google Patents

熱転写シート、熱転写シートセット及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】色相ずれがなく、所望の低彩度印画物を得る。
【解決手段】 色材層D、D、Dを有し、各色材層による転写像の数式1の値Cがそれぞれ12未満であり、数式2、3より求めた各色材層による転写像の測色値P(a,b)が別の色材層による転写像の測色値と互いに異なる。
Cn=([an]^2+[bn]^2)^0.5 ・・・(数式1)
Cnは、彩度、a、bは、L=38相当の測色値を表し、数式2、3で定義される。
[a]=(ay−ax)/(Ly−Lx)(38−Lx)+ax ・・(数式2)
[b]=(by−bx)/(Ly−Lx)(38−Lx)+bx ・・(数式3)
Lx、ax,bx,Ly,ay,byは、ステアステップ状の転写像を形成したときの、L*=38前後のステップSx、Syの測色値を示す。
【選択図】図1

Description

本発明は、2種類以上の色材層を有する熱転写シート、色材層の種類毎に独立した熱転写シートを複数有する熱転写シートセット、この熱転写シート及び熱転写シートセットを用いた画像形成方法に関する。本発明は、特に、調色可能な機能を有する黒色系の熱転写シート、黒系の熱転写シートセット及びこれらを用いた画像形成方法に関するものである。
カラーハードコピーの一方式としては、昇華型熱転写方式がある。この昇華型熱転写方式では、基材フィルムの片面に耐熱滑性層、もう一方の面に色材層を設けた熱転写シートと、基材の少なくとも片面に受像層を有する被熱転写シートとが用いられる。昇華型熱転写方式では、熱転写シートの色材層が形成された面と、被熱転写シートの受像層が形成された面とを対向させ、熱転写シートの耐熱滑性層面からサーマルヘッドにより画像様の熱エネルギを印加することにより、熱転写シートの色材層から被熱転写シートの受像層面へ色材層中の色素分子を移行させ、被熱転写シートに転写像を形成するものである。この昇華型熱転写方式は、1画素内で連続した濃度階調が得られることから、写真画像の出力に好ましく用いられている。
この昇華型熱転写方式によって、白黒調の印画物を得る要望がある。白黒調の印画物は、次の構成の色材層を用いることで得ることができる。
(方法1)カラー用の熱転写シートを用いる方法
この方法1は、イエロー、マゼンタ、シアン、必要に応じてブラックの各色の色材層を設けた熱転写シートを用い、これらの減法混色により黒色/グレー色調を得る。この方法1では、イエロー、マゼンタ、シアンの色材層への熱エネルギー配分率を異ならせることにより、所望の色合いのグレー調印画を得ることができる。
しかしながら、この方法1では、グレー調印画の低濃度部において、意図しない色相ずれが生じやすい。ここで言う色相ずれとは、画像形成時の濃度の高低間で色調が微妙に異なる現象を意味する。この色相ずれは、本来低階調から高階調にわたって色調が同一であるべきモノクロ画像において、色調の不統一感を与えてしまい好ましくない。これは、サーマルヘッドの加熱により染料を転写する際の繰り返し再現性の不安定さに起因するものである。すなわち、この方法1においては、元々の3原色の色材層の彩度が高いため、低濃度のグレー領域では、環境温度やサーマルヘッド全体の温度の微妙な変化が、階調間におけるグレー色調の変化として現れてしまう問題がある。
白黒調の印画物を得る他の方法として、以下の方法2がある。
(方法2)白黒用の熱転写シートを用いる方法
この方法2では、色材層が無彩色に調色された熱転写シートを用いる。白黒調の熱転写シートとしては、下記の色材層からなるものが知られている。いずれも、可視光領域のほぼ全域に吸収をもたせることで無彩色を得ようとするものである。
(1)1種類の黒色系色素からなるもの(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
(2)最大吸収波長の異なる複数種類の低彩度色素を組み合わせたもの(例えば、特許文献3、特許文献4参照。)。
(3)減法混色の3原色にあたる色素を組合せて無彩色としたもの(例えば、特許文献5、特許文献6参照。)。
上記(2)の構成からなる色材層を用いる場合には、1回の熱転写のみでは充分な最高印画濃度(反射濃度2以上)が得られない場合があり、これを解決するため、同一色調の色材層を複数回重ねあわせて最高印画濃度を向上させる試みがなされている(例えば、特許文献7参照)。
また、白黒調の印画物を得る際に、所望の色調が得られるようにする画像形成方法としては、下記の特許文献8に記載されている方法が知られている。この特許文献8に記載されている方法では、種類の相反する対称的な色相からなる複数の色材層を有する熱転写シートを用いて、所望の色調を得ようとする提案がなされている。
上記方法2では、グレー調印画物の色調は予め決定されており、記録時にユーザーの好みに応じた色調を調整することができないという問題がある。これを解決するため、特許文献8では、2種類の異なる色相からなるインクシートを用いて、所望の色調を得ようとする提案がなされているが、色相の選択法は、対照的な色相に限定されているうえ、印画濃度高低間における色相ずれの問題点及び色相ずれを改善できることについて示唆されていない。
また、上記(1)〜(3)の白黒用の熱転写シートを用いた場合では、高感度の色材層が得にくいという問題がある。これは下記の理由によるものであり、白黒用熱転写シートの構成ごとに説明する。
上記(1)に記載した1種類の黒色系色素からなる熱転写シートでは、分子量も大きくなりがちで、染料の転写効率も低く、高感度は得にくいといった問題がある。
上記(2)に記載した最大吸収波長の異なる複数種類の低彩度色素を組み合わせたもの、上記(3)に記載した減法混色の3原色にあたる色素を組合せて無彩色としたものにおいては、使用する各色素の最大吸収波長における半値幅が、(2)の熱転写シートから(3)の熱転写シートに行くにつれ、狭くなり、多くの種類の色素が必要となる。
また、色材層を構成する色素とバインダ樹脂において、色素を安定して保持できる色素/バインダ配合比には上限がある。熱転写シートでは、色素/バインダ配合比の上限を超えると、色材層において色素が析出するという不具合が生じる虞がある。この制約により、使用する色素の種類が増加するにつれ、各成分の色素使用可能量を抑制せざるを得ず、1回の色材層の転写のみで充分な色材の転写(最高印画濃度にして2程度)を得ることが困難になる。このような問題に対しては、下記の特許文献7に記載した方法で解決できるものの、依然として色調選択の自由度がないという問題点は解消されない。
以上のように、昇華型熱転写方式によって、白黒調の印画物を得るために、上述したように、黒系色素からなる色材層を有する熱転写シート等を用いたり、所望の色調が得られるように種類の相反する対称的な色相からなる複数の色材層を有する熱転写シートを用いる方法を用いても、実用的な印画濃度が得られなかったり、低濃度領域における色相ずれを目立ちにくくできなかったり、満足できる所望のグレー色調が得られないといった問題がある。
特開平1−165486号公報 特開平2−265790号公報 特開平4−226393号公報 特開平10−86535号公報 特開平1−136787号公報 特開平7−304272号公報 特開平2−587号公報 特開平7−214804号公報
そこで、本発明は、実用的な印画濃度が得られるとともに低濃度領域における色相ずれを目立ちにくくすることと、所望のグレー色調(例えば赤み寄り、青み寄り)をユーザーが得られようにすることとを同時に満足する低彩度印画物が得られる熱転写シート、熱転写シートセット、この熱転写シート又は熱転写シートセットを用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成する本発明に係る熱転写シートは、被熱転写シートと重ね合わされ、基材の一方の面に形成された色材層より上記被熱転写シートの受像層に色材を熱移行させることにより転写像を形成するものであり、少なくとも2種類の色材層を並設したユニットが面順次に形成され、ユニット内に形成された各種色材層による転写像の下記数式1で示される値Cがそれぞれ12未満であると共に、下記数式2及び数式3より求めた各種色材層による転写像の測色値P(a,b)がユニット内の他の色材層による転写像の測色値と互いに異なることを特徴とする。
C=([a]^2+[b]^2)^0.5 ・・・(数式1)
ユニット内の各種色材層において、数式1中、Cは、彩度を表し、a、bは、各種色材層による転写像のL=38相当の測色値(L表色系[CIE 1976]、光源:D65、視野角:2度)を表し、下記数式2、数式3で定義される。
[a]=(ay−ax)/(Ly−Lx)(38−Lx)+ax ・・(数式2)
[b]=(by−bx)/(Ly−Lx)(38−Lx)+bx ・・(数式3)
数式2、数式3中、Lx、ax,bx,Ly,ay,byは、各種色材層を用いて被熱転写シートの受像層面にステアステップ状の転写像を形成したときの、L=38前後を示す隣り合ったステップSx、ステップSyの測色値を示す。
ステップSxの測色値(L,a,b)=(Lx,ax,bx)
ステップSyの測色値(L,a,b)=(Ly,ay,by)
このとき、Lx<38<Ly又はLx>38>Lyである。
また、上述した目的を達成する本発明に係る熱転写シートセットは、被熱転写シートと重ね合わされ、基材の一方の面に形成された色材層より被熱転写シートの受像層に色材を熱移行させることにより転写像を形成する、色材層の種類毎に独立した熱転写シートを複数有するものであり、各種熱転写シートの色材層による転写像の上記数式1で示される値Cがそれぞれ12未満であると共に、上記数式2及び数式3より求めた各種熱転写シートの色材層による転写像の測色値P(a,b)が熱転写シートセット内の他の熱転写シートの色材層による転写像の測色値と互いに異なることを特徴とする。
また、上述した目的を達成する本発明に係る画像形成方法は、熱転写シートと被熱転写シートとを重ね合わせて、熱転写シートの色材層より被熱転写シートの受像層に色材を熱移行させることにより転写像を形成する方法であり、少なくとも2種類の色材層を用い、色材層からの色材の被熱転写シートへの熱移行を順次行うことによって転写像の形成を行い、各種色材層による転写像の上記数式1で示される値Cがそれぞれ12未満であると共に、上記数式2及び数式3より求めた各種色材層による転写像の測色値P(a,b)が他の色材層による転写像の測色値と互いに異なることを特徴とする。
本発明では、各種色材層による転写像の彩度を表す数式1に示す値Cがそれぞれ12未満であると共に、数式2及び数式3より求めた各種色材層による転写像の測色値P(a,b)が他の色材層による転写像の測色値と互いに異なっている色材層を用いることによって、実用的な印画濃度が得られるとともに低濃度領域における色相ずれを目立ちにくくし、所望のグレー色調が得られるようになり、これらを同時に満足する低彩度印画物を得ることができる。
以下、本発明を適用した熱転写シート、熱転写シートセット及び画像形成方法について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明では、白黒調の画像を形成する際に、染料比率を上げることは黒濃度を得る上で重要な要素であるが、2回又は3回の重ね印画により黒を作成する際、3原色でなく、ブラックインクとして重ね印画することにより、3原色印画の際の課題(特に低濃度部)である、無彩色付近の色飛び(前後のstepと色調が微妙に異なること、なめらかな色調でなくなること)を抑制することができる。色飛びは、サーマルヘッドの加熱により染料を転写する際の繰り返し再現性に起因するもので、どうしても環境温度やヘッド全体の温度の影響を受けやすく、特に低濃度のグレーの階調再現において、階調毎に微妙にグレーの色調が変化してしまうものである。測色的には、なかなか数値としては捉えにくいが、人間の目は厳しく、容易に認識出来る。このため、本発明では、低彩度の熱転写シートを用いることで、色飛び(色相ずれ)を抑制する。つまり、本発明では、色素の転写誤差を彩度を低いことにより目立ちにくくする。
具体的に、熱転写シート1は、昇華型熱転写方式により、白黒調の印画物を形成する。この熱転写シート1は、図1に示すように、基材2の片面2aに、複数種類の低彩度の色材層Dn(nは2以上)、ここでは3つの色材層D、D、Dを有する色材層ユニットDが面順次に形成されている。この熱転写シート1には、少なくとも2種類の色材層が設けられている。この熱転写シート1は、図2に示す熱転写プリンタ装置10に取り付けられ、熱転写プリンタ装置10内に搬送された印画紙等の被熱転写シート11に対して色素を熱移行して、白黒調の画像(転写像)を形成する。
熱転写プリンタ装置10は、昇華型熱転写方式を採用したものであり、図2に示すように、熱転写シート1の色材層D、D、Dを基材2の裏面から加熱するサーマルヘッド12と、このサーマルヘッド12と対向した位置に設けられ、サーマルヘッド12との間で、熱転写シート1を挟持するプラテン13と、装着された熱転写シート1の走行をガイドするガイドローラ14と、熱転写シート1と共にサーマルヘッド12とプラテン13との間に被熱転写シート11を走行させるピンチローラ15及びキャプスタンローラ16とを備える。
このような構成の熱転写プリンタ装置10では、図2に示すように、熱転写シート1の巻取側スプール19を図2中矢印A方向に示す巻取方向に回転させることで、サーマルヘッド12とプラテン13との間で、熱転写シート1を供給側スプール20から巻取側スプール19に走行させ、ピンチローラ15とキャプスタンローラ16とで被熱転写シート11を挟み込み、キャプスタンローラ16を図2中矢印B方向に示す排紙方向に回転させることで、排紙方向に被熱転写シート11を走行させ、被熱転写シート11の画像を形成する画像形成領域の始端をサーマルヘッド12と対向させる。
被熱転写シート11に画像を印画する際には、先ず、サーマルヘッド12によって熱転写シート1の色材層ユニットD内の1番目に形成されている色材層Dに熱エネルギを画像データに基づいて選択的に印加し、色材層D中の色素を熱転写シート1と重なり合って走行している被熱転写シート11に熱移行する。色材層Dの色素を熱移行した後、被熱転写シート11の画像形成領域に2番目に形成されている色材層D中の色素を熱移行するため、被熱転写シート11をサーマルヘッド12側(図1中矢印C方向)に搬送させ、画像形成領域の始端をサーマルヘッド12と再び対向させ、熱転写シート1の色材層Dもサーマルヘッド12と対向させる。そして、色材層Dの色素を熱移行する場合と同様に、色材層Dに対しても、サーマルヘッド12によって画像データに基づいて選択的に熱エネルギを印加して、色材層Dの色素を被熱転写シート11の画像形成領域に熱移行する。色材層D中の色素も、色材層Dと同様にして被熱転写シート11に熱移行することによって、白黒調の画像を印画する。
白黒調の画像が印画される被熱転写シート11は、その記録面が熱転写シート1の色素を受容して、受像性を有するものであれば特に限定されるものではない。なお、受像性を有しない紙、金属、ガラス、合成樹脂等も用いることができ、これらにより被熱転写シート11を形成する場合には、上述したように、熱転写シート1から転写型の受像層を転写して、被熱転写シート11上に受像層を形成したり、被熱転写シート11の少なくとも一部の表面、即ち少なくとも画像形成領域に受像層を予め形成すればよい。受像性を有する被熱転写シート11であっても、記録面に受像層を形成してもよい。
熱転写プリンタ装置10により、被熱転写シート11に対して色素を熱移行して、白黒調の画像を形成する熱転写シート1について、具体的に説明する。
図1に示すように、熱転写シート1は、基材2の片面2aに、低彩度の色材層D、D、Dを有する色材層ユニットDが面順次に形成されている。基材2の裏面には、必要に応じて、耐熱滑性層を形成してもよい。
基材2は、従来から公知のもので、ある程度の耐熱性と強度を有すればよく、例えば、長尺状で、0.5μm〜50μm、好ましくは3μm〜15μm程度の厚さの紙、各種加工紙、ポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルフォンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、セロファン等が挙げられ、特に好ましいものとしてはポリエステルフィルムが挙げられる。
色材層D、D、Dは、色素と、この色素を坦持するためのバインダ樹脂とを主成分として形成されている。
色素としては、C.I.ディスパースオレンジ13、C.I.ディスパースブルー148、C.I.ディスパースバイオレット26、C.I.ディスパースレッド343等を挙げることができる。また、色素としては、下記の化学式1、化学式2に示すものも用いることができる。色材層D、D、Dには、これらを単独又は複数混合して用いることができる。
Figure 2009184271
Figure 2009184271
色材層D、D、Dにおいて、色素を坦持するためのバインダ樹脂としては、従来公知のものがいずれも使用することができる。バインダ樹脂としては、例えば、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。これらを混合又は共重合して使用してもよい。
色材層ユニットD内の色材層D、D、Dは、これらのうち、各種色材層D、D、Dによる転写像の下記数式1に示された値Cがそれぞれが12未満であると共に、下記数式2及び数式3より求めた各種色材層D、D、Dの転写像の測色値P(a,b)が色材層ユニットD内の別の色材層D、D、Dの転写像の測色値と互いに異なっている。
C=([a]^2+[b]^2)^0.5 ・・・(数式1)
数式1中、Cは、彩度を表し、a、bは、色材層D、D、Dによる転写像のL=38相当の測色値(L表色系[CIE 1976]、光源:D65、視野角:2度)を表し、下記数式2、数式3で定義される。
[a]=(ay−ax)/(Ly−Lx)(38−Lx)+ax ・・(数式2)
[b]=(by−bx)/(Ly−Lx)(38−Lx)+bx ・・(数式3)
数式2、数式3中、Lx、ax,bx,Ly,ay,byは、各種色材層D、D、Dを用いて被熱転写シート11の受像層面にステアステップ状の転写像を形成したときの、L=38前後を示す隣り合ったステップSx、ステップSyの測色値を示す。
ステップSxの測色値(L,a,b)=(Lx,ax,bx)
ステップSyの測色値(L,a,b)=(Ly,ay,by)
このとき、Lx<38<Ly又はLx>38>Lyである。
ステアステップ状の転写像とは、RGBの0〜255までの256段階の色の階調を16ステップに分けた輝度データプロファイルを例えば5種類用意し、このうち1つの輝度データプロファイルを独立して1つ選択し、RGB各チャンネルの輝度プロファイルを設定し、この輝度データプロファイルに基づいて、16階調のステアステップパターンのビットマップ画像データを印画して得られる画像である。
以下に、16階調のステアステップパターンのビットマップ画像データの作成方法について、一例を挙げて説明する。先ず、熱転写シート1を作製する。熱転写シート1は、例えばプリントパック(UPC−R154H;ソニー株式会社製)の熱転写シートのYellow,Magenta,Cyanの各カラーパッチをそれぞれ、表1に示す色材層D、D、D(以下、色材層I、II、IIIという。)に置き換え、色材層I、II、IIIを面順次に設けて作製した。
具体的に、一方の面に耐熱滑性層を有する4.5μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムのもう一方の面に、下記表1に記載の組成からなる色材層I、II、III形成用塗工液組成物をワイヤーバー#8を用いて塗工し、110℃1分乾燥することで各々の色材層I、II、IIIを形成して熱転写シート1を作製した。
Figure 2009184271
作製した熱転写シート1を使用して、前記プリントパックUPC−R154H(ソニー株式会社社製)の被熱転写シートを組合せ、カラー昇華熱転写プリンタ装置(DR150:ソニー株式会社製)を用いて、表2で示される如くRGBの輝度バランスを様々に異ならせた5種類の輝度データプロファイル(N、H、L、HS、HW)から1つ選択し、選択した輝度データプロファイルに基づいて、ビットマップ画像データ(16階調のステアステップパターン)を印画することで、16階調のステアステップ状の転写像(画像)を得た。なお、印画の際には、色材層I/色材層II/色材層IIIそれぞれ同じリニアγを用いた。
Figure 2009184271
Figure 2009184271
ステアステップ状の転写像の画像データを作成するにあたり、表2に示すように5種類(N、H、L、HS、HW)の輝度データプロファイルから、独立して1つ選択して、RGB各チャンネルの輝度プロファイルを設定した。ここでは、表2中、Nで示すRGB各チャンネルの輝度プロファイルを設定した。
表2のRGB輝度データと、カラー昇華熱転写プリンタ装置から熱転写シート1の各色材層I、II、IIIに印加されるエネルギ量の関係は、Y=255−B、M=255−G、C=255−Rである。したがって、表2で示される輝度データプロファイルを色材層I、II、IIIに印加するエネルギープロファイルEm(ここでm=1〜3の整数)に置き換えると表3の通りになる。なお、ここでは、一例として表2及び表3で表現されるプロファイルデータを用いて各色材層I、II、IIIへの印加エネルギ比率を変化させたが、本発明はこれらに限定されるものではない。
各色材層I、II、IIIにおいて、16階調のステアステップパターンの画像のうち、L=38前後を示す隣り合ったステップSx、ステップSyの測色値、即ちステップSxの測色値(L,a,b)=(Lx,ax,bx)、ステップSyの測色値(L,a,b)=(Ly,ay,by)を求める。このとき、Lx<38<Ly又はLx>38>Lyである。
ステップSx、ステップSyの測色値(L,a,b)は、得られた16階調のステアステップパターンの画像をSpectroEye(MacbethGretag社製色彩濃度測定装置)を用いて測色した。測色には、D65光源/2°視野/ANSI_Aフィルターを用い、最高印画濃度(ODmax)及びCIE 1976(L,a,b)空間における色座標を測定した。ステップSxの測色値(Lx,ax,bx)、ステップSyの測色値(Ly,ay,by)、ODmaxを表4に示す。各ステップSx、Syの測色値(Lx,ax,bx)、(Ly,ay,by)を用いて、数式2及び数式3より、L=38相当の画像の測色値a,bを求める。L=38相当を基準とする理由は、ODmaxが1以上であり、十分な印画濃度が得られるからである。求めたa,bを用いて、数式1より、各色材層I、II、IIIによるL=38相当の画像の彩度Cを求めた。各色材層I、II、IIIによる画像の彩度Cを表4に示す。
Figure 2009184271
表4に示すように、各色材層I、II、IIIによるL=38相当の画像(転写像)a〜cは、彩度を表す数式1に示されたC値がすべて12未満であり、各色材層I、II、IIIによる画像a〜cの測色値P(a、b)が互いに異なっている。各色材層I、II、IIIによる画像a〜cをL表色系色度図上に表すと図3のa〜cようになる。
各色材層I、II、IIIによる画像において、数式1で示されるC値がそれぞれ12未満であり、色材層I、II、IIIによる画像の測色値P(a*、b*)が互いに異なるようにするには、各色材層I、II、IIIに含有させる色材の種類や含有量を調整することによって実現することができる。
次に、色材層I、II、IIIのうち2つ色材層I、II、IIIを用いた場合には、表5に示す対応する色材層I、II、IIIによる画像が重なるように、印画を行い、得られた色材層Iと色材層IIによる画像d、色材層IIと色材層IIIによる画像e、色材層Iと色材層IIIによる画像fのC値、測色値a,bを表5に示した。画像d〜fをL表色系色度図上に表すと図3のd〜fのようになる。各色材層I、II、IIIに印加するエネルギは、表3中Nで示す印加エネルギープロファイルを用いた。
Figure 2009184271
次に、すべての色材層I、II、IIIを用いた場合には、色材層I、II、IIIによる画像が重なるように印画を行い、得られた画像g〜mのC値、測色値a,bを表6に示した。各画像g〜mをL表色系色度図上に表すと図3のg〜mのようになる。なお、画像gでは、色材層I、II、IIIのすべてに均等に印加エネルギ(表3中Nで示す印加エネルギープロファイル)を印加し、印画像h〜jでは、色材層I、II、IIIのうち特定の1の色材層I、II、IIIのみを強調(表3中Hで示す印加エネルギープロファイル)し、残りの色材層I、II、IIIは抑制(表3中Lで示す印加エネルギープロファイル)し、画像k〜mでは、色材層I、II、IIIのうち特定の2の色材層I、II、IIIのみを強調(表3中Hで示す印加エネルギープロファイル)し、残りの色材層I、II、IIIは抑制(表3中Lで示す印加エネルギープロファイル)した。
Figure 2009184271
図3から分かるように、色材層I、II、IIIを用いた場合には、色みがかったグレー調の調色が可能であることが分かる。
次に、色材層I、II、IIIに代えて、表7に示す色材層IV、Vを有する熱転写シート1を用いた場合について説明する。
この熱転写シート1は、プリントパック(UPC−R154H;ソニー株式会社製)の熱転写シートのYellow,Magentaの各カラーパッチをそれぞれ、下記7に示す色材層IV、Vに置き換えることにより、色材層IV、Vを面順次に設けて作製した。なお、色材層IV、Vは、色材層D、Dに相当するものであり、ここでは、Cyanに相当するカラーパッチは熱転写に供しない。
Figure 2009184271
作製した色材層IV、Vを有する熱転写シート1においても、上述した色材層I、II、IIIと同様に、表3の印加エネルギープロファイルに基づいて各色材層IV、Vに印加エネルギを印加して、16階調のステアステップパターンの画像を印画し、L=38相当の画像a〜gの彩度を表す数式1に示すC値、数式2及び数式3で定義される測色値a,bを求めた。色材層IV、Vをそれぞれ単独で印画して得られた画像a、bの結果を表8に示し、色材層IV、Vをすべて用いて印画して得られた画像c〜gの結果を表9に示し、画像a〜gをL表色系色度図上に表すと図4のa〜gのようになる。なお、画像a〜cでは、色材層IV、Vに均等な印加エネルギ(表3中Nで示す印加エネルギープロファイル)を印加し、印画像d、eでは、色材層IV、Vのうち特定の1の色材層IV、Vのみを弱く強調(表3中HWで示す印加エネルギープロファイル)し、印画像f、gでは、色材層IV、Vのうち特定の1の色材層IV、Vのみを強く強調(表3中HSで示す印加エネルギープロファイル)した。
Figure 2009184271
Figure 2009184271
図4から分かるように、色材層IV、Vを用いた場合にも、色みがかったグレー調の調色が可能であることが分かる。
次に、色材層I、II、IIIに代えて、表10に示す色材層VI、VII、VIIIを有する熱転写シート1を用いた場合について説明する。
この熱転写シート1は、色材層I、II、IIIに代えて、色材層VI、VII、VIIを形成したこと以外は、上述した色材層I、II、IIIを有する熱転写シート1と同様に作製した。表10中の化学式1及び化学式2の色素は以下に示すものである。
Figure 2009184271
Figure 2009184271
Figure 2009184271
作製した熱転写シート1を用いて、色材層I、II、IIIを有する熱転写シート1と同様にして、表3の印加エネルギープロファイルに基づいて、各色材層VI、VII、VIIIに印加エネルギを印加して、16階調のステアステップパターンの画像を印画し、L=38相当の画像a〜mの彩度を表す数式1に示すC値、数式2及び数式3で定義されるL=38相当の測色値a,bを求めた。色材層VI、VII、VIIIをそれぞれ単独で印画して得られた画像a〜cの結果を表11に示し、色材層VI、VII、VIIIのうち2つの色材層を用いて印画して得られた画像d〜fの結果を表12に示し、色材層VI、VII、VIIIをすべて用いて印画して得られた画像g〜mの結果を表13に示し、画像a〜mをL表色系色度図上に表すと図5のa〜mのようになる。なお、画像a〜gでは、使用する色材層VI、VII、VIIIに均等な印加エネルギ(表3中Nで示す印加エネルギープロファイル)を印加し、印画像h〜jでは、色材層VI、VII、VIIIのうち特定の1の色材層VI、VII、VIIIのみを強調(表3中Hで示す印加エネルギープロファイル)し、他の色材層VI、VII、VIIIは抑制(表3中Lで示す印加エネルギープロファイル)し、画像k〜mでは、色材層VI、VII、VIIIのうち特定の2の色材層VI、VII、VIIIのみを強調(表3中Hで示す印加エネルギープロファイル)し、他の色材層VI、VII、VIIIは抑制(表3中Lで示す印加エネルギープロファイル)した。
Figure 2009184271
Figure 2009184271
Figure 2009184271
図5から分かるように、色材層VI、VII、VIIIを用いた場合にも、色みがかったグレー調の調色が可能であることが分かる。
次に、色材層IV、Vに代えて、表14に示す色材層IX、Xを有する熱転写シート1を用いた場合について説明する。
この熱転写シート1は、色材層IV、Vに代えて、色材層IX、Xを形成したこと以外は、上述した色材層IV、Vを有する熱転写シート1と同様に作製した。表14中の化学式1及び化学式2の色素は、色材層VI、VII、VIIIに用いたものと同様である。
Figure 2009184271
作製した熱転写シート1を用いて、色材層IV、Vを有する熱転写シート1と同様にして、表3の印加エネルギープロファイルに基づいて、各色材層IX、Xに印加エネルギを印加して、16階調のステアステップパターンの画像を印画し、L=38相当の画像a〜gの彩度を表す数式1に示すC値、数式2及び数式3で定義されるL=38相当の測色値a,bを表15、表16に示し、画像a〜gをL表色系色度図上に表すと図6のa〜gのようになる。なお、画像a〜cでは、色材層IX、Xに均等な印加エネルギ(表3中Nで示す印加エネルギープロファイル)を印加し、画像d、eでは、色材層IX、Xのうち特定の1の色材層IX、Xのみを弱く強調(表3中HWで示す印加エネルギープロファイル)し、印画像f、gでは、色材層IX、Xのうち特定の1の色材層IX、Xのみを強く強調(表3中HSで示す印加エネルギープロファイル)した。
Figure 2009184271
Figure 2009184271
図6から分かるように、色材層IX、Xを用いた場合にも、色みがかったグレー調の調色が可能であることが分かる。
上述した低彩度の色材層(色材層I、II、III等)を有する熱転写シート1に対して、プリントパックUPC−R154H(ソニー株式会社製)の熱転写シートを用い、この熱転写シートと被熱転写シートとを組合せ、カラー昇華熱転写プリンタ装置(DR150:ソニー株式会社製)を用いて、該プリンタ装置の内蔵γを用いて、イエロー、マゼンタ、シアンの各色材層よりブラックの16階調の画像を作製した。なお、このとき同時に前記イエロー、マゼンタ、シアンの各色材層単独で16階調印画をおこなったが、単一の色材層ではいずれも明度が高すぎてL=38前後を示す階調部を得ることが出来なかった。
上述した色材層I、II、III、色材層IV、V、色材層VI、VII、VIII、色材層IX、Xを有する熱転写シート1、及びイエロー、マゼンタ、シアンの色材層を有する熱転写シートを用いて作製したグレー色調の16階調の画像の色調を目視で判断した結果を表17に示す。表17中、階調間での色相ずれが目立たないものを〇、目立つものを×とした。
Figure 2009184271
表17に示す結果から、イエロー、マゼンタ、シアンの色材層を有する熱転写シートでは、階調間での色相ずれが目立っていることが分かる。
これに対して、色材層I、II、III、色材層IV、V、色材層VI、VII、VIII、色材層IX、Xを有する熱転写シート1では、ユニット内の各種色材層I、II、III・・・による画像の彩度を表す数式1に示すC値が全て12未満であり、数式2及び数式3で定義されるL=38相当の測色値P(a,b)が互いに異なっていることから、得られた画像の色相ずれが目立たず、抑制されていることが分かる。
なお、上述した色材層ユニットDには、色材層D、D、D(色材層I、II、III等)の3種類の色材層を設けたが、例えば、印画する印画物の色調によって、彩度Cや測色値P(a、b)が異なる色材層D、D・・・を有していてもよく、2以上の色材層を面順次に形成する。
また、熱転写シート1には、色材層ユニットDの他に、必要に応じて、この色材層ユニットD間に、色材層ユニットDによる白黒調の画像上に転写され、画像を保護する転写性の保護層を有していてもよい。
以上のような熱転写シート1を用いて、上述した熱転写プリンタ装置10による画像形成方法では、色材層D、D、Dによる画像の彩度を表す数式1に示すC値がそれぞれ12未満であり、数式2及び数式3より求めた各色材層D、D、Dによる画像の測色値P(a,b)が互いに異なっているため、このような色材層D、D、Dを用いることによって、実用的な印画濃度が得られるとともに低濃度領域における色相ずれを目立ちにくくすることができ、赤み寄り、青み寄り等、ユーザが所望するグレー色調を形成することができ、これらを同時に満足する低彩度印画物を得ることができる。
上述した画像形成方法では、熱転写シート1を加熱する熱付与手段としてサーマルヘッドが1つ設けられた熱転写プリンタ装置10を用いたが、複数の熱付与手段、即ち複数のサーマルヘッドが設けられた、いわゆる図7に示すタンデム方式の熱転写プリンタ装置30を用いてもよい。
このタンデム方式の熱転写プリンタ装置30により印画を行う場合には、上述した熱転写シート1における色材層D、D、Dが、独立してそれぞれ熱転写シート3、4、5に設けられており、熱転写シート3に色材層Dが形成され、熱転写シート4に色材層Dが形成され、熱転写シート5に色材層Dが形成され、この複数の熱転写シート3、4、5からなる熱転写シートセット6を用いる。
このタンデム方式の熱転写プリンタ装置30は、熱転写シート3、4、5毎に、サーマルヘッド12とプラテン13とを設け、装置内に搬送された被熱転写シート11に対して、上述した熱転写プリンタ装置10と同様に、熱転写シート3、4、5のサーマルヘッド12を記録信号に応じて、それぞれ駆動し、各色材層D、D、Dの色素をそれぞれ選択的に加熱して、色素を被熱転写シート11に熱移行して、白黒調の画像を形成する。なお、熱転写プリンタ装置30において、熱転写プリンタ装置1と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
このようなタンデム方式の熱転写プリンタ装置30に用いられる熱転写シートセット6を構成する熱転写シート3は、図8に示すように、基材2の片面2aに、上述した熱転写シート1の色材層Dと同じ色材層Dが面順次に形成されている。同様に、熱転写シート4には、熱転写シート1の色材層Dと同じ色材層Dが面順次に形成され、熱転写シート5には、熱転写シート1の色材層Dと同じ色材層Dが面順次に形成されている。即ち、熱転写シートセット6において、上述した色材層色材層I、II、III、色材層IV、V、色材層VI、VII、VIII、色材層IX、Xを適用することができる。したがって、この熱転写シートセット6は、上述した熱転写シート1と同様に、表4〜表6、表8、表9、表11〜13、表15、表16に示すように、各熱転写シート3、4、5に形成されている色材層D、D、Dによる画像の彩度を表す上記数式1で示される値Cがそれぞれ12未満であり、数式2及び数式3より求めた各色材層D、D、Dによる画像の測色値P(a,b)が互いに異なる。
このような熱転写シートセット6を用いて、熱転写プリンタ装置30による画像形成方法では、熱転写シートセット6のうちの各種熱転写シート3、4、5の色材層D、D、Dによる画像の彩度を表す数式1に示すC値がそれぞれ12未満であり、数式2及び数式3より求めた各種熱転写シート3、4、5の色材層D、D、Dによる画像の測色値P(a,b)が互いに異なっているこれらの熱転写シート3、4、5を用いることによって、実用的な印画濃度が得られるとともに低濃度領域における色相ずれを目立ちにくくすることができ、例えば赤み寄り、青み寄りのユーザーが所望するグレー色調を形成することができ、これらを同時満足する所望の低彩度印画物を得ることができる。
なお、各熱転写シート3、4、5には、色材層D、D、Dの他に、必要に応じて、各色材層D、D、D間に、色材層D、D、Dによる白黒調の画像上に転写され、この画像を保護する転写性の保護層を有していてもよい。
また、熱転写シートセット6には、上述した熱転写シート3、4、5の他に、例えば、印画する印画物の色調によって、彩度Cや測色値P(a、b)が異なる色材層を有する熱転写シートを有していてもよく、2以上の熱転写シートを有する。
本発明を適用した熱転写シートの平面図である。 熱転写プリンタ装置の概略図である。 色材層D1、D2、D3(色材層I、II、III)による画像のL表色系色度図である。 色材層IV、Vによる画像のL表色系色度図である。 色材層VI、VII、VIIIによる画像のL表色系色度図である。 色材層IX、Xによる画像のL表色系色度図である。 タンデム方式の熱転写プリンタ装置の概略図である。 本発明を適用した熱転写シートの平面図である。
符号の説明
1 熱転写シート、2 基材、3 熱転写シート、4 熱転写シート、5 熱転写シート、10 熱転写プリンタ装置、11 被熱転写シート、30 熱転写プリンタ装置、D ユニット、D、D、D 色材層

Claims (3)

  1. 被熱転写シートと重ね合わされ、基材の一方の面に形成された色材層より上記被熱転写シートの受像層に色材を熱移行させることにより転写像を形成する熱転写シートにおいて、
    少なくとも2種類の色材層を並設したユニットが面順次に形成され、
    上記ユニット内に形成された各種色材層による転写像の下記数式1で示される値Cがそれぞれ12未満であると共に、下記数式2及び数式3より求めた上記各種色材層による転写像の測色値P(a,b)が上記ユニット内の他の上記色材層による転写像の測色値と互いに異なることを特徴とする熱転写シート。
    C=([a]^2+[b]^2)^0.5 ・・・(数式1)
    数式1中、Cは、彩度を表し、a、bは、上記各種色材層による転写像のL=38相当の測色値(L表色系[CIE 1976]、光源:D65、視野角:2度)を表し、下記数式2、数式3で定義される。
    [a]=(ay−ax)/(Ly−Lx)(38−Lx)+ax ・・(数式2)
    [b]=(by−bx)/(Ly−Lx)(38−Lx)+bx ・・(数式3)
    数式2、数式3中、Lx、ax,bx,Ly,ay,byは、上記各種色材層を用いて上記被熱転写シートの受像層面にステアステップ状の転写像を形成したときの、L=38前後を示す隣り合ったステップSx、ステップSyの測色値を示す。
    ステップSxの測色値(L,a,b)=(Lx,ax,bx)
    ステップSyの測色値(L,a,b)=(Ly,ay,by)
    このとき、Lx<38<Ly又はLx>38>Lyである。
  2. 被熱転写シートと重ね合わされ、基材の一方の面に形成された色材層より上記被熱転写シートの受像層に色材を熱移行させることにより転写像を形成する、上記色材層の種類毎に独立した熱転写シートを複数有する熱転写シートセットにおいて、
    上記各種熱転写シートの色材層による転写像の下記数式1で示される値Cがそれぞれ12未満であると共に、下記数式2及び数式3より求めた上記各種熱転写シートの色材層による転写像の測色値P(a,b)が上記熱転写シートセット内の他の上記熱転写シートの色材層による転写像の測色値と互いに異なることを特徴とする熱転写シートセット。
    C=([a]^2+[b]^2)^0.5 ・・・(数式1)
    数式1中、Cは、彩度を表し、a、bは、上記各種熱転写シートの色材層による転写像のL=38相当の測色値(L表色系[CIE 1976]、光源:D65、視野角:2度)を表し、下記数式2、数式3で定義される。
    [a]=(ay−ax)/(Ly−Lx)(38−Lx)+ax ・・(数式2)
    [b]=(by−bx)/(Ly−Lx)(38−Lx)+bx ・・(数式3)
    数式2、数式3中、Lx、ax,bx,Ly,ay,byは、上記各種色材層を用いて被熱転写シートの受像層面にステアステップ状の転写像を形成したときの、L=38前後を示す隣り合ったステップSx,ステップSyの測色値を示す。
    ステップSxの測色値(L,a,b)=(Lx,ax,bx)
    ステップSyの測色値(L,a,b)=(Ly,ay,by)
    このとき、Lx<38<Ly、又はLx>38>Lyである。
  3. 熱転写シートと被熱転写シートとを重ね合わせて、上記熱転写シートの色材層より上記被熱転写シートの受像層に色材を熱移行させることにより転写像を形成する熱転写による画像形成方法において、
    少なくとも2種類の色材層を用い、上記色材層からの色材の被熱転写シートへの熱移行を順次行うことによって転写像の形成を行い、各種上記色材層による転写像の下記数式1で示される値Cがそれぞれ12未満であると共に、下記数式2及び数式3より求めた上記各種色材層による転写像の測色値P(a,b)が他の上記色材層による転写像の測色値と互いに異なることを特徴とする画像形成方法。
    C=([a]^2+[b]^2)^0.5 ・・・(数式1)
    数式1中、Cは、彩度を表し、a、bは、上記各種色材層による転写像のL=38相当の測色値(L表色系[CIE 1976]、光源:D65、視野角:2度)を表し、下記数式2、数式3で定義される。
    [a]=(ay−ax)/(Ly−Lx)(38−Lx)+ax ・・(数式2)
    [b]=(by−bx)/(Ly−Lx)(38−Lx)+bx ・・(数式3)
    数式2、数式3中、Lx、ax,bx,Ly,ay,byは、上記各種色材層を用いて被熱転写シートの受像層面にステアステップ状の転写像を形成したときの、L=38前後を示す隣り合ったステップSx,ステップSyの測色値を示す。
    ステップSxの測色値(L,a,b)=(Lx,ax,bx)
    ステップSyの測色値(L,a,b)=(Ly,ay,by)
    このとき、Lx<38<Ly、又はLx>38>Lyである。
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