JP2009183802A - 光触媒装置 - Google Patents

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一也 木暮
Osamu Miyoshi
理 三好
Takeshi Aoki
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Abstract

【課題】光触媒作用を効率よく得られる光触媒装置を提供する。
【解決手段】内部を伝搬する光を側面から漏光させる光ファイバケーブル2と、光ファイバケーブル2の側面に形成される光触媒層3と、を少なくとも備え、光ファイバケーブル2は、破線41が示す所定の大きさの範囲内で、光ファイバケーブル2の長手方向の向かう先を、光ファイバケーブル2の相対する側面の間に間隙が設けられるように変化させた形状に固定されてなる光触媒装置10を構成させる。光ファイバケーブル2は、内部を伝搬する光を側面から漏光させるための処理が施された側面を有する。光ファイバケーブル2は、内部を伝搬する光を側面から漏光させるための突出部を有する。光ファイバケーブル2は、光ファイバケーブル2の相対する側面の間に間隙を設けるための突出部を有する。光ファイバケーブル2の内部を伝搬する光は、レーザ光である。
【選択図】図1

Description

本発明は、光触媒装置に関する。
近年、光触媒作用を用いて、居住空間や作業空間に浮遊する悪臭成分、VOC(Volatile Organic Compounds)、細菌等の有機物を分解除去する光触媒装置が提案されている。このような光触媒装置は、例えば、酸化チタン等の光触媒を担持するプレート状の光触媒担持体と、プレート状の光触媒担持体に向けて紫外光を出射するUV(Ultraviolet)ランプ等の光源と、プレート状の光触媒担持体に空気流を送る送風機と、を備えて構成される。プレート状の光触媒担持体に対して、光源から光を照射させるとともに、送風機によって空気流を送る。これによって、空気流中の有機物は、プレート状の光触媒担持体に担持された光触媒の表面に接触し、酸化分解されて空気中から除去される。
また、光触媒作用を効率よく得るために、例えば単位体積当たりの光触媒の比表面積を増加させるという観点に基づいた各種光触媒装置が提案されている。例えば、半永久的に使用することのできる光触媒装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
当該光触媒装置では、例えば光触媒担持体を多孔質状とし、その外面と孔内に光触媒を担持させることによって、光触媒担持体の単位体積当たりの光触媒担持量を増加させる。そして、多孔質状の光触媒担持体に対して、光源から光を照射させるとともに、送風機によって空気流を送り、多孔質状の光触媒担持体の孔内に空気流を通過させる。これによって、空気流と接触する光触媒の比表面積を増加させることができ、空気流中の有機物と光触媒の表面との接触機会を増加させることとなるため、有機物除去の効率化が図られる。
特開2001−246228号公報(第1−2頁、第1−31図)
しかしながら、光触媒の比表面積を増加させるだけでは、光触媒作用の効率化を十分に図ることはできない。光触媒の表面に光触媒作用を起こさせるためには、光触媒の表面が光照射によって活性化されている必要があるためである。上記従来の光触媒装置にあっては、光源からの照射光が、多孔質状の光触媒担持体の深層部には殆ど到達せず、光触媒の比表面積を増加させる一方で、光触媒への光照射効率が損なわれることが懸念される。よって、光触媒を十分に活性化させることができず、光触媒作用を十分に得ることができない虞があった。
また、多孔質状の光触媒担持体の全体に亘ってUVランプ等の光源からの光を照射させるには、光源と多孔質状の光触媒担持体との間隔を広げる等の手段によって光の照射面積を広げる必要がある。しかし、このことは、装置の大型化を招く弊害があり、更には、光触媒への光の照射効率を低下させて光触媒作用を効率よく得られない虞があった。
さらに、光源の表面が汚れで覆われる等、光源と多孔質状の光触媒担持体との間に存在する空間や介在物によって、光触媒への照射光が遮られてしまう場合も、光触媒への光の照射効率が低下するため光触媒作用を効率よく得られない虞があった。
以上から、上記従来の光触媒装置においては、有機物を分解除去するために十分な光触媒作用が得られない虞があった。
前述した課題を解決する主たる発明は、光触媒装置であって、内部を伝搬する光を側面から漏光させる光ファイバケーブルと、前記光ファイバケーブルの側面に形成される光触媒層と、を少なくとも備え、前記光ファイバケーブルは、所定の大きさの範囲内で、前記光ファイバケーブルの長手方向の向かう先を、前記光ファイバケーブルの相対する前記側面の間に間隙が設けられるように変化させた形状に固定されてなること、を特徴とする。
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
本発明によれば、光触媒作用を効率よく得られる光触媒装置を提供することができる。
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
[実施例1]
<<光触媒装置の構成>>
本発明に係る光触媒装置の一実施形態の構成について、図1、図2、図3、図4を参照しつつ説明する。
図1は、光ファイバケーブル2が例えばランダムに折り曲げられた後に、樹脂溶剤内に含まれる結着性成分により固定されて形成された光触媒装置10を示した説明図である。
光触媒装置10は、気体中または液体中の不要な有機物を光触媒作用によって分解除去する光触媒フィルタ機能を備えており、空気清浄機、排ガス処理装置、浄水器、排水処理装置等といった流体の浄化を目的とする装置の部材として用いられる。
図1に示すように、光触媒装置10は、光ファイバケーブル2と、光ファイバケーブル2の側面に形成されている光触媒層3と、を有している。また、光触媒装置10の光ファイバケーブル2の光入射端2p側には光導入部4を介して光源1が備えられる。
尚、図4に示すように、光触媒装置10を構成する装置主体部10aは、光ファイバケーブル2の長手方向の向かう先(例えば図4中の細い矢印の方向)を、破線41が示す所定の大きさの範囲内で、光ファイバケーブル2の相対する側面の間に間隙が設けられるように変化させた形状に固定されている。さらに、光ファイバケーブル2の側面の全体、即ち、光ファイバケーブル2の周面には光触媒層3が形成されており、前述のような形状に固定された光ファイバケーブル2が光触媒担持体とされることで構成される。
ここで、破線41とは、光触媒装置10を使用する環境に応じて、任意に設定される光触媒装置10の大きさを示すものである。本実施形態における光触媒装置10を構成する装置主体部10aの形状は、略直方体とされている。尚、図1に示される破線41は、光触媒装置10を構成する装置主体部10aの形状が略直方体であることをわかり易くするために、説明の便宜上記したものであって、光触媒装置10を構成するものではない。
また、光ファイバケーブル2の長手方向の向かう先を変化させた形状とは、長手方向の向かう先を、破線41が示す範囲内の3次元方向に、様々な曲率を有するように折り曲げていき、破線41が示す範囲内での光ファイバケーブル2の密度を増加させた形状である。
また、光ファイバケーブル2の相対する側面の間に設けられる間隙とは、光ファイバケーブル2の長手方向の向かう先を変化させる際に、破線41の示す範囲内に満たされた光ファイバケーブル2の相対する側面同士を多くの部分で密着させないことで、当該側面の間に形成される間隙である。
上記の間隙によって、光ファイバケーブル2の側面の全体、即ち、光ファイバケーブル2の周面に形成されている光触媒層3の表面同士も多くの部分で密着せず、表面が遮蔽されないため、破線41が示す範囲内の光触媒層3の表面積を増加させることができる。また、上記の間隙によって、光ファイバケーブル2の相対する側面の間に流体を通過させることができるため、流体中の有機物と光触媒層3の表面との接触機会が増加し、光触媒作用を高めることができる。さらに、上記の間隙を流体中の不要な粒子を捕捉させることが可能となる程度の大きさとした場合、光触媒装置10の装置主体部10aを通過させる流体中の不要な有機物を除去する機能と、当該流体中の不要な粒子を捕捉する機能と、のうち、少なくとも一方の機能または両機能を有する光触媒装置10を実現することが可能となる。
以下では、光触媒装置10の各構成について詳細に説明する。
===光ファイバケーブル===
光ファイバケーブル2は、内部(コア)を伝搬する光を周面から漏光させるための処理(以下、周面漏光処理と呼ぶ。)が施された周面を有している。
周面漏光処理(側面漏光処理)によって、光ファイバケーブル2は、光導入部4を介して、光入射端2pから取り入れられた光源1の発光を、光ファイバケーブル2の周面から漏光しつつその長手方向に伝搬するものである。
尚、光ファイバケーブル2はクラッドを備えていても、クラッドを備えずに周囲空気にクラッドの役割を担わせてもよい。また、光ファイバケーブル2のコアの屈折率より低い屈折率を有する光触媒層3をクラッドとして用いても良い。
ここで、本実施形態における光ファイバケーブル2の周面には、周面漏光処理として、多数の略突起状をした突出部が設けられている。光ファイバケーブル2の周面に多数の略突起状をした突出部が設けられることによって、光ファイバケーブル2の周面漏光を得ることが可能となる他に、光ファイバケーブル2の周面の面積を増加させるため、当該周面又は、周面の一部分に形成される光触媒層3の表面積も増加され、光触媒作用の高効率化が可能となる。
さらに、光ファイバケーブル2の周面に多数の略突起状をした突出部が設けられていることで、光ファイバケーブル2を束ねるだけでも、光ファイバケーブル2の相対する側面の間に間隙を設けることができ、間隙の形成が容易となる。
以下では、図2を参照して、光ファイバケーブル素材2iに周面漏光処理を施して光ファイバケーブル2を製造する工程について説明する。尚、図2の中で、(a1)、(b1)、(c1)は、光ファイバケーブル2の一側面方向から見た断面図であり、(a2)、(b2)、(c2)は、光ファイバケーブル2の一端面方向から見た断面図である。
また、光ファイバケーブル素材2iとは、便宜上、例えば光ファイバケーブル2が周面漏光処理される前の部材を意味する。また、光ファイバケーブル素材2iiとは、便宜上、例えば光ファイバケーブル素材2iに周面漏光処理が行われている過程の部材を意味する。光ファイバケーブル2を形成するための光ファイバケーブル素材2iとして、例えば、ポリメタクリレート製のプラスチック光ファイバケーブル等が採用される。
先ず、図2(a1)、(a2)に示されるように、光ファイバケーブル2(図2(c1)、(c2))の周面2cに微細な略突起形状の漏光部を形成させるための一対(複数)の転写用金型23、24(図2(a1)、(a2))が、光ファイバケーブル素材2iの周面2aを挟むように、それぞれの転写表面25を向かい合わせて配置される。
尚、転写用金型23、24は、高精度な微細加工が可能な電鋳技術によって作成されたものである。例えば、不図示の厚膜のフォトレジストにレーザ光線で突起形状を直接描画して電鋳母型を得て、当該電鋳母型の突起形状面に金属層を形成した後に、電鋳母型から金属層が剥がされることで、電鋳母型の突起形状を再現した転写表面25を有する転写用金型23、24が得られる。
次に、転写用金型23、24の転写表面25を除く何れかの面に接するように配置された一対(複数)の加熱ヒータ21、22の伝熱によって、転写用金型23、24は、光ファイバケーブル素材2iの熱変形温度以上に加熱される。
次に、転写用金型23、24の転写表面25をそれぞれ、光ファイバケーブル素材2iへ接触させる方向に移動させる。すると、図2(b1)、(b2)に示されるように、光ファイバケーブル素材2iiの周面2bには転写用金型23、24の転写表面25が押し当てられ、転写用金型23、24からの伝熱により光ファイバケーブル素材2iiの周面2bが例えば軟化または溶融する。この結果、転写用金型23、24の転写表面25の微細な略突起・窪み状凹凸部26に対応して、光ファイバケーブル素材2iiの周面2bが熱変形され、転写用金型23、24の転写表面25と光ファイバケーブル素材2iiの周面2bとが例えば略密着した状態となる。
そして、加熱ヒータ21、22による転写用金型23、24の加熱を停止させると、光ファイバケーブル素材2iiの周面2bは、例えば放熱されて冷却されることにより固化する。この結果、周面漏光処理は完了し、図2(c1)、(c2)に示されるように、転写用金型23、24(図2(a1)、(a2))の転写表面25の微細な略突起・窪み状凹凸部26が光ファイバケーブル素材2iの周面2aに転写されて、微細な略突起状をした突出部2dを周面2c(図2(c1)、(c2))に備える光ファイバケーブル2が製造される。このように光触媒装置10を構成する光ファイバケーブル2の製造方法が行われることにより、光ファイバケーブル2の周面2cに多数の微細な突出部2dたとえば突起部2dが形成される。
図3は、周面漏光処理を施した光ファイバケーブル2のコア2mを伝搬する光を、光ファイバケーブル2の周面2cから漏光させることが可能となる原理を説明するための断面図である。尚、図3には、光ファイバケーブル2の突起形状を、光ファイバケーブル2の一側面方向から見た場合の部分断面図が示されている。
ここでは、便宜上、光ファイバケーブル2として、例えば所定の屈折率を有するコア2mの周面2cに、コア2mの屈折率より小さい屈折率を有する例えば略薄層状のクラッド2nが設けられている光ファイバケーブル2について説明する。光ファイバケーブル2のコア2mに導入される光のうち、光線31に示されるように、コア2mとクラッド2nの境界面に対する光の入射角が、臨界角θより大きいときに、光は例えば全反射されるように屈折される。例えば光がこの全反射を繰り返すことによって、光ファイバケーブル2の長手方向(図3に示される二点破線の矢印の方向)に光が伝搬されていく。
しかし、周面漏光処理による略突起状をした突出部分2dでは、光線32、33に示されるように、コア2mとクラッド2nの境界面に対する光の入射角が、臨界角θに満たないため、光はクラッド2nへ放射(散乱)される。よって、光ファイバケーブル2は、端面から入射される光を、光ファイバケーブル2の周面2cから漏光させつつ、光ファイバケーブル2の長手方向に伝搬させることが可能となる。
図4は、光触媒装置10が構成される途中の工程の概要を説明するための斜視図である。略線状の光ファイバケーブル2から略直方体状の光ファイバケーブル2の固まりが形成されてゆき、光触媒装置10を構成する装置主体部10aが略形成される工程について説明する。
破線41が示す略直方体状の大きさの範囲内に、周面漏光処理が行われた光ファイバケーブル2を導入させてゆく。破線41が示す略直方体状の大きさの範囲内に、周面漏光処理が行われた光ファイバケーブル2の先端部2qを進めてゆき、周面漏光処理済みの光ファイバケーブル2を略直方体状の固まりに形成させてゆく。
周面漏光処理が行われた光ファイバケーブル2を破線41が示す略直方体状の大きさの範囲内に導入させてゆくときに、光ファイバケーブル2の先端部2qを、破線41が示す略直方体状の大きさの範囲内で、光ファイバケーブル2の相対する側面の間に間隙が設けられるように任意の向きに方向変換させつつ進めてゆき、光ファイバケーブル2を破線41が示す略直方体状の大きさに略対応した略直方体状の固まりに形成させる。
周面漏光処理が完了された光ファイバケーブル2の長手方向の向かう先を、破線41が示す略直方体状の範囲内における3次元方向に、様々な曲率を有するように折り曲げてゆき、そのときに、破線41の示す範囲内に満たされた光ファイバケーブル2の相対する側面同士を多くの部分で密着させずに、光ファイバケーブル2の相対する側面の間に適度な間隙を保たせつつ、破線41が示す略直方体状の範囲内で光ファイバケーブル2の密度を増加させてゆき、光ファイバケーブル2の固まりを構成させる。
===光触媒層===
光触媒層3は、光触媒によって光ファイバケーブル2の周面2cを覆うように形成され、光ファイバケーブル2の周面2cからの漏光によって光触媒作用を発揮するものである。
光触媒は、可視光領域(例えば波長380nm以上波長780nm未満、基準波長400nmを超え770nm以下)の光を吸収して活性化する可視光応答型光触媒物質によって構成される。尚、可視光応答型光触媒物質は、紫外光領域(波長190nm〜波長380nm)に応答する紫外光応答型光触媒物質である酸化チタンに不純物を添加(ドーピング)する等して、そのバンドギャップを小さく、即ち、最大吸収波長を大きくすることで得られる。詳述すると、可視光応答型光触媒物質は、例えば、アナターゼ型、ルチル型、又はそれらの混晶である酸化チタン(TiO)等の結晶において、結晶中の酸素原子の一部を窒素原子(N)で置換したもの、結晶中の格子間に窒素原子をドーピングしたもの、結晶の多結晶集合体の粒界に窒素原子を配したもの、のうち、少なくとも1種類以上のもので構成され得る。
尚、光ファイバケーブル2が樹脂製の場合、光触媒層3を形成する前に無機の耐蝕性透明材料によって光ファイバケーブル2の周面2cを被覆(プライマー処理)しておくことが望ましい。このような処理を行うことが望ましいのは、光ファイバケーブル2が、光触媒層3の光触媒作用によって酸化分解され、損傷してしまうことを防ぐためである。光ファイバケーブル2のプライマー処理は、例えば、二酸化ケイ素(SiO)ゾルのエチルアルコール溶液に光ファイバケーブル2を挿入し、ゆっくりと引き上げてから乾燥させ、次いで加熱処理する手段等によって実現される。
===光源===
光源1は、光触媒層3の活性化に必要な光を発光するものである。例えば、UVランプやレーザダイオード(Laser Diode、以下LDと称する)および/またはLED(Light Emitting Diode)等が採用される。尚、本実施形態では、UVランプに比べて長寿命であるうえ、作動電圧が小さく、エネルギーと光の変換効率が非常に高いLDおよび/またはLEDを光源1として採用する。これによって、光触媒装置10の省エネ化や小型化を実現することができる。
尚、光触媒層3が、前述の可視光応答型光触媒物質である光触媒を含んで構成されているため、例えば波長380nm〜波長830nmの帯域のいずれかの領域波長のレーザ光や、基準波長400nmを超え770nm以下の帯域のいずれかの領域波長のレーザ光を発光するLDおよび/またはLEDを光源1として採用することができる。
詳述すると、光触媒装置10のコスト面、製品化面において有利とするために、次世代光ディスク規格で採用される青紫色のレーザ光(LASER:light amplification by stimulated emission of radiation)(例えば波長380nm以上450nm以下、基準波長405nm)、「DVD」(登録商標)規格で用いられる赤色のレーザ光(波長630nm〜波長685nm)、「CD」(「Compact Disc」(登録商標)の略称)規格で用いられる赤外のレーザ光(波長765nm〜波長830nm)等を発光するLDおよび/またはLED等を光源1として採用することが好ましい。
LDから出射されるレーザ光は、高出力、狭スペクトルで、例えば光ファイバケーブル2等を用いた長い中継を行うものに適していることから、光源1から出射され、光導入部4を経由し、光ファイバケーブル2の長手方向に略沿って光ファイバケーブル2の内部を伝搬させつつ光ファイバケーブル2の周面から漏光させる光として、レーザ光が採用されることが好適である。
また、光触媒装置10の使用者に対する安全性を確保させると共に、光触媒装置10の触媒・活性効率を向上させるために、例えば高いエネルギーの可視レーザ光が用いられるとよい。高いエネルギーの可視レーザ光として、例えば波長380nm以上450nm以下、基準波長398nmもしくは399nm近傍の青紫色をしたレーザ光が用いられることが好適である。
===光導入部===
光導入部4は、光源1の発光を、光ファイバケーブル2の光入射端2pへ導入するものである。光導入部4は、例えば、光源1の発光をコリメート光にするためのコリメートレンズと、コリメート光とされた光源1の発光を光ファイバケーブル2の光入射端2pに集光するための集光レンズと、を有する。これによって、光源1の発光を効率よく、光ファイバケーブル2の光入射端面2pに導入することが可能となる。
<<光触媒装置の製造工程>>
===光触媒装置の製造工程===
図5は、光触媒装置10の製造工程の一例を示した説明図である。尚、以下では、図5に示す製造工程を実行するシステムのことを製造システム500と呼ぶ。
以下、製造システム500の全体的な構成について説明する。
製造システム500は、略平板形状をした網目状の4つの側面部501cと、各側面部501cに略直交する略平板形状をした網目状の1つの底面部501bと、底面部501bの略反対側に開けられた1つの略矩形開口部501aと、を有し、略破線41が示す大きさの容積を持つ略矩形箱状の成形型501と、成形型501を搬送する搬送部510と、少なくとも結着性成分と光触媒531aとを含有する樹脂溶剤531bからなる混合液531を収容する略円筒深皿状のタンク530と、光ファイバケーブル2の所定長さを成形型501へ供給する光ファイバケーブル供給部540と、を備えている。
タンク530の内部530aには攪拌装置532が設けられている。結着性成分を含む樹脂溶剤531bに光触媒531aを混入させて構成させた混合液531を攪拌することにより、結着性成分入り樹脂溶剤531bを主成分とする混合液531に含有された光触媒531aがタンク530の底部530cに沈殿することを防止するため、及び、タンク520内の樹脂溶剤531bを主成分とする混合液531に乱流を起こすために、攪拌装置532がタンク530に装備されている。尚、混合液531を構成する結着性成分入りの樹脂溶剤531bとしては、攪拌装置532の攪拌による乱流を生じやすくするために、溶融粘度が低く溶融流動性が良い物質が好ましい。
搬送部510は、タンク530の上側を横断するように設けられ、成形型501をタンク530の内部530a又は外部530bに案内するガイドレール513と、ガイドレール513の長手方向に一定間隔を置いて、ガイドレール513に吊り下げられるように設けられ、成形型501を把持する複数の把持部材511と、を有する。尚、把持部材511の一方の端部511aは、ガイドレール513に移動可能に取り付けられ、把持部材511の他方の端部511bは、成形型501を着脱自在に把持する。さらに、成形型501を把持する部位の上部には、光ファイバケーブル2を成形型501に案内するために、光ファイバケーブル2を挟む2つのローラによって構成されるガイドローラ512が備えられる。
光ファイバケーブル供給部540は、光ファイバケーブル2を送り出す送り出しローラ541と、送り出しローラ541とガイドローラ512との間に設けられ、成形型501に光ファイバケーブル2が所定長さ分供給されると光ファイバケーブル2を切断する切断部542と、を有している。尚、光ファイバケーブル2の所定長さとは、光ファイバケーブル2の相対する側面の間に、例えば、直径0.01μm〜数十μm程度の微小な間隙が形成される程度に成形型501内を満たすことが可能な長さとする。
結着性混合液531に浸漬される成形型501から光触媒装置10を構成する装置主体部10aを取り外しやすくするために、例えば成形型501に非粘着性で良離型性を示す物質が塗装されている。また、結着性混合液531が入れられるタンク530およびタンク530に装備され結着性混合液531内で回転駆動させられる攪拌装置532にも、例えば非粘着性で良離型性を示す物質が塗装されている。また、例えば、搬送部510、光ファイバケーブル供給部540等の製造システム500を構成する群からなるもののうち、少なくとも一つにも、非粘着性で良離型性を示す物質が塗装されていることが好ましい。
以下、製造システム500による製造工程の全体的な流れを説明する。
まず、開口部501aが上面側となるように把持部511に把持された成形型501は、搬送部510によって搬送される間に、タンク530内に満たされた結着性成分および光触媒531aを含有する樹脂溶剤531b内に浸漬される。すると、網目状の成形型501内では、攪拌装置532の攪拌により、樹脂溶剤531bを主成分とする混合液531の流れが生じる。
次に、成形型501の開口部501aには、光ファイバケーブル供給部540の送り出しローラ541から送り出された光ファイバケーブル2が、ガイドローラ512を介して、光ファイバケーブル2の一端面側から供給される。
次に、成形型501内に供給され、樹脂溶剤531bを主成分とする光触媒531a入り混合液531に浸漬された光ファイバケーブル2は、成形型501内に生じている樹脂溶剤531bを主成分とした混合液531の流れに応じて、その長手方向の向かう先が成形型501内の3次元方向に、様々な曲率を有するように、折り曲げられていく。また、光ファイバケーブル2を有する装置主体部10aは、成形型501内に生じている流体のランダムな流れ等に応じて成形される。成形型501内に生じている流体のランダムな流れ等により、光ファイバケーブル2は、成形型501内全体に略平均的に満たされていく。
次に、成形型501内に所定長さの光ファイバケーブル2が供給されると、光ファイバケーブル供給部540の切断部542が、送り出しローラ541から供給される光ファイバケーブル2を切断する。この際、光ファイバケーブル2の切断面側の一端は、ガイドローラ512によって保持されており、光ファイバケーブル2の光入射端2pとなる。
次に、光ファイバケーブル2で満たされた成形型501は、搬送部510によって、タンク530に満たされている結着性成分および光触媒531a入り樹脂溶剤531b内を搬送された後に、タンク530に入れられている結着性成分および光触媒531a入り樹脂溶剤531b内から引き上げられ、例えば、乾燥、熱処理される。
次に、結着性成分が含有された樹脂溶剤531bを主成分とする光触媒531a入り混合液531が熱処理されることで、光ファイバケーブル2の周面に光触媒531aによる光触媒層3が形成されると同時に、成形型501内で形成された光ファイバケーブル2の形状が結着性成分により固定される。
次に、成形型501から当該固定された光ファイバケーブル2いわゆる光ファイバケーブル2の固まりを取り出すことで、破線41が示す略直方体形状に装置主体部10aが略形成され、周面に光触媒層3が形成された光ファイバケーブル2を備える光触媒装置10が得られる。
尚、樹脂溶剤531bとしては、複雑に折り曲げられた光ファイバケーブル2を所定の装置主体部10aの形状として固まらせるために、例えば結着性に優れる物質(例えば結着性樹脂)を含有した樹脂溶剤531bが用いられることが好ましい。結着性に優れる物質を含有した樹脂溶剤531bを主成分とする光触媒531a入り混合液531が用いられていても、成形型501から光触媒装置10を構成する装置主体部10aを取り外しやすくするために、例えば非粘着性で良離型性を示す物質が成形型501に塗装されているので、成形型501に入れられたままの光触媒装置10を構成する光ファイバケーブル2の固まりが成形型501と共に結着性混合液531内に浸漬され、そののちに、成形型501に入れられたままの光触媒装置10を構成する光ファイバケーブル2の固まりが成形型501と共に熱処理工程にかけられても、熱処理工程が行われたのちに、光触媒装置10の装置主体部10aは、成形型501から容易に取り出される。
成形型501に対する光触媒装置10の装置主体部10aの離型性をより向上させるために、例えば、離型性成分と、結着性成分と、光触媒531aと、樹脂溶剤531bと、を備える混合液531が用いられてもよい。
以上のように製造された光触媒装置10は、周面漏光処理が施された光ファイバケーブル2の周面に光触媒層3が形成された構成を有しており、光源1の発光が光ファイバケーブル2の周面を介して光触媒層3に照射される。よって、光触媒装置10のように破線41が示す範囲内で、光触媒担持体である光ファイバケーブル2の密度を増加させて、光触媒層3の密度を増加させた構造であっても、光触媒層3全体に略均一に光を照射させることが可能となり、光触媒作用がより効率的に得られる。
また、光触媒装置10では、光ファイバケーブル2の長手方向において、周面漏光強度が強い光ファイバケーブル2の光入射端2p側と、周面漏光強度が弱いその他端側とが、破線41が示す範囲内で略偏りなく配置されるように形成される。これによって、光触媒装置10は、光ファイバケーブル2の長手方向間に生じる周面漏光強度の差が打ち消されるように形成されるため、光ファイバケーブル2の周面漏光強度を光触媒装置10の全体では略均一に得ることができる。これに伴い、光触媒層3の光触媒作用も光触媒装置10の全体で略均一に得られるため、光触媒装置10の装置主体部10aを通過する流体に対して、効率よく光触媒作用を発揮させることが可能となる。
また、光触媒装置10では、光源1の発光が光導入部4から、直接光ファイバケーブル2の光入射端2pに入射され、伝搬されるため、光源1と光触媒装置10との間に存在する空間や介在物によって光触媒層3への光の照射が遮られることがない。よって、例えば、光源1や光触媒装置10の表面の汚れ等により、光触媒層3に対する光照射効率が損なわれることがなく、光触媒作用がより効率的に得られる。さらに、光の透過率が低い流体中、例えば、真っ黒な廃液中であっても光触媒層3に効率よく光を照射して、光触媒作用を発揮させることが可能となる。
また、光触媒装置10は、例えば光ファイバケーブル2を引き回すだけで、光の照射も確保できるため、小型化が可能となる。
また、光触媒装置10は、前記光ファイバケーブルの長手方向の向かう先を変化させて装置主体部10aを形成させることによって、流体中の不要な有機物を除去する機能と、流体中の不要な粒子を捕捉する機能とのうち、少なくとも一方の機能または両方の機能を発揮することが可能となる。
<<光触媒装置が装備された流体清浄装置の一実施形態>>
ここで、光触媒装置10を空気清浄機700に適用した一実施形態について、図6を用いて説明する。尚、図6は、空気清浄機700を概略的に示した断面図である。
空気清浄機700は、空気清浄機700の本体ケース710内に吸い込んだ空気を浄化して、本体ケース710外に排出するものである。また、空気清浄機700は、本体ケース710の内部710aに、光源1と、光導入部4と、光触媒装置10と、吸排気ファン720と、を備えて構成される。
本体ケース710は、一面を開口する後側ケース711と、後側ケース711の開口面部711a側に着脱自在に装着される前側カバー712と、を備えて構成される。尚、以降、前側カバー712側を正面とし、後側ケース711側を背面とする。尚、この明細書における「前」、「後」、「正面」、「背面」、「上」、「下」等の定義は、光触媒装置10および光触媒装置10を備える空気清浄機700等を説明するための便宜上の定義とされている。
前側カバー712には、多数のスリット状の吸気口713が形成されており、これらの吸気口713から本体ケース710内に空気が取り込まれる。
後側ケース711の上面部711bには、格子状の排気口714が形成されており、この排気口714から本体ケース710の外に浄化した空気を排出する。
光触媒装置10は、本体ケース710内の前側カバー712の背面側に設けられる。尚、光触媒装置10の光ファイバケーブル2の光入射端2pは、光導入部4に着脱自在に装着されている。
吸排気ファン720は、本体ケース710内の光触媒装置10の背面側に設けられ、本体ケース710外の空気を、前側カバー712の吸気口713から吸気して、光触媒装置10へ導く。
これらの構成において、空気清浄機700の動作を開始させると、光源1が発光を開始するとともに、吸排気ファン720が回転を開始する。吸排気ファン720の回転によって、吸気口713から本体ケース710内に空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気は、光触媒装置10の略直方体状をした装置主体部10aを通過させられる。この際、空気中に含まれる悪臭、有害ガス、細菌等の有機物は、光触媒装置10に塗布された光触媒層3の光触媒作用によって分解除去される。また、空気中に含まれる花粉や塵埃等の細かい粒子は、光触媒装置10に形成される間隙に捕捉される。異臭を放つ空気や異物を含む空気等が光触媒装置10の装置主体部10aを通過させられることで空気が浄化され、浄化された空気は、後側ケース711の排気口714から排気される。
以上より、光触媒作用によって効率よく例えば異臭等を生じる有機物を除去する機能と、塵埃等の粒子を補足する機能と、のうち、少なくとも一方の機能または両機能を発揮できる空気清浄機700が実現される。また、本実施形態における空気清浄機700は、前側カバー712が後側ケース711の開口面部711a側と着脱自在に取り付けられ、且つ、光触媒装置10の光ファイバケーブル2の光入射端2pが光導入部4と着脱自在に取り付けられて構成されている。よって、前側カバー712を取り外すことで現れる後側ケース711の開口面部711aから、光触媒装置10のみを取り出すことが可能となる。この結果、光触媒装置10が捕捉した粒子等により、光触媒装置10の装置主体部10aが汚れてしまった場合であっても、光触媒装置10の装置主体部10aを例えば洗浄した後に、再度、光触媒装置10の装置主体部10aを空気清浄機700の本体ケース710の内部710aに装着して用いることを可能とするため、経済的な空気清浄機700が実現される。
<<<他の実施形態>>>
上記の実施形態では、光ファイバケーブル2の側面全体である周面を覆うように光触媒層3が形成されている。しかし、光ファイバケーブル2の側面の一部分を覆うように光触媒層3が形成されてもよい。また、光触媒層3は、例えば単層とされてもよく、また、複数の層を有する例えば積層とされてもよい。
また、上記の実施形態では、光ファイバケーブル2の周面漏光強度を強めるため、光ファイバケーブル2の側面全体である周面に周面漏光処理が施されている。しかし、光ファイバケーブル2の側面の一部分に漏光処理が施されてもよい。これによって、漏光処理を簡素化することが可能となる。
また、上記の実施形態では、光ファイバケーブル2の周面から光を漏光させる手段として、例えば図2に示されるように、上下一対の加熱ヒータ21、22が装備された転写用金型23、24を用いて、光ファイバケーブル素材2iの周面2aに例えば多数の略四角錐状をした略ピラミッド状突起部2dを設けるようにしたが、これ以外の手段によって、光ファイバケーブル素材2iの周面漏光を得てもよい。
例えば図2に示す光ファイバケーブル2の製造方法に代えて、光ファイバケーブル素材2iの周面2aにローレット加工(不図示)等が行われて、光ファイバケーブル2の周面2cに複数の突起部2dを形成させる光ファイバケーブル2の製造方法が採用されてもよい。
また、例えば図3に示す形状の突起部2dを備えた凹凸構造に代えて、他の凹凸構造が光ファイバケーブルの周面に設けられてもよい(不図示)。例えばエンボス構造をした凹凸構造部が光ファイバケーブルの周面に設けられてもよい(不図示)。
また、例えば、光ファイバケーブル素材2iのコア内を伝搬する光を散乱させるために、半透明若しくは不透明の材料、又は気泡等を、当該コア内に設ける手段や、光ファイバケーブル素材2iのコア内を伝搬する光を拡散させるために、当該コアよりも屈折率の高い光触媒層をクラッドとして設ける手段や、光ファイバケーブル素材2iのコア内を伝搬する光に光錯乱を起こさせるために、当該コアの表面に特定形状の傷を形成する手段等を採用することができる。
また、上記の実施形態では、光ファイバケーブル2の一端(光入射端2p)に、光源1の発光を入射させる構成としたが、光ファイバケーブル2の両端から光源1の発光を入射させる構成としてもよい。このような構成は、例えば、製造システム500によって光触媒装置(不図示)を製造する際、予め、所定長さとした光ファイバケーブル2の両端をガイドローラ512で保持したまま、光ファイバケーブル2の側面から成形型501内の樹脂溶剤531bを主成分とする混合液531へ浸漬する。これによって形成される光触媒装置10の光ファイバケーブル2の2つの端面を、光源1の発光を入射させるための光入射端とすればよい。このような構成とした光触媒装置では、光ファイバケーブル2の周面漏光強度が増加し、光触媒層3への光照射効率を高めることができるため、光触媒作用を効率よく得ることが可能となる。
また、上記の実施形態では、流体と接触する光触媒装置10内の表面積を大きく取るために、成形型501を略矩形箱状の略直方体とし、光触媒装置10を構成する装置主体部10aの形状を略直方体としたが、光触媒装置10は、成形型の形状等に応じて、自由な形状に形成可能である。例えば、図7、図8、図9に示される種々の光触媒装置11、12、13に対応した形状の成形型110(図7)、130(図9)等を採用することができる。
[実施例2]
図7(a)は、光触媒装置11を略中空円筒形状に形成するための成形型110を示した説明図である。
図7(b)は、図5に示す製造システム500において、成形型501を用いる代わりに、図7(a)に示す成形型110を用いて、前述と同様の製造方法によって形成された略中空円筒状の光触媒装置11を示した説明図である。尚、図7(b)に示される破線42は、光触媒装置11を構成する装置主体部11aの形状が略中空円筒状であることをわかり易くするために、説明の便宜上記したものであって、光触媒装置11を構成するものではない。また、図7(b)に示される光触媒装置11の構成のうち、図1に示される構成と同一のものに対しては、同一の符号を付しその詳細な説明を省略した。
略中空円筒状に形成された光触媒装置11の装置主体部11aの中空部分11bから流体を導入させた場合、光触媒装置11の装置主体部11aの内部11cから流体を送ることが可能となる。よって、より確実に流体を光触媒層3と接触させて、流体を浄化処理することが可能となる。このような光触媒装置11は、例えば、不図示の掃除機等の内部に備えられるエアフィルタとして好適に用いられる。
[実施例3]
図8は、光ファイバケーブル2が規則的に折り返された後に、前述のように樹脂溶剤531b内に含まれる結着性成分により固定されて形成された光触媒装置12を示した説明図である。尚、図8に示される光触媒装置12の構成のうち、図1に示される構成と同一のものに対しては、同一の符号を付しその詳細な説明を省略した。
光触媒装置12の装置主体部12aについて具体的に説明すると、先ず、光ファイバケーブル2が、その相対する側面の間に間隙を有するように、矢印方向A及び矢印方向Bのそれぞれに所定の折り返し長さで、規則的に繰り返し折り返されて略シート状に形成される。そして、同様に所定数形成された略シート状の光ファイバケーブル2が、矢印方向Cの厚みを増加させるように例えば隙間をもたせて重ね合わせられることで、光触媒装置12を構成する装置主体部12aが形成されている。
ここで、所定の折り返し長さ及び所定数とは、光ファイバケーブル2の光入射端2pからの距離と周面漏光強度との関係に応じて設定されるものである。例えば、前述のように光触媒装置12の装置主体部12aが形成されることによって、光ファイバケーブル2の周面漏光強度が強い箇所と弱い箇所とが組み合わせられ、光触媒装置12を構成する装置主体部12a全体の周面漏光強度が平均的となるように設定される。また、所定数は、略シート状の光ファイバケーブル2を重ね合わせることによって、光触媒装置12を構成する装置主体部12aの矢印方向Cの厚さが所望の厚さとなるように設定されてもよい。尚、重ね合わせられた略シート状光ファイバケーブル2のそれぞれの光入射端2pは束ねられ、当該光入射端2pのそれぞれに光源1の発光を導入するための光導入部4Xに接続される。尚、光導入部4Xは、束ねられた光入射端2pの形状に応じて、光源1から発せられた光の形状を変形させることによって、光源1の発光を当該光入射端2pのそれぞれに導入するものである。光導入部4Xは、例えば、シリンドリカルレンズ、トロイダルレンズ等の異形レンズ等を備えて構成される。
以上より、光触媒装置12内には光触媒作用が発揮されない部分が略生じず、光触媒装置12の装置主体部12a内を通過する流体に対して、効率よく光触媒作用を発揮させることが可能となる。
[実施例4]
図9(a)は、光触媒装置13を略コイル状に形成するための、所定の径を有する略円筒状の成形型130を示した説明図である。
図9(b)は、図9(a)に示した成形型130に、光ファイバケーブル2が規則的に巻回された後に、前述のように樹脂溶剤531b内に含まれる結着性成分により固定されて形成され、成形型130から取り外された略コイル状の光触媒装置13を示した説明図である。尚、図9(b)に示される光触媒装置13の構成のうち、図1に示される構成と同一のものに対しては、同一の符号を付しその詳細な説明を省略した。
光触媒装置13の装置主体部13aは、具体的には、光ファイバケーブル2が、その相対する側面の間に間隙を有するように、成形型130の周りを所定の径、及び回数で規則的に巻回されて形成されている。所定の径及び回数とは、光ファイバケーブル2の光入射端2pからの距離と周面漏光強度との関係に応じて設定されるものである。例えば、成形型130の周りを、光ファイバケーブル2が、所定の径、及び回数で、矢印方向Dに略コイル状に巻回された後に、残りの光ファイバケーブルは折り返され、成形型130の周りを、所定の径、及び回数で、矢印方向Eに略コイル状に巻回される。このとき、光ファイバケーブル2の周面漏光強度が強い箇所と弱い箇所とが組み合わせられ、光触媒装置13の装置主体部13a全体の周面漏光強度が平均的となるように設定される。よって光媒装置13の装置主体部13a内には、光触媒作用が発揮されない部分が略生じず、光触媒装置13の装置主体部13a内を通過する流体に対して、効率よく光触媒作用を発揮させることが可能となる。
<<<その他の実施形態>>>
以上、光触媒装置の各構造例ならびに各製造方法例を示したが、光触媒装置の各構造ならびに各製造方法は、これらに限られるものではない。
例えば図9(b)に示す略コイル状装置主体部13aに加え、図9(b)に示す略コイル状装置主体部13aの直径と異なる複数の他の略コイル状装置主体部(不図示)を構成させ、各々の直径が異なる複数の略コイル状装置主体部の中心軸(不図示)を略一致させ、各々の直径が異なる複数の略コイル状装置主体部どうし間に隙間をもたせて、例えば長さの略同じ各筒状体どうしが非接触状態で重ね合わせられるように組み立てられた光触媒装置(不図示)を構成させてもよい。この場合の光触媒装置に備えられる光源および光導入部(何れも不図示)は、例えば図8に示す光触媒装置12に備えられた光源1および光導入部4Xと略同じものが用いられる。例えば、光源1(図8)から出射されるレーザ光は、光導入部4Xにより複数の光束に振り分けられて、複数の光ファイバケーブル2内を透過しつつ非接触状態で重ね合わせられた複数の略コイル状装置主体部(図9(b))から発散されてゆく。
また、例えば、ハニカム状にした成形型を用いて、ハニカム状の光触媒装置としても良い(何れも不図示)。また、光触媒装置は、前述のように形成された形状の装置主体部10a、11a、12a、13a等のうち、少なくとも1種類又は任意の複数種類を互いに組み合わせた形状の装置主体部10a/11a/12a/13a等を備えて構成されていてもよい。
以上、本実施の形態について説明したが、前述した実施例は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
本発明に係る光触媒装置の第一の実施形態を示す説明図である。 光触媒装置を構成する光ファイバケーブルの漏光処理工程を示す断面図である。 光ファイバケーブルの漏光原理を示す断面図である。 光触媒装置の概要を説明するための斜視図である。 光触媒装置の製造工程の一例を示す説明図である。 光触媒装置を適用した空気清浄機の一実施形態を示す説明図である。 本発明に係る光触媒装置の第二の実施形態を示す説明図である。 本発明に係る光触媒装置の第三の実施形態を示す説明図である。 本発明に係る光触媒装置の第四の実施形態を示す説明図である。
符号の説明
2 光ファイバケーブル
2c 周面
2d 突起部
2m コア
2q 先端部
3 光触媒層
10、11、12、13 光触媒装置
31、32、33 光線

Claims (7)

  1. 内部を伝搬する光を側面から漏光させる光ファイバケーブルと、
    前記光ファイバケーブルの側面に形成される光触媒層と、を少なくとも備え、
    前記光ファイバケーブルは、所定の大きさの範囲内で、前記光ファイバケーブルの長手方向の向かう先を、前記光ファイバケーブルの相対する前記側面の間に間隙が設けられるように変化させた形状に固定されてなること、
    を特徴とする光触媒装置。
  2. 前記光ファイバケーブルは、前記光ファイバケーブルの全体の漏光強度が略均一となるように、所定長さ毎に折り曲げられた形状に固定されてなること、
    を特徴とする請求項1に記載の光触媒装置。
  3. 前記光ファイバケーブルは、前記光ファイバケーブルの全体の漏光強度が略均一となるように、所定の径で巻回された形状に固定されてなること、
    を特徴とする請求項1に記載の光触媒装置。
  4. 前記光ファイバケーブルは、前記内部を伝搬する前記光を前記側面から漏光させるための処理が施された前記側面を有すること、
    を特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の光触媒装置。
  5. 前記光ファイバケーブルは、前記内部を伝搬する前記光を前記側面から漏光させるための突出部を有すること、
    を特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の光触媒装置。
  6. 前記光ファイバケーブルは、前記光ファイバケーブルの相対する前記側面の間に前記間隙を設けるための突出部を有すること、
    を特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の光触媒装置。
  7. 前記光ファイバケーブルの前記内部を伝搬する前記光は、レーザ光であること、
    を特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の光触媒装置。
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