JP2009183267A - 食油の酸価還元、脱臭、洗浄方およびそれに使用する装置 - Google Patents

食油の酸価還元、脱臭、洗浄方およびそれに使用する装置 Download PDF

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Abstract

【課題】劣化した食用油の酸価を0.04以下とし、揚げ物の残存物、匂いおよび醤油・塩・小麦粉の除去を安全に行える方法およびそれに使用する装置の提供。
【解決手段】15%程度の水分を含ませた食用油に、焼成しナノレベルまで細かくした貝殻粉末を投入し、マイクロウェーブを照射することにより酸化を低減するとともにろ過フィルター、活性炭付オイルフィルターによるろ過および水洗浄することで、食用油の酸価を0.04以下の、無臭で綺麗な食用油とする。食用油をフライヤーとこれら装置を低温で循環させることにより安全性を確保しつつ、品質を維持できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、水分を含ませた植物性および動物性食油に1,000℃〜1,500℃で焼成された貝殻粉末を投入し、マイクロウェーブの照射により酸価を0.04以下とする処理方法および自動循環により脱臭、洗浄を同時に行う装置に関する。
食用油の劣化は、構成する不飽和酸脂肪酸においてフリーラジカルが生じたところに酸素が結合し、酸化が起こることによる。市販されている劣化油の酸価還元装置および酸価還元媒体は、当該酸素結合のスピードを遅くする機能は有しているものの、酸価を戻す機能は有していない。
具体的には、食油の劣化を電磁誘導原理を用いた装置により防止するとともに、大量の揚げ物の種を投入した際の食油温度の低下のない加熱装置が提供されている。(特許文献1)しかし、当該技術にあっても、食油の劣化(酸価上昇)を防止するものであり、前述の酸価還元の問題は解消されていない。
特開2002−209518 廃棄処分された天ぷら油、とんかつ油等の植物性の食用油に対し、花崗岩を900℃〜1100℃の温度範囲で約2時間焼成したものを粉砕して粉末を調整し、該粉末を400℃に加熱した後170℃〜190℃の温度範囲に保った廃油に投入して攪拌し、当該微粉末を分離除去して再生油を得ることを特徴とする廃油の処理方法が提供されている。しかし、当該技術にあっては廃油の酸価を新生油に近い値まで戻すことを可能としたが、酸価を0.04下とし、自動循環により脱臭、洗浄を行う技術とはなっていない。 特願2005−380261
そこで、本発明は水分を含ませた植物性および動物性食油に1,000℃〜1,500℃で焼成された貝殻粉末を投入し、水による洗浄で15%程度の水分を含ませ、マイクロウェーブの照射により酸価を0.04以下とする処理方法および自動循環により脱臭、洗浄を同時に行う装置により、永続的に食用油の酸価を0.04以下とし、継続使用を可能とするものである。
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1記載の発明にあたっては、焼成した貝殻粉末を15%程度の水分を含ませた食油に投入して、マイクロウェーブの照射により酸価を落とすことにより解決した。
請求項2記載の発明にあっては、1,000℃〜1,500℃で焼成した貝殻粉末を15%程度の水分を含ませた植物性および動物性食油に投入し、当該食油に数個のマグネトロンより発せられたマイクロウェーブを5分毎に連続して照射し、カルシウムと水分とマイクロウェーブの反応により、酸価を0.04以下に戻すと同時に、焼成カルシウムにより脱臭も行う装置により解決した。
請求項3記載の発明にあっては、植物性および動物性食油を自動循環することにより、フィルターによる異物除去、活性炭フィルターによる脱臭、水による洗浄および焼成貝殻粉末、水分そしてマイクロウェーブによる酸価還元と脱臭を自動的に行い、さらに安全性の確保のために低温化を自動的に連続して行う装置により解決した。
本発明の貝殻粉末は、北海道や青森県で盛んに養殖され、廃棄物として処理されているほたて貝殻を破砕機などで細かく粉砕したものを1,000℃〜1,500℃という高温で焼成することで、貝殻に含まれる炭酸カルシウムが酸化カルシウムに変性し、PH12〜14の強アルカリとなる。このアルカリ度を利用し、さらに食用油に15%程度の水分を含ませることで当該貝殻粉末と融合し、この状態の食油にマイクロウェーブを照射することにより、極性を持つ水分子を繋ぐ振動子が振動エネルギーを吸収して振動を始め、エネルギー準位を上げていくこととなり、所謂、結合の手(振動子)を放して蒸発する。その結果、食用油の酸価は0.04以下となると同時に匂いも焼成カルシウムとの融合により除去する。
さらに、2基のポンプにより自動的に食用油を循環させ、循環の途中でろ過フィルターにより油についた揚げ物の残存物をろ過し、活性炭付オイルフィルターで臭いと細かい残存物をろ過する。これに加えて、水で洗浄することで醤油・塩・小麦粉などをすべて溶出させる。
この自動循環を安全に行うため、加えてマイクロウェーブ照射が起こりやすくするため、食用油の温度を40℃に維持して循環させる。
上記処理によって得られた食用油の酸価を測定したところ下表1の通りの結果を得た。
Figure 2009183267
この結果、油脂の品質基準として、油揚げの品質基準としての酸価3以下、弁当、惣菜等の衛生規範としての酸価2.5以下をいずれもクリアし、新品の食用油と同等の酸価となった。
又、臭気試験および透明度等は表2のとおりであった。
Figure 2009183267
1.15リットルの貯油層をもつフライヤーに、循環装置の食油吸収口と給油口を付け、2つのポンプを稼働させることにより、食油を循環させた。
2.2つのポンプのうち、吸収口に近いポンプは高温対策の取られたものとしているため、高温の食油でも吸収できる措置が取られている(高温対策ポンプ)。
3.高温対策ポンプより押し出された食油は、ろ過フィルターを通り、揚げかすの除去が行われる。
4.ろ過フィルターから押し出された食油は、冷却装置により40℃程度の温度とされ、水洗浄層に送られる。水洗浄層では揚げ物についた醤油・塩・小麦粉などをすべて溶出させる。
5.水洗浄層からから押し出された食油は15%程度の水分を含み、酸化還元・脱臭装置に送られ、当該食油に5分毎に5つのマグネトロンより発せられたマイクロウェーブを照射した。
6.マイクロウェーブを万遍なく照射された食油は、2つ目のポンプにより活性炭入りフィルタエレメント(ろ紙)を備えたオイルフィルターに送られ、ろ過された。
7.オイルフィルターを通過した食油は貯油層に貯められた後、フライヤーへと送られた。
本発明は、食用油の酸価を0.04以下に維持し、揚げ物の残存物、匂いおよび醤油・塩・小麦粉を除去することを安全に行うことで、フライヤーで使用する食用油を有効活用し、廃油を出さないことから、フライヤーを使用する外食産業、中食産業およびスーパーなどで広く活用できる。さらに廃油を出さないことから、地球環境の維持にも貢献可能である。
食油の酸価還元、脱臭、洗浄方およびそれに使用する装置と食油のフロー。

Claims (3)

  1. 植物性および動物性食油に15%程度の水分を含ませ、当該物質に1,000℃〜1,500℃で焼成したナノレベルまで細かくした貝殻粉末を合せ、マイクロウェーブを照射することにより酸素を除去し、食油の酸価度を0.04以下に還元する方法。
  2. 1,000℃〜1,500℃で焼成した貝殻粉末を15%程度の水分を含ませた植物性および動物性食油に投入し、当該食油に数個のマグネトロンより発せられたマイクロウェーブを5分毎に連続して照射し、カルシウムと水分とマイクロウェーブの反応により、酸価を0.04以下に戻すと同時に、焼成カルシウムにより脱臭を行う装置。
  3. 植物性および動物性食油を自動循環することにより、フィルターによる揚げかす除去、活性炭オイルフィルターによる脱臭、水による調味料及び小麦粉等の洗浄、水分そしてマイクロウェーブによる酸価還元と脱臭を行い、さらに安全性の確保のために低温化する一連の作業を自動循環により行う装置。
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