JP2009181005A - 静電潜像現像用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】感光体などを損傷することなく、高温高湿環境下であっても長期にわたりスリーブ付着および現像ゴーストの発生を抑制し、画像劣化を防止できる静電潜像現像用トナーを実現する。
【解決手段】トナー母粒子に、針状酸化チタンとシリカとが外添された静電潜像現像用トナーであって、前記針状酸化チタンは、アスペクト比(平均長軸径/平均短軸径)が1.25以上、2.50未満であり、かつ平均長軸径および平均短軸径が20nm以上、300nm未満であり、前記シリカは、体積基準の変動係数{(標準偏差/体積基準平均粒子径)×100}が10%以上、65%未満であり、前記トナー母粒子の表面に、前記シリカからなる平均凝集粒子径が50nm以上、250nm未満の凝集体が形成されていることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、特にタッチダウン現像方式を具備する画像形成装置に好適に用いられる静電潜像現像用トナーに関する。
近年、プリンターやコピー機などの画像形成装置には、高画質化が求められている。従来の静電潜像現像用トナー(以下、単に「トナー」という場合がある。)は、例えば体積平均粒子径が10〜15μm程度であり、形成される画像の画質には限界があった。そのため、トナーとしては粒子径がより小さいものが望まれる。
しかし、トナーは粒子径が小さくなるほど比表面積が大きくなるので、トナーの粉体流動性が低下しやすかった。そこで、トナー母粒子の表面を処理し、トナーに粉体流動性を付与させることを目的として、多量の外添剤をトナー母粒子に外添する方法が知られている。このような外添剤としては、通常、シリカが用いられる。
しかし、トナー母粒子にシリカを多量に外添すると、画像形成装置に備わる感光体の表面を損傷したり、トナー母粒子中の結着樹脂の表面がシリカで被覆されることに起因してトナーの定着性を低下させたりするといった問題が生じ、シリカの外添量には限界があった。
また、シリカは絶縁性が高いので、多量に外添するとトナーに電荷が蓄積して、過帯電となり、トナーの帯電量が著しく上昇して画像濃度が低下しやすかった。
さらに、トナーをキャリアと混合して2成分現像剤として用いる場合、トナーの帯電量が上昇すると、トナーとキャリアとの間で発生する電気的な付着力が強まり、キャリアからトナーが離れにくくなり、現像性が低下しやすかった。
ところで、近年、画像形成装置における現像方式としては、1成分現像方式および2成分現像方式の特徴を有する、いわゆるタッチダウン現像方式(ハイブリッド現像方式)などが提案されている。
タッチダウン現像方式は、トナーおよびキャリアを含有する2成分現像剤を担持する磁気ローラからトナーのみを転移させることにより現像スリーブ上にトナー薄層を形成させ、静電潜像が形成された感光体の表面に、前記トナー薄層からトナーを飛翔させて静電潜像をトナー像として現像する方式である。
このようなタッチダウン現像方式では、帯電量が上昇し、流動性が低下したトナーは現像されにくく、現像スリーブの表面に固着(スリーブ付着)しやすかった。また、現像スリーブ上に残留するトナーが回収されにくくなり、現像スリーブから感光体へトナーが飛翔した後に残像が2周目にも現れる、いわゆる現像ゴーストが発生しやすかった。このような現象は、高温高湿環境下において特に顕著に発生する。
そこで、トナーの帯電量の上昇を抑制するために、シリカの代わりに針状の酸化チタンを外添剤として用いたトナーが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
また、トナーの電気抵抗を制御する導電性酸化物として針状の二酸化チタン微粒子を含有するトナーが提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
特開平6−332232号公報 特開2007−114292号公報 特開2000−187351号公報 特公平8−16787号公報
しかしながら、特許文献1に記載のトナーでは、感光体、特にOPC(有機系感光体)を備えた画像形成装置に用いると、OPCは柔らかいために針状酸化チタンが刺さってしまい、OPCを傷つけることがあった。
特許文献2に記載のトナーでは、連続して印刷を行うに連れて針状酸化チタンがトナー母粒子の表面に埋没し、画像濃度が低下するなどして画像が劣化することがあった。
特許文献3に記載のトナーでは、感光体、中間転写体、定着ローラなどを損傷する場合があった。また、トナーの帯電量分布がブロードになりやすく、画像濃度が低下するなどして画像が劣化する場合もあった。
特許文献4に記載のトナーは、針状の二酸化チタン微粒子をトナー母粒子に内添しているので、トナーの電気抵抗は制御できるが、針状の二酸化チタン微粒子を外添していないので、トナーの流動性を改善することは必ずしも十分ではなかった。
また、高温高湿環境下においては、トナーの帯電量が特に低下しやすく、特許文献1〜4に記載のトナーのような針状の酸化チタンを外添剤として用いたトナーなどの従来のトナーでは、感光体上に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する際に記録媒体上にトナー像が十分に転写されず、画像濃度が低下して画像が劣化することがあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、感光体などを損傷することなく、高温高湿環境下であっても長期にわたりスリーブ付着および現像ゴーストの発生を抑制し、画像劣化を防止できる静電潜像現像用トナーの実現を目的とする。
本発明の静電潜像現像用トナーは、トナー母粒子に、針状酸化チタンとシリカとが外添された静電潜像現像用トナーであって、前記針状酸化チタンは、アスペクト比(平均長軸径/平均短軸径)が1.25以上、2.50未満であり、かつ平均長軸径および平均短軸径が20nm以上、300nm未満であり、前記シリカは、体積基準の変動係数{(標準偏差/体積基準平均粒子径)×100}が10%以上、65%未満であり、前記トナー母粒子の表面に、前記シリカからなる平均凝集粒子径が50nm以上、250nm未満の凝集体が形成されていることを特徴とする。
ここで、前記シリカは、体積基準の変動係数が10%以上、45%未満であり、かつシリカからなる凝集体は、平均凝集粒子径が100nm以上、250nm未満であることが好ましい。
また、本発明の静電潜像現像用トナーは、トナーおよびキャリアを含有する2成分現像剤を担持する磁気ローラからトナーのみを転移させることにより現像スリーブ上にトナー薄層を形成させ、静電潜像が形成された感光体の表面に、前記トナー薄層からトナーを飛翔させて静電潜像をトナー像として現像するタッチダウン現像の現像手段を具備する画像形成装置に好適に用いられる。
本発明の静電潜像現像用トナーによれば、感光体などを損傷することなく、高温高湿環境下であっても長期にわたりスリーブ付着および現像ゴーストの発生を抑制し、画像劣化を防止できる。
また、本発明の静電潜像現像用トナーは、タッチダウン現像方式の現像手段を具備する画像形成装置に好適に用いられる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の静電潜像現像用トナー(以下、単に「トナー」という場合がある。)は、トナー母粒子と外添剤を含む。
[外添剤]
外添剤としては、針状酸化チタンとシリカとを併用する。
<針状酸化チタン>
本発明に用いられる針状酸化チタンは、アスペクト比(平均長軸径/平均短軸径)が1.25以上、2.50未満であり、1.50〜2.25であることが好ましい。
アスペクト比が1.25未満であると、形状が球状に近づくため電荷リーク性能が低下してトナーに電荷が蓄積しやすくなり、トナーの帯電量が上昇して過帯電になりやすくなる。また、後述するトナー母粒子の表面に針状酸化チタンが埋没しやすくなる。
一方、アスペクト比が2.50以上であると、電荷リーク性能が必要以上に促進され、トナーの帯電量が著しく低下しやすくなる。その結果、現像スリーブ上のトナー量が増え、スリーブ付着が発生しやすくなる。また、現像スリーブ上のトナー量が増えると、現像スリーブ上に残留するトナーも必然的に増えるので回収が間に合わず、現像ゴーストが発生しやすくなる。また、感光体などに針状酸化チタンが刺さりやすくなり、感光体などを損傷する場合がある。
針状酸化チタンは、平均長軸径が20nm以上、300nm未満であり、100〜275nmであることが好ましい。また、針状酸化チタンは、平均短軸径が20nm以上、300nm未満であり、20〜200nmであることが好ましい。
平均長軸径および平均短軸径が20nm未満であると、比表面積が大きくなり、針状酸化チタンが凝集しやすくなりトナーの帯電量が不安定になりやすくなる。また、トナー母粒子の表面に針状酸化チタンが埋没したり、針状酸化チタン自身の機械的強度が低下したりするため、トナーの帯電量が不安定になりやすくなる。さらに、トナー母粒子の表面に針状酸化チタンが埋没すると、トナー母粒子表面の露出度が大きくなるため、ワックスなど後述するトナー母粒子を構成する成分が表面に露出しやすくなり、結果、現像ローラ上へのトナーの付着力が強まり、スリーブ付着や現像ゴーストが発生しやすくなる。
一方、平均長軸径および平均短軸径が300nm以上であると、針状酸化チタンがトナー母粒子から脱離しやすくなり、トナーの流動性が低下する。また、針状酸化チタンがトナー母粒子から脱離すると、トナー母粒子表面の露出度が大きくなるため、結果、現像ローラ上へのトナーの付着力が強まり、スリーブ付着や現像ゴーストが発生しやすくなる。
針状酸化チタンの平均長軸径および平均短軸径は、ランダムに選択した50個の針状酸化チタンについて、電子顕微鏡で拡大写真を撮影し、画像解析装置を用いて長軸径および短軸径を測定し、その平均値を平均長軸径および平均短軸径とする。なお、測定には針状酸化チタン単体を用いてもよく、トナー母粒子に添加した状態で用いてもよく、いずれの場合も同程度の測定結果が得られる。
通常、外添剤として用いられる酸化チタンは、1次粒子径が0.2〜0.3μm程度の球状であり、トナー母粒子に外添すると、そのほとんどがトナー母粒子上で凝集体を形成する。
一方、本発明で用いる針状酸化チタンは、平均長軸径および平均短軸径が前記範囲内であり、球状の酸化チタンとは異なり、トナー母粒子に外添しても凝集体を形成するのは全体のうちの一部である。従って、球状の酸化チタンに比べて分散性に優れる。
針状酸化チタンは、公知の方法により調製することができる。以下に針状酸化チタンの調製方法の一例を示す。
まず、硫酸法で得られたメタチタン酸に、濃度50%のNaOH水溶液をNaOHとしてTiOに対し4倍モル量添加し、95℃で2時間加熱する。これを純水で十分に洗浄した後、濃度31%のHCl水溶液を、HCl/TiO=0.26になるよう添加し、塩酸の沸点で1時間加熱する。その後冷却し、1N−NaOH水溶液でpH=7になるまで中和した後、洗浄、乾燥して、ルチル型酸化チタンを作製する。
ついで、得られたルチル型酸化チタン100質量部に対し、NaClを100質量部とNa・10H0を25質量部添加し、振動ボールミルで1時間混合し、混合物を電気炉にて850℃で1時間焼成する。得られた焼成物を純水中に投入し、80℃で6時間加熱した後、純水で洗浄して可溶塩を除去し、針状酸化チタンを調製する。
なお、焼成温度、焼成時間などを調節することで、針状酸化チタンの長軸径および短軸径を調整できる。具体的には、焼成温度を高くすると、長軸径および短軸径は大きくなる傾向にあり、焼成温度を低くすると、長軸径および短軸径は小さくなる傾向にある。
また、針状酸化チタンの長軸径および短軸径の調整方法としては、上述したものに限定されず、例えば針状酸化チタンの調製に用いるルチル型酸化チタンの製造方法を変更することでも調整が可能である。
このようにして得られる針状酸化チタンは、BET比表面積が20m/g以上、65m/g未満であること好ましく、25〜60m/gであることがより好ましい。BET比表面積が20m/g未満であると、針状酸化チタンの粒度が大きくなり、トナー母粒子から脱離しやすくなり、トナーの流動性が低下する。一方、BET比表面積が65m/g以上であると、針状酸化チタンの粒度が小さくなり、トナー母粒子の表面に針状酸化チタンが埋没しやすくなる。
ここで、BET比表面積とは、窒素吸着比表面積法(BET法)に従って算出される面積のことであり、針状酸化チタンの表面に吸着された液体窒素の吸着量から求められる。具体的には、針状酸化チタンを0.5〜1.0g採取し、Mountech社製の「Macsorb HM−1208」を用い、脱気温度:45℃、脱気時間:30分、測定時間:10分の条件にて測定する。
針状酸化チタンには、疎水性向上を目的として、チタネートカップリング剤やシリコーンオイルなどの処理剤を用いて表面処理を施してもよい。
<シリカ>
本発明に用いられるシリカは、体積基準の変動係数(CV値)が10%以上、65%未満であり、10%以上、45%未満であることが好ましい。
ここで、CV値とは、標準偏差と体積基準平均粒子径の比であり、例えば電子顕微鏡で拡大写真を撮影し、画像解析装置を用いてシリカの粒子径を測定したり、コールターマルチサイザーなどの粒度分布測定装置を用いて粒子径を測定したりして、下記式より求めることができる。また、CV値が小さくなるほど、粒子径が揃う(粒度分布がシャープになる)傾向にある。
CV値=(標準偏差/体積基準平均粒子径)×100
CV値が上記範囲内であれば、シリカの粒度分布がシャープになり(すなわち、粒子径が揃う)、その結果、帯電量分布もシャープとなり、高温高湿環境下であっても優れたトナーの流動性を維持できる。
なお、CV値が10%以上、45%未満であると、シリカの粒度分布がさらにシャープなものとなるので、帯電量分布もさらにシャープとなり、その結果、トナーの流動性と現像ローラ上への付着力のバランスがより良好なものとなり、かぶりやトナー飛散の発生を容易に抑制できるようになる。
シリカのCV値は、例えばシリカの製造方法により調整可能である。シリカの製造方法としては大別して乾式法と湿式法の2種類が挙げられるが、湿式法にて製造する方が、乾式法に比べてCV値は小さくなる傾向にある。
また、シリカをトナー母粒子に外添する前に、混合機や粉砕機などにて解砕することでも、CV値を調整することができる。この際、解砕するほどCV値は小さくなる傾向にある。
さらに、シリカをトナー母粒子に外添する際の外添時間を調節することでも、CV値を微調整することができる。具体的には、外添時間が長くなるほどCV値は小さくなる傾向にある。
(凝集体)
凝集体は前記シリカからなり、後述するトナー母粒子の表面に形成されている。凝集体の平均凝集粒子径は50nm以上、250nm未満であり、100nm以上、250nm未満であることが好ましい。
凝集体の平均凝集粒子径が50nm未満であると、トナー母粒子の表面に凝集体が埋没しやすくなる。一方、凝集体の平均凝集粒子径が250nm以上であると、トナーの流動性が低下すると共に、凝集体がトナー母粒子の表面から脱離しやすくなる。
なお、凝集体の平均凝集粒子径が、100nm以上、250nm未満であると、トナーの耐ストレス性能が向上するので、トナーの表面状態が変化しにくくなり、かぶりやトナー飛散の発生を容易に抑制できるようになる。
凝集体の平均凝集粒子径は、凝集体を分散させた状態で、ランダムに選択した50個の凝集体について、電子顕微鏡で拡大写真を撮影し、画像解析装置を用いて凝集粒子径を測定し、その平均値を平均平均凝集粒子径とする。なお、測定には凝集体単体を用いてもよく、トナー母粒子に添加した状態で用いてもよく、いずれの場合も同程度の測定結果が得られる。
凝集体の平均凝集粒子径は、シリカの平均1次粒子径に依存し、使用するシリカの平均1次粒子径が小さくなるにつれ、凝集体の平均凝集粒子径は大きくなる傾向にある。
また、例えばシリカの製造方法やシリカの外添時間の調節などによっても、凝集体の平均凝集粒子径を調整できる。具体的には、シリカを湿式法にて製造したり、シリカをトナー母粒子に外添する前に解砕したり、外添時間を長くしたりすることで、凝集体の平均1次粒子径は小さくなる傾向にある。
このように、シリカはトナーの流動化剤の役割を果たすと共に、本来の特性である絶縁性に優れた外添剤である。従って、上述した針状酸化チタンとシリカとを併用することで、トナーの帯電量が低下しやすい高温高湿環境下(例えば、温度30〜35℃、湿度75〜90%RHの環境下)であっても、トナーの流動性と帯電量のバランスが良好な状態で維持できるので、スリーブ付着や現像ゴーストの発生を抑制できると共に、転写性能が向上するため、感光体上に形成されたトナー像を記録媒体上に十分に転写でき、画像濃度を維持して画像の劣化を軽減できる。
特に、CV値が10%以上、45%未満であるシリカを用い、かつ、該シリカからなる凝集体の平均凝集粒子径が100nm以上、250nm未満であれば、トナー飛散やかぶりの発生をも抑制できる。
<その他>
本発明においては、外添剤として上述した針状酸化チタンやシリカ以外にも、その他の外添剤を併用してもよい。その他の外添剤としては、酸化チタンが好ましい(ただし、形状は針状以外のものとする。)。該酸化チタンは、トナー母粒子上で凝集体を形成しやすい。該凝集体の平均凝集粒子径は300nm以上、1500nm未満が好ましく、300nm以上、1000nm未満がより好ましい。平均凝集粒子径が300nm未満であると、研磨性が低下しやすくなる。一方、平均凝集凝集径が1500nm以上であると、酸化チタンがトナー母粒子の表面から脱離しやすくなり、トナーの帯電量が不安定になりやすくなる。
[トナー母粒子]
本発明のトナーを構成するトナー母粒子としては、公知のトナー母粒子を用いることができる。具体的には、結着樹脂中に着色剤やその他の添加剤を分散させたものが挙げられる。
トナー母粒子を構成する結着樹脂および着色剤としては、通常のトナー母粒子に用いられる公知の結着樹脂および着色剤を用いることができる。また、その他の添加剤としては、離型剤や電荷制御剤などが挙げられる。これら離型剤および電荷制御剤についても、通常のトナー母粒子に用いられる公知の離型剤および電荷制御剤を用いることができる。
なお、本発明のトナーを、例えば磁性トナーとして用いる場合は、着色剤に代えて、あるいは着色剤と共に磁性成分を含有させる。磁性成分としては、通常のトナー母粒子に用いられる公知の磁性粉を用いることができる。
<トナー母粒子の製法>
トナー母粒子は、公知の溶融混練・粉砕法、重合法、溶融造粒法、スプレー造粒法、紡糸法等で製造することができる。例えば、溶融混練・粉砕法であれば次のような手順で製造する。結着樹脂、着色剤などの必要な原料を、ヘンシェルミキサー等のミキサーで混合し、二軸押し出し機等で溶融混練後、ターボミル等の粉砕機で粉砕する。その後、気流式分級機等の分級機で分級してトナー母粒子とする。
このようにして得られるトナー母粒子は、高画質の画像を形成することを考慮すると、体積基準の中心粒子径が3〜10μmであることが好ましく、4〜7μmであることがより好ましい。
[静電潜像現像用トナー]
本発明のトナーは、上述したトナー母粒子に、外添剤として上述した針状酸化チタンおよびシリカと、必要に応じてその他の添加剤を外添し、ヘンシェルミキサー等のミキサーで混合することで得られる。針状酸化チタンおよびシリカの外添量の合計は、トナー母粒子100質量部に対して0.10〜7.00質量部が好ましく、1.00〜5.00質量部がより好ましい。また、その他の外添剤を併用する場合、その他の外添剤の外添量は、トナー母粒子100質量部に対して0.10〜7.00質量部が好ましく、1.00〜5.00質量部がより好ましい。
なお、針状酸化チタンとシリカの外添量の割合は、針状酸化チタン:シリカ=8.0:2.0〜2.0:8.0が好ましく、6.5:3.5〜3.5:6.5がより好ましい。
本発明のトナーは、そのまま1成分現像剤として用いてもよく、キャリアを添加し、ボールミル等の混合機で混合して2成分現像剤として用いてもよい。
キャリアとしては、磁性体の粒子、または結着樹脂中に磁性体を分散させた樹脂粒子、磁性を有するコア表面を樹脂のコート層でコートした、いわゆる樹脂コートタイプのキャリアが挙げられる。中でも樹脂コートタイプのキャリアが好適であり、具体的には、質量Mn/Mgからなる平均粒子径35μmのコア表面を、コア100質量部に対して3質量部のシリコーン樹脂でコートした樹脂コートキャリアが挙げられる。
2成分現像剤における本発明のトナーの割合は、2成分現像剤100質量%中、5〜20質量%が好ましく、5〜12質量%がより好ましい。
このようにして得られる本発明のトナーは、外添剤として上述した特定の針状酸化チタンを用いるので、トナーの帯電量が上昇してトナーが過帯電になるのを抑制できる。トナーは現像スリーブの表面に電気的な付着力で固着しているので、トナーの帯電量の上昇を抑制することで、長期にわたりスリーブ付着を防止できる。
また、針状酸化チタンはトナー母粒子から脱離しにくいので、トナーの流動性を維持できる。従って、現像スリーブ上に残留するトナーの回収効率が長期にわたり良好なものとなるため、現像ゴーストの発生を防止できる。
さらに、外添剤として特定のシリカを用いるので、帯電量分布がシャープとなり、高温高湿環境下であっても優れたトナーの流動性を維持できる。
従って、上述した針状酸化チタンとシリカとを併用することで、トナーの帯電量が低下しやすい高温高湿環境下であっても、スリーブ付着や現像ゴーストの発生を抑制できると共に、転写性能が向上するため、感光体上に形成されたトナー像を記録媒体上に十分に転写でき、画像濃度を維持して画像の劣化を軽減できる。
さらに、本発明のトナーは、感光体などを損傷しにくい。
本発明のトナーは、電子写真方式の一般の画像形成装置において好適に使用できるが、その特性から、タッチダウン現像の現像手段を具備する画像形成装置の使用に特に適している。
なお、タッチダウン現像とは、「トナーおよびキャリアを含有する2成分現像剤を担持する磁気ローラからトナーのみを転移させることにより現像スリーブ上にトナー薄層を形成させ、静電潜像が形成された感光体の表面に、前記トナー薄層からトナーを飛翔させて静電潜像をトナー像として現像する方式」のことである。
タッチダウン現像で用いる場合、トナーの帯電量が上昇すると、スリーブ付着が生じやすかった。また、現像スリーブ上に残留するトナーが回収されにくくなるため、現像ゴーストが発生しやすかった。しかし、過帯電が起こりにくい本発明のトナーを用いれば、長期にわたりスリーブ付着および現像ゴーストの発生を抑制できる。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明する。しかしながら、本発明は、これらの実施例によって何等限定されるものではない。
[実施例1−1]
<トナー母粒子の調製>
結着樹脂としてポリエステル系樹脂90質量部と、着色剤としてカーボンブラック(三菱化学社製、「MA−100」)5質量部と、離型剤としてワックス(日本精鑞社製、「FT−100」)4質量部と、電荷制御剤として正電荷制御剤(オリエント化学工業社製、「N−01」)1質量部とをヘンシェルミキサーにて混合した後、2軸押出機にて溶融混練したのち冷却し、ハンマーミルにて粗粉砕した。機械式粉砕機にてさらに微粉砕したものを気流式分級機により分級し、体積基準の平均粒子径が6.8μmのトナー母粒子を得た。
トナー母粒子の体積基準の平均粒子径は、コールターカウンター(ベックマン・コールター社製、「マルチサイザー3」)を使用し、100μmのアパチャーチューブを用いて、トナー母粒子の粒度分布を測定し、トナー母粒子の体積から体積基準の平均粒子径を求めた。
<針状酸化チタンおよびシリカの調製>
(針状酸化チタン)
硫酸法で得られたメタチタン酸に、濃度50%のNaOH水溶液をNaOHとしてTiOに対し4倍モル量添加し、95℃で2時間加熱した。これを純水で十分に洗浄した後、濃度31%のHCl水溶液を、HCl/TiO=0.26になるよう添加し、塩酸の沸点で1時間加熱した。その後冷却し、1N−NaOH水溶液でpH=7になるまで中和した後、洗浄、乾燥して、ルチル型酸化チタンを作製した。
ついで、得られたルチル型酸化チタン100質量部に対し、NaClを100部とNa・10H0を25質量部添加し、振動ボールミルで1時間混合し、混合物を電気炉にて、焼成温度850℃、焼成時間1時間の条件で焼成した。得られた焼成物を純水中に投入し、80℃で6時間加熱した後、純水で洗浄して可溶塩を除去し、針状酸化チタンを調製した。
(シリカ)
常法に従い、乾式法にてシリカを製造した後、粉砕機にて解砕し、後述の方法にて測定されるCV値および凝集体の平均凝集粒子径が表1に示す値のシリカを調製した。
<トナーの製造>
得られたトナー母粒子100質量部に対し、外添剤として針状酸化チタン1.0質量部と、シリカ1.0質量部と、酸化チタン(チタン工業社製、「EC−100」)1.5質量部とを外添し、ヘンシェルミキサーにて混合して、トナー母粒子の表面に外添剤が付着したトナーを得た。
<針状酸化チタンおよびシリカの物性測定>
(針状酸化チタン)
得られたトナーについて、走査型電子顕微鏡(日本電子社製、「JSM−880」)を用いて5万倍の拡大写真を撮影し、画像解析装置を用いてトナー母粒子に付着した針状酸化チタンの長軸径および短軸径を測定した。ランダムに選択した50個のトナーについて、同様にして針状酸化チタンの長軸径および短軸径を測定し、その平均値を平均長軸径および平均短軸径とした。これらの値より、アスペクト比(平均長軸径/平均短軸径)を求めた。結果を表1に示す。
また、トナー母粒子に外添する前の針状酸化チタンを0.5〜1.0g採取し、Mountech社製の「Macsorb HM−1208」を用い、脱気温度:45℃、脱気時間:30分、測定時間:10分の条件にて、針状酸化チタンのBET比表面積を測定した。結果を表1に示す。
(シリカ)
得られたトナーについて、走査型電子顕微鏡を用いて5万倍の拡大写真を撮影し、画像解析装置を用いてトナー母粒子に付着したシリカの1次粒子径を測定した。ランダムに選択した20個のトナーについて、同様にしてシリカの1次粒子径を測定し、標準偏差および体積基準平均粒子径を算出し、下記式よりCV値を求めた。結果を表1に示す。
CV値=(標準偏差/体積基準平均粒子径)×100
また、CV値を測定する方法と同様にしてトナーについて走査型電子顕微鏡を用いて拡大写真を撮影し、トナー母粒子に付着したシリカからなる凝集体の凝集粒子径を測定した。ランダムに選択した20個のトナーについて、同様にしてシリカからなる凝集体の凝集粒子径を測定し、その平均値を平均凝集粒子径とした。結果を表1に示す。
<評価1:常温常湿環境>
(スリーブ付着の評価)
得られたトナーを、評価機(京セラミタ社製、「FS−C5030N」)にセットし、評価機の電源を入れ安定直後の画像を出力し、これを初期画像とした。
ついで常温常湿環境下(温度:20〜23℃、相対湿度50〜65%RH)において、印字率4〜5%で、連続10万枚印刷を行い、ベタ画像を得た。
初期および10万枚印刷後の現像スリーブおよび画像について、以下の判定基準により目視評価した。結果を表2に示す。
◎:現像スリーブ上にトナーの付着および固着が確認できず、かつ画像にも影響がない。
○:現像スリーブ上に若干トナーが付着しているが、画像には影響がない。
△:現像スリーブ上にトナーが付着および固着しており、画像にも若干の影響を与えている。
×:現像スリーブ上の全面にトナーが付着および固着しており、画像にも影響を与えている。
(現像ゴーストの評価)
先のスリーブ付着の評価と同様にして初期画像、および連続10万枚印刷を行った時のベタ画像を得た。
初期画像とベタ画像について、マクベス反射濃度計(グレタグマクベス社製、「SPM−50」)を用い、画像濃度(ID)、および明度(L)、色相(a)、色相(b)を測定した。これらの値より、ΔE[ΔE={(a+(b+(L1/2]を求めた。判定基準は下記の通りである。結果を表2に示す。
◎:ΔEが3以下。
○:ΔEが3超、5未満。
△:ΔEが5以上、10未満。
×:ΔEが10以上。
(画像劣化の評価)
先のスリーブ付着の評価と同様にして初期画像、および連続10万枚印刷を行った時のベタ画像を得た。
初期画像とベタ画像について、マクベス反射濃度計(グレタグマクベス社製、「SPM−50」)を用い、画像濃度(ID)およびかぶり値(FD)を測定した。判定基準は下記の通りである。結果を表2に示す。
◎:画像濃度が1.30以上であり、かぶり値が0.005未満である。
○:画像濃度が1.20以上、1.30未満であり、かぶり値が0.005以上、0.010未満である。
△:画像濃度が1.00以上、1.20未満であり、かぶり値が0.010以上、0.020未満である。
×:画像濃度が1.00未満であり、かぶり値が0.020以上である。
<評価2:高温高湿環境>
得られたトナーを、評価機(京セラミタ社製、「FS−C5030N」)にセットし、評価機の電源を入れ安定直後の画像を出力し、これを初期画像とした。
ついで高温高湿環境下(温度:32.5℃、相対湿度80%RH)において、印字率4〜5%で、連続10万枚印刷を行い、ベタ画像を得た。
初期画像とベタ画像等について、評価1と同様にしてスリーブ付着、現像ゴースト、画像劣化の評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例1−2〜1−10、比較例1−1〜1−9]
実施例1−1で調製した針状酸化チタンの製造条件を基に、焼成温度および焼成時間を変更し、表1に示す物性の針状酸化チタンを各々調製した。また、実施例1−1で調製したシリカの製造条件を基に、解砕条件やトナー母粒子への外添時間を変更し、表1に示す物性のシリカを各々調製した。なお、実施例1−9においては、湿式法にて製造して、表1に示す物性のシリカを調製した。
表1に示す物性の針状酸化チタンおよびシリカを用いた以外は、実施例1−1と同様にしてトナーを製造し、各評価を行った。各評価結果を表2に示す。
Figure 2009181005
Figure 2009181005
[実施例2−1]
<トナーの製造>
実施例1−1で調製したシリカの製造条件を基に、解砕条件やトナー母粒子への外添時間を変更し、表3に示す物性のシリカを調製した。該シリカを用いた以外は、実施例1−1と同様にしてトナーを製造した。
<評価3:常温常湿環境>
(スリーブ付着、現像ゴーストの評価)
実施例1−1の評価1と同様にしてスリーブ付着、現像ゴーストの評価を行った。結果を表4に示す。
(画像劣化の評価)
実施例1−1の評価1と同様にして得た初期画像およびベタ画像について、マクベス反射濃度計(グレタグマクベス社製、「SPM−50」)を用い、画像濃度(ID)およびかぶり値(FD)を測定した。判定基準は下記の通りである。結果を表4に示す。
◎:画像濃度が1.30以上であり、かぶり値が0.005未満である。
○:画像濃度が1.20以上、1.30未満である。
△:画像濃度が1.00以上、1.20未満である。
×:画像濃度が1.00未満である。
(かぶりの評価)
実施例1−1の評価1と同様にして得た初期画像とベタ画像について、マクベス反射濃度計(グレタグマクベス社製、「SPM−50」)を用い、かぶり値(FD)を測定した。判定基準は下記の通りである。結果を表4に示す。
◎:かぶり値が0.005未満である。
○:かぶり値が0.005以上、0.010未満である。
△:かぶり値が0.010以上、0.020未満である。
×:かぶり値が0.020以上である。
(トナー飛散の評価)
実施例1−1の評価1と同様にして連続10万枚印刷を行った。
初期および10万枚印刷後の評価機について、以下の判定基準により目視評価した。結果を表4に示す。
◎:評価機に備わる現像器のあご部内に滞留したトナー量が100mg未満であり、評価機内の汚染はごくわずかである。
○:評価機に備わる現像器のあご部内に滞留したトナー量が100mg以上、500mg未満であり、評価機内の汚染はわずかである。
△:評価機に備わる現像器のあご部内に滞留したトナー量が500mg以上、1000mg未満であり、評価機内が汚染されている。
×:評価機に備わる現像器のあご部内に滞留したトナー量が1000mg以上であり、評価機内が著しく汚染されている。
<評価4:高温高湿環境>
得られたトナーを、評価機(京セラミタ社製、「FS−C5030N」)にセットし、評価機の電源を入れ安定直後の画像を出力し、これを初期画像とした。
ついで高温高湿環境下(温度:32.5℃、相対湿度80%RH)において、印字率4〜5%で、連続10万枚印刷を行い、ベタ画像を得た。
初期画像とベタ画像等について、スリーブ付着および現像ゴーストの評価は評価1と同様にし、画像劣化、かぶり、およびトナー飛散の評価は評価3と同様にして行った。結果を表5に示す。
[実施例2−2〜2−12、比較例2−1〜2−7]
実施例1−1で調製した針状酸化チタンの製造条件を基に、焼成温度および焼成時間を変更し、表1に示す物性の針状酸化チタンを各々調製した。また、実施例1−1で調製したシリカの製造条件を基に、解砕条件やトナー母粒子への外添時間を変更し、表3に示す物性のシリカを各々調製した。なお、実施例2−9においては、湿式法にて製造して、表3に示す物性のシリカを調製した。
表3に示す物性の針状酸化チタンおよびシリカを用いた以外は、実施例1−1と同様にしてトナーを製造した。得られたトナーについて、実施例2−1と同様にして各評価を行った。各評価結果を表4〜7に示す。
Figure 2009181005
Figure 2009181005
Figure 2009181005
Figure 2009181005
Figure 2009181005
表2、4、5から明らかなように、各実施例で得られたトナーは、連続10万枚印刷してもスリーブ付着および現像ゴーストの発生を抑制できた。また、画像劣化の評価も良好であり、画像濃度の低下を抑え、画像ムラの発生を防止できた。
さらに、トナーの帯電量が低下しやすい高温高湿環境下において連続10万枚印刷しても、スリーブ付着および現像ゴーストの発生を抑制できた。また、画像劣化の評価も良好であり、画像濃度の低下を抑え、画像ムラの発生を防止できた。これより、転写性能を良好な状態で維持できたことが明らかとなった。
特に、CV値が10%以上、45%未満を満たすシリカを用い、かつ、該シリカからなる凝集体の凝集平均粒子径が100nm以上、250nm未満を満たした実施例2−1〜2−10で得られたトナーは、常温常湿環境下、および高温高湿環境下のいずれにおいても、かぶりやトナー飛散の発生をも効果的に抑制できた。
一方、表2、6、7から明らかなように、シリカを併用しなかった比較例1−1、2−1のトナーは、トナーの流動性が低下したため、高温高湿環境下において連続10万枚印刷すると現像されにくくなり、スリーブ付着が発生すると共に、現像スリーブ上に残留するトナーが回収されにくくなり、現像ゴーストが発生しやすかった。また、高温高湿環境下であるため、トナーの帯電量の低下を抑制できず、結果、転写性能が低下して画像が劣化した。
アスペクト比が2.83である針状酸化チタンを用いた比較例1−2、2−2のトナーは、電荷リーク性能が必要以上に促進され、トナーの帯電量が著しく低下した。特に、高温高湿環境下においては、トナーの帯電量が著しく低下したため、連続10万枚印刷すると、シリカを併用しても転写性能が低下して画像が劣化した。また、現像スリーブ上のトナー量が増えたことに起因して、スリーブ付着が発生した。また、現像スリーブ上に残留するトナーも増えたため、回収が間に合わず、現像ゴーストが発生した。
アスペクト比が1.08である針状酸化チタンを用いた比較例1−3、2−3のトナーは、針状酸化チタンの形状が球状に近づいたため、電荷リーク性能が低下し、トナーに電荷が蓄積され、トナーの帯電量が上昇し、トナーが過帯電になりやすかった。一方、高温高湿環境下においては、トナーの帯電量は低下するが、帯電量的には現像性能を維持している。しかし、酸化チタンが十分な針状形状ではなく球形に近いため、トナー母粒子に埋没しやすく、高温高湿環境下で連続10万枚印刷すると、現像スリーブ上へのトナーの付着力が増加し、スリーブ付着や現像ゴーストが発生した。また、針状酸化チタンがトナー母粒子に埋没したり、現像スリーブ上へのトナーの熱機械的な(物理的な)付着力が増加したりすることに起因して、画像濃度が低下して画像が劣化しやすかった。
平均短軸径が15nmの針状酸化チタンを用いた比較例1−4、2−4のトナーは、BET比表面積が大きかったため、常温常湿環境下と高温高湿環境下の両方においてトナーの帯電量が不安定になりやすく、画像が劣化しやすかった。また、印刷枚数が増えるとトナー母粒子の表面に針状酸化チタンが埋没しやすくなり、トナー母粒子表面の露出度が大きくなったため、ワックスなどのトナー母粒子を構成する成分が表面に露出した結果、現像ローラ上へのトナーの付着力が強まり、スリーブ付着や現像ゴーストが発生した。
平均長軸径が310nmの針状酸化チタンを用いた比較例1−5、2−5のトナーは、連続10万枚印刷すると、トナー母粒子の表面から針状酸化チタンが脱離しやすくなり、トナー母粒子表面の露出度が大きくなったため、現像ローラ上へのトナーの付着力が強まり、スリーブ付着や現像ゴーストが発生した。また、トナーの流動性が低下したため、トナーの帯電量が上昇したことも、スリーブ付着や現像ゴーストの原因となったと考えられる。
平均凝集粒子径が40nmの凝集体を形成したシリカを用いた比較例1−6のトナーは、連続10万枚印刷すると、トナー母粒子の表面にシリカが埋没しやすくなり、シリカの効果が発現しにくかった。そのため、高温高湿環境下においては、転写性能が低下して画像が劣化した。また、トナー母粒子表面の露出度が大きくなったため、現像ローラ上へのトナーの付着力が強まり、スリーブ付着や現像ゴーストが発生した。
平均凝集粒子径が300nmの凝集体を形成したシリカを用いた比較例1−7、2−6のトナーは、トナーの流動性が低下したため、現像ローラへのトナーの接触時間が長くなることによりトナーの帯電量が上昇し、その結果、連続10万枚印刷すると現像ローラ上へのトナーの付着力が強まり、スリーブ付着や現像ゴーストが発生した。また、シリカがトナー母粒子から脱離しやすくなったことも、スリーブ付着や現像ゴーストの原因となったと考えられる。
CV値が75%のシリカを用いた比較例1−8のトナーは、シリカの粒度分布がブロードであるため、トナーの帯電量分布もブロードになりやすかった。その結果、トナーの流動性が低下し、特に高温高湿環境下において、現像ローラ上へのトナーの付着力が強まり、スリーブ付着や現像ゴーストが発生すると共に、画像が劣化した。
針状酸化チタンを併用しなった比較例1−9、2−7のトナーは、トナーの帯電量が上昇したため、連続10万枚印刷すると現像ローラ上へのトナーの付着力が強まり、スリーブ付着や現像ゴーストが発生した。また、高温高湿環境下においては、スリーブ付着や現像ゴーストの発生が顕著であるのと同時に、トナーの帯電量が著しく低下したため、転写性能が低下して画像が劣化した。
このように、本発明によれば、外添剤として上述した特定の針状酸化チタンおよびシリカを併用することで、トナーの帯電量が低下しやすい高温高湿環境下であっても、スリーブ付着や現像ゴーストの発生を抑制できると共に、転写性能が向上するため、感光体上に形成されたトナー像を記録媒体上に十分に転写でき、画像濃度を維持して画像の劣化を軽減できる。
また、特定のシリカのうち、CV値が10%以上、45%未満であるシリカを用い、かつ、該シリカからなる凝集体の平均凝集粒子径が、100nm以上、250nm未満であれば、トナー飛散やかぶりの発生をも抑制できる。

Claims (3)

  1. トナー母粒子に、針状酸化チタンとシリカとが外添された静電潜像現像用トナーであって、
    前記針状酸化チタンは、アスペクト比(平均長軸径/平均短軸径)が1.25以上、2.50未満であり、かつ平均長軸径および平均短軸径が20nm以上、300nm未満であり、
    前記シリカは、体積基準の変動係数{(標準偏差/体積基準平均粒子径)×100}が10%以上、65%未満であり、
    前記トナー母粒子の表面に、前記シリカからなる平均凝集粒子径が50nm以上、250nm未満の凝集体が形成されていることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
  2. 前記シリカは、体積基準の変動係数が10%以上、45%未満であり、かつシリカからなる凝集体は、平均凝集粒子径が100nm以上、250nm未満であることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
  3. トナーおよびキャリアを含有する2成分現像剤を担持する磁気ローラからトナーのみを転移させることにより現像スリーブ上にトナー薄層を形成させ、静電潜像が形成された感光体の表面に、前記トナー薄層からトナーを飛翔させて静電潜像をトナー像として現像するタッチダウン現像の現像手段を具備する画像形成装置に用いられることを特徴とする請求項1または2に記載の静電潜像現像用トナー。
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