JP5173764B2 - 二成分現像剤及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
このうち二成分現像方式は、キャリアを介してトナー粒子を摩擦帯電させるため、一成分現像方式と比較して、現像剤の摩擦帯電特性に優れている。
そして、かかる二成分現像方式に用いられる二成分現像剤においては、トナー粒子とキャリアとの摩擦帯電を所望の範囲とするために、シリカ等の無機微粒子を外添剤として用い、現像剤の流動性を調節する方法が実施されている。
一方、二成分現像剤には、キャリアが含まれるため、一成分現像剤と比較してトナー粒子に対する物理的あるいは熱的ストレスが大きくなりやすい。
そのため、外添剤としてのシリカ等の無機微粒子が、トナー粒子に対して埋没しやすく、結果として現像剤が劣化しやすくなるという問題が見られた。
より具体的には、所定形状の非磁性トナー粒子に対して、一次個数平均粒径が50nm以下の無機微粒子と、一次個数平均粒径が50〜1000nmであって、表面積形状球形度φが0.91〜1.00である真球状樹脂微粒子と、を外添させる方法が開示されている。
すなわち、本発明の目的は、トナー粒子に対する無機微粒子の埋没を効果的に抑制して、長時間連続して画像形成を行った場合であっても劣化しにくい二成分現像剤及びそれを用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
すなわち、二成分現像剤において、トナー粒子の外添剤として無機微粒子及び樹脂微粒子を用いるとともに、それぞれの数平均粒子径を無機微粒子の方が樹脂微粒子よりも大きくなるよう所定の範囲に規定し、かつ、無機微粒子の表面に対し、樹脂微粒子を固着させることにより、トナー粒子に対する無機微粒子の埋没を効果的に抑制することができる。
より具体的には、無機微粒子の数平均一次粒子径を所定の大粒径とすることにより、小粒径の無機微粒子と比較して、トナー粒子に対する無機微粒子の埋没を抑制することができる。
さらに、当該無機微粒子の表面に対し、小粒径の樹脂微粒子を固着させることにより、トナー−無機微粒子間におけるスペーサー効果を有効に発揮させて、より確実にトナー粒子に対する無機微粒子の埋没を抑制することができる。
したがって、本発明であれば、一成分現像剤と比較して、物理的あるいは熱的ストレスが大きくなりやすい二成分現像剤として構成しているにもかかわらず、長時間連続して画像形成を行った場合であっても、劣化しにくい現像剤を得ることができる。
なお、本発明における「固着」とは、無機微粒子の表面に対し、樹脂微粒子が固定されていることを意味し、固定の態様としては、機械的衝撃による固定、熱融着、あるいは接着等が含まれる。
このように構成することにより、トナー粒子に対する無機微粒子の埋没を、より効果的に抑制することができるばかりか、樹脂微粒子同士の凝集についても、効果的に抑制することができる。
1<(Qr×Di)/(Dr×Qi)<2.5 (1)
このように構成することにより、無機微粒子に対する樹脂微粒子の固着具合をより安定的に制御することができる。
このように構成することにより、樹脂微粒子と、トナー粒子と、における硬度の差を減少させて、樹脂微粒子によるスペーサー効果をより有効に発揮させることができる。
このように構成することにより、現像剤の流動性をより向上させることができるばかりか、樹脂微粒子による固着をさらに安定的に行うことができる。
このように構成することによって、現像剤の流動性をより向上させることができる一方で、第一の無機微粒子自体がスペーサー効果を発揮することから、トナー粒子に対する第二の無機微粒子の埋没を抑制することができる。
すなわち、本発明の画像形成方法であれば、所定の二成分現像剤を用いていることから、長時間連続して画像形成を行った場合であっても、現像剤の劣化が抑制されるため、安定して画像品質を維持することができる。
第1の実施形態は、トナー粒子と、樹脂微粒子と、無機微粒子と、キャリアと、を含む二成分現像剤であって、樹脂微粒子の数平均一次粒子径を75〜150nmの範囲内の値とするとともに、無機微粒子の数平均一次粒子径を200〜500nmの範囲内の値とし、かつ、無機微粒子の表面に対し、樹脂微粒子が固着してあることを特徴とする二成分現像剤である。
以下、第1の実施形態としての二成分現像剤について、構成要件ごとに、具体的に説明する。
(1)結着樹脂
トナー粒子に用いられる結着樹脂の種類は、特に制限されるものではないが、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。
また、トナー粒子に含有させる着色剤は、特に制限されるものではないが、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック、アゾ系顔料、黄色酸化鉄、黄土、ニトロ系染料、油溶性染料、ベンジジン系顔料、キナクリドン系顔料、銅フタロシアニン系顔料等を使用することが好ましい。
また、着色剤の添加量についても特に制限されるものではないが、例えば、トナー粒子の結着樹脂100重量部に対して、0.01〜30重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる着色剤の添加量が0.01重量部未満の値となると、画像濃度が低下して、鮮明な画像を得ることが困難となる場合があるためである。一方、かかる着色剤の添加量が30重量部を超えた値となると、定着性が低下する場合があるためである。
したがって、着色剤の添加量を、トナー粒子の結着樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜15重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、トナー粒子に対して、電荷制御剤を添加することが好ましい。
この理由は、電荷制御剤を添加することによって、帯電レベルや帯電立ち上がり特性(短時間で、一定の電荷レベルに帯電するかの指標)を著しく向上させることができるためである。
このような電荷制御剤の種類としては、特に制限されるものではないが、例えば、ニグロシン、第四級アンモニウム塩化合物、樹脂にアミン系化合物を結合させた樹脂タイプの電荷制御剤等の正帯電性を示す電荷制御剤を使用することが好ましい。
また、電荷制御剤の添加量を、トナー粒子の結着樹脂100重量部に対して、0.5〜10重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、電荷制御剤の添加量が0.5重量部未満の値となると、電荷制御剤の効果が十分に発揮されない場合があるためである。一方、電荷制御剤の添加量が10重量部を超えた値となると、特に高温高湿環境下において、帯電不良及び画像不良が生じやすくなる場合があるためである。
したがって、電荷制御剤の添加量を、トナー粒子の結着樹脂100重量部に対して1〜9重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、2〜8重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、トナー粒子に対して、ワックスを添加することが好ましい。
このようなワックスとしては、特に制限されるものではないが、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フッ素樹脂系ワックス、フィッシャートロプッシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタンワックス、ライスワックス等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
また、ワックスの添加量を、トナー粒子の結着樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、ワックスの添加量が0.1重量部未満の値となると、読み取りヘッドへのオフセットや像スミアリング等を効果的に防止することが困難となる場合があるためである。一方、ワックスの添加量が20重量部を超えると、トナー粒子同士が融着して、保存安定性が低下する場合があるためである。
したがって、ワックスの添加量を、トナー粒子の結着樹脂100重量部に対して0.5〜15重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜10重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、トナー粒子の体積平均粒子径を5〜15μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、トナー粒子の体積平均粒子径が5μm未満の値となると、物理的あるいは熱的ストレスの影響が過度に大きくなって、現像剤の劣化を十分に抑制することが困難となる場合があるためである。一方、トナー粒子の体積平均粒子径が15μmを超えた値となると、高画質画像を得ることが困難となる場合があるためである。
したがって、トナー粒子の体積平均粒子径を6〜12μmの範囲内の値とすることがより好ましく、6〜10μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、かかるトナー粒子の体積平均粒子径は、例えば、ベックマンコールター社製のコールターマルチサイザー3を用いて測定することができる。
また、トナー粒子の製造方法としては、まず、上述した結着樹脂と、ワックスと、着色剤と、必要に応じてその他添加剤とを、公知の方法を用いて、予備混合をした後、溶融混練を行って、トナー用樹脂組成物を調製する。次いで、得られたトナー用樹脂組成物を公知の方法を用いて微粉砕し、その後、分級処理をしてトナー粒子を得ることが好ましい。
ここで、予備混合処理としては、例えば、ヘンシェルミキサー、ボールミル、スーパーミキサー、乾式ブレンダー等を用いて行うことが好ましい。
また、溶融混練処理としては、例えば、二軸押出機や一軸押出機等を用いて行うことが好ましい。また、微粉砕処理としては、例えば、気流式粉砕機等を用いて行うことが好ましい。さらに、分級処理としては、例えば、風力分級機等を用いて行うことが好ましい。
また、本発明の二成分現像剤は、外添剤として樹脂微粒子を含むことを特徴とする。
この理由は、外添剤として樹脂微粒子を含むことにより、トナー粒子と、外添剤としての無機微粒子と、の間におけるスペーサーとしての効果を発揮させて、無機微粒子がトナー粒子に対して埋没することを抑制することができるためである。
樹脂微粒子における結着樹脂としては、トナー粒子の結着樹脂に使用されるものと同様の結着樹脂を用いることができる。
例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系ポリマー、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂を使用することができる。
一方、上述した樹脂の中でも、特にスチレンと、メタクリル酸メチル及びアクリル酸メチルから選択される少なくとも一種と、からなるスチレン−アクリル系ポリマーを含むことが好ましい。
この理由は、これらのスチレン−アクリル系ポリマーであれば、樹脂微粒子と、トナー粒子と、における硬度の差を減少させて、樹脂微粒子によるスペーサー効果をより有効に発揮させることができるためである。
また、樹脂微粒子の数平均一次粒子径を75〜150nmの範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、樹脂微粒子の数平均一次粒子径をかかる範囲とすることにより、後述する所定の数平均一次粒子径を有する無機微粒子が、トナー粒子に対して埋没することを効果的に抑制することができるためである。
その結果、一成分現像剤と比較して、物理的あるいは熱的ストレスが大きくなりやすい二成分現像剤として構成しているにもかかわらず、長時間連続して画像形成を行った場合であっても、劣化しにくい現像剤を得ることができるためである。
すなわち、樹脂微粒子の数平均一次粒子径が75nm未満の値となると、無機微粒子の表面に対し、樹脂微粒子を固着させることはできるものの、樹脂微粒子が過度に変形しやすくなって、無機微粒子と、トナー粒子と、の間におけるスペーサーとしての効果を発揮させることが困難となる場合があるためである。一方、樹脂微粒子の数平均一次粒子径が150nmを超えた値となると、無機微粒子の表面に対し、樹脂微粒子を固着させることが困難となる場合があるためである。
したがって、樹脂微粒子の数平均一次粒子径を75〜100nmの範囲内の値とすることがより好ましい。
なお、樹脂微粒子の数平均一次粒子径は、例えば、フィールドエミッション走査電子顕微鏡(日本電子(株)製、JSM−7700F)によって測定することができる。
また、樹脂微粒子の添加量を、トナー粒子100重量部に対して、0.1〜5重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、樹脂微粒子の添加量をかかる範囲とすることにより、トナー粒子に対する無機微粒子の埋没を、より効果的に抑制することができるばかりか、樹脂微粒子同士の凝集についても、効果的に抑制することができるためである。
すなわち、樹脂微粒子の添加量が0.1重量部未満の値となると、無機微粒子の表面に対して十分に固着させることが困難となる場合があるためである。一方、樹脂微粒子の添加量が5重量部を超えた値となると、樹脂微粒子同士が過度に凝集しやすくなる場合があるためである。
したがって、樹脂微粒子の添加量を、トナー粒子100重量部に対して、0.5〜5重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜4重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、樹脂微粒子は、乳化重合法、またはスプレードライ法等によって製造することができるが、特に好適な製造方法としては、乳化重合法が挙げられる。
乳化重合法について具体的に説明すると、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等の界面活性剤及び過硫酸アンモニウム等の重合開始剤等を添加した溶液を用意する。次いで、かかる溶液に対して、アクリル酸、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート及びスチレン等のモノマー成分を、滴下して、エマルジョンを得る。最後に、かかるエマルジョンを乾燥させることで、樹脂微粒子を得ることができる。
また、トナー粒子に対して、外添剤として、無機微粒子を添加することを特徴とする。
この理由は、無機微粒子を添加することによって、現像剤の流動性を調節することができるためである。さらに、現像剤の流動性を調節することによって、トナー粒子とキャリアとの間における摩擦帯電性を所望の範囲に調節することができるためである。
また、かかる無機微粒子としては、特に制限されるものではないが、例えば、シリカ微粒子や酸化チタン微粒子を用いることが好ましい。
特に、現像剤の流動性をより向上させることができるばかりか、その表面に対して樹脂微粒子を安定的に固着させることができることから、シリカ微粒子とすることが好ましい。
また、かかるシリカ微粒子は、金属ケイ素の酸化による反応熱により、蒸気または液体状態を経て造粒される真球状のシリカ微粒子であることがより好ましい。
また、これらの無機微粒子に対して、疎水化処理を施すことが好ましい。
例えば、シリカ微粒子に対しては、ジメチルポリシロキサン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン及びアリルジメチルクロルシラン等の有機ケイ素化合物によって疎水化処理を施すことができる。
一方、酸化チタン微粒子に対しては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタン、ビニルトリメトキシチタン、ナフチルトリメトキシチタン、フェニルトリメトキシチタン、メチルトリメトキシチタン、エチルトリメトキシチタン、プロピルトリメトキシチタン、イソブチルトリメトキシチタン、オクタデシルトリメトキシチタン等のチタネート系化合物によって疎水化処理を施すことができる。
また、無機微粒子の数平均一次粒子径を200〜500nmの範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、無機微粒子の数平均一次粒子径を、かかる所定の大粒径とすることにより、小粒径の無機微粒子と比較して、トナー粒子に対する無機微粒子の埋没を抑制することができるためである。
さらに、当該無機微粒子の表面に対し、既に上述した所定の数平均一次粒子径を有する樹脂微粒子を、より安定的に固着させて、より確実にトナー粒子に対する無機微粒子の埋没を抑制することができるためである。
その結果、一成分現像剤と比較して、物理的あるいは熱的ストレスが大きくなりやすい二成分現像剤として構成しているにもかかわらず、長時間連続して画像形成を行った場合であっても、劣化しにくい現像剤を得ることができるためである。
すなわち、無機微粒子の数平均一次粒子径が200nm未満の値となると、無機微粒子と、樹脂微粒子と、の粒径が過度に近くなって、無機微粒子の表面に対し、樹脂微粒子を安定的に固着させることが困難となる場合があるためである。一方、無機微粒子の数平均一次粒子径が500nmを超えた値となると、無機微粒子をトナー粒子に対して外添・被覆させることが困難となる場合があるためである。
したがって、無機微粒子の数平均一次粒子径を200〜400nmの範囲内の値とすることがより好ましく、200〜300nmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、無機微粒子の数平均一次粒子径は、例えば、フィールドエミッション走査電子顕微鏡(日本電子(株)製、JSM−7700F)によって測定することができる。
また、無機微粒子の添加量を、トナー粒子100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、無機微粒子の添加量をかかる範囲とすることにより、トナー粒子に対する無機微粒子の埋没を、より効果的に抑制することができるためである。
すなわち、無機微粒子の添加量が0.1重量部未満の値となると、現像剤に対して流動性や摩擦帯電特性を付与することが困難となる場合があるためである。一方、無機微粒子の添加量が10重量部を超えた値となると、所定の樹脂微粒子を併用しているにもかかわらず、トナー粒子に対する埋没を抑制することが困難となる場合があるためである。
したがって、無機微粒子の添加量を、トナー粒子100重量部に対して、1〜8重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜5重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、本発明においては、無機微粒子の表面に対して、所定の樹脂微粒子を固着させることを特徴とする。
この理由は、所定の大粒径無機微粒子の表面に対し、所定の小粒径樹脂微粒子を固着させることにより、トナー−無機微粒子間におけるスペーサー効果を有効に発揮させて、より確実にトナー粒子に対する無機微粒子の埋没を抑制することができるためである。
すなわち、無機微粒子の表面に、トナー粒子と硬度が同じレベルである樹脂微粒子が存在することにより、トナー粒子に対する無機微粒子の埋没を効果的に抑制することができる。
また、樹脂微粒子が、無機微粒子の表面に単に外添されているだけではなく、固着されているため、一成分現像剤と比較して、物理的が大きくなりやすい二成分現像剤として構成しているにもかかわらず、長時間連続して画像形成を行った場合であっても、上述した効果を安定的に維持して、現像剤の劣化を抑制することができる。
さらに、後述するように、トナー粒子に対して、別の小粒径無機微粒子(第二の無機微粒子)を外添させた場合であっても、樹脂微粒子が固着された無機微粒子自体がスペーサーとしての効果を発揮して、小粒径無機微粒子のトナー粒子に対する埋没を抑制することができる。
より具体的には、例えば、三井鉱山(株)製のMP5等のマルチパーパスミキサ内に無機微粒子及び樹脂微粒子を収容し、回転速度500〜20,000rpm、温度60〜90℃にて撹拌する方法が挙げられる。
また、撹拌時間については、無機微粒子及び樹脂微粒子の量によっても異なるが、例えば、無機微粒子120gと、樹脂微粒子60gと、を撹拌する場合には、1〜10分間の範囲内で行うことが好ましい。
また、その他の固着方法としては、機械的衝撃による固定、熱融着、あるいは接着等が挙げられる。
なお、無機微粒子(第一の無機微粒子)に対する樹脂微粒子の添加割合としては、樹脂微粒子による固着具合が好適な状態となることから、無機微粒子100重量部に対して、樹脂微粒子20〜80の範囲内の値とすることが好ましく、40〜60重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、上述した無機微粒子を第一の無機微粒子とした場合に、当該第一の無機微粒子とは別の、第二の無機微粒子であって、その数平均一次粒子径が5〜100nmの範囲内の値である無機微粒子を含むことが好ましい。
この理由は、かかる所定の一次平均粒子径を有する第二の無機微粒子を、さらに含むことにより、現像剤の流動性をより向上させることができるためである。
より具体的には、第一の無機微粒子自体がスペーサー効果を発揮することから、トナー粒子に対する第二の無機微粒子の埋没を効果的に抑制することができる。したがって、粒径の小ささに起因してトナー粒子に対して埋没しやすい一方で、流動性の付与効果には優れる第二の無機微粒子の長所を、効果的に引き出すことができるためである。
すなわち、第二の無機微粒子の数平均一次粒子径が5nm未満の値となると、粒径が過度に小さいために、現像剤の流動性を向上させる効果を得ることが困難となるばかりか、過度に凝集しやすくなる場合があるためである。一方、第二の無機微粒子の数平均一次粒子径が100nmを超えた値となると、粒径が過度に大きいために、現像剤の流動性を向上させる効果を得ることが困難となる場合があるためである。
したがって、第二の無機微粒子の数平均一次粒子径を5〜50nmの範囲内の値とすることがより好ましく、10〜30nmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、第二の無機微粒子としては、特に制限されるものではないが、第一の無機微粒子と同様に、シリカ微粒子や酸化チタン微粒子を用いることができ、その添加量は、トナー粒子100重量部に対して0.1〜10重量部とすることが好ましく、1〜5重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、本発明の二成分現像剤を構成するにあたり、樹脂微粒子の数平均一次粒子径及びトナー粒子100重量部に対する添加量を、それぞれDr(nm)及びQr(重量部)とし、無機微粒子(第一の無機微粒子)の数平均一次粒子径及びトナー粒子100重量部に対する添加量を、それぞれDi(nm)及びQi(重量部)とした場合に、Dr、Qr、Di及びQiが下記関係式(1)を満足することが好ましい。
1<(Qr×Di)/(Dr×Qi)<2.5 (1)
この理由は、樹脂微粒子及び無機微粒子が、かかる関係式(1)を満足することにより、無機微粒子に対する樹脂微粒子の固着具合をより安定的に制御することができるためである。
すなわち、((Qr×Di)/(Dr×Qi))の値が1以下の値となると、無機微粒子の数平均一次粒子径(Di)に対する樹脂微粒子の数平均一次粒子径(Dr)が過度に大きくなったり、無機微粒子の添加量(Qi)に対する樹脂微粒子の添加量(Qr)が過度に小さくなったりする場合があるためである。その結果、無機微粒子の表面に対し、樹脂微粒子を十分に固着させることが困難となる場合があるためである。一方、((Qr×Di)/(Dr×Qi))の値が2.5以上の値となると、無機微粒子の数平均一次粒子径(Di)に対する樹脂微粒子の数平均一次粒子径(Dr)が過度に小さくなったり、無機微粒子の添加量(Qi)に対する樹脂微粒子の添加量(Qr)が過度に大きくなったりする場合があるためである。その結果、樹脂微粒子同士が凝集しやすくなって、無機微粒子の表面に対し、樹脂微粒子を安定的に固着させることが困難となる場合があるためである。
したがって、Dr、Qr、Di及びQiが、下記関係式(1´)を満足することがより好ましい。
1.5<(Qr×Di)/(Dr×Qi)<2.5 (1´)
すなわち、図1には、横軸に((Qr×Di)/(Dr×Qi))(−)を採り、縦軸に現像剤の保存性(重量%)を採った特性曲線を示してある。
なお、保存性とは、現像剤の耐劣化性を評価する指標の一つであり、その値が大きいほど、保存性に優れることを示す。その他の詳細については実施例にて記載する。
より具体的には、((Qr×Di)/(Dr×Qi))の値が0から1へと増加するのにともなって、保存性の値が、少なくとも60重量%前後の値から80重量%前後の値にまで急激に増加している。一方、((Qr×Di)/(Dr×Qi))の値が1を超えると、少なくとも2.5未満までの範囲において、保存性の値を90%前後の高い値に、安定的に保持している。なお、上述したように、((Qr×Di)/(Dr×Qi))の値が2.5以上の値となると、樹脂微粒子同士が凝集しやすくなって、無機微粒子の表面に対し、樹脂微粒子を安定的に固着させることが困難となる場合がある。
したがって、Dr、Qr、Di及びQiを、上述した関係式(1)を満足することにように調節することにより、現像剤の保存性を効果的に向上させることができる旨が理解される。
なお、Dr、Qr、Di及びQiを、上述した関係式(1)を満足するように調節することにより、耐劣化性のその他の指標であるISO2%連続10,000枚印字後の現像剤における現像効率及び1次転写効率も、効果的に向上することが確認されている(実施例)。
本発明としての二成分現像剤に使用されるキャリアは、キャリアコアのみからなるキャリアであってもよいが、キャリアコアと、かかるキャリアコアを被覆する樹脂被覆層からなることがより好ましい。
この理由は、かかる樹脂被覆層によって、キャリアの絶縁性を向上させて、キャリアとトナー粒子との摩擦帯電特性を好適な範囲に調節することができ、さらに、キャリアの耐久性を向上させることができるためである。
キャリアコアとしては、フェライト、マグネタイト、鉄、コバルト及びニッケル等の強磁性を示す金属もしくは合金、またはこれらの強磁性元素を含む化合物、あるいは、強磁性元素を含まないが、適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金等を挙げることができる。
また、このようなキャリアコアとして、ポリビニルアルコール樹脂やポリビニルアセタール樹脂等のバインダー樹脂中に、上述した磁性粉を分散させて造粒したものを用いることも好ましい。すなわち、磁性粉と、バインダー樹脂と、必要に応じて添加剤等と、を混合分散した後、造粒及び乾燥してコア素粒子を得ることができる。その後、得られたキャリアコア素粒子を公知の方法を用いて焼成、粉砕を行ってキャリアコアを得ることができる。
また、キャリアの樹脂被覆層としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等が好適に使用される。
この理由は、これらの樹脂であれば、キャリアにおける摩擦帯電特性等を、好適な範囲に調節することができるためである。
また、かかる樹脂被覆量は、キャリアコア100重量部に対して5〜60重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる樹脂被覆量が5重量部未満の値となると、キャリアコアを十分に被覆することができず、帯電性や耐久性が低下する場合があるためである。一方、かかる樹脂被覆量が60重量部を超えた値となると、流動性が低下したり、スペントが発生しやすくなったりする場合があるためである。
したがって、かかる樹脂被覆量を、キャリアコア100重量部に対して10〜50重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、15〜45重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、キャリアの平均粒子径を20〜120μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、キャリアの平均粒子径が20μm未満の値となると、キャリア飛びが発生しやすくなる場合があるためである。一方、キャリアの平均粒子径が120μmを超えた値となると、現像剤全体としての流動性が低下する場合があるためである。
したがって、キャリアの平均粒子径を30〜110μmの範囲内の値とすることがより好ましく、40〜100μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、キャリアの添加量を、トナー粒子100重量部に対して50〜5000重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、キャリアの添加量が50重量部未満の値となると、樹脂微粒子を外添させた状態のトナー粒子を十分に摩擦帯電させることが困難となる場合があるためである。一方、キャリアの添加量が5000重量部を超えた値となると、現像剤全体としての流動性が低下したり、キャリア飛びが発生しやすくなる場合があるためである。
したがって、キャリアの添加量を、トナー粒子100重量部に対して100〜3000重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、200〜2000重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、キャリアコアに対して樹脂被覆層を形成する方法としては、例えば、被覆樹脂を適当な溶媒に溶解した溶液を、スプレー噴霧や流動床等の手段を用いて、キャリアコアに対して被覆させることが好ましい。次いで、得られた被覆樹脂とキャリアコアの混合塊を乾燥及び焼成した後、ハンマーミル等を用いて解砕し、さらに風力分級機等を用いて分級処理を行うことが好ましい。
第2の実施形態は、第1の実施形態において記載した二成分現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法である。
以下、第2の実施形態としての画像形成方法について、第1の実施形態と重複する内容は省略し、異なる点を中心に説明する。
第2の実施形態の画像形成方法を実施するにあたり、図2に示すような画像形成装置1を好適に使用することができる。
ここで、図2は、画像形成装置の全体構成を示す概略図である。この画像形成装置1は、画像形成装置本体1aの下部に配設された給紙部2と、この給紙部2の側方および上方に配設された用紙搬送部3と、この用紙搬送部3の上方に配設された画像形成部4と、この画像形成部4よりも排出側に配設された定着部5と、これらの画像形成部4、および定着部5の上方に配設された画像読取部6を備えている。
そして、給紙部2は、用紙9が収容された複数(本実施形態においては4つ)の給紙カセット7を備えており、給紙ローラ8の回転動作により、当該複数の給紙カセット7のうち選択された給紙カセット7から用紙9が用紙搬送部3側に送り出され、用紙9が1枚ずつ確実に用紙搬送部3に給紙されるように構成されている。なお、これら4つの給紙カセット7は、画像形成装置本体1aに対し、着脱自在となるように構成されている。
なお、感光体11の表面の残留電荷は、除電装置17により除去され、感光体11は帯電装置12によって再び帯電され、以下同様にして画像形成が行われることになる。
また、本発明に使用する現像装置としては、一例ではあるが、図3に示すように、現像剤を収容するための現像容器122と、現像剤を担持して現像領域に搬送するための現像剤担持体127と、現像剤の層厚を規制するための現像剤層厚規制部材128と、所定の回転軸を中心に回転して現像剤を回転軸方向に搬送するラセンバネ150と、を含む現像装置114を用いることができる。 ここで、ラセンバネ150とは、トナー粒子を所定方向に搬送する搬送手段である第1スパイラル部材123及び第2スパイラル部材124から構成されている。
より具体的には、トナー粒子の攪拌を行う攪拌室140内に設けられた回転可能な第1軸である軸132と、軸132の周面に設けられたスパイラル状の羽根(図示せず)とからなり、図3中の矢印Aの方向に回転することにより、トナーを軸132の長手方向に搬送する第1スパイラル部材123を備えている。
なお、第1スパイラル部材123と第2スパイラル部材124は、略平行に配置されている。また、第1スパイラル部材123と第2スパイラル部材124の間には、攪拌室140と現像室141が連通可能となるように、攪拌室140と現像室141を仕切る仕切部材134が設けられている。したがって、トナーを循環的に攪拌しながら搬送することが可能となっている。
また、図3に示すように、現像容器122のドラム開口側に配設され、複数の磁極を有する固定マグネットローラ125と、当該固定マグネットローラ125を内包するとともに、収納されたトナーを感光体111の表面上に導くために回転自在に軸支された非磁性の現像スリーブ126からなる現像剤担持体127を備えている。
更に、板状の磁性体により構成され、現像スリーブ126の近傍に配設されるとともに、当該現像スリーブ126上面に向け垂下する、現像剤層厚規制部材128と、現像スリーブ126の長手方向端部に配設された磁性体シール部材129を備えている。
次いで、現像スリーブ126上に担持されたトナーは、現像剤担持体127により、現像位置、すなわち、感光体111の表面上に導かれ、かかる感光体111と印刷紙とが接触することにより、印刷紙上に画像を転写形成される。 なお、本発明の画像形成方法は、第1の実施形態において記載した所定の二成分現像剤を用いることを特徴とする。
したがって、長時間連続して画像形成を行った場合であっても、現像剤の劣化を効果的に抑制することができる。
よって、本発明の画像形成方法であれば、長期間連続して画像形成を行った場合であっても、画像濃度の低下及びかぶりの発生等を効果的に抑制した良質な画像を、安定的に形成することができる。
また、本発明の画像形成方法としては、マグネットローラと感光体との間に、さらに現像ローラを配置して、現像ローラ上にトナー粒子の薄層を形成させ、かかる薄層を形成しているトナー粒子を、感光体に対して飛翔させる画像形成方法、すなわち、ハイブリッド現像方式を用いることもできる。
1.樹脂微粒子の製造
温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管及び撹拌器を装着したガラス製反応器中に脱イオン水を収容し、かかる脱イオン水100重量部に対し、アニオン性界面活性剤としてのラウリル硫酸ナトリウム1.5重量部を添加した。次いで、かかる溶液を、窒素ガス雰囲気下で80℃に加熱し、撹拌しながら重合開始剤としての過硫酸アンモニウム0.5重量部を添加し、さらに、メチルメタクリレート35重量部と、スチレン15重量部と、からなるモノマー混合物を1時間かけて滴下するとともに、その後1時間撹拌し、エマルジョンを得た。次いで、得られたエマルジョンを乾燥し、平均粒子径が75nmである樹脂微粒子を得た。
(1)第一の無機微粒子
容器内に、トルエンを収容し、かかるトルエン100gに対してジメチルポリシロキサン(信越化学工業(株)製)20g及び3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製)20gを添加して溶解させ、さらに、かかる溶液をトルエンで10倍に希釈し、希釈溶液を得た。次いで、200gのシリカ微粒子(アドマテックス(株)製、アドマファイン SO−E1)を準備し、かかるシリカ微粒子に対して上述した希釈溶液を徐々に滴下しつつ、30分間超音波照射及び撹拌を行って、混合物を得た。次いで、得られた混合物を、150℃の高温槽で加熱した後、トルエンをロータリーエヴァポレーターを用いて溜去し、得られた固形物を減圧乾燥機を用いて、設定温度50℃で減量しなくなるまで乾燥し、乾燥固形物を得た。次いで、得られた乾燥固形物を、電気炉を用いて窒素気流下、200℃で3時間の加熱処理を行い、粉体を得た。次いで、得られた粉体をジェットミルを用いて解砕した後、バグフィルターで捕集し、数平均一次粒子径250nmの第一の無機微粒子を得た。
容器内に、トルエンを収容し、かかるトルエン200gに対してジメチルポリシロキサン(信越化学工業(株)製)100g及び3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製)100gを添加して溶解させ、さらに、かかる溶液をトルエンで10倍に希釈し、希釈溶液を得た。
また、シリカ微粒子として、別のシリカ微粒子(日本アエロジル(株)製、ヒュームドシリカアエロジル#90)を用いた。
それ以外は、第一の無機微粒子と同様にして、数平均一次粒子径20nmの第二の無機微粒子を得た。
MPミキサ(三井鉱山(株)製、MP5)に、得られた第一の無機微粒子120gと、得られた樹脂微粒子60gと、を収容し、回転速度10,000rpm、温度80℃にて3分間混合して、樹脂微粒子固着無機微粒子を得た。
ヘンシェルミキサー中に、スチレン−アクリル系樹脂を収容し、かかるスチレン−アクリル系樹脂100重量部に対して離型剤4重量部、着色剤としてのカーボンブラック12重量部、及び電荷制御剤1重量部を添加して混合した。次いで、得られた混合物を、二軸押し出し機を用いて溶融混練した後、ドラムフレーカーを用いて冷却した。次いで、得られたフレーク状物を、ハンマーミルにて粗粉砕した後、ターボミルにて微粉砕し、最後に風力分級機を用いて分級して、体積平均粒子径が6.81μm、平均円形度0.951のトナー粒子を得た。
流動層コーティング装置(フロイント産業(株)製、SFC−5)中に、直径50μmのフェライト(パウダーテック(株)製、F51−50)10kgと、トルエン40kgに対して溶解させたペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)微粒子0.6kg及びエピコート1004(ジャパンエポキシレジン(株)製)2.4kgと、を収容し、80℃の熱風を送り込みながら、フェライトの被覆処理を行った。次いで、得られた被覆樹脂とフェライトの混合塊を乾燥機にて230℃で1時間焼付け処理した後、冷却及び解砕して、キャリアを得た。
ヘンシェルミキサー中に、トナー粒子2kgと、樹脂被覆無機微粒子90gと、第二の無機微粒子40gと、を収容し、40m/sの条件下で3分間混合し、トナー粒子に対して外添剤を外添させた。
なお、トナー粒子100重量部に対する樹脂微粒子の添加量、第一及び第二の無機微粒子の添加量は、それぞれ1.5、3及び2重量部であった。
次いで、キャリア300gに対して、外添剤を外添させたトナー粒子30gを添加し、ナウターミキサーを用いて均一に撹拌、混合し、二成分現像剤を得た。
(1)現像効率
得られた二成分現像剤の現像効率を評価した。
すなわち、まず、デジタルカラー複合機(京セラミタ(株)製、KM−C4035E)に対し、得られた二成分現像剤を搭載して、20℃/60%RH環境下において、ISO2%連続10,000枚印字を行った。
次いで、10℃/20%RH環境下において、現像スリーブ上のトナー量が0.6mg/cm2となるように、現像スリーブ及び磁気スリーブに印加する現像バイアスを設定し、5mm×150mmのベタ画像に相当する現像剤像を、感光体上に形成した。
次いで、感光体上に現像されたトナー量を測定して、現像スリーブ上のトナー量に対する感光体上のトナー量の重量比を算出し、現像効率(重量%)とした。得られた結果を表1に示す。
得られた二成分現像剤の転写効率を評価した。
すなわち、まず、デジタルカラー複合機(京セラミタ(株)製、KM−C4035E)に対し、得られた二成分現像剤を搭載して、20℃/60%RH環境下において、ISO2%連続10,000枚印字を行った。
次いで、32.5℃/80%RH環境下において、さらにISO2%連続5,000枚印字を行った。
次いで、上述したISO2%連続5,000枚印字時における消費トナー量と、クリーニング装置内に回収された回収トナー量と、を測定して、消費トナー量に対する転写トナー量の重量比を算出し、転写効率(重量%)とした。得られた結果を表1に示す。
得られた二成分現像剤の保存性を評価した。
すなわち、50℃/60%RH環境下において、底面の直径が26mmである円柱型容器内に、得られた二成分現像剤5gを収容した。
次いで、円柱型容器を立て、収容された二成分現像剤に対して上方から50gfの荷重をかけ、24時間放置した。
次いで、パウダーテスタに150メッシュの篩いをセットした後、強度5にて30秒間振動させた。
次いで、150メッシュの篩を通過したトナー量を測定し、篩にかけたトナー量に対する篩を通過したトナー量の重量比を算出し、保存性(重量%)とした。得られた結果を表1に示す。
実施例2では、樹脂微粒子及び樹脂微粒子固着無機微粒子を、以下のように製造して、トナー粒子に対して外添させたほかは、実施例1と同様に二成分現像剤を製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
樹脂微粒子を製造する際に、ラウリル硫酸ナトリウムの添加量を1.5重量部から0.75重量部に変えたほかは、実施例1と同様に製造し、平均一次粒子径140nmの樹脂微粒子を得た。
樹脂微粒子固着無機微粒子を製造する際に、第一の無機微粒子に対して、上述のようにして得られた樹脂微粒子を140g添加して混合したほかは、実施例1と同様に製造し、樹脂微粒子固着無機微粒子を得た。
また、得られた樹脂微粒子固着無機微粒子を、トナー粒子2kgに対して130g外添させた。
なお、トナー粒子100重量部に対する樹脂微粒子の添加量及び第一の無機微粒子の添加量は、それぞれ3.5及び3重量部であった。
実施例3では、第一の無機微粒子及び樹脂微粒子固着無機微粒子を、以下のように製造して、トナー粒子に対して外添させたほかは、実施例1と同様に二成分現像剤を製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
第一の無機微粒子を製造する際に、容器内に、トルエンを収容し、かかるトルエン100gに対してジメチルポリシロキサン(信越化学工業(株)製)10g及び3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製)10gを添加して溶解させ、さらに、かかる溶液をトルエンで10倍に希釈し、希釈溶液を得た。
また、シリカ微粒子として、別のシリカ微粒子(アドマテックス(株)製、アドマファイン SO−E2)を用いた。
それ以外は、実施例1と同様に製造し、数平均一次粒子径500nmの第一の無機微粒子を得た。
樹脂微粒子固着無機微粒子を製造する際に、第一の無機微粒子として上述のようにして製造した第一の無機微粒子200gを用いるとともに、かかる第一の無機微粒子に対する樹脂微粒子の添加量を60gから40gに変えたほかは、実施例1と同様に製造し、樹脂微粒子固着無機微粒子を得た。
また、得られた樹脂微粒子固着無機微粒子を、トナー粒子2kgに対して120g外添させた。
なお、トナー粒子100重量部に対する樹脂微粒子の添加量及び第一の無機微粒子の添加量は、それぞれ1及び5重量部であった。
実施例4では、樹脂微粒子固着無機微粒子を、以下のように製造して、トナー粒子に対して外添させたほかは、実施例1と同様に二成分現像剤を製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
また、得られた樹脂微粒子固着無機微粒子を、トナー粒子2kgに対して80g外添させた。
なお、トナー粒子100重量部に対する樹脂微粒子の添加量及び第一の無機微粒子の添加量は、それぞれ1及び3重量部であった。
実施例5では、樹脂微粒子固着無機微粒子を、以下のように製造して、トナー粒子に対して外添させたほかは、実施例1と同様に二成分現像剤を製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
また、得られた樹脂微粒子固着無機微粒子を、トナー粒子100重量部に対して102g外添させた。
なお、トナー粒子100重量部に対する樹脂微粒子の添加量及び第一及の無機微粒子の添加量は、それぞれ2.1及び3及び重量部であった。
実施例6では、樹脂微粒子固着無機微粒子を、以下のように製造して、トナー粒子に対して外添させたほかは、実施例1と同様に二成分現像剤を製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
また、得られた樹脂微粒子固着無機微粒子を、トナー粒子2kgに対して76g外添させた。
なお、トナー粒子100重量部に対する樹脂微粒子の添加量及び第一無機微粒子の添加量は、それぞれ0.8及び3重量部であった。
比較例1では、トナー粒子に対して樹脂微粒子固着無機微粒子を外添させる代わりに、樹脂微粒子が外添・被覆されていない第一の無機微粒子を外添させたほかは、実施例1と同様に二成分現像剤を製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
比較例2では、樹脂微粒子及び樹脂微粒子固着無機微粒子を、以下のように製造して、トナー粒子に対して外添させたほかは、実施例1と同様に二成分現像剤を製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
樹脂微粒子を製造する際に、ラウリル硫酸ナトリウムの添加量を1.5重量部から0.75重量部に変えたほかは、実施例1と同様に製造し、平均一次粒子径160nmの樹脂微粒子を得た。
樹脂微粒子固着無機微粒子を製造する際に、第一の無機微粒子に対して、上述のようにして得られた樹脂微粒子を200g添加して混合したほかは、実施例1と同様に製造し、樹脂微粒子固着無機微粒子を得た。
また、得られた樹脂微粒子固着無機微粒子を、トナー粒子2kgに対して160g外添させた。
なお、トナー粒子100重量部に対する樹脂微粒子の添加量及び第一の無機微粒子の添加量は、それぞれ5及び3重量部であった。
比較例3では、第一の無機微粒子及び樹脂微粒子固着無機微粒子を、以下のように製造して、トナー粒子に対して外添させたほかは、実施例1と同様に二成分現像剤を製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
第一の無機微粒子を製造する際に、容器内に、トルエンを収容し、かかるトルエン100gに対してジメチルポリシロキサン(信越化学工業(株)製)50g及び3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製)50gを添加して溶解させ、さらに、かかる溶液をトルエンで10倍に希釈し、希釈溶液を得た。
また、シリカ微粒子として、別のシリカ微粒子(東ソー・シリカ(株)製、E−743)を用いた。
それ以外は、実施例1と同様に製造し、数平均一次粒子径90nmの第一の無機微粒子を得た。
樹脂微粒子固着無機微粒子を製造する際に、第一の無機微粒子として上述のようにして製造した第一の無機微粒子40gを用いたほかは、実施例1と同様に製造し、樹脂微粒子固着無機微粒子を得た。
また、得られた樹脂微粒子固着無機微粒子を、トナー粒子2kgに対して50g外添させた。
なお、トナー粒子100重量部に対する樹脂微粒子の添加量及び第一の無機微粒子の添加量は、それぞれ1.5及び1重量部であった。
比較例4では、第一の無機微粒子及び樹脂微粒子固着無機微粒子を、以下のように製造して、トナー粒子に対して外添させたほかは、実施例1と同様に二成分現像剤を製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
第一の無機微粒子を製造する際に、容器内に、トルエンを収容し、かかるトルエン100gに対してジメチルポリシロキサン(信越化学工業(株)製)5g及び3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製)5gを添加して溶解させ、さらに、かかる溶液をトルエンで10倍に希釈し、希釈溶液を得た。
また、シリカ微粒子として、別のシリカ微粒子(アドマテックス(株)製、SO−E5)を用いた。
それ以外は、実施例1と同様に製造し、数平均一次粒子径1000nmの第一の無機微粒子を得た。
樹脂微粒子固着無機微粒子を製造する際に、第一の無機微粒子として上述のようにして製造した第一の無機微粒子200gを用いたほかは、実施例1と同様に製造し、樹脂微粒子固着無機微粒子を得た。
また、得られた樹脂微粒子固着無機微粒子を、トナー粒子2kgに対して130g外添させた。
なお、トナー粒子100重量部に対する樹脂微粒子の添加量及び第一の無機微粒子の添加量は、それぞれ1.5及び5重量部であった。
その結果、長時間連続して画像形成を行った場合であっても、劣化しにくい二成分現像剤を得ることができるようになった。
したがって、本発明の二成分現像剤は、複写機やプリンター等の各種画像形成装置における高耐久性化及び高性能化に寄与することが期待される。
Claims (7)
- トナー粒子と、樹脂微粒子と、無機微粒子と、キャリアと、を含む二成分現像剤であって、
前記樹脂微粒子の数平均一次粒子径を75〜150nmの範囲内の値とするとともに、前記無機微粒子の数平均一次粒子径を200〜500nmの範囲内の値とし、かつ、
前記無機微粒子の表面に対し、前記樹脂微粒子が固着してあることを特徴とする二成分現像剤。 - 前記樹脂微粒子の添加量を、前記トナー粒子100重量部に対して、0.1〜5重量部の範囲内の値とするとともに、前記無機微粒子の添加量を、前記トナー粒子100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1に記載の二成分現像剤。
- 前記樹脂微粒子の数平均一次粒子径及び前記トナー粒子100重量部に対する添加量を、それぞれDr(nm)及びQr(重量部)とし、前記無機微粒子の数平均一次粒子径及び前記トナー粒子100重量部に対する添加量を、それぞれDi(nm)及びQi(重量部)とした場合に、Dr、Qr、Di及びQiが下記関係式(1)を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の二成分現像剤。
1<(Qr×Di)/(Dr×Qi)<2.5 (1) - 前記樹脂微粒子が、スチレンと、メタクリル酸メチル及びアクリル酸メチルから選択される少なくとも一種と、からなるスチレン−アクリル系ポリマーを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の二成分現像剤。
- 前記無機微粒子が、シリカ微粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の二成分現像剤。
- 前記無機微粒子を第一の無機微粒子とした場合に、当該第一の無機微粒子とは別の、第二の無機微粒子を含むとともに、前記第二の無機微粒子の数平均一次粒子径を5〜100nmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の二成分現像剤。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の二成分現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
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