JP2009180468A - 熱交換器 - Google Patents

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Masato Tsukagoshi
正人 塚越
Etsuko Yamazaki
悦子 山崎
Taketo Okada
武人 岡田
Michiro Matsushita
理郎 松下
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Abstract

【課題】チューブの端部をバーリング孔内面にロウ付けする際に、溶融ロウ付け材がフィン側に流れない熱交換器を提供すること。
【解決手段】タンク1のチューブ取付用の取付壁5に外方に突出させた孔形成用のバーリング部6が形成され、前記バーリング部6内に形成されたバーリング孔7に熱交換用のチューブ2の端部2aが挿入され、前記チューブ2の端部2aが前記バーリング孔7の内面にロウ付けされていると共に、前記チューブ2の外面にフィン(コルゲートフィン3)が取り付けられている。しかも、前記フィン(コルゲートフィン3)と前記バーリング部6とを離隔させる離隔手段(ビード8,小突起9,10,小ビード11,12,フィン側突部13)が設けられている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、タンクのチューブ取付用の壁部にバーリング孔を設けると共に、このバーリング孔に熱交換用のチューブ端部を挿入してロウ付けするようにした熱交換器に関するものである。
この種の熱交換器としては、例えば自動車のラジエータ等がある。このような熱交換器では、並設された多数の熱交換用の扁平なチューブの両端部を一対のタンクにそれぞれ接続すると共に、この多数のチューブ間にフィンを設けた構成としているのが普通である。尚、このような熱交換器のタンクは、2つに分割されたタンク部材の開放端同士を合わせて、この2つタンク部材の合わせ部を接合することにより形成しているのが普通である。
このような熱交換器では、タンクのチューブ取付用の壁部にバーリング孔を形成し、このバーリング孔にチューブの端部を挿入すると共に、バーリング孔に熱交換用のチューブ端部をロウ付けすることにより、チューブをタンクの壁部に確実に固定するようにしている(例えば、特許文献1〜3参照)。
このような熱交換器においては、バーリング孔を形成するバーリング部をタンクの内側に突出させた構成と、バーリング孔を形成するバーリング部をタンクの外方に突出させた構成が知られている。
前者のようにバーリング部をタンクの内側に突出させた構成ではタンク内のクーラント(冷却水または冷却液)の流れの抵抗となるので、後者のようにバーリング部をタンクの外方に突出させた構成とするのが望ましい。
実開昭62−50869号公報 特開平7−305992号公報 特開2003−83697号公報
ところで、バーリング部をタンクの外方に突出させた構成では、一方のタンク部材の開放端とは反対側の壁部にタンク外に突出する孔形成用のバーリング部を形成しておいて、一方のタンク部材の合わせ部を接合する前に、バーリング部内のバーリング孔にチューブの端部を挿入し、このバーリング孔とチューブの端部との間にロウ付け材を溶融させて充填し、このロウ付け材を固化させることにより、チューブを一方のタンク部材の開放端とは反対側の壁部に取り付けるようにしている。
しかしながら、チューブの外面に設けられるフィンはバーリング部に近接させられていて、フィンとバーリング部との間に形成される狭い隙間が形成される場合がある。この場合には、ロウ付け時に溶融ロウ付け材がバーリング孔とチューブの端部との間からバーリング部の先端とフィンとの間に形成される狭い隙間から毛細管現象によりフィン側に流れて、チューブとバーリング孔内面との間に未接着部が発生することがあった。
そこで、この発明は、チューブの端部をバーリング孔内面にロウ付けする際に、溶融ロウ付け材がフィン側に流れない熱交換器を提供することを目的とするものである。
そこで、この発明は、タンクのチューブ取付用の取付壁に外方に突出させた孔形成用のバーリング部が形成され、前記バーリング部内に形成されたバーリング孔に熱交換用のチューブの端部が挿入され、前記チューブの端部が前記バーリング孔の内面にロウ付けされていると共に、前記チューブの外面にフィンが取り付けられた熱交換器において、前記フィンと前記バーリング部とを離隔させる離隔手段が設けられている熱交換器としたことを特徴とする。
この構成によれば、チューブの端部をバーリング孔内面にロウ付けする際に、溶融ロウ付け材がフィン側に流れるのを防止して、チューブとバーリング孔内面とを確実に接着できる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1(a)は、ラジエータ等の熱交換器を部分的に示したものである。この熱交換器は、一対のタンク1,(他方図示せず)を有すると共に、複数の熱交換用の扁平なチューブ2と、コルゲートフィン3を有する。
この複数のチューブ2は、互いに平行に間隔をおいて且つタンク1,(他方図示せず)に対して垂直にタンク1,(他方図示せず)間に配設されている。しかも、コルゲートフィン3は、隣接するチューブ2,2間に介装されている。また、コルゲートフィン3は、チューブ2の長手方向(図1では上下方向)に波形状に形成されていて、波形状の頂部3aがチューブ2の外面に固定されている。
更に、タンク1は、2つに分割されたタンク部材1a,1bを有する。しかも、タンク部材1a,1bは、開放端同士が合わせ部4で合わせられていると共に、合わせ部4が溶接固定されている。このタンク部材1aは、開放端(合わせ部4)側と反対側にチューブ取付用の取付壁5が設けられている。
この取付壁5にはタンク外方に突出する孔形成用のバーリング部6がタンク1の長手方向(図1(a)では左右方向)に間隔をおいて複数形成され、この各バーリング部6内にはバーリング孔7が形成されている。そして、各バーリング孔7内には、チューブ2の端部2aが挿入されている。しかも、チューブ2の端部2aはバーリング孔7内に図示を省略したロー付け材でロウ付け固定されている。
また、このチューブ2の端部2aはバーリング孔7からタンク1内(タンク部材1a内)に突出しない状態になっていて、内部を流れるクーラントの流体抵抗とならないようになっている。
また、コルゲートフィン3は、チューブ2,2間に介装されていると共に、チューブ2の長手方向に波形状に形成されていて、湾曲する頂部3aがチューブ2,2の外面に固着されている。尚、コルゲートフィン3の端部3bもチューブ2の外面に固着されている。
更に、このチューブ2の両扁平面には、チューブ2の端部2aの近傍に位置させてビード(チューブ側突部)8がそれぞれ形成されている(図1(b)参照)。このビード8は、バーリング部6の先端に近接させられていて、バーリング部6とコルゲートフィン3の端部とを離隔させる離隔手段として形成されている。尚、このビード8は、扁平なチューブ2の幅方向両側縁まで延設されていると共に、蒲鉾状(半円柱状)に形成されている。
このような構成においては、タンク部材1aの内側からチューブ2の端部2aをバーリング孔7内に図示を省略したロー付け材でロウ付け固定する際、溶融ロウ付け材がコルゲートフィン3の端部側に流れるのを防止する。尚、コルゲートフィン3の端部3bはビード8に近接させられている。
(変形例1)
図1(a)では、コルゲートフィン3の端部3bをチューブ2の外面に固着させた構成としているが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、図2に示したようにコルゲートフィン3の端部3bをチューブ2の外面から離反させた構成としても良い。
(変形例2)
また、上述した実施例では、バーリング部6とコルゲートフィン3の端部とを離隔させる離隔手段として、チューブ2の幅方向の両側縁まで延びるビード8をチューブ2の端部2a近傍に設けた例を示したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、図3(a)〜(f)に示したような離隔手段をチューブ2の端部2a近傍に設けた構成としても良い。
図3(a)は、傾斜する複数の小ビード(チューブ側突部)9を離隔手段としてチューブ2の端部2a近傍に設けた例を示したものである。この複数の小ビード9は千鳥状に配列してある。
また、図3(b)は、一対の円形状の小突起(チューブ側突部)10,10を離隔手段としてチューブ2の端部2a近傍に設けた例を示したものである。この一対の小突起10,10はチューブ2の幅方向に並設されている。
更に、図3(c)は、チューブ2の端部2a近傍に一対の小ビード(チューブ側突部)11,11を離隔手段として設けた例を示したものである。この一対の小ビード11,11は、チューブ2の長手方向に細長く延びていると共に、チューブ2の幅方向に間隔をおいて並設されている。
また、図3(d)は、一つの小円形状の突起(チューブ側突部)10を離隔手段としてチューブ2の端部2a近傍に設けた例を示したものである。この突起10はチューブ2の幅方向の略中央部に設けられている。
更に、図3(e)は、チューブ2の幅方向に延びる一対の小ビード(チューブ側突部)12,12を離隔手段としてチューブ2の端部2a近傍に設けた例を示したものである。この一対の小ビード12,12はチューブ2の幅方向に直列に配列されている。
また、図3(f)は、チューブ2の幅方向に延びる一つ小ビード(チューブ側突部)12を離隔手段としてチューブ2の端部2a近傍に設けた例を示したものである。この小ビード12はチューブ2の幅方向の略中央部に配設されている。
この図3(a)〜図3(f)のような構成とすることにより、小突起9,10,小ビード11,12等をプレス成形により内側から外側に膨出するように形成しても、チューブ2内を流れるクーラントの流体抵抗は小さなものとなるので、クーラントの流れが大きく阻害されることはない。
(変形例3)
また、上述した実施例では、バーリング部6とコルゲートフィン3の端部とを離隔させる離隔手段をチューブ2の端部2a近傍に設けた例を示したが、必ずしもこれに限定されるものではない。
例えば、図4に示したように、タンク部材1aの取付壁5側に向けて折曲により形成したフィン側突部13をコルゲートフィン3の端部3bに設けた構成としても良い。この図4では、フィン側突部13が隣接するチューブ2,2間の略中央に位置している。このようにすることで、フィン側突部13とチューブ2の外面との間に間隙14が形成されていると共に、隙間14の間隔はロウ付け時に隙間14に溶融ロウ付け材が毛細管現象により流れない寸法に設定されている。
このフィン側突部13は、図5(a),図5(b)に示したようにL字状に形成しても良い。この図5(a),図5(b)で異なる点は、図5(a)がフィン側突部13の先端部13aを垂直に折曲しているのに対して、図5(b)がフィン側突部13の先端部13aをR状の角部で折曲している点である。これらの構成によれば、先端部13aを上述した取付壁5に面で当接させることができるので、フィン側突部13の取付壁5への取り付けを確実にできる。
また、フィン側突部13は、図5(c)に示したように波形状に形成することもできる。
この図4,図5場合には、チューブ2側にプレス等による離隔手段を設ける必要がないので、チューブ2内を流れるクーラントに流体抵抗を生じさせるような凹部が形成されない。しかも、離隔手段としてのフィン側突部13は、コルゲートフィン3と一体に形成されているので、放熱面積を大きく取ることができる。
(変形例4)
また、図6は、図4のタンク1と組み合わせて用いるタンク1′の例を示したものである。尚、この図6のタンク1′に付した符号は、タンク1に付した符号と同一又は類似する符号に「′」を付したものである。
この図6のタンク1′は、図6,図7に示したように、バーリング部6′の外端部の内周面側に面取部6a′を設けることにより、バーリング部6′の外端部の内周面側とチューブ2の外面との間に外端に向かうに従って拡開する空間6b′形成した例を示したものである。この場合、コルゲートフィン3がバーリング部6′の先端に近接していても、ロウ付け時の溶融ロウ付け材の毛細管現象による流れが空間6b′の中間部で止まってコルゲートフィン3の端部3b′側に流れるのを防止できる。
(変形例5)
また、図8,図9は、図4のタンク1と組み合わせて用いるタンク1の例を示したものである。尚、この図8のタンク1′に付した符号は、タンク1に付した符号と同一又は類似する符号に「′」を付したものである。
この図8は、バーリング部6′が外端に向かうに従って拡開するように断面形状を突出方向の中間の折曲部6d′から折り曲げることにより、バーリング部6′の内周面側とチューブ2の外面との間に外端に向かうに従って拡開する大きな空間6c′を形成した例を示したものである。
この場合には、コルゲートフィン3の端部3bがバーリング部6′の外端に当接していても、ロウ付け時の溶融ロウ付け材の毛細管現象による流れが空間6c′の中間部で止まってコルゲートフィン3の端部3b側に流れるのを防止できる。
以上説明したように、この発明の実施の形態の熱交換器は、タンク1のチューブ取付用の取付壁5に外方に突出させた孔形成用のバーリング部6が形成され、前記バーリング部6内に形成されたバーリング孔7に熱交換用のチューブ2の端部2aが挿入され、前記チューブ2の端部2aが前記バーリング孔7の内面にロウ付けされていると共に、前記チューブ2の外面にフィン(コルゲートフィン3)が取り付けられている。しかも、前記フィン(コルゲートフィン3)と前記バーリング部6とを離隔させる離隔手段(ビード8,小突起9,10,小ビード11,12,フィン側突部13)が設けられている。
この構成によれば、チューブ2の端部をバーリング孔7内面にロウ付けする際に、溶融ロウ付け材がフィン(コルゲートフィン3)側に流れるのを防止して、チューブ2とバーリング孔7内面とを確実に接着できる。
また、この発明の実施の形態の熱交換器において、前記離隔手段は前記チューブ2の端部近傍の外面に設けられたチューブ側突部(ビード8,小突起9,10,小ビード11,12)であることを特徴とする熱交換器。
この構成によれば、簡単な構成でチューブ2の端部をバーリング孔7内面にロウ付けする際に、溶融ロウ付け材がフィン(コルゲートフィン3)側に流れるのを防止して、チューブ2とバーリング孔7内面とを確実に接着できる。
また、この発明の実施の形態の熱交換器において、前記離隔手段は前記取付壁5に向けて前記フィンに設けられ且つ先端が前記取付壁5に当接するフィン側突部13としている。
この構成によれば、簡単な構成でチューブ2の端部をバーリング孔7内面にロウ付けする際に、溶融ロウ付け材がフィン(コルゲートフィン3)側に流れるのを防止して、チューブ2とバーリング孔7内面とを確実に接着できる。
更に、前記フィン側突部13と前記チューブ2の外面との間に間隙が形成されていると共に、前記隙間の間隔は前記ロウ付け時に前記隙間に溶融ロウ付け材が毛細管現象により流れない寸法に設定されている。
この構成によれば、簡単な構成でチューブ2の端部をバーリング孔7内面にロウ付けする際に、溶融ロウ付け材がフィン(コルゲートフィン3)側に流れるのを防止して、チューブ2とバーリング孔7内面とを確実に接着できる。しかも、フィン側突部13は放熱面積を広げて、より効果的な熱交換ができる。
(a)はこの発明に係る熱交換器の要部断面図、(b)は(a)の熱交換用のチューブの部分斜視図である。 この発明に係る熱交換器の変形例を示す要部断面図である。 (a)〜(f)は、図1に示した離隔手段の他の変形例を示す説明図である。 この発明に係る熱交換器の他の変形例を示す要部断面図である。 (a)〜(c)は、図4に示した離隔手段の他の変形例を示す説明図である。 この発明に係る熱交換器の変形例を示す断面図である。 図6の部分拡大図である。 この発明に係る熱交換器の他の変形例を示す断面図である。 図8の部分拡大図である。
符号の説明
1・・・タンク
2・・・チューブ
2a・・・端部
3・・・フィン(コルゲートフィン)
5・・・取付壁
6・・・バーリング部
7・・・バーリング孔
8・・・ビード(離隔手段)
9・・・小突起(離隔手段)
10・・・小突起(離隔手段)
11・・・小ビード(離隔手段)
12・・・小ビード(離隔手段)
13・・・フィン側突部(離隔手段)

Claims (4)

  1. タンクのチューブ取付用の取付壁に外方に突出させた孔形成用のバーリング部が形成され、前記バーリング部内に形成されたバーリング孔に熱交換用のチューブの端部が挿入され、前記チューブの端部が前記バーリング孔の内面にロウ付けされていると共に、前記チューブの外面にフィンが取り付けられた熱交換器において、
    前記フィンと前記バーリング部とを離隔させる離隔手段が設けられていることを特徴とする熱交換器。
  2. 請求項1に記載の熱交換器において、前記離隔手段は前記チューブの端部近傍の外面に設けられたチューブ側突部であることを特徴とする熱交換器。
  3. 請求項1に記載の熱交換器において、前記離隔手段は前記取付壁に向けて前記フィンに設けられ且つ先端が前記取付壁に当接するフィン側突部であることを特徴とする熱交換器。
  4. 請求項3に記載の熱交換器において、前記フィン側突部と前記チューブの外面との間に間隙が形成されていると共に、前記隙間の間隔は前記ロウ付け時に前記隙間に溶融ロウ付け材が毛細管現象により流れない寸法に設定されていることを特徴とする熱交換器。
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