JP2009180300A - 配管内のガス置換方法 - Google Patents

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【課題】配管内のガスを空気に置換するに際して、空気置換時間の短縮および空気吹き込み動力の低減を図ることができる配管内のガス置換方法を提供する。
【解決手段】圧縮空気供給管１５から供給される圧縮空気の牽引作用によって大気を吸引する空気置換用エジェクター１０を用いることによって、圧縮空気供給管１５を経由して供給された圧縮空気に加えて、空気置換用エジェクター１０で吸引された大気を一緒に高炉ガス輸送配管１内に吹き込む。
【選択図】図２

Description

本発明は、配管内に空気を吹き込んで配管内に滞留するガスを空気に置換する、配管内のガス置換方法に関するものである。
通常、製鉄所で発生する高炉ガスなどの副生ガスを輸送するガス輸送配管は、定期点検工事や補修工事で内部点検作業等を行う場合、ガス中毒、火災及びガス爆発を防止するために、配管内のガスを不活性ガスである窒素ガスで置換した後、この窒素ガスを空気で置換している（例えば、特許文献１参照）。
図３は、一般的な高炉ガス輸送配管系統の一部を概略的に示す図である。高炉ガス輸送配管１の両端にはＵ字水封弁（Ｕ字水封管）２が設けられているとともに、高炉ガス輸送配管１の一端近傍に置換ガス吹き込み管３が接続され、他端近傍にガス放散管５が接続されている。なお、置換ガス吹き込み管３の上端には開閉弁４が設けられ、ガス放散管５の上端にはブリーダ弁６が設けられている。
この高炉ガス輸送配管１に滞留する高炉ガスを空気に置換する場合は、置換ガス吹き込み管５を用いて高炉ガス輸送配管１内に窒素ガスを送りながら、ガス放散管５から高炉ガスを排出する。そして、高炉ガス輸送配管１内の高炉ガス濃度が所定の値以下になったら、窒素ガスの供給を停止し、置換ガス吹き込み管３に空気供給管（図示せず）を接続して高炉ガス輸送配管１内に空気を吹き込みながら、ガス放散管５から窒素ガスを排出し、高炉ガス輸送配管１内のガスを空気に置換する。
なお、高炉ガス輸送配管１の径は、例えば４２００Ａであり、その空気置換範囲Ｌは、例えば９００ｍである。
特開２００７−０２４２７１号公報
上記のように、高炉ガス輸送配管１内の高炉ガスを空気に置換する作業を行う際には、置換ガス吹き込み管３に空気供給管を接続して高炉ガス輸送配管１内へ空気を吹き込んでいる。そのため、高炉ガス輸送配管１内への空気の吹き込み量は、空気供給管の大きさによって制約を受け、特に、高炉ガス輸送配管１が大径管の場合は、空気置換が完了するまでに多大な時間を要していた。また空気を圧縮機で圧縮してから高炉ガス輸送配管１内に吹き込むため、圧送費（空気吹き込み動力費）も掛かっていた。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、配管内のガスを空気に置換するに際して、空気置換時間の短縮および空気吹き込み動力の低減を図ることができる配管内のガス置換方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
［１］配管内に圧縮空気を吹き込んで配管内のガスを空気に置換するに際して、圧縮空気供給管から供給される圧縮空気の牽引作用によって大気を吸引するようになっている空気置換用エジェクターを用いて、前記圧縮空気に加えて吸引された大気を配管内に吹き込むことを特徴とする配管内のガス置換方法。
本発明においては、圧縮空気供給管から供給される圧縮空気の牽引作用によって大気を吸引する空気置換用エジェクターを用いて、圧縮空気に加えて大気を配管内に吹き込むようにしているので、配管内に吹き込まれる置換用空気の量が増大し、空気置換時間を短縮することができるとともに、空気吹き込み動力を削減することができる。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、ここでは、高炉ガス輸送配管を例にして述べる。
図１は、本発明の一実施形態における高炉ガス輸送配管を概略的に示す図である。前述の図３と同様に、高炉ガス輸送配管１の両端にはＵ字水封弁（Ｕ字水封管）２が設けられているとともに、高炉ガス輸送配管１の一端近傍に置換ガス吹き込み管３が接続され、他端近傍にガス放散管５が接続されている。また、置換ガス吹き込み管３の上端には開閉弁４が設けられ、ガス放散管５の上端にはブリーダ弁６が設けられている。
その上で、この実施形態においては、高炉ガス輸送配管１内に空気を吹き込む際に、図１に示すように、置換ガス吹き込み管３に開閉弁４を介して空気置換用エジェクター１０を接続するようにしている。
図２は、その空気置換用エジェクター１０を示したものである。空気置換用エジェクター１０は、その上端１１ａが大気に開放され、その下端１１ｂが置換ガス吹き込み管３の開閉弁４に接続する大気吸引管１１と、大気吸引管１１の側面を貫通し、その先端１２ａが吸引管１１内において下端１１ｂ方向に開口するとともに、その後端１２ｂが圧縮機（図示せず）からの圧縮空気供給管１５に連結する圧縮空気ノズル１２とを備えている。
そして、この空気置換用エジェクター１０においては、圧縮空気供給管１５を経由して供給された圧縮空気が圧縮空気ノズル１２の先端１２ａから大気吸引管１１内に噴出すると、その牽引作用（エクジェクト効果）によって、大気吸引管１１の上端１１ａから大気が吸引される。したがって、この空気置換用エジェクター１０を用いることによって、圧縮空気供給管１５を経由して供給される圧縮空気に加えて、空気置換用エジェクター１０で吸引された大気を一緒に高炉ガス輸送配管１内に吹き込むことができる。
そこで、この実施形態では、高炉ガス輸送配管１に滞留する高炉ガスを空気に置換する場合は、以下のような手順で行う。
（Ｓ１）まず、置換ガス吹き込み管３を用いて高炉ガス輸送配管１内に窒素ガスを送りながら、ガス放散管５から高炉ガスを排出する。
（Ｓ２）そして、高炉ガス輸送配管１内の高炉ガス濃度が所定の値以下になったら、窒素ガスの供給を停止し、置換ガス吹き込み管３に空気置換用エジェクター１０を取り付ける。すなわち、空気置換用エジェクター１０の大気吸引管１１の下端１１ｂを置換ガス吹き込み管３の開閉弁４に接続するとともに、空気置換用エジェクター１０の圧縮空気ノズル１２の後端１２ｂに圧縮機からの圧縮空気供給管１５を連結する。
（Ｓ３）そして、空気置換用エジェクター１０を用いて、圧縮空気供給管１５を経由して供給された圧縮空気に加えて、空気置換用エジェクター１０で吸引された大気を一緒に高炉ガス輸送配管１内に吹き込みながら、ガス放散管５から窒素ガスを排出し、高炉ガス輸送配管１内のガスを空気に置換する。
このようにして、この実施形態においては、圧縮空気供給管１５から供給される圧縮空気の牽引作用によって大気を吸引する空気置換用エジェクター１０を用いることによって、圧縮空気供給管１５を経由して供給された圧縮空気に加えて、空気置換用エジェクター１０で吸引された大気を一緒に高炉ガス輸送配管１内に吹き込むようにしているので、高炉ガス輸送配管１内に吹き込まれる置換用空気の量が増大し、空気置換時間を短縮することができるとともに、空気吹き込み動力を削減することができる。
なお、この実施形態においては、高炉ガス輸送配管を例にして述べたが、本発明は他の配管に対しても適用することが可能である。
本発明の実施例を以下に述べる。
本発明例として、上述した本発明の一実施形態に基づいて、高炉ガス輸送配管１内の高炉ガスを空気置換した。また、比較のために、従来例として、空気置換用エジェクター１０を用いない従来のやり方で高炉ガス輸送配管１内の高炉ガスを空気置換した。なお、高炉ガス輸送配管１の径は４４００Ａ、空気置換範囲Ｌは９００ｍｍである。
その結果、本発明例では、従来例に比べて、空気置換時間が２５％短縮され、空気吹き込み動力が３０％削減された。
これによって、本発明の有効性を確認することができた。
本発明の一実施形態の説明図である。 本発明の一実施形態で用いる空気置換用エジェクターの説明図である。 従来技術の説明図である。
符号の説明
１ 高炉ガス輸送配管
２ Ｕ字水封弁（Ｕ字水封管）
３ 置換ガス吹き込み管
４ 開閉弁
５ ガス放散管
６ ブリーダ弁
１０ 空気置換用エジェクター
１１ 大気吸引管
１１ａ 大気吸引管の上端
１１ｂ 大気吸引管の下端
１２ 圧縮空気ノズル
１２ａ 圧縮空気ノズルの先端
１２ｂ 圧縮空気ノズルの後端
１５ 圧縮空気供給管

Claims (1)

  1. 配管内に圧縮空気を吹き込んで配管内のガスを空気に置換するに際して、圧縮空気供給管から供給される圧縮空気の牽引作用によって大気を吸引するようになっている空気置換用エジェクターを用いて、前記圧縮空気に加えて吸引された大気を配管内に吹き込むことを特徴とする配管内のガス置換方法。
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