JP2007002918A - ガス遮断水封弁 - Google Patents

Abstract

【課題】 構成の簡略化を図りつつ、オーバーフロー管の閉塞を防止する。
【解決手段】 ガス管１の途中に設置されてガスを遮断する水封弁である。水封弁を構成する水封部２に水を供給する給水管８ａと、水封部２の底部に接続された排水管７ａと、この排水管７ａが底部に接続されたシールポット５を備える。シールポット５は、頂部が水封時の水封部２の水位よりも上方に位置すると共に、排水管７ａの接続位置と頂部間には、ガス輸送時のガス圧力に相当する水ヘッドが得られる位置に第１のシールポットドレン管１１ａを、水封時の水封部２の水位に第２のシールポットドレン管１１ｂを設ける。
【効果】 ガス輸送時、シールポット内の水に溶解したガス中のダストが、オーバーフロー管を閉塞させることが無い。また、水封時、ガス圧力が変動しても、ガス管内を輸送されるガスが噴出することも無い。
【選択図】 図１

Description

本発明は、ガス輸送の途中でガスを遮断するために、ガス輸送配管（以下、ガス管と略す。）の途中に設置されるガス遮断水封弁に関するものである。

鉄鋼業では、高炉ガス、転炉ガスなどの有用な燃料ガスが発生する。従って、この燃料ガスを有効活用するために、ガス発生工場、ガスホルダー、ガス使用工場間を大径のガス管で繋いで輸送している。

このようなガス輸送の途中でガスを遮断する場合のために、ガス管の途中に、例えば図２に示すような水封弁が設置されている。そして、この水封弁では、給水弁３ｂを開いて給水管３ａからガス管１の途中に設置した水封部２に水を供給することで、ガス管１の途中を水封してガスを遮断する。

この水封部２に溜まった水は、一定の水位に達すると、オーバーフロー下降管４ａから流出してシールポット５内に溜まり、さらに、シールポットドレン管６ａを経てピットに排出される。なお、図２中の７ａは水封解除時に、水封部２に溜まっている水を抜くための配水管であり、その途中に排水弁７ｂが設けられている。

しかしながら、図２に示した構成の水封弁では、水封部２の両側それぞれにオーバーフロー下降管４ａ、シールポット５、シールポットドレン管６ａが設けられていたため、複雑な設備構成となっていた。そこで、構成の簡略化のために、排水管７ａとオーバーフロー下降管４ａを一体にした水封弁が特許文献１で開示されている。
実開昭５２−１２８１１５号公報

この特許文献１で開示された水封弁を図３に示す。この水封弁は、水封部２の底面に設けた排水管７ａにシールポット５を接続し、このシールポット５の上端にオーバーフロー管４ｂとシールポットドレン管６ａを立設したものである。

しかしながら、前記の構成では、図３（ａ）に示したガス輸送時、シールポット５内の水に溶解したガス中のダストが、オーバーフロー管４ｂの水面Ａで外気と接触して酸化し、オーバーフロー管４ｂを閉塞させるという問題があった。

そこで、特許文献１では、給水弁３ｂの上流から、途中に給水弁８ｂを設けた給水管８ａを分岐してシールポット５に接続させている。このような構成により、図３（ｂ）に示した水封の前に、排水弁７ａ及びドレン弁６ｂを閉め、給水弁８ｂを開いてオーバーフロー管４ｂからの溢水を目視で確認することで、オーバーフロー管４ｂの閉塞の有無を点検できるようにしている。

しかしながら、この特許文献１で開示された水封弁は、オーバーフロー管の閉塞の有無を点検できるだけで、オーバーフロー管の閉塞を防止できるものではない。

本発明が解決しようとする課題は、以下の点であり、これらを同時に解決させることを目的とする。
１）図２に示した一般的なガス遮断水封弁では、オーバーフロー下降管の詰まりは発生しないものの、水封時にガス圧の変動で、オーバーフロー下降管に水が流入して、ガスがシールポットから流出する可能性があること。
２）図３に示したガス遮断水封弁では、水封時のガス流出は発生しないものの、オーバーフロー管に詰まりが発生すること。

本発明のガス遮断水封弁は、
構成の簡略化を図りつつ、ガス漏れとオーバーフロー管の閉塞を発生させないようにするために、
ガス管の途中に設置されてガスを遮断する水封弁であって、
前記水封弁を構成する水封部に水を供給する給水管と、
前記水封部の底部に接続された排水管と、
この排水管が底部に接続されたシールポットを備え、
前記シールポットは、
頂部が水封時の水封部の水位よりも上方に位置すると共に、
前記排水管の接続位置と頂部間には、ガス輸送時のガス圧力に相当する水ヘッドが得られる位置に第１のシールポットドレン管を、水封時の水封部の水位に第２のシールポットドレン管を設けたことを最も主要な特徴としている。

かかる本発明の水封弁では、従来の水封弁では必要不可欠であったオーバーフロー下降管やオーバーフロー管を無くしたので、水封時のガス漏れや、ガス輸送時、シールポット内の水に溶解したガス中のダストが、オーバーフロー管を閉塞させることが無い。

本発明の水封弁において、前記排水管に前記給水管を兼ねさせた場合には、さらなる構成の簡略化が図れる。

本発明の水封弁では、オーバーフロー管を無くして大径のシールポットに兼ねさせたので、ガス輸送時、ガス中のダストがオーバーフロー管を閉塞させることが無い。また、オーバーフロー下降管を無くしたので、水封時、ガス圧力が変動しても、水封部の水位の変動によって、オーバーフロー下降管内のガスが噴出することも無い。

以下、本発明を実施するための最良の形態について、図１を用いて説明する。
図１は本発明の水封弁の一例を示す図で、その頂部が水封時の水封部２の水位よりも上方に位置するように、シールポット５を縦置き状態に設置し、その底部に、水封部２の底部に接続された排水管７ａを接続している。

そして、シールポット５における前記排水管７ａの接続位置と頂部間には、ガス輸送時のガス圧力に相当する水ヘッドが得られる位置に第１のシールポットドレン管１１ａを設けている。また、水封時の水封部２の水位には、第２のシールポットドレン管１１ｂを設けている。

すなわち、本発明では、シールポット５を縦置き状態に設置して、従来の水封装置にあったオーバーフロー管を径の大きいシールポット５に兼ねさせている。このようにすることで、図３に示した特許文献１で開示された水封弁よりもさらに構成の簡略化を図っている。

加えて、給水弁８ｂが閉、排水弁７ｂとドレン弁１２が開の図１（ａ）に示すガス輸送時、ガス中のドレンがシールポット５内に流れ込んで、シールポット５内に対流が発生するので、シールポット５を閉塞させることがなくなる。

また、水封時（本発明では、排水弁７ｂが開で、ドレン弁１２が閉の図１（ｂ）に示す状態）にガス圧力が変動した場合、図２に示した水封弁では、二次側（図２の紙面左側）の水位が高くなって二次側のオーバーフロー下降管４ａに水が流入し、オーバーフロー下降管４ａ内のガスがシールポット５から噴出する場合がある。

しかしながら、本発明では、オーバーフロー管を兼ねるシールポット５は、排水管７ａを介して水封部２の底部と繋がっているので、水封時にガス圧力が変動しても、ガスがシールポット５内に流入することが無く、ガス漏れが発生しない。

上記の例は単なる一例であり、本発明は上記の例に限らず、各請求項に記載された技術的思想の範囲内で、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。

例えば、図１に示した例では、従来の水封弁と同様、給水管３ａを別途設けているが、排水管７ａに給水管３ａを兼ねさせるようにすれば、さらに構成部品が少なくなって構成の簡略化が図れる。また、水封部２の形状は、水を溜めてガスを遮断できる形状であれば、Ｖ字型やＵ字型に限らないなどである。

本発明の水封弁は、高炉ガス、転炉ガスを輸送するガス管だけでなく、あらゆるガス輸送用の配管を遮断するものにも適用できる。

本発明の水封弁の一例を説明する図で、（ａ）はガス輸送時、（ｂ）は水封時を示す図である。 従来の水封弁を説明する図である。 特許文献１で開示された水封弁を説明する図で、（ａ）はガス輸送時、（ｂ）は水封時を示す図である。

符号の説明

１ ガス管
２ 水封部
３ａ 給水管
３ｂ 給水弁
５ シールポット
７ａ 排水管
７ｂ 排水弁
８ａ 給水管
８ｂ 給水弁
１１ａ 第１のシールポットドレン管
１１ｂ 第２のシールポットドレン管
１２ ドレン弁

Claims (2)

1. ガス輸送配管の途中に設置されてガスを遮断する水封弁であって、
   前記水封弁を構成する水封部に水を供給する給水管と、
   前記水封部の底部に接続された排水管と、
   この排水管が底部に接続されたシールポットを備え、
   前記シールポットは、
   頂部が水封時の水封部の水位よりも上方に位置すると共に、
   前記排水管の接続位置と頂部間には、ガス輸送時のガス圧力に相当する水ヘッドが得られる位置に第１のシールポットドレン管を、水封時の水封部の水位に第２のシールポットドレン管を設けたことを特徴とするガス遮断水封弁。
2. 前記排水管に前記給水管を兼ねさせたことを特徴とする請求項１に記載のガス遮断水封弁。
   

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