JP2009179511A - 被膜付きガラス板 - Google Patents

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Abstract


【課題】 電磁遮蔽膜を窓ガラスの露出面に形成したとしても劣化の少ない膜とすることを目的とし、電磁遮蔽膜を窓ガラスの露出面に形成したとしても車両用窓ガラスとして利用可能な被膜付きガラス板を提供することを目的とする。
【解決手段】 ガラス基板の表面に、金属被膜と、該金属被膜の表面に形成された酸化物被膜とからなる被膜を備える被膜付きガラス板。
本発明のガラス板は、厚さが15〜30nmのクロム、ステンレス、チタン、ジルコニウム、タンタル及びハフニウムから選ばれた1種又は複数種の金属からなる金属被膜であり、前記酸化物被膜は厚さが8〜100nmの酸化タンタル膜、酸化アルミニウム膜又は酸化ジルコニウム膜により構成されることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被膜付きガラス板に関し、特に被膜のシート抵抗値が制御された被膜付きガラス板に関する。
従来、自動車内において外部からの電波の侵入により各種電子機器が誤作動をするのを防止する目的で、窓ガラスに電子遮蔽機能を付与するために被膜を形成することが知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、ガラスの表面に形成された被膜のシート抵抗値を20Ω/□以下と小さくすることにより、十分な電磁遮蔽効果が得られることが記載されている。
特開平10−322082号公報
しかしながら、特許文献1にみられるように、従来の電磁遮蔽ガラスでは、電磁遮蔽膜の劣化を防止するため、電磁遮蔽膜は合わせガラスのガラスと中間膜の境界面に設けるか、複層ガラスの非露出面に形成されていた。
本発明は、電磁遮蔽膜を窓ガラスの露出面に形成したとしても劣化の少ない膜とすることを目的とし、電磁遮蔽膜を窓ガラスの露出面に形成したとしても車両用窓ガラスとして利用可能な被膜付きガラス板を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために本発明の被膜を備える車両用ガラス板として、請求項1記載の被膜付きガラス板は、ガラス基板の表面に、金属被膜と、該金属被膜の表面に形成された酸化物被膜とからなる被膜を備えることを特徴とする。
請求項2記載の被膜付きガラス板は、請求項1記載の被膜付きガラス板において、前記金属被膜は、厚さが10〜30nmのクロム、ステンレス、チタン、ジルコニウム、タンタル及びハフニウムから選ばれた1種又は複数種の金属からなる金属被膜であり、前記酸化物被膜は厚さが8〜100nmの酸化タンタル膜、酸化アルミニウム膜又は酸化ジルコニウム膜であることを特徴とする。
請求項3記載の被膜付きガラス板は、請求項1又は2記載の被膜付きガラス板において、前記被膜付きガラス板の被膜側のシート抵抗値は、150Ω/□以下であることを特徴とする。
請求項4記載の被膜付きガラス板は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の被膜付きガラス板において、前記ガラス基板は、ガラス基板の少なくとも一方の表面の周辺に形成された不透明層を備え、前記被膜は、前記不透明層が形成されたガラス基板表面の不透明層が形成されていない領域と、該不透明層が形成されていない領域に接している不透明層の一部の表面に形成されていることを特徴とする。
請求項1記載の被膜付き車両用ガラス板によれば、ガラス基板の表面に、金属被膜と、該金属被膜の表面に形成された酸化物被膜とからなる被膜を備えるので、金属被膜により被膜のシート抵抗値が低くなり、電磁遮蔽機能を発現する。また、金属被膜により被膜付きガラス板の可視光線透過率及び日射透過率を低減することができるため、車両のプライバシー性の向上及び夏場における車内の温度上昇を抑制することができる。車内の温度上昇を抑制することにより、車内を冷房するためのエアコンの負荷の軽減が期待される。更に、請求項1に記載の被膜付き車両用ガラス板は金属被膜の表面に形成された酸化物被膜を有するので、被膜が窓ガラスの露出面に形成された場合に、金属被膜が酸化されるのを防止するとともに、被膜表面の堅牢度を向上させることができる。よって、金属被膜と金属被膜の表面に形成された酸化物被膜とからなる被膜は、電磁波の遮蔽効果、可視光線透過率の低減効果、日射の低減効果、及び露出面における使用に対する劣化が少ないという効果を有する。
以下、図面を参照しながら本発明を説明する。
図1は、本発明の被膜付きガラス板の断面を表す図である。図1において、被膜付きガラス板1は、ガラス基板2の一方の表面に、金属被膜3と、金属被膜3の表面に形成された酸化物被膜4とからなる被膜5を備える。
本発明を構成するガラス基板2は車両用として用いられるガラス板であれば特に制限されないが、車両用として一般的に用いられるソーダライムシリカガラスが好ましい。ソーダライムシリカガラスには、無色のガラス、グリーン色、グレー色、ブルー色などの有色のガラス、さらには、紫外線をカットする機能を有するガラスや、プライバシーを保つために可視光線の透過率を低く抑えたガラスなどがあり、これらは本発明の車両用ガラス板として用いる場合に好適に用いられる。
金属被膜3を形成するための金属としては、クロム、ステンレス、チタン、ジルコニウム、タンタル、ハフニウムなどの金属を用いることができる。また、前述した金属の複数により構成される金属(合金)を用いてもかまわない。これらの金属及び合金は電気抵抗が低いため、形成される被膜の電気抵抗(シート抵抗)を小さくすることができ、よって被膜は電磁遮蔽性能を示すことになる。また、これらの被膜は酸化物被膜、窒化物被膜、酸窒化物被膜、炭化物被膜などに比べ、可視光線領域及び赤外線領域において光の吸収性を示すため、可視光線透過率及び日射透過率を低減することができる。これらの金属及び合金を用いて、前述した電磁遮蔽性能並びに可視光線透過率及び日射透過率の低減効果を十分に得るためには、金属被膜3の膜厚は、10〜30nmが好ましい。
酸化物被膜4としては、被膜5の堅牢度を向上させる観点から、酸化タンタル被膜(Ta25)酸化アルミニウム被膜(Al23)又は酸化ジルコニウム被膜(ZrO2)が好ましい。なお本明細書において、「堅牢」とは、「かたくてじょうぶなこと。」という意味で用い。「堅牢度」とは、「堅牢の程度」という意味で用いる。
酸化物被膜4の膜厚は、5〜100nmが好ましく8〜100nmが望ましい。膜厚が5nm以上であると、この被膜を車両用窓ガラスの露出表面に用いたとしても、十分な堅牢度を確保することができ、例えば車両の所有者が車両の窓の清掃のため、布などにより被膜表面の汚れを拭き取る作業を頻繁に行なったとしても、被膜にカスレや剥離といった不具合を生じる可能性がない。また、膜厚が8nm以上であると、堅牢度だけでなく、十分な耐摩耗性も確保することができる。この被膜を車両用窓ガラスの露出表面に用いた場合に更に好適な被膜とすることができる。膜厚を100nm以下とすると、成膜に要する費用と時間を抑えることができるため好ましい。
本発明の被膜は、金属被膜を含んでいるので、被膜のシート抵抗値が小さくなっている。また、可視光線から赤外線領域の光線に対する吸収性能を有し、可視光線透過率及び日射透過率を低減する機能を有する。これらの機能は、本発明の被膜付きガラス板を車両用窓ガラスとして用いると、プライバシーの確保に対して有用な低透過型のガラス、また、真夏の車内の温度上昇の抑制に有用な熱線反射型のガラスとして機能する。よって、車内の冷房の負荷を低減する効果が期待される。具体的には、本発明の被膜付き窓ガラスは、例えばJIS R3212(自動車用安全ガラス試験方法)の3.11 可視光線透過率試験 に準拠した可視光線透過率を15%以下、より好ましくは、5〜15%とすることが出来、JIS R3106(板ガラス類の透過率・反射率・放射率・日射熱取得率の試験方法)の6. 日射透過率、日射反射率及び日射吸収率の算定 に準拠した日射透過率を10%以下、より好ましくは5〜10%とすることが出来る。
本発明の車両用窓ガラスを車両の窓ガラスとして用いる場合、被膜を形成した表面が車両の車内側の表面となるように配置することが好ましい。一般的には、窓ガラスの車内側の表面は、風雨や埃に晒されることがないため、窓ガラスの車外側表面に被膜を配置する場合に比べ、被膜の劣化を軽減することが出来る。
図2(a)及び(b)に示すように、本発明の被膜付きガラス板1のガラス基板2が、被膜を形成する表面の周囲部に黒色などの不透明層6を備える場合、被膜5は、被膜を形成する表面の周囲部以外の領域、すなわち不透明層6が形成されていない領域(不透明層非形成領域)7の全領域と、不透明層非形成領域7に接している周囲部の一部(境界領域8)の表面に形成されることが好ましい。不透明層非形成領域7の全領域に被膜を形成することにより、不透明層非形成領域7の全領域に対して電磁遮蔽機能並びに可視光線透過率及び日射透過率の低減機能を付与することが出来る。更に、境界領域8の表面に被膜を形成することにより、境界領域8に対しても電磁遮蔽機能を付与することが出来る。また、不透明層6の全面(周囲部の全領域)に対して被膜を形成せずに境界領域8の表面のみに被膜を形成しているので、本発明のガラス板を車両の車体や、窓枠(窓ガラスに取り付けられる枠体)に接着剤を用いて固定する場合、不透明層6と車体や窓枠が被膜5を介することなく接着させることが出来、被膜を介して接着される場合に比べ接着強度が高くすることが出来る。すなわち、不透明層上の車体やパネルとの接着がなされる領域に対して被膜を形成しないことにより、接着の強度を高くすることが出来る。
前述の観点から、境界領域8の幅W1(不透明層非形成領域7と周囲部9の境界線Bと周囲部9上の、被膜の端部Eとの間の距離)は、10〜30mmの範囲であることが好ましい。周囲部9の幅W2(境界線Bとガラス基板2の端部との間の距離)は、ガラス板を車体や窓枠に取りつけた状態において、不透明層6が車体や窓枠より1〜15mmガラスの開口部側に露出するように設定される。例えば、不透明層6が車体や窓枠より10mmガラスの開口部側に露出するように設定される場合、車内側からガラス板を視認した際に不透明層が約10mmの幅で視認される状態となる。幅W1を10mm以上とすると、ガラス表面に対して垂直方向において、車体又は窓枠と被膜とが重複するため、電磁波がもれるといった不具合が発生しない。また、不透明層のみを形成した領域と境界領域8(境界領域は、被膜5の形成により、不透明層のみを形成した領域10とは異なる色調を有する)との両方が車内側から視認されるといった不具合がなく、見栄えの点で優れる。また、幅W1を30mm以下とすると、ガラス板を車体や窓枠に対して接着する場合に、接着面に被膜が形成され、接着強度が低下するといった不具合が発生しない。
次に本発明のガラス板を車両の車体への取り付け構造について説明する。図3は、本発明のガラス板を車体へ取り付ける構造の一実施形態を示す図である。
図3に示す構造において、本発明のガラス板は、被膜を形成した表面が車内側となるようにして車両の車体に取り付けられる。取り付け方法としては図3に示す接着による方法の他、ガラス板の周囲を金属又は樹脂の窓枠にはめ込み、窓枠を車体に所定の固定手段により固定する構造が挙げられる。図3において、車体11とガラス板1は、不透明層のみを形成した領域10(不透明層6の表面に被膜が形成されていない領域)を介して接着剤12により接着されている。このような接着構造とすることにより、車体とガラス板は被膜を介することなく接着されるので、接着強度に優れる。
ガラス板が、周囲部に黒色などの不透明層を備える図3の実施形態において、不透明層の内側の境界線Bは、ガラス板表面に対して垂直方向において、車体の端部13より1〜15mmガラスの開口部側に露出するように設定することが好ましい。このように設定することにより、ガラス板を、車体に取り付けられる面とは反対の面(車体に取り付けた際に車外側となる面)から、目視した際に、車体の端部13が不透明層より突出して確認される不具合が発生しない。
本発明のガラス板を車両の車体に取り付ける構造としてガラス板と車体を接着剤を介して接着する構造について説明したが、このような構造の他に、本発明のガラス板を車体に取り付けるため、窓枠に対して本発明のガラス板を接着剤を介して接着し、この窓枠を接着剤、ボルト締結、引っ掛け構造等の所定の固定手段で固定するようにしてもよい。
また、本発明のガラス板を車体又は窓枠に取り付ける際に、接着剤を用いずに、その他の固定手段を用いてもよい。
(実施例1)
厚さ4mmの紫外線吸収性能を有する緑色のソーダライムシリカガラス(JIS R3212の3.11 可視光線透過率試験に準拠して測定した可視光線透過率及びJIS R3106の6. 日射透過率、日射反射率及び日射吸収率の算定に準拠して測定した日射透過率(波長範囲は300〜2500nmを採用)は、それぞれ可視光線透過率が73%、日射透過率が46%)の一方の表面の周囲部に、黒色のセラミックペーストをスクリーン印刷法を用いて塗布した後、約620℃の温度により加熱を行った。ガラスの一方の表面の周囲部に塗布された黒色のセラミックペーストは、加熱により焼成され、ガラスの表面に固着され不透明層を形成した。
次に、前述したソーダライムシリカガラスの不透明層を形成した側の表面を洗浄し、不透明層の一部に遮蔽具を取り付けた後、マグネトロンスパッタ装置を用いた直流スパッタ法によって、ガラス板の不透明層を形成した側の表面に対して、金属クロム被膜、酸化タンタル被膜の順に2層の被膜を形成した。
金属クロム被膜の形成は、被膜を形成するガラスをスパッタ装置に取り付けた後、装置内(チャンバー)を真空ポンプで5×10-4Paの圧力まで排気し、その後装置内の圧力が2×10-2Pa程度となるように装置内にアルゴンガスを導入するとともにその状態でクロムターゲットが取り付けられたカソードに電力を投入しスパッタ放電を開始することにより行なった。また、酸化タンタル被膜の形成は、装置内の圧力が2×10-2Pa程度となるように装置内にアルゴンガス及び酸素ガスを導入(アルゴンガスと酸素ガスの流量比は3:7)するとともにその状態でタンタルターゲットが取り付けられたカソードに電力を投入しスパッタ放電を開始することにより行なった。
次に遮蔽具をガラス板より取り外し、実施例1のガラス板を得た。このとき、被膜は遮蔽具の取り付けられていない表面に形成される。
金属クロム被膜及び酸化タンタル被膜の膜厚を接触式の膜厚測定器により測定したところ、金属クロム被膜の膜厚は約18nm、酸化タンタル被膜の膜厚は約8nmであった。
得られたガラス板は車両に取り付けた際に車内側となる表面の周囲部に黒色の不透明層を備え、電磁遮蔽性を有する被膜が、不透明層6が形成されていない領域(不透明層非形成領域)の全面及びこの不透明層非形成領域7に接している周囲部(不透明層が形成されている領域)の一部(境界領域8)に形成されていた。なお、不透明層が形成されている領域上の被膜の幅は、約10mmであった。
(実施例2乃至5)
金属クロム被膜及び酸化タンタル被膜の成膜時間を調整(変更)した以外は実施例1と同様にして実施例2乃至5の板ガラスを得た。
実施例2の金属クロム被膜の膜厚は約18nm、酸化タンタル被膜の膜厚は約13nmであり、実施例3の金属クロム被膜の膜厚は約18nm、酸化タンタル被膜の膜厚は約18nmであり、実施例4の金属クロム被膜の膜厚は約22nm、酸化タンタル被膜の膜厚は約18nmであり、実施例5の金属クロム被膜の膜厚は約13nm、酸化タンタル被膜の膜厚は約7nmであった。
(比較例1乃至3)
酸化タンタル被膜を設けずに、また金属クロム被膜の成膜時間を調整(変更)した以外は実施例1と同様にして比較例1乃至3のガラス板を得た。
比較例1の金属クロム被膜の膜厚は約38nmであり、比較例2の金属クロム被膜の膜厚は約21nmであり、比較例3の金属クロム被膜の膜厚は約13nmであった。
(評価用サンプルの作成)
実施例1乃至5、比較例1乃至3のガラス板の堅牢度、耐摩耗性、シート抵抗値、可視光線透過率及び日射透過率を評価するため、実施例1乃至5、比較例1乃至3にて形成した被膜と同様の被膜を備える評価サンプルをそれぞれ以下に示すようにして作成した。なお、図4は、評価サンプルを表す図であり、評価サンプルについて、図4を用いて説明する。
実施例及び比較例で用いたソーダライムシリカガラスと同様のガラス21の一方の表面に、幅約15mm、長さ約110mmの帯状に、Agを含有する導電性のセラミックペーストをスクリーン印刷法を用いて2つ塗布した後、約620℃の温度により加熱を行い、導電性の焼結体22を形成した。その際、2つの導電性の焼結体22は、距離100mmで対向する様に配置した。
次に、実施例1乃至5、比較例1乃至3で形成した被膜と同様の条件にて、2つの導電性の焼結体22が、幅100mmに渡り接続する様に、被膜23を形成した。被膜を形成しない領域には、被膜の形成に先立ち、実施例及び比較例と同様に遮蔽具を取り付けた。
実施例1乃至5、比較例1乃至3と同様の被膜が形成されている評価用サンプルの被膜を形成した表面の堅牢度、耐摩耗性、被膜側のシート抵抗値、可視光線透過率及び日射透過率を測定した結果を表1に示す。ここで、実施例1乃至5、比較例1乃至3と同様の被膜が形成されている評価用サンプルの結果は、実施例1乃至5、比較例1乃至3の結果として表記した。なお、堅牢度の評価は、単位面積当たりに一定の荷重をかけた乾布により被膜を形成した表面を数千回擦った後のガラスの表面状態の変化を目視にて確認することにより行なった(堅牢度試験)。表1の堅牢度試験の結果は、堅牢度試験後のガラス板に目に見える膜のカスレや剥離が生じなかったものを○、目に見える膜のカスレや剥離が生じたものを×として表した。
耐摩耗性試験は、JIS R3212の3.7 耐摩耗性試験に準拠(ただし、各摩耗ホイールの供試体にかかる荷重は、2.45Nとし、摩耗ホイールの回転数は500回転とした。)した試験を行った。また、シート抵抗値の測定は、図4において、ソーダライムシリカガラス21上で、100mmの距離及び100mm幅で被膜23により接続された2つの導電性の焼結体22間の抵抗を測定することにより求めた。また、可視光線透過率はJIS R3212の3.11 可視光線透過率試験に準拠して測定し、日射透過率は、JIS R3106の6. 日射透過率、日射反射率及び日射吸収率の算定に準拠して測定した。なお、耐摩耗性試験については、数値が2.0以下の場合、評価結果を○、数値が2.0より大きく4.5以下の場合、評価結果を△、数値が4.5より大きい場合、評価結果を×として括弧書きにて表記した。
Figure 2009179511
表1にて明らかなとおり、酸化タンタルの層を有する実施例のガラス板は、堅牢度において優れることがわかる。また、実施例1乃至4においては、堅牢度及び耐摩耗性の双方において優れていることがわかる。すなわち摩耗に強いことがわかる。
実施例1乃至5のガラス板のシート抵抗値は150Ω/□以下と低い値となっており、また、電磁波を遮蔽するかを確認したところ、いずれの実施例についても遮蔽効果を有することが確認された。
本発明の被膜付きガラス板の断面を表す図。 (a)不透明層を備える場合の本発明の被膜付きガラス板の断面を表す図。 (b)不透明層を備える場合の本発明の被膜付きガラス板を車両に取り付けた際の車内側表面側視を表す図。 本発明のガラス板の車体へ取り付ける構造の一実施形態を示す図。 評価サンプルを表す図
符号の説明
1 被膜付きガラス板
2 ガラス基板
3 金属被膜
4 酸化物被膜
5 被膜
6 不透明層
7 不透明層非形成領域
8 境界領域
9 周囲部
10 不透明層のみを形成した領域
11 車体
12 接着剤
13 車体の端部
21 ソーダライムシリカガラス
22 導電性の焼結体
23 被膜
24 評価用サンプル

Claims (4)

  1. ガラス基板の表面に、金属被膜と、該金属被膜の表面に形成された酸化物被膜とからなる被膜を備える被膜付きガラス板。
  2. 前記金属被膜は、厚さが10〜30nmのクロム、ステンレス、チタン、ジルコニウム、タンタル及びハフニウムから選ばれた1種又は複数種の金属からなる金属被膜であり、前記酸化物被膜は厚さが8〜100nmの酸化タンタル膜、酸化アルミニウム膜又は酸化ジルコニウム膜である請求項1記載の被膜付きガラス板。
  3. 前記被膜付きガラス板の被膜側のシート抵抗値は、150Ω/□以下である請求項1又は2記載の被膜付きガラス板。
  4. 前記ガラス基板は、ガラス基板の少なくとも一方の表面の周辺に形成された不透明層を備え、前記被膜は、前記不透明層が形成されたガラス基板表面の不透明層が形成されていない領域と、該不透明層が形成されていない領域に接している不透明層の一部の表面に形成されている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の被膜付きガラス板。
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