JP2009179345A - 収納トレー及び搬送容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部からの衝撃を吸収して、部材の破損を防止する。
【解決手段】シート形状の部材を搬送する際に用いる収納トレーである。この収納トレーは、当該収納トレーを収納して搬送する搬送容器の内側形状に合わせて形成され外部からの衝撃により変形する支持板部と、当該支持板部の周縁近傍に設けられ前記シート形状の部材の周囲を押さえて支持するスペーサとを備えた。前記スペーサは、前記シート形状の部材の高さよりも高い寸法に形成された。搬送容器は、その内部に前記収納トレーを1又は複数枚収納して搬送する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ICタグ等のシート形状の部材をまとめて複数枚積層して搬送する際に用いられる収納トレー及び搬送容器に関するものである。
ICタグ等の電子部材は、搬送時の衝撃等によって破損することがある。このため、ICタグ等を搬送するための容器が種々考案されている。そのような例として特許文献1に記載のカードケースがある。
このカードケースを図2に示す。図中の1はケース本体で、このケース本体1の上側面にカードを収納する凹部3が設けられている。この凹部3にカードが収納された状態で、ケース本体1の表面に封入シール4が接着されて、カードが被覆される。
特開平05−132088号公報
ところで、前記従来のカードケースの場合は、例えばこのカードケースを複数枚、収納容器に積層して収納し、搬送することができる。
しかしながら、前記カードケースを複数枚、収納容器に収納して搬送する場合、大きな衝撃に対する対応が不十分になる。例えば、収納容器の落下等によってこの収納容器に大きな衝撃が加わると、この衝撃は収納容器で吸収される前にカードケースに伝わってしまう場合が多い。そして、カードケースに伝わった衝撃は、ケース本体1を伝わってカードに達してしまう。このため、カードを十分に保護するのが難しいという問題がある。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、ICタグ等のシート形状の部材の搬送に適した収納トレー及び搬送容器を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するために、本発明の収納トレーは、シート形状の部材を搬送する際に用いる収納トレーである。この収納トレーにおいて、当該収納トレーを収納して搬送する搬送容器の内側形状に合わせて形成され外部からの衝撃により変形する支持板部と、当該支持板部の周縁近傍に設けられ前記シート形状の部材の周囲を押さえて支持するスペーサとを備え、前記スペーサが、収納する前記シート形状の部材の高さよりも高い寸法に形成された。
前記スペーサは、前記支持板部の周縁よりも内側の位置に設けられることが望ましい。前記支持板部の周縁には、把持用取っ手となる切り欠きを設けることが望ましい。前記スペーサは、前記シート形状の部材の角部に対応する位置に、切り欠き状隙間を設けることが望ましい。前記シート形状の部材外形と同じ形状に形成された収納凹部を1又は複数設けたサブトレーは、前記各スペーサの内側に設けることが望ましい。
本発明の搬送容器は、シート形状の部材を搬送する際に用いる収納トレーを1又は複数内部に収納して搬送する搬送容器である。前記収納トレーは、搬送容器の内側形状に合わせて形成され外部からの衝撃により変形する支持板部と、当該支持板部の周囲に設けられ前記シート形状の部材の周囲を押さえて支持するスペーサとを備え、前記スペーサは、前記部材の高さよりも高い寸法に形成されて、当該部材と上側の支持板部との間に衝撃緩衝空間を設けた。
前記スペーサは、前記支持板部の周縁よりも内側の位置に設けられることにより、当該スペーサと前記搬送容器の内側壁との間に衝撃緩衝空間を設けることが望ましい。
この場合、搬送容器に前記収納トレーを複数積層して収納され、最上段の収納トレーと最下段の収納トレーに前記部材を収納せずに衝撃緩衝空間とすることが望ましい。
搬送容器の落下等による衝撃を収納トレーが吸収して、内部の部材を衝撃から守ることができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は本実施形態に係る収納トレーを示す斜視図、図3は本実施形態に係る収納トレーに部材を取り付けた状態を示す斜視図、図4は本実施形態に係る収納トレーを搬送容器に挿入した状態を示す側面断面図である。
収納トレー11は、ICタグ等のシート形状の部材12を搬送する際に用いる搬送用のトレーである。収納トレー11は、図1に示すように、支持板部13と、スペーサ14とから構成されている。なお、部材12は、ICタグ等が形成されたシート部材を、複数枚まとめて、ビニールのシートや袋で包装して束ねたものである。このため、部材12は肉厚のシート状(ブロック状)に構成されている。例えば、コピー用紙500枚をまとめて束ねた程度の厚さに構成されている。
支持板部13は、搬送容器15(図4参照)の内側形状に合わせて形成されている。即ち、搬送容器15の内側に整合する四角形平板状(搬送容器15の内側と同じ形状及び寸法)に形成されている。これにより、支持板部13を搬送容器15内に収納すると、支持板部13の周縁が隙間なく搬送容器15の内壁に接触して、ガタツキなく収納されるようになっている。
支持板部13の材料としては、ある程度変形しやすい板材で構成されている。具体的には、段ボールや板紙など厚みのある紙類、内部に空隙などの変形手段を持たせた発泡プラスチックシート等を挙げることができる。前記発泡プラスチックシートとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレンなどを挙げることができる。通常、安価であり加工しやすい材料として、段ボールや板紙を用いることが望ましい。支持板部13は、外部からの衝撃を、支持板部13が変形することで吸収して、部材12に伝えないようにする材料である。支持板部13の変形は、水平に置かれた支持板部13の周囲が、水平方向に潰れて変形する場合と、垂直方向に撓んで変形する場合とがある。この両方に対して対応できるように形成する。変形例として、支持板部13のうちスペーサ14の外側の周縁部は、水平方向に潰れてある程度変形しやすい構成にし、支持板部13のうちスペーサ14の内側の部分は、水平方向に潰れづらく、垂直方向に撓んである程度変形しやすい構成にする。これは、支持板部13の厚みや強度を部分的に変えることで実現できる。支持板部13のうちスペーサ14の内側の部分を水平方向に潰れづらくするのは、外部からの衝撃に対して、支持板部13のうちスペーサ14の外側の部分が変形して内側の変形を抑えて、部材12を保護するためである。
スペーサ14は、支持板部13の上側面の周囲に設けられ前記シート形状の部材12の周囲を押さえて支持する部材である。このスペーサ14は、支持板部13と同様にある程度変形しやすい材料で構成されている。具体的には、支持板部13として例示したものの中から適宜選択して用いることができる。スペーサ14の厚さは、部材12を十分に支持できる強度と、外部からの衝撃に対して変形して衝撃を吸収する変形しやすさとを考慮して設定する。具体的には、部材12が重い場合はスペーサ14を厚く、軽い場合は薄く設定する。
スペーサ14は、四角形の部材12の外周に沿って形成されている。好ましくは、スペーサ14は、四角形の部材12の各辺に沿って設けられ、この部材12の各辺よりも短い4つのブロックで構成されている。これにより、スペーサ14は、部材12の角部に対応する位置に4つの切り欠き状隙間18が設けられ、部材12の角部を逃がすことができるようになっている。即ち、外部からの衝撃が支持板部13を介して部材12に伝わると、部材12と支持板部13との間が激しくずれることがあるが、この場合、スペーサ14自体の変形と共に、部材12の角部を切り欠き状隙間18に逃がして衝撃を吸収する。
スペーサ14は、支持板部13の両方の面に設けても良いが、少なくとも片方の面の周縁近傍に設けられる。支持板部13には接着剤などを用いて、衝撃により剥がれることがないように接着させる必要がある。なお、図4に示すように、支持板部13の周縁から内側の位置に設けられていることが望ましい。このスペーサ14の設置位置から支持板部13の周縁までの領域が側端衝撃緩衝空間19である。この側端衝撃緩衝空間19の広さは、搬送工程において、どのような衝撃が想定されるかを考慮して、その衝撃の度合いに応じて設定される。衝撃の程度が大きい場合は、側端衝撃緩衝空間19を広く設定する。これにより、側端衝撃緩衝空間19の支持板部13を大きく変形させて、大きな衝撃を吸収する。衝撃の程度が小さい場合は、側端衝撃緩衝空間19を狭く設定し、この狭い側端衝撃緩衝空間19の支持板部13を変形させて、小さな衝撃を吸収する。
具体的には、側端衝撃緩衝空間19の幅、つまり支持板部13の周縁からスペーサ14の外側までの距離は、5〜50mmとするのが好ましい。5mm未満であると、衝撃の吸収が不十分な場合があり、50mmを超えると衝撃の吸収がさらに良好になるということはなく、側端衝撃緩衝空間19を無駄に広くするだけであり、ひいては搬送容器を無駄に大きくしなくてはいけなくなるので、経済的及び効率的にも好ましくない。
さらに、スペーサ14は、部材12の高さよりも高い寸法に設定されている。これは、部材12の上側に上側衝撃緩衝空間20を形成するためである。即ち、複数枚の収納トレー11を積層するとき、下側の収納トレー11に収納された部材12の上端面と、上側の収納トレー11の下端面との間に隙間がないと、外部からの衝撃が互いに密着した複数の収納トレー11の各部材12に直接的に伝わってしまう。これに対して、下側の収納トレー11に収納された部材12の上端面と、上側の収納トレー11の下端面との間に上側衝撃緩衝空間20があると、外部からの衝撃で、上端近傍の収納トレー11と下端近傍の収納トレー11とが変形するが、その衝撃は上側衝撃緩衝空間20で緩衝されて、部材12の変形を最小限に抑えることができる。
具体的には、上側衝撃緩衝空間20の高さ、つまり部材12の上端面からスペーサ14の上端面までの距離は、5〜50mmとするのが好ましい。5mm未満であると、衝撃の吸収が不十分な場合があり、50mmを超えると衝撃の吸収がさらに良好になるということはなく、上側衝撃緩衝空間20を無駄に広くするだけであり、ひいては搬送容器を無駄に大きくしなくてはいけなくなるので、経済的及び効率的にも好ましくない。
支持板部13の対向する両側辺には切り欠き16が設けられていることが好ましい。この切り欠き16は、支持板部13を作業者が両手で持つときに掴む把持用取っ手である。支持板部13が搬送容器15内に挿入されると、支持板部13と搬送容器15の内壁との間に隙間がなく、手を入れることができないため、切り欠き16に手を入れて、支持板部13を搬送容器15から出し入れすることができる。
以上の構成の収納トレー11は、各スペーサ14の内部に部材12が取り付けられた状態で、搬送容器15内に収納される。図4の例では、搬送容器15内に7枚の収納トレー11が収納されている。この収納トレー11の収納枚数は、搬送容器15の寸法とスペーサ14の寸法との兼ね合いで決定される。ここでは、搬送容器15内に7枚の収納トレー11を収納できるように寸法を設定しているため、これにあわせて搬送容器15に収納する部材12の個数を設定する。また、これと逆に、部材12の個数に合わせて搬送容器15及びスペーサ14の寸法を設定する場合もある。即ち、予め設定された部材12の高さに応じて、収納トレー11のスペーサ14の高さを決め、搬送容器15に収納する収納トレー11の枚数に応じて搬送容器15の寸法を設定する。この場合、収納トレー11は、1枚の場合もあり得る。
さらに、搬送容器15に複数枚積層して収納される収納トレー11のうち、最上段の収納トレー11と最下段の収納トレー11には部材12を取り付けずに、上端衝撃緩衝空間21と下端衝撃緩衝空間22とを形成することが望ましい。
具体的には、上端衝撃緩衝空間21と下端衝撃緩衝空間22の高さは、5〜50mmとするのが好ましい。5mm未満であると、衝撃の吸収が不十分な場合があり、50mmを超えると衝撃の吸収がさらに良好になるということはなく、上端衝撃緩衝空間21と下端衝撃緩衝空間22を無駄に広くするだけであり、ひいては搬送容器を無駄に大きくしなくてはいけなくなるので、経済的及び効率的にも好ましくない。
このように、本願発明の収納トレー11に加え、搬送容器15の内側の上端及び下端に衝撃吸収空間を設けることにより、外部からの衝撃を上端衝撃緩衝空間21及び下端衝撃緩衝空間22で吸収するので、収納トレー11に伝わる衝撃が軽減され、部材12の破損をさらに抑制することができる。
[動作]
以上のように構成された収納トレー11及び搬送容器15は次のようにして使用される。
収納トレー11の各スペーサ14の内側に部材12を取り付けて、搬送容器15内に収納する。この場合、まず各スペーサ14の内側に部材12を取り付けない収納トレー11を最初に搬送容器15内に収納して、搬送容器15の底部側に下端衝撃緩衝空間22を形成することが好ましい。
次いで、各スペーサ14の内側に部材12を取り付けた収納トレー11を5枚、搬送容器15内に収納する。そして、最後に、各スペーサ14の間に部材12を取り付けない収納トレー11を搬送容器15内に収納して、搬送容器15の上部側に上端衝撃緩衝空間21を形成することが好ましい。次いで、搬送容器15を封止して、搬送する。
このとき、搬送容器15を落下する等によって衝撃を加えた場合は、その衝撃によって、まず搬送容器15が変形する。
この衝撃が搬送容器15の側面から加わった場合は、搬送容器15の側壁が凹んで衝撃をある程度吸収する。さらに、衝撃は、内部の収納トレー11にも伝わるが、スペーサ14及び支持板部13が衝撃を吸収する。側端衝撃緩衝空間19を設けた場合には、収納トレー11では、側端衝撃緩衝空間19の部分の支持板部13が重点的に変形して衝撃を吸収する。
さらに、支持板部13から部材12に伝わる衝撃に対しては、支持板部13と部材12とのずれで吸収する。即ち、外部からの衝撃が支持板部13を介して部材12に伝わると、部材12と支持板部13との間が激しくずれることがあるが、この場合、スペーサ14自体が変形して衝撃を吸収し、さらに部材12の角部を切り欠き状隙間18に逃がして部材12の支持板部13に対するずれを許容して衝撃を吸収する。
衝撃が搬送容器15の上側面又は下側面から加わった場合は、まず搬送容器15の上側壁又は下側壁が変形して衝撃を吸収する。このとき、搬送容器15内の上端部と下端部には、上端衝撃緩衝空間21と下端衝撃緩衝空間22を設けているため、これらの空間で、衝撃が吸収される。これらの空間で衝撃を吸収することができないときは、上端衝撃緩衝空間21及び下端衝撃緩衝空間22に面した収納トレー11にその衝撃が伝わるが、この場合は、各空間に面した収納トレー11から変形していく。このとき、各収納トレー11のスペーサ14で部材12の上側に上側衝撃緩衝空間20を形成しているため、収納トレー11の変形と共にこの部分で衝撃が吸収され、部材12の破損を最小限に抑える。
この場合、上端衝撃緩衝空間21と下端衝撃緩衝空間22がほぼ同様の構成であるため、搬送容器15を、その上下を逆にして落下させても同様の効果を有する。
また、部材12の角部は切り欠き状隙間18に位置するため、支持板部13から部材12を着脱するのも容易になり、梱包作業及び開封作業の作業性が向上する。
前記実施形態では、部材12が四角形であるため、4つのスペーサ14を設けて部材12の角部が切り欠き状隙間18に位置するように構成したが、部材12が三角形や五角形以上の多角形である場合は、それに対応してスペーサ14を設けて、部材12の角部に対応して切り欠き状隙間18を設ける。この場合も、前記同様の作用、効果を奏することができる。
また、スペーサ14を、多角形の部材12に対して、その角部に面する位置に設けても良い。この場合、部材12が回転しないように、回転止めスペーサを設けたり、スペーサ14のうち部材12の角部に接する位置に溝を設けたりする。部材12は、多角形でなく、円形や楕円形等の他の形状である場合もあるが、この場合はスペーサ14を部材12の周縁3箇所以上に設けて、部材12がずれないように支持する。この場合も、上記同様に衝撃を吸収して、部材12の破損を最小限に抑えることができる。
前記実施形態では、収納トレー11をICタグ等の電子部材の搬送に用いたが、本発明はICタグ等の電子部材のみならず、カーボン紙やノーカーボン紙等の複写紙や、プレスシートやノーカーボン紙等の感圧発色紙等の搬送に効果的である。この場合も、上記同様の作用、効果を奏することができる。
さらに、搬送時の複写紙における複写や、感圧発色紙における発色を抑制することができる。
[変形例]
前記実施形態では、収納トレー11の各スペーサ14の内側に、シート形状の部材12を取り付けたが、図5に示すように、小型の部材を収納するサブトレー24を設けても良い。このサブトレー24は、小さい部材(図示せず)を収納するためのトレーである。サブトレー24は、各スペーサの内側と同じ寸法、形状に形成されている。これにより、サブトレー24は各スペーサ14の内側に取り付けることができるようになっている。サブトレー24には、小さい部材を収納するための収納凹部25を2つ設けている。この収納凹部25は、サブトレー24に1つだけ設けたり、3つ以上設けたりすることができる。部材の大きさに応じて適宜設定する。
このサブトレー24の場合は、各収納凹部25に部材をそれぞれ取り付けて、サブトレー24を収納トレー11のスペーサ14の内側に取り付ける。そして、図4のように、搬送容器15内に7枚挿入し、前記実施形態と同様にして搬送する。
この場合も、上記実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
次に、上述の収納トレー11を収納した搬送容器15に対して、JIS Z 0200に準ずる落下試験を行った結果を表1に基づいて説明する。
[実施例1]
シート形状の部材12として、打ち抜き加工を施した抜き部材(抜きサイズ66×36mm)を剥がしたA4判の粘着シート(<90> PW 8K リンテック(株)製)の剥がした部分(8箇所)にICタグラベル(TS−L102MC リンテック(株)製)を積層したICタグシート50枚を積層して1組として外装にビニール袋にてパッケージしたものを用いた。このときにシート形状の部材12の厚みは、20mmであった。
支持板部13として、243×330mmの厚み1mmのシングルフルートの段ボールを用い、支持板部13の4辺周縁端部に厚み7mmのダブルフルートの段ボールを2枚重ねた、高さ30mmのスペーサ14を接着剤にて貼り付けて本願発明の収納トレー11を作成した。このとき支持板部13の4角には、40×40mmの切り欠き状隙間18ができるようにスペーサ14を設けた。
前記収納トレー11に前記シート形状の部材12を収納し、これを5組準備して積層し、この5組積層した外形にほぼ等しい大きさの搬送容器15としての段ボール(厚み5mmのシングルフルート)に収納し、50mm幅のクラフト粘着テープでH貼りにて梱包した。このとき前記シート形状の部材12を収納した搬送容器15の重量は、約5.5kgであり、上端衝撃緩衝空間21、下端衝撃緩衝空間22及び側端衝撃緩衝空間19は設けなかった。
前記シート形状の部材12を収納した搬送容器15を、段ボールの各面(6面)が床に平面で落下するように、高さ100cmからそれぞれの面を1回ずつ、計6回落下させた。落下テストの前後で、ICタグの交信試験をFEIG社製FMR101を用いて行った。
落下テスト前では、2000個全てのICタグが交信可能であったが、落下テスト後には交信できないものが7個あった。7個のICタグはICチップの破損が確認された。
[実施例2]
収納トレー11のシート形状の部材12を収納し、これを5組準備して積層し、この上下にシート形状の部材を収納しない収納トレーを積層して、収納トレーを7段とした以外は実施例1と同様にシート形状の部材12を収納した搬送容器15を準備した。このとき前記シート形状の部材12を収納した搬送容器15の重量は、約5.5kgであり、上端衝撃緩衝空間21及び下端衝撃緩衝空間22はそれぞれ30mmであり、側端衝撃緩衝空間19は設けなかった。
落下テストを実施例1と同様に行った。落下テスト後に5個交信できないものがあり、ICチップの破損が確認された。
[実施例3]
支持板部13のサイズを283×370mmとし、スペーサ14を支持板部13の4辺周縁端部よりも20mm内側に設けたこと以外は、実施例2と同様に、シート形状の部材12を収納した搬送容器15を準備した。このとき前記シート形状の部材12を収納した搬送容器15の重量は、約5.5kgであり、上端衝撃緩衝空間21及び下端衝撃緩衝空間22はそれぞれ30mmであり、側端衝撃緩衝空間19は20mmであった。
落下テストを実施例1と同様に行った。落下テスト後に交信できないものはなく、全てのICタグが交信できた。
[実施例4]
シート形状の部材を収納しない収納トレーのスペーサ14の高さを5mmとした以外は、実施例3と同様に、シート形状の部材12を収納した搬送容器15を準備した。このとき前記シート形状の部材12を収納した搬送容器15の重量は、約5.5kgであり、上端衝撃緩衝空間21及び下端衝撃緩衝空間22はそれぞれ5mmであり、側端衝撃緩衝空間19は20mmであった。
落下テストを実施例1と同様に行った。落下テスト後に3個交信できないものがあり、ICチップの破損が確認された。
[実施例5]
シート形状の部材を収納しない収納トレーのスペーサ14の高さを10mmとした以外は、実施例3と同様に、シート形状の部材12を収納した搬送容器15を準備した。このとき前記シート形状の部材12を収納した搬送容器15の重量は、約5.5kgであり、上端衝撃緩衝空間21及び下端衝撃緩衝空間22はそれぞれ10mmであり、側端衝撃緩衝空間19は20mmであった。
落下テストを実施例1と同様に行った。落下テスト後に交信できないものはなく、全てのICタグが交信できた。
[比較例1]
シート形状の部材12として、実施例1と同様のICタグシート250枚を一組としてビニール袋にてパッケージしたものを用いた。
前記シート形状の部材12の外形にほぼ等しい大きさの搬送容器15としての段ボール(圧5mmのシングルフルート)に収納し、50mm幅のクラフト粘着テープでH貼りにて梱包した。このとき前記シート形状の部材12を収納した搬送容器15の重量は、約5kgであり、上端衝撃緩衝空間21、下端衝撃緩衝空間22及び側端衝撃緩衝空間19は存在しなかった。
落下テストを実施例1と同様に行った。落下テスト後に12個交信できないものがあり、ICチップの破損が確認された。
Figure 2009179345
[効果]
以上のように、外部から加わる衝撃に対して、搬送容器15の前後左右上下にそれぞれ設けられた側端衝撃緩衝空間19、上側衝撃緩衝空間20、上端衝撃緩衝空間21及び下端衝撃緩衝空間22でその衝撃が吸収されるため、部材12の破損を最小下に抑えることができるようになる。これにより、搬送作業効率を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る収納トレーを示す斜視図である。 従来のカードケースを示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る収納トレーに部材を取り付けた状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る収納トレーを搬送容器に挿入した状態を示す側面断面図である。 本発明の変形例に係る収納トレーを示す斜視図である。
符号の説明
11:収納トレー、12:部材、13:支持板部、14:スペーサ、15:搬送容器、16:切り欠き、18:切り欠き状隙間、19:側端衝撃緩衝空間、20:上側衝撃緩衝空間、21:上端衝撃緩衝空間、22:下端衝撃緩衝空間、24:サブトレー、25:収納凹部。

Claims (8)

  1. シート形状の部材を搬送する際に用いる収納トレーであって、
    当該収納トレーを収納して搬送する搬送容器の内側形状に合わせて形成され外部からの衝撃により変形する支持板部と、
    当該支持板部の周縁近傍に設けられ前記シート形状の部材の周囲を押さえて支持するスペーサとを備え、
    前記スペーサが、収納する前記シート形状の部材の高さよりも高い寸法に形成されたことを特徴とする収納トレー。
  2. 前記スペーサが、前記支持板部の周縁よりも内側の位置に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の収納トレー。
  3. 前記支持板部の周縁に、把持用取っ手となる切り欠きを設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の収納トレー。
  4. 前記スペーサが、前記シート形状の部材の角部に対応する位置に、切り欠き状隙間を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の収納トレー。
  5. 前記シート形状の部材外形と同じ形状に形成された収納凹部を1又は複数設けたサブトレーを、前記各スペーサの内側に設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の収納トレー。
  6. シート形状の部材を搬送する際に用いる収納トレーを1又は複数内部に収納して搬送する搬送容器であって、
    前記収納トレーが、搬送容器の内側形状に合わせて形成され外部からの衝撃により変形する支持板部と、当該支持板部の周囲に設けられ前記シート形状の部材の周囲を押さえて支持するスペーサとを備え、
    前記スペーサが、前記部材の高さよりも高い寸法に形成されて、当該部材と上側の支持板部との間に衝撃緩衝空間を設けたことを特徴とする搬送容器。
  7. 前記スペーサが、前記支持板部の周縁よりも内側の位置に設けられることにより、当該スペーサと前記搬送容器の内側壁との間に衝撃緩衝空間を設けたことを特徴とする請求項6に記載の搬送容器。
  8. 前記収納トレーを複数積層して収納され、最上段の収納トレーと最下段の収納トレーに前記部材を収納せずに衝撃緩衝空間としたことを特徴とする請求項6又は7に記載の搬送容器。
JP2008019461A 2008-01-30 2008-01-30 収納トレー及び搬送容器並びにicタグの保護方法 Expired - Fee Related JP5156412B2 (ja)

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