JP2009178086A - 新規微生物および新規微生物を用いた化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)下記の式(I):
(1)本発明の微生物
本発明の微生物は、ストレプトマイセス属に属するストレプトマイセス・スピーシーズYM5-799株であり、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)に、平成20年1月24日付で受託番号NITE AP-480として寄託されている。
1)胞子の有無 :有り
2)気菌糸の形状 分岐あり。幅 0.8-1.0mm。
3)運動性の有無 :無し
4)ISP培地 No.2 平板培養 :コロニーサイズ 直径1-2 mm。コロニー表面の形状 紋縞状。色調 表面(気菌糸)褐色、裏面(基生菌糸)褐色。褐色水溶性色素産生。
5)ISP培地 No.3 平板培養 :生育する。表面:灰色、裏面:灰色。
6)ISP培地 No.4 平板培養 :生育する。表面:灰色、裏面:灰色。
7)ISP培地 No.5 平板培養 :生育する。表面:灰色、裏面:灰色。
1)ゼラチンの液化:−
2)デンプンの加水分解:+
3)硝酸還元反応:+
4)脱脂粉乳のペプトン化・凝固:−
5)生育温度の範囲:20〜30℃ 生育する。37℃ 生育しない。
6)耐塩性:1〜4% 生育する。5% 生育しない。
7)炭素源の利用性
ISP培地No.9(陰性コントロール) :−
グルコース(陽性コントロール) :+
L-ラムノース :−
D-マンニトール :+
D-フラクトース :+
L-アラビノース :−
ラフィノース :−
シュクロース :−
D-キシロース :−
イノシトール :−
8)メラニン様色素の生成
ISP培地No.6 :+
ISP培地No.7 :−
9)16S rDNA配列 配列表(配列番号1)に示す。
本発明に係る微生物の培養は、通常の微生物の培養方法が用いられる。培地としては、資化可能な炭素源、窒素源、無機物および必要な生育・生産促進物質を適宜含有する培地であれば、合成培地又は天然培地のいずれでも使用可能である。炭素源としては、グルコース、澱粉、デキストリン、マンノース、フラクトース、シュクロース、ラクトース、キシロース、アラビノース、マンニトール、糖蜜などを単独又は組み合わせて用いることができる。さらに、必要に応じて炭化水素、アルコール類、有機酸、アミノ酸(トリプトファン等)なども用いることができる。窒素源としては塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、尿素、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、乾燥酵母、コーン・スチープ・リカー、大豆粉、綿実かす、カザミノ酸などを単独又は組み合わせて用いることができる。そのほか、必要に応じて食塩、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素ニカリウム、硫酸第一鉄、塩化カルシウム、硫酸マンガン、硫酸亜鉛などの無機塩類を加えることができる。さらに使用する微生物の生育や本発明の化合物の生産を促進する微量成分を適当に添加することができ、当業者であればそのような成分として適当なものを選択することができる。
培養物からの本発明の化合物の製造方法(単離・精製)は、微生物代謝生産物を培養物から単離・精製するために常用される方法に従って行われ得る。ここで、「培養物」とは、培養上清、培養菌体、又は菌体の破砕物のいずれをも意味するものである。例えば培養物を濾過や遠心分離により培養濾液と菌体に分け、菌体を適当な溶媒で抽出する。また培養濾液は酢酸エチル、クロロホルムなどで抽出することができる。また、合成吸着剤等を用いて化合物を抽出することもできる。ついで、菌体抽出液、培養濾液若しくは培養濾液の抽出物をそれぞれ単独で又はそれらの2種以上を合わせて濃縮し、カラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーなどにより精製を行い、本発明の化合物を得ることができる。得られた化合物は、NMR解析等の通常の化学的手法により、上記「式(I)の化合物、および式(II)の化合物の性質」に記載した性質を示すか否かを調べることにより、本発明の化合物であることを確認することができる。
本発明の化合物もしくはその塩は、非特許文献2に記載されたような抗菌剤や非特許文献3に記載されたような鉄排出薬として利用することができる。
前述のごとく、培養法によってシデロフォアを生産する微生物を大量培養し、その培養物からシデロフォア活性を有する化合物を精製することができるが、医学品以外の用途で当該化合物を使用する場合にあっては、高度な精製をすることなく、微生物そのものもしくは微生物を混合した担体を施用し、適用場において製造させることができる。
本発明の化合物もしくはその塩、あるいは、本発明の化合物を含有した粗精製物と、鉄分を含有した担体との混合物を海洋環境改質剤として利用することができる。
北海道沿岸域より採取した藻類およびアマモを滅菌海水中で破砕し、その破砕物をマリンブロス寒天培地に塗布し、7日間培養して約300株の細菌を得た。これらの細菌株について、前記したCASアッセイを実施して、シデロフォア生産能を有する細菌株を1株得た。
ストレプトマイセス・スピーシーズYM5-799株の培養を以下の様に行った。本菌株を200 mLのマリンブロス培地を入れた1 Lバッフル付き三角フラスコ中で、30 ℃にて5日間回転震盪(100 rpm)培養して種菌とした。2 Lのバッフル付三角フラスコ1本あたり、生産培地(ASG培地:カザミノ酸 5 g/L、グリセリン 3 mL/L、グリセロリン酸 0.1 g/L、塩化ナトリウム 15.5 g/L、塩化カリウム 0.8 g/L、硫酸マグネシウム・七水和物 12.4 g/L、塩化カルシウム・二水和物 2.9 g/L、塩化アンモニウム 1.0 g/L、HEPESナトリウム塩 2.6 g/L、炭酸水素ナトリウム 0.17 g/L、塩化鉄0.01 μM (滅菌前pH 6.8))1 Lを入れ、オートクレーブにて滅菌したフラスコ各々(計10本、10 L)に、あらかじめ培養した種菌を10 mL接種し、30 ℃にて10日間、振盪培養(100 rpm)を行った。培養中、pHは特に制御しなかった。
海産緑藻クロロコッカム・リトラーレ(Chlorococcum littorale)NBRC102761を用いて、式(I)の化合物および式(II)の化合物が当該単細胞藻類に対して増殖促進効果を有するかどうかを調べた。
シデロフォアを生産する微生物を混和した担体を海岸線に沿って埋設し、海域の藻場造成に対する効果を確認した。
Claims (4)
- 請求項1記載の微生物を培地に培養し、前記培養物中に請求項1に規定する式(I)および(II)の化合物並びに/またはそれらの塩を生成蓄積させた後、前記培養物から式(I)および(II)の化合物並びに/またはそれらの塩を採取することを特徴とする、式(I)および(II)並びに/またはそれらの塩の化合物の製造方法。
- 請求項2記載の製造方法によって製造された式(I)及び式(II)の化合物並びに/またはそれらの塩を、カラムクロマトグラフィーおよび/または高速液体クロマトグラフィーを用いて分離し、式(I)の化合物および/またはその塩を得ることを特徴とする式(I)の化合物の製造方法。
- 請求項2記載の製造方法によって製造された式(I)および式(II)の化合物並びに/またはそれらの塩を、カラムクロマトグラフィーおよび/または高速液体クロマトグラフィーを用いて分離し、式(II)の化合物および/またはその塩を得ることを特徴とする式(II)の化合物の製造方法。
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