JP2009177290A - スピーカ用振動板及びそれを用いたスピーカ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、スピーカの音質を向上させることを目的とする。
【解決手段】そして、この目的を達成するために、本発明によるスピーカ用振動板5は、含浸した熱硬化性樹脂が熱硬化状態となった織布層6と、この織布層6の裏面側に重合一体化された紙層7とを備え、織布層6の編目10に充填させた紙層7の毛羽7aが、織布層6の表面側から織布層6の織糸9に絡みつき、且つ熱硬化性樹脂で固着された構成としたので、織布層6の編目10に紙層7が充填されて一体化し、スピーカ用振動板5の内部損失及びヤング率を大きくすることができる。この結果、スピーカの音質を向上させることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、スピーカ用振動板及びそれを用いたスピーカに関するものである。
スピーカが優れた音質にて音を再生するためには、スピーカに用いられるスピーカ用振動板が大きなヤング率と内部損失を兼ね備えることが必要となる。
このため、例えば特許文献1では、図9(a)の断面電子顕微鏡写真と図9(b)の断面図に示すような無機繊維織布1を縦糸1aと横糸1bで織り成し、さらにその下面に天然繊維不織布2を重ね合わせた積層体3にて構成されたスピーカ用振動板4が提案されていた。
すなわち、特許文献1に記載のスピーカ用振動板4では、内部損失は小さいが大きなヤング率を有する無機繊維織布1と、ヤング率は小さいが大きな内部損失を有する天然繊維不織布2とを一体化させることにより、ヤング率と内部損失の両方に優れた特性を実現しようとするものであった。
特開2003−219493号公報
しかしながら、上記従来のスピーカ用振動板4では、互いに異なる性質を有する無機繊維織布1と天然繊維不織布2とを重ね合わせた構成としているため、無機繊維織布1と天然繊維不織布2とは十分に一体化しているとは言い難いものであった。
したがって、従来のスピーカ用振動板4では、無機繊維織布1の有する大きなヤング率と天然繊維不織布2の有する大きな内部損失とを存分に発揮させることは難しく、スピーカの音質の向上が十分に図れるものではなかった。
そこで、本発明はスピーカ用振動板のヤング率と内部損失を高めることにより、スピーカの音質を向上させることを目的とする。
そして、この目的を達成するために本発明におけるスピーカ用振動板は、含浸した熱硬化性樹脂が熱硬化状態となった織布層と、この織布層の裏面側に一体化された紙層とを備え、前記織布層の編目に充填された前記紙層の毛羽が、前記織布層の表面側から前記織布層の織糸に絡みつき、且つ熱硬化性樹脂で一体化された構成とした。
上記構成により本発明は、スピーカ用振動板のヤング率と内部損失を高めることができ、スピーカの音質を向上させることができる。
これは、本発明によるスピーカ用振動板を、織布層の編目に充填させた紙層の毛羽を織布層の表面側から織布層の織糸に絡みつかせ、更に熱硬化性樹脂で固着した構成としたことによる。
すなわち、本発明によるスピーカ用振動板では、織布層の網目に内部損失の大きいパルプが充填されている構成のため大きな内部損失を得ることができる。
また、本発明によるスピーカ用振動板は、紙層の毛羽が織布層の表面側から織糸に絡みついた状態で熱硬化性樹脂により固着されているため、従来のスピーカ用振動板4と異なり、織布層と紙層とが一体化したものとなっている。したがって、本発明によるスピーカ用振動板は、従来のスピーカ用振動板4よりも強度が高く、すなわちヤング率の高いものとなる。
これらの結果、本発明によるスピーカ用振動板はスピーカの音質を向上させることができるのである。
以下、本発明の一実施形態の構成について図面を用いて説明する。
図1(a)にスピーカ用振動板5の斜視図、図1(b)にスピーカ用振動板を表面側から見たときの要部拡大図を示す。図1(a)に示されるように、本実施形態のスピーカ用振動板5は、織布層6の層と紙層7の層との2層構造となっている。
織布層6は、図1(a)に示されるように、縦糸8a及び横糸8bの2種類の織糸9を格子状に織ることによって形成されており、この格子縞はスピーカ用振動板5の表面に表出した状態となっている。これら縦糸8aと横糸8bの内部及び外周部には熱硬化性樹脂(図示せず)が存在する状態となっており、この熱硬化性樹脂が熱硬化することにより、縦糸8aと横糸8b自体、及びそれらを織ることで形成された織布層6が硬化した状態となっている。なお、この織布層6は、アラミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、綿繊維、カーボン繊維、ガラス繊維、絹繊維などの高強度繊維のうち少なくとも一つを含有した構成とし、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂の少なくとも一つを含有する樹脂を用いている。
紙層7は、セルロース繊維にアラミド繊維を混入させて形成されており、熱圧着により織布層6の背面側に一体化されている。このように、織布層6の背面側には紙層7が熱圧着一体化されているため、スピーカ用振動板5の表面側から裏面側にかけて空気が通過することはない。また、この紙層7を構成するパルプは、織布層6の隣り合う縦糸8a及び横糸8bによって囲まれた部分である編目10に充填され、さらに紙層7のパルプの毛羽7aは、図1(b)に示すように織布層6の表面側から縦糸8a及び横糸8bに絡みつき、織糸9とともに熱硬化性樹脂により硬化した構造となっている。なお、編目10とは厳密には、底面が縦糸8a及び横糸8bによって囲まれた面であり、高さが織糸9の厚さと等しい略直方体部分を指す。
ここで、図1(b)の点線部AA'における断面電子顕微鏡写真及び断面模式図をそれぞれ図2(a)及び図2(b)に示す。
すなわち、本実施形態におけるスピーカ用振動板5では、図2(a)及び図2(b)に示すように、縦糸8aの間の編目10部分には紙層7のパルプが充填されており、紙層7のパルプの毛羽7aは織布層6の表面側から縦糸8aに絡みついた状態で熱圧着されているのである。なお、ここでは縦糸8aに毛羽7aが絡み付いている様子について図2(a)及び図2(b)を用いて説明したが、横糸8bにおいても縦糸8aと同様に毛羽7aが絡みついた状態となっている。
次に、以上に述べた本実施の形態におけるスピーカ用振動板を用いたスピーカ12の断面図を図3に示す。
図3に示すように、スピーカ12は、円筒状の磁気ギャップ13を有する磁気回路14と、この磁気回路14の磁気ギャップ13内に、その円筒状導線15部分が可動自在に配置された円筒状のボイスコイル16とを備えている。
そして、このボイスコイル16の前記磁気ギャップ13外部分に、浅皿状のスピーカ用振動板5の内周部分が連結され、さらにこのスピーカ用振動板5の外周部分は、深皿状のフレーム17の上面開口部分に保持させた断面形状がリング状の第一のエッジ18の内周部分に連結されている。なお、このスピーカ用振動板5内周部分付近には、ボイスコイル16の上面側を覆うように半球状のダストキャップ19が設けられており、このダストキャップ19は磁気ギャップ13への粉塵や水分等の侵入を防止する機能を有している。
また、ボイスコイル16の導線15からの引出線20を、このボイスコイル16のスピーカ用振動板5連結部分と磁気ギャップ13内配置部分との間から、前記スピーカ用振動板5とは非接触状態で前記フレーム17へと引出している。
さらに、このボイスコイル16の、前記引出線20引出部と磁気ギャップ13内配置部分との間部分には、弾性体により形成した断面形状がリング状である第二のエッジ21の内周端がサスペンションホルダ21aを介して連結されている。また、この第二のエッジ21の他端側は前記フレーム17の内面中間部分に接続させている。
これらの第二のエッジ21と前記第一のエッジ18はウレタンまたはゴムなどの弾性体により形成されたものであるが、第二のエッジ21は下方に、また第一のエッジ18は上方へと互いに反対方向に突出する形状にしている。
このように、第一のエッジ18と第二のエッジ21をそれぞれ逆方向に突出する形状としたことにより、ボイスコイル16の上、下方向への可動負荷が近似することになる。
したがって、スピーカ用振動板5の動作も上、下方向に対称性を持つようになり、その結果、スピーカ12から再生される音声に含まれる歪みを低減することができる。
以上のように構成されたスピーカ12のボイスコイル16に、音声信号を流すと、磁気ギャップ13が形成する磁界と反応し、ボイスコイル16には駆動力が発生する。この駆動方向はフレミング左手の法則に従い、ボイスコイル16は上下方向に変動する。そして、このボイスコイル16の変動により、ボイスコイル16にその内周部分が連結されたスピーカ用振動板5も同様に上下方向に振動し、空気を動かすことでスピーカ12から音声が発生する仕組みとなっている。
しかしながら、スピーカ用振動板を、織布と紙などの互いに性質の異なる部材同士を重ね合わせて形成する場合、これらの部材同士を一体化することはできなかった。この結果、このような構成のスピーカ用振動板は熱硬化性樹脂で固着した織布層の大きなヤング率と紙層の大きな内部損失とを最大限に発揮させることは難しく、スピーカの音質の向上が十分に図れるものではなかった。
そこで、本実施形態のスピーカ用振動板5では、図2に示すように、織布層6の表面側において、織布層6の編目10に充填した紙層7のパルプの毛羽7aを織布層6の織糸9に絡みつかせ、熱硬化性樹脂で固着させた構成としたのである。
このように、織布層6の表面側から、パルプの毛羽7aを織布層6の編目10に充填させ、織糸9に絡みつかせた構成のスピーカ用振動板5を用いると、スピーカ12の音質の向上を図ることができる。
これは、まず、図9(a)及び図9(b)に示す従来のスピーカ用振動板4に比べ、スピーカ用振動板5では織布層6の編目10に内部損失の大きいパルプがより多く充填されており、大きな内部損失を得ることができるからである。
さらに、本実施形態におけるスピーカ用振動板5では、細かい線状の繊維にて形成された紙層7と織布層6との2層構造とし、編目10に入り込んだ紙層7の繊維の毛羽7aは、織布層6の縦糸8a及び横糸8bに織布層6の表面側から絡みつかせた構成としているので、一般に織布層6の裏面側のみが紙層7の層に貼り合わされた構成となっている従来のスピーカ用振動板4とは異なり、織布層6と紙層7とが一体化されている。この結果、スピーカ用振動板5の強度が高められ、従来のスピーカ用振動板4に比べ、スピーカ用振動板5の有するヤング率は高いものとなるため、音質が向上するのである。
以上、説明したように本実施形態におけるスピーカ用振動板5は、内部損失及びヤング率を高めることができ、スピーカ12の音質を高めることができるのである。また、上述したように本実施形態のスピーカ用振動板5では、織布層6と紙層7とを十分な接合力にて接合することができるため、織布層6と紙層7が剥離する可能性を極めて低くすることもできる。
また、織布層6に含まれる熱硬化性樹脂として、フェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂の少なくとも一つを含有する樹脂を用いるのが望ましい。これらの樹脂を含有する樹脂であれば、熱圧着時に十分に硬化しスピーカ用振動板5の硬度を高めることができ、スピーカ用振動板5のヤング率を大きくさせることができる。
また、紙層7にはアラミド繊維を混入してもよい。このように、硬度の高いアラミド繊維を紙層7に混入すると、スピーカ用振動板5の強度が高めることができ、これに伴ってスピーカ用振動板5の硬度も増すため、よりヤング率を高めることができる。なお、アラミド繊維を紙層7に混入するとともに織布層6にアラミド繊維を用いると、スピーカ用振動板5全体がアラミド繊維で構成され、さらに大きいヤング率を得ることができる。
同様に、織布層6は、アラミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、綿繊維、カーボン繊維、ガラス繊維、絹繊維などの硬度の高い繊維のうち少なくとも一つを含有する織布を用いるのが望ましい。これらの繊維を含有する織布を用いれば、織布層6の硬度を向上させることができ、スピーカ用振動板5のヤング率を高めることができる。
以下、このスピーカ用振動板5の製造方法について説明する。
図4は、スピーカ用振動板5を形成するための第一の金型22と第二の金型23で構成された成型機を示している。
第一の金型22は、下方に突出する成形型を備えた円錐台形状となっており、また第二の金型23は、この第一の金型22の円錐台形状が嵌合される皿形状となっている。これら第一の金型22、第二の金型23には図示していないが、加熱用のヒーターが取り付けられている。
このような第一の金型22、第二の金型23を用意し、先ずは第一の金型22を第二の金型23の上方向に引き離す。
次に、第二の金型23上に皿状の抄紙スクリーン24を載せる。
この抄紙スクリーン24は、図5に示すように紙層7の原料となるパルプをパルプ溶解液からすくい上げた状態となっており、抄紙スクリーン24上にはパルプによってパルプ堆積層25が形成されている。このときパルプ堆積層25の厚みはおよそ10mmである。この状態で、第二の金型23の加熱用のヒーターを駆動させ、パルプ堆積層25に含まれる水分を加熱蒸発させる。ここで、第一の金型22が押し下げられることはないので、第一の金型22と第二の金型23にてパルプ堆積層25を圧縮することはない。すなわち、パルプ堆積層25は非加圧状態で加熱乾燥されることとなる。なお、本実施形態では、第二の金型23に取り付けられた加熱用のヒーターのみを駆動させたが、第二の金型23に埋め込まれた加熱用のヒーターだけでなく第一の金型22に取り付けられた加熱用のヒーターも同時に駆動させてもよい。あるいは、加熱用のヒーターを駆動させることなく、パルプ堆積層25をドライヤーなどの温風で乾燥させても良いし、自然乾燥させてもよい。
このように、パルプ堆積層25を非加圧状態で加熱乾燥させると、パルプ堆積層25はパルプ溶解液からすくい上げたままの状態にて乾燥するため、図6に示すように、乾燥後のパルプ堆積層25の第一の金型22と対向する面のパルプは多数の毛羽25aを有し、毛羽立った状態となっている。
なお、本実施形態では、乾燥後のパルプ堆積層25にワイヤブラシなどを軽く当てることにより、パルプ堆積層25のパルプをさらに毛羽立たせている。
次に、図7に示されるように、型押しする前の平板状織布26を、第一の金型22と、パルプ堆積層25及び抄紙スクリーン24が載置された状態の第二の金型23との間に配置する。この平板状織布26は、成型後の織布層6にあたる部材であり、糸を格子状に織ることにより形成されている。また、平板状織布26には、フェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂熱硬化性樹脂のうち、少なくとも一つを含有した熱硬化性樹脂が予め含浸されている。
そして、この状態から、図8に示されるように、第一の金型22を第二の金型23へと押し下げ、パルプ堆積層25と平板状織布26とを加圧、圧縮する。このとき、パルプ堆積層25のパルプは毛羽だった状態となっているため、図6で示した毛羽25aは平板状織布26の編目に入り込んで、平板状織布26の表面から突出した状態となり、続いて圧縮されることになる。
すなわち、パルプ堆積層25の毛羽25aが平板状織布26の編目を充填した状態で、パルプ堆積層25と平板状織布26は型締めされる。
なお、この時点で、パルプ堆積層25及び平板状織布26は加圧、圧縮により変形し、それぞれ図1(b)に示したスピーカ用振動板5の紙層7及び織布層6の形状となる。
さらに、パルプ堆積層25と平板状織布26とを型締めした状態で、第一の金型22及び第二の金型23を180度〜250度に加熱させ、平板状織布26に含浸させた熱硬化性樹脂を熱硬化させてパルプ堆積層25と平板状織布26とを一体化する。その後、第一の金型22及び第二の金型23を開き、成型されたスピーカ用振動板5を取り出し、抄紙スクリーン24を剥がす。なお、本実施形態では第二の金型23にパルプ堆積層25及び抄紙スクリーン24を載置した状態で型締めしたが、パルプ堆積層25の加熱乾燥後に抄紙スクリーン24を剥がし、平板状織布26とパルプ堆積層25のみを型締めしてもよい。
以上の工程により、図1(a)(b)、図2(a)(b)に示したスピーカ用振動板5が形成される。
このように、本実施形態の製造方法によると、パルプ堆積層25の第一の金型22と対向する面の毛羽25aを平板状織布26の編目に充填させ、平板状織布26の表面から突出させた状態で圧縮成型することができ、図1(a)、図1(b)に示すような、織布層6の表面側から、毛羽7aを織糸9に絡みつかせ熱硬化樹脂で固着させた構成のスピーカ用振動板5を形成することができるのである。
また、パルプ堆積層25を乾燥させた後に、ワイヤブラシや目の粗い紙鑢などを用いてブラッシングを行い、パルプ堆積層25を毛羽立たせてもよい。このように、パルプ堆積層25をさらに毛羽立たせると、より多くの毛羽25aを平板状織布26の織目に入り込ませることができ、製造後のスピーカ用振動板5において、編目10における紙層7の毛羽7aの充填率を高めることができるとともに、紙層7の毛羽7aを織糸9により絡めた構成とすることができるのである。
また、パルプ堆積層25を毛羽立たせるために、紙層7の原料となるパルプに羊毛などの獣毛繊維、麻などの靱皮繊維、綿やカポックなどの種毛繊維のようなフィブリル構造を有する繊維を混入させてもよい。すなわち、フィブリル構造のように、極細の繊維素が束になった構造を有する繊維を混入させると、乾燥時に繊維が割れることでパルプ堆積層25にはさらに毛羽立ちが生じ、より多くの毛羽25aを平板状織布26の織目に入り込ませることができるのである。さらに、このフィブリル構造を有する繊維を混入させたパルプに対し、ワイヤブラシや目の粗い紙鑢などを用いてブラッシングを行うと、より毛羽立たせることができる。
本発明におけるスピーカ用振動板は、紙層の毛羽が、織布層の表面側から織糸に絡みつき熱硬化性樹脂で固着して紙層と織布層が一体化した構成となっているため、スピーカ用振動板の内部損失及びヤング率を大きくすることができる。したがって、本発明におけるスピーカ用振動板は、スピーカの音質を向上させることができ、各種音響機器において有用なものである。
(a)本発明の一実施形態のスピーカ用振動板を示す斜視図、(b)本発明の一実施形態のスピーカ用振動板の要部拡大図 (a)本発明の一実施形態のスピーカ用振動板の断面を示す電子顕微鏡写真、(b)本発明の一実施形態のスピーカ用振動板の断面図 本発明の一実施形態のスピーカを示す断面図 本発明の一実施形態のスピーカ用振動板の製造方法を示す断面図 本発明の一実施形態のスピーカ用振動板の製造方法を示す断面図 本発明の一実施形態のスピーカ用振動板の原材料の断面図 本発明の一実施形態のスピーカ用振動板の製造方法を示す断面図 本発明の一実施形態のスピーカ用振動板の製造方法を示す断面図 (a)従来のスピーカ用振動板の断面を示す電子顕微鏡写真、(b)従来のスピーカ用振動板の断面図
符号の説明
5 スピーカ用振動板
6 織布層
7 紙層
7a 毛羽
8a 縦糸
8b 横糸
9 織糸
10 編目
12 スピーカ
13 磁気ギャップ
14 磁気回路
15 導線
16 ボイスコイル
17 フレーム
18 第一のエッジ
19 ダストキャップ
20 引出線
21 第二のエッジ
21a サスペンションホルダ
22 第一の金型
23 第二の金型
24 抄紙スクリーン
25 パルプ堆積層
25a 毛羽
26 平板状織布

Claims (9)

  1. 含浸した熱硬化性樹脂が熱硬化状態となった織布層と、
    この織布層の裏面側に一体化された紙層とを備え、
    前記織布層の編目に充填された前記紙層の毛羽が、前記織布層の表面側から前記織布層の織糸に絡みつき、且つ前記熱硬化性樹脂で一体化されたスピーカ用振動板。
  2. 前記織布層に含まれる熱硬化性樹脂として、フェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂の少なくとも一つを含有する樹脂を用いた請求項1に記載のスピーカ用振動板。
  3. 前記紙層にはアラミド繊維が混入された請求項1に記載のスピーカ用振動板。
  4. 前記織布層は、アラミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、綿繊維、カーボン繊維、ガラス繊維、絹繊維の少なくとも一つを含有した請求項1に記載のスピーカ用振動板。
  5. 請求項1〜4に記載のいずれかひとつに記載のスピーカ用振動板を用いたスピーカ。
  6. 第一の金型と、
    この第一の金型に対向して設けられ、第一の金型と型締め時に整合するように設けられた第二の金型とを備えた成型機により製造される織布層と紙層を一体化させた構成のスピーカ用振動板であり、
    前記第一の金型と前記第二の金型にて熱圧着によりスピーカ用振動板を形成する前に、前記紙層の原料となるパルプを抄紙スクリーンにてすくい、前記紙層のパルプを非加圧状態で乾燥させたスピーカ用振動板。
  7. 前記パルプの乾燥時あるいは乾燥後に、前記織布層と接触する側の面の前記パルプを毛羽立たせた請求項6に記載のスピーカ用振動板。
  8. 前記パルプをブラッシングにより毛羽立たせた請求項7に記載のスピーカ用振動板。
  9. 前記パルプにフィブリル構造を有する繊維を混入させた請求項6に記載のスピーカ用振動板。
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