JP2009177064A - 電解コンデンサの駆動用電解液 - Google Patents
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Abstract
【課題】電解コンデンサの漏れ電流の増大を抑制することが可能な電解コンデンサ用電解液を提供する。
【解決手段】エチレングリコールを主成分とする溶媒に、アゼライン酸、アジピン酸等の有機カルボン酸またはアンモニウム塩、ジメチルアミン塩等その塩と、ホウ酸またはそのアンモニウム塩と、アルキル4−ヒドロキシ−3−アルコキシシナメイトを溶解することを特徴とし、
さらに、上記アルキル4−ヒドロキシ−3−アルコキシシナメイトを電解液全体に対して、0.10〜3.00重量%溶解することを特徴としている。
【選択図】なし
【解決手段】エチレングリコールを主成分とする溶媒に、アゼライン酸、アジピン酸等の有機カルボン酸またはアンモニウム塩、ジメチルアミン塩等その塩と、ホウ酸またはそのアンモニウム塩と、アルキル4−ヒドロキシ−3−アルコキシシナメイトを溶解することを特徴とし、
さらに、上記アルキル4−ヒドロキシ−3−アルコキシシナメイトを電解液全体に対して、0.10〜3.00重量%溶解することを特徴としている。
【選択図】なし
Description
本発明は、電解コンデンサの駆動用電解液(以下、電解液と称す)の改良に関するものであり、特に長期間使用した際の電解コンデンサの漏れ電流を抑制する電解液に関するものである。
従来、電解コンデンサの漏れ電流の増大を抑制する電解液として、エチレングリコールを主成分とする溶媒に、アゼライン酸とホウ酸またはそのアンモニウム塩を溶解した電解液に、リン酸を添加した電解液が用いられてきた(例えば特許文献1〜3参照)。
近年、電子機器の小形化に伴い電解コンデンサの使用環境が厳しくなり、高温でも長期間初期の電気特性を維持することが求められている。しかしながら、電解コンデンサの漏れ電流の悪化を抑制するリン酸は、その添加量に比例して電解液の耐電圧が低下するという問題があった。
また、リン酸の添加量を少なくすると短期間は電解コンデンサの漏れ電流上昇を抑制できるが、長期間使用した際の漏れ電流の上昇を抑制できないという問題もあった。そのため、電解液の耐電圧を低下させることなく、かつ電解コンデンサの漏れ電流の上昇を長期間にわたって抑制可能な電解液が求められていた。
また、リン酸の添加量を少なくすると短期間は電解コンデンサの漏れ電流上昇を抑制できるが、長期間使用した際の漏れ電流の上昇を抑制できないという問題もあった。そのため、電解液の耐電圧を低下させることなく、かつ電解コンデンサの漏れ電流の上昇を長期間にわたって抑制可能な電解液が求められていた。
本発明は、上記課題を解決するために各種検討した結果見出されたものであり、アルキル4−ヒドロキシ−3−アルコキシシナメイトに還元作用があることに着目し、陽極においてアルキル4−ヒドロキシ−3−アルコキシシナメイトが酸化して陽極酸化皮膜に吸着し、陽極酸化皮膜を保護することで、電解コンデンサの漏れ電流の増大を抑制することができることを利用したものである。
すなわち、エチレングリコールを主成分とする溶媒に、アルキル4−ヒドロキシ−3−アルコキシシナメイト(化1)とを溶解することを特徴とした電解コンデンサの駆動用電解液である。
すなわち、エチレングリコールを主成分とする溶媒に、アルキル4−ヒドロキシ−3−アルコキシシナメイト(化1)とを溶解することを特徴とした電解コンデンサの駆動用電解液である。
そして、上記アルキル4−ヒドロキシ−3−アルコキシシナメイトの溶解量が、電解液全体に対して0.10〜3.00重量%であることを特徴とする電解コンデンサの駆動用電解液である。
アルキル4−ヒドロキシ−3−アルコキシシナメイトは、メチル4−ヒドロキシ−3−メトキシシナメイト、エチル4−ヒドロキシ−3−メトキシシナメイト、プロピル4−ヒドロキシ−3−メトキシシナメイト、メチル4−ヒドロキシ−3−エトキシシナメイト、エチル4−ヒドロキシ−3−エトキシシナメイト、プロピル4−ヒドロキシ−3−エトキシシナメイトを例示することができる。
エチレングリコールに混合する副溶媒としては、水の他、プロピレングリコール等のグリコール類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン等のラクトン類、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等のアミド類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、イソブチレンカーボネート等の炭酸類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド等のオキシド類、エーテル類、ケトン類、エステル類、スルホラン類等を例示することができる。
そして、上記電解液には有機カルボン酸またはその塩を溶解することができる。有機カルボン酸として、アゼライン酸の他、ギ酸、酢酸、アクリル酸、プロピオン酸、乳酸、酪酸、吉草酸、グルコン酸、安息香酸、p−ニトロ安息香酸、アントラニル酸、サリチル酸、ゲンチシン酸、没食子酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、蓚酸、トルトロン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、リンゴ酸、酒石酸、フタル酸、ボロジサリチル酸、クエン酸、ピロメリト酸、ナフトエ酸等が挙げられる。
また、有機カルボン酸の塩として、アンモニウム塩の他、モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノエタノールアミン、イソプロピルアミン、n−プロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジメチルエチルアミン、ナフタレンジアミン、ベンジルアミン等の塩が挙げられる。
さらに本発明では、必要により添加剤を配合してもよい。添加剤を加える目的は多岐にわたるが、例えば、熱安定性の向上、水和などの電極劣化の抑制、耐電圧の向上、ガス発生の抑制、ハロゲン化物に対する耐性の付与等が挙げられる。添加剤の含有量は特に制限はないが、0.01〜20.0重量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.01〜10.0重量%の範囲である。
そのような添加剤の例として、p−ニトロフェノール、m−ニトロアセトフェノン、p−ニトロ安息香酸、p−ニトロベンジルアルコール、p−ニトロクレゾール、p−ニトロトルエン等のニトロ化合物、オルトリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、リン酸メチル、リン酸エチル、リン酸ブチル、リン酸イソプロピル、リン酸ジブチル、リン酸ジオクチル等のリン酸化合物、ホウ酸およびその錯化合物等のホウ酸化合物、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類、コロイダルシリカ、アルミノシリケート、シリコーン化合物(例えば、反応性シリコーンであるヒドロキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン等)やシランカップリング剤(例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等)等のケイ素化合物が挙げられる。
そのような添加剤の例として、p−ニトロフェノール、m−ニトロアセトフェノン、p−ニトロ安息香酸、p−ニトロベンジルアルコール、p−ニトロクレゾール、p−ニトロトルエン等のニトロ化合物、オルトリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、リン酸メチル、リン酸エチル、リン酸ブチル、リン酸イソプロピル、リン酸ジブチル、リン酸ジオクチル等のリン酸化合物、ホウ酸およびその錯化合物等のホウ酸化合物、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類、コロイダルシリカ、アルミノシリケート、シリコーン化合物(例えば、反応性シリコーンであるヒドロキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン等)やシランカップリング剤(例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等)等のケイ素化合物が挙げられる。
エチレングリコールを主溶媒とし、アルキル4−ヒドロキシ−3−アルコキシシナメイトとを溶解した電解液は、アルキル4−ヒドロキシ−3−アルコキシシナメイトの溶解による電解液の耐電圧低下がリン酸より緩慢であり、また、リン酸よりも長期間電解コンデンサの漏れ電流上昇を抑制することが可能となる。
[実施例]
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
アルキル4−ヒドロキシ−3−アルコキシシナメイトとして、エチル4−ヒドロキシ−3−メトキシシナメイトを使用し、表1、2に示す組成で電解液を調合し、85℃における電解液の火花発生電圧(耐電圧)を測定した。そして、陽極箔と陰極箔とを電解紙を介して巻回したコンデンサ素子に電解液を含浸し、定格電圧160V/150μF(φ18×25mmL)の電解コンデンサを作製し、定格電圧でエージング処理後、105℃−無負荷放置試験を行い、漏れ電流を測定した。その結果を表1、2に示す。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
アルキル4−ヒドロキシ−3−アルコキシシナメイトとして、エチル4−ヒドロキシ−3−メトキシシナメイトを使用し、表1、2に示す組成で電解液を調合し、85℃における電解液の火花発生電圧(耐電圧)を測定した。そして、陽極箔と陰極箔とを電解紙を介して巻回したコンデンサ素子に電解液を含浸し、定格電圧160V/150μF(φ18×25mmL)の電解コンデンサを作製し、定格電圧でエージング処理後、105℃−無負荷放置試験を行い、漏れ電流を測定した。その結果を表1、2に示す。
表1、2より本発明のエチル4−ヒドロキシ−3−メトキシシナメイトを溶解した実施例1〜20は、リン酸を添加した従来例1と比較すると、電解液の耐電圧低下を抑制しながら、電解コンデンサの無負荷放置試験における漏れ電流の増大を抑制することが可能であることが分かる。
なお、リン酸を3.0重量%添加した従来例2は、電解液の耐電圧が低下し、エージング処理でショートパンクが5%発生したが、実施例での発生は皆無であった。
なお、リン酸を3.0重量%添加した従来例2は、電解液の耐電圧が低下し、エージング処理でショートパンクが5%発生したが、実施例での発生は皆無であった。
ここで、エチル4−ヒドロキシ−3−メトキシシナメイトの溶解量に関しては、0.05重量%では、長時間の使用時に漏れ電流が上昇し(実施例1)、4.0重量%では、耐電圧が低下する傾向があり(実施例7)、0.10〜3.00重量%では、耐電圧特性を確保しつつ、かつ長期にわたって漏れ電流の上昇を抑制できる効果がある。
したがって、エチル4−ヒドロキシ−3−メトキシシナメイトの溶解量は、0.10〜3.00重量%の範囲がより好ましい。
したがって、エチル4−ヒドロキシ−3−メトキシシナメイトの溶解量は、0.10〜3.00重量%の範囲がより好ましい。
なお、本発明では、エチル4−ヒドロキシ−3−メトキシシナメイトを用いたが、メチル4−ヒドロキシ−3−メトキシシナメイト、プロピル4−ヒドロキシ−3−メトキシシナメイト、メチル4−ヒドロキシ−3−エトキシシナメイト、エチル4−ヒドロキシ−3−エトキシシナメイト、プロピル4−ヒドロキシ−3−エトキシシナメイトを使用しても同様の効果が得られる。
なお、本発明によるアルキル4−ヒドロキシ−3−アルコキシシナメイトの効果は、実施例に限定されるものではなく、先に記載した各種化合物を単独または複数溶解した電解液や副溶媒を混合した電解液に用いても実施例と同等の効果があった。
Claims (2)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008016216A JP2009177064A (ja) | 2008-01-28 | 2008-01-28 | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008016216A JP2009177064A (ja) | 2008-01-28 | 2008-01-28 | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008016216A Pending JP2009177064A (ja) | 2008-01-28 | 2008-01-28 | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
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Country | Link |
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