JP2009176767A - 積層セラミックコンデンサの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】内部電極層のずれを簡便に検出することが可能な積層セラミックコンデンサの製造方法を提供する。
【解決手段】セラミック層2と内部電極層3a,3bとが積層されると共に、該内部電極層3a,3bが露出した一対の側面4a,4bを有する積層体4を形成する。形成された積層体4の側面4aにプローブ14からの所定の磁力を印加し、所定の磁力の印加により移動した積層体4を不良品として除去する。形成された積層体4の側面4bにプローブ14からの所定の磁力を印加し、所定の磁力の印加により移動した積層体4を不良品として除去する。不良品として除去されなかった積層体4の側面4a,4bに端子電極5,6を形成する。
【選択図】 図9
【解決手段】セラミック層2と内部電極層3a,3bとが積層されると共に、該内部電極層3a,3bが露出した一対の側面4a,4bを有する積層体4を形成する。形成された積層体4の側面4aにプローブ14からの所定の磁力を印加し、所定の磁力の印加により移動した積層体4を不良品として除去する。形成された積層体4の側面4bにプローブ14からの所定の磁力を印加し、所定の磁力の印加により移動した積層体4を不良品として除去する。不良品として除去されなかった積層体4の側面4a,4bに端子電極5,6を形成する。
【選択図】 図9
Description
本発明は、積層セラミックコンデンサの製造方法に関する。
積層セラミックコンデンサとして、セラミック層と内部電極層とが積層されると共に、内部電極層が露出した側面を有する積層体を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−194158号公報
ところで、上述した積層体は、特許文献1にも記載されているように、以下の工程により得られる。セラミックグリーンシートに導電性ペーストを用いて複数の電極パターンを形成し、この複数の電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを複数積層する。次に、複数のセラミックグリーンシートが積層された積層体を所望の位置で切断し、電極パターンが端面に露出した個々のグリーン積層体を得る。そして、グリーン積層体を加熱処理(脱バインダ処理や焼成処理等)して、積層体を得る。
このようにして得られた積層体では、複数のセラミックグリーンシートが積層された積層体を切断する位置がずれた場合、一方の内部電極層が露出する側面と、当該側面には露出しない他方の内部電極層との間隔が小さくなってしまう。(以下、単に「内部電極層のずれ」と称する)。内部電極層のずれが生じていると、積層セラミックコンデンサの使用状況等によっては、側面に形成され一方の内部電極層と接続された端子電極と、他方の内部電極層との間での絶縁不良や短絡が生じ易くなり、信頼性が低下する懼れがある。この切断位置のずれに起因する内部電極層のずれは、一般的に検査工程として行われている外観検査や、電気的特性(静電容量、絶縁抵抗、耐電圧等)検査等では検出することはできない。
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、内部電極層のずれを簡便に検出することが可能な積層セラミックコンデンサの製造方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明に係る積層セラミックコンデンサの製造方法は、セラミック層と内部電極層とが積層されると共に、該内部電極層が露出した側面を有する積層体を形成する第1の工程と、積層体の側面に磁力発生手段からの所定の磁力を印加し、該所定の磁力の印加により移動した積層体を不良品として除去する第2の工程と、第2の工程において不良品として除去されなかった積層体の側面に端子電極を形成する第3の工程と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る積層セラミックコンデンサの製造方法では、第2の工程において積層体の側面に磁力発生手段からの所定の磁力が印加される。このとき、内部電極層のずれが生じている積層体では、側面とこの側面に露出していない内部電極層との間隔が、内部電極層のずれが生じていない積層体に比して小さいため、側面に露出している内部電極層だけでなく、この側面に露出していない内部電極層も比較的大きく磁化される。これにより、内部電極層のずれが生じている積層体では、磁化の度合いが内部電極層のずれが生じていない積層体に比して大きく、内部電極層のずれが生じている積層体が上記所定の磁力の印加により移動することとなる。この結果、内部電極層のずれが生じている積層体を簡便に検出することができる。そして、第2の工程において移動した積層体を不良品として除去しているので、内部電極層のずれが生じていない積層体に対して確実に端子電極を形成することができる。
第2の工程では、磁力発生手段に吸着させることにより、不良品を除去することが好ましい。この場合、磁力発生手段によって、内部電極層のずれが生じた積層体が不良品として除去されることとなり、不良品の除去を簡便且つ確実に行うことができる。
第2の工程では、磁力発生手段に積層体を接触させた状態で所定の磁力を印加することが好ましい。この場合、磁力発生手段と積層体との間隔が一定に保たれることとなり、磁力発生手段と積層体との間隔が変わることに起因する検出精度の低下を抑制することができる。
積層体は、側面として、対向する一対の側面を含んでおり、第2の工程では、一対の側面のうち一方の側面に磁力発生手段からの所定の磁力を印加し、該所定の磁力の印加により移動した積層体を不良品として除去した後、一対の側面のうち他方の側面に磁力発生手段からの所定の磁力を印加し、該所定の磁力の印加により移動した積層体を不良品として除去することが好ましい。この場合、一対の側面のいずれにも端子電極が形成されていない積層体に所定の磁力が印加され、移動した積層体が不良品として除去される。一方の側面に端子電極を形成した積層体に磁力を印加する場合、端子電極の質量等を考慮して積層体に印加する磁力を調整する必要があるが、一対の側面のいずれにも端子電極が形成されていない積層体に磁力を印加するので、印加する磁力を調整する必要は無く、より一層簡便に不良品を除去することができる。
第2の工程では、貫通孔が形成されたプレートを用意し、積層体の側面側の端部をプレートから露出させた状態で積層体を貫通孔に保持し、貫通孔に保持された積層体に所定の磁力を作用させ、不良品とされた積層体を貫通孔から抜き出し、第3の工程では、プレートの貫通孔に保持されている積層体の側面に端子電極を形成することが好ましい。この場合、第2及び第3の工程において積層体を保持するプレートが共通化されることとなり、不良品の除去及び端子電極の形成を効率よく行うことができる。
本発明によれば、内部電極層のずれを簡便に検出することが可能な積層セラミックコンデンサの製造方法を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態に係る製造方法が適用される積層セラミックコンデンサの断面図である。この積層セラミックコンデンサ1は、セラミック層2と内部電極層3a,3bとが交互に複数積層された略直方体の積層体4と、この積層体4の積層方向に交わる方向の一対の側面4a,4bに形成された一対の端子電極5,6とを備えている。内部電極層3aは、側面4aに露出する一方、側面4bには露出していない。すなわち、内部電極層3aと側面4bとの間には、所定の間隔が形成されている。内部電極層3bは、側面4bに露出する一方、側面4aには露出していない。すなわち、内部電極層3bと側面4aとの間には、所定の間隔が形成されている。
セラミック層2は、誘電特性を有する、例えば非磁性の誘電体材料(BaTiO3系、Ba(Ti,Zr)O3系、又は、(Ba,Ca)TiO3系等)からなり、セラミック層2の厚みは、例えば18.5μmに薄層化されている。内部電極層3a,3bは、セラミック材料の種類により異なるが、磁性金属材料(Ni、Ag−Pd等)からなり、セラミック層2を介して対向配置されている。端子電極5は、側面4aに引き出されて露出している内部電極層3aに、電気的に接続されている。端子電極6は、側面4bに引き出されて露出している内部電極層3bに、電気的に接続されている。一対の端子電極5,6は、多層化されており、積層体4に接する部分では、例えばCu,Ni,Ag−Pd等を用い、その外側にはNi−Sn等のめっきが施される。
続いて、図2を参照して、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1の製造方法について説明する。図2は、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1の製造方法のフローを示す図である。
積層セラミックコンデンサ1の製造においては、まず、セラミック層2を形成するためのセラミックペースト、内部電極層3a,3bを形成するための内部電極ペーストをそれぞれ準備する。
セラミックペーストは、セラミック層2を構成する誘電体材料の原料に有機ビヒクル等を混合・混錬して得ることができる。誘電体材料の原料としては、例えば、誘電体材料が上述したような各種の複合酸化物系材料である場合は、当該複合酸化物に含まれる各金属原子の酸化物、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物等の組み合わせが挙げられる。
有機ビヒクルは、バインダー及び溶剤を含むものである。バインダーとしては、例えば、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂等が挙げられる。また、溶剤としては、例えば、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン、キシレン、エタノール、メチルエチルケトン等の有機溶剤が挙げられる。
また、セラミックペーストは、上記以外に各種分散剤、可塑剤、誘電体、ガラスフリット、絶縁体等が必要に応じて含有されていてもよい。
内部電極ペーストは、内部電極層3a,3bを構成するための導電材料と有機ビヒクルとを混合・混錬したものである。導電材料としては、上述したような金属材料を用い、球状やリン片状等の種々の形状のものを適用できる。また、内部電極ペースト中には、必要に応じて無機化合物を適量含有させることが好ましい。これにより、後述する焼成時において、セラミックグリーンシート及び内部電極ペースト層の体積変化の差を小さくして、これに起因する応力の発生を低減することができる。その結果、この応力に基づくクラックや反り等の不具合を抑制することが可能となる。
有機ビヒクルは、バインダー及び溶剤を含むものである。バインダーとしては、例えば、エチルセルロース、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、またはこれらの共重合体等が挙げられる。溶剤としては、例えば、テルピネオール、ブチルカルビトール、ケロシン、アセトン等が挙げられる。
内部電極ペースト中には、適宜、可塑剤を含有させてもよい。可塑剤としては、例えば、フタル酸ベンジルブチル(BBP)等のフタル酸エステル、アジピン酸、リン酸エステル、グリコール類等が適用できる。
続いて、上述したセラミックペースト及び内部電極ペーストを準備した後、まず、例えばPET等からなるキャリアシート上にセラミックペーストを、ドクターブレード法等の公知の方法でセラミックグリーンシートを形成する(S1:シート成形工程)。そして、セラミックグリーンシート上に内部電極ペーストをスクリーン印刷法等の公知の方法で複数の内部電極パターンを形成する(S3:内部電極形成工程)。
続いて、内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを所定の大きさに揃えて所定の枚数で積層し、積層方向から加圧してグリーン積層体を得る(S5:積層・プレス工程)。そして、グリーン積層体を切断機で所定の大きさのチップに切断しグリーンチップを得る(S7:切断工程)。
続いて、グリーンチップから、各部に含まれるバインダーを除去した後(脱バインダー)、このグリーンチップを焼成する(S9:焼成工程)。この焼成により、セラミックグリーンシートからセラミック層2が、また、内部電極ペースト層から内部電極層3a,3bがそれぞれ形成された積層体4が得られる。脱バインダーは、グリーンチップを、空気中、又は、N2及びH2の混合ガス等の還元雰囲気中で、200℃〜600℃程度に加熱することにより行うことができる。また、焼成は、脱バインダー後のグリーンチップを、例えば、還元雰囲気下で1100℃〜1300℃程度に加熱することにより行うことができる。そして、かかるグリーンチップの焼成後、得られた焼成物に、必要に応じて800℃〜1100℃、2時間〜10時間保持するアニール処理を施す。
続いて、所定の磁力を印加することによりスクリーニングを行う(S11:磁力スクリーニング工程)。以下、図3〜図9を参照して、磁力スクリーニング工程S11について、詳細に説明する。図3は、本実施形態に係る磁力スクリーニング工程S11のフローを示す図である。図4〜図9は、本実施形態に係る磁力スクリーニング工程S11を説明するための図である。
まず、図4に示すように、例えばシリコーンゴム等からなるプレート10を用意する。プレート10には、プレート10の主面10aと直交する方向にプレート10を貫通する複数の貫通孔12が、例えば7×7のマトリクス状に形成されている。プレート10は、貫通孔12に挿入された積層体4を弾性力により挟持する。
次に、プレート10の貫通孔12に積層体4を保持する(S11A:積層体保持工程)。ここでは、プレート10における貫通孔12の主面10a側の縁部によって積層体4を保持するように、貫通孔12の主面10a側から貫通孔12に積層体4を挿入する。そして、図5及び図6に示すように、積層体4を位置決めする。
積層体4の位置決めは、以下のようにして行うことができる。平面部を有する位置決めプレートを、平面部がプレート10の主面10aと所定の間隔を有して対向するように配置し、保持されている積層体4を主面10aに対向する主面側からプレスピン等を用いて押し出し、平面部に突き当てる。これにより、積層体4は、主面10aからその一部が突出すると共に、主面10aからの突出量が所望の値(例えば、0.4mm程度)に調整された状態で位置決めされる。プレート10に保持された積層体4では、積層体4における内部電極層3aが露出している側面4a側の端部が主面10aから突出している。
続いて、プレート10に保持された積層体4に対し、積層体4の側面4a側から所定の磁力を印加する(S11B:磁力印加工程)。ここでは、図7に示すように、それぞれが電磁石により構成される複数のプローブ14を用意し、複数のプローブ14を各貫通孔12に対応させ、且つ積層体4の側面4aの間に所定の間隔を有して配置する。そして、図8に示すように、プレート10とプローブ14とを相対移動させ、プローブ14を積層体4の側面4aに接触させる。その後、プローブ14にて磁力を発生させ、積層体4に所定の磁力を印加する。
その後、図9に示すように、プローブ14がプレート10から離れるように、プレート10とプローブ14とを相対移動させる。このとき、プローブ14から印加された磁力により内部電極層3a,3bが磁化され、プローブ14に吸着した積層体4は、プレート10とプローブ14との相対移動に伴って移動し、プレート10の貫通孔12より抜き出されることとなる。これにより、プローブ14に吸着した積層体4は除去される。
続いて、別のプレート10を用意し、プレート10に保持されている積層体4を別のプレート10に移し変えて、当該積層体4を別のプレート10に保持する(S11C:積層体保持工程)。ここでは、積層体4が保持されているプレート10の主面10aに別のプレート10の主面10aを合わせ、積層体4が保持されているプレート10の主面10aに対向する主面側からプレスピン等を用いて積層体4を押し出し、別のプレート10の貫通孔12の主面10a側から貫通孔12に積層体4を挿入する。これにより、積層体4は、別のプレート10における貫通孔12の主面10a側の縁部によって保持される。そして、積層体4を位置決めする。
積層体4の位置決めは、上述した積層体保持工程S11Aにおける位置決めと同じ手法であり、詳細な説明を省略する。図5及び図6においては、積層体4における内部電極層3aが露出している側面4a側の端部が主面10aから突出した状態を示しているが、別のプレート10に保持された積層体4では、積層体4における内部電極層3bが露出している側面4b側の端部が主面10aから突出している。
続いて、別のプレート10に保持された積層体4に対し、積層体4の側面4b側から所定の磁力を印加する(S11D:磁力印加工程)。ここでは、複数のプローブ14を用意し、複数のプローブ14を各貫通孔12に対応させ、且つ積層体4の側面4bの間に所定の間隔を有して配置する。そして、プレート10とプローブ14とを相対移動させ、プローブ14を積層体4の側面4bに接触させる。その後、プローブ14にて磁力を発生させ、積層体4に所定の磁力を印加する。
その後、プローブ14がプレート10から離れるように、プレート10とプローブ14とを相対移動させる。このとき、プローブ14から印加された磁力により内部電極層3a,3bが磁化され、プローブ14に吸着した積層体4は、プレート10とプローブ14との相対移動に伴って移動し、プレート10の貫通孔12より抜き出されることとなる。これにより、プローブ14に吸着した積層体4は除去される。
積層体4に印加する所定の磁力は、以下のようにして求めることができる。内部電極層3a,3bのずれが生じていない積層体4を作製し、作製した積層体4を上述した積層体保持工程S11A,S11Cと同じようにしてプレート10に保持させ、プローブ14を接触させる。そして、プローブ14にて磁力を発生させた状態で、プローブ14をプレート10から離れるように相対移動させて、内部電極層3a,3bのずれが生じていない積層体4がプローブ14に吸着されて移動しない最小の磁力を求める。
内部電極層3a,3bのずれが生じている積層体4では、側面4aとこの側面4aに露出していない内部電極層3bとの間隔、及び側面4bとこの側面4bに露出していない内部電極層3aとの間隔のいずれか一方の間隔が内部電極層3a,3bのずれが生じていない積層体4に比して小さくなる。このため、例えば、側面4aとこの側面4aに露出していない内部電極層3bとの間隔が小さい場合、側面4aに露出している内部電極層3aだけでなく、内部電極層3bも比較的大きく磁化される。したがって、内部電極層3a,3bのずれが生じている積層体4では、磁化の度合いが内部電極層3a,3bのずれが生じていない積層体4に比して大きくなる。この結果、内部電極層3a,3bのずれが生じている積層体4にプローブ14から所定の磁力が印加された状態で、プローブ14がプレート10から離れるようにプレート10とプローブ14とが相対移動すると、内部電極層3a,3bのずれが生じている積層体4は、上記相対移動に伴って移動することとなる。
以上の積層体保持工程S11A,S11C及び磁力印加工程S11B,S11Dにより、内部電極層3a,3bのずれが生じている積層体4は除去されることとなる。
再び、図2を参照する。磁力スクリーニング工程S11を終えると、次に、積層体4の両端部に導電性ペーストを付与して焼付けし、さらにめっきを施すことにより端子電極5,6を形成する(S13:端子電極形成工程)。導電性ペーストは、Cuを主成分とする金属粉末にガラスフリット及び有機ビヒクルを混合したものを用いることができる。金属粉末は、Ni、Ag−PdあるいはAgを主成分とするものであってもよい。めっきは、Ni,Sn,Ni−Sn合金,Sn−Ag合金,Sn−Bi合金等の金属めっきを施すことができる。また、金属めっきは、例えば、NiとSnとで2層以上形成した多層構造としてもよい。以上により、図1に示されるような構成の複数の積層セラミックスコンデンサ1が得られる。
端子電極形成工程S13における導電性ペーストの付与は、以下のようにして行う。
まず、積層体4(内部電極層3a,3bのずれが生じていない積層体4)が保持されているプレート10を上下反転し、ディップ法等により、プレート10から露出している側面4b側の端部に導電性ペーストを付与する。導電性ペーストを付与した後、プレート10を上下反転し、塗布した導電性ペーストを乾燥及び冷却して下地層とする。例えば、150〜200℃下で10分程度乾燥させる。なお、導電性ペーストを付与する前に、積層体保持工程S11A,S11Cにおける積層体4の位置決めと同じ手法により、再度、積層体4を位置決めしてもよい。
続いて、別のプレート10を用意し、プレート10に保持されている積層体4を別のプレート10に移し変えて、当該積層体4を別のプレート10に保持する。ここでは、磁力印加工程S11Bにおける手法と同じ手法により、プレート10に保持されている積層体4を、用意した別のプレート10に保持し、位置決めする。そして、プレート10を上下反転し、ディップ法等により、プレート10から露出している側面4a側の端部に導電性ペーストを付与する。その後、プレート10を上下反転し、塗布した導電性ペーストを乾燥及び冷却して下地層とする。
続いて、得られた積層セラミックコンデンサ1(被検査体)について、電気的特性の検査をする(S15:電気的特性検査工程)。電気的特性の検査は、得られた被検査体が所定の電気的特性を備えているかを検査するものであり、被検査体の電気的特性を測定し、測定された電気的特性に基づいて被検査体の良否を判定する。電気的特性が不良であると判断された被検査体は除外され、当該検査によりスクリーニングされた被検査体のみが他の検査工程に移ることになる。電気的特性の検査には、例えば、積層セラミックコンデンサの規格(JIS規格等)に基づく、耐電圧検査、絶縁抵抗検査、静電容量検査、静電正接検査等がある。
続いて、電気的特性検査工程によりスクリーニングされた被検査体について、その外観を検査(S17:外観検査工程)する。外観検査は、カメラや目視により被検査体の外観に欠けた部分等が存在しないかを確認するものである。外観検査によりスクリーニングされた良品被検査体が積層セラミックコンデンサ1として、出荷されることとなる。
以上のように、本実施形態では、積層体4の一対の側面4a,4b側からそれぞれ、プローブ14によって所定の磁力を印加することにより、内部電極層3a,3bのずれが生じている積層体4がプローブ14に吸着されて移動することとなる。これにより、内部電極層3a,3bのずれが生じている積層体4を簡便に検出し、除去することができる。
本実施形態では、移動した積層体4を不良品として除去している。これにより、内部電極層3a,3bのずれが生じていない積層体4に対して確実に端子電極5,6を形成することができる。
本実施形態では、不良品(内部電極層3a,3bのずれが生じている積層体4)を、プローブ14に吸着して移動させ、プレート10から抜き取ることにより、除去している。これにより、プローブ14によって内部電極層3a,3bのずれが生じた積層体4が不良品として除去されることとなり、不良品の除去を簡便且つ確実に行なうことができる。
本実施形態では、プローブ14に積層体4を接触させた状態で所定の磁力を印加している。これにより、プローブ14と積層体4との間隔が一定に保たれることとなり、プローブ14と積層体4との間隔が変わることに起因する検出精度の低下を抑制することができる。また、この場合、プローブ14と積層体4とが接触していない状態で磁力を印加する場合に比べ、相対的に低い磁力によって内部電極層3a,3bのずれが生じている積層体4をプローブ14に吸着させることができる。
本実施形態では、側面4a側から所定の磁力を印加し、該所定の磁力の印加により移動した積層体4を不良品として除去した後、側面4b側から所定の磁力を印加し、該所定の磁力の印加により移動した積層体4を不良品として除去している。これにより、一対の側面4a,4bのいずれにも端子電極5,6が形成されていない積層体4に所定の磁力が印加され、移動した積層体4が不良品として除去されることとなる。一対の側面4a,4bのうち一方に端子電極5,6を形成した積層体4に磁力を印加する場合、端子電極5,6の質量等を考慮して積層体4に印加する磁力を調整する必要があるが、一対の側面4a,4bのいずれにも端子電極5,6が形成されていない積層体4に磁力を印加するので、印加する磁力を調整する必要は無く、より一層簡便に不良品を除去することができる。
本実施形態では、プレート10に保持されている積層体4の側面4a,4bに端子電極5,6を形成している。これにより、磁力スクリーニング工程S11及び端子電極形成工程S13において、積層体4を保持するプレート10が共通化されることとなり、不良品の除去及び端子電極5,6の形成を効率よく行なうことができる。
次に、図10及び図11に基づいて、本実施形態の変形例に係る積層セラミックコンデンサ1の製造方法について説明する。変形例は、磁力印加工程S11B,S11Dにおける、プローブ14の構成等について、上述した本実施形態と異なっている。図10及び図11は、本変形例に係る積層セラミックコンデンサ1の製造方法を説明するための図である。
本変形例では、磁力印加工程S11B,S11Dにおいて、プローブ14は、プレート10の主面10aから所定の間隔T1(例えば、0.5〜1.0mm程度)を有して、主面10aにおける貫通孔12が形成されている領域の外側に配置されている。そして、プローブ14にて磁力を発生させた後、図10に示すように、プローブ14とプレート10との間隔T1を保持しながら、プローブ14が、貫通孔12に保持された積層体4に沿って移動するように、プローブ14とプレート10とを相対移動させる。
プローブ14にて発生させる磁力は、プローブ14が積層体4に対応する位置に移動した際に、積層体4(内部電極層3a,3b)に印加される磁力が上述した所定の磁力となるように間隔T1を考慮して設定される。すなわち、プローブ14が積層体4に対応する位置まで移動した際に、積層体4(内部電極層3a,3b)に所定の磁力が印加され、図11に示すように、内部電極層3a,3bのずれが生じている積層体4がプローブ14に吸着されるように移動し、ずれが生じていない積層体4に比べ、主面10aから突出して保持される。その後、突出して保持されている積層体4は、プレート10の貫通孔12より抜き出され、取り除かれる。
以上のように、本変形例においても、本実施形態と同様に、内部電極層3a,3bのずれが生じている積層体4を簡便に検出し、除去することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
本実施形態では、積層体4は貫通孔12の縁部に挟持されて保持されているが、これに限られない。例えば、積層体4が内部に収まるような大きさの貫通孔12が形成されているプレート10を用いてもよい。この場合、プレート10の主面10aに対向する主面側に、例えばプレート10と略等しい大きさを有する支持板16を配置し、各貫通孔12の一方を塞いだ後、図12に示すように、積層体4を主面10a側から各貫通孔12へ挿入し、固定することなく保持する。そして、積層体4に所定の磁力が印加され、内部電極層3a,3bのずれが生じている積層体4は、プレート10の貫通孔12より抜き出され、取り除かれる。なお、支持板16は、プレート10と一体に形成されていてもよい。
このように、積層体4が貫通孔12の内部に保持されている場合においても、本実施形態と同様に、内部電極層3a,3bのずれが生じている積層体4を簡便に検出し、除去することができる。また、貫通孔12の縁部に挟持されることにより生じる力を考慮して印加する磁力を調整する必要は無く、より一層簡便に不良品を除去することができる。
本実施形態では、プローブ14は電磁石により構成されているが、これに限られることなく、永久磁石により構成されていてもよい。
本実施形態では、不良品である積層体4をプローブ14に吸着して除去しているがこれに限られない。例えば、プローブ14から印加された所定の磁力により移動した積層体4を、別途、プレート10から抜き取って、除去してもよい。
本実施形態での磁力印加工程S11B,S11Dにおいて、複数の積層体4に所定の磁力を印加するために、複数のプローブ14を用いているがこれに限られない。例えば、プローブ14を、複数の貫通孔12にまたがる大きさを有し、複数の積層体4に所定の磁力を印加するように構成されていてもよい。また、上述した変形例では、プローブ14を、マトリクス状に配列されている貫通孔12の一列に対応する大きさを有しており、一列の貫通孔12に保持されている複数の積層体4に所定の磁力を印加するように構成し、隣接する列へ順に移動させて、内部電極層3a,3bのずれが生じている積層体4を検出し、除去してもよい。
本実施形態では、複数の貫通孔12が形成されたプレート10を用いて積層体4を保持しているが、これに限られない。例えば、粘着性を有するシートを用いて、当該シートに複数の積層体4を保持してもよい。この場合、積層体4は、積層体4の一対の側面4a,4bのうちいずれか一方の側面をシートに当接させて、シートに保持される。
本実施形態では、積層体保持工程S11A,S11Cにおいて、平面部を有する位置決めプレートを用いて積層体4の位置決めをしているが、これに限られない。例えば、プレート10とプローブ14とを相対移動させ、プローブ14を主面10aから所定の間隔を有して配置した後、積層体4をプレート10の主面10aに対向する主面側からプレスピン等を用いて押し出し、プローブ14に突き当てることによって、積層体4を主面10aからの突出量が調整された状態で位置決めしてもよい。
本実施形態では、焼成工程S9の後に磁力スクリーニング工程S11を実施しているが、磁力スクリーニング工程S11を焼成工程S9の前に実施してもよい。
本実施形態では、磁力スクリーニング工程S11の後に端子電極形成工程S13を実施しているが、これに限られない。磁力スクリーニング工程S11及び端子電極形成工程S13を、例えば、以下のように実施してもよい。
積層体保持工程S11A及び磁力印加工程S11Bを実施した後に、積層体4が保持されているプレート10を上下反転し、プレート10から露出している側面4a側の端部に導電性ペーストを付与する。そして、導電性ペーストを付与した後、プレート10を上下反転し、塗布した導電性ペーストを乾燥及び冷却して下地層とする。続いて、積層体保持工程S11C及び磁力印加工程S11Dを実施した後に、積層体4が保持されているプレート10を上下反転し、プレート10から露出している側面4b側の端部に導電性ペーストを付与する。そして、導電性ペーストを付与した後、プレート10を上下反転し、塗布した導電性ペーストを乾燥及び冷却して下地層とする。
1…積層セラミックコンデンサ、2…セラミック層、3a,3b…内部電極層、4…積層体、4a,4b…側面、5,6…端子電極、10…プレート、12…貫通孔、14…プローブ。
Claims (5)
- セラミック層と内部電極層とが積層されると共に、該内部電極層が露出した側面を有する積層体を形成する第1の工程と、
前記積層体の前記側面に磁力発生手段からの所定の磁力を印加し、該所定の磁力の印加により移動した積層体を不良品として除去する第2の工程と、
前記第2の工程において不良品として除去されなかった積層体の前記側面に端子電極を形成する第3の工程と、を備えることを特徴とする積層セラミックコンデンサの製造方法。 - 前記第2の工程では、前記磁力発生手段に吸着させることにより、前記不良品を除去することを特徴とする請求項1に記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
- 前記第2の工程では、前記磁力発生手段に前記積層体を接触させた状態で前記所定の磁力を印加することを特徴とする請求項1又は2に記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
- 前記積層体は、前記側面として、対向する一対の側面を含んでおり、
前記第2の工程では、前記一対の側面のうち一方の側面に前記磁力発生手段からの所定の磁力を印加し、該所定の磁力の印加により移動した積層体を不良品として除去した後、
前記一対の側面のうち他方の側面に前記磁力発生手段からの所定の磁力を印加し、該所定の磁力の印加により移動した積層体を不良品として除去することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。 - 前記第2の工程では、貫通孔が形成されたプレートを用意し、前記積層体の前記側面側の端部を前記プレートから露出させた状態で前記積層体を前記貫通孔に保持し、前記貫通孔に保持された前記積層体に前記所定の磁力を作用させ、不良品とされた積層体を前記貫通孔から抜き出し、
前記第3の工程では、前記プレートの前記貫通孔に保持されている積層体の前記側面に前記端子電極を形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016009802A (ja) * | 2014-06-25 | 2016-01-18 | 株式会社村田製作所 | 積層セラミックコンデンサの方向識別方法、積層セラミックコンデンサの方向識別装置及び積層セラミックコンデンサの製造方法 |
WO2023157555A1 (ja) * | 2022-02-15 | 2023-08-24 | 株式会社アポロ技研 | ワーク保持用の弾性シート、シート保持環、ワークの保持装置、ワークの保持方法、およびワークの排出方法 |
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2008
- 2008-01-21 JP JP2008010664A patent/JP2009176767A/ja not_active Withdrawn
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