JP2009176613A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の起動時において、燃料ガスへのガス置換と燃料効率の向上とを高い次元で両立することのできる燃料電池を提供する。
【解決手段】MEA36が固定された発電体34と、アノードガス流路40と、発電体34との間でアノードガス流路40を挟むように設けられたセパレータ42と、発電体34とセパレータ42との間に挟まれてアノードガス流路40の外縁の一部をシールするシール部材62と、発電体34とセパレータ42との間に挟まれて、アノードガス流路40の周りを周回してシールするシール部材50と、発電体34とセパレータ42との間に、シール部材62とシール部材50とに隔てられて形成された空間部64と、を備える。シール部材62は、アノードガス流路40を流れる燃料ガスの主要な流れの下流側に開口部を有し、アノードガス流路40と空間部64とは当該開口部において連通している。
【選択図】図6

Description

この発明は、燃料電池に関し、特に、燃料電池の内部に燃料ガスを止めた状態で運転可能な燃料電池に関する。
従来、例えば、特開2007−141599号公報に開示されるように、燃料電池内に燃料ガスを止めて運転し、発電によって消費された分の燃料ガスを燃料電池に供給するようにした燃料電池システム(以下、「デッドエンド型システム」と称する)が知られている。このデッドエンド型システムでは、燃料ガス流路の下流端に設けられたパージ弁を閉弁した状態で発電が行われる。燃料電池の発電時には、燃料ガスの流路内の圧力が所定値に調節される。これにより、発電により燃料ガスが消費されて燃料ガス流路内の圧力が低下するときには、直ちに燃料ガスの供給部から燃料ガスが供給されるので、燃料ガス流路内では、必要量の燃料ガスが保持された状態が保たれる仕組みになっている。
特開2007−141599号公報 特開2007−213965号公報
上記従来のデッドエンド型システムでは、運転時間の経過と共に燃料電池を構成する各単位電池のアノードガス流路内に窒素を主とした不純物が蓄積されていく。これらの不純物が膜電極接合体(MEA;Membrane Electrode Assembly)の表面を覆ってしまうと、電極触媒における起電反応が阻害されて、電圧の低下を招いてしまう。また、燃料ガスが一部の発電領域で不足する状態(以下、「水素欠」と称する)が発生すると、当該領域で異常電位が発生し、MEAの触媒を劣化させてしまうおそれもある。
特に、システムの停止時においては、燃料電池内部に窒素等の不純物が多く存在している。このため、システムの起動時には、アノード側に充満した不純物を燃料ガスに置換する動作(以下、「ガス置換」と称する)を迅速かつ確実に行わないと、所望の発電性能を得ることができないばかりか、水素欠による触媒劣化を招いてしまう。そこで、システムの起動時には、アノードに充満した不純物を燃料電池の外部に排出するためにパージ弁を開弁することが考えられる。しかしながら、パージ弁を開弁すると、不純物と一緒に燃料ガスも排出されてしまうため、燃料効率が低下してしまう。このため、上述した従来のデッドエンドシステムでは、起動時のガス置換と燃料効率の向上を両立することが困難であった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、燃料電池の起動時において、燃料ガスへのガス置換と燃料効率の向上とを高い次元で両立することのできる燃料電池を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、燃料電池であって、
膜電極接合体が固定された発電体と、
前記膜電極接合体のアノード面に沿って配置された燃料ガス流路と、
前記発電体との間で前記燃料ガス流路を挟むように設けられたセパレータと、
前記発電体と前記セパレータとの間に挟まれて、前記燃料ガス流路の外縁の一部をシールする第1のシール部材と、
前記発電体と前記セパレータとの間に挟まれて、前記燃料ガス流路の周りを周回してシールする第2のシール部材と、
前記発電体と前記セパレータとの間に、前記第1のシール部材と前記第2のシール部材とに隔てられて形成された空間部と、を備え、
前記第1のシール部材は、前記燃料ガス流路を流れる燃料ガスの主要な流れの下流側に開口部を有し、前記燃料ガス流路と前記空間部とは、前記開口部において連通していることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記燃料ガス流路は、
燃料ガスを導入するためのガス導入口と、
燃料ガスのオフガスを排出するためのガス排出口と、を有し、
前記第1のシール部材は、前記ガス導入口の近傍における前記ガス流路の外縁に配置され、前記開口部は前記ガス排出口近傍における前記ガス流路の外縁に設けられていることを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明において、
前記燃料ガス流路は矩形形状であり、前記ガス導入口および前記ガス排出口は、互いに前記矩形形状の対角に位置するように配置されており、
前記開口部は、前記燃料ガス流路における、前記ガス排出口側の2辺で形成される角部に設けられていることを特徴とする。
第4の発明は、第2の発明において、
前記燃料ガス流路は矩形形状であり、前記ガス導入口および前記ガス排出口は、互いに前記矩形形状の対角に位置するように配置されており、
前記第1のシール部材は、前記燃料ガス流路における、前記ガス導入口側の2辺の外縁に沿って配置されていることを特徴とする。
第5の発明は、第1乃至第4の何れか1つの発明において、
前記燃料ガス流路は、前記膜電極接合体と同等の大きさであることを特徴とする。
第6の発明は、第1乃至第5の何れか1つの発明において、
前記燃料ガス流路は多孔体で構成されていることを特徴とする。
第7の発明は、第1乃至第6の何れか1つの発明において、
前記第1のシール部材および前記第2のシール部材は、前記発電体と一体化されていることを特徴とする。
第1の発明によれば、発電体とセパレータとの間の隙間には、第1のシール部材と第2のシール部材とにより隔てられた空間部が形成されている。また、燃料ガス流路の外縁をシールする第1のシール部材は、燃料ガス流路を流れる燃料ガスの主要な流れの下流側において開口部を有している。このような構成によれば、燃料電池の停止中に燃料ガス流路に滞留していた窒素等の不純物は、起動とともに燃料ガス流に流されて第1のシール部材の開口部から流出し、燃料電池内に形成された当該空間部へ蓄積される。このため、本発明によれば、デッドエンド運転で燃料電池を起動した場合においても、迅速かつ確実なガス置換を行うことができるので、燃料効率の向上と良好なガス置換を高い次元で両立することができる。
第2の発明によれば、第1のシール部材は、燃料ガス流路におけるガス導入口の近傍の外縁をシールし、ガス排出口の近傍に開口部が設けられる。このため、本発明によれば、ガス導入口から燃料ガス流路内に導入された燃料ガスが当該ガス流路の上流側で空間部に流出してしまう事態を効果的に抑制するとともに、燃料ガスの流れを整流して、燃料ガス流路に滞留していた不純ガスを、当該開口部から空間部へ効果的に移動させることができる。
第3の発明によれば、第1のシール部材の開口部は、燃料ガス流路におけるガス排出口側の2辺で形成される角部の近傍に設けられる。このため、本発明によれば、燃料ガス流路内の不純ガスが燃料ガスに置換される前に、当該燃料ガスが当該空間部に流出してしまう事態を効果的に抑制することができる。
第4の発明によれば、第1のシール部材は、燃料ガス流路におけるガス導入口側の2辺に沿って配置される。このため、本発明によれば、簡易なシール構造で、燃料ガス流路内の不純ガスが燃料ガスに置換される前に、当該燃料ガスが当該空間部に流出してしまう事態を効果的に抑制することができる。
第5の発明によれば、燃料ガス流路は、膜電極接合体と同等の大きさとされる。このため、本発明によれば、第1のシール部材と第2のシール部材とに隔てられて形成された空間部の容積を最大限に確保することができる。
第6の発明によれば、燃料ガス流路として、多孔体を用いることができる。
第7の発明によれば、第1のシール部材および第2のシール部材は、発電体と一体化されている。このため、本発明によれば、組み立て性の向上、および部品点数削減による製造コストの削減を図ることができる。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
本発明の実施の形態としての燃料電池は、図1に示すような燃料電池システムに使用される。図1は、本発明にかかる燃料電池を用いたデッドエンド型の燃料電池システム構成を模式的に示す図である。尚、本実施の形態の燃料電池システムは、燃料電池の内部における燃料ガスの流路構造に特徴がある。このため、本実施の形態においては、燃料ガスの供給/排気系の構成、および燃料電池のアノード側の内部構造について詳細に説明し、特に限定のない空気の供給/排気系の構成、および燃料電池のカソード側の内部構造についての説明は省略する。
燃料電池システムは、燃料電池10によって発電してその電力をモータ等の負荷に供給するシステムである。燃料電池10は、複数の単位電池12を積層し、その積層方向の両端を一対のエンドプレート14,16で挟んで構成されている。単位電池12の構成に関しては詳細を後述する。
燃料電池10には、燃料電池10に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給管20と、燃料電池10から燃料ガスのオフガスを抜き出すための排気管24とが接続されている。本実施の形態の燃料電池システムは、燃料ガスとして高濃度水素若しくは純水素を使用し、燃料ガスの供給源として高圧水素タンク18を備える。高濃度の水素若しくは純水素の使用により、供給する燃料ガスのほとんどを燃料電池10に消費させることができる。したがって、燃料電池10からは、内部で生じた不純物だけをオフガスとして抜き出せばよく、オフガスの排気量は少なくて済む。燃料ガスの供給源としては、高圧水素タンク18と同様に高濃度の水素若しくは純水素を供給することが可能な水素吸蔵材を用いてもよい。
燃料ガス供給管20の途中には、高圧水素タンク18から供給される燃料ガスの圧力を所望の圧力に調整するための調圧弁22が配置されている。燃料電池10には、調圧弁22で調圧された燃料ガスが供給される。燃料電池10に供給された燃料ガスは、燃料電池10内に形成されたアノード入口マニホールド28によって各単位電池12のアノードに分配されて、後述するMEA36において使用される。
燃料電池10内には、後述する各単位電池12のアノードガス流路40の出口に連通するアノード出口マニホールド30が形成されている。アノードガス流路を通過した燃料ガスのオフガスは、アノード出口マニホールド30に集められて排気管24に排出される。排気管24には、系外との連通を遮断/許容するための排気弁26が配置されている。排気弁26としては、デューティ制御が可能なインジェクタが好ましい。また、排気弁26からオフガスをそのまま大気中に放出するのではなく、希釈器や燃焼器等の水素濃度を低減するための装置を介して放出するようにしてもよい。
(従来の燃料電池の構成)
次に、本実施の形態の燃料電池10における特徴的な構成を説明するにあたり、先ず、図2及び図3を参照して、従来の燃料電池の構造、およびシステム起動時のガス置換の動作について説明する。図2は従来の燃料電池における単位電池の構造を説明するための模式図である。図2(A)は、単位電池内のアノードガス流路周辺を積層方向から見た模式図である。尚、図2(A)においては、説明の都合上、内部を一部透視して示している。また、図2(B)は、図2(A)における単位電池をII−II線に沿って切断した場合の断面図を示している。尚、図2(B)においては、アノード側の断面構造のみを示し、カソード側の断面構造については図示を省略している。
図2に示すとおり、従来の単位電池100は発電体34を内蔵している。発電体34には、MEA(膜電極接合体)36が固定されている。MEA36は、固体高分子電解質膜の両面に触媒が一体化されたものであり、更にその各面には、カーボンシート等で作られたガス拡散層(GDL)38が一体化されている。発電体34のアノード側には、アノードガス流路40(MEA36面内に形成されたアノードに接するガス流路)が配置され、更にその隣には、隣接する発電体34を隔離するためのセパレータ42が配置されている。アノードガス流路40は、ステンレス鋼やチタン、或いはチタン合金などの発砲焼結金属(例えば、空隙率ε=0.8程度)や、金属メッシュなどの内部に多数の細孔を備えた多孔体、或いは、いわゆるエキスパンドメタル等により形成されている。
アノードガス流路40の周囲には、発電体34とセパレータ42との間に挟まれて、当該アノードガス流路40の外周を密閉するためのシール部材50が配置されている。シール部材50は、例えば、シリコンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴムなどの絶縁性の樹脂材料によって形成されている。
図2に示すように、セパレータ42には、矩形形状の長手方向に延在するようにコモンレール44,46がそれぞれ形成されている。アノード入口マニホールド28とコモンレール44の一端、および出口マニホールド30とコモンレール46の一端とは、それぞれ当該セパレータ42内に形成された小経路で連通している。尚、コモンレール46における出口マニホールド30との連通部は、コモンレール44における連通部の対角となる一端に設けられている。
アノード入口マニホールド28に供給された燃料ガスは、当該コモンレール44内をアノードガス流路40の長手方向に沿って流動するとともに、当該コモンレール44から対向するコモンレール46に向かって、アノードガス流路40内を拡散する。
(従来の燃料電池における起動時のガス置換)
燃料電池の発電が停止されて放置状態となると、窒素(N)等が外部から燃料電池内に透過してくる場合がある。また、クロスリークしたガスが触媒において直接反応し、窒素(N)等が燃料電池内に充満する場合がある。また、放置状態で不要な反応が起きることを回避するため、発電の停止中にあえて燃料電池内を窒素等の不活性ガスで置換する場合もある。このため、システムの起動時には、アノード側に充満したこれらの不純ガスを燃料ガスに置換する動作(ガス置換)を速やかに行うことが求められる。
図3は、図2に示す従来の燃料電池において、デッドエンド運転でガス置換を行った場合の様子を説明するための図である。この図に示すとおり、デッドエンド運転でガス置換を行うと、アノードガス流路40内に滞留していた不純ガスをアノード出口マニホールド30および排気管16内に完全に圧縮することができず、MEA36面(発電領域)上に水素欠(水素濃度0%)の領域が発生してしまっている。このため、当該水素欠領域において異常電位が発生し、触媒の腐食反応が進行してしまうおそれがある。
上記起動時の水素欠を回避するために、窒素等の不純ガスを溜めておくためのバッファを燃料電池外部に取り付けることが考えられる。しかしながら、燃料電池内の不純ガスをすべて蓄えるためには、大容量(例えば、10L)のバッファが必要となるため、システムの大型化の弊害が生じる。また、上記起動時の水素欠を回避するために、燃料ガスの供給圧(例えば、700kPa.a)とすることが考えられる。しかしながら、アノード側のガス圧を高圧とすると、カソード側のガス圧との差圧により電解質膜が破損するおそれがある。
(本発明の実施の形態における燃料電池の特徴的な構成)
上述した課題を解決するために、本実施の形態では、燃料電池内に不純ガスを溜めるための空間を設ける構造とする。図4は、本実施の形態の燃料電池における単位電池の特徴的構造を説明するための模式図である。図4(A)は、単位電池12内のアノードガス流路周辺を積層方向から見た模式図である。尚、図4(A)においては、説明の都合上、内部を一部透視して示している。また、図4(B)は、図4(A)における単位電池12をIV−IV線に沿って切断した場合の断面図を示している。尚、図4(B)においては、アノード側の断面構造のみを示し、カソード側の断面構造については図示を省略している。
図4に示すとおり、多孔体流路40には、MEA36(或いはガス拡散層38)と同等の大きさのものが使用される。このため、アノードガス流路40の外側の領域は、発電体34、セパレータ42、およびシール部材50に囲まれた空間になっている。
また、発電体34とセパレータ42との間には、シール部材52a,52b(以下、これらを特に区別しないときには、単に「シール部材52」と称する)がアノードガス流路40の矩形形状に沿ってL字型に配置されている。より具体的には、アノードガス流路40とアノード入口マニホールド28との連通部近傍をL字形状の角部として、シール部材52aは当該アノードガス流路40の長手方向に沿って、シール部材52bは当該アノードガス流路40の短手方向に沿って、それぞれ配置されている。尚、シール部材52の外側(アノードガス流路40が配置されていない側)とシール部材50との間に形成された空間を空間部54と称する。
(本実施の形態の燃料電池における起動時のガス置換)
図5は、図4に示す本実施の形態の燃料電池において、デッドエンド運転でガス置換を行った場合の様子を説明するための図である。この図に示すとおり、アノード入口マニホールド28から導入された燃料ガスは、当該アノード入口マニホールド28とコモンレール44との連通部からアノードガス流路の長手方向(コモンレール44の延在方向)および短手方向(コモンレール44からコモンレール46への方向)へアノードガス流路40内を徐々に拡散していく。アノードガス流路40内に滞留していた窒素等の不純ガスは、当該燃料ガスに押し出されて、コモンレール46を介してアノード出口マニホールド30内に滞留するとともに、シール部材50とシール部材52との間の空間部54へ流動する。これにより、単位電池12におけるMEA36面(発電領域)は速やかに燃料ガスに置換されることとなる。
以上説明したとおり、本発明の実施の形態によれば、排気弁26を閉弁した状態で、起動時のガス置換を迅速かつ確実に行うことができるので、燃料効率の向上と良好なガス置換を高い次元で両立することができる。
また、本発明の実施の形態によれば、シール部材50とシール部材52a,52bとの間にN等の不純ガスを溜めるための空間部54が形成されているので、不純ガスを溜めるためのバッファを別途燃料電池外部に取り付ける必要がない。このため、システムの大型化を回避することができる。また、シール部材52の追加という簡易な方法で不純ガスを溜めるための空間を形成することができるので、軽量化、およびコスト低減を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、アノードガス流路40は発電体34におけるMEA36面、すなわち発電領域と同等の大きさまで小さくされているので、空間部54の容積を効果的に確保することができる。
また、本実施の形態によれば、起動時のガス置換において、シール部材50とシール部材52a,52bとの間の空間部54に不純ガスが溜まるため、燃料電池10内における発電領域以外の領域に燃料ガスが漏れる事態を効果的に抑制することができ、燃料ガスの使用率を高めることができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、シール部材50,52が発電体34とセパレータ42との間に挟まれて配置されているが、シール部材50,52の構成はこれに限らず、発電体34と一体として成型されていてもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、アノードガス流路40が前記第1の発明における「燃料ガス流路」に、シール部材52が前記第1の発明における「第1のシール部材」に、シール部材50が前記第1の発明における「第2のシール部材」に、空間部54が前記第1の発明における「空間部」に、それぞれ相当している。
実施の形態2.
[実施の形態2の特徴的構成]
次に、図6および図7を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。図6は、本発明の実施の形態2の燃料電池における単位電池の特徴的構造を説明するための模式図である。図6(A)は、単位電池60内のアノードガス流路周辺を積層方向から見た模式図である。尚、図6(A)においては、説明の都合上、内部を一部透視して示している。また、図6(B)は、図6(A)における単位電池60をVI−VI線に沿って切断した場合の断面図を示している。尚、図6(B)においては、アノード側の断面構造のみを示し、カソード側の断面構造については図示を省略している。また、図6に示す単位電池60において、図4に示す単位電池12と共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図6に示すとおり、単位電池60は、図4に示す単位電池12の構成におけるシール部材52を、シール部材62に置き替えたことに特徴がある。より具体的には、シール部材62は、シール部材52aと同形状のシール部材62a、およびシール部材52bと同形状のシール部材62bに加えて、シール部材62bの他端(シール部材62aが接続されていない一端)からアノードガス流路40の長手方向に沿って配置されたシール部材62c、およびシール部材62aの他端(シール部材62bが接続されていない一端)からアノードガス流路40の短手方向に沿って配置されたシール部材62dにより構成されている(以下、これらを特に区別しないときには、単に「シール部材62」と称する)。尚、シール部材62の外側(アノードガス流路40が配置されていない側)とシール部材50との間に形成された空間を空間部64と称する。
また、シール部材62cおよびシール部材62dは、これらに対応するアノード流路40の辺の長さよりも短く設定されている。このため、シール部材62により囲まれた領域(発電領域)には、シール部材62bとシール部材62dとの間に開口部が形成されている。つまり、シール部材62で囲まれた発電領域とシール部材50とシール部材62との間に形成された空間部64とが、アノード出口マニホールド30とコモンレール46との連通部の近傍において連通している。
(本実施の形態2の燃料電池における起動時のガス置換)
上述した実施の形態1における燃料電池では、アノードガス流路40における上流側の2辺に沿ってシール部材52a,52bを配置することとしている。これにより、アノード入口マニホールド28からアノードガス流路40に導入された燃料ガスを当該アノードガス流路40内で拡散させ、かつ、不純ガスをデッドスペースに押し出して良好なガス置換を行うこととしている。
ここで、燃料ガスの起動圧が250kPa.a以上で燃料ガスの供給を行うような高圧起動においては、コモンレール44内のガス流速が大きくなる。このため、上述した実施の形態1における燃料電池では、アノードガス流路40内の不純ガスが燃料ガスに完全に置換される前に、当該アノードガス流路を通過した燃料ガスが空間部54へ流れてしまうおそれがある。このため、発電に使用されない燃料ガス量が増大してしまい、燃費が悪化するおそれがある。
そこで、本実施の形態2の燃料電池では、図6に示すように、シール部材62によってアノードガス流路40の4辺をシールする構造としている。図7は、図6に示す単位電池構造を有する燃料電池において、デッドエンド運転でガス置換を行った場合の様子を説明するための図である。この図に示すとおり、デッドエンド運転でガス置換を行うと、アノード入口マニホールド28との連通部からコモンレール44に導入された燃料ガスは、シール部材62で囲まれたアノードガス流路40内(発電領域内)を拡散していく。このため、アノードガス流路40内に滞留していた窒素等の不純ガスは、シール部材62cの端部とシール部材62dの間に形成された開口部、すなわちアノードガス流路40における燃料ガスの導入部から最も離れた最下流部から、出口マニホールド30および空間部64へと流動する。
以上説明したとおり、本発明の実施の形態によれば、発電領域と空間部64とが、アノードガス流路40の最下流部において連通しているので、当該アノードガス流路40に滞留していた不純ガスが燃料ガスに置換される前に燃料ガスが当該空間部64に流れてしまう事態を効果的に抑制することができる。このため、燃料効率の向上と良好なガス置換を高い次元で両立することができる。
また、本発明の実施の形態によれば、シール部材50とシール部材62との間にN等の不純ガスを溜めるための空間部64が形成されているので、不純ガスを溜めるためのバッファを別途燃料電池外部に取り付ける必要がない。このため、システムの大型化を回避することができる。また、シール部材62の追加という簡易な方法で不純ガスを溜めるための空間を形成することができるので、軽量化、およびコスト低減を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、アノードガス流路40は発電体34におけるMEA36面、すなわち発電領域と同等の大きさまで小さくされているので、空間部64の容積を効果的に確保することができる。
また、本実施の形態によれば、起動時のガス置換において、シール部材50とシール部材62との間の空間部64に不純ガスが溜まるため、燃料電池10内における発電領域以外の領域に燃料ガスが漏れる事態を効果的に抑制することができ、燃料ガスの使用率を高めることができる。
ところで、上述した実施の形態2においては、シール部材50,62が発電体34とセパレータ42との間に挟まれて配置されているが、シール部材の構成はこれに限らず、発電体34と一体として成型されていてもよい。
また、上述した実施の形態2においては、シール部材62cおよびシール部材62dが、これらに対応するアノードガス流路40の辺の長さよりも短く形成されることにより、シール部材62により囲まれる発電領域に開口部が形成されているが、当該開口部の大きさや位置はこれに限られない。すなわち、アノードガス流路40におけるガスの流れの下流部において発電領域と空間部64とが連通するように開口部が形成されているのであれば、種々の大きさや位置を採ることができる。
尚、上述した実施の形態2においては、アノードガス流路40が前記第1の発明における「燃料ガス流路」に、シール部材62が前記第1の発明における「第1のシール部材」に、シール部材50が前記第1の発明における「第2のシール部材」に、空間部64が前記第1の発明における「空間部」に、それぞれ相当している。
本発明にかかる燃料電池を用いたデッドエンド型の燃料電池システム構成を模式的に示す図である。 従来の燃料電池における単位電池の構造を説明するための模式図である。 図2に示す従来の燃料電池において、デッドエンド運転でガス置換を行った場合の様子を説明するための図である。 本実施の形態1の燃料電池における単位電池の特徴的構造を説明するための模式図である。 本実施の形態1の燃料電池において、デッドエンド運転でガス置換を行った場合の様子を説明するための図である。 本実施の形態2の燃料電池における単位電池の特徴的構造を説明するための模式図である。 本実施の形態2の燃料電池において、デッドエンド運転でガス置換を行った場合の様子を説明するための図である。
符号の説明
10 燃料電池
12,60 単位電池
14,16 エンドプレート
16 排気管
18 高圧水素タンク
20 燃料ガス供給管
22 調圧弁
24 排気管
26 排気弁
28 アノード入口マニホールド
30 アノード出口マニホールド
34 発電体
40 アノードガス流路
42 セパレータ
44,46 コモンレール
50,52,62 シール部材
54,64 空間部

Claims (7)

  1. 膜電極接合体が固定された発電体と、
    前記膜電極接合体のアノード面に沿って配置された燃料ガス流路と、
    前記発電体との間で前記燃料ガス流路を挟むように設けられたセパレータと、
    前記発電体と前記セパレータとの間に挟まれて、前記燃料ガス流路の外縁の一部をシールする第1のシール部材と、
    前記発電体と前記セパレータとの間に挟まれて、前記燃料ガス流路の周りを周回してシールする第2のシール部材と、
    前記発電体と前記セパレータとの間に、前記第1のシール部材と前記第2のシール部材とに隔てられて形成された空間部と、を備え、
    前記第1のシール部材は、前記燃料ガス流路を流れる燃料ガスの主要な流れの下流側に開口部を有し、前記燃料ガス流路と前記空間部とは、前記開口部において連通していることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記燃料ガス流路は、
    燃料ガスを導入するためのガス導入口と、
    燃料ガスのオフガスを排出するためのガス排出口と、を有し、
    前記第1のシール部材は、前記ガス導入口の近傍における前記ガス流路の外縁に配置され、前記開口部は前記ガス排出口近傍における前記ガス流路の外縁に設けられていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  3. 前記燃料ガス流路は矩形形状であり、前記ガス導入口および前記ガス排出口は、互いに前記矩形形状の対角に位置するように配置されており、
    前記開口部は、前記燃料ガス流路における、前記ガス排出口側の2辺で形成される角部に設けられていることを特徴とする請求項2記載の燃料電池。
  4. 前記燃料ガス流路は矩形形状であり、前記ガス導入口および前記ガス排出口は、互いに前記矩形形状の対角に位置するように配置されており、
    前記第1のシール部材は、前記燃料ガス流路における、前記ガス導入口側の2辺の外縁に沿って配置されていることを特徴とする請求項2記載の燃料電池。
  5. 前記燃料ガス流路は、前記膜電極接合体と同等の大きさであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の燃料電池。
  6. 前記燃料ガス流路は多孔体で構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の燃料電池。
  7. 前記第1のシール部材および前記第2のシール部材は、前記発電体と一体化されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の燃料電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113314728A (zh) * 2021-07-30 2021-08-27 爱德曼氢能源装备有限公司 燃料电池长寿命膜电极的密封结构

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