JP2009175660A - レジスト処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダブルパターニング法等のマルチパターニング法において、1回目のレジストパターン形成用のレジスト組成物によって得られたパターンを、極微細に、かつ精度良く形成するレジスト処理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】(1)酸に不安定な基を有し、アルカリ水溶液に不溶・難溶、酸と作用した後可溶となる樹脂(A)(重量平均分子量:1万〜4万)、光酸発生剤(B)及び架橋剤(C)を含む第1のレジスト組成物を基体上に塗布・乾燥して第1のレジスト膜を得、これをプリベークし、露光処理し、ポストエクスポージャーベークし、現像して第1のレジストパターンを得、これをハードベークし、この上に第2のレジスト組成物を塗布し、乾燥して第2のレジスト膜を得、これをプリベークし、露光処理し、ポストエクスポージャーベークし、現像して第2のレジストパターンを得る工程を含むレジスト処理方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、レジスト処理方法に関し、より詳細には、ダブルパターニング法及びダブルイメージング法による微細レジストパターンの形成に用いられるレジスト処理方法に関する。
近年、リソグラフィ技術を用いた半導体の微細加工の微細化の要求がますます高まっており、レジストパターンの線幅が32nm以下を実現するプロセスとして、ダブルパターニング法(例えば、特許文献1)やダブルイメージング法(例えば、非特許文献1)が提案されている。ここでダブルパターニング法とは、目的とするレジストパターンの2倍のスペースで、通常の露光、現像、エッチング工程を行なって1回目の転写を行なった後、そのスペース間に、再度同様の露光、現像、エッチング工程を行なって2回目の転写を行なうことにより、目的とする微細なレジストパターンを得る手法である。また、ダブルイメージング法とは、目的とするレジストパターンの2倍のスペースで、通常の露光、現像、工程を行なった後に、フリージング剤と呼ばれる薬液を用いてレジストパターンを処理し、そのスペース間に、再度同様の露光、現像を行うことにより、目的とする微細なレジストパターンを得る手法である。
特開2007−311508号公報 Proceedings of SPIE. Vol. 6520, 65202F (2007)
本発明の課題は、ダブルパターニング法及びダブルイメージング法を実現することができるレジスト処理方法を提供することにある。
本発明のレジスト処理方法は、(1)酸に不安定な基を有し、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸と作用してアルカリ水溶液に溶解し得る樹脂(A)、光酸発生剤(B)及び架橋剤(C)を含有し、樹脂(A)の重量平均分子量が10000以上、40000以下である第1のレジスト組成物を、基体上に塗布し、乾燥して第1のレジスト膜を得る工程、
(2)第1のレジスト膜をプリベークする工程、
(3)第1のレジスト膜を露光処理する工程、
(4)第1のレジスト膜をポストエクスポージャーベークする工程、
(5)第1のアルカリ現像液で現像して第1のレジストパターンを得る工程、
(6)第1のレジストパターンをハードベークする工程、
(7)第1のレジストパターンの上に、第2のレジスト組成物を塗布し、乾燥して第2のレジスト膜を得る工程、
(8)第2のレジスト膜をプリベークする工程、
(9)第2のレジスト膜を露光処理する工程、
(10)第2のレジスト膜をポストエクスポージャーベークする工程、及び、
(11)第2のアルカリ現像液で現像して第2のレジストパターンを得る工程、
を含むことを特徴とする。
このような処理方法では、架橋剤(C)は、尿素系架橋剤、アルキレン尿素系架橋剤及びグリコールウリル系架橋剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、架橋剤(C)の含有量は、樹脂100質量部に対して、0.5〜30質量部であることが好ましい。
さらに、樹脂(A)の酸に不安定な基は、エーテル結合のα位が4級炭素原子であるアルキルエステル又はラクトン環を有する基、あるいはカルボン酸エステルを有する基であることが好ましい。
また、光酸発生剤(B)は、式(I)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2009175660
(式中、Raは炭素数1〜6の直鎖または分岐の炭化水素基、あるいは炭素数3〜30の環式炭化水素基を表し、Raが環式炭化水素基である場合は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基、エーテル基、エステル基、ヒドロキシ基又はシアノ基の1以上が置換されていてもよい。A+は有機対イオンを表す。Y1、Y2は、それぞれ独立に、フッ素原子または炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。)
さらに、光酸発生剤(B)は、式(III)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2009175660
(式中、Y1、Y2は、それぞれ独立して、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表し、Xは−OH又は−Y−OHを表し(ここで、Yは、炭素数1〜6の直鎖又は分岐アルキレン基である)、nは1〜9の整数を表し、A+は有機対イオンを表す。)
特に、光酸発生剤(B)は、式(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)及び(IV)からなる群から選択される1種以上のカチオンを含む化合物であることが好ましい。
Figure 2009175660
Figure 2009175660
(式中、P1〜P5、P10〜P21は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。P6、P7は、それぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基であるか、P6とP7とが結合して、炭素数3〜12の2価の炭化水素基を表す。P8は水素原子を表し、P9は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又は置換されていてもよい芳香族基を表すか、P8とP9とが結合して、炭素数3〜12の2価の炭化水素基を表す。Dは、硫黄原子又は酸素原子を表す。mは、0又は1、rは1〜3の整数を表す。)
さらに、樹脂(A)の重量平均分子量が12000以上、40000以下であることが好ましい。
本発明のレジスト処理方法によれば、ダブルパターニング法及びダブルイメージング法を実現する、つまり、1層目のレジストパターンを、より確実かつ高精度に、所望の形状に形成するとともに、2層目以降の処理によっても1層目のレジストパターンを変形させずにその形状を保持し、結果として、非常に微細パターンを形成することが可能となる。
本発明のレジスト処理方法に用いられるレジスト組成物は、主として、樹脂(A)、光酸発生剤(B)及び架橋剤(C)を含有して構成されるものであり、特に、架橋剤(C)を含有することを特徴とする。
本発明のレジスト組成物における樹脂は、酸に不安定な基を有し、露光前はアルカリ水溶液に対して不溶又は難溶であり、露光により光酸発生剤(B)から発生する酸が、この樹脂中の酸に不安定な基に対して触媒的に作用して開裂し、アルカリ水溶液に溶解し得る一方、樹脂における未露光部はアルカリ不溶性のままとなるものである。これにより、このレジスト組成物を、後にアルカリ水溶液によって現像することにより、ポジ型のレジストパターンを形成することができる。ここで、アルカリ水溶液に対して不溶又は難溶とは、アルカリ水溶液の種類及び濃度等によって変動し得るが、一般に、このレジスト組成物1g又は1mlを溶解するために、現像液として一般に用いられるアルカリ水溶液を100ml程度以上必要とする溶解度を意味し、溶解するとは、レジスト組成物1g又は1mlを溶解するために、上述のアルカリ水溶液が100ml未満で足りるような溶解度を意味する。
本発明で使用される樹脂(A)における酸に不安定な基とは、上述したように、後述する光酸発生剤(B)から発生する酸によって開裂する又は開裂しやすい基を意味し、このような性質を有する基であれば、特に限定されない。
例えば、エーテル結合のα位が4級炭素原子であるアルキルエステルを有する基、エーテル結合のα位が4級炭素原子であるラクトン環を有する基、アセタール型エステル及び脂環式エステル等のカルボン酸エステルを有する基等が挙げられる。なかでも、後述する光酸発生剤(B)から発生する酸の作用により、カルボキシル基を与えるものが好ましい。ここで、4級炭素原子とは、水素原子以外の置換基と結合しており、水素とは結合していない炭素原子を意味する。特に、酸に不安定な基としては、エーテル結合のα位の炭素原子が3つの炭素原子と結合した4級炭素原子であることが好ましい。
酸に不安定な基の1種であるカルボン酸エステルを有する基を「−COORのRエステル」として例示すると、tert−ブチルエステル(つまり、−COO−C(CH))に代表されるエーテル結合のα位が4級炭素原子であるアルキルエステル;
メトキシメチルエステル、エトキシメチルエステル、1−エトキシエチルエステル、1−イソブトキシエチルエステル、1−イソプロポキシエチルエステル、1−エトキシプロピルエステル、1−(2−メトキシエトキシ)エチルエステル、1−(2−アセトキシエトキシ)エチルエステル、1−〔2−(1−アダマンチルオキシ)エトキシ〕エチルエステル、1−〔2−(1−アダマンタンカルボニルオキシ)エトキシ〕エチルエステル、テトラヒドロ−2−フリルエステル及びテトラヒドロ−2−ピラニルエステル等のアセタール型又はラクトン環含有エステル;
イソボルニルエステル及び1−アルキルシクロアルキルエステル、2−アルキル−2−アダマンチルエステル、1−(1−アダマンチル)−1−アルキルアルキルエステル等のエーテル結合のα位が4級炭素原子である脂環式エステル等が挙げられる。
このようなカルボン酸エステルを有する基としては、(メタ)アクリル酸エステル、ノルボルネンカルボン酸エステル、トリシクロデセンカルボン酸エステル、テトラシクロデセンカルボン酸エステルを有する基が挙げられる。
この樹脂(A)は、酸に不安定な基とオレフィン性二重結合とを有するモノマーを付加重合して製造することができる。
ここで用いられるモノマーとしては、酸に不安定な基として、脂環式構造、特に橋かけ構造等の嵩高い基を含むモノマー(例えば、2−アルキル−2−アダマンチル基、1−(1−アダマンチル)−1−アルキルアルキル基等)が、得られるレジストの解像度が優れる傾向があることから好ましい。嵩高い基を含むモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−アルキル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸1−(1−アダマンチル)−1−アルキルアルキル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−アルキル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(1−アダマンチル)−1−アルキルアルキル等が挙げられる。
とりわけ(メタ)アクリル酸2−アルキル−2−アダマンチルをモノマーとして用いた場合は、得られるレジストの解像度が優れる傾向があることから好ましい。
(メタ)アクリル酸2−アルキル−2−アダマンチルとしては、例えば、アクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、メタクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、メタクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、アクリル酸2−イソプロピル−2−アダマンチル、メタクリル酸2−イソプロピル−2−アダマンチル、アクリル酸2−n−ブチル−2−アダマンチル等が挙げられる。
これらの中でも(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル又は(メタ)アクリル酸2−イソプロピル−2−アダマンチルを用いた場合、得られるレジストの感度が優れ耐熱性にも優れる傾向があることから好ましい。
(メタ)アクリル酸2−アルキル−2−アダマンチルは、通常、2−アルキル−2−アダマンタノール又はその金属塩とアクリル酸ハライド又はメタクリル酸ハライドとの反応により製造することができる。
また、本発明に用いられる樹脂(A)は極性の高い置換基を有する構造単位を含むことを特徴の1つとする。このような構造単位としては、例えば、2−ノルボルネンに1つ以上の水酸基が結合したものに由来する構造単位、(メタ)アクリロニトリルに由来する構造単位、エーテル基のα位が2級炭素原子又は3級炭素原子のアルキルエステル、1−アダマンチルエステルである(メタ)アクリル酸エステル類で1以上の水酸基が結合したものに由来する構造単位、p−又はm−ヒドロキシスチレン等のスチレン系モノマーに由来する構造単位、ラクトン環がアルキル基で置換されていてもよい(メタ)アクリロイキシ−γ−ブチロラクトンに由来する構造単位等を挙げることができる。なお、1−アダマンチルエステルは、エーテル結合のα位が4級炭素原子であるが、酸に安定な基である。
具体的に、極性の高い置換基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル、α−(メタ)アクリロイキシ−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイキシ−γ−ブチロラクトン、以下の式(a)で示されるモノマー、(b)で示されるモノマー、ヒドロキシスチレン等が例示される。
Figure 2009175660
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基又はハロゲン原子を表し、p及びqは、1〜3の整数を表す。pが2又は3のときには、R3は互いに異なる基であってもよく、qが2又は3のときには、R4は互いに異なる基であってもよい。)
なかでも、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチルに由来する構造単位、(メタ)アクリル酸3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルに由来する構造単位、α−(メタ)アクリロイキシ−γ−ブチロラクトンに由来する構造単位、β−(メタ)アクリロイキシ−γ−ブチロラクトンに由来する構造単位、式(a)で示されるモノマーに由来する構造及び式(b)に示されるモノマーに由来する構造単位を含む樹脂から得られるレジストは、基板への接着性及びレジストの解像性が向上する傾向にあることから好ましい。
また、本発明に用いられる樹脂(A)は、その他の構造単位を含んでいてもよい。例えば、アクリル酸、メタクリル酸等の遊離のカルボン酸基を有するモノマーに由来する構造単位、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸無水物に由来する構造単位、2−ノルボルネンに由来する構造単位、エーテル基のα位が2級炭素原子又は3級炭素原子のアルキルエステル、1−アダマンチルエステルである(メタ)アクリル酸エステル類に由来する構造単位等を挙げることができる。なお、1−アダマンチルエステルは、エーテル結合のα位が4級炭素原子であるが、酸に安定な基である。
(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル等のモノマーは市販されているが、例えば、対応するヒドロキシアダマンタンを(メタ)アクリル酸又はそのハライドと反応させることにより、製造することもできる。
(メタ)アクリロイロキシ−γ−ブチロラクトン等のモノマーは、ラクトン環がアルキル基で置換されていてもよいα−もしくはβ−ブロモ−γ−ブチロラクトンにアクリル酸もしくはメタクリル酸を反応させるか、又はラクトン環がアルキル基で置換されていてもよいα−もしくはβ−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンにアクリル酸ハライドもしくはメタクリル酸ハライドを反応させることにより製造できる。
式(a)、式(b)で示される構造単位を与えるモノマーとしては、例えば、以下のような水酸基を有する脂環式ラクトンの(メタ)アクリル酸エステル、それらの混合物等が挙げられる。これらのエステルは、例えば、対応する水酸基を有する脂環式ラクトンと(メタ)アクリル酸類との反応により製造することができる(例えば、特開2000−26446号公報参照)。
Figure 2009175660
ここで、(メタ)アクリロイロキシ−γ−ブチロラクトンとしては、例えば、α−アクリロイロキシ−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイロキシ−γ−ブチロラクトン、α−アクリロイロキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイロキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−アクリロイロキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイロキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−アクリロイロキシ−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイロキシ−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイロキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
KrFエキシマレーザー露光の場合は、樹脂の構造単位として、p−又はm−ヒドロキシスチレン等のスチレン系モノマーに由来する構造単位を用いても充分な透過率を得ることができる。このような共重合樹脂を得る場合は、該当する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとアセトキシスチレン、及びスチレンとをラジカル重合した後、酸によって脱アセチルすることによって得ることができる。
また、2−ノルボルネンに由来する構造単位を含む樹脂は、その主鎖に直接脂環式骨格を有するために頑丈な構造となり、ドライエッチング耐性に優れるという特性を示す。2−ノルボルネンに由来する構造単位は、例えば、対応する2−ノルボルネンの他に無水マレイン酸や無水イタコン酸のような脂肪族不飽和ジカルボン酸無水物を併用したラジカル重合により主鎖へ導入することができる。したがって、ノルボルネン構造の二重結合が開いて形成されるものは式(c)で表すことができ、無水マレイン酸無水物及び無水イタコン酸無水物の二重結合が開いて形成されるものは、それぞれ式(d)及び(e)で表すことができる。
Figure 2009175660
(式(c)中、R5及び/又はR6は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、カルボキシル基、シアノ基もしくは−COOU(Uはアルコール残基である)を表すか、あるいは、R5及びR6が結合して、−C(=O)OC(=O)−で示されるカルボン酸無水物残基を表す。)
5及び/又はR6が−COOUである場合は、カルボキシル基がエステルとなったものであり、Uに相当するアルコール残基としては、例えば、置換されていてもよい炭素数1〜8程度のアルキル基、2−オキソオキソラン−3−又は−4−イル基等を挙げることができる。ここで、このアルキル基は、水酸基及び脂環式炭化水素基等が置換されていてもよい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
水酸基が結合したアルキル基、つまり、ヒドロキシルアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、例えば、炭素数3〜30程度のものが挙げられ、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロデシル、シクロヘキセニル、ビシクロブチル、ビシクロヘキシル、ビシクロオクチル、2−ノルボルニル等が挙げられる。
なお、本明細書では、いずれの化学式においても、炭素数によって異なるが、特に断りのない限り、アルキル基等の上述した基については、上記と同様のものが例示される。また、直鎖又は分岐の双方をとることができる基は、そのいずれをも含む(以下同じ)。
このように、酸に安定な構造単位を与えるモノマーである、式(c)で示されるノルボネン構造の具体例としては、次のような化合物を挙げることができる。
2−ノルボルネン、
2−ヒドロキシ−5−ノルボルネン、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−ヒドロキシ−1−エチル、
5−ノルボルネン−2−メタノール、
5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物。
なお、式(c)中のR5及び/又はR6の−COOUのUが、エーテル結合のα位が4級炭素原子である脂環式エステル等の酸に不安定な基であれば、ノルボルネン構造を有するといえども、酸に不安定な基を有する構造単位である。
ノルボルネン構造と酸に不安定な基とを含むモノマーとしては、例えば、5−ノルボルネン−2−カルボン酸−t−ブチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−シクロヘキシル−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチルシクロヘキシル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−メチル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−エチル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−メチルシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチル−1−(4−オキソシクロヘキシル)エチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル等が例示される。
本発明で用いるレジスト組成物の樹脂(A)では、パターニング露光用の放射線の種類や酸に不安定な基の種類等によっても変動するが、通常、樹脂における酸に不安定な基を有するモノマーに由来する構造単位の含有量を10〜80モル%の範囲に調整することが好ましい。
そして、酸に不安定な基を有するモノマーに由来する構造単位として、特に、(メタ)アクリル酸2−アルキル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸1−(1−アダマンチル)−1−アルキルアルキルに由来する構造単位を含む場合は、この構造単位が樹脂を構成する全構造単位のうち15モル%以上とすることにより、樹脂が脂環基を有するために頑丈な構造となり、与えるレジストのドライエッチング耐性の面で有利である。
なお、分子内にオレフィン性二重結合を有する脂環式化合物及び脂肪族不飽和ジカルボン酸無水物をモノマーとする場合には、これらは付加重合しにくい傾向があるので、この点を考慮し、これらは過剰に使用することが好ましい。
さらに、用いられるモノマーとしてはオレフィン性二重結合が同じでも酸に不安定な基が異なるモノマーを併用してもよいし、酸に不安定な基が同じでもオレフィン性二重結合が異なるモノマーを併用してもよいし、酸に不安定な基とオレフィン性二重結合との組合せが異なるモノマーを併用してもよい。
樹脂(A)は、重量平均分子量が10000以上であることが適しており、さらに、10500以上、11000以上、11500以上、12000以上であることがより好ましい。また、上限は特に限定されないが、重量平均分子量が大きすぎると、リソグラフィ性能が破綻し、欠陥が生じやすいことから、40000以下が適しており、さらに、39000以下、38000以下、37000以下が好ましい。
この場合の重量平均分子量は、後述するように、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーにより求めることができる。
なお、本発明における樹脂(A)は、例えば、重量平均分子量とガラス転移温度(Tg)との所定の相関関係が確認されており、特に、重量平均分子量が低くなると、Tgの変化が漸近線をもつことが見出されている。従って、本発明においては、別の観点から、樹脂(A)は、Tgが148℃以上のものが適しており、さらに、149℃以上、150℃以上のものが好ましい。さらに、160℃以下のものが適しており、さらに、159℃以下のものが好ましい。
本発明で用いるレジスト組成物における光酸発生剤(B)としては、露光により酸を発生し得るものであれば特に限定されるものではなく、当該分野で公知のものを用いることができる。
例えば、光酸発生剤(B)として、式(I)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2009175660
(式中、Raは炭素数1〜6の直鎖または分岐の炭化水素基、あるいは炭素数3〜30の環式炭化水素基を表し、Raが環式炭化水素基である場合は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基、エーテル基、エステル基、ヒドロキシ基又はシアノ基の1以上が置換されていてもよい。A+は有機対イオンを表す。Y1、Y2は、それぞれ独立に、フッ素原子または炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。)
ここで、炭化水素としては、上述したアルキル基と同様のもの、このアルキル基のいずれかの位置に1以上の二重結合又は三重結合が導入されたものでもよい。なかでも、アルキル基が好ましい。
炭素数3〜30の環式炭化水素基としては、芳香族基であってもよいし、なくてもよく、例えば、単環式又は2環式炭化水素基、アリール基又はアラルキル基等が挙げられる。具体的には、炭素数4〜8のシクロアルキル及びノルボルニル等、上述した脂環式炭化水素基に加えて、フェニル、インデニル、ナフチル、アダマンチル、ノルボルネニル、トリル、ベンジル等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、ヘキトキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ基等が挙げられる。
ペルフルオロアルキルとしては、トリフルオロメチル、ペルフルオロエチル、ペルフルオロブロピル、ペルフルオロブチル等が挙げられる。
また、光酸発生剤(B)として、例えば、下式(V)または式(VI)で表される化合物であってもよい。
Figure 2009175660
(式(V)および式(VI)中、環Eは炭素数3〜30の環式炭化水素基を表し、環Eは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、水酸基又はシアノ基で置換基されていてもよい。Z’は単結合又は炭素数1〜4のアルキレン基を表す。A+、Y1、Y2は上記と同義である。)
アルキレン基としては、以下に示す(Y−1)〜(Y−12)が例示される。
さらに、光酸発生剤(B)として、以下の式(III)で示される化合物であってもよい。
Figure 2009175660
[式中、Y1、Y2は、それぞれ独立して、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表し、Xは−OH又は−Y−OHを表し(ここで、Yは、炭素数1〜6の直鎖又は分岐アルキレン基である)、nは1〜9の整数を表し、A+は上記と同義である。]
1、Y2としては、特に、フッ素原子が好ましい。
また、nとしては、1〜2が好ましい。
Yとしては、例えば、次の(Y−1)〜(Y−12)等が挙げられ、なかでも(Y−1)及び(Y−2)が、製造が容易であることから好ましい。
Figure 2009175660
式(I)、(III)、(V)又は(VI)で表される化合物におけるアニオンとしては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2009175660
Figure 2009175660
Figure 2009175660
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Figure 2009175660
Figure 2009175660
Figure 2009175660
また、光酸発生剤として、下式(VII)で表される化合物であってもよい。
S−R (VII)
(式中、Rは炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基又はペルフルオロアルキル基を表し、A+は上記と同義である。)
としては、特に、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基が好ましい。
式(VII)のアニオンの具体的な例としては、例えば、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネート、パーフルオロブタンスルホネート等のイオンが挙げられる。
式(I)、(III)、(V)〜(VII)で示される化合物において、A+の有機対イオンとしては、式(VIII)で示されるカチオンが挙げられる。
Figure 2009175660
(式(VIII)中、Pa〜Pcは、それぞれ独立して、直鎖又は分岐の炭素数1〜30のアルキル基又は炭素数3〜30の環式炭化水素基を表す。Pa〜Pcがアルキル基である場合には、水酸基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の環式炭化水素基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、シアノ基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキル基置換アミノ基、アミド基の1以上を置換基として含んでいてもよく、Pa〜Pcが環式炭化水素基である場合には、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、シアノ基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキル基置換アミノ基、アミド基の一つ以上を置換基として含んでいてもよい。)
特に、以下に示す式(IIa)、式(IIb)、式(IIc)及び式(IId)で示されるカチオンが例示される。
Figure 2009175660
式(IIa)中、P1〜P3は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基が置換していてもよいアミノ基、アミド基を表す。
アルキル基及びアルコキシ基としては、上記と同様のものが挙げられる。
式(IIa)で示されるカチオンの中でも、式(IIe)で示されるカチオンが製造が容易であることから好ましい。
Figure 2009175660
式(IIe)中、P22〜P24は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表し、アルキル基は、直鎖でも分岐していてもよい。
また、A+の有機対イオンとして、ヨウ素カチオンを含む式(IIb)で示されるカチオンであってもよい。
Figure 2009175660
式(IIb)中、P4、P5は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
さらに、A+の有機対イオンとして、式(IIc)で示されるカチオンであってもよい。
Figure 2009175660
式(IIc)中、P6、P7は、それぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基を表し、このアルキル基は、直鎖でも分岐していてもよい。
シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基等が挙げられる。
また、P6とP7とが結合して、炭素数3〜12の2価の炭化水素基であってもよい。2価の炭化水素基に含まれる炭素原子は、任意に、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子に置換されていてもよい。
2価の炭化水素基としては、飽和、不飽和、鎖式、環式炭化水素のいずれでもよいが、なかでも、鎖式飽和炭化水素基、特に、アルキレン基等が好ましい。アルキレン基としては、例えば、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン等が挙げられる。
8は水素原子を表し、P9は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は置換されていてもよい芳香族基を表すか、P8とP9とが結合して、炭素数3〜12の2価の炭化水素基を表す。
アルキル基、シクロアルキル基、2価の炭化水素基は、上記と同様のものが挙げられる。
芳香族基としては、炭素数6〜20のものが好ましく、例えば、アリール基及びアラルキル基が好ましく、具体的には、フェニル、トリル、キシリル、ビフェニル、ナフチル、ベンジル、フェネチル、アントラセニル基等が挙げられる。なかでも、フェニル基、ベンジル基が好ましい。芳香族基に置換されていてもよい基としては、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基等が挙げられる。
また、A+の有機対イオンとして、式(IId)で示されるカチオンであってもよい。
Figure 2009175660
式(IId)中、P10〜P21は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。このアルキル基及びアルコキシ基は、上記と同義である。Dは、硫黄原子又は酸素原子を表す。mは、0又は1を表す。
式(IIa)で示されるカチオンA+の具体例としては、下記式で示されるカチオンが挙げられる。
Figure 2009175660
Figure 2009175660
Figure 2009175660
式(IIb)で示されるカチオンA+の具体例としては、下記式で示されるカチオンが挙げられる。
Figure 2009175660
式(IIc)で示されるカチオンA+の具体例としては、下記式で示されるカチオンが挙げられる。
Figure 2009175660
Figure 2009175660
Figure 2009175660
式(IId)で示されるカチオンA+の具体例としては、下記式で示されるカチオンが挙げられる。
Figure 2009175660
Figure 2009175660
Figure 2009175660
また、式(I)、(III)、(V)〜(VII)で示される化合物において、A+として、式(IV)で示されるカチオンであってもよい。
Figure 2009175660
(式中、rは1〜3の整数である。)
式(IV)中、rは、特に、1〜2であることが好ましく、2であることが最も好ましい。
水酸基の結合位置は、特に限定されないが、容易に入手可能で低価格であることから、4位の位置であることが好ましい。
式(IV)で示されるカチオンの具体例としては、下記式で示されるものが挙げられる。
Figure 2009175660
特に、本発明の式(I)又は(III)で示される化合物として、式(IXa)〜(IXe)で示されるものが、優れた解像度及びパターン形状を示す化学増幅型のレジスト組成物を与える光酸発生剤となることから好ましい。
Figure 2009175660
(式中、P〜P及びP22〜P24、Y1、Y2は上記と同義、P25〜P27は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
なかでも、以下の化合物は、製造が容易であることから好適に用いられる。
Figure 2009175660
式(I)、(III)、(V)〜(VII)の化合物は、例えば、特開2006−257078号公報に記載された方法及びそれに準じた方法によって製造することができる。
特に、式(V)または式(VI)の製造方法としては、例えば、式(1)または式(2)で表される塩と、
Figure 2009175660
(式中、Z’及びEは上記と同義、Mは、Li、Na、K又はAgを表す。)
式(3)で表されるオニウム塩とを、
(3)
(式中、A+は、上記と同義、ZはF、Cl、Br、I、BF4、AsF6、SbF6、PF6、又はClO4を表す。)
それぞれ、例えば、アセトニトリル、水、メタノール等の不活性溶媒中にて、0℃〜150℃程度の温度範囲、好ましくは0℃〜100℃程度の温度範囲にて攪拌して反応させる方法等が挙げられる。
式(3)のオニウム塩の使用量としては、通常、式(1)または式(2)で表される塩1モルに対して、0.5〜2モル程度である。これらの化合物(V)又は(VI)は再結晶で取り出してもよいし、水洗して精製してもよい。
式(V)または式(VI)の製造に用いられる式(1)または式(2)で表される塩の製造方法としては、例えば、先ず、式(4)または式(5)
Figure 2009175660
(式(4)および式(5)中、E及びZ’は上記と同義。)
で表されるアルコールと、式(6)
SCFCOOH (6)
(式(6)中、Mは、上記と同義。)
で表されるカルボン酸とを、それぞれエステル化反応させる方法が挙げられる。
別法としては、式(4)または式(5)で表されるアルコールと
式(7)
FOSCFCOOH (7)
で表されるカルボン酸とを、それぞれエステル化反応した後、MOH(Mは、上記と同義)で加水分解して式(1)または式(2)で表される塩を得る方法もある。
前記エステル化反応は、通常、ジクロロエタン、トルエン、エチルベンゼン、モノクロロベンゼン、アセトニトリル等の非プロトン性溶媒中にて、20℃〜200℃程度の温度範囲、好ましくは、50℃〜150℃程度の温度範囲で攪拌して行えばよい。エステル化反応においては、通常は酸触媒としてp−トルエンスルホン酸などの有機酸及び/又は硫酸等の無機酸を添加する。
また、エステル化反応は、ディーンスターク装置を用いるなどして、脱水しながら実施すると、反応時間が短縮化される傾向があることから好ましい。
エステル化反応における式(6)で表されるカルボン酸の使用量としては、式(4)または式(5)で表されるアルコール1モルに対して、0.2〜3モル程度、好ましくは0.5〜2モル程度である。エステル化反応における酸触媒は触媒量でも溶媒に相当する量でもよく、通常、0.001モル程度〜5モル程度である。
さらに、式(V)または式(1)で表される塩を還元して式(VI)または式(2)で表される塩を得る方法もある。
このような還元反応は、例えば、水、アルコール、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジグライム、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、1,2−ジメトキシエタン、ベンゼンなどの溶媒中にて、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素亜鉛、トリ第二ブチル水素化ホウ素リチウム、ボランなどの水素化ホウ素化合物、リチウムトリt−ブトキシアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリドなどの水素化アルミニウム化合物、EtSiH、PhSiHなどの有機水素化ケイ素化合物、BuSnHなどの有機水素化スズ化合物等の還元剤を用いて行うことができる。−80℃〜100℃程度の温度範囲、好ましくは、−10℃〜60℃程度の温度範囲で攪拌して反応させることができる。
また、光酸発生剤(B)として、以下の(B1)及び(B2)に示す光酸発生剤を用いてもよい。
(B1)としては、カチオンに水酸基を有し、露光により酸を発生させるものであれば特に限定されない。このようなカチオンとしては、例えば、上述した式(IV)で表されるものが挙げられる。
(B1)におけるアニオンは、特に限定されず、例えば、オニウム塩系酸発生剤のアニオンとして知られているものを適宜用いることができる。
例えば、一般式(X−1)で表されるアニオン、一般式(X−2)、(X−3)又は(X−4)で表されるアニオン等を用いることができる。
Figure 2009175660
(式中、Rは、直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基又はフッ素化アルキル基を表す。Xaは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基を表し;Ya、Zaは、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基を表す。R10は置換もしくは非置換の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6〜14のアリール基を示す。)
直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
環状のアルキル基としてのRは、炭素数4〜15、さらに4〜12、炭素数4〜10、5〜10、6〜10であることがより好ましい。
フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
また、フッ化アルキル基のフッ素化率(フッ素化前のアルキル基中の全水素原子数に対する、フッ素化により置換したフッ素原子の数の割合、以下同様。)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。
としては、直鎖もしくは環状のアルキル基又はフッ素化アルキル基であることがより好ましい。
一般式(X−2)において、Xaは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基であり、アルキレン基の炭素数は、好ましくは2〜6であり、より好ましくは炭素数3〜5、最も好ましくは炭素数3である。
一般式(X−3)において、Ya、Zaは、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜10であり、より好ましくは炭素数1〜7、最も好ましくは炭素数1〜3である。
Xaのアルキレン基の炭素数又はYa、Zaのアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、Xaのアルキレン基又はYa、Zaのアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。アルキレン基又はアルキル基のフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基又はパーフルオロアルキル基である。
アリール基としては、フェニル、トリル、キシリル、クメニル、メシチル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、フェナントリル等が挙げられる。
アルキル基及びアリール基に置換してもよい置換基としては、例えば、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、シアノ基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキル基置換アミノ基、アミド基の1つ以上を置換基等が挙げられる。
なお、(B1)のアニオンとして、式(I)等においてAで表されたアニオンと組み合わせてもよい。
(B1)としては、アニオンが上述した式(X−1)で表されるものが好ましく、特に、R7がフッ素化アルキル基であるものがより好ましい。
例えば、(B1)として、以下に示す光酸発生剤が例示される。
Figure 2009175660
Figure 2009175660
Figure 2009175660
(B2)としては、カチオンに水酸基を有さないものであれば特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。
このような酸発生剤としては、ヨードニウム塩やスルホニウム塩等のオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキル又はビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類等のジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤等多種のものが挙げられる。
オニウム塩系酸発生剤として、例えば、一般式(XI)で表される酸発生剤を好適に用いることができる。
Figure 2009175660
(式中、R51は、直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、又は直鎖、分岐鎖もしくは環状のフッ素化アルキル基を表し;R52は、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のハロゲン化アルキル基、又は直鎖もしくは分岐鎖状のアルコキシ基であり;R53は置換基を有していてもよいアリール基であり;tは1〜3の整数である。)
一般式(XI)において、R51は、上述した置換基R7と同様の炭素数、フッ素化率等を例示することができる。
51としては、直鎖状のアルキル基又はフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
52において、アルキル基は、直鎖又は分岐鎖状であり、その炭素数は好ましくは1〜5、特に1〜4、さらには1〜3であることが好ましい。
52において、ハロゲン化アルキル基は、アルキル基中の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基である。ここでのアルキル基及び置換するハロゲン原子は、上記と同様のものが挙げられる。ハロゲン化アルキル基において、水素原子の全個数の50〜100%がハロゲン原子で置換されていることが好ましく、全て置換されていることがより好ましい。
52において、アルコキシ基としては、直鎖状又は分岐鎖状であり、その炭素数は好ましくは1〜5、特に1〜4、さらには1〜3であることが好ましい。
52は、これらのなかでも水素原子が好ましい。
53としては、ArFエキシマレーザー等の露光光の吸収の観点から、フェニル基が好ましい。
アリール基における置換基としては、水酸基、低級アルキル基(直鎖又は分岐鎖状であり、例えば、炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4、特にメチル基が好ましい)、低級アルコキシ基等を挙げることができる。
53のアリール基としては、置換基を有しないものがより好ましい。
tは1〜3の整数であり、2又は3であることが好ましく、特に3であることが望ましい。
式(XI)で表される酸発生剤としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2009175660
また、オニウム塩系酸発生剤として、例えば、一般式(XII)及び(XIII)で表される酸発生剤を用いてもよい。
Figure 2009175660
(式中、R21〜R23及びR25〜R26は、それぞれ独立して、アリール基又はアルキル基を表し;R24は、直鎖、分岐又は環状のアルキル基又はフッ素化アルキル基を表し;R21〜R23のうち少なくとも1つはアリール基を表し、R25〜R26のうち少なくとも1つはアリール基を表す。)
21〜R23として、2以上がアリール基であることが好ましく、R21〜R23のすべてがアリール基であることが最も好ましい。
21〜R23のアリール基としては、例えば、炭素数6〜20のアリール基であって、このアリール基は、その水素原子の一部又は全部がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。
アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
アリール基の水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
21〜R23のアルキル基としては、例えば、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
これらの中で、R21〜R23は、それぞれ、フェニル基又はナフチル基であることが最も好ましい。
24は、上記Rと同様のものが例示される。
25〜R26として、すべてがアリール基であることが好ましい。
これらの中で、R25〜R26はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(XII)及び(XIII)で表されるオニウム塩系酸発生剤の具体例としては、
ジフェニルヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネート又はノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネート又はノナフルオロブタンスルホネート、
トリフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、
トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、
ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、
モノフェニルジメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、
ジフェニルモノメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、
(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、
(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、
トリ(4−tert−ブチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、
ジフェニル(1−(4−メトキシ)ナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、
ジ(1−ナフチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、
1−(4−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムのパーフルオロオクランスルホネート、その2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、
N−ノナフルオロブタンスルホニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド等が挙げられる。
また、これらのオニウム塩のアニオンがメタンスルホネート、n−プロパンスルホネート、n−ブタンスルホネート、n−オクタンスルホネートに置き換えたオニウム塩も用いることができる。
また、一般式(XII)又は(XIII)において、アニオンを式(X−1)〜(X−3)で表されるアニオンに置き換えたオニウム塩系酸発生剤も用いることができる。
さらに、以下に示す化合物を用いてもよい。
Figure 2009175660
オキシムスルホネート系酸発生剤は、式(XIV)で表される基を少なくとも1つ有する化合物であって、放射線の照射によって酸を発生する特性を有するものである。この様なオキシムスルホネート系酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物用として多用されているので、任意に選択して用いることができる。
Figure 2009175660
式中、R31、R32はそれぞれ独立に有機基を表す。
31、R32の有機基は、炭素原子を含む基であり、炭素原子以外の原子(例えば、水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子を有していてもよい。
31の有機基としては、直鎖、分岐又は環状のアルキル基又はアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していてもよい。この置換基としては、特に制限はなく、例えば、フッ素原子、炭素数1〜6の直鎖、分岐又は環状のアルキル基等が挙げられる。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的又は完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的又は完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。
31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
32の有機基としては、直鎖、分岐又は環状のアルキル基、アリール基又はシアノ基が好ましい。R32のアルキル基、アリール基としては、R31で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
オキシムスルホネート系酸発生剤として、さらに好ましいものとしては、式(XVII)又は(XVIII)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2009175660
式(XVII)中、R33は、シアノ基、置換基を有さないアルキル基又はハロゲン化アルキル基である。R34はアリール基である。R35は置換基を有さないアルキル基又はハロゲン化アルキル基である。
式(XVIII)中、R36はシアノ基、置換基を有さないアルキル基又はハロゲン化アルキル基である。R37は2又は3価の芳香族炭化水素基である。R38は置換基を有さないアルキル基又はハロゲン化アルキル基である。wは2又は3、好ましくは2である。
一般式(XVII)において、R33の置換基を有さないアルキル基又はハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上フッ素化されていることが好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。発生する酸の強度が高まるためである。
34のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、アントラセル基、フェナントリル基等、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、及びこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。これらのなかでも、フルオレニル基が好ましい。
34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していてもよい。この置換基におけるアルキル基又はハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、このハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
35の置換基を有さないアルキル基又はハロゲン化アルキル基は、上述したR33と同様のものが例示される。
一般式(XVIII)において、R36の置換基を有さないアルキル基又はハロゲン化アルキル基としては、上記R33と同様のものが挙げられる。
37の2又は3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1又は2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
38の置換基を有さないアルキル基又はハロゲン化アルキル基としては、上記R35と同様のものが挙げられる。
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、特開2007−286161号公報の段落[0122]に記載の化合物、特開平9−208554号公報における段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19]に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、WO2004/074242A2の第65〜85頁目のExample1〜40に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤等を用いてもよい。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
Figure 2009175660
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキル又はビスアリールスルホニルジアゾメタン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン等を挙げることができる。
上記の中でも、(B2)成分としてフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩を用いることが好ましい。
本発明においては、光酸発生剤は、いずれも単独で又は2種以上混合して用いることができる。
本発明で用いられるレジスト組成物は、その全固形分量を基準に、樹脂(A)を70〜99.9重量%程度、光酸発生剤を0.1〜30重量%程度、0.1〜20重量%程度、さらに1〜10重量%程度の範囲で含有することが好ましい。この範囲とすることにより、パターン形成が充分に行うことができるとともに、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となる。
架橋剤(C)としては、特に限定されるものではなく、当該分野で用いらる架橋剤の中から適宜選択して用いることができる。
具体的には、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素、グリコールウリル等のアミノ基含有化合物に、ホルムアルデヒド又はホルムアルデヒドと低級アルコールとを反応させ、アミノ基の水素原子をヒドロキシメチル基又は低級アルコキシメチル基で置換した化合物;エチレンオキシド構造部分を2つ以上有する脂肪族炭化水素等が挙げられる。これらのうち、特に、尿素を用いたものを尿素系架橋剤、エチレン尿素及びプロピレン尿素等のアルキレン尿素を用いたものをアルキレン尿素系架橋剤、グリコールウリルを用いたものをグリコールウリル系架橋剤と称し、なかでも、尿素系架橋剤、アルキレン尿素系架橋剤及びグリコールウリル系架橋剤等が好ましく、グリコールウリル系架橋剤がより好ましい。
尿素系架橋剤としては、尿素とホルムアルデヒドとを反応させて、アミノ基の水素原子をヒドロキシメチル基で置換した化合物、尿素とホルムアルデヒドと低級アルコールとを反応させて、アミノ基の水素原子を低級アルコキシメチル基で置換した化合物等が挙げられる。具体的には、ビスメトキシメチル尿素、ビスエトキシメチル尿素、ビスプロポキシメチル尿素、ビスブトキシメチル尿素等が挙げられる。なかでもビスメトキシメチル尿素が好ましい。
アルキレン尿素系架橋剤としては、一般式(XIX)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2009175660
式中、RとRは、それぞれ独立に、水酸基又は低級アルコキシ基であり、R8’とR9’は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基又は低級アルコキシ基であり、vは0又は1〜2の整数である。
8’とR9’が低級アルコキシ基であるとき、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基であり、直鎖状でもよく分岐状でもよい。R8’とR9’は同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。同じであることがより好ましい。
とRが低級アルコキシ基であるとき、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基であり、直鎖状でもよく分岐状でもよい。RとRは同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。同じであることがより好ましい。
vは0又は1〜2の整数であり、好ましくは0又は1である。
アルキレン尿素系架橋剤としては、特に、vが0である化合物(エチレン尿素系架橋剤)及び/又はvが1である化合物(プロピレン尿素系架橋剤)が好ましい。
上記一般式(XIII)で表される化合物は、アルキレン尿素とホルマリンを縮合反応させることにより、また、この生成物を低級アルコールと反応させることにより得ることができる。
アルキレン尿素系架橋剤の具体例としては、モノ及び/又はジヒドロキシメチル化エチレン尿素、モノ及び/又はジメトキシメチル化エチレン尿素、モノ及び/又はジエトキシメチル化エチレン尿素、モノ及び/又はジプロポキシメチル化エチレン尿素、モノ及び/又はジブトキシメチル化エチレン尿素等のエチレン尿素系架橋剤;モノ及び/又はジヒドロキシメチル化プロピレン尿素、モノ及び/又はジメトキシメチル化プロピレン尿素、モノ及び/又はジエトキシメチル化プロピレン尿素、モノ及び/又はジプロポキシメチル化プロピレン尿素、モノ及び/又はジブトキシメチル化プロピレン尿素等のプロピレン尿素系架橋剤;1,3−ジ(メトキシメチル)4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ(メトキシメチル)−4,5−ジメトキシ−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
グリコールウリル系架橋剤としては、N位がヒドロキシアルキル基及び炭素数1〜4のアルコキシアルキル基の一方又は両方で置換されたグリコールウリル誘導体が挙げられる。このグリコールウリル誘導体は、グリコールウリルとホルマリンとを縮合反応させることにより、また、この生成物を低級アルコールと反応させることにより得ることができる。
グリコールウリル系架橋剤は、例えば、モノ,ジ,トリ及び/又はテトラヒドロキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリ及び/又はテトラメトキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリ及び/又はテトラエトキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリ及び/又はテトラプロポキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリ及び/又はテトラブトキシメチル化グリコールウリル等が挙げられる。
架橋剤(C)は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
架橋剤(C)の含有量は、樹脂(A)成分100質量部に対して0.5〜30質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましく、1〜5質量部が最も好ましい。この範囲とすることにより、架橋形成が充分に進行し、良好なレジストパターンを得ることができるとともに、レジスト塗布液の保存安定性が良好となり、感度の経時的劣化を抑制することができる。
なお、本発明で用いられるレジスト組成物は、熱酸発生剤を含有してもよいが、含有しないことが好ましい。ここで熱酸発生剤とは、その熱酸発生剤が用いられているレジストのハードベーク温度(後述)より低い温度では安定であるが、ハードベーク温度以上では分解し、酸を発生する化合物を指し、これに対し、光酸発生剤とはプリベーク温度(後述)やポストエキスポージャーベーク温度(後述)で安定であり、露光により酸を発生する化合物を指す。これらの区別は本発明の使用態様に応じて流動的となりうる。すなわち、同一のレジストにおいて、適用されるプロセス温度によって熱酸発生剤と光酸発生剤の両方として機能したり、光酸発生剤としてのみ機能する場合がある。また、あるレジスト中では熱酸発生剤として機能しないが、他のレジスト中では熱酸発生剤として機能する場合がある。
熱酸発生剤としては、例えば、ベンゾイントシレート、ニトロベンジルトシレート(特に、4−ニトロベンジルトシレート)、および他の有機スルホン酸のアルキルエステルのような種々の公知の熱酸発生剤が挙げられるが、本発明においては、これらの熱酸発生剤を用いないことが好ましい。ただし、熱酸発生剤を用いる場合には、樹脂(A)100質量部に対して0.05質量部程度以下に抑えることが適している。
また、本発明で用いられるレジスト組成物は、塩基性化合物、好ましくは、塩基性含窒素有機化合物、とりわけアミン又はアンモニウム塩を含有させることが好ましい。塩基性化合物を添加することにより、この塩基性化合物をクエンチャーとして作用させて、露光後の引き置きに伴う酸の失活による性能劣化を改良することができる。塩基性化合物を用いる場合は、レジスト組成物の全固形分量を基準に、0.01〜1重量%程度の範囲で含有することが好ましい。
このような塩基性化合物の例としては、以下の各式で示されるようなものが挙げられる。
Figure 2009175660
式中、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。アルキル基は、好ましくは1〜6個程度の炭素原子を有し、シクロアルキル基は好ましくは5〜10個程度の炭素原子を有し、アリール基は、好ましくは6〜10個程度の炭素原子を有する。
13、R14及びR15は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアルコキシ基を表す。アルキル基、シクロアルキル基、アリール基は、R11及びR12と同様のものが例示される。アルコキシ基は、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する。
16は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。アルキル基、シクロアルキル基は、R11及びR12と同様のものが例示される。
17、R18、R19及びR20は、それぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。アルキル基、シクロアルキル基、アリール基はR11、R12及びR17と同様のものが例示される。
さらに、これらアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基上の水素原子の少なくとも1個は、それぞれ独立に、ヒドロキシル基、アミノ基、又は1〜6個程度の炭素原子を有するアルコキシ基で置換されていてもよい。このアミノ基上の水素原子の少なくとも1個は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基で置換されていてもよい。
Wは、アルキレン基、カルボニル基、イミノ基、スルフィド基又はジスルフィド基を表す。アルキレン基は、好ましくは2〜6程度の炭素原子を有する。
また、R11〜R20において、直鎖構造と分岐構造の両方をとり得るものについては、そのいずれでもよい。
このような化合物の具体例としては、特開2006−257078号公報に例示されているものが挙げられる。
また、特開平11−52575号公報に開示されているような、ピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物をクエンチャーとして用いることもできる。
本発明で用いられるレジスト組成物は、さらに、必要に応じて、増感剤、溶解抑止剤、他の樹脂、界面活性剤、安定剤、染料等、当該分野で公知の各種添加物を含有してもよい。
本発明で用いられるレジスト組成物は、通常、上記の各成分が溶剤に溶解された状態でレジスト液組成物として用いられる。そして、このようなレジスト組成物は、少なくとも第1のレジスト組成物として用いられる。これによって、いわゆるダブルイメージング法に用いることができ、このダブルイメージング法において、レジスト塗布、露光、現像という過程を2回繰り返すことでパターンピッチが半減した微細なレジストパターンを得ることができる。このような工程は、3回以上の複数回(N回)繰り返してもよい。これによって、パターンピッチが1/Nとなったさらに微細なレジストパターンを得ることが可能となる。本発明は、こようなダブル、トリプルイメージング法及びマルチプルイメージング法において好適に適用することができる。
なお、上述したレジスト組成物は、第2のレジスト組成物として用いてもよい。この場合、必ずしも第1のレジスト組成物と同一組成でなくてもよい。
本発明のレジスト処理方法では、まず、上述したレジスト液組成物(以下、第1のレジスト組成物と記することがある)を、基体上に塗布、乾燥して、第1のレジスト膜を得る。ここでの、第1のレジスト膜の膜厚は、特に限定されるものではないが、膜厚方向において、後工程における露光、現像が十分に行える程度以下に設定することが適しており、例えば、0.数μm〜数mm程度が挙げられる。
基体としては、特に限定されるものではなく、例えば、シリコンウェハ等の半導体基板、プラスチック、金属又はセラミックス基板、絶縁膜、導電膜等がこれら基板上に形成されたもの等、種々のものが利用できる。
組成物の塗布方法としては、特に限定されず、スピンコーティング等の通常工業的に用いられている方法を利用することができる。
レジスト液の組成物を得るために用いられる溶剤は、各成分を溶解し、適当な乾燥速度を有し、溶剤が蒸発した後に均一で平滑な塗膜を与えるものであれば、いかなるものでも用いることができるが、通常、当該分野で一般に用いられている溶剤が適している。
例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールエーテル類、乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチルのようなエステル類、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノンのようなケトン類、γ−ブチロラクトンのような環状エステル類等が挙げられる。これらの溶剤は、それぞれ単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
乾燥は、例えば、自然乾燥、通風乾燥、減圧乾燥などが挙げられる。具体的な加熱温度は、10〜120℃程度が適しており、25〜80℃程度が好ましい。加熱時間は、10秒間〜60分間程度が適しており、30秒間〜30分間程度が好ましい。
次いで、得られた第1のレジスト膜をプリベークする。プリベークは、例えば、80〜140℃程度の温度範囲で、例えば、30秒間〜10分間程度の範囲が挙げられる。
続いて、パターニングのための露光処理を施す。露光処理は、例えば、走査露光型であるスキャニングステッパー型の投影露光装置(露光装置)等、当該分野で通常用いられる露光装置等を用いて行うことが好ましい。露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、F2レーザ(波長157nm)のような紫外域のレーザ光を放射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からのレーザ光を波長変換して遠紫外域または真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの等、種々のものを用いることができる。
その後、得られた第1のレジスト膜をポストエクスポージャーベークする。この熱処理により、脱保護基反応を促進させることができる。ここでの熱処理は、例えば、70〜140℃程度の温度範囲で、例えば、30秒間〜10分間程度の範囲が挙げられる。
続いて、第1のアルカリ現像液で現像し、第1のレジストパターンを得る。このアルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液を用いることができ、通常、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が用いられる。
その後、得られた第1のレジストパターンに対して、ハードベークする。この熱処理により、架橋反応を促進させることができる。ここでの加熱処理は、例えば、120〜250℃程度の比較的高温の温度範囲で、例えば、30秒間〜10分間程度の範囲が挙げられる。
さらに、上述したレジスト組成物を用いて形成された第1のレジストパターンの上に、第2のレジスト組成物を塗布し、乾燥させて第2のレジスト膜を形成する。これを、プリベークし、パターニングのための露光処理を施し、任意に加熱処理、通常、ポストエキスポージャーベークを行う。その後、第2のアルカリ現像液で現像することにより、第2のレジストパターンを形成することができる。
第2のレジスト組成物に対する塗布、乾燥、プリベーク、露光、ポストエクスポーシャーベーク等の条件は、第1のレジスト組成物に対するものと同様の条件が例示される。
第2のレジスト組成物の組成は特に限定されず、ネガ型及びポジ型のいずれのレジスト組成物を用いてもよく、当該分野で公知のもののいずれをも用いることができる。また、上述したレジスト組成物のいずれを用いてもよく、この場合、必ずしも第1のレジスト組成物と同一のものでなくてもよい。
本発明では、ダブルイメージング法を行うことにより2回以上の露光、現像、複数回の加熱処理等に付された場合においても、依然としてその形状を保持して、パターン自体の変形等を生じない第1のレジスト膜を用い、それによって、極微細なパターンを実現することができる。
次に、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。例中、含有量ないし使用量を表す%および部は、特記しないかぎり重量基準である。また、重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーにより求めた値である。なお、測定条件は下記のとおりである。
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3+guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
樹脂合成で使用したモノマーを下記に示す。
Figure 2009175660
樹脂合成例1:樹脂Y1の合成
温度計、還流管を装着した4つ口フラスコに1,4−ジオキサン55.55部を仕込み、窒素ガスで30分間バブリングを行った。窒素シール下で70℃まで昇温した後、上記の図で示されるモノマーB 30.00部、C 11.22部、D 5.79部、E 24.03部、F 21.54部、アゾビスイソブチロニトリル0.54部、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル2.43部、1,4−ジオキサン83.33部を混合した溶液を、70℃を保ったまま2時間かけて滴下した。滴下終了後70℃で5時間保温した。冷却後、その反応液を1,4−ジオキサン101.84部で希釈した。この希釈したマスを、1204部のメタノール中へ攪拌しながら注ぎ、析出した樹脂を濾取した。濾物をメタノール1204部の液に投入し攪拌後濾過を行った。得られた濾過物を同様の液に投入、攪拌、濾過の操作を、さらに4回行った。その後減圧乾燥を行い65.4部の樹脂を得た。この樹脂をY1とする。収率:71%、Mw:12784、Mw/Mn:1.52、Tg:154.7℃。
樹脂合成例2:樹脂Y2の合成
樹脂合成例1において、アゾビスイソブチロニトリル0.67部、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル3.04部とし、反応温度を65℃とする以外、樹脂合成例1と同様の方法で合成し、66.4部の樹脂を得た。この樹脂をY2とする。収率:72%、Mw:14364、Mw/Mn:1.63、Tg:153.6℃。
樹脂合成例3:樹脂Y3の合成
樹脂合成例1において、反応温度を65℃とする以外、樹脂合成例1と同様の方法で合成し、68.2部の樹脂を得た。この樹脂をY3とする。収率:74%、Mw:16818、Mw/Mn:1.67、Tg:155.7℃。
樹脂合成例4:樹脂Y4の合成
樹脂合成例1において、アゾビスイソブチロニトリル0.34部、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル1.52部とし、反応温度を60℃とする以外、樹脂合成例1と同様の方法で合成し、72.4部の樹脂を得た。この樹脂をY4とする。収率:78%、Mw:25808、Mw/Mn:1.83、Tg:157.7℃。
樹脂合成例5:樹脂Y5の合成
樹脂合成例1において、アゾビスイソブチロニトリル0.20部、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル0.91部とし、反応温度を60℃とする以外、樹脂合成例1と同様の方法で合成し、71.5部の樹脂を得た。この樹脂をY5とする。収率:77%、Mw:36215、Mw/Mn:1.88、Tg:158.2℃。
樹脂合成例6:樹脂Y6の合成
温度計、還流管を装着した4つ口フラスコに1,4−ジオキサン27.78部を仕込み、窒素ガスで30分間バブリングを行った。その後、窒素シール下で73℃まで昇温した後、上記の図で示されるモノマーB 15.00部、C 5.61部、モノマーD 2.89部、E 12.02部、モノマーF 10.77部、アゾビスイソブチロニトリル0.34部、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル1.52部、1,4−ジオキサン63.85部を混合した溶液を、73℃を保ったまま2時間かけて滴下した。滴下終了後73℃で5時間保温した。冷却後、その反応液を1,4−ジオキサン50.92部で希釈した。この希釈したマスを、メタノール481部、イオン交換水120部の混合液中へ攪拌しながら注ぎ、析出した樹脂を濾取した。濾物をメタノール301部の液に投入し攪拌後濾過を行った。得られた濾過物を同様の液に投入、攪拌、濾過の操作を、更に2回行った。その後減圧乾燥を行い37.0部の樹脂を得た。この樹脂を2とする。収率:80%、Mw:7883、Mw/Mn:1.96。
Figure 2009175660
樹脂合成例7:樹脂1の合成
温度計、還流管を装着した4つ口フラスコにメチルイソブチルケトン24.36部を仕込み、窒素ガスで30分間バブリングを行った。窒素シール下で72℃まで昇温した後、上記の図で示されるモノマーA 16.20部、D 11.56部、F 8.32部、アゾビスイソブチロニトリル0.27部、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル1.22部、メチルイソブチルケトン29.77部を混合した溶液を、72℃を保ったまま2時間かけて滴下した。滴下終了後72℃で5時間保温した。冷却後、その反応液をメチルイソブチルケトン39.69部で希釈した。この希釈したマスを、469部のメタノール中へ攪拌しながら注ぎ、析出した樹脂を濾取した。濾物をメタノール235部の液に投入し攪拌後濾過を行った。得られた濾過物を同様の液に投入、攪拌、濾過の操作を、さらに2回行った。その後減圧乾燥を行い22.7部の樹脂を得た。この樹脂を1とする。収率:63%、Mw:10124、Mw/Mn:1.40。
Figure 2009175660
光酸発生剤合成例1:トリフェニルスルホニウム 4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(光酸発生剤1)の合成
(1)ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチルエステル100部、イオン交換水250部に、氷浴下、30%水酸化ナトリウム水溶液230部を滴下した。100℃で3時間還流し、冷却後、濃塩酸88部で中和した。得られた溶液を濃縮することによりジフルオロスルホ酢酸 ナトリウム塩を164.8部得た(無機塩含有、純度62.6%)。
(2)ジフルオロスルホ酢酸 ナトリウム塩5.0部(純度62.8%)、4−オキソ−1−アダマンタノール2.6部、エチルベンゼン100部を仕込み、濃硫酸0.8部を加え、30時間加熱還流した。冷却後、濾過、tert−ブチルメチルエーテルで洗浄し、ジフルオロスルホ酢酸−4−オキソ−1−アダマンチルエステル ナトリウム塩を5.5部得た。1H−NMRによる純度分析の結果、純度35.6%であった。
Figure 2009175660
(3)ジフルオロスルホ酢酸−4−オキソ−1−アダマンチルエステル ナトリウム塩5.4部(純度35.6%)を仕込み、アセトニトリル16部、イオン交換水16部の混合溶媒を加えた。これに、トリフェニルスルホニウム クロライド1.7部、アセトニトリル5部、イオン交換水5部の溶液を添加した。15時間撹拌後、濃縮し、クロロホルム142部で抽出した。有機層をイオン交換水で洗浄し、得られた有機層を濃縮した。濃縮液をtert−ブチルメチルエーテル24部でリパルプすることにより白色固体としてトリフェニルスルホニウム 4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(光酸発生剤1)を1.7部得た。
Figure 2009175660
光酸発生剤合成例2:トリフェニルスルホニウム 1−((3−ヒドロキシアダマンチル)メトキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホナート(光酸発生剤3)の合成
(1)ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチルエステル100部、イオン交換水150部に、氷浴下、30%水酸化ナトリウム水溶液230部を滴下した。100℃で3時間還流し、冷却後、濃塩酸88部で中和した。得られた溶液を濃縮することによりジフルオロスルホ酢酸 ナトリウム塩を164.4部得た(無機塩含有、純度62.7%)。
(2)ジフルオロスルホ酢酸 ナトリウム塩1.9部(純度62.7%)、N,N−ジメチルホルムアミド9.5部に、1,1’−カルボニルジイミダゾール1.0部を添加し2時間撹拌した。この溶液を、3−ヒドロキシアダマンチルメタノール1.1部、N,N−ジメチルホルムアミド5.5部に、水素化ナトリウム0.2部を添加し、2時間撹拌した溶液に添加した。15時間撹拌後、生成したジフルオロスルホ酢酸−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメチルエステル ナトリウム塩をそのまま次の反応に用いた。
Figure 2009175660
(3)上記(2)で得られたジフルオロスルホ酢酸−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメチルエステル ナトリウム塩の溶液に、クロロホルム17.2部、14.8%トリフェニルスルホニウム クロライド水溶液2.9部添加した。15時間撹拌後、分液し、水層をクロロホルム6.5部で抽出した。有機層を合わせてイオン交換水で洗浄し、得られた有機層を濃縮した。濃縮液にtert−ブチルメチルエーテル5.0部を添加し、撹拌後濾過することにより白色固体としてトリフェニルスルホニウム 1−((3−ヒドロキシアダマンチル)メトキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホナート(光酸発生剤3)を0.2部得た。
Figure 2009175660
実施例及び比較例
以下の各成分を混合して溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、各レジスト組成物を調製した。
Figure 2009175660
なお、表1において、用いた各成分を以下に示す。
<架橋剤>
架橋剤1
Figure 2009175660
<熱酸発生剤>
熱酸発生剤1:
Figure 2009175660
<クエンチャー>
クエンチャー1:テトラブチルアンモニウムハイドライド
クエンチャー2:2,6−ジイソプロピルアニリン
Figure 2009175660
クエンチャー3:ルチジン
クエンチャー4:テトラメチルアンモニウムハライド
Figure 2009175660
<溶剤>
PMEG溶媒1:
プロピレングリコールモノメチルエーテル 285部
2−ヘプタノン 35部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 20部
γ−ブチロラクトン 3部
PMEG溶媒2:
プロピレングリコールモノメチルエーテル 255部
2−ヘプタノン 35部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 20部
γ−ブチロラクトン 3部
PMEG溶媒3:
プロピレングリコールモノメチルエーテル 170部
2−ヘプタノン 35部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 20部
γ−ブチロラクトン 3部
実施例1
シリコンウェハに、Brewer社製の有機反射防止膜用組成物である「ARC−29A−8」を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって厚さ780Åの有機反射防止膜を形成し、この上に、表1の実施例1のレジスト組成を上記PMEG溶媒1に溶解したレジスト液を、乾燥後の膜厚が0.08μmとなるようにスピンコートした。
レジスト液塗布後、ダイレクトホットプレート上にて、90℃で60秒間プリベークした。
このようにして得られたレジスト膜を、各ウェハに、ArFエキシマステッパー〔キャノン製の「FPA5000−AS3」、NA=0.75、2/3Annular〕及び線幅:100nmである1:1のラインアンドスペースパターンを有するマスクを用い、露光量を35mJ/cmでパターンを露光した。
露光後、ホットプレート上にて、80℃で60秒間、ポストエキスポジャーベークを行った。
さらに、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行って、所望のパターンを形成した。
その後、150℃の温度で60秒間、ハードベークを行った。
得られた第1のラインアンドスペースパターンを走査型電子顕微鏡で観察したところ、良好で精密なパターンが形成されていることが確認された。
続いて、得られた第1のラインアンドスペースパターン上に、第2のレジスト液として、表1の参考例Aのレジスト組成を上記PMEG溶媒2に溶解したレジスト液を、乾燥後の膜厚が0.08μmとなるように塗布した。
第2のレジスト液塗布後、ダイレクトホットプレート上にて、85℃で60秒間プリベークした。
このようにして得られた第2のレジスト膜を、各ウェハに、ArFエキシマステッパー〔キャノン製の「FPA5000−AS3」、NA=0.75、2/3Annular〕を用い、パターンを90°回転させ、第1のラインアンドスペースパターンに対して直交するように第2のラインアンドスペースパターンを露光量29mJ/cmで露光した。
露光後、ホットプレート上にて、85℃で60秒間、ポストエキスポジャーベークを行った。
さらに、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行って、最終的に格子状のパターンを形成した。
得られた第1及び第2のラインアンドスペースパターンを走査型電子顕微鏡で観察したところ、第1のラインアンドスペースパターン上に第2のラインアンドスペースパターンが、良好な形状で形成されているとともに、第1のラインアンドスペースパターン形状が維持されており、全体として、良好なパターンが形成されていることが確認された。また、断面形状も良好であった。
実施例2〜6
表1に示すレジスト組成物を用いる以外、実質的に実施例1と同様に第1のラインアンドスペースパターンを作成し、走査型電子顕微鏡で観察した。その結果、良好で精密なパターンが形成されていることが確認された。
続いて、実施例1と同様に、得られた第1のラインアンドスペースパターン上に、第2のラインアンドスペースパターンを作成し、走査型電子顕微鏡で観察した。その結果、第1のラインアンドスペースパターン上に第2のラインアンドスペースパターンが、良好な形状で形成されているとともに、第1のラインアンドスペースパターン形状が維持されており、全体として、良好なパターンが形成されていることが確認された。また、断面形状も良好であった。
実施例7
樹脂合成例1において、アゾビスイソブチロニトリル0.60部、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル2.74部とする以外、実質的に同様に、Mw=10000の樹脂を得る。
この樹脂を、表1における実施例1の樹脂(A)に変更する以外は、実質的に実施例1と同様に第1及び第2のラインアンドスペースパターンを作成する。
その結果、実施例1と同様に良好なパターンが得られる。
実施例8
樹脂合成例1において、アゾビスイソブチロニトリル0.17部、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル0.79部とし、反応温度を60℃とする以外、実質的に同様に、Mw=40000の樹脂を得る。
この樹脂を、表1における実施例1の樹脂(A)に変更する以外は、実質的に実施例1と同様に第1及び第2のラインアンドスペースパターンを作成する。
その結果、実施例1と同様に良好なパターンが得られる。
比較例1〜3
表1に示す、分子量の比較的小さな樹脂(A)を使用したレジスト組成物を用いる以外、実質的に実施例1と同様に第1のラインアンドスペースパターンを作成し、走査型電子顕微鏡で観察した。
その結果、得られたレジストパターン、特に第1のラインアンドスペースパターンは、一部において溶解したり、ラインパターン幅が細くなっている部分が認められ、良好なパターンが認められなかった。
特に、比較例3のように、熱酸発生剤を用いた場合には、第1のラインアンドスペースパターンの溶解が顕著であった。
比較例4
樹脂合成例1において、アゾビスイソブチロニトリル1.34部のみを開始剤として仕込み、反応温度を60℃とする以外、実質的に同様に、Mw=70620の樹脂を得た。
この樹脂を、表1における実施例1の樹脂(A)に変更する以外は、実質的に実施例1と同様に第1及び第2のラインアンドスペースパターンを作成した。
その結果、露光時には、ところどころで塊状態となり、現像液による溶解が全く認められず、ラインアンドスペースのパターンに成形されなかった。
本発明のレジスト処理方法によれば、ダブルパターニング法又はダブルイメージング法等のマルチパターニング法又はマルチイメージング法において、1回目のレジストパターン形成用のレジスト組成物によって得られたレジストパターンを、極微細に、かつ精度良く形成することが可能となる。

Claims (8)

  1. (1)酸に不安定な基を有し、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸と作用してアルカリ水溶液に溶解し得る樹脂(A)、光酸発生剤(B)及び架橋剤(C)を含有し、樹脂(A)の重量平均分子量が10000以上、40000以下である第1のレジスト組成物を、基体上に塗布し、乾燥して第1のレジスト膜を得る工程、
    (2)第1のレジスト膜をプリベークする工程、
    (3)第1のレジスト膜を露光処理する工程、
    (4)第1のレジスト膜をポストエクスポージャーベークする工程、
    (5)第1のアルカリ現像液で現像して第1のレジストパターンを得る工程、
    (6)第1のレジストパターンをハードベークする工程、
    (7)第1のレジストパターンの上に、第2のレジスト組成物を塗布し、乾燥して第2のレジスト膜を得る工程、
    (8)第2のレジスト膜をプリベークする工程、
    (9)第2のレジスト膜を露光処理する工程、
    (10)第2のレジスト膜をポストエクスポージャーベークする工程、及び、
    (11)第2のアルカリ現像液で現像して第2のレジストパターンを得る工程、
    を含むレジスト処理方法。
  2. 架橋剤(C)は、尿素系架橋剤、アルキレン尿素系架橋剤及びグリコールウリル系架橋剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載のレジスト処理方法。
  3. 架橋剤(C)の含有量は、樹脂100質量部に対して、0.5〜30質量部である請求項1又は2記載のレジスト処理方法。
  4. 樹脂(A)の酸に不安定な基は、エーテル結合のα位が4級炭素原子であるアルキルエステル又はラクトン環を有する基、あるいはカルボン酸エステルを有する基である請求項1〜3のいずれか記載のレジスト処理方法。
  5. 光酸発生剤(B)は、式(I)で表される化合物である請求項1〜4のいずれか1つに記載のレジスト処理方法。
    Figure 2009175660
    (式中、Raは炭素数1〜6の直鎖または分岐の炭化水素基、あるいは炭素数3〜30の環式炭化水素基を表し、Raが環式炭化水素基である場合は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基、エーテル基、エステル基、ヒドロキシ基又はシアノ基の1以上が置換されていてもよい。A+は有機対イオンを表す。Y1、Y2は、それぞれ独立に、フッ素原子または炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。)
  6. 光酸発生剤(B)は、式(III)で表される化合物である請求項1〜4のいずれか記載のレジスト処理方法。
    Figure 2009175660
    (式中、Y1、Y2は、それぞれ独立して、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表し、Xは−OH又は−Y−OHを表し(ここで、Yは、炭素数1〜6の直鎖又は分岐アルキレン基である)、nは1〜9の整数を表し、A+は有機対イオンを表す。)
  7. 光酸発生剤(B)は、式(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)及び(IV)からなる群から選択される1種以上のカチオンを含む化合物である請求項1〜6のいずれか記載のレジスト処理方法。
    Figure 2009175660
    Figure 2009175660
    (式中、P1〜P5、P10〜P21は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。P6、P7は、それぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基であるか、P6とP7とが結合して、炭素数3〜12の2価の炭化水素基を表す。P8は水素原子を表し、P9は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又は置換されていてもよい芳香族基を表すか、P8とP9とが結合して、炭素数3〜12の2価の炭化水素基を表す。Dは、硫黄原子又は酸素原子を表す。mは、0又は1、rは1〜3の整数を表す。)
  8. 樹脂(A)の重量平均分子量が12000以上、40000以下である請求項1〜7のいずれか記載のレジスト処理方法。
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