JP2009175571A - 画像表示装置及び光学特性の調整方法 - Google Patents

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JP2009175571A JP2008015879A JP2008015879A JP2009175571A JP 2009175571 A JP2009175571 A JP 2009175571A JP 2008015879 A JP2008015879 A JP 2008015879A JP 2008015879 A JP2008015879 A JP 2008015879A JP 2009175571 A JP2009175571 A JP 2009175571A
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Abstract

【課題】光学素子の光学特性の調整を可能にすることによって、投射画像の色特性のばら
つきを低減する画像表示装置を提供すること。
【解決手段】照明光の入射角度に対応した光学特性を有する第1ダイクロイックミラー3
1aを移動機構70によって素子面3cをCD方向、すなわち特性変化方向に移動するこ
とにより、照明光の入射位置が調整され、位置ずれに対応する差分の特性変動が生じる。
そのため、素子面3c内に入射する照明光に対する作用の調整が可能になる。これにより
、製品の厚みのばらつきや照明光の入射角度のばらつきによる光学特性への影響を低減す
ることができ、画像表示装置100の色特性のばらつきを抑えることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、照明光学系によって液晶パネル等を照明し、液晶パネル等の像を投射する画
像表示装置及び光学特性の調整方法に関する。
画像表示装置において、ダイクロイックミラー等の光学素子は、光線入射角度依存性が
あり、光線入射角度ごとに光学特性(具体的には例えばカットオフ半値波長)が変わる。
そのため、例えば色分離光学系内で光軸に対して傾斜して配置されるダイクロイックミラ
ーの光学特性が面内で変わり、画像表示装置の色特性にばらつきが生じるという問題があ
る。そこで、ダイクロイックミラーの多層膜の左右に特性傾斜をもたせることで、ダイク
ロイック特性を入射角に合わせて変化させ、入射光線の角度依存性を打ち消すものがある
(例えば、特許文献1参照)。また、ダイクロイックミラーの位置に応じて特定方向に傾
斜した厚さムラ又は屈折率ムラを設け、光学特性のずれを防止するものがある(例えば、
特許文献2参照)。また、入射光の入射角度分布に従うように、光学変換膜を基板に対し
て傾斜して形成することにより、一様な反射特性を有する光学フィルタを用いて投射画像
の色ムラの発生を防止するものがある(例えば、特許文献3参照)。また、光源から射出
された光束の所定のスペクトル成分を除去する光学フィルタを光源装置から光変調装置ま
での光路中に所定角度傾斜して配設することにより、投射画像の色ムラを低減するものが
ある(例えば、特許文献4参照)。ここで、カットオフ半値波長とは、透過率が50%と
なる波長をいう。
特開平3−291644号公報 特開平6−18834号公報 特開2004−45482号公報 特開2007−65496号公報
しかしながら、製造上、ダイクロイックミラーの光学特性にはばらつきがあるため、ダ
イクロイックミラーが固定されている特許文献1及び2のダイクロイックミラーは、各製
品の光学特性のばらつきに対して対応できないという問題がある。なお、特許文献3及び
4の光学フィルタは、光路を分岐するものではない。また、特許文献4の光学フィルタは
、移動機構により移動可能であるが光学特性のばらつきの補正を目的とするものではない
そこで、本発明は、光学素子の光学特性の調整を可能にすることによって、投射画像の
色特性のばらつきを低減する画像表示装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、このような画像表示装置の光学特性を調整する光学特性の調整方法を
提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る画像表示装置は、光源光を射出する光源と、
光源光を均一化するための照明光学系と、照明光学系から射出された照明光を分離する色
分離光学系と、色分離光学系によって分離された光束によって照明される各色の光変調装
置と、色分離光学系の光路上にシステム光軸に対して所定角度に傾斜して配置され、照明
光のうち所定の波長成分を反射し、他の波長成分を透過することによって照明光を分岐す
るとともに、反射率及び透過率の少なくとも一方が素子面内で特性変化方向に沿って変化
している平板状の光学素子と、光学素子を特性変化方向に沿って移動させる調整機構と、
を備える。ここで、特性変化方向とは、光学素子の素子面内で光学特性の変化する方向で
ある。また、光学素子は、例えば照明光の入射角度に対応して変化する反射率や透過率を
入射角度に関連する特性変化方向に補正するものである。
上記画像表示装置では、照明光の入射角度に対応した光学特性を有する光学素子が、調
整機構によって素子面の特性変化方向に移動することにより、照明光の入射位置が調整さ
れ、位置ずれに対応する差分の特性変動が生じる。そのため、素子面内に入射する照明光
に対する作用、すなわち補正量の調整が可能になる。これにより、製品の厚みのばらつき
や照明光の入射角度のばらつきによる光学特性への影響を低減することができ、画像表示
装置の色特性のばらつきを抑えることができる。
また、本発明の具体的な態様又は観点では、所定角度の傾斜方向は、光学素子の特性変
化方向に対応する。この場合、素子面の所定角度の傾斜方向が、特性変化方向に対応する
ことにより、照明光のうち所定波長を効率よく透過又は反射させることができる。
また、本発明の別の態様によれば、光学素子は、基板に対して一方向に傾斜した厚さの
多層膜を有する。この場合、簡易に作製可能な多層膜により、照明光の入射角度に応じて
光学特性を変化させることができる。
また、本発明のさらに別の態様によれば、光学素子は、ガイドに案内された状態でアク
チュエータにより特性変化方向に沿って移動する。この場合、照明光の光学素子上の入射
位置をガイド等によって微調整することにより、素子面内に入射する照明光に対する光学
素子の作用の精密な調整が可能になる。
また、本発明のさらに別の態様によれば、光学素子は、ダイクロイックミラーである。
この場合、ダイクロイックミラーの光線入射角度依存性を補正することにより、照明光の
うち所定波長を効率よく透過又は反射させることができる。
また、本発明に係る光学特性の調整方法は、光源光を射出する光源と、光源光を均一化
するための照明光学系と、照明光学系から射出された照明光を分離する色分離光学系と、
色分離光学系によって分離された光束によって照明される各色の光変調装置と、を備える
画像表示装置の光学特性の調整方法であって、色分離光学系の光路上にシステム光軸に対
して所定角度に傾斜して配置され、照明光のうち所定の波長成分を反射し、他の波長成分
を透過することによって照明光を分岐するとともに、反射率及び透過率の少なくとも一方
が素子面内で特性変化方向に沿って変化している平板状の光学素子を特性変化方向に沿っ
て移動させることによって光学特性を特性変化方向にシフトさせる。
上記光学特性の調整方法では、光学素子を素子面の特性変化方向に移動させ、照明光の
入射位置を調整することにより、位置ずれに対応する差分の特性変動を生じさせることが
できる。そのため、素子面内に入射する照明光に対する作用の調整が可能になる。これに
より、製品の厚みのばらつきや照明光の入射角度のばらつきによる光学特性への影響を低
減することができ、画像表示装置の色特性のばらつきを抑えることができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る画像表示装置の構造等について説明
する。
図1は、実施形態の画像表示装置の構造を説明するための概念図である。この画像表示
装置100は、光源10と、照明光学系20と、色分離光学系30と、光変調装置である
液晶ライトバルブ40a、40b、40cと、クロスダイクロイックプリズム50と、投
射光学系である投射レンズ60とを備える。
上記画像表示装置100において、光源10は、例えば、高圧水銀ランプ等の像光形成
の必要に足る光量を有する略白色光を発生する光源装置であり、光源光を発生する発光管
10aと、発光管10aからの光源光を前方に反射する凹面鏡を有するリフレクタ10b
とを備える。
照明光学系20は、光源光を平行化する光平行化手段である平行化レンズ22と、光を
分割して重畳によって均一化するためのインテグレータ光学系を構成する第1及び第2フ
ライアイレンズ23a、23bと、光の偏光方向を揃える偏光変換素子24と、両フライ
アイレンズ23a、23bを経た光を重畳させる重畳レンズ25とを備え、略白色の照明
光を形成する。照明光学系20において、平行化レンズ22は、光源10から射出された
照明光の光束方向を略平行に変換する。第1及び第2フライアイレンズ23a、23bは
、それぞれマトリクス状に配置された複数の要素レンズからなり、第1フライアイレンズ
23aを構成する要素レンズによって平行化レンズ22を経た光を分割して個別に集光し
、第2フライアイレンズ23bを構成する要素レンズによって第1フライアイレンズ23
aからの分割光束を適当な発散角にして射出させる。偏光変換素子24は、PBS、ミラ
ー、位相差板等を一組の要素とするアレイで形成されており、第1フライアイレンズ23
aにより分割された各部分光束の偏光方向を一方向の直線偏光に揃える役割を有する。重
畳レンズ25は、偏光変換素子24を経た照明光を全体として適宜収束させて、後段の各
色の光変調装置である液晶ライトバルブ40a、40b、40cの被照明領域に対する重
畳照明を可能にする。
色分離光学系30は、第1及び第2ダイクロイックミラー31a、31bと、反射ミラ
ー32a、32b、32cと、3つのフィールドレンズ33a、33b、33cとを備え
る。ここで、第1及び第2ダイクロイックミラー31a、31bは、図1に示すように、
照明光学系20から延びるシステム光軸OAに対して45度傾斜して配置されている。色
分離光学系30は、照明光学系20により均一化された照明光を青(B)、緑(G)、及
び赤(R)の3色に分離するとともに、各色光を後段の液晶ライトバルブ40a、40b
、40cへ導く。より詳しく説明すると、まず、第1ダイクロイックミラー31aは、B
GRの3色のうちG光及びR光を透過させB光を反射する。また、第2ダイクロイックミ
ラー31bは、GRの2色のうちG光を反射しR光を透過させる。次に、この色分離光学
系30において、第1ダイクロイックミラー31aで反射されたB光は、反射ミラー32
aを経て入射角度を調節するためのフィールドレンズ33aに入射する。また、第1ダイ
クロイックミラー31aで透過し、第2ダイクロイックミラー31bで反射されたG光は
、入射角度を調節するためのフィールドレンズ33bに入射する。さらに、第2ダイクロ
イックミラー31bを透過したR光は、リレーレンズLL1、LL2及び反射ミラー32
b、32cを経て入射角度を調節するためのフィールドレンズ33cに入射する。
液晶ライトバルブ40a、40b、40cは、入射した照明光の空間的強度分布を変調
する非発光型の光変調装置であり、色分離光学系30から射出された各色光に対応してそ
れぞれ照明される。第1ダイクロイックミラー31aで反射されたB光は、フィールドレ
ンズ33a等を介して液晶ライトバルブ40aに入射する。第1ダイクロイックミラー3
1aを透過し、第2ダイクロイックミラー31bで反射されたG光は、フィールドレンズ
33b等を介して液晶ライトバルブ40bに入射する。第1及び第2ダイクロイックミラ
ー31a、31bを透過したR光は、フィールドレンズ33c等を介して液晶ライトバル
ブ40cに入射する。各液晶ライトバルブ40a、40b、40cは、それぞれに対応す
る各色の像光を形成する。
クロスダイクロイックプリズム50は、各液晶ライトバルブ40a、40b、40cか
らの各色の像光を合成する。より詳しく説明すると、クロスダイクロイックプリズム50
は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼
り合わせた界面には、X字状に交差する一対の誘電体多層膜51a、51bが形成されて
いる。一方の第1誘電体多層膜51aは、B光を反射し、他方の第2誘電体多層膜51b
は、R光を反射する。クロスダイクロイックプリズム50は、液晶ライトバルブ40aか
らのB光を誘電体多層膜51aで反射して進行方向右側に射出させ、液晶ライトバルブ4
0bからのG光を誘電体多層膜51a、51bを介して直進・射出させ、液晶ライトバル
ブ40cからのR光を誘電体多層膜51bで反射して進行方向左側に射出させる。このよ
うにして、クロスダイクロイックプリズム50によりB光、G光及びR光が合成され、カ
ラー画像による画像光である合成光が形成される。
投射レンズ60は、投射光学系であり、クロスダイクロイックプリズム50を経て形成
された合成光による画像光を所望の拡大率で拡大してスクリーン(不図示)上にカラーの
画像を投射する。
以下、図面を参照しつつ、色分離光学系30を構成する第1ダイクロイックミラー31
a及びその移動機構70について説明する。図2は、第1ダイクロイックミラー31aの
側断面の概念図である。
第1ダイクロイックミラー31aは、図1に示すように、照明光学系20から延びるシ
ステム光軸OAに対して45度傾斜して配置されている。図2において、第1ダイクロイ
ックミラー31aは、基板である透明な平板ガラス3aの一方の面に誘電体多層膜3bが
形成された構成となっている。誘電体多層膜3bは、平板ガラス3aに対して、CD方向
に一方向に傾斜した厚みで形成されている。誘電体多層膜3bの表面は、第1ダイクロイ
ックミラー31aの素子面3cとなっている。上述の画像表示装置100において、光源
10からの照明光が完全な平行光線ではないため、照明光の第1ダイクロイックミラー3
1aの素子面3cへの入射角度α、β、γは、第1ダイクロイックミラー31aの位置に
よって異なる。したがって、素子面3cには、素子面3c上の位置に応じて入射角が45
度からずれた照明光が入射する。このため、第1ダイクロイックミラー31aの誘電体多
層膜3bは、照明光の入射角度α、β、γに対応して異なる厚さに設定されており、光学
特性、例えば透過率特性が変化する構成となっている。つまり、CD方向は、第1ダイク
ロイックミラー31aの光学特性が変化する特性変化方向となっている。具体的に説明す
ると、図1及び図2において、第1ダイクロイックミラー31aの左側に入射する光線a
の入射角度βは第1ダイクロイックミラー31aの中心に入射する光線bの入射角度αよ
りも大きくなり誘電体多層膜3bの領域ALの厚さが領域ACの厚さよりも薄くなる。一
方、第1ダイクロイックミラー31aの右側に入射する光線cの入射角度γは入射角度α
よりも小さくなり誘電体多層膜3bの領域ARの厚さが領域ACの厚さよりも厚くなる。
なお、特性変化方向とは、第1ダイクロイックミラー31aの傾く方向、すなわちシステ
ム光軸OAに対して45度の傾斜方向に対応する。
図3は、第1ダイクロイックミラー31aに入射する照明光の波長とその透過率との関
係を示す図である。また、図4は、第1ダイクロイックミラー31aの領域ACにおける
透過率特性の入射角依存性を示す。なお、図3に示す透過率特性e、f、gは、素子面3
cへの入射角が45度のときのものであり、それぞれ図1及び図2の光線a、b、cが入
射する領域AL、AC、ARにおける透過率特性に対応する。また、図4に示す透過率特
性h、i、jは、領域ACにおいて素子面3cへ入射する照明光の入射角度αがそれぞれ
30度、45度、60度のときの透過率特性である。
図4に示すように、領域ACでは入射角度αが大きくなるほど半値波長が短波長側に移
動し、入射角度αが小さくなるほど半値波長が長波長側に移動する。これは他の領域AR
、ALでも同様である。つまり、入射角度β、γが大きくなるほど半値波長が短波長側に
移動し、入射角度β、γが小さくなるほど半値波長が長波長側に移動する。よって、図3
の関係を利用して、入射角度βが一般的に大きくなる領域ALにおいて入射角度βの増加
を相殺するように膜厚を薄くすることで、透過率特性eを透過率特性fに見かけ上シフト
させて領域ACの透過率特性と見かけ上一致させることができる。また、入射角度γが一
般的に小さくなる領域ARにおいて入射角度γの減少を相殺するように膜厚を厚くするこ
とで、透過率特性gを透過率特性fに見かけ上シフトさせて領域ACの透過率特性と見か
け上一致させることができる。このように、第1ダイクロイックミラー31aの光学特性
は、照明光の入射角度α、β、γに対応しているため、照明光の入射位置における透過率
が補正され、所定波長を透過又は反射させることができる。
ここで、第1ダイクロイックミラー31aの素子面3cの光学特性は、第1ダイクロイ
ックミラー31aの製品ごとに厚みのばらつきがあり、光学特性の半値波長が全体として
変化する。そのため、以下のように光学特性の調整機構である移動機構70によってその
ばらつきを調整する。
図5は、移動機構70を説明する概念図である。図5(A)は、第1ダイクロイックミ
ラー31aを移動機構70に取り付けた状態の正面図であり、図5(B)は、その側面図
である。移動機構70は、第1ダイクロイックミラー31aの外周を支える外枠71と、
外枠71を両側面から支え第1ダイクロイックミラー31aをスライド移動可能にする上
下一対のガイド72と、第1ダイクロイックミラー31aをCD方向に移動させるための
アクチュエータ73と、アクチュエータ73の動作を外枠71に伝達する伝達部74とを
備える。なお、ガイド72は、外枠71をはめ込むことにより外枠71を滑らかに摺動さ
せる溝72aを有する。
外枠71をアクチュエータ73及び伝達部74によりガイド72の溝72aに沿ってC
D方向に移動させることで、第1ダイクロイックミラー31aの誘電体多層膜3bの厚さ
分布がCD方向に沿ってシフトすることを利用して、第1ダイクロイックミラー31aの
光学特性を微調整することができる。この微調整は、例えば投射画像を見ながら行う。第
1ダイクロイックミラー31aは、移動機構70によりシステム光軸OAに対して45度
平面に配置されたままで誘電体多層膜3b(図2参照)の厚みが見かけ上全体的に増減し
光学特性が可変となる。
図6は、第1ダイクロイックミラー31aのCD方向の半値波長特性を示す図である。
横軸は、CD方向における第1ダイクロイックミラー31aの中心からの距離、縦軸は、
対応する位置の半値波長を示す。中心からの距離がプラスの方向に増加するにしたがって
半値波長が増加し、マイナスの方向に増加するにしたがって半値波長が減少するリニアな
関係を有する。ここで、実線で示す特性線f0は、設計値の半値波長特性を表し、一点鎖
線で示す特性線f1及び二点鎖線で示す特性線f2は、それぞれの半値波長が設計値より
プラスマイナス2nmずれたときの半値波長特性を表す。例えば、ある第1ダイクロイッ
クミラー31aにおいて、半値波長が2nmずれていた場合(特性線f1または特性線f
2)、この第1ダイクロイックミラー31aをCD方向に4mmずらせば、その位置に対
応して適切な厚さの誘電体多層膜3bを有する第1ダイクロイックミラー31aの半値波
長特性(特性線f0)となる。つまり、図5の移動機構70により第1ダイクロイックミ
ラー31aの位置が移動し、半値波長特性が調整される。
以上の説明から明らかなように、本実施形態の画像表示装置100では、照明光の入射
角度α、β、γに対応した光学特性を有する第1ダイクロイックミラー31aを移動機構
70によって素子面3cをCD方向、すなわち特性変化方向に移動することにより、照明
光の入射位置が調整され、例えば図6に示す特性線f1あるいは特性線f2から特性線f
0へと位置ずれに対応する差分の特性変動が生じる。そのため、素子面3c内に入射する
照明光に対する作用の調整が可能になる。これにより、製品の厚みのばらつきによる光学
特性への影響を低減することができ、画像表示装置100の色特性のばらつきを抑えるこ
とができる。
なお、この発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能
である。
以上で説明した画像表示装置100において、第1ダイクロイックミラー31aのみに
移動機構70を設けたが、第2ダイクロイックミラー31bにも移動機構70を設けても
よい。この場合にも、図7に示すように、第2ダイクロイックミラー31bは素子面3c
内に沿って移動し光学特性を調整する。また、ダイクロイックミラー以外の光学素子に移
動機構70を設けてもよい。また、移動機構70は、複数の光学素子に設けてもよい。
また、上記実施形態では、移動機構70により、第1ダイクロイックミラー31aの製
品ごとの厚みのばらつきによる光学特性の変動を調整したが、照明光の入射角度のばらつ
きによる光学特性の変動の調整もすることができる。この場合にも図6に示すような半値
波長特性の調整方法と同様となる。
また、上記実施形態では、光源10に用いるランプとして高圧水銀ランプを用いたが、
メタルハライドランプ等を用いてもよい。
また、上記実施形態では、第1ダイクロイックミラー31aを照明光学系20のシステ
ム光軸OAに対して45度に配置したが、光学素子によって光学特性が最適となる任意の
角度に配置してよい。
また、上記実施形態では、光源10からの光を複数の部分光束に分割するため、一対の
フライアイレンズ23a、23bを用いていたが、この発明は、このようなフライアイレ
ンズすなわちレンズアレイを用いない画像表示装置にも適用可能である。さらに、フライ
アイレンズ23a、23bをロッドインテグレータに置き換えることもできる。
また、上記実施形態では、光源10からの光を特定方向の偏光とする偏光変換素子24
を用いていたが、この発明は、このような偏光変換素子24を用いない画像表示装置にも
適用可能である。
また、上記実施形態では、透過型の画像表示装置に本発明を適用した場合の例について
説明したが、本発明は、反射型画像表示装置にも適用することが可能である。ここで、「
透過型」とは、液晶パネル等を含む液晶ライトバルブが光を透過するタイプであることを
意味しており、「反射型」とは、液晶ライトバルブが光を反射するタイプであることを意
味している。なお、光変調装置は液晶パネル等に限られず、例えばマイクロミラーを用い
た光変調装置であってもよい。
また、画像表示装置としては、投射面を観察する方向から画像投射を行う前面画像表示
装置と、投射面を観察する方向とは反対側から画像投射を行う背面画像表示装置とがある
が、図1等に示す画像表示装置の構成は、いずれにも適用可能である。
また、上記実施形態では、3つの液晶ライトバルブ40a〜40cを用いた画像表示装
置100の例のみを挙げたが、本発明は、1つの液晶パネルのみを用いた画像表示装置、
2つの液晶パネルを用いた画像表示装置、或いは、4つ以上の液晶パネルを用いた画像表
示装置にも適用可能である。
また、上記実施形態では、色分離光学系30や液晶ライトバルブ40a、40b、40
c等を用いて各色の光変調を行っているが、これらに代えて、例えば光源10及び照明光
学系20によって照明されるカラーホイールと、マイクロミラーの画素によって構成され
カラーホイールの透過光が照射されるデバイスとを組み合わせたものを用いることによっ
て、カラーの光変調及び合成を行うこともできる。
本発明の一実施形態に係る画像表示装置を説明する図である。 図1の第1ダイクロイックミラーの側断面の概念図である。 図1の第1ダイクロイックミラーの透過率特性を示す図である。 第1ダイクロイックミラーの領域ACにおける透過率特性の入射角依存性を示す図である。 (A)、(B)は、移動機構を説明する概念図である。 第1ダイクロイックミラーの半値波長特性を示す図である。 図1の画像表示装置の変形例を説明する図である。
符号の説明
10…光源、 20…照明光学系、 30…色分離光学系、 31a、31b…ダイク
ロイックミラー、 40a、40b、40c…液晶ライトバルブ、 50…クロスダイク
ロイックプリズム、 60…投射レンズ、 70…移動機構、 100…画像表示装置、
OA…システム光軸

Claims (6)

  1. 光源光を射出する光源と、
    前記光源光を均一化するための照明光学系と、
    前記照明光学系から射出された照明光を分離する色分離光学系と、
    前記色分離光学系によって分離された光束によって照明される各色の光変調装置と、
    前記色分離光学系の光路上にシステム光軸に対して所定角度に傾斜して配置され、前記
    照明光のうち所定の波長成分を反射し、他の波長成分を透過することによって前記照明光
    を分岐するとともに、反射率及び透過率の少なくとも一方が素子面内で特性変化方向に沿
    って変化している平板状の光学素子と、
    前記光学素子を前記特性変化方向に沿って移動させる調整機構と、
    を備える画像表示装置。
  2. 前記所定角度の傾斜方向は、前記光学素子の前記特性変化方向に対応する、請求項1記
    載の画像表示装置。
  3. 前記光学素子は、基板に対して一方向に傾斜した厚さの多層膜を有する、請求項1及び
    請求項2のいずれか一項記載の画像表示装置。
  4. 前記光学素子は、ガイドに案内された状態でアクチュエータにより前記特性変化方向に
    沿って移動する、請求項1から請求項3までのいずれか一項記載の画像表示装置。
  5. 前記光学素子は、ダイクロイックミラーである、請求項1から請求項4までのいずれか
    一項記載の画像表示装置。
  6. 光源光を射出する光源と、前記光源光を均一化するための照明光学系と、前記照明光学
    系から射出された照明光を分離する色分離光学系と、前記色分離光学系によって分離され
    た光束によって照明される各色の光変調装置と、を備える画像表示装置の光学特性の調整
    方法であって、
    前記色分離光学系の光路上にシステム光軸に対して所定角度に傾斜して配置され、前記
    照明光のうち所定の波長成分を反射し、他の波長成分を透過することによって前記照明光
    を分岐するとともに、反射率及び透過率の少なくとも一方が素子面内で特性変化方向に沿
    って変化している平板状の光学素子を前記特性変化方向に沿って移動させることによって
    光学特性を特性変化方向にシフトさせる光学特性の調整方法。
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