JP2009175130A - リアルタイム震度計とそれを用いた震度等の予知方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】気象庁指定の震度計で測定される震度に相当する震度をリアルタイムに、かつ安価に計測し、その計測結果に基づき被害と関連付けた尺度で地震動の強さを厳密に評価できるとともに制御用震度計としても利用可能なリアルタイム震度計とそれを用いた震度等の予知方法を提供する。
【解決手段】リアルタイム震度計1aは3方向の加速度成分を検出する加速度検出手段2と、A/D変換器3と、入力信号に帯域制限をかけ、あるいは特定の周波数成分を取り出すための処理を行うデジタルフィルタ4aと、複数の入力信号をベクトル合成するベクトル合成器5と、ベクトル合成器5から出力された合成信号に基づいてリアルタイム震度J及び計測震度相当値を計算する震度算出部6aと、リアルタイム震度Jの時間波形に基づいて地震の種別を判定するとともに地震防災用信号14を出力する判定部7と、地震防災用信号14に従って警報を発する警報部8とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、地震による揺れ(以下、地震動という。)の強さの尺度として従来用いられてきた加速度ではなく震度を採用し、特に、気象庁の検定に合格した既存の震度計で測定される震度に相当する震度をリアルタイムに計測すること(以下、このようにして計測される震度をリアルタイム震度という。)が可能なリアルタイム震度計とそれを用いた震度等の予知方法に関する。
地震波に含まれる主な位相は、地中を伝わるP波(初期微動)とS波(主要動)と地表を伝わる表面波がある。平均伝播速度はP波が最も速くS波の2倍弱であり、表面波はS波よりやや遅い。このため、地震動は、まず、P波によって引き起こされる。なお、P波が到達してからS波又は表面波が到達するまでに要する時間は震源から離れているほど長くなる。また、地震動の強さは、P波よりS波の方が大きく、S波と表面波とでは条件によりS波より表面波の方が大きいことがある。従って、地震による被害は主にS波又は表面波によって引き起こされる。
このような地震波の一般的性質を利用し、例えば、大きな地震動の原因となるS波や表面波の到達前にP波による地震動を検知して警報や制御信号を発するようにすれば、災害の防止及び軽減に対して非常に有用である。ただし、そのためには、S波や表面波による地震動の強さをP波の到達後にできるだけ早くかつ確実に予測するとともに、被害と関連付けた尺度で厳密に評価することが必要である。
従来、警報や制御信号を発する地震警報システムにおいて、地震動の強さの尺度として加速度が用いられており、その測定値が所定の閾値を超えた場合に警報や制御信号を出力する構成となっていた。しかしながら、上記システムでは、加速度を地震動の強さの尺度として用いるため、被害との関連が弱い高周波数帯の振幅に基づいて地震動の強さが判断されてしまうおそれがある。また、震源距離(観測点と震源を結ぶ地中の直線距離)とは無関係に、かつ、S波や表面波による地震動の強さを合理的に予測することもなく単純に閾値の設定のみに依存する構成となっているため、不必要な警報や制御信号が出力されてしまうという問題が生じていた。
また、P波の最大加速度振幅とS波の最大加速度振幅がほぼ比例することを利用した制御用地震計が、従来、エレベータ等の設備機器に使用されているが、この地震計はP波が一定値を超えた場合に、S波が機器の安全を脅かす値に達するものとして警報あるいは制御信号をS波の到達前に発する構成となっている。従って、誤差が大きく、S波による地震動の正確な予測が困難であった。そして、強い揺れを見逃さないためにはP波の監視レベルを低めに設定する必要があり、それが不要な警報や制御信号を発する原因となっていた。
ここで、気象庁が地震動の強さを示す尺度として採用している「震度階級」について説明する。震度は、歴史的には測定機器による測定値ではなく気象庁職員の体感に基づいて決定されていたが、その後、地震計による測定値に基づくように改められ、新たに計測震度が定義された。すなわち、計測震度とは気象庁の検定に合格した既存の震度計による測定結果に基づいて決定される値である。このようにして、一つの地震に対して一つの計測震度が定められる。なお、震度は○.○と表記され、小さな地震では負の値をとる場合もある。現在では、この計測震度を基に「震度階級」が決定されており、地震計による測定値から計測震度を得る計算法は、計測震度から得られる「震度階級」が、体感により決められてきた従来の「震度階級」に整合するように工夫されている。本願では計測震度を算用数字で「震度○、又は震度○.○」と表記し、震度階級をローマ数字で表記する。
このようにして定められた計測震度の定義では、地震計によって時系列的に得られた地震動の加速度の測定値に対して周波数0.6Hz(周期1.6秒)より低周波側(長周期側)と周波数10Hz(周期0.11秒) より高周波数側(短周期側)の測定値に対して急激な遮断フィルタが適用され、周波数0.6〜10Hzの周波数の測定値に対して平方根の逆数に比例するフィルタが適用される。
図38は気象庁によって公表されている震度の周波数特性を示す図である。
図38に示されるように、各震度に対応する加速度振幅は周期1.6秒を谷点とし、短周期側も長周期側も谷点から離れるに従って共に増大している。この特性は気象庁が過去の地震の観測結果とその被害状況に基づいて定めたもので、一般的な構造物の周波数特性(地震動の周波数と構造物の強度の関係)を表したものでもある。この図によれば、一般的な構造物は、固有周期が1.6秒辺りにあり、地震動の卓越周期(地震波のうちで最も大きなエネルギーを有する波の周期)が固有周期から離れるにつれて、同じ震度でも加速度が増しており、強い加速度振幅の地震動にも耐え得ることがわかる。
このように地震の危険性は地震動の加速度振幅だけでは決まらず、地震動の卓越周期と建造物や設備機器の固有周期との関係に大きく左右される。地震動によって被害が引き起こされる仕組みは被害を受ける対象物により異なるが、基本的には対象物の固有周期付近の周期帯における地震動の強さと継続時間の影響を強く受ける。そして、地震動の最大加速度や最大速度に比べて、震度は被害の大小や有無と比較的相関が良いことが知られている。そのため、前述したように気象庁では地震動の加速度を測定し、その結果に基づいて計測震度を求めている。しかしながら、気象庁で行われている従来の方法では、データ処理に所定の計算時間を要する上、被害と結びついた尺度に依拠して警報あるいは制御信号を発することが容易でないという課題があった。そこで、このような課題を解決するべく、震度の算出方法や震度計に関して様々な研究や開発が盛んに行われており、既に幾つかの発明や考案が開示されている。
例えば、特許文献1には、「震度計」という名称で、ハードウェアへの負担が小さい震度の算出方法を採用した震度計に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示された発明は、検出した加速度を電気信号に変換する加速度センサと、この加速度センサから出力されたアナログ信号に対して特定の周波数領域以外を除去するフィルタ回路と、フィルタ回路によって処理されたアナログ信号をデジタル信号に変換するとともに震度計算を行う演算部と、この演算部で算出された震度を表示する表示部とを備えるものである。
このような構造の震度計においては、加速度センサからの出力値が演算部に入力される前にフィルタ回路によって処理されるため、演算部においてフーリエ変換及び逆フーリエ変換を行う必要がなく、ハードウェアにかかる負担が軽減されるという作用を有する。これにより、震度の計算に要する時間を短縮することができる。
特許文献2には、「早期地震諸元推定方法及びそのシステム」という名称で、P波到達から1秒間のデータを用いて地震の諸元を的確に推定できる早期地震諸元推定方法とそのシステムに関する発明が開示されている。
特許文献2に開示された発明は、関数フィッティング法を用いて得られるP波初動振幅の時間変化の程度を表す係数Bの1秒間データと、P波到達から1秒間の初期微動の最大振幅から震央距離(震源真上の地点と観測点の距離)及びマグニチュードを所定の式に基づいて推定することを特徴とする。
このような方法によれば、P波到達から1秒間のデータを用いて、直下型の地震諸元を的確に短時間で推定し、事故の被害を最小限に抑えることが可能である。
特開2007−198812号公報 特開2006−275696号公報
しかしながら、上述の従来技術である特許文献1に開示された発明では、発生した地震の震度は測定できるものの、地震の種別を判定可能な構成とはなっていないことから、地震の規模を予測して被害の発生を最小限にくい止めることを目的としてエレベータ等の設備機器に設置される、いわゆる制御用震度計としての利用は困難であるという課題があった。
また、特許文献2に開示された発明においては、関数パラメータを安定に求める必要があるため、非常に多くのデータを必要とするという課題があった。また、用いられている近似関数はP波初動の必要部分を漏れなく表現できるものではないため、得られた情報の精度が不十分なものとなってしまうおそれがある。さらに、震央距離やマグニチュードは推定できるものの、地震の規模を被害と関連付けた尺度で厳密に評価することはできないという課題があった。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、気象庁の検定に合格した既存の震度計で測定される震度に相当する震度をリアルタイムに、かつ安価に計測するとともに、その計測結果に基づいて地震動の強さを被害と関連付けた尺度で厳密に評価することが可能であって制御用震度計としても利用可能なリアルタイム震度計とそれを用いた震度等の予知方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明であるリアルタイム震度計は、地震に伴って東西方向、南北方向、上下方向にそれぞれ発生する3種類の加速度成分を検出する加速度検出手段と、この加速度検出手段から出力されるアナログ信号を第1のデジタル信号に変換するA/D変換器と、このA/D変換器から出力される第1のデジタル信号に,所定の周波数に対する重み付けを行って第2のデジタル信号に変換するデジタルIIRフィルタと、このデジタルIIRフィルタから出力される3種類の第2のデジタル信号をベクトル合成して第3のデジタル信号に変換するとともに,この第3のデジタル信号に基づいてリアルタイム震度を計算する演算部と、このリアルタイム震度に基づいて地震の種類を判定する判定部とを備え、この判定部は予め定められた基準値と前記リアルタイム震度とを比較して地震の種別を判定することを特徴とするものである。
上記構成のリアルタイム震度計においては、FFT方式の震度計に比べてハードウェアに対する負担が軽減されるという作用を有する。また、制御用震度計として使用する場合には、制御信号に地震の種別に関する情報を含ませることで不要な動作が防止されるという作用を有する。
また、請求項2に記載の発明であるリアルタイム震度計は、地震に伴って東西方向、南北方向、上下方向にそれぞれ発生する3種類の加速度成分を検出する加速度検出手段と、この加速度検出手段から出力される第1のアナログ信号に,所定の周波数に対する重み付けを行って第2のアナログ信号に変換するアナログフィルタと、この第2のアナログ信号を第1のデジタル信号に変換するA/D変換器と、このA/D変換器から出力される3種類の第1のデジタル信号をベクトル合成して第2のデジタル信号に変換するとともにこの第2のデジタル信号に基づいてリアルタイム震度を計算する演算部と、このリアルタイム震度に基づいて地震の種類を判定する判定部とを備え、この判定部は予め定められた基準値とリアルタイム震度とを比較して地震の種別を判定することを特徴とするものである。
このような構成のリアルタイム震度計においては、デジタルフィルタを使用する場合に比べて計測可能な震度の範囲が狭まるものの、請求項1に記載の発明よりもハードウェアにかかる負担が小さいという作用を有する。
請求項3に記載の発明は、請求項1記載のリアルタイム震度計において、デジタルIIRフィルタが第1のデジタル信号の所定の周波数に対して、警報又は制御の対象となる構造物又は設備機器の特性に基づいて予め設定された周波数特性に従って重み付けを行うことを特徴とするものである。
このような構成のリアルタイム震度計を制御用震度計として用いた場合、対象となる構造物や設備機器等の周波数対応限界強度に応じた警報レベルが設定される。
請求項4に記載の発明は、請求項2記載のリアルタイム震度計において、アナログフィルタが第1のアナログ信号の所定の周波数に対して、警報又は制御の対象となる構造物又は設備機器の特性に基づいて予め設定された周波数特性に従って重み付けを行うことを特徴とするものである。
このような構成のリアルタイム震度計においては、請求項3に記載の発明と同様の作用に加えて、ハードウェアにかかる負担が小さくなるという作用を有する。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のリアルタイム震度計において、演算部が計測震度相当値としてリアルタイム震度の最大値を求めることを特徴とするものである。
このような構成のリアルタイム震度計においては、気象庁が規定する計測震度の相当値が簡単な構成によって実時間で正確に計測されるという作用を有する。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のリアルタイム震度計において、演算部がP波初動部分におけるリアルタイム震度の増加率に基づいて震源距離を算出することを特徴とするものである。
このような構成のリアルタイム震度計においては、S波や表面波の到達前に震源距離が速やかに算出されるという作用を有する。
請求項7に記載の発明は、請求項5記載のリアルタイム震度計において、演算部がリアルタイム震度のうち特にP波領域における最大値を求めることを特徴とするものである。
このような構成のリアルタイム震度計においては、計測震度相当値がS波や表面波の到達前に容易に、かつ速やかに算出されるという作用を有する。
請求項8に記載の発明は、請求項5記載のリアルタイム震度計において、演算部がリアルタイム震度のうち特にP波初動部分の所定時間内における最大値を求めることを特徴とするものである。
このような構成のリアルタイム震度計においては、請求項7に記載の発明よりも計測震度の予測精度は低いものの、計測震度の計算時間が短縮されるという作用を有する。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のリアルタイム震度計において、演算部はリアルタイム震度がP波初動部分における第1の震度から第2の震度に達するまでに要する時間に基づいて震源距離又は計測震度相当値を算出することを特徴とするものである。
このような構成のリアルタイム震度計においては、請求項5乃至請求項8に記載された発明よりも短時間に、かつ正確に震源距離や計測震度相当値が算出されるという作用を有する。
請求項10に記載の発明である震度等の予知方法は、地震に伴って東西方向、南北方向、上下方向にそれぞれ発生する3種類の加速度成分を検出し、この加速度成分を表すアナログ信号をデジタル信号に変換し、IIRフィルタ処理を施して所定の周波数に対して重み付けを行うとともにベクトル合成し、この合成されたデジタル信号に基づいてリアルタイム震度を計算し、予め定められた基準値とこのリアルタイム震度とを比較して地震の種別を判定することを特徴とするものである。
このような震度等の予知方法は、FFT方式を用いた信号処理方法に比べて信号処理に要する時間が短縮されるという作用を有する。また、制御信号に地震の種別に関する情報を含ませることにより制御対象機器の不要な動作が防止されるという作用を有する。
請求項11に記載の発明である震度等の予知方法は、地震に伴って東西方向、南北方向、上下方向にそれぞれ発生する3種類の加速度成分を検出し、この加速度成分を表すアナログ信号にアナログフィルタ処理を施して所定の周波数に対して重み付けを行うとともにデジタル信号に変換し、このデジタル信号をベクトル合成し、この合成されたデジタル信号に基づいてリアルタイム震度を計算し、予め定められた基準値とこのリアルタイム震度とを比較して地震の種別を判定することを特徴とするものである。
このような震度等の予知方法によれば、請求項10に記載の発明に比べてフィルタ処理に用いるハードウェアへの負担が小さいという作用を有する。
請求項12に記載の発明は、請求項10記載の震度等の予知方法において、警報又は制御の対象となる構造物又は設備機器の特性に基づいて予め設定された周波数特性に従って、デジタル信号にIIRフィルタ処理を施して所定の周波数に対して重み付けを行うものである。
このような震度等の予知方法によれば、制御用信号を発する際に用いる警報レベルが、対象となる構造物や設備機器等の周波数対応限界強度に応じて設定されるという作用を有する。
請求項13に記載の発明は、請求項11記載の震度等の予知方法において、警報又は制御の対象となる構造物又は設備機器の特性に基づいて予め設定された周波数特性に従って、アナログ信号にアナログフィルタ処理を施して所定の周波数に対して重み付けを行うことを特徴とするものである。
このような震度等の予知方法においては、請求項10に記載の発明に比べてフィルタ処理に用いるハードウェアへの負担が小さいという作用に加えて、請求項12に記載の発明と同様の作用を有する。
請求項14に記載の発明は、請求項10乃至請求項13のいずれか1項に記載の震度等の予知方法において、計測震度相当値としてリアルタイム震度の最大値を求めることを特徴とするものである。
このような震度等の予知方法によれば、気象庁によって規定される計測震度の相当値が簡単な構造の震度計によって実時間に計測されるという作用を有する。
請求項15に記載の発明は、請求項10乃至請求項14のいずれか1項に記載の震度等の予知方法において、P波初動部分におけるリアルタイム震度の増加率に基づいて震源距離を算出することを特徴とするものである。
このような震度等の予知方法によれば、S波や表面波の到達前に震源距離が速やかに予測されるという作用を有する。
請求項16に記載の発明は、請求項14記載の震度等の予知方法において、リアルタイム震度のうち特にP波領域における最大値を求めることを特徴とするものである。
このような震度等の予知方法によれば、計測震度相当値がS波や表面波の到達前に容易に、かつ速やかに算出される。
請求項17に記載の発明は、請求項14記載の震度等の予知方法において、リアルタイム震度のうち特にP波初動部分の所定時間内における最大値を求めることを特徴とするものである。
このような震度等の予知方法によれば、請求項16に記載の発明よりも計測震度の予測精度は低いものの、計測震度の計算時間が短縮される。
請求項18に記載の発明は、請求項10乃至請求項13のいずれか1項に記載の震度等の予知方法において、リアルタイム震度がP波初動部分における第1の震度から第2の震度に達するまでに要する時間に基づいて震源距離又は計測震度相当値を算出することを特徴とするものである。
このような震度等の予知方法によれば、請求項14乃至請求項17に記載された発明よりも短時間に、かつ正確に震源距離や計測震度相当値が算出される。
請求項19に記載の発明は、請求項3記載のリアルタイム震度計において、デジタルIIRフィルタは、通過周波数帯域の異なる複数のフィルタからなり、演算部及び判定部は、これら複数のフィルタをそれぞれ通過した信号を個別に処理可能に構成されることを特徴とするものである。
このような構造のリアルタイム震度計においては、デジタルIIRフィルタを構成する各フィルタからそれぞれ出力される周波数帯域の異なる信号に基づいて個別に地震の種別が判定されるという作用を有する。
請求項20に記載の発明は、請求項4記載のリアルタイム震度計において、アナログフィルタは、通過周波数帯域の異なる複数のフィルタからなり、演算部及び判定部は、これら複数のフィルタをそれぞれ通過した信号を個別に処理可能に構成されることを特徴とするものである。
このような構造のリアルタイム震度計においては、アナログフィルタを構成する各フィルタからそれぞれ出力される周波数帯域の異なる信号に基づいて個別に地震の種別が判定されるという作用を有する。
請求項21に記載の発明は、請求項12記載の震度等の予知方法において、IIRフィルタ処理は、通過周波数帯域の異なる複数のフィルタ処理からなり、これら複数のフィルタ処理をそれぞれ施された信号を個別にベクトル合成することを特徴とするものである。
本請求項記載の発明である震度等の予知方法は、請求項19記載の発明を方法の発明としてとらえたものであるため、請求項19記載の発明と同様の作用を有する。
請求項22に記載の発明は、請求項13記載の震度等の予知方法において、アナログフィルタ処理は、通過周波数帯域の異なる複数のフィルタ処理からなり、これら複数のフィルタ処理をそれぞれ施された信号を個別にベクトル合成することを特徴とするものである。
本請求項記載の発明である震度等の予知方法は、請求項20記載の発明を方法の発明としてとらえたものであるため、請求項20記載の発明と同様の作用を有する。
本発明の請求項1に記載のリアルタイム震度計においては、従来型に比べてハードウェアが簡素化でき、故障が発生し難くなるとともに製造コストが削減される。また、地震動に対して時間遅れなく計測される震度(リアルタイム震度)に基づいてエレベータや製造装置等の設備機器の動作状態を制御することで不要動作を排除した的確な緊急制御が可能となる。さらに、地震の種別を判定可能な構成となっており、被害と結びついた尺度に依拠した警報や制御信号を発することが可能である。これにより、地震情報の信頼性が高まるため、地震による被害の発生を最小限に抑えることができる。
また、本発明の請求項2に記載のリアルタイム震度計においては、請求項1に記載の発明よりも震度の計測範囲は狭まるが、さらにハードウェアが簡素化でき、製品をより廉価なものとすることができる。
本発明の請求項3に記載のリアルタイム震度計においては、真に有害な周波数スペクトルを有する地震に対してのみ緊急制御がなされる。これにより、的確な設備機器等の地震防災が可能となる。
本発明の請求項4に記載のリアルタイム震度計によれば、ハードウェアへの負担を低減するとともに、請求項3に記載の発明と同様の効果を発揮させることが可能である。
本発明の請求項5に記載のリアルタイム震度計においては、気象庁の検定に合格した震度計よりも構造を簡単にすることができるため、装置の小型化や低価格化を図ることができる。
本発明の請求項6に記載のリアルタイム震度計においては、震源距離が極めて短時間に算出されるため、緊急地震速報が適用困難な震源近傍においても有効な警報や制御信号を発することができる。
本発明の請求項7に記載のリアルタイム震度計においては、計測震度相当値が極めて短時間に、かつ容易に算出されることから、緊急地震速報が適用困難な震源近傍においても有効な警報や制御信号を発することが可能である。
本発明の請求項8に記載のリアルタイム震度計においては、請求項7に記載された発明よりも短時間で計測震度相当値が算出されることから、警報や制御信号をより有効に発することが可能である。
本発明の請求項9に記載のリアルタイム震度計においては、請求項5乃至請求項8に記載された発明に比べて警報や制御信号の出力をより短時間で行うことができる。これにより、S波や表面波が到達する前により的確な防災措置を講じることが可能となる。
本発明の請求項10に記載の震度等の予知方法によれば、リアルタイム震度を地震動に対して時間遅れなく計測することができる。そして、エレベータや製造装置等の設備機器に対してリアルタイム震度に基づいた制御信号を送ることにより、不要な動作を排除して的確に緊急な制御を行うことが可能である。さらに、地震の種別に関する情報を警報や制御信号に含ませることにより、被害と結びついた尺度に依拠した警報や制御信号とすることができる。そして、このような警報や制御信号を用いることによれば、的確な防災措置を講じて地震による被害の発生を最小限に抑えることが可能である。
本発明の請求項11に記載の震度等の予知方法によれば、請求項10に記載の発明よりも震度の計測範囲は狭まるものの、簡素化されたハードウェアを備えた廉価な計測装置を用いることができる。
本発明の請求項12に記載の震度等の予知方法によれば、真に有害な周波数スペクトルを有する地震に対してのみ緊急制御を行って、的確な防災措置を講じることが可能である。
本発明の請求項13に記載の震度等の予知方法によれば、請求項11に記載された発明の効果に加えて、請求項12に記載された発明と同様の効果が発揮される。
本発明の請求項14に記載の震度等の予知方法によれば、計測震度相当値に基づく信頼性の高い警報や制御信号を短時間で発することができる。これにより、S波や表面波が到達する前に地震の被害を最小限に抑えるために必要な措置を講じることが可能となる。
本発明の請求項15に記載の震度等の予知方法によれば、S波や表面波の到達前に地震の規模を予測して的確な防災措置を講じることができる。
本発明の請求項16に記載の震度等の予知方法によれば、有効な警報や制御信号を短時間に発することができる。
本発明の請求項17に記載の震度等の予知方法によれば、警報や制御信号を請求項16に記載された発明よりもさらに短時間で発することができるため、防災措置に要する時間を長くとることができる。
本発明の請求項18に記載の震度等の予知方法によれば、強い震度の地震ほど、短時間に震度を予測することが可能である。従って、緊急地震速報が特に適用困難な震源近傍であっても的確な防災措置を講じることができる。
本発明の請求項19に記載のリアルタイム震度計を施設管理に使用した場合、それぞれの施設の固有周波数を含む周波数帯域の震度を正確に検出することができる。従って、施設ごとに的確な防災及び減災措置を施すことが可能である。
本発明の請求項20に記載のリアルタイム震度計においては、ハードウェアへの負担を低減するとともに、請求項19に記載の発明と同様の効果を発揮させることが可能である。
本発明の請求項21に記載の震度等の予知方法によれば、請求項19記載の発明と同様の効果を奏する。
本発明の請求項22に記載の震度等の予知方法によれば、請求項20記載の発明と同様の効果を奏する。
以下に、本発明の最良の実施の形態に係るリアルタイム震度計とそれを用いた震度等の予知方法の実施例について図1乃至図37を用いて説明する。
実施例1のリアルタイム震度計について図1乃至図20を用いて説明する(特に、請求項1、3、5、7、8、10、12、14、16、17に対応)。
図1は本発明の実施の形態に係るリアルタイム震度計の実施例1の構成図である。また、図2は実施例1のリアルタイム震度計を構成するデジタルフィルタの周波数特性を示す図である。
図1に示すように、本実施例のリアルタイム震度計1aは東西方向、南北方向、上下方向にそれぞれ発生する3種類の加速度成分を検出する加速度検出手段2と、この加速度検出手段2で検出された先の3種類の加速度成分ごとに、連続した時間信号(アナログ信号)を一定時間ごとにサンプリングすることにより離散化された加速度信号(デジタル信号)に変換するA/D変換器3と、この加速度信号の所定の周波数に対して図2に示すような重み付けの処理を行うデジタルフィルタ4aと、複数の入力信号をベクトル合成するベクトル合成器5と、ベクトル合成器5から出力された合成信号に基づいてリアルタイム震度J及び計測震度相当値を計算する震度算出部6aと、リアルタイム震度Jの時間波形(以下、リアルタイム震度波形という。)に基づいて地震の種別を判定するとともに地震防災用信号14を出力する判定部7と、地震防災用信号14に従って地震の種別に関する情報を含んだ警報を発する警報部8とを備えるものである。すなわち、ベクトル合成器5及び震度算出部6aはデジタルフィルタ4aからの出力信号に基づいてリアルタイム震度Jを計算する演算部9aを構成している。
加速度検出手段2はMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術による3軸一体型の超小型加速度センサであり、地震に伴って発生する加速度の東西方向成分、南北方向成分、上下方向成分をそれぞれ検出し、アナログ信号10a〜10cとして出力する。そして、アナログ信号10a〜10cは、LSI技術による3チャネル一体型のデルタシグマ型のA/D変換器3によってデジタル信号11a〜11cにそれぞれ変換される。
デジタルフィルタ4aは無限インパルス応答(Infinite Impulse Response)関数を持つフィルタ回路(IIRフィルタ)であり、図2に示す周波数特性を有している。このデジタルフィルタ4aによってデジタル信号11a〜11cは所定の周波数に対して図2に示すような重み付けをされた後、デジタル信号12a〜12cとして出力される。そして、ベクトル合成器5はデジタル信号12a〜12cに対してベクトル合成処理を行い、合成デジタル信号13aとして出力する。
震度算出部6aは合成デジタル信号13aを次式の「a」に代入して震度中間値Iを算出した後、連続するm個の震度中間値Iについて最上位からn番目の値を求めてリアルタイム震度Jとする。このような方法によれば、インパルス的なノイズが排除されるため、リアルタイム震度計1aが地震以外のノイズで誤動作する可能性が少ない。なお、震度変換時間を1秒とし、サンプリング周波数を100Hz、m及びnの値をそれぞれ100及び30とした場合、1秒間にリアルタイム震度J以上の値を示す震度中間値Iの各データの持続時間を合計すると、ちょうど0.3秒となる。
なお、logは常用対数であり、bは定数で概ね0.94である。
震度算出部6aの動作原理について図3を用いて説明する。
図3は実施例1のリアルタイム震度計1aを構成する震度算出部6aの動作原理を説明するための図である。なお、波形Dは震度中間値Iを表し、波形E及び波形Fはリアルタイム震度Jを表している。ただし、波形Eは1秒震度(m=100(1秒)、n=30(0.3秒))であり、波形Fは2秒震度(m=200(2秒)、n=30(0.3秒))である。
図3に示すように、時刻Tにおける1秒震度を求めるには、時刻Tの「○」から遡って水平に1秒分の破線Pを想定し、この破線Pよりも上側に存在する震度中間値I(波形D)の占める時間の合計が0.3秒になるまで破線Pの高さを調整する。そして、破線Pが上述の条件を満足したときの震度を1秒震度とする。また、時刻Tにおいて1秒震度を求める場合も、時刻Tの「○」から遡る1秒分の破線Qを想定して、この破線Qを超える震度中間値I(波形D)の占める時間の合計が0.3秒となるように破線Qの高さを調整し、そのときの震度を1秒震度とする。さらに、時刻Tにおいて2秒震度を求めるには、時刻Tの「○」から遡る2秒分の破線Rを想定し、この破線Rを超える震度中間値I(波形D)の占める時間の合計が0.3秒となるように破線Rの高さを調整し、そのときの震度を2秒震度とする。
次に、震度算出部6aによって算出されるリアルタイム震度について中越地震(2004年10月23日発生、マグニチュード:M6.8、震源の深さ:13km)に関するk−net(独立行政法人防災科学技術センターの地震観測網)の観測データを用いて説明する。
図4は中越地震の本震の観測データに基づいて算出されたリアルタイム震度波形(1秒震度)を示す図である。なお、NIG017〜NIG020は観測点コードであり、各リアルタイム震度波形の元となるデータがそれぞれ異なる地点で観測されたことを表している。そして、最も振幅が大きいNIG019は震源に近い小千谷観測点のリアルタイム震度波形を示している。また、横軸は震度1が記録された時から経過した時間(s)を表しており、縦軸はリアルタイム震度を表している。さらに、図1又は図3に示した構成要素又は用語については同一の符号を付してその説明を省略する。
図4に示すように、地震発生前のリアルタイム震度(ノイズレベル)は通常−2〜−4で、リアルタイム震度計1aの設置点にP波が到達するとリアルタイム震度は急速に立ち上って約2秒後にP波による地震動が最大となる(点A)。その後、S波が到達してリアルタイム震度はさらに増え続け、約4.5秒後にはS波による地震動が最大となり、リアルタイム震度は6.6に達する(点B)。そして、S波による地震動は減少し始めるが、約5.5秒の時点で表面波の振幅が卓越して再びリアルタイム震度は増加に転じ、P波到達後の約8秒後に最大値6.8に達する(点C)。その後は地震動の減衰に伴ってリアルタイム震度も低下し、やがて地震発生前のノイズレベル(震度−2〜−4)に戻る。なお、強い直下地震は概ねこのような震度波形となる。
図5は図4で用いた小千谷における観測データに基づいて算出された震度中間値Iとリアルタイム震度波形(1秒震度、2秒震度)を示す図である。なお、時間軸の起点は2004年10月23日17時56分00秒であり、ノイズレベルは震度換算で約−3.5である。また、波形Dは震度中間値Iを表し、波形E及び波形Fはリアルタイム震度を表している。ただし、波形Eは1秒震度(m=100(1秒)、n=30(0.3秒))であり、波形Fは2秒震度(m=200(2秒)、n=30(0.3秒))である。
図5に示すように、観測開始からおよそ2.75秒後にP波が到達し、その1秒後には震度は4を超え、さらにその4秒後には震度は6.5に達している。また、P波の立ち上がり時の遅れは1秒震度(波形E)及び2秒震度(波形F)でともに概ね0.3秒となっている。さらに、1秒震度(波形E)と2秒震度(波形F)を比較してみると、震度増加の段階では殆ど同じ値となるが、1秒震度(波形E)の方が地震動の減衰に対する追従性に優れている。そして、最大値は2秒震度(波形F)の方がわずかに大きく、2秒震度(波形F)は地震動減衰時には1秒震度(波形E)に対して約1秒遅れている。
次に、1秒震度と5秒震度を比較した結果について説明する。
図6は図5を部分的に拡大し、2秒震度を5秒震度に置き換えた図である。なお、図5に示した波形については同一の符号を付してその説明を省略する。また、波形Gは5秒震度(m=500(5秒)、n=30(0.3秒))である。
図6に示すように、1秒震度(波形E)と5秒震度(波形G)はともに震度増加の段階では殆ど同じ値を示しているが、最大値は1秒震度(波形E)より5秒震度(波形G)の方がやや大きい。また、地震動減衰時の1秒震度(波形E)に対する5秒震度(波形G)の遅れは約4秒となっている。
さらに、リアルタイム震度計1aの応答性について鳥取県西部地震(マグニチュード4.2)の3地点(観測点コード:TTRH02、SMNH01、TTR007)におけるデータを用いて説明する。
図7(a)乃至(d)は鳥取県西部地震の本震及び余震のデータに基づいて算出されたリアルタイム震度波形(1秒震度)及び従来型震度計と同一手法によって算出された震度波形を比較した図である。ただし、図7(a)及び(b)はそれぞれ観測点コード(TTRH02、SMNH01)における本震のデータに基づくものであり、同図(c)及び(d)は観測点コード(TTRH02、TTR007)における余震のデータに基づくものである。また、実線はリアルタイム震度計1aによって算出したリアルタイム震度であり、「●」は従来型震度計の震度である。なお、従来型震度計は10秒区間のFFT(高速フーリエ変換)のアルゴリズムを用いるので、処理対象のデータは「●」から10秒前までの時間となる。そして、図中の「●」は、この処理を1秒毎に繰り返して得られた値を示している。
図7(a)乃至(d)に示すように、リアルタイム震度と従来型震度計による震度は地震動の減衰に対する追従性が異なる。そして、従来型震度計の震度をリアルタイム震度と比べると地震動減衰時の遅れは概ね10秒となっている。なお、FFTの処理区間はフィルタ処理の下限周波数との関連で決まるため、地震動減衰時の遅れは短縮することができない。また、リアルタイム震度計と同等の処理頻度(毎秒10回以上)を実現することも可能ではあるが、極めて大量のデータ処理が必要となるため、実用的とはいえない。
2000年10月の鳥取県西部地震から2007年7月の中越沖地震までの主要な地震に関するk−netの観測データ(地震の数:18、データ数:2739個)に基づいてリアルタイム震度(1秒震度)の最大値を計算した結果について図8を用いて説明する。
図8はリアルタイム震度(1秒震度)の最大値と計測震度との関係を示した図である。なお、横軸は震度変換用の重み付けを行うフィルタにFFT方式を使用した既存の震度計で測定した計測震度であり、縦軸はリアルタイム震度計1aを用いて求めたリアルタイム震度の最大値である。
図8に示すように、リアルタイム震度の最大値は計測震度と極めてよく一致している。そこで、本実施例のリアルタイム震度計1aでは計測震度相当値として震度算出部6aにおいてリアルタイム震度の最大値を求めている。
ここで、2000年10月の鳥取県西部地震から2007年7月の中越沖地震までに発生した18個の地震で震度0以上を記録したk−netの観測データ(4678個)に基づいてS波が到達するまでの領域(以下、P波領域という。)のリアルタイム震度(1秒震度)を求めた結果について図9及び図10を用いて説明する。
図9(a)はP波領域全体におけるリアルタイム震度(1秒震度)の最大値と計測震度との関係を示した図であり、同図(b)はP波到達から1秒後までのリアルタイム震度(1秒震度)の最大値と計測震度との関係を示した図である。また、図10(a)はP波到達から2秒後までのリアルタイム震度(1秒震度)の最大値と計測震度との関係を示した図であり、同図(b)はP波到達から3秒後までのリアルタイム震度(1秒震度)の最大値と計測震度との関係を示した図である。なお、図9及び図10において横軸は震度変換用の重み付けを行うフィルタにFFT方式を使用した既存の震度計で測定した計測震度を表しており、縦軸はリアルタイム震度計1aを用いて求めたリアルタイム震度を表している。
図9(a)に示すように、内陸又は沿岸で発生した各地震についてP波領域全体におけるリアルタイム震度の最大値と既存の方式で求めた計測震度の間には強い相関関係が認められる。ただし、十勝沖地震(マグニチュード8)や三重県南東沖(マグニチュード7.4)の海溝型地震では異なる特性を有している。
従って、内陸又は沿岸の地震に対しては、破線の近似式で示すようにP波領域全体におけるリアルタイム震度の最大値と計測震度との関係を予め求めておくことにより、S波の到達前に観測対象の地震について計測震度を推定することができる。
また、図9(b)に示すように、内陸又は沿岸で発生した各地震については、P波到達から1秒後までのリアルタイム震度の最大値と計測震度の間に相関関係が認められる。従って、P波到達から1秒後までのリアルタイム震度の最大値と計測震度との関係を予め求めておくことにより、S波の到達前に観測対象の地震について計測震度を推定することが可能である。この場合、図9(a)の場合に比べて計測震度の予測精度は低いものの、計測震度の計算に要する時間が短縮されるというメリットがある。
さらに、図10(a)では、図9(b)に比べてデータのバラツキが幾分改善されている。従って、P波到達から2秒後までのリアルタイム震度の最大値を用いた場合、P波到達から1秒後までのリアルタイム震度の最大値を用いる場合に比べて高い精度で計測震度を予測することができる。
また、図10(b)では、図9(b)に比べてデータのバラツキがさらに改善されている。従って、P波到達から3秒後までのリアルタイム震度の最大値を用いた場合、P波到達から1秒後までのリアルタイム震度の最大値を用いる場合に比べて計測震度の予測精度がさらに向上する。ただし、計測震度の計算に要する時間が長くなるため、警報等を発してからS波が到達するまでの時間(余裕時間)が短くなる。
すなわち、内陸又は沿岸で発生する地震を観測対象とする場合には、本実施例のリアルタイム震度計1aを、震度算出部6aにおいてリアルタイム震度のうち特にP波領域における最大値あるいはP波到達から所定時間内におけるリアルタイム震度の最大値から計測震度相当値が算出されるように構成することができる。
判定部7ではリアルタイム震度波形に基づいて表1に示す地震の種別を判定するとともに、表2に示す気象庁が定めた震度階級における「震度IV(計測震度3.5)」以上が見込まれる地震に対して地震の種別に応じた地震防災用信号14を発する。そして、警報部8では地震防災用信号14に従って地震の種別ごとに異なる警報を発する。
次に、判定部7において地震の種別を判定する手法についてk−netの観測データを用いて説明する。
図11乃至図13は図4の場合と同じ中越地震において震源距離が15〜32km、20〜42km及び42〜120km及び96〜214kmの地点での観測データに基づいて算出されたリアルタイム震度波形(1秒震度)を示しており、図14は十勝沖地震(マグニチュード:M8.0、震源の深さ:45km)において震源距離が96〜214kmの地点での観測データに基づいて算出されたリアルタイム震度波形(1秒震度)を示している。すなわち、図11は各観測点の直下又は近傍におけるリアルタイム震度波形を示した図であり、図12は近地区分の地震におけるリアルタイム震度波形を示した図である。また、図13は内陸又は沿岸で起こる遠地地震におけるリアルタイム震度波形を示した図であり、図14は海溝型の遠地地震におけるリアルタイム震度波形を示した図である。なお、NIG017等は観測点コードであり、各震度波形がそれぞれ異なる地点で観測されたことを表している。また、横軸は震度1が記録された時から経過した時間(s)を表しており、縦軸はリアルタイム震度を表している。さらに、(1)〜(5)で示す破線は警報判定基準であり、本実施例のリアルタイム震度計1aの判定部7では、震度波形が0.5秒以内に破線(1)−(2)(震度2)を超えた場合に直下地震と判定し、5秒以内に破線(3)−(4)(震度3.3)を超えた場合に近地地震と判定し、5秒以後に破線(5)−(6)(震度4.5)を超えた場合に遠地地震と判定して地震防災用信号14を出力するように構成されている。
図11に示すように、NIG017〜NIG020の各震度波形は0.5秒以内にすべて破線(1)−(2)(震度2)を超えている。従って、この地震の際にリアルタイム震度計1aが設置されていたとすると、判定部7は地震の種別を直下地震と判定して地震防災用信号14を出力し、警報部8は地震防災用信号14に従って直下地震を示す警報を発することになる。観測点コードNIG019(小千谷)についてはリアルタイム震度計1aの判定部7がP波を検出して警報部8が警報を発するまでの時間は0.1秒、警報が出力されてから最大振幅に達するまでの時間(以下、余裕時間という。)が7.8秒となる。同様にして、NIG017、NIG018、NIG020の余裕時間は、それぞれ5.2秒、21.5秒、5.9秒となる。なお、既に述べたように、リアルタイム震度計1aの震度算出部6aで求まるリアルタイム震度と地震動との間には概ね0.3秒の時間遅れがあるので、地震防災用信号14の出力時間に対しては0.3秒を加え、余裕時間からは0.3秒を減ずる必要がある。
図12では、NIG021、NIG022、NIG028、FSK028の各震度波形は5秒以内にすべて破線(3)−(4)(震度3.3)を超えているため、この地震の際に図11の場合と同様にリアルタイム震度計1aが設置されていたとすると、判定部7は地震の種別を近地地震と判定して地震防災用信号14を出力し、この地震防災用信号14を受けた警報部8は近地地震を示す警報を発する。そして、NIG021、NIG022、NIG028、FSK028の余裕時間は、それぞれ3.2秒、2.6秒、6.5秒、4.6秒となる。
また、図13では、すべての震度波形が5秒以後に破線(5)−(6)(震度4.5)を超えている。この場合も図11の場合と同様にリアルタイム震度計1aが設置されていたとすると、判定部7は地震の種別を遠地地震と判定して地震防災用信号14を出力し、警報部8は地震防災用信号14を受けて遠地地震を示す警報を発することになる。このときの余裕時間は0.0〜8.4秒である。
さらに、図14においても、すべての震度波形が5秒以後に破線(5)−(6)(震度4.5)を超えている。従って、図11の場合と同様にリアルタイム震度計1aが設置されていたとすると、判定部7は地震の種別を遠地地震と判定して地震防災用信号14を出力する。そして、警報部8は地震防災用信号14を受けて遠地地震を示す警報を発する。なお、このときの余裕時間は0.7〜17.3秒である。
上記構造のリアルタイム震度計1aにおいては、FFT方式の震度計に比べてハードウェアに対する負担が軽減されるという作用を有する。また、簡単な構成によって計測震度相当値がリアルタイム震度の最大値から実時間で正確に計測される。そして、震度算出部6aがリアルタイム震度のうち特にP波領域における最大値を求めて、これを計測震度相当値とするように構成される場合には、計測震度相当値がS波や表面波の到達前に容易に、かつ速やかに算出されるという作用を有する。また、計測震度相当値として震度算出部6aがリアルタイム震度のうち特にP波初動部分の所定時間内における最大値を求めるように構成される場合には、P波領域におけるリアルタイム震度の最大値を求める場合に比べて計測震度の予測精度は低くなるものの、計算時間が短縮されるという作用を有する。
さらに、リアルタイム震度計1aを制御用震度計として使用するならば、地震の種別に関する情報を含ませた制御信号を発する構成とすることが可能であり、この場合には、制御対象機器の不要な動作が防止されるという作用を有する。
以上説明したように、本実施例のリアルタイム震度計1aは、ハードウェアに対する負担が小さいことから、故障が発生し難い。また、地震動に対して時間遅れなく計測される震度(リアルタイム震度)に基づいてエレベータや製造装置等の設備機器の動作状態を制御することによれば、不要動作を排除した的確な緊急制御が可能である。さらに、地震の種別を判定可能な構成となっており、被害と結びついた尺度に依拠した警報や制御信号を発することができる。これにより、地震情報の信頼性が高まるため、地震による被害の発生を最小限に抑えることができる。加えて、震度計の構造を簡単なものとすることができるため、装置の小型化や低価格化を図ることが可能である。また、震度算出部6aがリアルタイム震度のうち特にP波領域における最大値を求めて、これを計測震度相当値とするように構成するならば、緊急地震速報が適用困難な震源近傍においても有効な警報や制御信号を発することが可能である。そして、計測震度相当値として震度算出部6aがリアルタイム震度のうち特にP波初動部分の所定時間内における最大値を求めるように構成される場合には、上述の場合よりも短時間で計測震度相当値が算出されることから、警報や制御信号をより有効に発することが可能である。加えて、リアルタイム震度計1aにおいては、P波初動部分を解析して一定震度以上の(危険性の高い)直下地震、近地地震、遠地地震を主要動到達前に予測するなど、地震の種別を判定可能な構成となっており、被害と結びついた尺度に依拠した警報や制御信号を発することができる。これにより、地震情報の信頼性が高まるため、地震による被害の発生を最小限に抑えることができる。また、スイッチや電磁弁の遮断など、瞬時に制御可能な機器を対象とする制御用震度計として用いる場合には、制御対象機器が安全に運用できる限界震度に到達した時点で機器を停止させることができるため、過剰動作を完全に防ぐことが可能である。このように、リアルタイム震度計1aはあらゆる地震に対して自律的に機能するので緊急地震速報を利用する装置のように通信費が掛かることがなく、しかも、直下地震の地震防災に最も適している。
ここで、2000年10月の鳥取県西部地震から2007年7月の中越沖地震までに発生した18の主要な地震で、震度1以上を記録したk−netの観測データ(4678個)をリアルタイム震度計1aで処理した結果を表3に示す。なお、表中の数字は警報を出力した観測点の数であり、「G」及び「NG」はそれぞれ「正常動作」及び「不正動作」を意味している。また、「T」は警報出力から最大震度までの時間(余裕時間)を意味している。
表3に示すように、直下に区分された地震は全体で48個(震度V以上は23個)であり、そのうち3個が震度III(3.3(2個)、3.4(1個))で警報を発している(正答率:94%)。また、近地に区分された地震は全体で64個(震度V以上は21個)であり、そのうち1個が震度III(3.4)で警報を発している(正答率:98%)。さらに、遠地に区分された地震は全体で276個(震度V以上は56個)であり、そのうち14個が震度V以上かつ余裕時間が3秒未満であった。すなわち、余裕時間が3秒以上の場合を「正常動作」とすると、正答率は91%となる。なお、確率は低いが、直下又は近地に区分された地震のうち、特に、マグニチュードの小さい内陸地震では過剰動作が発生している。
次に、中越地震に関するk−netの観測データを用いて、本実施例のリアルタイム震度計1aが有する作用について従来技術と比較しながら説明する。
図15は中越地震の際に観測点(327箇所)で記録された上下方向の加速度成分の波形を震央距離に応じて縦軸方向に並べてプロットした図である。すなわち、縦軸は震央距離(km)を示しており、横軸は経過時間(s)を示している。また、横軸の原点(経過時間0s)と、震源で地震が発生した時刻(以下、震源時刻(O)という。)は一致していない。なお、図中の破線は、各データにおいてP波が到達した時点(以下、P波到達点(P)という。)とS波が到達した時点(以下、S波到達点(S)という。)をそれぞれ結んだものである。
図15を見ると、震央から遠い観測点ほど、P波到達点(P)の時刻が遅くなるとともに、P波到達点(P)とS波到達点(S)との時間差が大きくなっている。また、各データは波形の振幅が振り切れないようにスケールが自動調整されているにもかかわらず、震央距離が200kmを超えると次第に波形の頭切れが始まり、震央距離が230kmを超えてしまうと殆どの観測点で波形の頭切れが発生している。そして、震央距離が290kmを超える観測点では波形が疎らになっている。これは、地震が見逃されている状態を示している。
図16は本実施例のリアルタイム震度計1aを用いて図15と同じ観測データから算出したリアルタイム震度波形を震央距離に応じて縦軸方向に並べてプロットした図である。縦軸及び横軸はそれぞれ震央距離(km)と経過時間(s)を示しており、横軸の原点(経過時間0s)と震源時刻(O)は一致していない。また、各データにおけるP波到達点(P)とS波到達点(S)をそれぞれ破線で結んで示している。
図16を見ると、震央から遠くなるとP波到達点(P)の時刻が遅れ、P波到達点(P)とS波到達点(S)との時間差が大きくなり、震度が次第に低下することがわかる。本実施例では震度の記録感度を震央距離によらず一定の値に設定しているため、図16に示すように、地震動の強弱がリアルタイム震度波形の振幅として直接表される。従って、P波やS波の到達点を明確に読み取ることができる。なお、震央距離が長い観測点では、図15と同様にリアルタイム震度波形の頭切れが発生している。
図17(a)乃至(t)は図16に示したもののうち震央距離が62kmよりも短い20箇所の観測点についてリアルタイム震度波形を個別に示した図である。また、図18(a)乃至(t)は図16に示したもののうち震央距離が198kmよりも長い20箇所の観測点についてリアルタイム震度波形を個別に示した図である。縦軸及び横軸はそれぞれ震度(リアルタイム震度)と経過時間(s)である。なお、図17及び図18では、いずれも(a)が最も震央に近い観測点のデータを示しており、(t)が最も震央から遠い観測点のデータを示している。
図17、図18ともに、地震波到達前の震度は−4程度である。しかし、P波が到達すると震度は急速に増大し、S波の到達後には最大となっている。なお、震央距離が長いほど、震度は緩やかに増大する。また、図17は震央に近い観測点のデータであるため、リアルタイム震度波形に頭切れが生じていないが、図18は震央から遠い観測点のデータであるため、(a),(d),(h),(k),(p),(q)の図ではリアルタイム震度波形に頭切れが生じている。
なお、図18において、リアルタイム震度波形の頭切れが生じているデータと頭切れが生じていないデータを比較した場合、両者のS/N比には差異がない。従って、これらの図に見られるリアルタイム震度波形の頭切れという現象は、観測に用いた従来装置の能力不足が原因で発生したものと考えられる。また、本実施例のリアルタイム震度計1aに、閾値を自動調整する後述の公知技術を併用し、閾値を震度でノイズレベルの+2程度に設定することによれば、上記のような地震が発生した場合でも、全ての観測点においてデータの頭切れを防いで、P波の立ち上がりを確実に検知することが可能である。
さらに、本実施例のリアルタイム震度計1aが有する,地震以外のノイズを除去する作用について説明する。
一般に、加速度センサ等に代表される地震センサは地震以外のあらゆる地盤振動にも応答するため、それら地震以外のノイズを除去するために、様々な工夫がされてきた。例えば、地震センサと地震判定器の間に、周波数の違いを利用してノイズを除去する,いわゆるノイズ除去フィルタを設ける方法や地震を判定する閾値をノイズレベルに連動させて自動的に調整する方法が知られている。また、一定時間以上継続した振動のみが検知されるように設定することで、落雷などのように単発的に発生するノイズを除去する方法や複数の地震センサが同時に検知した場合のみ、地震を検出したと判定する方法もある。
一方、本実施例のリアルタイム震度計1aは、前述のとおりデジタルフィルタ4aを備えており、このデジタルフィルタ4aは図2に示す周波数特性を有している。すなわち、デジタルフィルタ4aによって、地震の破壊力が大きい0.7Hzを中心として両側の周波数成分の感度が抑制され、特に10Hz以上の周波数成分のノイズが除去される。また、既に述べたように、リアルタイム震度計1aは、震度算出部6aの演算において一定時間(例えば、0.3秒)持続する値が選択されるように構成されているため、パルス波のように単発的に発生するノイズの影響を受け難いという作用を有する。
図19(a)は従来の加速度計によって観測された落雷時の加速度データであり、同図(b)は本実施例のリアルタイム震度計1aの震度フィルタ通過後のデータであり、同図(c)は同図(a)の加速度データから算出したリアルタイム震度波形である。なお、図19(a)及び(b)は上下、南北及び東西の3方向の加速度成分の時間波形であり、縦軸及び横軸はそれぞれ加速度(gal)と時間(s)である。
図19(a)に示すように、観測点の近くで落雷が発生するとサージ電流による電気ノイズ(52秒付近のノイズ)が発生するとともに、雷音に伴う地盤振動(53秒付近のノイズ)が発生する。これらのノイズを前述の震度フィルタに通過させると、図19(b)に示すように高周波成分は除去されるものの、低周波成分は除去されずに残ってしまう。このとき、図19(c)に示すようにパルス状の震度波形の最大値は震度0となっているが、本実施例のリアルタイム震度計1aにおいて、地震を判定する閾値が震度2以上に設定されているので、落雷によって発生するノイズを確実に除去することができる。
図20(a)は従来の加速度計によって観測された除雪車通過時の加速度データであり、同図(b)は本実施例のリアルタイム震度計1aの震度フィルタ通過後のデータであり、同図(c)は同図(a)の加速度データから算出したリアルタイム震度波形である。なお、図20(a)及び(b)は上下、南北及び東西の3方向の加速度成分の時間波形であり、縦軸及び横軸はそれぞれ加速度(gal)と時間(s)である。
図20(a)に示すように、観測点の近くを除雪車が通過すると大きな振動ノイズが連続的に発生する。このノイズを震度フィルタに通過させると、図20(b)に示すように高周波成分が除去されて、大きく減衰する。このとき、パルス状の震度波形の最大値は、図20(c)に示すように−0.7以下となっている。この場合にも、本実施例のリアルタイム震度計1aを使用し、閾値を例えば震度2以上に設定することにより、除雪車の通過に伴う振動ノイズを確実に除去することが可能である。
なお、本発明のリアルタイム震度計の構造は本実施例に限定されるものではない。例えば、演算部9aによるリアルタイム震度の計算はサンプリング毎に行う必要は無く、必要な頻度(10Hz程度)で行ってもよい。また、ベクトル合成器5と震度算出部6aの順序を入れ替えても同一結果が得られる。ただし、この場合には式(1)の「a」にデジタル信号12a〜12cを代入して得られた3種類の時系列データのそれぞれについて連続するm個の震度中間値Iについて最上位からn番目の値を求めてリアルタイム震度とすることになる。このように、いずれの方法でも同一の結果が得られるが、実施例1の場合の方が扱う数値の桁数が少ない。
一般に、半導体等の製造設備等では地震時に設備を緊急停止することにより、設備の損傷を防止・軽減することができるが、設備を緊急停止するとライン上の製品(仕掛品)を廃棄する必要が生じ、多額の損失を伴うおそれがある。従って、これらの設備等では「真に必要な場合以外の緊急停止を極力回避したい」という課題がある。そこで、これらの対策として本実施例のデジタルフィルタ4aの周波数特性を図2ではなく「対象とする設備機器等の、各周波数における限界強度に対応したもの」とすることができる。すなわち、図1で説明したデジタル信号11a〜11cがデジタルフィルタ4aによって所定の周波数に対して、警報又は制御の対象となる構造物又は設備機器の特性に基づいて予め設定された周波数特性に従って重み付けをされるような構成とするのである。この場合、対象となる設備機器等の周波数対応限界強度に応じて警報レベルを設定したことと等価になり、真に有害な周波数スペクトルを有する地震に対してのみ緊急制御を行うことが可能となり、より的確な設備機器等の地震防災が可能となる。
また、地震の区分や判定基準は本実施例に示したものに限定されるものではなく、利用目的等に応じて適宜変更可能である。ただし、警報判定基準の破線(1)−(2)の震度レベルを下げた場合には、より短時間に警報を出すことができるものの、直下で起こるM5未満の小さな地震で不要動作が起こる可能性が高まり、逆に破線(1)−(2)の震度レベルを上げた場合には、M5未満の小さな地震で不要動作が起こる可能性はさらに低下するが、警報を出す時間が遅れることになる。そして、破線(2)−(3)の判定時間を遅くした場合、震度の低い地震で不要動作が起こる可能性が高まり、逆に破線(2)−(3)の判定時間を早くした場合、直下区分の地震が近地区分に変わり、警報時間が遅くなる。従って、破線(1)−(2)の震度レベル及び破線(2)−(3)の判定時間は警報出力時間と不要動作のトレードオフで設定することが望ましい。
実施例2のリアルタイム震度計について図21を用いて説明する(特に、請求項2、4、11、13に対応)。
図21は本発明の実施の形態に係るリアルタイム震度計の実施例2の構成図である。なお、図1を用いて説明した構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
図21に示すように、本実施例のリアルタイム震度計1bは、実施例1のリアルタイム震度計1aにおいてデジタルフィルタ4aの代わりにアナログフィルタ4bを備えるものである。すなわち、加速度検出手段2から出力されたアナログ信号10a〜10cは、アナログフィルタ4bに入力され、所定の周波数に対して図2に示すように重み付けされた後、アナログ信号15a〜15cとして出力される。そして、このアナログ信号15a〜15cは、A/D変換器3によってデジタル信号16a〜16cにそれぞれ変換された後、ベクトル合成器5によってベクトル合成されて合成デジタル信号13bとして出力される。
このような構成のリアルタイム震度計1bにおいては、デジタルフィルタ4aを使用する場合に比べると、計測可能な震度の範囲が狭まるものの、実施例1のリアルタイム震度計1aよりもハードウェアにかかる負担が小さく、かつ、フィルタ処理に要する負荷が軽減されるという作用を有する。従って、リアルタイム震度計1aよりも廉価なものとすることができる。
なお、本実施例のリアルタイム震度計1bにおいてもアナログフィルタ4bの周波数特性を図2ではなく「対象とする設備機器等の、各周波数における限界強度に対応したもの」とすることができる。そして、このようなリアルタイム震度計1bを制御用震度計として用いた場合には、対象となる設備機器等の周波数対応限界強度に応じた警報レベルが設定されることになるため、真に有害な周波数スペクトルを有する地震に対してのみ緊急制御を行うことができる。これにより、設備機器等の的確な地震防災が可能となる。
実施例3のリアルタイム震度計について図22乃至図27を用いて説明する(特に、請求項6、9、15、18に対応)。
図22は本発明の実施の形態に係るリアルタイム震度計の実施例3の構成図である。なお、図22では図1に対して震源距離算出部6bが追加されている。また、図1を用いて説明した構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
ここで、リアルタイム震度波形(1秒震度)と地震のマグニチュードの関係について安芸灘地震の本震と余震のk−netの観測データを用いて説明する。
図23は安芸灘地震の観測データに基づいて算出されたリアルタイム震度波形を示す図である。なお、余震は本震と概ね同一震源距離(およそ50km)のものを選定した。
図23に示すように、リアルタイム震度はP波の到達により急激に増大し、マグニチュードの大きい地震ほどP波到達後のリアルタイム震度の成長持続時間(P波領域における最大震度に達するまでの時間)が長く、最終的に到達する震度の最大値も大きくなっている。また、マグニチュードの大小によってP波やS波の最大値は変動するものの、リアルタイム震度波形の立ち上がり(速度や増加率)はマグニチュードの影響を殆ど受けていない。さらに、リアルタイム震度波形の増加率の最大値は、P波が到達してから0.5秒以内に記録されている。
次に、リアルタイム震度(1秒震度)の増加率と震源距離の関係について図24を用いて説明する。
図24(a)乃至(f)はリアルタイム震度波形の立ち上がり時の増加率の最大値を多数の地震についてプロットした図である。横軸は震源距離(km)であり、縦軸はリアルタイム震度の増加率(震度/秒)であり、ともに対数軸となっている。例えば、「震度が1増加するのに要する時間が0.05秒」であれば、「増加率=20」となる。また、図中のdiff X(0.01秒)は差分時間が0.01秒であることを表している。なお、図24(a)乃至(e)のドットの説明は同図(f)と同じであり、ドットの形状の違いは地震のマグニチュードが異なることを表している。
図24(a)乃至(f)より、リアルタイム震度の増加率は震源距離に反比例し、マグニチュードの大小には左右されないことがわかる。
さらに、リアルタイム震度波形(1秒震度)の立ち上がり時間と震源距離の関係について図25を用いて説明する。
図25(a)乃至(i)はリアルタイム震度波形の立ち上がり時間を多数の地震についてプロットした図である。なお、これらの図中のドットの説明を右下隅に示す。横軸は震源距離(km)であり、縦軸はリアルタイム震度波形の立ち上がり時間(s)であり、ともに対数軸である。また、ドットの形状の違いは震度(震度階級)が異なることを表している。なお、TimeDJma(−2〜0)はリアルタイム震度の値が「−2」から「0」まで変化する際のデータであることを意味している。
図25(a)乃至(i)に示すように、リアルタイム震度波形の立ち上がり時間は震源距離に比例するが、震度には影響されない。そして、リアルタイム震度の値が「0」から「1」まで変化する際のデータが最もバラツキが少なくなっている。
図26はリアルタイム震度(1秒震度)の値が「0」から「1」まで変化する際のリアルタイム震度波形の立ち上がり時間と震源距離の関係を示した図である。なお、横軸は震源距離(km)であり、縦軸は上記リアルタイム震度波形の立ち上がり時間(s)である。
図26より、リアルタイム震度波形の立ち上がり時間は震源距離が近いほど短いことがわかる。なお、図26に示したデータはバラツキが大きいため、リアルタイム震度波形の立ち上がり時間に基づいて震源距離を正確に予測することは難しいが、直下地震(震源距離で50km未満)、近地地震(同50〜100km)、遠地地震(同100km以上)の区分を予測することは十分可能である。
2000年10月の鳥取県西部地震から2006年3月の福岡県西方沖地震までに発生した15個の地震で、震度3以上を記録したk−netの観測データ(1149個)を用いてリアルタイム震度波形(1秒震度)の立ち上がり時間と計測震度の関係について説明する。
図27(a)及び(b)はそれぞれリアルタイム震度の値が「0」から「2」まで及び「0」から「3」まで変化する際のリアルタイム震度波形の立ち上がり時間と計測震度の関係を示した図である。横軸は計測震度であり、縦軸はリアルタイム震度波形の立ち上がり時間(s)である。また、凡例は「地震名」、「マグニチュード」、震源の深さ(km)を表している。
図27(a)及び(b)に示すように、リアルタイム震度波形の立ち上がり時間は震度の大きい地震ほど短くなっている。また、リアルタイム震度波形の立ち上がり時間と計測震度の間には相間関係が認められる。従って、例えば、破線で示すような近似式(破線)を予め作っておけば、この近似式を用いてS波の到達前にリアルタイム震度波形の立ち上がり時間から計測震度相当値を求めることができる。ただし、マグニチュードの小さい地震であっても震源距離が近い場合にはリアルタイム震度波形の立ち上がりが鋭くなるため、図27(a)に破線で囲んだデータのように上述の近似式では予測できない場合もある。この場合には、例えば図27(b)に示すようにリアルタイム震度の値が「0」から「3」まで変化する際のリアルタイム震度波形の立ち上がり時間に基づいて計測震度を予測することによれば、前述のマグニチュードの小さい地震の影響は軽減又は排除される。
図27(b)において、直下又は近地のM7クラスの地震はリアルタイム震度波形の立ち上がり時間が短く、到達震度が大きくなっており、直下のM5クラスの地震はリアルタイム震度波形の立ち上がり時間が短く、計測震度は小さくなっている。また、遠地のM7クラスの震度はリアルタイム震度波形の立ち上がり時間が幾分長く、計測震度は小さくなっており、遠地のM8クラスの震度はリアルタイム震度波形の立ち上がり時間が長く、計測震度は大きくなっている。従って、「直下又は近地のM7クラスの地震」と「直下のM5クラスの地震」では「P波の成長持続時間と震度の成長具合」がそれぞれ異なるので、「到達震度と到達時間」の違いを利用して両者の区別をすることで適切な警報を出力することが可能である。また、M7クラス以上の遠距離地震も「到達震度と到達時間」の判定条件を適切に選定することで遠地地震の区別をすることができる。このように、リアルタイム震度波形の立ち上がり時間が2秒以内の地震は直下の大地震である可能性が高く、リアルタイム震度波形の立ち上がり時間が2〜10秒以内の地震は近地の大地震である可能性が高い。なお、十勝沖地震(マグニチュード8又は7.1)のような海溝型地震については、他の地震と特性が異なるため、別の判断が必要である。
本実施例のリアルタイム震度計1cでは上述のリアルタイム震度波形の特性を利用したものであり、特に、実施例1のリアルタイム震度計1aにおいてリアルタイム震度がP波初動部分における第1の震度から第2の震度に達するまでに要する時間に基づいて震度算出部6aが計測震度相当値を算出し、震源距離算出部6bがP波初動部分におけるリアルタイム震度の増加率あるいはリアルタイム震度が第1の震度から第2の震度に達するまでに要する時間に基づいて震源距離を算出することを特徴とする。すなわち、震源距離算出部6bはベクトル合成器5及び震度算出部6aとともに演算部9aを構成する。
このような構成のリアルタイム震度計1cにおいては、S波や表面波の到達前にそれらによる地震動の強さが速やかに予測されることになる。すなわち、震源距離や計測震度相当値を極めて短時間に予測することができるため、緊急地震速報が特に適用困難な震源近傍においても有効な警報や制御信号を発することが可能である。これにより、的確な防災措置を講じることが可能となる。
実施例4のリアルタイム震度計について図28乃至図37を用いて説明する(特に、請求項19乃至22に対応)。
図28は本発明の実施の形態に係るリアルタイム震度計の実施例4の構成図である。また、図29は実施例4のリアルタイム震度計を構成するデジタルフィルタの周波数特性を示す図である。なお、図1を用いて説明した構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
図28に示すように、本実施例のリアルタイム震度計1dは、実施例1のリアルタイム震度計1aを、デジタル信号11a〜11cがデジタルフィルタ4aによって所定の周波数に対して、警報又は制御の対象となる構造物又は設備機器の特性に基づいて予め設定された周波数特性に従って重み付けをされるような構成とした変形例の1つに相当する。具体的には、リアルタイム震度計1dは、リアルタイム震度計1においてデジタルフィルタ4a,演算部9a,判定部7及び警報部8の代わりに、通過周波数帯域の異なる3つのフィルタ17a〜17cと、これらのフィルタを通過した信号を処理する演算部9b,判定部20a〜20c及び警報部21a〜21cを備えている。さらに、演算部9bはベクトル合成器18a〜18c及び震度算出部19a〜19cからなり、フィルタ17a〜17cをそれぞれ通過した信号を個別に処理可能な構成となっている。そして、フィルタ17a〜17cはそれぞれ図29(a)乃至(c)に示す周波数特性を有している。
A/D変換器3から出力されたデジタル信号11a〜11cはフィルタ17aによって0.333Hz以上の周波数成分がそれぞれカットされてデジタル信号22a〜22cとなる。また、フィルタ17bに入力されたデジタル信号11a〜11cは0.333Hz〜2Hz以外の周波数成分がそれぞれカットされてデジタル信号23a〜23cとして出力される。さらに、フィルタ17cに入力されたデジタル信号11a〜11cは2Hz以下の周波数成分がそれぞれカットされてデジタル信号24a〜24cとして出力される。なお、デジタル信号22a〜22c、デジタル信号23a〜23c及びデジタル信号24a〜24cは、ベクトル合成器18a〜18cによってそれぞれベクトル合成されて合成デジタル信号25a〜25cとなる。そして、震度算出部19a〜19cは合成デジタル信号25a〜25cに基づいてリアルタイム震度J1〜J3をそれぞれ算出し、判定部20a〜20cはリアルタイム震度J1〜J3に基づいて地震の種別を判定するとともに地震防災用信号26a〜26cをそれぞれ出力し、警報部21a〜21cは地震防災用信号26a〜26cに従って地震の種別に関する情報を含んだ警報をそれぞれ発することになる。
地震には周波数スペクトルに偏りがあるものや振動の周期が長いものがある。このような場合、従来の震度計では、気象庁の定める震度フィルタを使用しているため、適切な結果が得られないおそれがある。これに対し、本実施例のリアルタイム震度計1dにおいては、フィルタ17a〜17cを通過する3種類の周波数帯域の信号に基づいて個別に地震の種別が判定されるという作用を有する。従って、本実施例のリアルタイム震度計1dを施設管理に使用するならば、それぞれの施設の固有周波数を含む周波数帯域の震度を正確に検出することができる。これにより、施設ごとに的確な防災措置及び減災措置を施すことが可能となる。
ここで、2008年6月に発生した岩手・宮城内陸地震と2004年10月に発生した新潟中越地震と2003年9月に発生した十勝沖地震に関するk−netの観測データをリアルタイム震度計1dで処理した結果について図30乃至図37を用いて説明する。
図30(a)は実施例4のリアルタイム震度計1dを用いて岩手・宮城内陸地震に関する表層の上下動成分の観測データ(観測点は一関西)を処理して求めた周波数スペクトルであり、(b)は同図(a)のリアルタイム震度波形である。また、図31(a)乃至(c)は図30と同一の観測データにおいて通過周波数帯域が0.333Hz以下、0.333〜2Hz及び2Hz以上となるようなフィルタ処理が施された信号に基づいて算出されたリアルタイム震度波形である。なお、図31(a)乃至(c)はそれぞれ前述のリアルタイム震度J1〜J3に相当する。また、図30(a)の横軸及び縦軸は、ともに対数軸である。
図30(a)に示すように0.333Hz以下の周波数成分は少なく、0.333〜2Hzの周波数成分はやや少なく、2Hz以上の周波数成分は多くなっている。また、図30(b)に示すように、リアルタイム震度の最大値は6.3に達している。
図31(a)に示すように、0.333Hz以下の周波数帯域において震度が1を超えた時間が60秒以内となっている。従って、長周期被害の起こる可能性は少なかったことがわかる。また、図31(b)では、リアルタイム震度の最大値が6未満となっており、木造家屋への影響が少なかったことがわかる。さらに、図31(c)に示すように、2Hz以上の周波数帯域での震度が最も大きくなっている。これは、図31(a)及び(b)と同様に木造家屋へ影響が少なかったことを裏付けている。
図32(a)は実施例4のリアルタイム震度計1dを用いて新潟中越地震に関する東西動成分の観測データ(観測点は小千谷)を処理して求めた周波数スペクトルであり、(b)は同図(a)のリアルタイム震度波形である。また、図33(a)乃至(c)は図32と同一の観測データにおいて通過周波数帯域が0.333Hz以下、0.333〜2Hz及び2Hz以上となるようなフィルタ処理が施された信号に基づいて算出されたリアルタイム震度波形である。なお、図33(a)乃至(c)はそれぞれ前述のリアルタイム震度J1〜J3に相当する。また、図32(a)の横軸及び縦軸は、ともに対数軸である。
図32(a)に示すように0.333〜2Hzの周波数成分が主体であり、0.333Hz以下の周波数成分もやや多くなっている。また、図32(b)に示すように、リアルタイム震度の最大値は6.8に達している。
図33(a)に示すように、0.333Hz以下の周波数帯域において震度の最大値が4に達しており、震度が1を超えた状態が約150秒間続いている。従って、長周期構造物に被害が出たおそれがある。また、図33(b)では、0.333〜2Hzの周波数成分が卓越しており、木造家屋への影響が大きかったことがわかる。なお、図33(c)に示すように、2Hz以上の周波数成分は比較的少なくなっている。
図34(a)は実施例4のリアルタイム震度計1dを用いて新潟中越地震に関する南北動成分の観測データ(観測点は東京・篠崎)を処理して求めた周波数スペクトルであり、(b)は同図(a)のリアルタイム震度波形である。また、図35(a)乃至(c)は図34と同一の観測データにおいて通過周波数帯域が0.333Hz以下、0.333〜2Hz及び2Hz以上となるようなフィルタ処理が施された信号に基づいて算出されたリアルタイム震度波形である。なお、図35(a)乃至(c)はそれぞれ前述のリアルタイム震度J1〜J3に相当する。また、図34(a)の横軸及び縦軸は、ともに対数軸である。
図34(a)に示すように0.333Hz以上の周波数成分は減衰し、0.333Hz以下の周波数成分が卓越している。また、図34(b)に示すように、リアルタイム震度の最大値は3.3程度である。
図35(a)に示すように、0.333Hz以下の周波数帯域において、震度が1を超えた状態が200秒以上続いている。従って、超高層ビルのエレベータ等に被害が出たおそれがある。また、図35(b)及び(c)を見ると、この地震の最大の揺れは時間的には短いが、0.333〜2Hzの周波数成分によるものであったことがわかる。
図36(a)は実施例4のリアルタイム震度計1dを用いて十勝沖地震に関する東西動成分の観測データ(観測点は苫小牧)を処理して求めた周波数スペクトルであり、(b)は同図(a)のリアルタイム震度波形である。また、図37(a)乃至(c)は図36と同一の観測データにおいて通過周波数帯域が0.333Hz以下、0.333〜2Hz及び2Hz以上となるようなフィルタ処理が施された信号に基づいて算出されたリアルタイム震度波形である。なお、図37(a)乃至(c)はそれぞれ前述のリアルタイム震度J1〜J3に相当する。また、図36(a)の横軸及び縦軸は、ともに対数軸である。
図36(a)に示すように0.333Hz以下の周波数成分が卓越している。また、図36(b)に示すように、リアルタイム震度の最大値は4.4である。
図37(a)に示すように、0.333Hz以下の周波数帯域において、震度1以上の状態が約270秒間続き、震度3以上の状態が約60秒間続いている。従って、超高層ビルや大型油槽に極めて深刻な被害が出たおそれがある。また、図37(b)及び(c)を見ると、この地震の最大の揺れは時間的には短いが、0.333〜2Hzの周波数成分によるものであったことがわかる。
なお、本実施例のリアルタイム震度計1dでは実施例1のデジタルフィルタ4aの周波数帯域を3分割し、フィルタ17a〜17cを用いてデジタルフィルタ4aの全周波数帯域をそれぞれ分担する構成となっているが、周波数帯域の区切りや分割数及びそれに用いるフィルタの数は本実施例に示すものに限らず、適宜変更可能である。また、実施例1の代わりに、実施例2のアナログフィルタ4bの周波数帯域を3分割し、フィルタ17a〜17cに相当する3つのアナログフィルタによってアナログフィルタ4bの全周波数帯域をそれぞれ分担する構成とすることもできる。この場合、ハードウェアへの負担が低減されるとともに、本実施例のリアルタイム震度計1dと同様の作用及び効果が発揮される。
本発明の請求項1乃至請求項22に記載された発明は、地震の種別や規模を短時間に予測して的確な防災措置を講じる必要がある設備や地域において特に有効である。
本発明の実施の形態に係るリアルタイム震度計の実施例1の構成図である。 実施例1のリアルタイム震度計を構成するデジタルフィルタの周波数特性を示す図である。 実施例1のリアルタイム震度計を構成する震度算出部の動作原理を説明するための図である。 中越地震の本震の観測データに基づいて算出されたリアルタイム震度波形(1秒震度)を示す図である。 実施例1のリアルタイム震度計によって算出された震度中間値及びリアルタイム震度波形(1秒震度、2秒震度)を示す図である。 図5を部分的に拡大し、2秒震度を5秒震度に置き換えた図である。 (a)乃至(d)は鳥取県西部地震の本震及び余震のデータに基づいて算出されたリアルタイム震度波形(1秒震度)及び従来型震度計と同一手法によって算出された震度波形を比較した図である。 リアルタイム震度(1秒震度)の最大値と計測震度との関係を示した図である。 (a)はP波領域全体におけるリアルタイム震度(1秒震度)の最大値と計測震度との関係を示した図であり、同図(b)はP波到達から1秒後までのリアルタイム震度(1秒震度)の最大値と計測震度との関係を示した図である。 (a)はP波到達から2秒後までのリアルタイム震度(1秒震度)の最大値と計測震度との関係を示した図であり、同図(b)はP波到達から3秒後までのリアルタイム震度(1秒震度)の最大値と計測震度との関係を示した図である。 各観測点の直下又は近傍におけるリアルタイム震度波形を示した図である。 近地区分の地震におけるリアルタイム震度波形を示した図である。 内陸又は沿岸で起こる遠地地震におけるリアルタイム震度波形を示した図である。 海溝型の遠地地震におけるリアルタイム震度波形を示した図である。 中越地震の際に観測点(327箇所)で記録された上下方向の加速度成分の波形を震央距離に応じて縦軸方向に並べてプロットした図である。 本実施例のリアルタイム震度計を用いて図15と同じ観測データから算出したリアルタイム震度波形を震央距離に応じて縦軸方向に並べてプロットした図である。 (a)乃至(t)は図16に示したもののうち震央距離が62kmよりも短い20箇所の観測点についてリアルタイム震度波形を個別に示した図である。 (a)乃至(t)は図16に示したもののうち震央距離が198kmよりも長い20箇所の観測点についてリアルタイム震度波形を個別に示した図である。 (a)は従来の加速度計によって観測された落雷時の加速度データであり、同図(b)は本実施例のリアルタイム震度計の震度フィルタ通過後のデータであり、同図(c)は同図(a)の加速度データから算出したリアルタイム震度波形である。 (a)は従来の加速度計によって観測された除雪車通過時の加速度データであり、同図(b)は本実施例のリアルタイム震度計の震度フィルタ通過後のデータであり、同図(c)は同図(a)の加速度データから算出したリアルタイム震度波形である。 本発明の実施の形態に係るリアルタイム震度計の実施例2の構成図である。 本発明の実施の形態に係るリアルタイム震度計の実施例3の構成図である。 安芸灘地震の観測データに基づいて算出されたリアルタイム震度波形を示す図である。 (a)乃至(f)はリアルタイム震度波形の立ち上がり時の増加率の最大値を多数の地震についてプロットした図である。 (a)乃至(i)はリアルタイム震度波形の立ち上がり時間を多数の地震についてプロットした図である。 リアルタイム震度(1秒震度)の値が「0」から「1」まで変化する際のリアルタイム震度波形の立ち上がり時間と震源距離の関係を示した図である。 (a)及び(b)はそれぞれリアルタイム震度の値が「0」から「2」まで及び「0」から「3」まで変化する際のリアルタイム震度波形の立ち上がり時間と計測震度の関係を示した図である。 本発明の実施の形態に係るリアルタイム震度計の実施例4の構成図である。 実施例4のリアルタイム震度計を構成するデジタルフィルタの周波数特性を示す図である。 (a)は実施例4のリアルタイム震度計を用いて岩手・宮城内陸地震に関する表層の上下動成分の観測データ(観測点は一関西)を処理して求めた周波数スペクトルであり、(b)は同図(a)のリアルタイム震度波形である。 (a)乃至(c)は図30と同一の観測データにおいて通過周波数帯域が0.333Hz以下、0.333〜2Hz及び2Hz以上となるようなフィルタ処理が施された信号に基づいて算出されたリアルタイム震度波形である。 (a)は実施例4のリアルタイム震度計を用いて新潟中越地震に関する東西動成分の観測データ(観測点は小千谷)を処理して求めた周波数スペクトルであり、(b)は同図(a)のリアルタイム震度波形である。 (a)乃至(c)は図32と同一の観測データにおいて通過周波数帯域が0.333Hz以下、0.333〜2Hz及び2Hz以上となるようなフィルタ処理が施された信号に基づいて算出されたリアルタイム震度波形である。 (a)は実施例4のリアルタイム震度計を用いて新潟中越地震に関する南北動成分の観測データ(観測点は東京・篠崎)を処理して求めた周波数スペクトルであり、(b)は同図(a)のリアルタイム震度波形である。 (a)乃至(c)は図34と同一の観測データにおいて通過周波数帯域が0.333Hz以下、0.333〜2Hz及び2Hz以上となるようなフィルタ処理が施された信号に基づいて算出されたリアルタイム震度波形である。 (a)は実施例4のリアルタイム震度計を用いて十勝沖地震に関する東西動成分の観測データ(観測点は苫小牧)を処理して求めた周波数スペクトルであり、(b)は同図(a)のリアルタイム震度波形である。 (a)乃至(c)は図36と同一の観測データにおいて通過周波数帯域が0.333Hz以下、0.333〜2Hz及び2Hz以上となるようなフィルタ処理が施された信号に基づいて算出されたリアルタイム震度波形である。 気象庁によって公表されている震度の周波数特性を示す図である。
符号の説明
1a〜1d…リアルタイム震度計 2…加速度検出手段 3…A/D変換器 4a…デジタルフィルタ 4b…アナログフィルタ 5…ベクトル合成器 6a…震度算出部 6b…震源距離算出部 7…判定部 8…警報部 9a,9b…演算部 10a〜10c…アナログ信号 11a〜11c…デジタル信号 12a〜12c…デジタル信号 13a,13b…合成デジタル信号 14…地震防災用信号 15a〜15c…アナログ信号 16a〜16c…デジタル信号 17a〜17c…フィルタ 18a〜18c…ベクトル合成器 19a〜19c…震度算出部 20a〜20c…判定部 21a〜21c…警報部 22a〜22c…デジタル信号 23a〜23c…デジタル信号 24a〜24c…デジタル信号 25a〜25c…合成デジタル信号 26a〜26c…地震防災信号 D〜G…波形 I…震度中間値 J…リアルタイム震度 J1〜J3…リアルタイム震度 P〜R…破線

Claims (22)

  1. 地震に伴って東西方向、南北方向、上下方向にそれぞれ発生する3種類の加速度成分を検出する加速度検出手段と、この加速度検出手段から出力されるアナログ信号を第1のデジタル信号に変換するA/D変換器と、このA/D変換器から出力される前記第1のデジタル信号に,所定の周波数に対する重み付けを行って第2のデジタル信号に変換するデジタルIIRフィルタと、このデジタルIIRフィルタから出力される3種類の前記第2のデジタル信号をベクトル合成して第3のデジタル信号に変換するとともに,この第3のデジタル信号に基づいてリアルタイム震度を計算する演算部と、このリアルタイム震度に基づいて地震の種類を判定する判定部とを備え、この判定部は予め定められた基準値と前記リアルタイム震度とを比較して地震の種別を判定することを特徴とするリアルタイム震度計。
  2. 地震に伴って東西方向、南北方向、上下方向にそれぞれ発生する3種類の加速度成分を検出する加速度検出手段と、この加速度検出手段から出力される第1のアナログ信号に,所定の周波数に対する重み付けを行って第2のアナログ信号に変換するアナログフィルタと、この第2のアナログ信号を第1のデジタル信号に変換するA/D変換器と、このA/D変換器から出力される3種類の前記第1のデジタル信号をベクトル合成して第2のデジタル信号に変換するとともにこの第2のデジタル信号に基づいてリアルタイム震度を計算する演算部と、このリアルタイム震度に基づいて地震の種類を判定する判定部とを備え、この判定部は予め定められた基準値と前記リアルタイム震度とを比較して地震の種別を判定することを特徴とするリアルタイム震度計。
  3. 前記デジタルIIRフィルタは、前記第1のデジタル信号の所定の周波数に対して、警報又は制御の対象となる構造物又は設備機器の特性に基づいて予め設定された周波数特性に従って重み付けを行うことを特徴とする請求項1記載のリアルタイム震度計。
  4. 前記アナログフィルタは、前記第1のアナログ信号の所定の周波数に対して、警報又は制御の対象となる構造物又は設備機器の特性に基づいて予め設定された周波数特性に従って重み付けを行うことを特徴とする請求項2記載のリアルタイム震度計。
  5. 前記演算部は、計測震度相当値としてリアルタイム震度の最大値を求めることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のリアルタイム震度計。
  6. 前記演算部は、P波初動部分における前記リアルタイム震度の増加率に基づいて震源距離を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のリアルタイム震度計。
  7. 前記演算部は、前記リアルタイム震度のうち特にP波領域における最大値を求めることを特徴とする請求項5記載のリアルタイム震度計。
  8. 前記演算部は、前記リアルタイム震度のうち特にP波初動部分の所定時間内における最大値を求めることを特徴とする請求項5記載のリアルタイム震度計。
  9. 前記演算部は、前記リアルタイム震度がP波初動部分における第1の震度から第2の震度に達するまでに要する時間に基づいて震源距離又は計測震度相当値を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のリアルタイム震度計。
  10. 地震に伴って東西方向、南北方向、上下方向にそれぞれ発生する3種類の加速度成分を検出し、この加速度成分を表すアナログ信号をデジタル信号に変換し、IIRフィルタ処理を施して所定の周波数に対して重み付けを行うとともにベクトル合成し、この合成されたデジタル信号に基づいてリアルタイム震度を計算し、予め定められた基準値とこのリアルタイム震度とを比較して地震の種別を判定することを特徴とする震度等の予知方法。
  11. 地震に伴って東西方向、南北方向、上下方向にそれぞれ発生する3種類の加速度成分を検出し、この加速度成分を表すアナログ信号にアナログフィルタ処理を施して所定の周波数に対して重み付けを行うとともにデジタル信号に変換し、このデジタル信号をベクトル合成し、この合成されたデジタル信号に基づいてリアルタイム震度を計算し、予め定められた基準値とこのリアルタイム震度とを比較して地震の種別を判定することを特徴とする震度等の予知方法。
  12. 警報又は制御の対象となる構造物又は設備機器の特性に基づいて予め設定された周波数特性に従って、前記デジタル信号にIIRフィルタ処理を施して所定の周波数に対して重み付けを行うことを特徴とする請求項10記載の震度等の予知方法。
  13. 警報又は制御の対象となる構造物又は設備機器の特性に基づいて予め設定された周波数特性に従って、前記アナログ信号にアナログフィルタ処理を施して所定の周波数に対して重み付けを行うことを特徴とする請求項11記載の震度等の予知方法。
  14. 計測震度相当値としてリアルタイム震度の最大値を求めることを特徴とする請求項10乃至請求項13のいずれか1項に記載の震度等の予知方法。
  15. P波初動部分における前記リアルタイム震度の増加率に基づいて震源距離を算出することを特徴とする請求項10乃至請求項14のいずれか1項に記載の震度等の予知方法。
  16. 前記リアルタイム震度のうち特にP波領域における最大値を求めることを特徴とする請求項14記載の震度等の予知方法。
  17. 前記リアルタイム震度のうち特にP波初動部分の所定時間内における最大値を求めることを特徴とする請求項14記載の震度等の予知方法。
  18. 前記リアルタイム震度がP波初動部分における第1の震度から第2の震度に達するまでに要する時間に基づいて震源距離又は計測震度相当値を算出することを特徴とする請求項10乃至請求項13のいずれか1項に記載の震度等の予知方法。
  19. 前記デジタルIIRフィルタは、通過周波数帯域の異なる複数のフィルタからなり、前記演算部及び前記判定部は、これら複数のフィルタをそれぞれ通過した信号を個別に処理可能に構成されることを特徴とする請求項3記載のリアルタイム震度計。
  20. 前記アナログフィルタは、通過周波数帯域の異なる複数のフィルタからなり、前記演算部及び前記判定部は、これら複数のフィルタをそれぞれ通過した信号を個別に処理可能に構成されることを特徴とする請求項4記載のリアルタイム震度計。
  21. 前記IIRフィルタ処理は、通過周波数帯域の異なる複数のフィルタ処理からなり、これら複数のフィルタ処理をそれぞれ施された信号を個別にベクトル合成することを特徴とする請求項12記載の震度等の予知方法。
  22. 前記アナログフィルタ処理は、通過周波数帯域の異なる複数のフィルタ処理からなり、これら複数のフィルタ処理をそれぞれ施された信号を個別にベクトル合成することを特徴とする請求項13記載の震度等の予知方法。
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