JP6066762B2 - 津波予測システム及び津波予測方法 - Google Patents

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本発明は、地震等により発生した津波の沿岸への到達を予測し警報を発する津波予測システム及び津波予測方法に関する。
従来の津波予測システムの例として、GPS受信機を備える、陸上局及び海面に浮遊される計測用浮体で構成し、計測用浮体に、陸上局側から送信されたGPS衛星による陸上局の測位データ、及びGPS衛星による計測用浮体の測位データを使用して、計測用浮体の変位を演算する演算処理部と、この演算処理部で求められた変位データを陸上局側に送信する送信機とを設け、且つこの変位データに基づき、津波の有無を判断する判断処理部を具備したものがある(特許文献1)。
特開平11−63984号公報
しかし、このような従来の津波予測システムでは、GPS衛星からの電波の受信状態によっては、陸上局及び計測用浮体の測位データにゆらぎを含む場合があり、このゆらぎの影響を受けた変位データに基づき、津波の有無を判断する惧れがある。また、局所的に波が著しく高くなった場合にも、津波であると判断してしまう惧れがある。
本発明は上記問題点を解決して、測位のゆらぎや局所的な波高の変化の影響を受けにくく、より正確な津波予測システム及び津波予測方法を提供することを目的とする。
本発明の津波予測システムは、海洋上に沿岸からの距離が異なるように複数設置されたGPSを用いた波高計測器により波高を計測して地震による津波の発生を予測する津波予測システムであって、
震源に最も近い第1波高計測器により計測された波高に基づき、発生した波が津波又は津波と推測される準津波であるかを判断する津波検出部と、
当該津波検出部において準津波であると判断された場合に、前記第1波高計測器により計測された波高に基づき、前記第1波高計測器からの波の伝播経路上の第2波高計測器の位置での、波の予測波高及びその到達予測時刻を演算する到達波予測部と、
前記到達予測時刻における前記第2波高計測器により計測された波高が、前記到達波予測部により得られた前記予測波高に基づき求められた閾値よりも大きい場合に、津波であると判断する津波検証部と、
前記津波検出部において準津波であると判断された場合には1次警報信号を発生させるとともに、前記津波検証部において津波でないと判断された場合には、1次警報解除信号を、前記津波検証部において津波であると判断された場合には2次警報信号を、それぞれ発生させ、前記津波検出部において、津波であると判断された場合には2次警報信号を発生させる通報指示部と、を備える。
そして、上記津波予測システムは、海底地形が水深データとして格納された海底地形データベースを備え、
到達波予測部において、予測波高は、前記海底地形データベースから、第1波高計測器の位置での水深データh及び第2波高計測器の位置での水深データhをそれぞれ得て、水深データhの水深データhに対する比の1/4乗に、前記第1波高計測器により計測された波高を乗じることにより求められることが好ましい。
さらには、到達波予測部において、到達予測時刻は、海底地形データベースから得られる、第1波高計測器から第2波高計測器までの波の伝播経路上の水深データhに比例する波の速度関数を用いて、波が前記第1波高計測器から前記第2波高計測器までの距離を移動する時間を算出することにより求められることが好ましい。
また、本発明の津波予測方法は、海洋上に沿岸からの距離が異なるように複数設置されたGPSを用いた波高計測器により波高を計測して地震による津波の発生を予測する津波予測方法であって、
震源に最も近い第1波高計測器による波高に基づき、
発生した波が津波であると判断される場合に津波警報を発令し、
発生した波が準津波であると判断される場合に、1次警報を発令するとともに、前記第1波高計測器からの波の伝播経路上の第2波高計測器の位置での、波の予測波高及びその到達予測時刻を求め、
且つ前記到達予測時刻における前記第2波高計測器により計測された波高が、前記予測波高に基づき求められた閾値よりも小さい場合には、前記1次警報を解除し、前記到達予測時刻における前記第2波高計測器により計測された波高が、前記予測波高に基づき求められた閾値よりも大きい場合には、2次警報を発令する。
本発明の津波予測システム及び津波予測方法によれば、津波検出部により沖で津波を検出した場合に警報を発令して津波の到来を即座に住民に報知して避難を促すとともに、津波検証部において、沿海に津波が到達しているかどうかを検証し、津波検証部により津波の到達の危険性がないと判断された場合には、警報を停止することができるため、より確かな情報を住民に報知することができる。また、到達波予測部において、波高計測器による実測値に基づいて予測するため、より正確な判断を行うことができ、事前のシミュレーションによる予測値のデータベースの構築も不要となる。
本発明に係る津波予測システムの実施例の配置を示す概略図である。 図1に示す波高計測器の内部構成を示す概略図である。 図1に示すGPS基準局の内部構成を示す概略図である。 図1に示す観測センタの内部構成を示す概略図である。 本発明に係る津波予測システムの実施例を示すブロック図である。
本発明に係る津波予測システムの実施例について、図1〜図5を用いて説明する。
本実施例は、地震による津波の発生を予測する津波予測システムである。地震が発生した際、図1に示すように、震源Pにおける地殻変動により、震源Pの真上付近の海面が変動する。この海面の変動が起きた点Oを波源として発生した波は、沿海へと伝播し沿岸に到達した際に高い波高を有する津波となることがある。この津波予測システムは、所定海域の海面に海洋上に沿岸からの距離が異なるように設置された複数の波高計測器1及び陸上に設けられた観測センタ2を備える。本実施例においては、海洋上に、震源Pよりも沿岸側の沖に位置する第1波高計測器1Aと沿海に位置する第2波高計測器1Bとの2つを設置する。すなわち、第1波高計測器1Aに到達した波の伝播経路上に第2波高計測器1Bが配置されている場合を例に説明する。なお、第1波高計測器1Aと第2波高計測器1Bとは、同一構成のものとする。
本実施例においては、波高計測器1は、設置箇所の選択の自由度を向上させる観点から、海底地形に依存しない浮体式のものを採用している。すなわち、波高計測器1は、海洋上に浮くブイに設けられている。ブイは、所定位置の海底に沈められたアンカ(図示せず)と、チェーンなどの索体(図示せず)を介して係留される。さらに、波高計測器1はGPSを用いたものを採用している。波高計測器1は、図1、図2に示すように、GPSアンテナ11及びGPS受信機12と、無線通信アンテナ13及び無線通信装置14と、変位演算装置15と、を備える。図1に示すように、GPS衛星3からの測位信号を含む衛星電波31をGPSアンテナ11で受信し、GPS受信機12において測位信号を解析して波高計測器1の位置データを演算により求める。そして、図2に示すように、この位置データを変位演算装置15へ入力して位置データから海面の変位を算出し、この変位を波高データとして、波高データを算出した時刻すなわち計測時刻とともに無線通信装置14へ出力する。この波高データと計測時刻とが無線通信アンテナ13から観測センタ2へ送信される。なお、本明細書において、波高とは海面の高さで示される。また、「位置」とはアンテナの位置で決定されて3次元のユークリッド空間で定義され、具体的には緯度・経度で示される。なお、実際には、ディジタル処理を行うため、波高計測器1により計測された波高は、離散化されたものである。したがって、「波高」を「波高データ」と記載することがある。当然ながら、本明細書においては、波高と波高データとは、相互に変換可能な値であるため、これらを同一のものとして扱う。
さらに、GPSを用いた波高計測器1は、設置する位置の自由度が高い。例えば、水圧式の波高計測器を用いる場合、設置場所が震源に近いと、地震波による水圧変化が測定すべき水圧変化に重なり、正確な波高の計測が困難となる。しかし、GPSを用いたものであれば、水圧等の変化に依存しないため、波源に近い位置にも設置することができる。ゆえに、津波予測システムにおいて、津波の検出から津波の到達の報知までの処理スピードがより速くなり、即時性に優れた津波予測システムを構築することができる。
また、図1に示すように、当然、GPS衛星3からの測位信号を補正するためのGPS基準局は別途設けられている。GPS基準局は、図3に示すように、GPSアンテナ41及びGPS受信機42と、無線通信アンテナ43及び無線通信装置44とを備える。GPS基準局は、位置が正確に判明している地点であるから、GPS受信機42において、GPS衛星3から受信して得られた測位信号から演算された位置データと、正確な位置とを差し引きし、誤差を求める。この誤差を補正値として無線通信装置44に出力し、無線通信アンテナ43から波高計測器1に送信し、波高計測器1のGPS受信機12において、補正値として用いて位置データを演算することにより、より精度の高い位置データひいては波高データを算出することができる。
観測センタ2は、図4に示すように、無線通信アンテナ21及び無線通信装置22と、沖での津波の発生の検出及び沿岸への津波の到達の予測を行う津波観測装置23と、津波の到達を報知する通報伝達手段28とを備える。
津波観測装置23は、図5に示すように、震源Pに最も近い第1波高計測器1Aにより計測された波高に基づき、津波又は準津波(後述する)であるかどうかを判断する津波検出部24と、波高計測器1により計測された波高に基づき、発生した波の伝播経路上に位置する波高計測器1及び沿岸における、それぞれの波の予測波高データ及びその到達予測時刻を演算する到達波予測部25と、波高計測器1の地点での到達予測時刻におけるこの波高計測器1により計測された波高が、到達波予測部25により得られた予測波高データに基づき求められた閾値よりも大きい場合に、津波が発生したと判断する津波検証部26と、津波検出部24及び津波検証部26からのフラグrによって、1次警報信号、2次警報信号、又は警報解除信号を発生させる通報指示部27と、を備える。
津波検出部24は、図5に示すように、第1波高計測器1Aから送信された波高データH及び測定時刻tを入力とする。波高データHが閾値Hα1以上且つHα2以下である場合(Hα1≦H≦Hα2)には、発生した波が準津波であると判断してフラグr=1を出力し、波高データHが閾値Hα2よりも大きい場合(H>Hα2)には、発生した波が津波であると判断してフラグr=2を出力する。ここで、「津波」とは、沿岸へ到達した場合に、沿岸付近の陸に浸水することによって重大な災害を引き起こす波高を有する波をいい、また、「準津波」とは、沖においては「津波」よりも低い波高だが、沿岸へ到達する間に「津波」と同等の波高へと成長して「津波」と同様の重大な災害を引き起こす波高を有する波をいう。また、実質的には、安全性の観点から、閾値Hα1は実の閾値Hα1’よりも小さな値、具体的には、Hα1=αHα1’(α=0.8)で設定される。この実の閾値Hα1’は、沿岸にて津波と判断される波高に基づき、公知の方法により沿岸から波高計測器1までの距離及び水深の変化等を用いて求められる。なお、αの値は状況に応じて、例えば0.7以上1未満(0.7≦α<1)で適切に設定される。
到達波予測部25は、図5に示すように、津波検出部24から出力された値(t,H)を入力とし、津波の伝播経路上に位置する第2波高計測器1Bを計測地点とし、第2波高計測器1Bにて測定されると推定される予測波高データH’を、第1波高計測器1Aでの波高データHに基づき求める到達波波高演算部25aと、第2波高計測器1Bに津波が到達する到達予測時刻t’を、第1波高計測器1Aで津波が観測された時刻tから求める到達時刻演算部25bとを備える計測地点到達波予測部25cを有する。また、計測地点到達波予測部25cにより得られた予測波高データH’及び到達予測時刻t’を津波検証部26へ出力する。
本実施例においては、図4及び図5に示すように、津波予測システムは、津波観測装置23の到達波予測部25に、海底地形が水深データとして格納された海底地形データベース25dを備えている。海底地形データベース25dについては、データの格納の仕方は特に限定されないが、例えば海域ごと分類されて、1〜10m間隔の等深線の通る位置が格納されているものを用いればよい。
到達波波高演算部25aでは、海底地形データベース25dから得られる水深データを用いて予測波高データを求める。すなわち、第1波高計測器1Aの位置での水深データh(図1に図示)及び第2波高計測器1Bの位置での水深データh(図1に図示)から、第1波高計測器1Aと第2波高計測器1Bとの間の水深の変化を求め、沖で発生した津波が沿岸へ向かって伝播される際に、その波高の変化は、水深の変化に反比例すること(いわゆるグリーンの法則)を利用して予測波高データを求める。なお、これは津波が保有するエネルギーが一定であるという法則から、水深の変化に伴い伝播速度が変化することにより、津波の前方と後方との速度差に応じて波高が変化するという思想に基づき導き出されるものである。具体的には、海底地形データベース25dから第1波高計測器1Aの位置での水深データh及び第2波高計測器1Bの位置での水深データhをそれぞれ得る。予測波高データH’は、下記の式(1)で示すように、水深データhの水深データhに対する比の1/4乗に、第1波高計測器1Aにより計測された波高Hを乗じることにより求められる。この演算方法は演算の即時性を有するため、本発明のように実測値から実時間処理により予測値を求める場合に特に効果的である。
Figure 0006066762
到達時刻演算部25bにおいては、到達予測時刻t’は、第1波高計測器1Aから第2波高計測器1Bまでの波の伝播経路上の位置xにおける水深h(x)に比例する波の速度関数v(x)を用いて、津波が第1波高計測器1Aから第2波高計測器1Bまでの距離L(図1に図示)を移動する時間Tを算出し、第1波高計測器1Aでの計測時刻tに加算することで求められる。具体的には、速度関数v(x)は、下記の式(2)で示すように、第1波高計測器1Aから第2波高計測器1Bまでの波の伝播経路上の水深h(x)に重力加速度gを乗じたものの1/2乗によって求められる。ここで、位置xは、第1波高計測器1Aを基準とした距離で示される。
Figure 0006066762
したがって、津波が距離Lを進むのに要する時間Tは、下記の式(3)で示すように、速度関数v(x)の逆数について、第1波高計測器1Aの位置から第2波高計測器1Bの位置の区間で積分することにより求まる。
Figure 0006066762
なお、実質的にはディジタル処理を行うため、下記の式(4)で示すように、第1波高計測器1Aの位置から第2波高計測器1Bの位置までの間の距離Lを等距離wでN分割し、離散化した位置x(i=0,1,2,・・・・N)における水深データh(x)を用いて近似する。
Figure 0006066762
下記の式(5)で示すように、水深データh(x)から求められるv(x)を用い、津波が隣り合う位置x間の距離wを進むのに要する時間の総和Tを求める。
Figure 0006066762
最終的に、下記の式(6)で示すように、到達予測時刻t’は、第1波高計測器1Aでの計測時刻tに時間Tを加算し求める。
Figure 0006066762
到達波予測部25は、発生した波が沿岸に到達した際の波高及びその到達時刻を求める沿岸到達波予測部25eを具備する。発生した波が沿岸に到達した際に推定される予測波高を、各波高計測器1A,1Bにて測定される波高データに基づき求める沿岸波高演算部25fと、沿岸に波が到達する予測時刻を、各波高計測器1A,1Bで波が観測された時刻から求める沿岸到達時刻演算部25gとを備え、沿岸予測波高データH’及び沿岸到達予測時刻t’を出力する。これらの沿岸予測波高データH’及び沿岸到達予測時刻t’は、計測地点到達波予測部25cと同一の算出方法であるため、説明を省略する。ただし、第1波高計測器1A及び第2波高計測器1Bによりそれぞれ得られる計測値を用いて、沿岸予測波高データH’及び沿岸到達予測時刻t’を算出する。これらの沿岸予測波高データH’及び沿岸到達予測時刻t’は、情報伝達手段29へ送出される。
津波検証部26は、図5に示すように、到達予測時刻t’及び予測波高データH’と、到達予測時刻t’において第2波高計測器1Bにより計測された波高Hとを入力とし、波高Hが予測波高データH’に基づき求められた閾値Hβよりも大きいかどうかを判断し、波が到達したかどうかを検証する。波高Hが閾値Hβ以上である場合(H≧Hβ)には、その結果を示すフラグr=2を通報指示部27に出力し、波高Hが閾値Hβよりも小さい場合(H<Hβ)には、その結果を示すフラグr=0を通報指示部27に出力する。本実施例においては、閾値Hβ=βH’で設定され、安全性の観点からβ=0.8を採用している。なお、βの値は状況に応じて、例えば0.7以上1未満(0.7≦β<1)で適切に設定される。
通報指示部27は、津波検出部24及び津波検証部26のフラグrの値が1の場合には1次警報信号を、フラグrの値が2の場合には2次警報信号を通報伝達手段28へ出力する。また、津波検証部26のフラグrの値が0の場合には、1次警報解除信号を出力する。
通報伝達手段28は、図5に示すように、通報指示部27の出力を入力とし、1次警報信号を受けた場合には、1次警報を発令し、2次警報信号を受けた場合には、2次警報を発令し、1次警報解除信号を受けた場合には1次警報の発令を停止する。なお、2次警報は、津波が沿岸に到達した場合又は安全な状態になった場合に、停止されるように構成されている。本実施例においては、通報伝達手段28には、警報機を採用している。
情報伝達手段29は、例えば津波が沿岸に到達した場合の波高H’や、津波が沿岸に到達する時刻t’等、発生した津波に関する情報を公開する。情報伝達手段29としては、例えば、インターネットやテレビ、ラジオ等の即時伝達可能な媒体が挙げられる。このとき、第1波高計測器1Aによる計測値を用いて算出された沿岸予測波高データH’及び沿岸到達予測時刻t’を算出した場合、これを情報伝達手段29により公開すれば、津波情報としては必ずしも正確な値でなくとも、より早く危険を検知でき、より早く避難を促すことができる。
本実施例に係る津波予測システムを用いた津波予測方法について説明する。まず、津波検出部24に各波高計測器1A,1Bの波高Hを入力して、ある条件を満たすか否かを判断し、津波又は準津波を検出するとともに、通報指示部27により1次警報信号を発生して1次警報の警報機を作動させる。次に、到達波予測部25において、第1波高計測器1Aにより計測された波高に基づき、第2波高計測器1Bの位置での津波の予測波高データH’及びその到達予測時刻t’を求める。そして、津波検証部26において、到達波予測部25により得られた予測波高データH’に基づき求められた閾値Hβを設定し、到達予測時刻t’における第2波高計測器1Bにより計測された波高Hが、閾値Hβよりも大きい場合には、通報指示部27により2次警報信号を発生して2次警報の警報機を作動させ、閾値Hβよりも小さい場合には、1次警報解除信号を発生させて警報機を停止する。
すなわち、震源Pに最も近い第1波高計測器1Aによる波高Hに基づき、発生した波が津波であると判断される場合に、2次警報を発令して、発生した波が準津波であると判断される場合に、1次警報を発令するとともに、第2波高計測器1Bの位置での、波の予測波高データH’及びその到達予測時刻t’を求め、且つ到達予測時刻t’における第2波高計測器1Bにより計測された波高Hが、予測波高データH’に基づき求められた閾値Hβよりも小さい場合には、1次警報を停止させ、到達予測時刻t’における第2波高計測器1Bにより計測された波高Hが、予測波高データH’に基づき求められた閾値Hβよりも大きい場合には、2次警報を発令するものである。
本実施例に係る津波予測システム及びこれを用いた津波予測方法によれば、津波検出部24により沖で津波を検出した場合に警報を発令して津波の到来を即座に住民に報知して避難を促すとともに、津波検証部26において、沿海で津波が到達しているかどうかを検証し、津波検証部26により津波の到達の危険性がないと判断された場合には、警報を停止することができるため、より確かな情報を住民に報知することができる。また、到達波予測部25において、波高計測器1による実測値に基づいて予測するため、より正確な判断を行うことができ、事前のシミュレーションによる予測値のデータベースの構築も不要となる。
さらに、沿岸到達波予測部25eにおいて、各波高計測器1A,1Bで計測された波高に基づき、発生した波が沿岸に到達したときの高さ及び到達時刻を求め、発生した津波に関する情報を、例えばマスメディア等の情報伝達手段29を通じて公開する。このとき、例えば、第1波高計測器1による計測値を用いて算出された、沿岸予測波高データH’及び沿岸到達予測時刻t’を算出した場合、これを情報伝達手段29により公開すれば、津波情報としては必ずしも正確な値でなくとも、より早く危険を検知でき、より早期に避難することができる。
[変形例]
本実施例においては、1つの沿岸に、第2波高計測器1Bが単数設けられる場合を例に挙げて説明したが、第2波高計測器1Bが複数設けられていてもよい。さらに、沿岸が長い場合には、予め沿岸を複数の領域に区分し、区分された各領域に対して、第2波高計測器1Bを単数又は複数設ければよい。当然ながら、第2波高計測器が複数設けられる場合には、各第2波高計測器1Bにより得られた計測値について、上述の津波予測システムがそれぞれ適用される。
また、本実施例においては、沖と沿海とに設けられた2つの波高計測器1を用いた場合であるため、到達波予測部25において、津波の伝播経路を演算していないが、これに限定されない。例えば、波高計測器1が海洋上に無作為に設けられる場合、また第1波高計測器1Aよりも沿岸側の震源Pにより津波が発生した場合に、津波の伝播経路を求め、伝播経路上に位置するものを第2波高計測器1Bとして特定する必要がある。このため、到達波予測部25に、図5に破線で示すように、津波の伝播経路を計算する伝播経路演算部25hを設けても構わない。
本実施例においては、GPS基準局4と観測センタ2は別体で設けたが、一体であっても構わない。
また、本実施例においては、波高計測器1は単独でブイに設けた構成としているが、例えば浮体式の洋上風力発電機に波高計測器1を設けても構わない。
本実施例においては、津波検出部24は観測センタ2に設けられているが、波高計測器1に設けられていても構わない。
本実施例においては、到達波予測部25の予測波高データの算出にはいわゆるグリーンの法則を用いたがこれに限定されない。例えば、さらに予測精度を向上させるために、波源Oを構成する分割領域(分割波源)が単位高さ隆起したときに発生する津波(分割津波)の線形和と、第1波高計測器1Aの位置での波形とが一致するように最小二乗法により推定された、分割波源の初期変動量に基づき分割津波の線形和を計算することにより、第2波高計測器1Bの位置での波高を予測する方法(いわゆるインバージョン手法)を採用しても構わない。
本実施例においては、1次警報及び2次警報を共に警報機を用いた場合を例示しているが、これに特に限定されない。例えば、1次警報を避難勧告とし、2次警報を避難指示として、住民に避難を促すような構成としても構わない。
1 波高計測器
11 GPSアンテナ
12 GPS受信機
1A 第1波高計測器
1B 第2波高計測器
2 観測センタ
23 津波観装置
24 津波検出部
25 到達波予測部
25a 到達波波高演算部
25b 到達時刻演算部
25c 計測地点到達波予測部
25d 海底地形データベース
25e 沿岸到達波予測部
25f 沿岸波高演算部
25g 沿岸到達時刻演算部
26 津波検証部
27 通報指示部
28 通報伝達手段
29 情報伝達手段
3 GPS衛星
4 GPS基準局

Claims (4)

  1. 海洋上に沿岸からの距離が異なるように複数設置されたGPSを用いた波高計測器により波高を計測して地震による津波の発生を予測する津波予測システムであって、
    震源に最も近い第1波高計測器により計測された波高に基づき、発生した波が津波又は津波と推測される準津波であるかを判断する津波検出部と、
    当該津波検出部において準津波であると判断された場合に、前記第1波高計測器により計測された波高に基づき、前記第1波高計測器からの波の伝播経路上の第2波高計測器の位置での、波の予測波高及びその到達予測時刻を演算する到達波予測部と、
    前記到達予測時刻における前記第2波高計測器により計測された波高が、前記到達波予測部により得られた前記予測波高に基づき求められた閾値よりも大きい場合に、津波であると判断する津波検証部と、
    前記津波検出部において準津波であると判断された場合には1次警報信号を発生させるとともに、前記津波検証部において津波でないと判断された場合には、1次警報解除信号を、前記津波検証部において津波であると判断された場合には2次警報信号を、それぞれ発生させ、前記津波検出部において、津波であると判断された場合には2次警報信号を発生させる通報指示部と、を備えることを特徴とする津波予測システム。
  2. 海底地形が水深データとして格納された海底地形データベースを備え、
    到達波予測部において、予測波高は、前記海底地形データベースから、第1波高計測器の位置での水深データh及び第2波高計測器の位置での水深データhをそれぞれ得て、水深データhの水深データhに対する比の1/4乗に、前記第1波高計測器により計測された波高を乗じることにより求められることを特徴とする請求項1に記載の津波予測システム。
  3. 到達波予測部において、到達予測時刻は、海底地形データベースから得られる、第1波高計測器から第2波高計測器までの波の伝播経路上の水深データhに比例する波の速度関数を用いて、波が前記第1波高計測器から前記第2波高計測器までの距離を移動する時間を算出することにより求められることを特徴とする請求項2に記載の津波予測システム。
  4. 海洋上に沿岸からの距離が異なるように複数設置されたGPSを用いた波高計測器により波高を計測して地震による津波の発生を予測する津波予測方法であって、
    震源に最も近い第1波高計測器による波高に基づき、
    発生した波が津波であると判断される場合に津波警報を発令し、
    発生した波が準津波であると判断される場合に、1次警報を発令するとともに、前記第1波高計測器からの波の伝播経路上の第2波高計測器の位置での、波の予測波高及びその到達予測時刻を求め、
    且つ前記到達予測時刻における前記第2波高計測器により計測された波高が、前記予測波高に基づき求められた閾値よりも小さい場合には、前記1次警報を解除し、前記到達予測時刻における前記第2波高計測器により計測された波高が、前記予測波高に基づき求められた閾値よりも大きい場合には、2次警報を発令することを特徴とする津波予測方法。
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