JP6161130B2 - 津波浸水予測システム、制御装置、津波浸水予測の提供方法及びプログラム - Google Patents

津波浸水予測システム、制御装置、津波浸水予測の提供方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、津波浸水予測システム、制御装置、津波浸水予測の提供方法及びプログラムに関する。特に、津波の浸水予測を行う津波浸水予測システム、制御装置、津波浸水予測の提供方法及びプログラムに関する。
気象庁は、地震が発生すると、全国各地に配置された地震計が発するデータに基づいて、震源地やマグニチュードを推定し、推定結果を緊急地震速報として配信する。また、巨大地震の発生に伴い津波が発生する可能性があるため、気象庁は、地震発生による津波発生の可能性を検証し、必要に応じて「津波予報」を各自治体等に通知する。
非特許文献1によれば、気象庁は、予め構築されたデータベースを参照することで津波予報を作成している。より具体的には、海底の多数地点に対して複数の地震発生シナリオを作成し、各地震発生シナリオにより発生する津波シミュレーションを事前に実行しておく。さらに、地震発生シナリオの内容(震源位置、規模等)とシミュレーション結果(海岸線での津波の高さ)が関係付けられ、津波予報データベースが構築される。
気象庁は、上記津波予報データベースを事前に準備しておき、実際に地震が発生した場合には、その震源位置とマグニチュードを検索キーとして、津波予報データベースにアクセスし得られる結果を、実際に発生した地震による津波の高さとして扱う。気象庁は、予報対象となる海岸線の津波高さを用いて津波予報を作成し、自治体等の関係機関に通知する。
また、津波予報を作成する気象庁以外にも様々な研究機関等にて、地震による津波のシミュレーション(数値シミュレーション)が行われている。例えば、巨大津波に対してどのように対応するかを検討するための防災目的や、巨大津波発生時の被害予測を目的として、津波シミュレーションが行われることがある。
特許文献1には、津波浸水予測に係るシミュレーションをコンピュータにて実行する際、メッシュサイズ(シミュレーションを行う単位)を変更し、津波浸水予測に係るシミュレーションを実行する技術が開示されている。
ここで、上記津波浸水予測に係るシミュレーションを実行する際の基礎となる計算式、アルゴリズムが非特許文献2に開示されている。非特許文献2は、非線形長波理論とStaggered leap-frog法を利用した津波浸水予測の方法を開示する。具体的には、地震による断層変動から津波発生を経て、震源地から津波の遡上域に至るまでの津波の伝播過程を2次元にて計算する方法が、非特許文献2に開示されている。当該津波浸水予測の手法は、地図上(2次元データ)の各点で波高及び速度等の情報が設定され、津波が発生した場合の沿岸における波高及び浸水水域等をコンピュータによる数値計算により算出する。
また、津波浸水予測に係るシミュレーションの実行には、所謂、断層パラメータと呼ばれる情報が必要となる。具体的には、断層長、断層幅、平均滑り量、走向、傾斜角、滑り角等により断層の大きさと動き方を規定するのが断層パラメータである。現在では、各種研究機関等が断層パラメータを算出し、当該断層パラメータの提供を行っている。
特許第3554926号公報
気象庁, "津波を予測するしくみ",(2015年1月27日検索)<http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/tsunami/ryoteki.html> C. Goto, Y. Ogawa, N. Shuto and F. Imamura, "Numerical method of tsunami simulation with the leap-frog scheme", IUGG/IOC Time Project,(2015年1月27日検索)<http://unesdoc.unesco.org/images/0012/001223/122367eb.pdf>
なお、上記先行技術文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。以下の分析は、本発明者らによってなされたものである。
上述のように気象庁は、現実に発生した地震の震源位置とマグニチュード等に近い地震シナリオを選択し、海岸線における津波の高さを津波予報データベースから検索している。つまり、気象庁の作成する津波予報は、海岸線での波高に関する情報提供に留まっており、陸上の浸水予測までは行われていない。しかしながら、各自治体の防災担当者等は、海岸線からどの程度離れた地域の住民に注意喚起を行えばよいか、どの地域まで津波の浸水被害が及ぶか等の判断を行いたいという要求を有している。つまり、現実に発生した地震の情報(震源位置、マグニチュード等)を用いた、陸上の津波浸水予測まで含めた情報を提供して欲しいという要望が存在する。
また、防災担当者等の立場からは、津波浸水予測の結果を得るタイミングも重要である。即ち、防災担当者等は、地震発生から津波到達までの短い時間の間に、正確な津波浸水予測を取得し、当該取得した情報に応じた適切な行動(例えば、住民への注意喚起等)が取れることを期待している。
発明者らは、地震発生から津波浸水予測を取得するまでのプロセスを検討した。その結果、津波浸水予測は以下のようなプロセスにより取得できるとの知見を得た。
(1)地震検知
(2)震源地の特定
(3)津波発生の可能性を判定
(4)断層パラメータの算出(断層運動の推定)
(5)津波初期水位の推定
(6)津波浸水予測に係るシミュレーションの実行
また、発明者らは、上記プロセスは気象庁や各種研究機関等にて個別に実行されるに留まっており、上記プロセスは互いに連携されて実行されるものでは無いことに着目した。その結果、発明者らは、現状では、地震発生から津波浸水予測結果を得るためには、人手を介した上記プロセスの実行が必要であるとの結論に達した。しかし、地震発生という緊急事態の下、上記(1)〜(6)のプロセスが滞りなく実行されるとは限らない。そのため、発明者らは、防災担当者等が必要とするタイミングにて、リアルタイムな津波浸水予測結果を算出することは困難であるとの知見を得た。
さらに、人手を介した津波浸水予測の実行では、ヒューマンエラーによるシステムの誤作動が排除しきれない。例えば、津波が発生する可能性が無いにも関わらず、担当者の誤操作等により上記(6)に係るプロセスが実行されてしまうと、当該プロセスを実行する計算機のリソースが占有されてしまう等の問題が生じ得る。
また、上記(1)〜(6)の手順のうち、(6)の津波浸水予測に係るシミュレーションは、膨大な量の計算を必要とするため、シミュレーション結果を得るまでに長い時間を要することが分かっている。発明者らは、例えば、研究所等に設置されているような比較的高性能な計算機(所謂、ワークステーション等)を利用したとしても、上記(6)の津波浸水予測に係るシミュレーションには、数十時間以上必要であると考えている(例えば、津波現象を6時間再現時)。
このように、地震発生から短時間(例えば、数十分以内)にて、地震発生に応じた津波浸水予測を得たいというユーザの要望(情報の即時性対する要望)は満たされていない。
以上の状況を鑑み、本発明は、津波浸水予測に係る災害情報を、ヒューマンエラーを排除しつつ地震発生からリアルタイムにて生成し、ユーザに提供する津波浸水予測システム、制御装置、津波浸水予測の提供方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1の視点によれば、複数の計算ノードを有し、前記複数の計算ノードによりジョブを並列に実行する並列計算機システムと、前記並列計算機システムを制御する制御装置と、を含み、前記制御装置は、地震発生に伴い生成された地震情報に応じて生成され、津波による浸水予測を要求する浸水予測要求を取得する取得部と、前記浸水予測要求の正当性を検証する検証部と、前記浸水予測要求が正当である場合に、前記並列計算機システムに対し、前記浸水予測要求に対する浸水予測結果を得るための津波浸水予測シミュレーションの実行をスクリプトファイルにより指示する指示部と、を備え、前記スクリプトファイルは、前記津波浸水予測シミュレーションに関するシミュレーション要件を含み、前記並列計算機システムは、前記シミュレーション要件に規定された内容の前記津波浸水予測シミュレーションを所定時間以内に終了させるためのリソースを確保して前記津波浸水予測シミュレーションを実行し、前記制御装置は、前記津波浸水予測シミュレーションの結果を取得し、所定の送信先に送信する、津波浸水予測システムが、提供される。
本発明の第2の視点によれば、複数の計算ノードを有し、前記複数の計算ノードによりジョブを並列に実行する並列計算機システムを制御する制御装置であって、地震発生に伴い生成された地震情報に応じて生成され、津波による浸水予測を要求する浸水予測要求を取得する取得部と、前記浸水予測要求の正当性を検証する検証部と、前記浸水予測要求が正当である場合に、前記並列計算機システムに対し、前記浸水予測要求に対する浸水予測結果を得るための津波浸水予測シミュレーションの実行をスクリプトファイルにより指示する指示部と、前記並列計算機システムによる前記津波浸水予測シミュレーションの結果を取得し、所定の送信先に送信するシミュレーション結果管理部と、を備え、前記スクリプトファイルは、前記津波浸水予測シミュレーションに関するシミュレーション要件を含む、制御装置が、提供される。
本発明の第3の視点によれば、地震発生に伴い生成された地震情報に応じて生成され、津波による浸水予測を要求する浸水予測要求を取得するステップと、前記浸水予測要求の正当性を検証するステップと、前記浸水予測要求が正当である場合に、並列計算機システムに対し、前記浸水予測要求に対する浸水予測結果を得るための津波浸水予測シミュレーションの実行を、前記津波浸水予測シミュレーションに関するシミュレーション要件を含むスクリプトファイルにより指示するステップと、前記シミュレーション要件に規定された内容の前記津波浸水予測シミュレーションを所定時間以内に終了させるためのリソースを確保して前記津波浸水予測シミュレーションを実行するステップと、前記津波浸水予測シミュレーションの結果を、所定の送信先に送信するステップと、を含む、津波浸水予測の提供方法が、提供される。
本発明の第4の視点によれば、複数の計算ノードを有し、前記複数の計算ノードによりジョブを並列に実行する並列計算機システムを制御する制御装置に搭載されたコンピュータに実行させるプログラムであって、地震発生に伴い生成された地震情報に応じて生成され、津波による浸水予測を要求する浸水予測要求を取得する処理と、前記浸水予測要求の正当性を検証する処理と、前記浸水予測要求が正当である場合に、前記並列計算機システムに対し、前記浸水予測要求に対する浸水予測結果を得るための津波浸水予測シミュレーションの実行を、前記津波浸水予測シミュレーションに関するシミュレーション要件を含むスクリプトファイルにより指示する処理と、前記並列計算機システムによる前記津波浸水予測シミュレーションの結果を取得し、所定の送信先に送信する処理と、を実行させるプログラムが、提供される。
なお、このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。
本発明の各視点によれば、津波浸水予測に係る災害情報を、ヒューマンエラーを排除しつつ地震発生からリアルタイムにて生成し、ユーザに提供することに寄与する津波浸水予測システム、制御装置、津波浸水予測の提供方法及びプログラムが、提供される。
一実施形態の概要を説明するための図である。 第1の実施形態に係る津波浸水予測システムの全体構成の一例を示す図である。 緊急地震速報の一例示す図である。 断層パラメータを説明するための図である。 津波浸水予測に係るプログラムが必要とするパラメータを説明するための図である。 津波浸水予測に係るプログラムのデータ出力結果の一例を示す図である。 第1の実施形態に係るデータ処理サーバの内部構成の一例を示す図である。 浸水予測要求の一例を示す図である。 第1の実施形態に係る浸水予測要求部が参照するテーブル情報の一例を示す図である。 第1の実施形態に係る浸水予測要求部の動作の一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る検証要求処理部の動作の一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る制御装置の内部構成の一例を示す図である。 第1の実施形態に係るリソース決定部が参照するリソース決定テーブルの一例を示す図である。 第1の実施形態に係るシミュレーション指示部が生成するスクリプトファイルの一例を示す図である。 第1の実施形態に係る制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る並列計算機システムの概略構成の一例を示す図である。 第1の実施形態に係るジョブ管理ノードの内部構成の一例示す図である。 第1の実施形態に係るジョブ管理ノードにおけるジョブキューの選択を説明するための図である。 ジョブキューと緊急ジョブキューの違いを説明するための図である。 第1の実施形態に係る並列計算機システムの動作の一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る津波浸水予測システムの動作の一例を示すシーケンス図である。 第1の実施形態に係る津波浸水予測システムの全体構成の別の一例を示す図である。
初めに、一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。
一実施形態に係る津波浸水予測システムは、制御装置100と並列計算機システム101を含む(図1参照)。制御装置100は、並列計算機システム101を制御する。並列計算機システム101は、複数の計算ノードを有し、複数の計算ノードによりジョブを並列に実行する。制御装置100は、取得部111と、検証部112と、指示部113と、を備える。取得部111は、地震発生に伴い生成された地震情報(例えば、気象庁が配信する緊急地震速報)に応じて生成され、津波による浸水予測を要求する浸水予測要求を取得する。検証部112は、浸水予測要求の正当性を検証する。指示部113は、浸水予測要求が正当である場合に、並列計算機システム101に対し、浸水予測要求に対する浸水予測結果を得るための津波浸水予測シミュレーションの実行をスクリプトファイル(例えば、図14に示すスクリプトファイル)により指示する。スクリプトファイルは、津波浸水予測シミュレーションに関するシミュレーション要件を含む。並列計算機システム101は、シミュレーション要件に規定された内容の津波浸水予測シミュレーションを所定時間以内に終了させるためのリソースを確保して津波浸水予測シミュレーションを実行する。制御装置100は、津波浸水予測シミュレーションの結果を取得し、所定の送信先(例えば、図2のデータ処理サーバ40や図22の転送サーバ80)に送信する。
制御装置100は、緊急地震速報など実際に地震が発生したことにより生成される地震情報に応じて生成された浸水予測要求を取得すると、所謂スーパーコンピュータと称される並列計算機システム101に津波浸水予測シミュレーションの実行を指示する。また、並列計算機システム101は、当該シミュレーションを実行するためのリソース(計算ノード)を直ちに確保し、津波浸水予測シミュレーションを実行する。制御装置100は、並列計算機システム101によるシミュレーション結果を取得すると、当該シミュレーション結果を所定の送信先に送信する。即ち、並列計算機システム101という一般の計算機よりも遙かに高い処理能力を有する計算機を用いて、津波浸水予測シミュレーションが実行されるため、ユーザ(例えば、自治体の防災担当者)が必要とするタイミングにて、陸域における津波浸水に関するシミュレーション結果(陸域の津波遡上の予測結果)を提供できる。また、制御装置100は、取得した浸水予測要求の正当性を検証した後、並列計算機システム101に津波浸水予測シミュレーションの実行を指示するので、管理者等の誤操作により誤って生成された浸水予測要求に応じて、並列計算機システム101のリソースを占有することがない。
このように、図1に示す津波浸水予測システムは、津波浸水予測に係る災害情報を、ヒューマンエラーを排除しつつ地震発生からリアルタイムにて生成し、ユーザに提供することができる。
以下に具体的な実施の形態について、図面を参照してさらに詳しく説明する。なお、各実施形態において同一構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
[システム構成]
図2は、第1の実施形態に係る津波浸水予測システムの全体構成の一例を示す図である。図2を参照すると、津波浸水予測システムは、複数の自治体端末10−1〜10−5と、気象庁計算機20と、研究所計算機30と、データ処理サーバ40と、管理センターに配置される各種装置と、を含んで構成される。管理センターは、所謂スーパーコンピュータの管理サイトであり、制御装置50、並列計算機システム60及びデータベース(DB;Data Base)サーバ70と、を含む。なお、以降の説明において、自治体端末10−1〜10−5を区別する特段の理由がない場合には、単に「自治体端末10」と表記する。
自治体端末10、気象庁計算機20、研究所計算機30、データ処理サーバ40及び管理センターのそれぞれは、ネットワークを介して相互に接続されている。管理センター内にはイントラネットが敷設され、制御装置50、並列計算機システム60及びデータベースサーバ70が相互に通信可能に構成されている。制御装置50は、並列計算機システム60の外部インターフェイスとして機能し、並列計算機システム60を利用しようとするユーザは、制御装置50にアクセスし、必要な情報の授受を行う。
[システム動作概略]
次に、図2を参照しつつ、第1の実施形態に係る津波浸水予測システムの動作の概略について説明する。
地震が発生すると、気象庁計算機20は、緊急地震速報を生成し、生成した緊急地震速報を配信する。研究所計算機30は、地震発生による断層の動き(地殻変動)を解析し、解析結果を「断層パラメータ」としてデータ処理サーバ40に向けて送信する。
データ処理サーバ40は、緊急地震速報を受信すると共に、当該緊急地震速報に含まれる情報に基づいて、並列計算機システム60に発生した地震に応じた津波浸水予測に係るシミュレーション(津波浸水予測シミュレーション)の実行の要求を行うか否か判定する。なお、以降の説明において、データ処理サーバ40から、並列計算機システム60(より正しくは制御装置50)に向けて送信する津波浸水予測シミュレーションの実行要求を、「浸水予測要求」と表記する。データ処理サーバ40は、浸水予測要求を行う場合には、研究所計算機30から受信した断層パラメータ等を添えて、並列計算機システム60に対して当該要求を行う。
管理センター内の制御装置50は、データ処理サーバ40からの浸水予測要求を受信し、当該浸水予測要求を処理する。具体的には、制御装置50は、当該データ処理サーバ40からの浸水予測要求の正当性の検証を行う。制御装置50は、当該要求が正当と判断した場合に、浸水予測要求を処理するのに必要な並列計算機システム60のリソース量を算出すると共に、当該算出したリソースを用いた津波浸水予測に係るシミュレーションの実行を、並列計算機システム60に対して指示する(津波浸水予測に係るジョブ投入を指示する)。その際、制御装置50は、並列計算機システム60にて上記シミュレーションを行うための要件等を、スクリプトファイル(ジョブスクリプトファイル)に記載し、当該スクリプトファイルを並列計算機システム60に提供する。
並列計算機システム60は、スクリプトファイルと、データベースサーバ70に格納された地形データと、を用いて、要求された津波浸水予測に係るシミュレーションを実行する。並列計算機システム60は、シミュレーション結果をデータベースサーバ70に格納すると共に、制御装置50にシミュレーション終了通知を行う。
制御装置50は、データベースサーバ70に格納されたシミュレーション結果を、上記浸水予測要求に係る応答として送信する(浸水予測結果を送信する)。データ処理サーバ40は、当該浸水予測結果を、当該情報を必要とする各自治体端末10に向けて、リアルタイム津波浸水予測として送信する。
[各種装置の概略]
次に、津波浸水予測システムをなす各種計算機等を説明する。
自治体端末10は、各自治体に設置される端末である。各自治体の防災担当者等は、自治体端末10を用いて、データ処理サーバ40が送信するリアルタイム津波浸水予測を取得する。また、防災担当者は、当該端末を用いて、リアルタイム津波浸水予測に応じた行動(関係機関への連絡、住民への避難喚起等)をとることが望ましい。
気象庁計算機20は、気象庁に設置される端末である。気象庁計算機20は、各地に配置された地震計の観測データから地震発生を検出すると共に、その震源地やマグニチュードを推定し、緊急地震速報として各種機関に配信する。緊急地震速報を受信する機関の1つが、データ処理サーバ40を有する機関である。データ処理サーバ40は、例えば、図3に示すような内容の緊急地震速報を受信する。
研究所計算機30は、地震や津波等の研究を主業務とする研究機関等に設置される端末である。研究所計算機30は、気象庁から提供されるデータ(例えば、地震計が発するデータや緊急地震速報)や、独自に収集したデータ等に基づいて、発生した地震に対応する断層パラメータを算出する。なお、研究所計算機30が算出する断層パラメータには、断層の1つの頂点(南北方向の座標X、東西方向の座標Y、深さ方向の座標Z)、断層の上辺の長さ(断層長さL)、側辺の長さ(断層幅W)、上辺の方位角である走向Φ、水平面に対してなす角度である傾斜角θ、断層の滑り角λ、断層の平均滑り量Dと、が含まれる(図4参照)。
図2に示すデータ処理サーバ40は、気象庁等が配信するデータを処理するサーバ(計算機)であって、各自治体からリアルタイム津波浸水予測の提供を委託された機関(例えば、大学の研究機関等)に配置される。データ処理サーバ40は、気象庁が配信する緊急地震速報、研究所等が送信する断層パラメータ等に基づいて生成されたリアルタイム津波浸水予測を、各自治体に提供する装置である。データ処理サーバ40の詳細は後述する。
制御装置50は、並列計算機システム60を制御し、管理する装置である。制御装置50は、並列計算機システム60を利用しようとするユーザの認証を行う認証装置としての機能や、外部からの不正なアクセスを遮断するファイアーウォールとしての機能を有している。
並列計算機システム60に対するアクセスは、制御装置50を介して行われ、管理センターの外部から並列計算機システム60に直接アクセスすることはできない。並列計算機システム60は、所謂スーパーコンピュータと称される計算機であり、例えば、データ処理サーバ40等が有するデータ処理能力を遙かに超える処理能力を有する。並列計算機システム60には、複数の計算機(後述する計算ノード)が含まれ、当該複数の計算機にてプログラムを並列に実行することで、高いデータ処理能力を得ている。
データベースサーバ70は、並列計算機システム60でのプログラム実行に必要なデータ(例えば、地形データ)を記憶する。あるいは、データベースサーバ70は、制御装置50と並列計算機システム60間にてデータ授受を行う際の記憶装置として利用される。
[津波浸水予測に係るプログラム]
次に、並列計算機システム60にて実行される津波浸水予測に係るプログラム(アルゴリズム)について概説する。津波浸水予測シミュレーションは、上記プログラムにより実行される。
並列計算機システム60は、例えば、津波浸水予測に係るプログラムとして、非特許文献2に開示されたアルゴリズムが実装されたプログラムを用いることができる。津波浸水予測に係るプログラムは、
(1)断層パラメータに基づき、地上及び海底の地殻変動を計算するステップと、
(2)地殻変動に基づく初期水位(海面の変化)を計算するステップと、
(3)波の伝搬に基づく水位の経時変化を計算するステップと、
を順次実行する。
津波浸水予測に係るプログラムは、シミュレーション対象範囲及びそのメッシュサイズ、浸水予測範囲及びそのメッシュサイズ、現象再現時間、断層パラメータ等の各種情報を入力パラメータとして必要とする。
シミュレーション対象範囲とは、地震発生に伴う波の伝搬を計算する領域である。浸水予測範囲とは、地震発生に伴う津波による浸水(海水の高さ)を予測する領域である。浸水予測範囲ごとに、シミュレーション対象範囲が定められている。特定のシミュレーション対象範囲内にて地震が発生すると、当該シミュレーション対象範囲に対応する浸水予測範囲における津波浸水予測シミュレーションが実行される。例えば、図5(a)を参照すると、浸水予測範囲201に対応してシミュレーション対象範囲211が、浸水予測範囲202に対応してシミュレーション対象範囲212が、浸水予測範囲203に対応してシミュレーション対象範囲213が、それぞれ設定されている。例えば、震源位置221にて地震が発生すると、シミュレーション対象範囲212に対応する浸水予測範囲202における津波浸水予測シミュレーションが実行される。また、震源位置222にて地震が発生すると、震源位置222は、シミュレーション対象範囲211及び212の領域内であるので、対応する浸水予測範囲201及び202における津波浸水予測シミュレーションが実行される。なお、震源位置223にて地震が発生したとしても、震源位置223はいずれのシミュレーション対象範囲にも含まれないので、津波浸水予測シミュレーションも実行されない。
シミュレーション対象範囲のメッシュサイズとは津波の伝播を計算する際の単位(メッシュ)の大きさである(図5(a)のシミュレーション対象範囲213参照)。また、浸水予測範囲のメッシュサイズとは、津波による浸水予測を行う際の単位の大きさである(図5(b)参照)。例えば、浸水予測範囲のメッシュサイズとして、10m×10m程度の解像度(格子サイズ)にて、浸水予測を行うことが望まれている。
現象再現時間とは、地震発生から津波浸水予測を行う期間を規定する情報である。例えば、地震発生から6時間経過後までの浸水予測範囲における浸水高をシミュレーション(予測)する場合には、現象再現時間として6時間が設定される。
断層パラメータに関しては、上述のとおりである。
津波浸水予測に係るプログラムは、上記パラメータを用いて、浸水予測範囲をなす単位領域(メッシュ;格子)ごとに、浸水高(水面の高さ)の経時変化に係るデータを出力する。例えば、津波浸水予測に係るプログラムは、図6に示すような情報を、津波浸水予測に係るシミュレーション結果として出力する。例えば、図6を参照すると、メッシュ位置(1、1)では、時間経過ともに浸水高がA1、A2、A3、A4と変化していくことが分かる。また、メッシュ位置における浸水高の経時変化が得られると、津波到達時間、最大浸水深、最大水位等の情報が生成可能となる。
また、上記シミュレーション結果を利用して、津波による被害推定も可能である。例えば、各メッシュ位置における浸水高と、当該メッシュ位置の人口分布や建物情報等を重ね合わせることで、津波による被害が推定できる。
[データ処理サーバ]
次に、データ処理サーバ40の詳細について説明する。
図7は、データ処理サーバ40の内部構成の一例を示す図である。図7を参照すると、データ処理サーバ40は、通信制御部301と、浸水予測要求部302と、検証要求処理部303と、浸水予測結果管理部304と、記憶部305と、を含んで構成される。
通信制御部301は、ネットワークを介した各種装置(自治体端末10、気象庁計算機20、研究所計算機30、制御装置50)との間の通信を制御する手段である。通信制御部301は、緊急地震速報を受信すると、当該緊急地震速報の内容をログとして記憶部305に登録する。
通信制御部301は、外部装置が並列計算機システム60を利用する際に求められる認証手続を行う。具体的には、通信制御部301は、制御装置50との間でパスワードや電子証明書を用いたユーザ認証及びサーバ認証に係る処理を行う。
通信制御部301は、緊急地震速報や断層パラメータを受信すると、これらのデータを浸水予測要求部302に引き渡す。また、通信制御部301は、制御装置50から後述する検証要求を受信すると、当該検証要求を検証要求処理部303に引き渡す。
浸水予測要求部302は、緊急地震速報に基づいて、浸水予測要求を、並列計算機システム60に対して送信するか否かを判定し、所定の条件を満たす場合に津波浸水予測に係るシミュレーションの実行を並列計算機システム60に依頼する手段である。具体的には、浸水予測要求部302は、緊急地震速報に含まれるマグニチュード、震源地、震源の深さ等のデータに基づいて、浸水予測要求を送信するか否か判断する。例えば、発生した地震のマグニチュードが所定値よりも大きく、震源地が海域であって、その震源の深さが所定値よりも浅い等の条件を、浸水予測要求部302による浸水予測要求の送信条件とすることが考えられる。
浸水予測要求部302は、通信制御部301を介して、浸水予測要求を制御装置50に向けて送信する。但し、浸水予測要求には断層パラメータを含める必要があるため、浸水予測要求部302は、研究所計算機30から断層パラメータを受信した後に浸水予測要求を送信する。
浸水予測要求には、例えば、図8に示すような情報が含まれる。図8を参照すると、浸水予測要求には少なくとも、地震詳細情報と、断層パラメータと、シミュレーション条件と、が含まれる。
浸水予測要求部302は、緊急地震速報に含まれる情報から必要な情報(例えば、地震発生日時、震源地、マグニチュード等)を選択し、地震詳細情報とする。
浸水予測要求部302は、緊急地震速報から得られる情報や予め定められた値等を用いてシミュレーション条件を生成する。具体的には、浸水予測要求部302は、記憶部305に格納されたテーブル情報に基づき、シミュレーション対象範囲及び浸水予測範囲を定める。例えば、図9を参照すると、図5を用いて説明したシミュレーション対象範囲と浸水予測範囲との関係が、テーブル情報として記憶部305に格納されている。浸水予測要求部302は、上記テーブル情報を参照することで、緊急地震速報から得られる震源地を含むシミュレーション対象範囲を特定する。次に、浸水予測要求部302は、当該特定したシミュレーション対象範囲に対応する浸水予測範囲を特定する。例えば、図9の例では、震源地がシミュレーション対象範囲211に含まれていれば、シミュレーション対象範囲211とその対応する浸水予測範囲201が、浸水予測要求に含ませるシミュレーション条件として選択される。なお、シミュレーション対象範囲や浸水予測範囲の指定には、これらの範囲をなす4つの頂点の座標(緯度、経度)を用いることができる。
また、浸水予測要求に含ませるシミュレーション条件のうち予め定めた値の例としては、現象再現時間が上げられる。例えば、現象再現時間として地震発生後から6時間経過後までの現象を再現させることが津波浸水予測システムの仕様(スペック)として予め定まっている場合には、浸水予測要求部302は、6時間を現象再現時間としてシミュレーション条件に設定する。
なお、シミュレーション条件を決定するために必要なテーブル情報は、記憶部305に格納されていなくとも、外部のデータベースサーバ(図示せず)に格納されていてもよい。即ち、浸水予測要求部302は、外部のデータベースサーバからシミュレーション条件を取得してもよい。
浸水予測要求部302の動作をまとめると図10に示すフローチャートのようになる。
浸水予測要求部302は、緊急地震速報を、通信制御部301を介して取得する(ステップS101)。
浸水予測要求部302は、発生した地震が、所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS102)。
所定の条件を満たさない場合には、浸水予測要求部302は、処理を終了する(ステップS102、No分岐)。
所定の条件を満たす場合(ステップS102、Yes分岐)には、浸水予測要求部302は、通信制御部301を介して断層パラメータが取得できるまで待機(ステップS103)し、その後、断層パラメータを取得する(ステップS104)。
断層パラメータが取得できると、浸水予測要求部302は、浸水予測要求を生成する(ステップS105)。
浸水予測要求部302は、通信制御部301を介して浸水予測要求を、制御装置50に向けて送信する(ステップS106)。
図7に示す検証要求処理部303は、制御装置50が送信する検証要求を処理する手段である。
ここで、制御装置50は、データ処理サーバ40から浸水予測要求を受信すると、パスワード等を用いた通常のユーザ認証とは異なるある種の認証手続を行う。具体的には、制御装置50は、浸水予測要求を受信すると、当該要求が真に正当な要求であるか否かをデータ処理サーバ40に問い合わせる。
このような問い合わせが必要となる理由は以下のとおりである。詳細は後述するが、並列計算機システム60が、津波浸水予測に係るシミュレーションを実行する際、既に並列計算機システム60にて実行中のジョブは停止され、津波浸水予測に係るシミュレーションのジョブが優先的に実行される。そのため、浸水予測要求が、データ処理サーバ40の管理者による誤操作等によって送信され、当該要求が並列計算機システム60にて処理されてしまうと深刻な事態を引き起こす可能性がある。例えば、データ処理サーバ40の動作を試験する目的で、データ処理サーバ40に実装されるプログラムの動作テスト(デバッグ)が行われることがある。その際、管理者等の誤操作等により、制御装置50に対して津波浸水予測シミュレーションの実行が依頼されてしまうことがあり得る。データ処理サーバ40以外の多くのユーザが、並列計算機システム60を利用しており、このような一般ユーザのジョブをデータ処理サーバ40の誤操作等が原因で停止することは許容されない。
そこで、並列計算機システム60に実行させるジョブを管理する制御装置50は、受信した浸水予測要求の正当性を、データ処理サーバ40に問い合わせる。このような問い合わせが、上述の制御装置50からの検証要求である。
なお、制御装置50が送信する検証要求には、データ処理サーバ40が送信した浸水予測要求を、データ処理サーバ40自身が特定できる程度の情報が含まれる。例えば、地震発生の日時やマグニチュード等の地震詳細情報が、制御装置50が送信する検証要求には含まれる。
検証要求処理部303は、制御装置50からの検証要求を取得すると、記憶部305にアクセスする。検証要求処理部303は、記憶部305に格納された緊急地震速報のログと、制御装置50から取得した検証要求の内容と、に基づいて、自装置(データ処理サーバ40)から制御装置50に送信された浸水予測要求の正当性を判定する。
例えば、検証要求処理部303は、取得した検証要求に含まれる情報(例えば、地震発生日時)に合致する情報が、記憶部305に緊急地震速報のログとして登録されているか否かを確認する。検証要求処理部303は、検証要求に含まれる情報が緊急地震速報のログとして登録されていれば、データ処理サーバ40(浸水予測要求部302)から送信した浸水予測要求は正当(適切)であったと判定する。一方、検証要求処理部303は、検証要求に含まれる情報が緊急地震速報のログとして登録されていなければ、データ処理サーバ40から送信した浸水予測要求は誤って送信されたもの(要求は不適切)であったと判定する。
このように、検証要求処理部303は、データ処理サーバ40から送信した浸水予測要求に対応する地震が現実に発生したか否か(データ処理サーバ40が当該地震に対応した緊急地震速報を受信したか否か)に応じて、浸水予測要求の正当性を判定する。検証要求処理部303は、通信制御部301を介して、判定結果(要求は適切、要求は不適切)を、制御装置50に応答する。
検証要求処理部303の動作をまとめると図11に示すフローチャートのようになる。
検証要求処理部303は、検証要求を、通信制御部301を介して取得する(ステップS201)。
検証要求処理部303は、検証要求に含まれる地震情報と、記憶部305に格納された緊急地震速報のログと、を比較し、当該地震情報に対応する緊急地震速報のログが存在するか否かを確認する(ステップS202)。
検証要求の地震情報と緊急地震速報のログの内容が一致すれば(ステップS202、Yes分岐)、検証要求処理部303は、自装置からの浸水予測要求は適切と判定する(ステップS203)。
検証要求の地震情報と緊急地震速報のログの内容が不一致であれば(ステップS202、No分岐)、検証要求処理部303は、自装置からの浸水予測要求は不適切と判定する(ステップS204)。
検証要求処理部303は、判定結果を、制御装置50に送信する(ステップS205)。
図7の浸水予測結果管理部304は、浸水予測要求に対する結果(浸水予測結果;並列計算機システム60によるシミュレーション結果)を管理する(取り扱う)手段である。
浸水予測結果管理部304は、通信制御部301を介して、浸水予測結果を自治体端末10に送信する。具体的には、津波予測結果管理部304は、制御装置50から浸水予測結果を受信すると、当該浸水予測結果をそのまま、あるいは、加工して、当該情報を必要とする自治体端末10に、リアルタイム津波浸水予測として送信する。
例えば、図5を参照すると、浸水予測結果管理部304は、浸水予測範囲201における津波浸水予測が行われた場合には、浸水予測範囲201の自治体に設置された自治体端末10に、リアルタイム津波浸水予測を送信する。
なお、浸水予測結果管理部304が行う浸水予測結果の加工には、例えば、各メッシュ位置における浸水高の最大値に応じて、各メッシュを色分けするような可視化処理等が含まれる。
[制御装置]
次に、制御装置50の詳細について説明する。
図12は、制御装置50の内部構成の一例を示す図である。図12を参照すると、制御装置50は、第1通信制御部401と、第2通信制御部402と、浸水予測要求検証部403と、リソース決定部404と、シミュレーション指示部405と、シミュレーション結果管理部406と、記憶部407と、を含んで構成される。
第1通信制御部401は、ネットワークを介したデータ処理サーバ40を含む各種計算機との間の通信を制御する手段である。第1通信制御部401は、インターネットのような開域網との通信を制御する手段である。また、第1通信制御部401は、データ処理サーバ40との間でパスワードや電子証明書を用いたユーザ認証及びサーバ認証に係る処理を行う手段である。第1通信制御部401は、外部から受信したデータ(例えば、浸水予測要求)を浸水予測要求検証部403に引き渡す。
第2通信制御部402は、並列計算機システム60及びデータベースサーバ70との間の通信を制御する手段である。第2通信制御部402は、並列計算機システム60及びデータベースサーバ70が接続されたイントラネット(閉域網)における通信を制御する手段である。
浸水予測要求検証部403は、データ処理サーバ40が送信する浸水予測要求の正当性を検証する手段である。具体的には、浸水予測要求検証部403は、データ処理サーバ40から浸水予測要求を受信すると、第1通信制御部401を介して、データ処理サーバ40に向けて検証要求を送信する。例えば、浸水予測要求検証部403は、データ処理サーバ40から受信した浸水予測要求に含まれる内容の全て又は一部を、データ処理サーバ40に向けて送信する。より具体的には、地震発生の日時やマグニチュード等、少なくともデータ処理サーバ40が送信した浸水予測要求を、データ処理サーバ40自身が特定できる事項を含む検証要求を、浸水予測要求検証部403は、データ処理サーバ40に送信する。
上述のように、当該検証要求を受信したデータ処理サーバ40は、浸水予測要求の正当性を判定し、その判定結果(要求は適切、要求は不適切)を制御装置50に応答する。浸水予測要求検証部403は、当該判定結果を、第1通信制御部401を介して取得する。その際、判定結果が「要求は不適切」であれば、浸水予測要求検証部403は、受信した浸水予測要求を破棄し、さらなる処理を行わない。一方、判定結果が「要求は適切」であれば、浸水予測要求検証部403は、浸水予測要求をリソース決定部404に引き渡す。
リソース決定部404は、並列計算機システム60にて、津波浸水予測に係るシミュレーションを実行する際のリソースを決定する手段である。具体的には、リソース決定部404は、取得した浸水予測要求の内容を確認し、当該浸水予測要求に含まれる津波浸水予測に係るシミュレーション(プログラム)の実行を、予め定められた所定時間(例えば、数分)以内に終了させるために必要な並列計算機システム60のリソースを決定する。
ここで、並列計算機システム60にて実行する津波浸水予測に係るシミュレーションは、シミュレーション条件に応じて、その演算量(処理時間)が異なることが発明者らの検討の結果分かっている。具体的には、シミュレーション対象範囲や浸水予測範囲の広さ(面積)及びそのメッシュサイズ等により、津波浸水予測に係るシミュレーション時間が変化する事が分かっている。そのため、並列計算機システム60に入力するシミュレーション条件によっては、予め定められた所定時間以内に津波浸水予測に係るシミュレーションが終了しない可能性がある。
そこで、リソース決定部404は、並列計算機システム60に投入するジョブの内容(シミュレーション条件等)に応じて、並列計算機システム60にて確保すべきリソース(後述する計算ノードの数)を決定する。リソース決定部404は、例えば、図13に示すリソース決定テーブルを参照することで、浸水予測要求に係るシミュレーションを、所定時間以内にて終了させるために必要なリソースを決定する。
図13に示すリソース決定テーブルは、浸水予測に用いるシミュレーション条件の一部(図13の例では、浸水予測範囲)と、当該浸水予測要求の結果を所定時間内に得るために必要なリソース(図13の例では、計算ノードの数)との関係を規定する。リソース決定テーブルは、記憶部407に登録されている。
なお、システム管理者には、図2に示す津波浸水予測システムを運用する前に図13に示すリソース決定テーブルを、制御装置50に設定しておくことが望まれる。例えば、システム管理者は、種々のシミュレーション条件に関し、並列計算機システム60(あるいは、同等の並列計算機システム)にて津波浸水予測に係るシミュレーションを実行させ、使用したリソースと処理時間の関係から図13に示すテーブル情報を作成し、制御装置50に設定する。
リソース決定部404は、第1通信制御部401等を介して取得した浸水予測要求と、上記決定したリソース(計算ノードの数)に関する情報(以下、必要リソース量と表記する)と、をシミュレーション指示部405に引き渡す。
図12のシミュレーション指示部405は、並列計算機システム60に対してシミュレーションの実行を指示する手段である。シミュレーション指示部405は、リソース決定部404から浸水予測要求等を取得すると、後述する緊急ジョブキューの活性化を並列計算機システム60に指示する。また、シミュレーション指示部405は、並列計算機システム60が津波浸水予測に係るシミュレーションを実行する際の要件を記載したスクリプトファイルを生成し、当該スクリプトファイルを、第2通信制御部402を介して並列計算機システム60に送信する。あるいは、シミュレーション指示部405は、生成したスクリプトファイルをデータベースサーバ70に格納し、その旨を並列計算機システム60に通知してもよい。即ち、シミュレーション指示部405は、並列計算機システム60にて浸水予測要求に対する浸水予測結果を得るために実行する津波浸水予測シミュレーションのシミュレーション要件をスクリプトファイルに記載し、当該シミュレーションの実行を並列計算機システム60に指示する。
例えば、シミュレーション指示部405は、図14に示すような情報が含まれるスクリプトファイルを生成する。シミュレーション指示部405は、取得した浸水予測要求に、リソース決定部404から取得した必要リソース量と、津波浸水予測に係るシミュレーションの優先度と、を付加して、スクリプトファイルを生成する。図14を参照すると、必要リソース量として「A1個」が、津波浸水予測に係るシミュレーションの優先度として「緊急」が設定されている。このように、シミュレーション指示部405は、浸水予測要求を取得すると、当該津波浸水予測に係るシミュレーションの優先度(ジョブの優先度)を「緊急」に設定する。優先度が「緊急」に設定された場合の扱いは後述する。
また、シミュレーション指示部405は、浸水予測要求に含まれるシミュレーション条件に、シミュレーション対象範囲や浸水予測範囲の地形データを指定する情報を追加する。上述のように、並列計算機システム60にて津波浸水予測に係るシミュレーションを実行する際には、地形データが必要となるので、当該地形データの指定がスクリプトファイルを用いて行われる。なお、津波浸水予測に係るシミュレーションの実行には、シミュレーション対象範囲や浸水予測範囲のメッシュサイズに係る情報も必要となる。しかし、これらの情報は予め定められているものとし、図14に例示するスクリプトファイルのシミュレーション条件には含まれていない。但し、スクリプトファイルのシミュレーション条件にメッシュサイズに関する情報を含ませてもよいことは勿論である。
シミュレーション結果管理部406は、並列計算機システム60から津波浸水予測に係るシミュレーションの実行が終了した旨の通知を受信すると、シミュレーション結果を、第2通信制御部402を介して取得する。シミュレーション結果管理部406は、取得した津波浸水予測に係るシミュレーション結果を、第1通信制御部401を介して、データ処理サーバ40に送信する。
制御装置50の動作をまとめると図15に示すフローチャートのようになる。
浸水予測要求検証部403は、浸水予測要求を取得する(ステップS301)。
次に、浸水予測要求検証部403は、浸水予測要求が正当性を判定する(ステップS302)。浸水予測要求が正当でなければ(ステップS302、No分岐)、制御装置50は浸水予測要求を破棄して、処理を終了する。浸水予測要求が正当であれば(ステップS302、Yes分岐)、リソース決定部404は、並列計算機システム60にて確保すべきリソース量を決定する(ステップS303)。
シミュレーション指示部405は、スクリプトファイルを生成し、津波浸水予測に係るシミュレーションの実行指示を並列計算機システム60に対して行う(ステップS304)。その際、シミュレーション指示部405は、必要リソース量をスクリプトファイルに含めると共に、津波浸水予測に係るシミュレーションの優先度を「緊急」に設定する。
並列計算機システム60によるシミュレーションが終了すると、シミュレーション結果管理部406は、第1通信制御部401を介して、シミュレーション結果をデータ処理サーバ40に送信(転送)する(ステップS305)。
なお、制御装置50に搭載されたコンピュータに、そのハードウェアを用いて、図15を参照して説明した処理を実行させるコンピュータプログラムにより、制御装置50の機能は実現することができる。
[並列計算機システム]
次に、並列計算機システム60の詳細について説明する。
図16は、並列計算機システム60の概略構成の一例を示す図である。図16を参照すると、並列計算機システム60は、ジョブ管理ノード61と、複数の計算ノード62−1〜62−n(但し、nは2以上の整数)と、を含んで構成される。なお、以降の説明において、計算ノード62−1〜62−nを区別する特段の理由がない場合には、単に「計算ノード62」と表記する。
ジョブ管理ノード61は、並列計算機システム60をなすリソース(計算ノード62)を管理する装置である。ジョブ管理ノード61は、スクリプトファイルの受け付け、計算ノード62に投入するジョブのスケジューリング、計算ノード62におけるジョブ実行状況の監視等を行う。
計算ノード62のそれぞれは、ジョブ(プログラム)を実行するための資源(リソース)を有している。具体的には、計算ノード62は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置501と、RAM(Random Access Memory)等のメモリ装置502と、HDD(Hard Disc Drive)等のストレージ装置503と、を含んで構成される。さらに、計算ノード62は、ジョブ管理ノード61やデータベースサーバ70と通信するためのネットワーク資源(図示せず)を有する。
上述のように、ジョブ管理ノード61は、計算ノード62にて実行するジョブを管理する。図17は、ジョブ管理ノード61の内部構成の一例を示す図である。図17を参照すると、ジョブ管理ノード61は、通信制御部601と、ジョブキュー管理部602と、ジョブ制御部603と、ジョブキュー611と、緊急ジョブキュー612と、を含んで構成される。
通信制御部601は、制御装置50、計算ノード62、データベースサーバ70等との間の通信を制御する手段である。
ジョブキュー管理部602は、制御装置50から取得するスクリプトファイルに従って、ジョブを投入するキュー(ジョブキュー611、緊急ジョブキュー612)の選択及び管理を行う手段である。ジョブキュー管理部602は、計算ノード62に実行させるジョブの順序を、ジョブキュー611を用いて管理する。ジョブがジョブキュー611に追加されると、追加されたジョブの順番(過去にジョブキュー611にジョブが追加された順番)にて、計算ノード62にジョブが投入される(図18(a)参照)。
ジョブキュー管理部602は、どの順番でジョブキューにジョブを投入するかと、どの計算ノード62にどのようなジョブを投入するかを、スケジューリングテーブルを用いて管理する(図18(b)参照)。図18(b)に示す例では、JOB1、JOB2の順番でジョブキューに投入され、JOB1の割当先計算ノードは計算ノード62−1となっている。また、図18(b)に示すJOB3のように、1つのジョブが複数の計算ノード62に投入されてもよい。
このように、通常のジョブ(並列計算機システム60の一般ユーザによるジョブ)は、図18に示すスケジューリングテーブルにより管理される。
また、ジョブ管理ノード61は、緊急ジョブキュー612という、通常のジョブキュー(ジョブキュー611)とは異なるジョブキューを備えている。ジョブキュー管理部602は、制御装置50から緊急ジョブキューの活性化指示を受信すると、緊急ジョブキュー612を活性化する。緊急ジョブキュー612が活性化され、当該緊急ジョブキュー612にジョブが追加されると、他のジョブ(ジョブキュー611に蓄積されたジョブ)に優先して、緊急ジョブキュー612のジョブが優先的に計算ノード62に投入される(図19参照)。
ジョブキュー管理部602は、制御装置50から津波浸水予測に係るスクリプトファイルを取得すると、当該スクリプトファイルに係るジョブを緊急ジョブキュー612に追加する。より具体的には、ジョブキュー管理部602は、取得したスクリプトファイルの優先度を確認し、当該優先度が「緊急」であれば、当該スクリプトファイルのジョブを緊急ジョブキュー612に追加する。つまり、データ処理サーバ40による浸水予測要求に起因して実行されるジョブ(津波浸水予測に係るシミュレーション)は、図18に示すジョブキュー611、スケジューリングテーブルを用いたジョブの管理とは異なる方法にて管理される。また、スクリプトファイルに記載された津波浸水予測に係るシミュレーションは、最優先するジョブとして扱われる。
ジョブ制御部603は、ジョブキュー(ジョブキュー611、緊急ジョブキュー612)に追加されたジョブを計算ノード62に実行させる手段である。ジョブ制御部603は、緊急ジョブキュー612に何らのジョブが存在しない場合には、ジョブキュー611に格納された順番にて、スケジューリングテーブルの割当先計算ノードにジョブ実行を指示する。
一方、ジョブ制御部603は、緊急ジョブキュー612にジョブ(具体的には、津波浸水予測に係るジョブ)が存在すれば、当該ジョブを優先的に計算ノード62に実行させる。その際、ジョブ制御部603は、制御装置50から送信されるスクリプトファイルの必要リソース量を確認し、当該必要リソース量に応じた数の計算ノード62にジョブを実行させる。
より具体的には、ジョブ制御部603は、必要な数の計算ノード62に対して、現在実行中のジョブを停止するように指示する。次に、ジョブ制御部603は、当該計算ノード62に対して、緊急ジョブキュー612のジョブ(津波浸水予測に係るジョブ)の実行を指示する。次に、ジョブ制御部603は、各計算ノード62にて津波浸水予測に係るジョブが終了すると、先に停止したジョブの再開を指示する。また、ジョブ制御部603は、津波浸水予測に係るジョブが終了したことを確認すると、その旨を制御装置50に通知する。
なお、各計算ノード62は、通常のジョブを実行するための第1メモリ領域と、緊急のジョブ(津波浸水予測に係るジョブ)を実行するための第2メモリ領域と、を備えている。ジョブ制御部603から実行中のジョブを停止するように指示された計算ノード62は、第1メモリ領域へのアクセスを停止する。また、停止したジョブの再開を指示された計算ノード62は、第1メモリ領域のデータを用いて、停止していたジョブの実行を再開する。
並列計算機システム60の動作をまとめると図20に示すフローチャートのようになる。
初めに、ジョブ管理ノード61は、制御装置50からジョブ実行に係るスクリプトファイルを取得する(ステップS401)。
次に、ジョブ管理ノード61のジョブキュー管理部602は、スクリプトファイルに記載されたジョブの優先度が、「緊急」に設定されているか否かを判定する(ステップS402)。
「緊急」に設定されていなければ(ステップS402、No分岐)、ジョブキュー管理部602は、当該スクリプトファイルに係るジョブをジョブキュー611に追加する(ステップS403)。ジョブキュー611に追加されたジョブは、スケジューリングテーブルに従い実行される。
一方、「緊急」に設定されていれば(ステップS402、Yes分岐)、ジョブキュー管理部602は、スクリプトファイルに係るジョブ(津波浸水予測に係るジョブ)を緊急ジョブキュー612に追加する(ステップS404)。
次に、ジョブ制御部603は、津波浸水予測に係るスクリプトファイルの「必要リソース量」に係る情報に基づき、必要な計算ノード62を選択する(ステップS405)。図14の例では、ジョブ制御部603は、A1個の計算ノード62を津波浸水予測に係るジョブを実行する計算ノードとして選択する。
ジョブ制御部603は、選択した計算ノード62に対して、実行中のジョブを停止する指示を行う(ステップS406)。
その後、ジョブ制御部603は、緊急ジョブキュー612に追加された津波浸水予測に係るジョブの実行を、各計算ノードに指示する(ステップS407)。選択された計算ノード62では、津波浸水予測に係るジョブを実行する。その際、計算ノード62は、データベースサーバ70から、津波浸水予測に必要な地形データを取得する。また、計算ノード62は、スクリプトファイルに記載されたシミュレーション条件にて、津波浸水予測に係るシミュレーションを実行する。シミュレーションの実行が終了した計算ノード62は、その結果をデータベースサーバ70に格納する。
ジョブ制御部603は、シミュレーションが終了した各計算ノード62に対して、停止したジョブの実行再開を指示する(ステップS408)。
ジョブ制御部603は、シミュレーション終了を制御装置50に通知する(ステップS409)。
[システム動作]
次に、図21を参照しつつ、第1の実施形態に係る津波浸水予測システムの動作について説明する。
地震が発生すると、気象庁の気象庁計算機20は、緊急地震速報を配信する(ステップS01)。
データ処理サーバ40は、緊急地震速報を受信し、発生した地震による津波浸水予測の要否を判断する(ステップS02)。例えば、データ処理サーバ40は、先に発生した地震のマグニチュードが7以上、且つ、震源地が海域であって深さが70kmより浅い等の条件に合致する地震が発生したか否かを判定し、浸水予測の要否を決定する。
また、地震が発生すると、研究所計算機30は、当該地震による断層の動きを解析し、断層パラメータをデータ処理サーバ40に送信する(ステップS03)。
浸水予測が必要と判断したデータ処理サーバ40は、断層パラメータ及び浸水予測に係るシミュレーションを行う際の条件(シミュレーション条件)を伴った浸水予測要求を制御装置50に行う(ステップS04)。
浸水予測要求を受信した制御装置50は、データ処理サーバ40に問い合せるなどして、受信した浸水予測要求の正当性を判定する(ステップS05)。
浸水予測要求が正当(浸水予測要求は適切)であれば、制御装置50は、浸水予測要求に係るシミュレーションを所定時間(例えば、10分)以内に終了させるために必要な並列計算機システム60のリソース量を決定する(ステップS06)。
次に、制御装置50は、浸水予測に係るシミュレーションの優先度を「緊急」に設定しつつ、決定したリソース量に関する情報を含むスクリプトファイルを並列計算機システム60に送信する(ステップS07)。
当該スクリプトファイルを受信した並列計算機システム60(ジョブ管理ノード61)は、津波浸水予測に係るジョブを緊急ジョブキュー612に投入(ステップS08)する。
また、並列計算機システム60は、スクリプトファイルに記載された台数の計算ノード62に津波浸水予測に係るジョブを実行させる(ステップS09)。
シミュレーションが終了すると、浸水予測結果(シミュレーション結果)は制御装置50を介して、データ処理サーバ40に送信される(ステップS10、S11)。
データ処理サーバ40は、自治体端末10に対して、浸水予測結果をリアルタイム津波浸水予測として送信する(ステップS12)。
以上のように、第1の実施形態に係るデータ処理サーバ40は、緊急地震速報という現実に発生した地震により生成される情報に基づいて、津波浸水予測に係る一連のプロセスを開始する。また、第1の実施形態に係る津波浸水予測システムでは、地震発生からリアルタイム津波浸水予測の送信(図21のステップS01からステップS12まで)までのプロセスが、人手を介さず進行するため、人的要因等によって津波浸水予測の結果の送信が遅れる、止まる等の問題が生じない。
さらに、第1の実施形態に係る津波浸水予測システムでは、一般の計算機よりも遙かに演算能力が高い並列計算機システム60(スーパーコンピュータ)を利用して、津波浸水予測に係るシミュレーションを実行する。そのため、例えば、浸水予測範囲のメッシュサイズが10m×10mのような高い解像度による陸域の津波浸水予測(陸上の津波遡上予測)が、地震発生から短時間(例えば、数十分)で各自治体に提供可能となる。
並列計算機システム60は、全国の研究者等が利用する計算機であって、これらのユーザによる多くのジョブが並列計算機システム60では実行されている。そのため、誤って送信された浸水予測要求に応じて、制御装置50が、並列計算機システム60に津波浸水予測に係るジョブを実行させたとすれば、多くのユーザのジョブを一時的にとは言え停止することになり大きな問題となり得る。そこで、並列計算機システム60を制御、管理する制御装置50は、データ処理サーバ40からの依頼(浸水予測要求)が、現実に発生した地震に応じて発行されたものか否かを検証(図21のステップS05)し、並列計算機システム60にて実行中の一般ジョブを停止することが許容されると判断した時に、津波浸水予測に係るジョブの実行を並列計算機システム60に命じる。即ち、制御装置50は、巨大地震発生に伴い巨大津波が発生するかもしれないという特殊な状況の下、津波浸水予測というある種の公共目的なシミュレーションを迅速に実行するため、並列計算機システム60のリソース(計算ノード)を一時的に占有する。
また、制御装置50は、単に並列計算機システム60に津波浸水予測に係るジョブの実行を命じるだけでなく、当該津波浸水予測に係るジョブが所定時間以内(例えば、10分以内)に終了するためのリソースを確保(図12のステップS06)した上で、当該ジョブの実行を命じる。そのため、シミュレーション対象範囲や浸水予測範の面積やそのメッシュサイズ、水深等に応じて演算量(処理時間)が変化したとしても、所定時間以内にシミュレーション結果が得られる。
以上、第1の実施形態に係る津波浸水予測システムは、津波浸水予測に係る災害情報を、高精度且つ地震発生からリアルタイムにて生成し、ユーザに提供できる。
なお、第1の実施形態にて説明した津波浸水予測システムの構成(図2)は例示であって、システムの構成を限定する趣旨ではない。例えば、5つの自治体端末10を示しているが、リアルタイム津波浸水予測を取得する自治体端末の数を限定する趣旨ではない。あるいは、データ処理サーバ40は気象庁から直接緊急地震速報を受信しているが、第三者機関を経由して緊急地震速報を受信してもよいし、緊急地震速報に類する情報を気象庁以外から取得してもよい。さらに、断層パラメータの提供先は1つの機関に限定されない。例えば、データ処理サーバ40を有する事業者は、複数の研究機関等と断層パラメータ提供に係る契約を結び、最も速く提供された断層パラメータを用いて浸水予測要求が発行されてもよい。
また、第1の実施形態では、データ処理サーバ40から自治体端末10にリアルタイム津波浸水予測を送信している。しかし、図22に示すように、制御装置50は、シミュレーション結果を転送サーバ80に向けて送信し、当該転送サーバ80から自治体端末10に向けてリアルタイム津波浸水予測を送信してもよい。即ち、制御装置50が、シミュレーション結果を送信する先は、データ処理サーバ40に限定されず、制御装置50は、所定の送付先にシミュレーション結果を送信することができる。
また、データ処理サーバ40は、受信した緊急地震速報のログを内部の記憶部305に格納しているが、外部のデータベースサーバ(図示せず)に格納してもよい。この場合、検証要求処理部303は、外部のデータベースサーバにアクセスし、制御装置50から受信した検証要求に関する判定を行う。
第1の実施形態では、浸水予測要求部302が生成する浸水予測要求のシミュレーション条件のなかに、シミュレーション対象範囲、浸水予測範囲、現象再現時間を含めているが、これらの情報は必ずしも浸水予測要求に含まれていなくともよい。データ処理サーバ40と並列計算機システム60の間で予め取り決めた値を用いることで、現象再現時間等の情報を浸水予測要求に含める必要がなくなる。
第1の実施形態では、制御装置50の浸水予測要求検証部403は、データ処理サーバ40自身に浸水予測要求の正当性を検証させている。しかし、制御装置50自身が、緊急地震速報を受信し、浸水予測要求の正当性を検証してもよい。つまり、浸水予測要求検証部403は、データ処理サーバ40から取得した浸水予測要求に含まれる情報の少なくとも一部と、緊急地震速報(地震情報)に含まれる情報の少なくとも一部と、が一致する場合(例えば、地震発生の日時が一致する場合)に、浸水予測要求が正当であると判定してもよい。
あるいは、データ処理サーバ40が緊急地震速報のログを外部のデータベースサーバに格納する場合には、制御装置50は、当該データサーバから緊急地震速報に関する情報を取得し、浸水予測要求の正当性を検証してもよい。即ち、制御装置50による浸水予測要求の正当性に関する検証は、データ処理サーバ40に問い合わせることに限定されない。
第1の実施形態では、制御装置50のリソース決定部404は、記憶部407に登録されたテーブル情報(図13に示すリソース決定テーブル)に基づいて、必要なリソースを決定している。しかし、リソースの決定は、テーブル情報の参照に限定されない。例えば、リソース決定部404は、浸水予測範囲のサイズ(面積)に基づいて、必要なリソース量を計算してもよい。
第1の実施形態では、制御装置50はスクリプトファイルに、津波浸水予測シミュレーションの優先度を設定しているが、制御装置50と並列計算機システム60との間で、津波浸水予測シミュレーションは最優先のジョブとして取り決めておけば、上記優先度の設定は不要である。
第1の実施形態では、データ処理サーバ40は、並列計算機システム60に対して、「津波浸水予測」に係る要求を行っているが、データ処理サーバ40は、並列計算機システム60に対して「津波被害予測」に係る要求を行ってもよい。この場合、並列計算機システム60は、津波浸水予測に係るシミュレーション結果と、浸水予測範囲における人口分布や建物情報等と、を利用することで、津波による被害が大きいと思われる地域を予測できる。例えば、浸水高が高く、且つ、人口密度が高い地域は津波による被害が大きい等の予測が行える。なお、この場合には、並列計算機システム60の演算量が増えるため、制御装置50のリソース決定部404は、並列計算機システム60の演算量増加を加味して、並列計算機システム60が確保する計算ノード62の台数を決定するのが望ましい。
第1の実施形態では、1つの浸水予測範囲が選択され、当該選択された浸水予測範囲の津波浸水予測に係るシミュレーションが実行される場合を説明した。しかし、上述のように、震源位置によっては複数の浸水予測範囲が選択される場合もありうる。このような場合には、それぞれの浸水予測範囲ごとに浸水予測要求、スクリプトファイルが生成され、それぞれ異なるジョブとして並列計算機システム60にシミュレーションの実行が指示されればよい。即ち、1度の地震発生に応じて並列計算機システム60に投入されるジョブ(津波浸水予測に係るジョブ)は、1つに限定されず、内容の異なる複数のジョブが同時に(並列に)投入されてもよい。
第1の実施形態にて説明したデータ処理サーバ40、制御装置50、並列計算機システム60の機能分担は、例示であって、その内容を限定する趣旨ではない。例えば、制御装置50が行う並列計算機システム60のリソース量決定は、並列計算機システム60のジョブ管理ノード61にて行われてもよい。
また、上述の説明で用いた各フローチャートでは、複数のステップ(工程、処理)が順番に記載されているが、実行されるステップの実行順序は、その記載の順番に制限されない。例えば、各処理を並行して実行する等、図示されるステップの順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得るが、以下には限られない。
前記指示部は、前記並列計算機システムが前記津波浸水予測シミュレーションを所定時間に終了させるために確保するリソースとして、前記津波浸水予測シミュレーションを実行する前記計算ノードの台数を前記シミュレーション要件に含ませてもよい。
前記指示部は、前記津波浸水予測に係るシミュレーションを実行する前記計算ノードの台数を、少なくとも、前記津波浸水予測に係るシミュレーションにて津波浸水の予測をする範囲に基づき決定してもよい。
前記検証部は、前記地震情報に基づき前記浸水予測要求の正当性を検証する、又は、前記浸水予測要求の送信元に、前記浸水予測要求の正当性に関する検証を依頼してもよい。
前記指示部は、前記並列計算機システムが前記津波浸水予測シミュレーションを所定時間に終了させるために確保するリソースとして、前記津波浸水予測シミュレーションを実行する前記計算ノードの台数を前記シミュレーション要件に含ませてもよい。
前記指示部は、前記津波浸水予測シミュレーションを実行する前記計算ノードの台数を、少なくとも、前記津波浸水予測シミュレーションにて津波浸水の予測をする範囲に基づき決定してもよい。
前記指示部は、前記津波浸水予測シミュレーションのジョブの優先度を最優先に設定し、前記シミュレーション要件を生成してもよい。
なお、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
10、10−1〜10−5 自治体端末
20 気象庁計算機
30 研究所計算機
40 データ処理サーバ
50、100 制御装置
60、101 並列計算機システム
61 ジョブ管理ノード
62、62−1〜62−n 計算ノード
70 データベース(DB;Data Base)サーバ
80 転送サーバ
111 取得部
112 検証部
113 指示部
201〜203 浸水予測範囲
211〜213 シミュレーション対象範囲
221〜223 震源位置
301、601 通信制御部
302 浸水予測要求部
303 検証要求処理部
304 浸水予測結果管理部
305、407 記憶部
401 第1通信制御部
402 第2通信制御部
403 浸水予測要求検証部
404 リソース決定部
405 シミュレーション指示部
406 シミュレーション結果管理部
501 演算装置
502 メモリ装置
503 ストレージ装置
602 ジョブキュー管理部
603 ジョブ制御部
611 ジョブキュー
612 緊急ジョブキュー

Claims (11)

  1. 複数の計算ノードを有し、前記複数の計算ノードによりジョブを並列に実行する並列計算機システムと、
    前記並列計算機システムを制御する制御装置と、
    を含み、
    前記制御装置は、
    地震発生に伴い生成された地震情報に応じて生成され、津波による浸水予測を要求する浸水予測要求を取得する取得部と、
    前記浸水予測要求の正当性を検証する検証部と、
    前記浸水予測要求が正当である場合に、前記並列計算機システムに対し、前記浸水予測要求に対する浸水予測結果を得るための津波浸水予測シミュレーションの実行をスクリプトファイルにより指示する指示部と、を備え、
    前記スクリプトファイルは、前記津波浸水予測シミュレーションに関するシミュレーション要件を含み、
    前記並列計算機システムは、
    前記シミュレーション要件に規定された内容の前記津波浸水予測シミュレーションを所定時間以内に終了させるためのリソースを確保して前記津波浸水予測シミュレーションを実行し、
    前記制御装置は、
    前記津波浸水予測シミュレーションの結果を取得し、所定の送信先に送信する、津波浸水予測システム。
  2. 前記検証部は、前記地震情報に基づき前記浸水予測要求の正当性を検証する、請求項1の津波浸水予測システム。
  3. 前記検証部は、前記浸水予測要求に含まれる情報の少なくとも一部と、前記地震情報に含まれる情報の少なくとも一部と、が一致する場合に、前記浸水予測要求が正当であると判定する、請求項1又は2の津波浸水予測システム。
  4. 前記制御装置は、前記地震情報の配信元から前記地震情報を取得する、又は、前記地震情報のログが格納された装置にアクセスして前記地震情報を取得し、
    前記検証部は、前記取得された地震情報に用いて、前記浸水予測要求の正当性を検証する、請求項3の津波浸水予測システム。
  5. 前記検証部は、前記浸水予測要求の送信元に、前記浸水予測要求の正当性に関する検証を依頼する、請求項1の津波浸水予測システム。
  6. 前記指示部は、前記津波浸水予測シミュレーションのジョブの優先度を最優先に設定し、前記シミュレーション要件を生成する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の津波浸水予測システム。
  7. 前記並列計算機システムは、
    前記計算ノードにて実行するジョブの順序を定める第1のジョブキューと、
    前記第1のジョブキューに格納されたジョブに優先して実行するジョブを格納する第2のジョブキューと、
    を備え、
    前記最優先が設定された津波浸水予測シミュレーションのジョブを前記第2のジョブキューに格納する、請求項6の津波浸水予測システム。
  8. 前記並列計算機システムは、
    前記第2のジョブキューに格納されたジョブを、前記計算ノードに実行させる際には、前記計算ノードにて実行中のジョブを停止し、前記津波浸水予測シミュレーションのジョブが終了した後に、前記停止したジョブを再開させる、請求項7の津波浸水予測システム。
  9. 複数の計算ノードを有し、前記複数の計算ノードによりジョブを並列に実行する並列計算機システムを制御する制御装置であって、
    地震発生に伴い生成された地震情報に応じて生成され、津波による浸水予測を要求する浸水予測要求を取得する取得部と、
    前記浸水予測要求の正当性を検証する検証部と、
    前記浸水予測要求が正当である場合に、前記並列計算機システムに対し、前記浸水予測要求に対する浸水予測結果を得るための津波浸水予測シミュレーションの実行をスクリプトファイルにより指示する指示部と、
    前記並列計算機システムによる前記津波浸水予測シミュレーションの結果を取得し、所定の送信先に送信するシミュレーション結果管理部と、
    を備え、
    前記スクリプトファイルは、前記津波浸水予測シミュレーションに関するシミュレーション要件を含む、制御装置。
  10. 地震発生に伴い生成された地震情報に応じて生成され、津波による浸水予測を要求する浸水予測要求を取得するステップと、
    前記浸水予測要求の正当性を検証するステップと、
    前記浸水予測要求が正当である場合に、並列計算機システムに対し、前記浸水予測要求に対する浸水予測結果を得るための津波浸水予測シミュレーションの実行を、前記津波浸水予測シミュレーションに関するシミュレーション要件を含むスクリプトファイルにより指示するステップと、
    前記シミュレーション要件に規定された内容の前記津波浸水予測シミュレーションを所定時間以内に終了させるためのリソースを確保して前記津波浸水予測シミュレーションを実行するステップと、
    前記津波浸水予測シミュレーションの結果を、所定の送信先に送信するステップと、
    を含む、津波浸水予測の提供方法。
  11. 複数の計算ノードを有し、前記複数の計算ノードによりジョブを並列に実行する並列計算機システムを制御する制御装置に搭載されたコンピュータに実行させるプログラムであって、
    地震発生に伴い生成された地震情報に応じて生成され、津波による浸水予測を要求する浸水予測要求を取得する処理と、
    前記浸水予測要求の正当性を検証する処理と、
    前記浸水予測要求が正当である場合に、前記並列計算機システムに対し、前記浸水予測要求に対する浸水予測結果を得るための津波浸水予測シミュレーションの実行を、前記津波浸水予測シミュレーションに関するシミュレーション要件を含むスクリプトファイルにより指示する処理と、
    前記並列計算機システムによる前記津波浸水予測シミュレーションの結果を取得し、所定の送信先に送信する処理と、
    を実行させるプログラム。

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