JP5939677B2 - 水底の底質の推定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、海、河川、湖沼等の水底の底質をコンピュータを使用して推定する方法に関する。
海底の底質を推定するための従来技術としては、シングルビーム式のソナーを用いた水底探査装置や、マルチビーム式のソナーを用いた水底探査装置がある。
例えば特許文献1−3はシングルビーム式のソナーを用いた水底探査装置であり、これらは、水中の真下方向に超音波パルス信号を送信し、その反射信号を受信して魚群を探知したり、受信した反射信号の時間幅と底質との対応関係を用いて底質の判別を図るもので、いわゆる魚群探知機に関するものである。
特許文献1では、受信した反射信号の時間幅を、超音波パルス信号を送信してから受信するまでの時間で除し、水深により正規化して、底質を判別するとしている。
また、特許文献2では、魚群を良好に探知するための受信感度では、海底からの反射信号が飽和してしまうことを防ぐために、底質判別用と魚群探知用とで受信感度を異ならせると共に送受波器の指向角を底質判別のパラメータとしている。
更に、特許文献3では、送信する超音波パルス信号の時間幅を、海底深度に比例するように調節すると共に、反射信号の時間幅を海底深度に比例する時間間隔で抽出したり、あるいは海底深度に比例する値を用いて、反射信号の時間幅から特徴量を求めて、ニューラルネットワークを用いて底質を判別している。
次に特許文献4はマルチビーム式のソナーを用いた水底探査装置の例を示すものである。
この装置では、海底方向に所定角の範囲で送信された超音波信号に対して複数の受波ビームを形成して、受信信号から水深データと受波ビーム方向の反射強度データを検出し、船体の位置、船首方向等の情報と水深データを用いて反射強度データの海底面法線方向換算値を算出する。
反射強度データの海底面法線方向換算値と水底の底質との対応関係は図11に示されるようなテーブルとして予め記憶されており、従って、この記憶された対応関係を用いて、算出された前記反射強度データの海底面法線方向換算値から底質を推定するというものである。そして、この対応関係は、予め既知の文献から設定したり、以前に底質検出した結果に従って設定するものとされている。
尚、この特許文献4の水底探査装置は、送信する超音波信号の拡がり方向と受波ビームの拡がり方向が直交する、いわゆるクロスファンビーム方式の装置である。
ところで、近来、前記クロスファンビーム方式の水底探査装置よりもスワス幅が広く、また従来の方式では困難であった、鋭角的で垂直的な起伏を伴う水底地形の探査が可能である三次元サイドスキャンソナーが水底探査に使用されるようになってきている。
この、三次元サイドスキャンソナーは、共通の送波部に対して、受波部は、受波器を複数設けた構成としており、それらの受波器への反射波の到達時間の差(位相差)から反射波の到来する角度を算出し、従って水深を算出することを可能としたマルチビーム式の水底探査装置である。即ち、この三次元サイドスキャンソナーは、サイモン・フレーザー大学のPaul H. Kraeutner と John S. Bird により開発された、CAATI(Computed Angle-of-Arrival Transient Imaging)アルゴリズムによる演算を行うことにより高精度、低ノイズにおいて、広い探査幅内の各点にて反射強度データと水深データが得られるものである。このCAATIアルゴリズムは、例えば特許文献5に記載されている。尚、この三次元サイドスキャンソナーによる三次元測深システムは、国土交通省によるNETIS(新技術情報提供システム)に「技術名称:C3Dによる極浅水域での3次元測深技術システム」(登録番号:KT-090015)として掲載されている。
特許第3088557号公報 特許第3450661号公報 特開2008−275351号公報 特許第4585838号公報 米国特許第6130641号明細書
熊田貴之,宇多高明,芹沢真澄;"卓越粒径集団に応じた平衡勾配を考慮した等深線・粒径変化モデル",土木学会論文集B,社団法人土木学会,,2007年6月,Vol.63,No.2,p.154−167
従来、三次元サイドスキャンソナー等によって得られる水深データを直接的に利用して底質を推定することは行われていない。
本発明では、かかる水深データを直接的に利用して底質の推定を行う方法を提供することを目的としている。
即ち、本発明では、前記課題を解決するために、ソナーを用いて水底探査対象水域内の多数の位置における超音波の反射強度と測深データを収集し、この収集された反射強度データと測深データからコンピュータを使用して底質を推定する方法であって、
前記方法は、
前記測深データの水深データを、前記探査対象水域を単位面積で格子状に区分けした各区分に対応させるステップと、
区分けされた全区分から底質を推定する区分を選択するステップと、
選択された各区分毎に水深データの平均値を算出するステップと、
選択された区分において、隣接する区分の前記平均値の差を演算すると共に、それを当該隣接区分の中心間の距離で除算して水底の勾配を算出するステップと、
水底の勾配と底質との対応関係を記憶したテーブルを参照して、前記算出された勾配に対応する底質を選択するステップと
前記選択された各区分毎に水深データの散らばり具合を示す値を算出するステップと、
前記散らばり具合を示す値と底質との対応関係を記憶したテーブルを参照して、前記算出された散らばり具合を示す値に対応する底質を選択するステップを設け、
前記水底の勾配に対応して推定される底質と、水深データの前記散らばり具合を示す値に対応して推定される底質とを組み合わせた底質として出力するステップとから成るコンピュータの処理によりなされる水底の底質の推定方法を提案するものである。
また本発明では、上記の構成において、底質を推定する区分は、探査対象水域を単位面積で格子状に区分けした全区分とした水底の底質の推定方法を提案する。
また本発明では、上記の構成において、底質を推定する区分は、探査対象水域を単位面積で格子状に区分けした全区分から、所定間隔で飛び飛びに選択して格子状に配置される区分とした水底の底質の推定方法を提案する。
また本発明では、上記の構成において、散らばり具合を示す値は分散又は標準偏差値としたり、レンジ又は四分位範囲とすることを提案する。
また本発明では、上記の構成において、底質を推定する区分毎に超音波の反射強度データの平均値を算出するステップと、
超音波の反射強度と底質との対応関係を記憶したテーブルを参照して、前記算出された反射強度データの平均値に対応する底質を選択するステップとを設けた水底の底質の推定方法を提案する。
また本発明では、上記の構成において、反射強度データに対応して選択された底質と、水深データに対応して選択された底質とを比較して、推定される底質を出力する処理を行うステップを設け、
このステップにおいて、比較した底質が一致する場合には、その底質を、推定される底質として出力し、また一致しない場合には、反射強度データに対応して選択された底質を優先して推定される底質として出力すると共に、その旨をコンピュータの操作者に通知する水底の底質の推定方法を提案する。
また本発明では、上記の構成において、反射強度データに対応して選択された底質と、水深データに対応して選択された底質とを比較して、推定される底質を出力する処理を行うステップを設け、
このステップにおいて、比較した底質が一致する場合には、その底質を、推定される底質として出力し、また一致しない場合には、両方の底質を推定される底質として出力すると共に、その旨をコンピュータの操作者に通知する水底の底質の推定方法を提案する。
そして本発明では、以上の構成において、ソナーは、三次元サイドスキャンソナーとすることを提案する。
本発明は、ソナーにより水底探査対象水域内の多数の位置における超音波の反射強度データと測深データを収集し、この収集された反射強度データと測深データからコンピュータを使用して底質を推定する方法であり、前記測深データの水深データを、前記探査対象水域を単位面積で格子状に区分けした各区分に対応させると共に、区分けされた全区分から底質を推定する区分を選択し、そして選択された各区分毎に水深データの平均値を算出し、隣接する区分の前記平均値の差を、隣接区分の中心間の距離で除算して水底の勾配を算出することができる。
ところで、水底の底質は、水底の傾斜の有無及び傾斜の程度、即ち、勾配と対応関係にあることが知られている。例えば非特許文献1には、「汀線付近の急勾配部分では礫・粗砂が多く含まれ、一方沖合の緩勾配部分では細砂とシルト・粘度の含有率が高い。そして顕著な勾配変化は、図−3に示すように急勾配と緩勾配を構成している底質の粒径レンジが大きく起因することが分かった。」と記載されており、水底の勾配と底質とが対応関係にあることが分かる。
自然現象であるから必ずしもそうであるとは限らないが、典型的な例として考えると、水底が急な勾配の場合では、泥や砂、そして礫は下方に落下し易いので、急勾配の水底の底質は岩等が剥き出しであることが多いと想定される。一方、水底が平坦であったり、緩やかな勾配であると、上方から落下した泥や砂等が堆積して留まるため、緩勾配等の水底の底質は泥や砂であることが多いと想定される。更に、水底が上記の中間の勾配であると、急勾配では落下しやすいが、ある程度の勾配では泥や砂と比較して落下し難い礫が残るため、中間の勾配の水底では、緩勾配の水底よりも粗粒化していて礫等が残った底質であることが多いと想定される。
従って、このような水底の勾配と底質との対応関係を予めテーブルとして記憶しておけば、探査対象水域の区分に対して、上述したように算出された水底の勾配に対応した底質を選択して、選択された底質を、対応する区分の水底の底質を推定するものとして出力することができる。
尚、水底の底質は、勾配だけでなく、海域、海岸等の地形や河川の有無、海流等の個々の諸条件によっても変化するので、水底の実測等により、それらの諸条件をパラメータとして、勾配と底質との対応関係を求めてテーブルとして記憶させ、それらのパラメータを考慮して底質の水底を行うように構成することができる。
このようにパラメータを考慮する場合には、水底の勾配と底質の対応関係を、各パラメータ毎のテーブルとして記憶すると共に、パラメータをコンピュータの操作者が入力可能に構成し、入力されたパラメータに対応してテーブルを選択するステップを設けることにより、対応した処理をコンピュータに行わせることができる。
上述したように探査対象水域を格子状に区分けする単位面積は、探査対象水域の広さや、他の資料や知見等により予め想定される底質等の情報に応じて、単位面積の区分内において、底質が実質的に変化しない程度の面積に設定するのが望ましい。
また底質を推定する区分は、探査対象水域を格子状に区分けした全区分であっても良いし、全区分から、所定間隔で飛び飛びに選択して格子状に配置される区分としても良く、後者の区分配置では、隣接する区分の中心間の距離は、その距離内で、底質が実質的に大きく変化しない程度の距離に設定するのが望ましい。
次に本発明では、前述したように選択された各区分毎に、多数の水深データの散らばり具合を示す値を算出する。水深データの散らばり具合は、底質に起因する水底の凹凸の程度を示しており、散らばり具合が小さい程、水底は滑らかであると想定される。従って、予め記憶されている水深データの散らばり具合と底質との対応関係を記憶したテーブルを用いて、算出された水深データの散らばり具合から所望の区分の底質を推定することができる。
ここで、上述したように、水底の勾配に対応して推定される底質は、勾配の小さい側から、泥、砂、礫、岩と推定されるように、水底を構成する要素による底質であるのに対して、水深データの散らばり具合から推定される底質は、散らばり具合の小さい側から、滑らか、でこぼこと推定されるように、水底の表面形状による底質であるから、これらの底質を組み合わせた底質として出力することができる。
例えば、算出された水底の勾配が小さく、且つ散らばり具合も小さい場合には、水底を構成する要素は泥や砂で、それが滑らかであると出力することができ、一方、算出された水底の勾配が小さいが、散らばり具合は大きい場合は、水底を構成する要素は主として泥や砂であるが、一部に岩等が突出していて、でこぼこしていると出力することができる。
水深データの散らばり具合を示す値としては、例えば分散又は標準偏差値としたり、レンジ又は四分位範囲とすることができ、これらの少なくとも1つの値と底質との対応関係をテーブルとして記憶すれば良い。
次に本発明では、上述したように水深データから底質を推定することに加えて、例えば特許文献4に記載されているような従来の方法、即ち、超音波の反射強度データと底質との対応関係から底質を推定し、これらを組み合わせて水底の底質の推定を行うことができる。
この際、水深データから推定される底質と、反射強度データから推定される底質が異なった場合には、従来から広く行われている反射強度データと底質との対応関係から推定される底質を優先して、推定される底質として出力し、同時にその旨をコンピュータの操作者に通知することにより、出力結果に対して必要に応じて操作者が検討を行うことができる。
また、水深データから推定される底質と、反射強度データから推定される底質が異なった場合において、両方の底質を推定される底質として出力し、同時にその旨をコンピュータの操作者に通知することにより、出力結果に対して必要に応じて操作者が検討を行うことができる。
以上の方法に用いるソナーとしては、上述した三次元サイドスキャンソナーが適切である。
図1は本発明の方法に用いる三次元サイドスキャンソナーの動作を模式的に示す説明図である。 図2は三次元サイドスキャンソナーによる測深データの一部を示すもので、動揺補正、音速補正、フィルター処理、ノイズ除去等のデータ補正を行った後のデータである。 図3は、図2の測深データに対応する水域を示すものである。 図4は区分けされた全区分から底質を推定する区分を選択した一例を示すもので、図中にハッチングで示した区分は、図3中の一点鎖線で囲まれた区分に相当するものである。 図5は本発明方法による処理の位置付けを示す流れ図である。 図6は本発明方法により、測深データ中の水深データから底質を出力するまでの処理の流れを示す流れ図である。 図7は本発明方法により、測深データ中の水深データの散らばり具合から底質を出力するまでの処理の流れを示す流れ図である。 図8は本発明方法により、反射強度データと測深データから底質を出力するまでの処理の流れを示す流れ図である。 図9は本発明方法により、反射強度データと測深データから底質を出力するまでの処理の他の流れを示す流れ図である。 図10は勾配と底質との対応関係を記憶したテーブルの一例を模式的に示すものである。 図11は水深データの散らばり具合を示す値と底質との対応関係を記憶したテーブルの一例を模式的に示すものである。 図12は反射強度データと底質との対応関係を記憶したテーブルの一例を模式的に示すものである。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は三次元サイドスキャンソナーの動作を模式的に示す説明図であり、この図はサイドスキャンソナー本体1の移動方向と直交する面において示している。このサイドスキャンソナー本体1は、共通の送波部(図示省略)に対して受波器を複数設けている。即ち、符号2a,2bはサイドスキャンソナー本体1の左右側の夫々に設けた受波部であり、これらの受波部2a,2bには、複数、例えば6個の受波器が高さ方向に配置されて設けられており、それらの受波器への反射波の到達時間の差(位相差)から前述したCAATIアルゴリズムを用いて反射波の到来する角度を算出し、従って、高精度、低ノイズにおいて、広い探査幅内の各測深点4にて、反射強度データと水深データが得られるものである。尚、図中符号3は水底、●印の4は測深点、5は超音波信号の送波方向、6は波面、7は反射波の受波状態を模式的に示すものである。
この三次元サイドスキャンソナーの性能を例示すると、次の通りである。
周波数:200kHz
レンジ(ビーム):25-300m(片側)
計測レンジ:水深の5-8倍
解像度:4.5cm
測深分解能:5.5cm
測深点数:最大2000点
図2は三次元サイドスキャンソナーによる測深データの一部を示すもので、動揺補正、音速補正、フィルター処理、ノイズ除去等のデータ補正を行った後のデータであり、これらのデータ補正は、従来からの適宜処理を行うことができる。そして、図3は、図2の測深データに対応する水域を示すもので、図中の一点鎖線で囲まれた区分の面積は1m2であり、それに含まれるデータは、図2のデータ番号の前に記号◆で示したデータである。
図5に示すように、本発明方法では、三次元サイドスキャンソナーにより収集された水底探査対象水域内の多数の位置における超音波の反射強度と測深データからコンピュータによる処理を行って底質を推定し、これを出力して、次の処理として、底質区分図作成処理等を行うものである。そこで本発明の処理方法の実施の形態を次に説明する。
図6は本発明方法により、測深データ中の水深データから底質を出力するまでの処理の流れを示す流れ図である。
まずステップS1では、測深データの水深データを、探査対象水域を単位面積で格子状に区分けした各区分に対応させ、次いでステップS2では、区分けされた全区分から底質を推定する区分を選択する。
図4は区分けの一例を示すもので、この例では、探査対象水域を単位面積1m2の区分8で格子状に区分し、その全区分から10m毎に区分を選択して、底質を推定する区分8Eとしている。図中には、12個の区分8Eを示しており、これらは必要に応じて添字により区別して示す。
次いでステップS3では選択した各区分8E毎に水深データの平均値を算出すると共に、ステップS4において選択した区分において隣接する区分の水深データの差を演算すると共に、それを隣接区分の中心間の距離で除算して水底の勾配(この場合は、平均勾配)を算出する。
例えば、区分8E5に対応する水底の勾配を求める場合には、隣接する周囲の各区分8E1、8E2、8E3、8E4、8E6、8E7、8E8、8E9との間にステップS4の演算を行って、各方向に対応する勾配を求めることができる。
上述したとおり、水底の底質は、水底の傾斜の有無及び傾斜の程度、即ち、勾配と対応関係にあることが知られており、典型的な例として考えると、水底が急な勾配の場合では、泥や砂、そして礫は下方に落下し易いので、急勾配の水底の底質は岩等が剥き出しであることが多いと想定される。一方、水底が平坦であったり、緩やかな勾配であると、上方から落下した泥や砂等が堆積して留まるため、緩勾配等の水底の底質は泥や砂であることが多いと想定される。更に、水底が上記の中間の勾配であると、急勾配では落下しやすいが、ある程度の勾配では泥や砂と比較して落下し難い礫が残るため、中間の勾配の水底では、緩勾配の水底よりも粗粒化していて礫等が残った底質であることが多いと想定される。
そこで、水底の勾配Gと底質との対応関係を予めテーブル、例えば図10に示すテーブルとして記憶しておき、ステップS5において、探査対象水域の区分8Eの全てに対して、ステップS4で算出された勾配Gから底質を選択し、選択した底質をステップS6において出力する。
次に、図7は本発明方法により、測深データ中の水深データから底質を出力するまでの処理の流れを示す流れ図である。この処理は、水底の勾配と水深データの散らばり具合の両方から水底の底質を推定するものである。
まずステップS11では、測深データの水深データを、探査対象水域を単位面積で格子状に区分けした各区分に対応させ、次いでステップS12では、区分けされた全区分から底質を推定する区分を選択する。これらのステップS11、ステップS12は上述したステップS1、S2と同様である。
次いでステップS13では選択した各区分8E毎に水深データの平均値と散らばり具合、例えば標準偏差を算出する。
次いでステップS14では、上述したステップS4と同様に、選択した区分8Eにおいて隣接する区分の水深データの差を演算すると共に、それを隣接区分の中心間の距離で除算して水底の勾配Gを算出する。
ここで、上述したように、水深データの散らばり具合は、底質に起因する水底の凹凸の程度を示しており、散らばり具合が小さい程、水底は滑らかであると想定される。従って、水深データの散らばり具合と底質との対応関係を、例えば図11に示すテーブルとして記憶しておけば、算出された水深データの散らばり具合から所望の区分の底質を推定することができる。
そこで、ステップS15では、ステップS14において算出した水底の勾配から、それと底質との対応関係を記憶した図10のテーブルを参照して底質を選択すると共に、ステップS13において算出した水深データの散らばり具合を示す値、この場合、標準偏差の値から、それと底質との対応関係を記憶した図11のテーブルを参照して底質を選択することができる。
ここで、上述したように、水底の勾配に対応して推定される底質は、勾配の小さい側から、泥、砂、礫、岩と推定されるように、水底を構成する要素による底質であるのに対して、水深データの散らばり具合から推定される底質は、散らばり具合の小さい側から、滑らか、でこぼこと推定されるように、水底の表面形状による底質であるから、これらの底質を組み合わせた底質として出力することが可能である。
例えば、算出された水底の勾配が小さく、且つ散らばり具合も小さい場合には、水底を構成する要素は泥や砂で、それが滑らかであると出力することができ、一方、算出された水底の勾配が小さいが、散らばり具合は大きい場合は、水底を構成する要素は主として泥や砂であるが、一部に岩等が突出していて、でこぼこしていると出力することができる。
次に、図8は本発明方法により、反射強度データと測深データから底質を出力するまでの処理の流れを示す流れ図である。この流れにおいて、反射強度データ及び測深データは、図5における反射強度データと測深データと同様にデータ補正されたものである。
まずステップS22は、上述した図6のS1〜S6又は図7のS11〜S16に相当する処理である。またステップS21は、反射強度と底質との対応関係を記憶した図12に示すテーブルを用いて、各反射強度データに対して底質を選択して出力する処理である。
ステップS23においては、ステップS21において、反射強度データに対応して選択された底質Aと、ステップS22において、水深データに対応して選択された底質Bとが比較される。
比較の結果、底質Aと底質Bが一致する場合には、ステップS24において、底質A又は底質Bを出力する。一方、比較の結果、底質Aと底質Bが相違する場合には、ステップS25において、従来、広く行われてきてデータの蓄積が多い反射強度データに対応して選択された底質Aを出力すると共に、底質Aと底質Bが相違する旨の通知を行う。
このためコンピュータの操作者は、底質Aと底質Bが相違することを知ることができるので、図5に示す底質区分図作成処理においては、当該区分に対して、コアサンプラー、ドレッジ、採泥機等を用いた資料採取等による、他の判断資料を用いた底質の判別が可能となる。
次に、図9は本発明方法により、反射強度データと測深データから底質を出力するまでの処理の流れを示す流れ図であり、この処理の流れは、図8に示す流れのステップS25の処理を、ステップS26の処理に変更したものである。
即ち、この流れでは、ステップS23における比較の結果、底質Aと底質Bが相違する場合には、ステップS26において、底質Aと底質Bの両方を出力すると共に、底質Aと底質Bが相違する旨の通知を行う。
このためコンピュータの操作者は、底質Aと底質Bが相違すること、そしてどのように相違しているかを知ることができるので、図5に示す底質区分図作成処理においては、当該区分に対して、コアサンプラー、ドレッジ、採泥機等を用いた資料採取等による、他の判断資料を用いた底質の判別が可能となる。
尚、以上に説明した本発明において、ソナーとして上記NETISに掲載されている「C3D」を使用する場合、このソナーには、発振(Ping)毎に、その際の発振状況のデータが記録されるため、その記録データ中、受信機のゲインと、パルス長を用いて反射強度データを効果的に補正することができる。
本発明は以上の通りであり、三次元サイドスキャンソナー等によって得られる水深データを直接的に利用して海、河川、湖沼等の水底の底質を推定することができる。
1 サイドスキャンソナー本体
2a,2b 受波部
3 水底
4 測深点
5 送波方向
6 波面
7 反射波
8E(8E1〜8E12) 区分

Claims (9)

  1. ソナーを用いて水底探査対象水域内の多数の位置における超音波の反射強度と測深データを収集し、この収集された反射強度データと測深データからコンピュータを使用して底質を推定する方法であって、
    前記方法は、
    前記測深データの水深データを、前記探査対象水域を単位面積で格子状に区分けした各区分に対応させるステップと、
    区分けされた全区分から底質を推定する区分を選択するステップと、
    選択された各区分毎に水深データの平均値を算出するステップと、
    選択された区分において、隣接する区分の前記平均値の差を演算すると共に、それを当該隣接区分の中心間の距離で除算して水底の勾配を算出するステップと、
    水底の勾配と底質との対応関係を記憶したテーブルを参照して、前記算出された勾配に対応する底質を選択するステップと、
    前記選択された各区分毎に水深データの散らばり具合を示す値を算出するステップと、
    前記散らばり具合を示す値と底質との対応関係を記憶したテーブルを参照して、前記算出された散らばり具合を示す値に対応する底質を選択するステップを設け、
    前記水底の勾配に対応して推定される底質と、水深データの前記散らばり具合を示す値に対応して推定される底質とを組み合わせた底質として出力するステップとから成るコンピュータの処理により成されることを特徴とする水底の底質の推定方法。
  2. 底質を推定する区分は、探査対象水域を単位面積で格子状に区分けした全区分であることを特徴とする請求項1に記載の水底の底質の推定方法。
  3. 底質を推定する区分は、探査対象水域を単位面積で格子状に区分けした全区分から、所定間隔で飛び飛びに選択して格子状に配置される区分であることを特徴とする請求項1に記載の水底の底質の推定方法。
  4. 散らばり具合を示す値は分散又は標準偏差値とすることを特徴とする請求項1に記載の水底の底質の推定方法。
  5. 散らばり具合を示す値はレンジ又は四分位範囲とすることを特徴とする請求項1に記載の水底の底質の推定方法。
  6. 底質を推定する区分毎に超音波の反射強度データの平均値を算出するステップと、
    超音波の反射強度と底質との対応関係を記憶したテーブルを参照して、前記算出された反射強度データの平均値に対応する底質を選択するステップとを設けたことを特徴とする請求項1〜5までのいずれか1項に記載の水底の底質の推定方法。
  7. 反射強度データに対応して選択された底質と、水深データに対応して選択された底質とを比較して、推定される底質を出力する処理を行うステップを設け、
    このステップにおいて、比較した底質が一致する場合には、その底質を、推定される底質として出力し、また一致しない場合には、反射強度データに対応して選択された底質を優先して推定される底質として出力すると共に、その旨をコンピュータの操作者に通知することを特徴とする請求項6に記載の水底の底質の推定方法。
  8. 反射強度データに対応して選択された底質と、水深データに対応して選択された底質とを比較して、推定される底質を出力する処理を行うステップを設け、
    このステップにおいて、比較した底質が一致する場合には、その底質を、推定される底質として出力し、また一致しない場合には、両方の底質を推定される底質として出力すると共に、その旨をコンピュータの操作者に通知することを特徴とする請求項6に記載の水底の底質の推定方法。
  9. ソナーは、三次元サイドスキャンソナーである請求項1〜8までのいずれか1項に記載の水底の底質の推定方法。
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