JP4585838B2 - 底質探知装置 - Google Patents

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Description

この発明は、マルチビーム方式で海底面に超音波パルス信号を送信して海底面で反射される超音波信号を受信することで、広範囲の水深を探知するとともに海底面の底質を探知する底質探知装置に関するものである。
従来、水深や海底の底質を推定(探知)する方法としてはシングルビーム方式のソナー装置を用いる場合と、マルチビーム方式のソナー装置を用いる場合とが存在する。シングルビーム方式のソナー装置は、送受波器から真下方向に超音波パルス信号を送信して、真下の海底面で反射した超音波信号を受信することで、この点での水深データおよび反射強度データを得て、水深および海底の底質を推定する。
一方、マルチビーム方式のソナー装置は、特許文献1に示すように、海底方向の所定角範囲内に超音波パルス信号を同時に送信し、この所定角範囲内で互いに異なる探知方向とする複数の受波ビームを形成して、前記所定角範囲に応じた海底面領域の各区域における水深データを得る。この際、ソナー装置は受信する超音波信号の大きさ(振幅)を検知することで反射強度データを得る。
特開2001−99914公報
ところが、前述のシングルビーム方式では、真下方向からの超音波信号のみを用いて反射強度データを取得するので、受信される超音波信号に対する海底面の傾斜による影響を把握することができず、正確に反射強度データを取得することができない。これにより、底質を正確に推定することが難しかった。
一方、従来のマルチビーム方式では、同時に複数の超音波パルス信号を放射するように送信して、探知領域内の各方向に受波ビームを形成するため、前述の海底面の傾斜による影響を除去することができる。しかしながら、真下方向から所定角を成す斜め下方へ送信された超音波パルス信号の超音波反射信号を受信する場合、真下方向と反射面積が異なるため、受波ビーム方向によって海底面の反射面積が変化して、この影響を除去することができない。このため、真下方向と斜め下方向とでは、同等の条件下での反射強度データを得ることができなかった。
さらに、反射強度データから底質を推定する場合には、従来、海底面に対して法線方向に換算した反射強度データが必要であり、海底面の傾斜により影響を受けた反射強度データや、前述のような海底面に対して斜め方向の反射強度データでは正確な底質推定を行うことができなかった。
したがって、本発明の目的は、マルチビーム方式を用いて、送受波器に対する海底面の位置によることなく、どの位置であっても海底面の法線方向に換算した反射強度データを取得して、正確に底質を推定することができる底質探知装置を提供することにある。
この発明は、探知領域を構成する探知区域毎に水深および底質を探知する底質探知装置において、海底方向に所定角の範囲で送信された超音波信号に対して複数の受波ビームを形成し、該受波ビームにより得られる受信信号から該当探知区域の水深データを検出する水深検出手段と、受信信号から該当探知区域の受波ビーム方向の反射強度データを検出する反射強度検出手段と、水深データおよび反射強度データの検出時の自船位置、船首方向、および自船動揺量を検出する自船情報検出手段と、該自船情報検出手段で得られる各情報および水深検出手段で得られる水深データを用いて、反射強度データの海底面法線方向換算値を算出する法線方向換算値算出手段と、予め記憶されている反射強度データの海底面法線方向換算値と海底面の底質との関係を用いて反射強度データの海底面法線方向換算値から底質を推定する底質推定手段と、を備えたことを特徴としている。
この構成では、水深検出手段にて水深データを検出した探知区域の海底面の反射強度データが反射強度検出手段により検出される。この反射強度データは受波ビーム方向の海底面反射強度であり、受波ビームの方向、すなわち、真下方向に対する角度の影響を受ける。例えば、海底面が完全に平坦な状態であっても、真下方向から水平面方向に受波ビーム方向(入射角)が変化すれば、反射強度も低下していく。法線方向換算値算出手段は、検出された受波ビーム方向の反射強度データととともに、この反射強度データに対応する水深データと、自船位置、船首方向、自船動揺量等からなる自船情報とを用いることで、検出された受波ビーム方向の反射強度データから海底面法線方向換算値を算出する。海底面の底質は反射強度データの海底面法線方向換算値、すなわち海底面法線方向に換算した散乱反射強度に依存するので、底質推定手段は、予め記憶されている海底面法線方向の反射強度と底質との関係を用いて、算出された海底面法線方向の反射強度データから底質を推定する。これにより、受波ビーム方向によることなく、海底面のどの位置(区域)においても同じ条件の反射強度データ(海底面法線方向の反射強度データ)が得られ、同条件で底質が推定される。
また、この発明の底質探知装置の法線方向換算値算出手段は、自船情報検出手段で得られる各情報と、該当する反射強度データに対応する探知区域の水深データおよび該当する反射強度データに対応する探知区域に隣接する探知区域の水深データと、を用いて前記該当する反射強度データが得られる海底面上の探知区域の法線方向を検出する海底面法線方向検出手段と、該海底面法線方向と受波ビーム方向とから海底面上の探知区域への入射角を算出する入射角算出手段と、該入射角から海底面上の探知区域での超音波信号の反射面積を算出し、該反射面積を用いて反射強度データを補正する反射強度データ補正手段と、を備えたことを特徴としている。
この構成では、法線方向成分算出手段の海底面法線方向検出手段は、該当する反射強度データに対応する探知区域の水深データと隣接する探知区域の水深データとからなる少なくとも3つの水深データを用いることで、探知区域が存在する平面(海底面)に垂直な方向、すなわち海底面法線方向を検出する。具体的には、海底面法線ベクトルを算出する。次に、入射角算出手段は、算出された海底面法線方向と受波ビーム方向との成す角、すなわち海底面法線ベクトルと受波ビームベクトルとの内積を求めることで、超音波信号の入射角を算出する。このように算出された海底面への入射角を用いることで、反射強度データ補正手段は、探知区域の海底面の実質的な反射面積を算出して、この実質的な反射面積により受信信号(探知信号)から得られる受波ビーム方向の実測の反射強度データから反射面積の影響を取り除いた反射強度データを生成する。これが、入射角方向の反射強度データ言い換えれば余角方向の反射強度データとなる。
また、この発明の底質探知装置の法線方向成分算出手段は、送信させる超音波信号のパルス幅に応じて、算出する反射面積を補正する反射面積補正手段を備えたことを特徴としている。
この構成では、送信される超音波パルス信号のパルス幅に応じて反射面積が変化するので、法線方向換算値算出手段の反射面積補正手段は、この変化量に応じて反射面積を算出する。これにより、前述の実測の反射強度データから、反射強度データ(受波ビーム方向に対する純粋な反射強度データ)を生成する一連の演算に対して、より正確な反射面積が用いられる。
また、この発明の底質探知装置の法線方向換算値算出手段は、反射強度データ補正手段で補正された後の反射強度データとこの反射強度データの海底面法線方向換算値との関係を記憶する記憶手段を備えたことを特徴としている。
この構成では、前述の一連の演算で算出された反射強度データと、この反射強度データの海底面法線方向換算値との関係が予め設定されているので、法線方向換算値算出手段は、この関係を記憶手段から読み出して反射強度データの海底面法線方向換算値を検出する。
また、この発明の底質探知装置は、底質推定手段により同じ底質と推定された複数の底質データと、該複数の底質データにそれぞれ対応した反射強度データとから、底質に基づく反射強度データと余角方向との関係を推定する反射強度余角特性推定手段を備えたことを特徴としている。
この構成では、反射強度余角特性推定手段は、検出した複数の同質の底質データについて、これらの底質データに対応する反射強度データとその探知区域の余角(90°−(海底面入射角)))との関係をそれぞれ記録し、該当する底質での反射強度の余角(入射角)特性を推定する。これにより、今回探知した領域での底質とこの底質での海底面反射強度の余角特性、すなわち、今回探知した領域に特有の底質毎の反射強度余角特性が得られ、次回以降に現地を底質探知する際に参照される。
また、この発明の底質探知装置は、探知区域内に該当する複数の反射強度データの平均値を算出する平均値算出手段を備え、底質推定手段で、この反射強度データの平均値を用いて底質を推定することを特徴としている。
この構成では、探知区域として、ある程度の面積(例えば1m×1m)の単位探知範囲を用いることで、各探知区域にそれぞれ複数の受波ビームが存在する。このように、ある程度の面積の探知区域を用いることで、底質データがあまり細かくなりすぎず、必要最小限の底質データ群が得られるとともに、各探知区域内の複数の受波ビームに対応する反射強度データの平均値が得られ、反射強度データが平滑化される。
また、この発明の底質探知装置は、推定された底質に基づき、探知領域全体の底質分布図を形成する底質分布形成手段を備えたことを特徴としている。
この構成では、底質散布図が形成されることで、これを表示すればオペレータに底質の認知をより容易に行わせられる。
この発明によれば、各探知区域における海底面の法線方向の反射強度を受波ビームの方向によることなく正確に検出し、この検出結果に基づき探知領域の底質を正確に推定することができる。すなわち、高精度に底質推定を行うマルチビーム式の底質探知装置を構成することができる。
また、この発明によれば、得られた底質データと、この底質データに対応する反射強度データおよびその余角(入射角)とを保持することで、今後、同じ領域(海域)の底質探知を行う際に、反射強度データと底質とのより正確な相関関係を参照することができる。すなわち、より高精度な底質推定を行う底質探知装置を構成することができる。
本発明の実施形態に係る底質探知装置について図1〜図12を参照して説明する。
図1(a)は本発明の底質探知装置で利用するマルチビームソナーの原理について示した図であり、図1(b)は本発明の底質探知装置の概略構成を示すブロック図である。
図2は本発明の底質探知装置の概略動作フローを示すフローチャートである。
図3は図1(b)に示した底質探知装置の探知データ生成装置100の構成を示すブロック図である。
図4は図1(b)に示した底質探知装置の底質データ生成装置200の構成を示すブロック図である。
本発明の底質探知装置ではマルチビームソナーを用いる。マルチビームソナーとは、図1(a)に示すように、船体の底部に備え付けられた送受波器102から所定の送波指向性で超音波信号を海底面方向に送信し、所定の受波指向性からなる受波ビームを形成することで探知信号(超音波反射信号)を得るものである。ここで、送波指向性とは、送受波器102から送信される超音波信号の指向性であり、本実施形態の場合では、真下方向を中心として左右舷方向(船首尾方向に垂直な水平方向)に所定の左右舷方向扇頂角(図1(b)では120°)で海底面方向へ扇状に広がり、船首尾方向に所定の船首尾方向扇頂角(図1(b)では1.5°)で海底面方向に扇状に広がる特性を示す。また、受波指向性とは、複数の受波トランスデューサ132a〜312nが受信した超音波反射信号により形成される単独の受波ビームの指向性を示し、所定の船首尾方向扇頂角(図1(b)では20°)で海底面方向へ扇状に広がり、所定の左右舷方向扇頂角(図1(b)では1.2°で海底面方向へ扇状に広がる特性を示す。このような送波指向性および受波指向性とすることで、船首尾方向に1.5°、左右舷方向に1.0°からなる単位探知区域からの探知信号を取得する。
このようなマルチビームソナーを用いた底質探知装置は、図1(b)に示すように、探知信号から探知領域内の各単位探知区域の水深データおよび反射強度データを含む探知データを生成する探知データ生成装置100と、この探知データ100を用いて探知領域内の底質を推定して底質データを生成する底質データ生成装置200と、を備える。探知データ生成装置100には送受信機101が接続されており、この送受信機101に送受波器102が接続されている。また、探知データ生成装置100は測位装置400と動揺センサ401と船首方位センサ402とに接続されている。
探知データ生成装置100は、制御部1、データ演算部2、自船情報検出部3、画像データ生成部4、および画像データ表示部5を備える。制御部1は、送受信機101に送受信制御を行うとともに、探知データ生成装置100全体の制御を行う。データ演算部2は統合データ生成部14、水深データ生成部15、および、反射強度データ生成部16を備える。水深データ生成部15は送受信機101の受信部12から入力される受波ビーム毎の探知信号と送信部11からの送信信号と自船情報検出部3からの動揺量および船首方向とを用いて水深データDPを生成する。反射強度データ生成部16は受波ビーム毎の探知信号から受波ビーム方向の反射強度データSSAを生成する。この際、反射強度データ生成部16は対応する探知区域の水深データDPに基づき、実測の反射強度データDRから水深による影響を取り除いた反射強度データSSAを生成する(図2,S1→S2)。統合データ演算部14は、水深データDPと反射強度データSSAと自船情報検出部3からの自船情報データ(自船位置、船首方位等)とを関連づけして統合データを生成する(図2,S3)。自船情報検出部3は測位装置400、動揺センサ401、および船首方向センサ402に接続され、測位装置400から得られる自船位置や船首方位等の測位情報と動揺センサ401から得られる動揺値とを用いて自船情報データを生成して、データ演算部2に与える。画像データ生成部4は統合データに基づいて探知領域を所定面積の探知区域毎に分割してマップ化し、各探知区域の水深データDPからなる海底地形図や反射強度データSSAからなる海底面反射強度分布図等の画像データを生成する。画像データ表示部5はこの画像データを表示画面上に表示する。これにより、探知領域の水深データや反射強度データをリアルタイムに表示する。なお、これら水深データおよび反射強度データはHDD等の記憶手段に記録しておき、オフラインで再生、表示することもできる。
送受信機101は制御部1からの送受信制御に基づき、送信タイミングで送信部11から送受波器102の各送波トランスデューサ131a〜131nに送信信号を出力し、受信タイミングで各受波トランスデューサ132a〜132nからの受信信号を入力して所定の信号処理(信号増幅等)を行い、データ演算部2に出力する。ここで、送受信機101は、送信タイミングには前述の送波指向性が実現されるように遅延処理および振幅処理を行った送信信号を出力し、受信タイミングには前述の受波指向性を備える各受波ビームを形成して受信信号から受波ビーム毎の探知信号を形成する。
送受波器102は、船首尾方向を配列方向として配列された複数の送波トランスデューサ131a〜131nと、左右舷方向を配列方向として配列された複数の受波トランスデューサ132a〜132nとを備える。これら送波トランスデューサ131a〜131n、受波トランスデューサ132a〜132nはそれぞれ所定の間隔(例えば、送受信する超音波信号の略1/2波長分の間隔)で配列されており、送波トランスデューサ131a〜131nは送受信機101の送信部11から入力される送信信号(電気信号)を超音波信号に変換して外部に出力し、受波トランスデューサ132a〜132nは外部からの超音波反射信号を受信信号(電気信号)に変換して送受信機101の受信部12に出力する。
底質データ生成装置200は、探知データ生成装置100から入力される統合データを用いて、探知領域全体を所定面積で区画分けしてなる単位メッシュ領域(本発明および前述の「探知区域」に相当する。)毎のメッシュデータを生成するとともに単位メッシュ領域の底質を推定して底質データを生成する制御演算部20と、該制御演算部20の各種演算時に用いる変換表や制御演算部20で生成した底質画像データやメッシュデータを記録するHDD30と、オペレータからの操作入力を受け付ける操作部40と、各画像データ等を表示する表示部50とを備える。このHDD30が本発明の「記憶手段」に相当する。
制御演算部20は、メッシュデータ生成部21、海底面法線ベクトル演算部22、反射強度データ補正部23、反射強度データ変換部24、メッシュデータ再形成部25、底質データ生成部26、および、底質画像データ生成部27を備える。ここで、制御演算部20は前記各機能部をソフトウェア構成で実現してもハードウェア構成で実現しても良い。
メッシュデータ生成部21は操作部40からの入力等により指示された単位メッシュ領域毎に該当する統合データを関連付けして単位メッシュ領域毎にメッシュデータを生成する(図2,S4)。この際、複数の統合データが1つの単位メッシュ領域に該当すれば、それぞれを含んだメッシュデータを形成する。例えば、探知を行う船舶の船速が遅い場合や、探知領域の所定方向を、これに垂直な方向に少しずつシフトさせながら往復動して探知をする場合のシフト量が少ない場合等では、同じ単位メッシュ領域に複数回の受波ビームが対応するので、単位メッシュ領域に複数の統合データを含むことになる。
海底面法線ベクトル演算部22は、該当する単位メッシュ領域の統合データとこれに隣り合う単位メッシュ領域の統合データとから該当する単位メッシュ領域の海底面法線ベクトルを演算する(図2,S5)。この際、メッシュデータに含まれる水深データと反射強度データとの関係から、水深データが同じである、すなわち海底面上の位置が殆ど同じでありながら著しく異なる反射強度データSSAが存在する場合には、この反射強度データSSA等を削除する。
反射強度データ補正部23は、前記海底面法線ベクトルから該当する単位メッシュ領域における超音波信号の入射角θと海底面反射面積S(A)とを演算して、受波ビーム方向の反射強度データSSAを補正して反射強度データいわゆる散乱反射強度データSSを算出する(図2,S6→S7)。ここで、海底面反射面積S(A)は、超音波信号の送信パルスのパルス幅を考慮して算出する。
反射強度データ変換部24は、HDD30に予め記録されている法線方向変換表31を参照して反射強度データSSから海底面法線方向の反射強度データSS90を算出する(図2,S8)。ここで、海底面法線ベクトル演算部22が本発明の「海底面法線方向検出手段」に相当し、反射強度データ補正部23が本発明の「入射角算出手段」と「反射強度データ補正手段」と「反射面積補正手段」とに相当する。さらに、海底面法線ベクトル演算部22と反射強度データ補正部23と反射強度データ変換部24とが本発明の「法線方向換算値算出手段」に相当する。
メッシュデータ再形成部25は、統合データ毎に得られた海底面法線方向の反射強度データSS90を単位メッシュ領域毎に平均化処理して、その平均値と標準偏差とを算出して、新たなメッシュデータとして別ファイルを形成する(図2,S9)。この際、前述の海底面法線ベクトル演算部22と同様に、海底面法線方向の反射強度データSS90が同じ単位メッシュ領域内の他の海底面法線方向の反射強度データSS90と著しく異なっていればこの海底面法線方向の反射強度データSS90を削除する。このメッシュデータ再形成部25が本発明の「平均値算出手段」に相当する。
底質データ生成部26はHDD30に予め記録されている底質変換表32を参照して海底面法線方向の反射強度データSS90の平均値から該当する底質を推定して、底質データをメッシュデータに付け加える。具体的には、予め底質毎に閾値が設定された海底面法線方向の反射強度データSS90に対して、該当する単位メッシュ領域の海底面法線方向の反射強度SS90を比較して、照合する底質を意味する数値データを底質データとして算出する(図2,S10)。この底質データ生成部26が本発明の「底質推定手段」に相当する。
底質画像データ生成部27は探知領域全体の各単位メッシュ領域の底質データおよび水深データを含むメッシュデータを平面配列して底質画像データを生成し、HDD30に記録する(図2,S11)。この底質画像データ生成部27が本発明の「底質分布形成手段」に相当する。
そして、操作部40からの入力に従い、取得した底質画像データから、海底面底質分布図や底質を表示する鳥瞰図を生成して表示部50に表示させる。
このような制御動作を行うことにより、探知領域全体の底質を推定して海底底質図等を生成することができる。
なお、前述の説明では、メッシュデータの生成から底質画像データまでの生成を1つの装置で行ったが、反射強度データSSAの削除等の編集を行うことが可能な海底面法線ベクトル演算部22以降とメッシュデータ生成部21とをそれぞれ独立に操作可能な異なる装置により実現しても良い。
次に、前述の各データの演算、算出、検出、推定方法について具体的に説明する。
(1)受波ビーム方向の反射強度データSSAの算出方法
送受信機101の受信部12は、受波トランスデューサ132a〜132nからの受信信号(探知信号)を用いて、前述の送波領域の扇頂角を等分する方向を主方向とする受波ビームを形成する。例えば、前述の扇頂角が120°である場合に、この扇頂角に対して分解能を1°とする121本の受波ビームを形成する。このような受波ビームの形成により受波ビーム毎の実測の反射強度データ(以下、単に実測データと称す。)DRが得られると、受信部12はこれを増幅して、水深データ生成部15および反射強度データ生成部16に出力する。水深データ生成部15は送信部11の送信信号に基づく送信タイミングと入力された実測データDRに基づく受信タイミングとの遅延時間から水深データDPを演算する。
反射強度データ生成部16は、入力された実測データDRと、水深データ生成部15から入力された水深データDPと、音源出力データSLとを用いて次式に示す演算を行い、反射強度データSSAを算出する。なお、これらの演算は対数値を用いて行う。
SSA=EL−EL1 −(1)
EL=DR−G+K −(2)
EL1=SL−Me−2TL+120 −(3)
ここで、Gは総合受信ゲイン、Kは変換定数、SLは音源出力、Meは受波感度、2TLは伝搬減衰である。総合受信ゲインGは、受信部12に備えられた増幅器全体で設定されたゲインで決定され、音源出力SLは、送受信機101の送信部11の送信レベル設定出力に応じて予め設定された真下方向の出力値と、送波指向性設定に応じて予め設定された真下方向から右舷、左舷方向に対する所定各方向のレベル調整量とにより決定される。また、受波感度Meはそれぞれに送受波器102によりそれぞれ予め測定されており、伝搬減衰2TLは水深による超音波反射信号の減衰量を示すもので、水深データにより設定されている。
(2)海底面法線ベクトル算出方法
反射強度データSSAが算出されると、この反射強度データSSAが対応する単位メッシュ領域の海底面法線ベクトル(以下、単に「法線ベクトル」と称す。)を、メッシュデータの各統合データを用いて算出する。この際、法線ベクトルは船首基準で算出する。
具体的には、統合データの自船位置情報から得られる北基準の座標データと、動揺値から得られるロール角θr、ピッチ角θp、ヨー角θyと、水深データDPとから法線ベクトルが求められる。
図5は海底面法線ベクトルの算出方法を示すフローチャートであり、図6は該当する単位メッシュ領域555(配列番号(m,n))の法線ベクトル算出の概念図である。
(2a)法線ベクトル演算式
1直線状に並ばない3つの単位メッシュ領域(位置)a,b,cの座標を、
a(xa,ya,za),b(xb,yb,zb),c(xc,yc,zc
とする。
この場合、これら3つの単位メッシュ領域が存在する平面の単位法線ベクトルを、
n(xn,yn,zn)とすると、
Figure 0004585838
と表される。これにより、北基準の単位法線ベクトルnが算出される。
このように算出された北基準の単位法線ベクトルnから、船首基準の単位法線ベクトルnfは、前記ロール角θr、ピッチ角θp、ヨー角θyを用いて、次式により算出される。
Figure 0004585838
(2b)法線ベクトルの算出方法
このような法線ベクトル演算を用いて次に示すフローで法線ベクトルを演算する。
該当する単位メッシュ領域555(配列番号(m,n))の法線ベクトルを算出する場合、単位メッシュ領域555のメッシュデータに含まれる複数の水深データDPの平均値を算出する。これと同時に、単位メッシュ領域555に対して南北方向および東西方向に隣り合う4つの単位メッシュ領域554(配列番号(m,n−1)),556(配列番号(m,n+1)),545(配列番号(m−1,n)),565(配列番号(m+1,n))についても同様に水深データDPの平均値を算出する(図5、S51)。なお、この単位メッシュ領域毎の水深データDPの平均値演算は探知領域を構成する全部の単位メッシュ領域に対して同時に行っても良い。
次に、図6(b)に示すように、該当単位メッシュ領域555と、東隣の単位メッシュ領域556と、北隣の単位メッシュ領域565とを、単位メッシュ領域556、単位メッシュ領域555、単位メッシュ領域565の順で結ぶ方向を正方向として、すなわち、前述の法線ベクトル演算式(式(4a)〜式(4c))の位置a,b,cをそれぞれ単位メッシュ領域556,555,565に適用させて、前述の法線ベクトル演算式(式(4a)〜式(4c))を用いて法線ベクトルn1を演算する。
これと同時に、図6(c)に示すように、該当単位メッシュ領域555と、北隣の単位メッシュ領域565と、西隣の単位メッシュ領域554とを、単位メッシュ領域565、単位メッシュ領域555、単位メッシュ領域554の順で結ぶ方向を正方向として、すなわち、前述の法線ベクトル演算式(式(4a)〜式(4c))の位置a,b,cをそれぞれ単位メッシュ領域565,555,554に適用させて、前述の法線ベクトル演算式(式(4a)〜式(4c))を用いて法線ベクトルn2を演算する。
さらに、図6(d)に示すように、該当単位メッシュ領域555と、西隣の単位メッシュ領域554と、南隣の単位メッシュ領域545とを、単位メッシュ領域554、単位メッシュ領域555、単位メッシュ領域545の順で結ぶ方向を正方向として、すなわち、前述の法線ベクトル演算式(式(4a)〜式(4c))の位置a,b,cをそれぞれ単位メッシュ領域554,555,545に適用させて、前述の法線ベクトル演算式(式(4a)〜式(4c))を用いて法線ベクトルn3を演算する。
また、さらに、図6(e)に示すように、該当単位メッシュ領域555と、南隣の単位メッシュ領域545と、東隣の単位メッシュ領域556とを、単位メッシュ領域545、単位メッシュ領域555、単位メッシュ領域556の順で結ぶ方向を正方向として、すなわち、前述の法線ベクトル演算式(式(4a)〜式(4c))の位置a,b,cをそれぞれ単位メッシュ領域545,555,556に適用させて、前述の法線ベクトル演算式(式(4a)〜式(4c))を用いて法線ベクトルn4を演算する。このように、該当単位メッシュ領域555を含む平面領域に対する4つの単位法線ベクトルn1〜n4を算出する(図5、S52)。
次に、これら算出された単位法線ベクトルn1〜n4の各成分をそれぞれに平均値処理して(図5、S53)、北基準の単位法線ベクトルnを算出する(図5、S54)。すなわち、各単位法線ベクトルn1〜n4のx成分xn1〜xn4の平均値xnaと、y成分yn1〜yn4の平均値ynaと、z成分zn1〜zn4の平均値znaとを算出し、これら平均値xna,yna,znaを直交3成分とする北基準の単位法線ベクトルnを算出する。
そして、前述の式(6)を用いて、算出された北基準の単位法線ベクトルnから船首基準の単位法線ベクトルnfを算出する(図5、S55)。
(3)海底面入射角(超音波入射角θ)の算出
超音波信号(探知信号)の方向ベクトルs(xs,ys,zs)は、各受波ビームの指向性の中心方向と真下方向との成す角αと、受波ビーム番号とから、次式を用いて算出される。ここで、受波ビーム番号とは、スキャニングを行う扇形状の一方端から他方端にかけて所定角(分解能に相当)の間隔で離散的に連続する受波ビームに設定する通し番号である。例えば、左右舷方向に120°で開口するスキャニング領域を分解能1°で受波ビームを形成する場合、121本の受波ビームが形成される。この121本の受波ビームに対して、例えば右舷側端部の受波ビームを1番とし、真下方向の受波ビームを61番とし、左舷側端部の受波ビームを121番とするものである。
このように受波ビーム番号を設定すると、超音波信号(探知信号)の方向ベクトルs(xs,ys,zs)は、
Figure 0004585838
ただし、iは受波ビーム番号
で算出することができる。
このように算出された超音波信号の方向ベクトルsと、前述法線ベクトルnfとを用いて、次式(式(9))から音波入射角(海底面入射角)θが算出される。
Figure 0004585838
また、この音波入射角θは船首尾方向成分θBと左右舷方向成分θSBとに分解することができる。
図7は音波入射角θの船首尾方向成分θBと左右舷方向成分θSBとの関係を示す概念図である。
方向ベクトルsに基づくsB(xs,0,zs)と、法線ベクトルnfに基づくnfB(xnf,0,znf)とを用いて次式(式(10))から音波入射角船首尾方向成分θBが算出される。
Figure 0004585838
方向ベクトルsに基づくsSB(0,ys,zs)と、法線ベクトルnfに基づくnfSB(0,ynf,znf)とを用いて次式(式(11))から音波入射角左右舷方向成分θSBが算出される。
Figure 0004585838
(4)海底面反射面積S(A)の算出
図8は、海底面反射面積S(A)を示す概念図であり、Axは海底面反射面積S(A)の船首尾方向長さ、Ayは海底面反射面積S(A)の左右舷方向長さ、dは該当海底面の位置の水深である。
このような場合、海底面反射面積S(A)は、Ax×Ayで表すことができ、Ax,Ayはそれぞれ次式(式(12a),式(12b))により算出される。
Figure 0004585838
これにより、海底面反射面積S(A)は、
Figure 0004585838
で算出される。
ここで、θBsは海底面反射面積S(A)に関する船首尾方向の開始角度[deg.]を示し、θBeは海底面反射面積S(A)に関する船首尾方向の終了角度[deg.]を示す。θSBsは海底面反射面積S(A)に関する左右舷方向の開始角度[deg.]を示し、θSBeは海底面反射面積S(A)に関する左右舷方向の終了角度[deg.]を示す。
船首尾方向の開始角度θBsは、超音波パルス信号(送信信号)の先頭がビームの最も遠い角度に到達した角度であるので、
θBs=θB+φB
と表される。この際、φBは船首尾方向の指向角(−3dB半角)であり、φB=((船首尾方向の角度分解能)/2)/cos(入射角)で表される。
船首尾方向の終了角度θBeは、超音波パルス信号の最後尾がビームの最も近い角度θpwBeに対して船首尾方向成分θBから船首尾方向の指向角φBを差分したものよりも大きければ、
θBe=θB−φB
と表され、超音波パルス信号の最後尾がビームの最も近い角度θpwBeに対して船首尾方向成分θBから船首尾方向の指向角φBを差分したものよりも小さければ、
θBe=θpwBe
と表される。
なお、超音波パルス信号の最後尾がビームの最も近い角度θpwBeは超音波パルス信号のパルス幅pw[m]を用いて、
Figure 0004585838
で算出される。ここで、パルス幅pwは、超音波パルス信号(送信信号)のパルス時間幅τ[ms]として、pw=c・τ/2である。
一方、正横方向の開始角θSBsは、超音波パルス信号(送信信号)の先頭がビームの最も遠い角度に到達した角度であるので、
θSBs=θSB+φSB
と表される。この際、φSBは左右舷方向の指向角(−3dB半角)であり、φSB=((u左右舷方向の角度分解能)/2)/cos(入射角)で表される。
左右舷方向の終了角度θSBeは、超音波パルス信号の最後尾がビームの最も近い角度θpwSBeに対して左右舷方向成分θSBから左右舷方向の指向角φSBを差分したものよりも大きければ、
θSBe=θSB−φSB
と表され、超音波パルス信号の最後尾がビームの最も近い角度θpwSBeに対して左右舷方向成分θSBから左右舷方向の指向角φSBを差分したものよりも小さければ、
θSBe=θpwSBe
と表される。
なお、超音波パルス信号の最後尾がビームの最も近い角度θpwSBeは超音波パルス信号のパルス幅pw[m]を用いて、
Figure 0004585838
で算出される。
このような演算を用いることにより、海底面の反射面積S(A)が算出される。
(5)反射強度データSS(余角方向の反射強度データ)の算出
前述のように反射強度データSSAと反射面積S(A)が算出されると、反射強度データSSは、
SS=SSA−10LOG(S(A))
から算出される。なお、この反射強度データSSは単位メッシュ領域に該当する全ての統合データの反射強度データSSAに対して行われる。
ここで、一般に反射強度データSSは余角方向、すなわち、入射角θとした場合の90°−ABS(θ)の角度(90°から入射角θの絶対値を差分した角度)で定義されており前述の演算で算出された反射強度データSSが余角反射強度データとなる。
(6)海底面法線方向の反射強度データSS90の算出
前述のように反射強度データSS(余角方向の反射強度データ)が算出されると、予め設定して記憶された余角方向の反射強度データSSと海底面法線方向の反射強度データSS90との関係(例えば、図9に示す関係)から、各反射強度データSSを法線方向の反射強度データSS90に変換する。
図9は余角の大きさと反射強度データSSの大きさとの関係を示すグラフであり、余角90°すなわち入射角0°が真下方向を示し、余角が小さくなるほど水平方向を示す。また、グラフ中の各ラインは底質毎の反射強度データの余角特性を示しており、図9では、岩、砂、シルト、および粘土が示されている。
この図9に示すような底質毎の反射強度データの余角特性を表す法線方向変換表31が予めHDD30に記憶されており、前述の各演算で算出された反射強度データSSと余角とから法線方向(余角90°)の反射強度データSS90が演算される。
これを図9で概念的に示すと、図中の黒丸点に示す余角および反射強度データSSが得られると、これを挟む砂の特性曲線とシルトの特性曲線とから推定される中間的な曲線(砂の特性曲線までの強度差とシルトの特性曲線までの強度差との比)に従い補助曲線を延ばし、余角90°の縦線と交差した点が法線方向の反射強度データSS90となる。
なお、この際、図10(a)に示すように、算出された反射強度データSSが2つの特性曲線間に存在すれば、これら曲線までの比を維持しながら形成される補助曲線に従い法線方向の反射強度データSS90が算出される。すなわち、算出された余角における砂の特性曲線までの強度差とシルトの特性曲線までの強度差との比δ1:δ2と、余角90°(法線方向)における砂の特性曲線までの強度差とシルトの特性曲線までの強度差との比Δ1:Δ2とが同じになる余角90°時点の反射強度データが法線方向の反射強度データSS90となる。一方、図10(b)に示すように、岩の特性曲線よりも高い反射強度データの場合は岩の特性曲線に沿って、粘土の特性曲線よりも低い反射強度データの場合は粘土の特性曲線に沿って法線方向の反射強度データSS90が算出される。すなわち、算出された余角における岩の特性曲線との強度差δ3と、余角90°(法線方向)の強度差Δ3とが同じになる余角90°時点の反射強度データが法線方向の反射強度データSS90となる。
図10は反射強度データSS90の算出概念を示す反射強度データの余角特性図である。
なお、ここで説明した反射強度データの余角特性は、予め既知の文献から設定したり、後述する方法で、以前に底質検出した結果に従い設定しても良い。特に後者の場合は、その領域毎の詳細な底質の反射特性が求められているので、より高精度に底質を推定することができる。
このように、法線方向の反射強度データSS90が各反射強度データすなわち統合データ毎に算出されると、単位メッシュ領域毎で該当する法線方向の反射強度データSS90の平均値と標準偏差とが算出されて、メッシュデータに追加される。この際、平均値および標準偏差のデータは既にHDD30に記憶されているメッシュデータに追記して記憶しても、新たに別ファイルを形成して記憶しても良い。
(6)底質データ生成方法
図11は法線方向の反射強度データSS90に対応した各底質の閾値および、底質データ設定値を表した底質変換表である。
法線方向の反射強度データSS90が底質により変化することを利用し、図11に示すような底質変換表32を予め設定してHDD30に記憶しておく。そして、単位メッシュ領域毎に法線方向の反射強度データSS90の平均値が算出されると、底質変換表32に従い、各法線方向反射強度データSS90に対応する底質を推定して、底質毎に予め設定された底質データ(数値)を算出する。なお、この表は、予め既知の文献から設定したり、後述する方法で、以前に底質検出した結果に従い設定しても良い。特に後者の場合は、その領域毎の詳細な底質の反射特性が求められているので、より高精度に底質を推定することができる。
なお、前述の単位メッシュ領域毎の法線方向の反射強度データSS90の標準偏差が所定値よりも大きい場合、予め設定された底質(岩、礫、砂、シルト、粘土)から底質を推定せず、該当する単位メッシュ領域に海草等の遊動物が存在すると判断し、底質データを出力しないか、他の底質データとは異なる特定値を出力する。
以上のような構成および制御を行うことにより、マルチビーム方式のソナーを用いて、海底面法線方向の反射強度データを正確に算出することができるとともに、これを用いて海底面の底質を正確に検出することができる。
(7)底質変換表の形成方法
前述の説明では、海底面法線方向の反射強度データを算出して底質を推定する方法について示したが、次に、探知領域内の各単位メッシュ領域の底質推定結果から、この探知領域に応じた反射強度データの余角特性を算出する方法を示す。
まず、前述の(6)で示すように底質データが底質の種類により同じ値で設定されることを利用し、本発明の「反射強度余角特性推定手段」に相当する制御演算部20は、記録した探知領域の複数の底質データに基づいて明らかに同じ底質である単位メッシュ領域を所定範囲(例えば、50メッシュ×50メッシュ等)で選択して、各単位メッシュ領域に対応するメッシュデータ300を読み出す。このメッシュデータ300には、選択された各単位メッシュ領域に対応する反射強度データSSと余角とが関連づけされた状態で記憶されているので、制御演算部20は、各単位メッシュ領域の反射強度データSSと余角とを用いて、図12に示すようにマッピング処理を行って散布図を形成する。この際、メッシュデータには複数の反射強度データSSが含まれているので、全ての反射強度データSSを利用する。例えば、前述のようにメッシュデータに10個の反射強度データSSが含まれていれば、これらの反射強度データSSの全てを利用する。この場合、50×50×10=25000個の反射強度データSSを利用することができる。
図12は反射強度データSSと余角との関係を示す散布図であり、散布図中の黒丸がサンプル点を示し、実線が推定された関係式(関数)を示す。
そして、これら反射強度データSSと余角とを用いて、反射強度データSSと余角との関係式を推定演算する。この推定演算方法としては、例えば、最小二乗法等を用いる。
このような散布図の形成と関係式の推定演算とを、分類した底質毎に行ってHDD30等に記録する。
このような処理(作業)を行うことにより、次回以降に同じような探知領域の底質探知を行う場合に、自身が探知した結果に基づく底質推定を行うことができ、より高精度に底質探知を行うことができる。また、この散布図と関係式に関するデータを光磁気記録媒体(MO等)や光ディスク(CD,DVD等)に記録したり、ネットワークにより共有することで、他船が同様の探知領域の底質を探知したりする場合にも、高精度に底質探知を行うことができる。
なお、前述の説明では、適当な面積のメッシュ領域を設定して、この領域以内含まれる複数の統合データ(反射強度データや水深データ等)を1データグループとして、各演算に利用したが、統合データ毎にメッシュ領域を設定して、各演算を行っても良い。すなわち、探知領域に対するメッシュ領域の区切りをより細分化してもよい。これにより、より精密な底質推定を行うことができる。
また、前述の説明では、反射強度データと余角との関係を余角の絶対値に対して算出した。すなわち、右舷方向の特性と左舷方向の特性とが同じである場合について算出した。しかし、右舷方向における余角と反射強度データとの関係と、左舷方向における余角と反射強度データとの関係とを別々に演算することで、図13に示すような右舷、左舷で独立な反射強度データの余角特性を得ることができる。
図13は、右舷方向における余角と反射強度データとの関係、および、左舷方向における余角と反射強度データとの関係を同時に示した図である。
図13に示すような反射強度データの余角特性を用いることにより、右舷方向と左舷方向とでそれぞれ別に海底面法線方向の反射強度データを算出したり、底質を推定することができる。この結果、より一層高精度の底質推定を行うことができる。
本発明の底質探知装置で利用するマルチビームソナーの原理について示した図および本発明の底質探知装置の概略構成を示すブロック図 本発明の底質探知装置の概略動作フローを示すフローチャート 図1(b)に示した底質探知装置の探知データ生成装置100の構成を示すブロック図 図1(b)に示した底質探知装置の底質データ生成装置200の構成を示すブロック図 海底面法線ベクトルの算出方法を示すフローチャート 該当する単位メッシュ領域555(配列番号(m,n))の法線ベクトル算出の概念図 音波入射角θの船首尾方向成分θBと左右舷方向成分θSBとの関係を示す概念図 海底面反射面積S(A)を示す概念図 余角の大きさと反射強度データSSの大きさとの関係を示すグラフ 反射強度データSS90の算出概念を示す反射強度データの余角特性図 法線方向の反射強度データSS90に対応した各底質の閾値および、底質データ設定値を表した底質変換表 反射強度データSSと余角との関係を示す散布図 右舷方向における余角と反射強度データとの関係、および、左舷方向における余角と反射強度データとの関係を同時に示した図
符号の説明
100−探知データ生成部、 1−制御部、 2−データ演算部、 14−統合データ生成部、 15−水深データ生成部、 16−反射強度データ生成部、 3−自船情報検出部、 4−画像データ生成部、 5−画像データ表示部、 101−送受信機、 11−送信部、 12−受信部、 102−送受波器、 131a〜131n−送波トランスデューサ、 132a〜132n−受波トランスデューサ、 200−底質データ生成装置、 20−制御演算部、 21−メッシュデータ生成部、 22−海底面法線ベクトル演算部、 23−反射強度データ補正部、 24−反射強度データ変換部、 25−メッシュデータ再形成部、 26−底質データ生成部、 27−底質画像データ生成部、 30−HDD、300−メッシュデータ、 31−法線成分変換表、 32−底質変換表、 33−底質画像データ、 40−操作部、 50−表示部、 400−測位装置、 401−動揺センサ、402−船首方位センサ

Claims (7)

  1. 探知領域を構成する探知区域毎に水深および底質を探知する底質探知装置において、
    海底方向に所定角の範囲で送信された超音波信号に対して複数の受波ビームを形成し、該受波ビームにより得られる受信信号から前記探知区域の水深データを検出する水深検出手段と、
    前記受信信号から前記探知区域の受波ビーム方向の反射強度データを検出する反射強度検出手段と、
    水深データおよび反射強度データの検出時の自船位置、船首方向、および自船動揺量を検出する自船情報検出手段と、
    該自船情報検出手段で得られる各情報と、前記水深検出手段で得られる水深データと、を用いて、前記反射強度データの海底面法線方向換算値を算出する法線方向換算値算出手段と、
    予め記憶されている反射強度データの海底面法線方向換算値と海底面の底質との関係を用いて前記反射強度データの海底面法線方向成分から底質を推定する底質推定手段と、を備えたことを特徴とする底質探知装置。
  2. 前記法線方向換算値算出手段は、
    前記自船情報検出手段で得られる各情報と、該当する反射強度データに対応する探知区域の水深データおよび該当する反射強度データに対応する探知区域に隣接する探知区域の水深データと、を用いて前記該当する反射強度データが得られる海底面上の探知区域の法線方向を検出する海底面法線方向検出手段と、
    該海底面法線方向と前記受波ビーム方向とから前記海底面上の探知区域への入射角を算出する入射角算出手段と、
    該入射角から前記海底面上の探知区域での超音波信号の反射面積を算出し、該反射面積を用いて前記反射強度データを補正する反射強度データ補正手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の底質探知装置。
  3. 前記送信させる超音波信号のパルス幅に応じて、算出する反射面積を補正する反射面積補正手段を備えた請求項2に記載の底質探知装置。
  4. 前記法線方向換算値算出手段は、
    前記反射強度データ補正手段で補正された後の反射強度データと、この反射強度データの海底面法線方向換算値との関係を記憶する記憶手段を備えた、請求項2または3に記載の底質探知装置。
  5. 前記底質推定手段により同じ底質と推定された複数の底質データと、該複数の底質データにそれぞれ対応した反射強度データとから、前記底質に基づく前記反射強度データと余角方向との関係を推定する反射強度余角特性推定手段を備えた請求項1〜4のいずれかに記載の底質探知装置。
  6. 前記探知区域内に該当する複数の反射強度データの平均値を算出する平均値算出手段を備え、前記底質推定手段は、この反射強度データの平均値を用いて底質を推定する請求項1〜5のいずれかに記載の底質探知装置。
  7. 前記推定された底質に基づき、探知領域全体の底質分布図を形成する底質分布形成手段を備えた請求項1〜6のいずれかに記載の底質探知装置。
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