JP2009174691A - トランスミッション用玉軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】転動面にかかる面圧を小さくし、転動面転がり疲れにも肩乗り上げにも有利にでき、しかも、発熱及びすべりによるピーリングの面で有利となって自動車用トランスミッションに最適となるトランスミッション用玉軸受を提供する。
【解決手段】外輪23の軌道溝22または内輪25の軌道溝24の少なくとも一方の軌道溝において、その断面形状を、曲率半径の異なる複数の円弧を滑らかに連続させてなる複合円弧とする。幅方向中央側の曲率半径を小さく、幅方向両端側の曲率半径を大きく形成し、内輪25と転動体27、及び外輪23と転動体27との接触点を各一点とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、玉軸受に関し、特に自動車用トランスミッションに使用されるトランスミッション用玉軸受に関する。
自動車用トランスミッションは、手動変速機、或は、遊星歯車式、ベルト式、トロイダル式等の各種の自動変速機が知られる。このうち手動変速機としては、図4に示すようなものがある。
この手動変速機は、図4に示すように、入力側回転軸13と、この入力側回転軸13に同一軸心上に直線状に配置される出力側回転軸14と、この入力側回転軸13及び出力側回転軸14に対して所定間隔を持って平行に配置される伝達軸15と、各軸13、14、15が挿通状となるケーシング11と、このケーシング11に各軸13、14、15を回転自在に支持する玉軸受16とを備える。また、ケーシング11内には、潤滑油(ミッションオイル)12が貯留されている。
すなわち、これら玉軸受16を構成する軌道輪(外輪及び内輪)と転動体との接触部の潤滑を、前記ケーシング11内に貯溜した潤滑油(ミッションオイル)12により行なっている。この様な潤滑方法を採用する為に、前記各玉軸受として、例えば図5に示す様な開放型の玉軸受16を使用している。この玉軸受16は、内周面に軌道面2を有する外輪3と、外周面に軌道面4を有する内輪5と、これら軌道面2と軌道面4との間に転動自在に設けられた複数個の転動体としてのボール7と、外輪3と内輪5との間に介装されてボール7を支持する保持器6とを備える。そして、これらボール7を設置した空間8の両端開口は、それぞれシールリングにより塞ぐことなく、開放している。
前記図4に示す変速機の運転時には、前記空間8内に、前記ケーシング11内に貯溜した潤滑油を流通させることにより、外輪3、内輪5の各軌道面2、4と各ボール7の転動面との接触部を潤滑している。ところが、ケーシング11内に貯溜した潤滑油中には、動力伝達部材である歯車等の削り加工粉や摩耗粉等の硬い異物が混入している。この様な硬い異物の存在は、外輪3、内輪5の各軌道面2、4と各ボール7の転動面とに剥離を生じさせる原因となる。
また、従来の玉軸受16は、内外輪の溝曲率半径は一定であり、単一(同一)径で形成されていた。その為曲率を小さくして面圧に有利にするか、曲率を大きくして肩乗り上げに有利にするかと二者択一の設計であった。ここで、肩乗り上げとは、ボール7が内輪5または外輪3の肩5に乗り上げることであって、この肩乗り上げが生じれば、ボール7或いは軌道面2,4の表面に荒れや剥離等が発生して、玉軸受の寿命低下を惹き起こすおそれがある。
そこで、従来には、特許文献1のコンプレッサ用プーリ支持装置のように、3点接触玉軸受にて内輪の曲率のみ複合曲率とし、肩乗り上げの防止及び転動面への過大な面圧がかかる事を防止するようにしたものがある。
国際公開W02003/071142公報
しかしながら、3点接触や4点接触玉軸受の様に一つの軌道溝と転動面とが多点で接触していると、発熱が大きくなる、すべりの起こる個所が接触面の数だけある為ピーリングが発生しやすい、という問題がある。
また、自動車のトランスミッションの様な、高荷重下で高速回転させた場合、軸受の軌道面に金属疲労による表面剥離・表層剥離とは異なり、相当内部の深い部分から生じる特異な剥離現象が現われ、軸受の寿命を短くする原因となっており、この剥離は、軸受の高速化による振動が軌道面の鏡面摩耗を引き起こし、それによる新生面の形成が触媒作用をなしてグリースを分解せしめ、その際に発生した水素が鋼中に侵入し、水素脆性(特異性剥離)を引起こすことが原因である。
この剥離を防止する手段として軸受軌道面に酸化皮膜を形成することが一つの有効な手段であるが、酸化皮膜を形成するために、例えば、低温加熱下のカセイソーダ水溶液中に軌道輪を浸漬して四三酸化鉄皮膜を形成させるという手間のかかる処理が必要となる。
本発明は、前記課題に鑑みて、転動面にかかる面圧を小さくし、転動面転がり疲れにも肩乗り上げにも有利にでき、しかも、発熱及びすべりによるピーリングの面で有利となって自動車用トランスミッションに最適となる玉軸受を提供する。また、軌道輪の材料自体により特異性剥離を防止できるようにすることを課題とする。
トランスミッション用玉軸受は、入力側回転軸と、出力側回転軸と、前記回転軸に対し所定間隔を持って平行に配置される伝達軸と、前記各軸が挿通状となるケーシングと、このケーシングに前記各軸を回転自在に支持するトランスミッション用玉軸受であって、内周面に軌道溝を有する外輪と、外周面に軌道溝を有する内輪と、外輪の軌道溝と内輪の軌道溝との間に転動自在に介在する転動体と、転動体を保持する保持器とを備え、外輪の軌道溝または内輪の軌道溝の少なくとも一方の軌道溝において、その断面形状を、曲率半径の異なる複数の円弧を滑らかに連続させてなる複合円弧とすると共に、幅方向中央側の曲率半径を小さく、幅方向両端側の曲率半径を大きく形成し、前記内輪と転動体、及び前記外輪と転動体との接触点を各一点としたものである。
本発明のトランスミッション用玉軸受によれば、外輪の軌道溝または内輪の軌道溝の少なくとも一方の軌道溝において、幅方向中央側の曲率半径を小さく、幅方向両端側の曲率半径を大きく形成したので、高いモーメント荷重が加わった場合でも、転動体としてもボールが外輪及び内輪の肩に乗り上げにくくなり、転がり接触部分に過大な面圧が作用することを防止できる。しかも、外輪の軌道溝と転動体との接触点は1箇所であり、内輪の軌道溝と転動体との接触点は1箇所であり、転動体の接触点は2点となる。また、溝底部と溝開口部とを滑らかに連続する円弧としたので、転動体の転動が滑らかとなる。
前記内輪または外輪または転動体の少なくとも一種の部品が1.5〜6%Cr含有鋼から成るのが好ましい。1.5〜6%Cr含有鋼からなるものでは、金属表面に効果的な厚みの強いち密なCrの酸化皮膜(FeCrO)ができるため、軌道面を不活性にすることができる。このため、軌道輪の材料自体が酸化皮膜を形成し、特異性剥離を防止できる。
前記内輪または外輪または転動体の少なくとも一種の部品が、窒化処理と寸法安定化処理のうちの少なくとも一方の処理を施するようにできる。窒化処理とは鋼の表面に活性化窒素(N)を浸透させて、表面を硬くする方法である。窒化処理により軸受の部品の表面硬度を高くし、弾性変形を抑えると共に摩耗防止も図ることができる。又、軸受の運転時には発熱量が多くなり、この発熱に伴って玉軸受の構成各部品の寸法が変化し易くなる。寸法安定化処理とは、例えば、残留オーステナイト量γRの低減を目的とした熱処理である。このような寸法安定化処理を行うことによって、前記発熱に拘らず、寸法変化を抑え、玉軸受の耐久性向上を図れる。
各転動体と接触する一方の軌道溝の断面形状の曲率半径を、前記各転動体直径の53〜57%とすると共に、これら各転動体の転動面と接触する他方の軌道の断面形状の各曲率半径を、前記各転動体直径の50.5〜56%とする。すなわち、内輪または外輪のいずれか一方の軌道溝の溝底部の曲率半径を、転動体の直径の53〜57%とすると共に、他方の軌道溝の溝底部の曲率半径を、転動体の直径の50.5〜56%とするのが好ましい。これにより、転がり接触部の接触状態を良好に保つ事ができる。即ち、回転抵抗や内部発熱を抑制し、早期剥離等を防止できる。
内輪の軌道溝の溝底部の曲率半径を外輪の溝底部の曲率半径よりも小さく設定することも可能である。これによって、内輪において、接触面の面圧を低減することができ、ピーリング摩耗の発生を有効に防止できるとともに、摩擦損失の低減を図ることができる。
本発明のトランスミッション用玉軸受では、高いモーメント荷重が加わった場合でも、ボールが外輪及び内輪の肩に乗り上げにくくなり、転がり接触部分に過大な面圧が作用することを防止できる。このため、外輪の内輪に対する傾斜を抑えつつ、この玉軸受の転がり疲れ寿命を確保できて、この玉軸受の耐久性の確保を図れる。しかも、転動体(ボール)の接触点が2点と少なくなるとともに、転動体の転動が滑らかであるので、発熱及びすべりによるピーリング摩擦の発生を有効に防止できるとともに、低トルクになる。このため、この玉軸受は、ピーリング摩耗の発生を有効に防止できるとともに、摩擦損失の低減を図ることができ、しかも、潤滑不足による早期剥離を防止できるので、自動車用のトランスミッションに最適となる。
さらには、前記内輪または外輪の少なくとも一方の軌道輪が1.5〜6%Cr含有鋼とすることで、金属表面に効果的な厚みの強いち密なCrの酸化皮膜〔FeCrO〕ができるため、軌道面を不活性にする。このため、グリースの分解を抑制する。また、たとえグリースが分解しても、その際に発生した水素が鋼中に侵入することを防ぐ。即ち、軌道輪の材料自体が酸化皮膜を形成し、特異性剥離を防止する。
本発明に係るトランスミッション用玉軸受の実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
図1にトランスミッションに用いる玉軸受を示している。すなわち、この玉軸受は、図4に示す様なトランスミッションにおける入力側回転軸13、出力側回転軸14、伝達軸15をそれぞれ回転自在に枢支するものである。
この玉軸受16は、内周面に軌道溝(軌道面)22を有する外輪23と、外周面に軌道溝(軌道面)24を有する内輪25と、これら軌道溝22と軌道溝24との間に転動自在に設けられた複数個の転動体としてのボール27と、外輪23と内輪25との間に介装されてボール27を支持する保持器26とを備える。これらボール27を設置した空間28の両端開口は、それぞれシールリングにより塞ぐことなく、開放している。
図2に示すように、外輪23の軌道溝22は、溝底部22aの曲率半径R1を転動体27の半径R(図1参照)と同一に設定するとともに、溝開口部22bの曲率半径R2を溝底部22aの曲率半径R1よりも大きくし、溝底部22aと溝開口部22bとを滑らかに連続する円弧として組合せる複合溝曲率形状としている。すなわち、軌道溝22において、その断面形状を、曲率半径の異なる複数の円弧を滑らかに連続させてなる複合円弧とすると共に、幅方向中央側の曲率半径R1を小さく、幅方向両端側の曲率半径R2を大きく形成している。このため、外輪23と転動体27との接触点を一点としている。図1に示すように、溝開口部22bは転動体27と接触しない転動体非接触部位となる。なお、溝開口部22bとは、軌道溝22の肩23a近傍部位である。
図3に示すように、内輪25の軌道溝24は、溝底部24aの曲率半径R3を転動体27の半径R(図1参照)と同一に設定するとともに、溝開口部24bの曲率半径R4を溝底部24aの曲率半径R3よりも大きくし、溝底部24aと溝開口部24bとを滑らかに連続する円弧として組合せる複合溝曲率形状としている。すなわち、軌道溝24において、その断面形状を、曲率半径の異なる複数の円弧を滑らかに連続させてなる複合円弧とすると共に、幅方向中央側の曲率半径R3を小さく、幅方向両端側の曲率半径R4を大きく形成している。このため、内輪25と転動体27との接触点を一点としている。図1に示すように、溝開口部24bは転動体27と接触しない転動体非接触部位となる。この場合、内輪25の軌道溝24の溝開口部24bの曲率半径R4を外輪23の溝開口部22bの曲率半径R2よりも小さく設定している。なお、溝開口部24bとは、軌道溝24の肩25a近傍部位である。
ところで、近年に於ける自動車用変速機の小型化、高出力化の要求に伴い、玉軸受の負荷荷重及び回転速度が以前にも増して大きくなっている。そして、この様に自動車用変速機に組み込んだ玉軸受16の使用条件が厳しくなっている為、玉軸受には、従来は見られなかった様な剥離が発生する様になっており、計算寿命よりも早期に寿命に達する様な場合も生じている。すなわち、従来の玉軸受を一般的な条件で使用した場合には、相当な長期間経過後に、金属疲労に基づく通常の転がり疲労剥離が生じる。これに対して、上述の様な厳しい使用条件の下では、前記各ボールの転動面にピーリング摩耗(微小なクラックの集合)が生じ、当該部分から早期に剥離が生じる場合がある。この様な場合に、軸受材料の改良に関する技術を実施するのみでは、前記ピーリング摩耗の発生を有効に防止することはできない。
また、トランスミッションに組み込む転がり軸受に期待される性能として、ギア反力を支承することが挙げられるが、更に、ギアの静粛性を向上させたり、静的強度を確保する事も期待されている。この為に、前記トランスミッションに組み込む転がり軸受として、玉軸受に代えて円すいころ軸受が使用される場合がある。しかし、最近の省エネルギー化の流れにより、前記トランスミッション内の摩擦損失の低減を図る事が望まれている。この為、このトランスミッションに組み込む転がり軸受の動トルクを低減する事が考えられている。これに対して、トランスミッションに組み込む転がり軸受として円すいころ軸受を使用した場合、前記ギア反力を十分に支承したり、ギアの静粛性を確保する面では優れている反面、動トルクが増大し、前記トランスミッション内の摩擦損失が増大する。従って、このトランスミッション内の摩擦損失の低減を考慮した場合、このトランスミッションに組み込む転がり軸受として、上述した様な、玉軸受が好ましい。
また、前記トランスミッション内の摩擦損失の低減を図る為に、このトランスミッションを構成するギアや転がり軸受に供給する潤滑油の量を少なくしたり、攪拌抵抗を低減する為に低粘度の潤滑油を使用することが考えられる。しかし、一般的な軸受鋼製の玉軸受をこの条件で使用した場合、短時間で剥離が生じる可能性がある。例えば、基油の動粘度が40℃時で40mm/sec以下、100℃時で10mm/sec以下といった、低粘度の潤滑油を、潤滑量を20cc/min未満に絞りながら使用すると、軸受内の発熱量が高くなる。この為、100℃を越える環境下での使用となり、軸受内部の潤滑油の量が想定以下(潤滑不足)となる場合がある。この様に潤滑不足となった場合には、軸受内で生じる、各玉の転動面と各軌道輪の軌道溝との差動、公転、スピン等の滑りの影響により、これら転動面と軌道溝との間で油膜切れが生じ、早期剥離が発生する可能性がある。
そこで、本発明では、外輪23及び内輪25の各軌道溝22、24において、溝底部22a、24aの曲率半径R1、R3を転動体27の半径Rと同一に設定するとともに、溝開口部22b、24bの曲率半径R2、R4を溝底部22a、24aの曲率半径R1、R3よりも大きくしたことによって、高いモーメント荷重が加わった場合でも、前記転動体(ボール)27が外輪23及び内輪25の肩23a、25aに乗り上げにくくなり、転がり接触部分に過大な面圧が作用することを防止できる。これによって、外輪23の内輪25に対する傾斜を抑えつつ、この玉軸受の転がり疲れ寿命を確保できて、この玉軸受の耐久性の確保を図れる。
しかも、外輪23の軌道溝22と転動体27との接触点は1箇所であり、内輪25の軌道溝24と転動体27との接触点は1箇所であり、転動体27の接触点は計2点となる。また、溝底部22a、24aと溝開口部22b、24bとを滑らかに連続する円弧としたので、転動体27の転動が滑らかとなる。このため、熱及びすべりによるピーリング摩擦の発生を有効に防止できるとともに、低トルクになる。
このため、本発明の玉軸受16は、ピーリング摩耗の発生を有効に防止できるとともに、摩擦損失の低減を図ることができ、しかも、潤滑不足による早期剥離を防止できるので、自動車用のトランスミッションに最適となる。
また、内輪25の軌道溝24の溝底部24aの曲率半径R3を外輪23の溝底部22aの曲率半径R1よりも大きくしたり、内輪25の軌道溝24の溝底部24aの曲率半径R3を外輪23の溝底部22aの曲率半径R1とを同一としたりすることもできる。
ところで、図1に示す玉軸受において、玉軸受の外輪23の1.5〜6%望ましくは2〜6%のCr含有鋼により構成するのが好ましい。この場合、内輪25も同様の材料で構成してもよいが、コストの面から通常は一般の軸受鋼が使用するのが好ましい。軸受鋼とは、転がり軸受の球、ころ、内輪、外輪に使用される合金鋼である。高速で変動する繰り返し荷重に耐える必要性から高い疲れ強さと耐摩耗性が要求されるので、鋼の清浄度や組織の均一性を重視して製造される。一般に高炭素低クロム鋼が代表的鋼種である。
玉軸受の外輪23に1.5〜6%Cr含有鋼を用いることによって、外輪23は、その金属表面に効果的な厚みの強いち密なCrの酸化皮膜(FeCrO)ができる。このため、軌道面を不活性にすることができる。すなわち、軌道輪の材料自体が酸化皮膜を形成し、特異性剥離を防止できる。
また、図1に示す玉軸受16において、内輪25と外輪23と転動体27とのうちの少なくとも1種の部品が、炭素鋼、軸受鋼、ステンレス鋼等の鉄系金属製である場合には、これら各部品のうちの少なくとも1種の部品に、窒化処理と寸法安定化処理とのうちの少なくとも一方の処理を施す事が、玉軸受の耐久性を確保する面からは好ましい。即ち、玉軸受16の各転動体27の転動面と各軌道溝22、24との当接部の面圧が高くなる。この面圧に基づく弾性変形が大きくなると、当該部品の転がり疲れ寿命が低下して前記玉軸受16の耐久性が低下するので、前記窒化処理により当該部品の表面硬度を高くし、前記弾性変形を抑えると共に摩耗防止も図る。ここで、寸法安定化処理とは、残留オーステナイト量γRの低減を目的とした熱処理である。
又、軸受の運転時には発熱量が多くなり、この発熱に伴って前記玉軸受16の構成各部品の寸法が変化し易い為、前記寸法安定化処理により、前記発熱に拘らず、寸法変化を抑える。このうちの窒化処理とは、C、Nの固溶により表面層を硬化させるものであり、処理後には表面の硬度が高くなる。従って、窒化処理を施せば、前記内輪25と、前記外輪23と、前記各転動体27との表面には、硬度が高い窒化処理層が存在する状態となる。尚、前記内輪25及び外輪23に関しては、前記内輪軌道24或は外輪軌道22部分に窒化処理層が存在すれば、他の部分に存在する必要はない。
但し、これら内輪軌道24或は外輪軌道22の部分にのみ、窒化処理層を形成する作業は面倒である為、実際の場合には、前記内輪25及び外輪23の表面全体に窒化処理層を形成する事が好ましい。尚、前記面圧に基づく弾性変形は、前記内輪23と外輪25と転動体27とに同じ様に生じる訳ではなく、形状並びに材質により生じる程度が異なる。例えば、材質が同じとすれば、外輪軌道22及び内輪軌道25が弾性変形し易いのに対して、転動体27の転動面は弾性変形しにくい。従って、前記窒化処理は、総ての部品に施す事が好ましいが、材質や寸法・形状等に応じて、前記内輪25及び外輪23の様に、一部の部品にのみ施しても良い。
又、前記寸法安定化処理とは、残留オーステナイト量γRの低減を目的とした熱処理であり、例えば前記内輪25と外輪23とを造る為の素材を徐々に冷却する事により、前記処理後の残留オーステナイト量γRを6%容量以下とするものである。この様な寸法安定化処理を施す事により、前記玉軸受16の構成各部品の温度が上昇しても、これら各部品の寸法・形状が正規のものから大きくずれる事を防止し、玉軸受16の諸元が正規のものからずれるのを防止して、この玉軸受16の耐久性向上を図れる。
さらに、各転動体と接触する一方の軌道溝の断面形状の曲率半径を、前記各転動体直径の53〜57%とすると共に、これら各転動体の転動面と接触する他方の軌道の断面形状の各曲率半径を、前記各転動体直径の50.5〜56%とするのが好ましい。すなわち、図2,図3に示すように、玉軸受16を構成する外輪軌道22の溝底部22aの曲率半径R1を、各転動体27の直径Daの53%〜57%(R1=0.53Da〜0.57Da)とする。また、内輪25の内輪軌道24の溝底部24aの曲率半径R3を転動体27の直径Daの50.5〜56%(R3=0.505Da〜0.560Da)とすることも可能である。このうように設定することによって、これら転動体27と各軌道溝22、24との転がり接触部の接触状態を良好に保つ事ができる。
即ち、前記外輪軌道22の溝底部22aの曲率半径R1を前記各転動体27の直径Daの53%未満とした場合、又は、前記内輪軌道24の溝底部24aの断面形状の各曲率半径R3を前記各転動体27の直径Daの50.5%未満とした場合には、転がり接触部の接触楕円が大きくなり過ぎて、回転抵抗や内部発熱が増大し易くなる可能性がある。一方、前記外輪軌道22の溝底部22aの断面形状の曲率半径R1が前記各転動体27の直径Daの57%を超える場合、又は、前記内輪軌道24の溝底部24aの断面形状の各曲率半径R3が前記各転動体27の直径Daの56%を超える場合には、転がり接触部の接触楕円が小さくなり過ぎて、接触圧の増大に基づき、早期剥離等が生じる可能性がある。
内輪25の内輪軌道24の溝底部24aの各曲率半径R3を、転動体27の直径Daの53%〜57%(R1=0.53Da〜0.57Da)とするとともに、外輪23も外輪軌道22の溝底部22aの曲率半径R1を、転動体27の直径Daの50.5〜56%(R3=0.505Da〜0.560Da)とすることも可能である。この場合であっても、これら転動体27と各軌道溝22、24との転がり接触部の接触状態を良好に保つ事ができる。
さらに、内輪25の軌道溝24の溝底部24aの曲率半径R3を外輪23の溝底部22aの曲率半径R1よりも小さく設定してもよい。これによって、転動体との接触条件が厳しい内輪において、接触面の面圧を低減することができ、ピーリング摩耗の発生を有効に防止できるとともに、摩擦損失の低減を図ることができ、しかも、潤滑不足による早期剥離を防止できるので、自動車用のトランスミッションに最適となる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、こうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
図1から図3に示すような軸受に関し、外輪23のCr含有量を順次変えた場合につき、試験温度60〜80℃、回転数18000rpmの実験条件で寿命試験を行なった。その試験結果を比較例(軸受鋼を使用したもの)と共に表1に示す。表1の試験結果は、試験軸受5個の平均値である。
Figure 2009174691
前記の試験結果によれば、外輪23に1.5%以上のCr含有鋼を使用したものは軌道面に特異性剥離が見られず、軸受鋼を使用したものに比べて著しく長寿命を示すことがわかる。Cr含有量が6%を越えると、焼入温度が高くなり、熱処理コストが上がるため、6%以下であることが望ましい。外輪23に1.5%〜6%Cr含有鋼は、金属表面に効果的な厚みの強いち密なCrの酸化皮膜(FeCrO)ができるため、軌道面を不活性にする。このため、軌道輪の材料自体が酸化皮膜を形成し、特異性剥離を防止する。Cr含有量が6%を越えると、焼入温度が高くなり、熱処理コストが上がるため、6%以下であることが望ましい。
以上の結果により、内・外輪のうちいずれか一方の軌道輪に1.5〜6%Cr含有鋼を使用したものは特異性剥離を防止する効果があることが明らかである。この発明の軸受は、固定側軌道輪の材料自体により特異性剥離を防止することができ、また酸化皮膜処理を必要としないので製造コストを低減することができる。
本発明の実施形態を示すトランスミッション用玉軸受の要部断面図である。 前記玉軸受の外輪の要部断面図である。 前記玉軸受の内輪の要部断面図である。 トランスミッションの簡略断面図である。 従来の玉軸受の断面図である。
符号の説明
11 ケーシング
13、14、15 出力側回転軸
22、24 軌道溝
22a、24a 溝底部
22b、24b 溝開口部
23 外輪
25 内輪
26 保持器
27 転動体

Claims (5)

  1. 入力側回転軸と、出力側回転軸と、前記回転軸に対し所定間隔を持って平行に配置される伝達軸と、前記各軸が挿通状となるケーシングと、このケーシングに前記各軸を回転自在に支持するトランスミッション用玉軸受であって、
    内周面に軌道溝を有する外輪と、外周面に軌道溝を有する内輪と、外輪の軌道溝と内輪の軌道溝との間に転動自在に介在する転動体と、転動体を保持する保持器とを備え、外輪の軌道溝または内輪の軌道溝の少なくとも一方の軌道溝において、その断面形状を、曲率半径の異なる複数の円弧を滑らかに連続させてなる複合円弧とすると共に、幅方向中央側の曲率半径を小さく、幅方向両端側の曲率半径を大きく形成し、前記内輪と転動体、及び前記外輪と転動体との接触点を各一点としたことを特徴とするトランスミッション用玉軸受。
  2. 前記内輪または外輪または転動体の少なくとも一種の部品が1.5〜6%Cr含有鋼から成ることを特徴とする請求項1に記載のトランスミッション用玉軸受。
  3. 前記内輪または外輪または転動体の少なくとも一種の部品が、窒化処理と寸法安定化処理のうちの少なくとも一方の処理を施したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトランスミッション用玉軸受。
  4. 前記内輪または外輪のいずれか一方の軌道溝の溝底部の曲率半径を、転動体の直径の53〜57%とすると共に、他方の軌道溝の溝底部の曲率半径を、転動体の直径の50.5〜56%としたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のトランスミッション用玉軸受。
  5. 内輪の軌道溝の溝底部の曲率半径を外輪の溝底部の曲率半径よりも小さく設定したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のトランスミッション用玉軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017026068A (ja) * 2015-07-24 2017-02-02 日本精工株式会社 深溝玉軸受

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